JP2006127851A - 直接メタノール型燃料電池用液体燃料、カートリッジおよび燃料電池システム - Google Patents

直接メタノール型燃料電池用液体燃料、カートリッジおよび燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】長時間の安定した発電に適した直接メタノール型燃料電池用液体燃料、直接メタノール型燃料電池用カートリッジ、直接メタノール型燃料電池システムを提供する。
【解決手段】直接メタノール型燃料電池のアノードに供給される、メタノールと水を含む液体燃料であって、該液体燃料の25℃における電気抵抗率が5×105 Ω・cm以上1×107 Ω・cm以下である直接メタノール型燃料電池用液体燃料。上記の燃料電池用液体燃料を収容しているカートリッジおよび燃料電池システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、直接メタノール型燃料電池用液体燃料、本発明の液体燃料を用いた直接メタノール型燃料電池用カートリッジおよび直接メタノール型燃料電池システムに関する。特に、発電効率に悪影響を与える成分を低減させることで燃料電池の発電性能を向上させる直接メタノール型燃料電池用液体燃料に関する。
一般に固体高分子型燃料電池は、アノード(燃料極)とカソード(空気極)とがプロトン導電性固体高分子膜を挟持する層構造を有する。このアノードとカソードは、白金などの貴金属や有機金属錯体が導電性炭素に担持された触媒と、電解質と、バインダーとの混合体よりなる。アノードに供給された燃料は、電極中の細孔を通過して触媒に達し、触媒により電子を放出して水素イオンとなる。水素イオンは両電極間にある固体高分子膜を通過してカソードに達し、カソードに供給された酸素と外部回路より流れ込む電子と反応して水が生成される。燃料より放出された電子は、電極中の触媒や触媒が担持されている導電性炭素を通過して外部回路へ導き出され、外部回路よりカソードへ流れ込む。この結果、外部回路ではアノードからカソードへ向かって電子が流れ電力が取り出される。
燃料電池のなかでも、メタノールと水を含む液体燃料を直接供給するだけで発電できる直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、燃料の取扱いの容易性および安全性、燃料貯蔵の簡易性といった利点から特に注目されており、携帯用電子機器を始めとする多方面への応用が期待されている。
特許文献1には、DMFCの燃料貯蔵容器を着脱交換可能な容器にしたり、液体燃料を補充可能な容器にしたりすることで、DMFCシステムの小型化と長時間駆動が可能になることが記載されている。
特開2001−93551号公報(段落[0046])
しかし、この種のDMFCシステムを実際に長時間駆動させると、燃料として供給するメタノール水溶液に含まれる微量の不純物成分が電池内に蓄積して、例えば触媒の性能が低下するなどの影響を与えるために電池の起電力が不安定になるという問題があった。この問題は液体燃料に含まれる不純物をあらかじめ除去することで解決できると考えられるが、液体燃料に含まれるどの不純物成分をどの程度低減すればDMFCの長時間安定駆動を実現できるかということは知られていない。
そこで本発明者は、液体燃料に含まれるメタノールと水以外の成分に着目して種々の分析実験を繰り返した結果、液体燃料中に含まれるケトン成分、アルデヒド成分、ハロゲン成分、アルカリ金属成分がその主たる原因成分であることがわかった。また、これらの原因成分を除去した液体燃料は、常温時において特定の範囲内の電気抵抗値を示すこともわかった。
そこで本発明はこのような問題点を解決するものであり、その目的とするところは、DMFCの長時間の安定した発電を可能にする液体燃料、DMFC用カートリッジ、DMFCシステムを提供するところにある。
本発明の第一は、直接メタノール型燃料電池のアノードに供給される、メタノールと水を含む液体燃料であって、該液体燃料の25℃における電気抵抗率が5×105 Ω・cm以上1×107 Ω・cm以下であることを特徴とする直接メタノール型燃料電池用液体燃料である。
前記液体燃料に含まれるメタノールと水以外の成分が10ppm以下であることが好ましい。
前記液体燃料に含まれるケトン成分とアルデヒド成分の合計が5ppm以下であることが好ましい。
前記液体燃料に含まれるハロゲン成分の合計が1ppm以下であることが好ましい。
前記液体燃料に含まれるアルカリ金属成分の合計が5ppm以下であることが好ましい。
本発明の第二は、上記の燃料電池用液体燃料を収容していることを特徴とする直接メタノール型燃料電池用カートリッジである。
本発明の第三は、(A)アノードとカソードに挟持されたプロトン導電性固体高分子膜と、前記アノードに液体燃料を供給する流路と、前記カソードに酸化剤ガスを供給する流路を有する電池単セルまたはこの電池単セルが複数個積層されたセルスタックと、(B)前記アノードに供給される液体燃料を収容している燃料カートリッジを備えた直接メタノール型燃料電池システムであって、前記液体燃料が請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池用液体燃料であることを特徴とする直接メタノール型燃料電池システムである。
前記液体燃料と接する部材の材質がメタノールまたは水に可溶の成分を含んでいないことが好ましい。
本発明によれば、長時間の安定した発電に適した直接メタノール型燃料電池用液体燃料、直接メタノール型燃料電池用カートリッジ、直接メタノール型燃料電池システムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
[本発明における液体燃料の特徴]
本発明における直接メタノール型燃料電池(DMFC)用液体燃料の25℃での電気抵抗率は5×105 Ω・cm以上1×107 Ω・cm以下、好ましくは1×106Ω・cm以上1×107Ω・cm以下である。
ほぼメタノール水溶液のみからなる液体燃料の電気抵抗率は市販の一般的な電気伝導率計、例えば横河電機のSC−82や堀場製作所のDS−50など、を用いることで容易に測定可能である。不純物の混入のために電気抵抗率が5×105 Ω・cm未満であるDMFC用液体燃料は、電池の長時間運転において起電力を低下させる悪影響を与える。一方、電気抵抗率が1×107 Ω・cmをこえるDMFC用液体燃料は、水素イオンの供給源となる成分が不足するためDMFC用液体燃料として不適である。
また、本発明におけるDMFC用液体燃料の別の形態において、液体燃料に含まれるメタノールと水以外の成分は10ppm以下である。液体燃料に含まれる成分のうち、メタノールと水はアノードで電子と水素イオンを取り出す必須成分であり、消費されなかったメタノールと水は回収可能である。しかし、その他の成分は発電に寄与しないだけでなく、電池内に蓄積されると起電力低下などの悪影響を及ぼしうるので、液体燃料中に10ppmより多く含んでいないことが好ましい。メタノールと水以外の成分が10ppm以下であれば、その起電力低下の影響は軽微とみなせる。
液体燃料に含まれるメタノールと水以外の成分の中で特にDMFCの起電力低下に寄与する成分は、ケトン成分、アルデヒド成分、ハロゲン成分、アルカリ金属成分である。
よって、本発明の実施形態の一つとして、ケトン成分とアルデヒド成分の合計含有量が5ppm以下、好ましくは4ppm以下であるDMFC用液体燃料が挙げられる。本発明におけるケトン成分とは、構造中にケトン基を有する単種類または複数種類の化合物を意味する。同様にアルデヒド成分とは、構造中にアルデヒド基を有する単種類または複数種類の化合物を意味する。実際に液体燃料に含まれる可能性が高いケトン成分とアルデヒド成分の例としては、アセトン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなどがある。これらケトン成分とアルデヒド成分が液体燃料中に合計で5ppmより多く含まれていると、そのケトン成分とアルデヒド成分は電極に含まれる触媒に付着して被毒現象を引き起こすことで電池の起電力低下を招く。
また、本発明の実施形態の一つとして、ハロゲン成分の含有量が1ppm以下、好ましくは0.5ppm以下であるDMFC用液体燃料が挙げられる。このハロゲン成分が液体燃料中に合計で1ppmより多く含まれていると、そのハロゲン成分が多孔質電極、触媒、プロトン導電性固体高分子膜、その他各種構成部材に付着して不活性化、腐食などを引き起こすことで電池の起電力低下を招く。
また、本発明の実施形態の一つとして、アルカリ金属成分の含有量が5ppm以下、好ましくは3ppm以下であるDMFC用液体燃料が挙げられる。実質的に液体燃料に含まれる可能性があるアルカリ金属成分は、リチウム、カリウム、ナトリウムの各成分である。また、マグネシウム成分も液体燃料に含まれる可能性があるが、このマグネシウム成分の含有量も5ppm以下程度に低減させることが好ましい。これらアルカリ金属成分が液体燃料中に合計で5ppmより多く含まれていると、そのアルカリ金属成分がプロトン導電性固体高分子膜に付着することで内部抵抗が高まり、電池の起電力低下を招く。
なお、ケトン成分やアルデヒド成分といった有機成分の液体燃料に対する含有量測定方法の例としては、ガスクロマトグラフィー/マススペクトル装置における選択イオン検出による定量分析法(GC/MS−SIM)や、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に代表されるカラムクロマトグラフィーによる成分の分取とIR、NMRなどによる化合物特定法の併用などが挙げられる。
アルカリ成分またはハロゲン成分といった無機成分の液体燃料に対する含有量測定方法の例としてはイオンクロマトグラフィー、誘導結合高周波プラズマ放電を利用する発光分光分析(ICP発光分析)、原子吸光分析、硝酸銀滴定法、イオン選択性電極など、あるいはこれらイオンクロマトグラフィーの併用が挙げられる。
上記の測定方法は色々あるけれども、本発明においては、定量分析法(GC/MS−SIM)、イオンクロマトグラフィーによる測定値を意味している。
本発明におけるDMFC用液体燃料におけるメタノールと水以外の成分の含有量を特定するためには、上記の方法を併用すればよい。
[本発明における液体燃料の製造方法]
本発明のようなメタノールと水を主成分とするDMFC用液体燃料の製造方法は、当業者にはよく知られている方法を用いることができる。本発明は、このDMFC用液体燃料ゾルの電気抵抗率や微量不純物成分の含有量に特徴があり、この特徴を除けば、そのゾル組成や製造方法は特に制限されない。ただし、アノードではメタノールと水の両方が等モル消費されることを勘案すると、液体燃料に含まれる水の量は40重量%以上99重量%以下であることが好ましい。
このような高純度の液体燃料ゾルを得るためには、事前に原料であるメタノールと水から不純物を取り除く蒸留、昇華、再結晶等の精製操作を充分に行った後にメタノールと水を混合する必要がある。工業的に使用されるメタノールには、通常、アセトンとアセトアルデヒドが合計で30ppmほど含まれている。また、工業用水には、通常、塩化物イオンやカリウム、ナトリウムイオン由来の成分が各々20〜80ppmほど含まれている。これら原料の精製方法は特に制限されるものでなく様々であるが、例えば、蒸留、イオン交換樹脂の使用、フィルターろ過等が挙げられる。
本発明における純度を達成するためには、これらの精製操作を複数回繰り返したり、組み合わせたりすることが好ましい。
[本発明における直接メタノール型燃料電池用カートリッジ]
本発明におけるDMFC用カートリッジは、前記本発明のいずれかの直接メタノール型燃料電池用液体燃料を貯蔵することが発明の本質であり、その他の形状や燃料の供給方法、燃料電池本体との着脱方法などは問わない。
ただし本発明のDMFC用カートリッジにおいて、液体燃料と接する部材の材質はメタノールまたは水に可溶の成分を含んでいないことがより好ましい。そのような部材の材質の例としては、可塑剤を含まない樹脂、金属、ガラス等が挙げられる。もし、液体燃料と接する部材の材質にメタノールまたは水に可溶の成分が含まれていると、液体燃料に溶出した成分が電池内に混入、蓄積され、起電力を低下させるおそれがある。
本発明において、上記のカートリッジの材質がメタノールまたは水に可溶の成分を含んでいないとは、カートリッジの材質のメタノールまたは水に対する溶解度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下であることを表わす。
[本発明における直接メタノール型燃料電池システム]
本発明におけるDMFCシステムは、前記本発明のいずれかの液体燃料を使用することが発明の本質であり、その他の部材の種類やシステムの構成およびその製造方法は問わない。
ただし本発明のDMFCシステムにおいて、液体燃料と接する部材、例えば燃料カートリッジの内壁や燃料流路の材質はメタノールまたは水に可溶の成分を含んでいないことがより好ましい。もし、液体燃料と接する部材の材質にメタノールまたは水に可溶の成分が含まれていると、液体燃料に溶出した成分が電池内に混入、蓄積され、起電力を低下させるおそれがある。
また、本発明のDMFCシステムにおける燃料カートリッジは本発明のDMFC用カートリッジを転用していても良いし、本発明のDMFC用カートリッジから液体燃料を注入する機能を有していても良い。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
実施例1
(本発明の直接メタノール型燃料電池用液体燃料の製造例)
市販の1級メタノールに対してイオン交換樹脂による精製作業を1回、逆浸透膜(分子量50以下の化合物のみ透過する)によるフィルターろ過作業を1回、減圧蒸留による精製作業を1回実施した。
続いて、一般の水道水に対してイオン交換樹脂による精製作業を3回、常圧蒸留による精製作業を2回実施した。
これらの精製メタノール5重量部と精製水95重量部を混合することで、本発明の直接メタノール型燃料電池(DMFC)用液体燃料を得た。
導電率計(SC−82、横河電機)によると、本発明の液体燃料の電気抵抗率は2.5×106 Ω・cmであった。また、この液体燃料に含まれるハロゲン成分をイオンクロマトグラフィー(IC500、横河電機)により測定したところ、約0.1ppmという値が得られた。同様に、イオンクロマトグラフィーにより液体燃料に含まれるアルカリ金属成分の量を測定したところ、約1ppmという値が得られた。また、この液体燃料に含まれるケトン成分とアルデヒド成分の合計量をGC−MS/SIM(5973N、Agilent)により測定したところ、約3ppmという値が得られた。
実施例2
(本発明の直接メタノール型燃料電池用液体燃料の製造例)
市販の特級メタノールに対して逆浸透膜(分子量50以下の化合物のみ透過する)によるフィルターろ過作業を1回、減圧蒸留による精製作業を1回実施した。
続いて、化学実験用として市販の精製水に対してイオン交換樹脂による精製作業を1回、常圧蒸留による精製作業を1回実施した。
これらの精製メタノール15重量部と精製水85重量部を混合することで、本発明の直接メタノール型燃料電池(DMFC)用液体燃料を得た。
本発明の液体燃料の電気抵抗率は2.7×106 Ω・cmであった。また、この液体燃料に含まれるハロゲン成分は0.1ppm以下であった。液体燃料に含まれるアルカリ金属成分の量は、約2ppmであった。液体燃料に含まれるケトン成分とアルデヒド成分の合計量は約4ppmであった。
実施例3
(本発明の直接メタノール型燃料電池用カートリッジの製造例)
アノードへの燃料供給口としての開口部を有する容器をポリプロピレン樹脂で形成し、その中に実施例1に記載のDMFC用液体燃料を含浸させたポリエステル製のスポンジ体を収納することで、本発明のDMFC用カートリッジを得た。
このカートリッジを1ヶ月間静置した後に内部の液体燃料を再回収して実施例1と同様の分析作業を行ったところ、メタノールと水以外の成分量は同等であった。
実施例4
(本発明の直接メタノール型燃料電池システムの製造例)
図1に示すような構成のDMFCシステムを製造した。
本実施例のDMFCシステムの起電部となるMEA(Membrane Electrode Assembly)1は、アノード101とカソード103と、上記アノード101およびカソード103の間に配置されるプロトン導電性固体高分子膜102よりなる。本実施例でのプロトン導電性固体高分子膜102としては「ナフィオン112」(パーフルオロスルホン酸膜 デュポン社製)を用いた。さらに、MEA1へ液体燃料を供給するアノード流路板2がアノード101側に配設される。本発明のDMFC用液体燃料が収容される燃料カートリッジ4は、送液ポンプ5を介して上記アノード流路板2に接続される。
本実施例においては実施例1で製造したDMFC用液体燃料を燃料カートリッジ4に貯蔵した。
一方、MEA1へ酸化剤ガスを供給するカソード流路板3は、カソード103側に配設されている。カソード流路板3には、送気ポンプ6が接続されている。図示していないが、上記起電装置MEA1はヒータにより加熱される。
MEA1の製造実施例の詳細は以下のとおりである。
触媒(白金40wt%−ルテニウム20wt%)を担持した導電性炭素(IEPC40A−II、石福金属興業)4gを、イオン交換水10g、ナフィオン5%溶液(和光純薬)8gとともに混合しペースト状にした。このペーストを、「ナフィオン112」の表面に塗工し乾燥させた。この時の白金−ルテニウム合金の塗布量は約4mg/cm2 であった。
次に、厚さ0.2mmのカーボンペーパー(TGP−H−060、東レ)を塗工面に密着し、100℃、50kg/cm2 でプレス処理して本実施例のMEA1とした。このMEA1のうち発電に関わる部分の面積は25cm2 であった。
このDMFCシステムにおいて液体燃料は、燃料カートリッジ4から送液ポンプ5によりアノード流路板2に供給され、この流路板の溝の部分を流れる。本実施例において燃料カートリッジ4およびアノード流路板2までの送液管はポリプロピレン樹脂によるものを用いた。燃料カートリッジ4と送液管の接続部はステンレス製の部材を使用した。
比較例1
(比較用の直接メタノール型燃料電池システムの製造例)
市販の1級メタノール(キシダ化学)5重量部と水道水(東京都)95重量部を混合して比較用の液体燃料を得た。
導電率測定によると、この液体燃料の電気抵抗率は6.6×103 Ω・cmであった。また、イオンクロマトグラム測定によると、この液体燃料に含まれるハロゲン成分は約1.5ppmであった。同様に、この液体燃料に含まれるアルカリ金属成分の量を測定したところ、約20ppmという値が得られた。またGC−MS/SIM法によると、この液体燃料に含まれるケトン成分とアルデヒド成分の合計量は約30ppmであった。
図1における燃料カートリッジ4に上記比較用の液体燃料を貯蔵した他は、実施例4と同様にして比較用のDMFCシステムを製造した。
実施例4で製造した本発明のDMFCシステムと比較例1で製造したDMFCシステムについて合計720時間の発電実験を実施した。実験前と実験後におけるDMFCシステムの開回路電圧(電流を取り出さない時の起電力)を以下の表に示した。
Figure 2006127851
上記の表のとおり、本発明のDMFCシステムでは開回路電圧の顕著な劣化は見られなかったが、比較用のDMFCシステムにおいては経時とともに起電力が降下した。これは液体燃料中に含まれる成分に起因すると予想される。
以上実施例を挙げて説明してきたが、本発明は原料の精製方法やカートリッジ、システムを構成する素材に何ら限定されるものでは無い。
本発明によれば、長時間の安定した発電に適した直接メタノール型燃料電池用液体燃料、直接メタノール型燃料電池用カートリッジ、直接メタノール型燃料電池システムを提供することができる。
本発明の実施例4における直接メタノール型燃料電池システムの構成を示す模式図である。
符号の説明
1 MEA(Membrane Electrode Assembly)
2 アノード流路板
3 カソード流路板
4 燃料カートリッジ
5 送液ポンプ
6 送気ポンプ
101 アノード
102 プロトン導電性固体高分子膜
103 カソード

Claims (9)

  1. 直接メタノール型燃料電池のアノードに供給される、メタノールと水を含む液体燃料であって、該液体燃料の25℃における電気抵抗率が5×105 Ω・cm以上1×107 Ω・cm以下であることを特徴とする直接メタノール型燃料電池用液体燃料。
  2. 前記液体燃料に含まれるメタノールと水以外の成分が10ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の液体燃料。
  3. 前記液体燃料に含まれるケトン成分とアルデヒド成分の合計が5ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の液体燃料。
  4. 前記液体燃料に含まれるハロゲン成分の合計が1ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の液体燃料。
  5. 前記液体燃料に含まれるアルカリ金属成分の合計が5ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の液体燃料。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池用液体燃料を収容していることを特徴とする直接メタノール型燃料電池用カートリッジ。
  7. 前記液体燃料と接する部材の材質がメタノールまたは水に可溶の成分を含んでいないことを特徴とする請求項6記載のカートリッジ。
  8. (A)アノードとカソードに挟持されたプロトン導電性固体高分子膜と、前記アノードに液体燃料を供給する流路と、前記カソードに酸化剤ガスを供給する流路を有する電池単セルまたはこの電池単セルが複数個積層されたセルスタックと、(B)前記アノードに供給される液体燃料を収容している燃料カートリッジを備えた直接メタノール型燃料電池システムであって、前記液体燃料が請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池用液体燃料であることを特徴とする直接メタノール型燃料電池システム。
  9. 前記液体燃料と接する部材の材質がメタノールまたは水に可溶の成分を含んでいないことを特徴とする請求項8に記載の直接メタノール型燃料電池システム。
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