JP4791757B2 - 燃料電池用液体燃料、燃料電池用燃料カートリッジ及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池用液体燃料、燃料電池用燃料カートリッジ及び燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池用液体燃料、燃料電池用燃料カートリッジ及び燃料電池に関するものである。
燃料電池は、電池内で水素やメタノール等の燃料を電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換して取り出すものである。よって、火力発電のように燃料の燃焼によるNOxやSOxなどの発生がないため、クリーンな電気エネルギー供給源として注目されている。
その中でも直接液体燃料型電池は、小型化が可能とされ、携帯用燃料電池として開発が盛んになされている。直接液体型燃料電池には、液体燃料供給型や毛管力を利用したものなど種々のタイプが知られており、燃料としてはメタノール、蟻酸、メタノールと蟻酸の混合物及びそれら水溶液等が用いられている。特許文献1は直接アルコール型燃料電池のうち燃料浸透気化型燃料電池に関するもので、燃料の浸透性を向上させるために燃料に界面活性剤を添加すると共に安全性の観点から識別剤(色や匂いを有する有機物)を添加することが報告されている。しかし、ここで報告されている燃料電池は、燃料を毛細管現象により多孔体に浸透させ気化する方式をとっているため、これらの添加物が気化してMEAに蓄積されることはない。
一方、携帯用燃料電池では、連続発電するためには、いかに燃料を補給するかがカギとなる。そこで、燃料供給方法の一つとして、燃料電池本体と燃料電池本体に接続できる燃料カートリッジを分離した設計にすると燃料カートリッジの交換で燃料電池の連続発電を可能にすることができる。
特開2001−93558号公報
上記の燃料電池において燃料カートリッジは、連続発電を行う上で必須のものである。一方、直接液体燃料型燃料電池では、燃料が発電素子(MEA:膜電極接合体)に直接供給されるため、燃料中の不純物の影響を非常に受けやすい欠点を持っている。燃料自体は、種々の方法で合成調合されるため、多くの有機物不純物が混入する可能性がある。また、燃料カートリッジに使用される燃料の濃度には、体積エネルギー密度を高くするために高濃度化の要求がある。そこで、燃料によって有機物不純物などが溶出する可能性が考えられる。しかしながら、液体燃料が直接、膜電極接合体と接するタイプの燃料電池において、有機物不純物と性能との関係は、いまだ報告されていない。
本発明は、長期運転性能の向上とカソードへの燃料透過の抑制を達成することが可能な燃料電池用液体燃料、燃料電池用燃料カートリッジ及び燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池用液体燃料は、有機物を含む燃料成分と、アセトアルデヒド、酢酸、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、アンモニア及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上からなる0.1ppm以上、20ppm以下の有機物不純物とを含むことを特徴とするものである。
前記燃料成分の有機物にはメタノール及び/または蟻酸を使用することができる
本発明に係る燃料電池用燃料カートリッジは、液体燃料出口部を有する容器と、前記容器内に収容される液体燃料とを具備する燃料電池用燃料カートリッジであって、
前記液体燃料出口部での前記液体燃料は、有機物を含む燃料成分と、アセトアルデヒド、酢酸、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、アンモニア及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上からなる0.1ppm以上、20ppm以下の有機物不純物とを含むことを特徴とするものである。
この燃料電池用燃料カートリッジにおいては、前記容器の液体燃料と接する部分もしくは前記液体燃料出口部に有機物吸着剤もしくはフィルタを配置することができる。
また、前記容器の液体燃料の接する界面部分に燃料のカートリッジへの浸透を抑制する層を形成することができる。
本発明に係る燃料電池は、液体燃料出口部を有する容器及び前記容器内に収容される液体燃料を備えた燃料カートリッジと、前記燃料カートリッジの液体燃料出口部が接続される燃料電池起電部とを具備する燃料電池であって、
前記液体燃料出口部での前記液体燃料は、有機物を含む燃料成分と、アセトアルデヒド、酢酸、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、アンモニア及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上からなる0.1ppm以上、20ppm以下の有機物不純物とを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、長期運転性能の向上とカソードへの燃料透過の抑制を達成することが可能な燃料電池用液体燃料、燃料電池用燃料カートリッジ及び燃料電池を提供することができる。
本発明は、液体燃料電池おける有機物不純物の電池性能への影響を鋭意研究するなかでなされた。液体燃料の燃料成分は有機物を含むもので、有機物としては、メタノール、蟻酸及びその混合物等があげられるがこれらに限定されるわけではない。燃料成分は、有機物のみからなるものでも、有機物の水溶液でも使用可能である。燃料成分中の有機物含有量は、30重量%以上100重量%以下であることが好ましく、60重量%以上99.5重量%以下であることがより好ましい。燃料成分の有機物含有量が30重量%未満の場合には燃料タンクが大きくなりすぎ、小型化を図ることが困難になる。燃料成分の他方の成分である水等の含有量は、こうした有機物の量に応じて、適宜決定することができる。
有機物不純物は、燃料成分の有機物とは異なるものである。さらに、蟻酸メチル、ジメチルエーテル、ホルムアルデヒド、ジメトキシメタン及びオルト蟻酸メチルなどは、20ppmを超えていても燃料となりうるので有機物不純物から除外する。
このような有機物不純物は燃料電池の心臓部分である膜電極接合体(MEA)の中に蓄積され、触媒の反応障害や電解質膜の抵抗増大を招くと共に電気化学反応を生じさせる三相界面を崩壊させ、燃料電池使用時間(累積時間)とともに燃料電池性能の低下及び劣化を引起すという問題点がある。
本発明者らは、燃料カートリッジの液体燃料出口部での液体燃料中の有機物不純物が20ppmを超えると急激な劣化が見られることを見出した。このことから、燃料電池起電部を液体燃料中の有機物不純物による性能劣化から保護するためには、燃料カートリッジの液体燃料出口部での液体燃料中の有機物不純物総量を20ppm以下にすることが望ましい。有機物不純物総量が20ppmを超える濃度になると燃料電池を駆動させた場合、電解質の抵抗が増加し触媒反応の障害などによる燃料電池の性能の低下及び劣化が大きくなり、長時間性能を維持することができないからである。
この有機物不純物は、低濃度でもMEA中に蓄積されるため、全く存在しないのが望ましいと考えるべきところ、本発明者らが、有機物不純物に、カソードへの燃料透過(特にメタノールクロスオーバ)を抑制する効果があることを初めて見出し、その量を0.1ppm以上、20ppm以下にすることにより、長期運転性能の向上と併せ、カソードへの燃料透過を抑制できることを究明した。燃料カートリッジの液体燃料出口部での有機物不純物の総量のさらに好ましい範囲は、0.5ppm以上、10ppm以下である。
燃料カートリッジは、液体燃料出口部を有する容器と、前記容器内に収容される液体燃料とを具備する。燃料カートリッジは、燃料電池起電部からの着脱が自在で、交換が可能なものでも、燃料電池起電部に固定され、液体燃料の補充が可能なものでも良い。液体燃料出口部での有機物不純物量を0.1〜20ppm以下にするには、例えば、有機物不純物の総量が前記範囲内にある液体燃料の使用が考えられる。例えば蒸留等を用いて精製することにより、液体燃料中の有機物不純物量を前記範囲内に制御することができる。
液体燃料の有機物不純物濃度を予め前記範囲内に設定し、かつ燃料カートリッジの容器を燃料に対して溶解しないポリマーや金属から形成することが望ましい。
かかるポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、PFA、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、エポキシ樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
一方、金属としては、例えば、ステンレス、モリブテン、チタン等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。また、燃料等に徐々に溶解する可能性のある金属でも容器内部に溶解しない金属容器保護層(バリア層)を設けることで、使用することが出来る。金属容器保護層には、貴金属、酸化物(例えば、Ti,Si及びZrよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素の酸化物)、ポリマー、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等が挙げられるが、限定されるわけではない。
上記ポリマーにおいても、ポリマー中の合成触媒や添加剤などが液体燃料に溶出する可能性がある。よって、容器の内壁に保護層を形成することが望ましい。
保護層は、例えば、スパッタ法、CVD法、塗布法などから形成することができる。
容器において、保護層及びポリマーからの有機成分の溶出を防止するため、少なくとも液体燃料と接する界面部分に液体燃料の浸透を抑制するバリア層を形成することが好ましい。バリア層は、例えば、スパッタ法、CVD法、塗布法などによって形成される。具体的なバリア層の材質としては、酸化物(例えば、Ti,Zr及びSiよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物及び複合酸化物、Ti,Zr及びSiよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素とMo,P及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の複合酸化物等)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等が挙げられるが、限定されるわけではない。
燃料カートリッジ内に有機物不純物の吸着剤を内蔵しておけば、燃料カートリッジから溶出があったとしても、有機物不純物を吸着剤により除去することができ、液体燃料出口部での有機物不純物の総量を規定値に維持することができる。極性の低い有機物不純物の吸着剤としては、活性炭、微細孔を有する樹脂等がある。また、窒素元素含む有機化合物不純物にはカチオン交換樹脂やカチオン交換セラミックなどが挙げられる。カートリッジに内蔵されるカチオン交換能力としては、燃料中に既に含まれる有機物不純物とカートリッジからの予想溶出量との総量以上の吸着量があればよい。さらに、不純物総量の3倍以上あれば尚良い。吸着剤の配置は、液体燃料と接する部分なら何処でもよく、また形状にもこだわらない。具体的には、カートリッジの燃料供給口の部分にフィルターとして配置する場合やカートリッジ内部に粒状物として配置する場合、カ−トリッジ内部に貼り付ける場合などが挙げられるが限定されるわけではない。微細孔を有する樹脂として、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体樹脂等が挙げられるが限定されるわけではない。カチオン交換樹脂として、スルホン酸基、カルボキシル基及びりん酸基(ホスホン酸基)よりなる群から選択される少なくとも1種類の官能基を有すると共に液体燃料に対して不溶性の高分子であれば何でも良い。具体的には、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体樹脂等が挙げられるが限定されるわけではない。カチオン交換セラミックは、りん酸水素塩及び/または硫酸水素塩の難溶性塩を用いると良い。具体的には、りん酸水素ジルコニウムなどが挙げられるが限定されるわけではない。
なお、有機物不純物濃度が20ppmを超えている液体燃料でも、燃料カートリッジ内の吸着剤で有機物不純物を除去し、液体燃料出口部での有機物不純物濃度が0.1〜20ppmとなっていれば、使用可能である。
また、燃料カートリッジの容器がポリマーから形成されている場合には、上記のバリア層以外に液体燃料のカートリッジからの蒸発を防止するため、更なる保護層を設けることが望ましい。この保護層は、燃料カートリッジの液体を蓄える部分でかつ液体燃料と接しない位置に蒸着またはスパッタにより金属やDLCの薄膜を形成することにより得られる。具体的には、アルミニウムやDLC等が挙げられるが、これに限定されるわけでない。
一方、安全上あえて混入する識別材(色や匂いのする有機物)を吸着及びろ過して除くためのフィルター及び吸着材を、燃料カートリッジの液体燃料出口部に配置することで除去することができる。吸着材としては、例えば、活性炭、イオン交換樹脂、微細孔有する樹脂などが挙げられる。フィルターとしては、識別材として着色剤の一種で顔料等の微粒子を取り除くため、燃料の浸透性の良い多孔質体等を用いると良い。ろ紙のようなものから、親水処理をしたカーボン多孔質体、細孔を持っている膜などが挙げられるが限定されるわけではない。
本発明に係る燃料電池の実施形態を図1〜図3に示す。
図1は本発明の第1の実施形態に係るアクティブ型液体燃料電池の構成例を示す模式図で、図2は図1の燃料カートリッジの模式的な断面図で、図3は本発明の第2の実施形態に係るパッシブ型液体燃料電池の構成例を示す模式図である。
図1に示す燃料電池は、燃料電池起電部1と、前記燃料電池起電部1に接続される燃料カートリッジ2とを具備する。燃料電池起電部1は、膜電極接合体(MEA)を少なくとも1組備えたスタック3と、液体燃料タンク4と、燃料ポンプ5及び23と、濃度センサー22と、補機6とを備える。膜電極接合体(MEA)は、電解質膜と、電解質膜の一方の面に形成されたカソードと、電解質膜の他方の面に形成されたアノードとを含む。電解質膜には、例えば、パーフルオロスルホン酸膜のようなプロトン伝導性膜を使用することができる。アノード(燃料極)は、アノード触媒層とアノード拡散層(例えばカーボンペーパ)とを含み、アノード触媒には、例えば、Pt−Ru系の触媒を使用することができる。カソード(酸化剤極)は、カソード触媒層とカソード拡散層(例えばカーボンペーパ)とを含み、カソード触媒には、例えば、Pt系の触媒を使用することができる。
また、スタック3は、MEAのアノード側に配置された燃料流路を有するセパレータと、MEAのカソード側に配置された酸化剤流路を有するセパレータとをさらに具備する。
液体燃料タンク4とスタック3との間には、液体燃料供給路7と、液体燃料排出路8とが設けられている。液体燃料供給路7は、スタック3のアノードに液体燃料を供給するためのもので、液体燃料排出路8は、スタック3のアノードから排出された液体燃料を液体燃料タンク4に回収するためのものである。補機6は、MEAのカソードに空気を供給するための空気ポンプ(図示しない)と、カソードから排出された空気及びアノードの排気ガスを冷却するための凝縮器(冷却器)とを具備する。補機6とスタック3との間には、空気供給路10と、空気排出路11とが設けられている。また、液体燃料タンク4と補機6との間には、凝縮水回収路9とCO2排気ガス路12とが設けられている。空気供給路10は、空気ポンプにより送り出された空気をスタック3のカソードに供給するためのもので、空気排出路11は、カソードから排出された空気を凝縮器に戻すためのものである。カソードから排出された空気は、凝縮器により冷却されて水分が凝縮し、凝縮水回収路9を通して液体燃料タンク4に回収され、気体成分は、排気ガス管24を通して排出される。また、アノードで発生した排気ガスは、CO2排気ガス路12を通して補機6の凝集器で冷却され、気液分離されたのち、CO2は、排気ガス管24を通して排出する。
液体燃料カートリッジ2は、図2に示すように、容器13と、容器13に形成されたコネクタ14と、コネクタ14内に配置されたフィルターもしくは吸着剤15と、一端が容器13の底部に配置され、かつ他端がコネクタ14の液体燃料出口部14a内に配置されたパイプ16とを具備する。パイプ16は、容器13内の液体燃料の量が少なくなった際、液体燃料を効率良く液体燃料出口部14aに誘導するためのものである。また、容器13の液体燃料と接する部分(例えば内壁)には、バリア層17を形成しても良い。
コネクタ14は着脱自在な構造を有しており、燃料ポンプ5を介して液体燃料タンク4に接続されている。よって、この液体燃料カートリッジ2は交換が可能である。また、コネクタ14が着脱自在な構造でなく、液体燃料カートリッジ2の交換が難しい場合、容器13に供給口を設け、この供給口から液体燃料を補充すると良い。
図3に示すパッシブ型液体燃料電池は、アノードへの燃料供給方法が異なる以外は、前述した図1,2に示すアクティブ型液体燃料電池と同様な構成を有する。
膜電極接合体(MEA)が並列に接続された平面スタック18は、液体燃料タンク19の両側に配置されている。平面スタック18と液体燃料タンク19の間には、液体燃料の供給量を制御する層(例えば、液体の拡散制御膜や気化成分が選択的に透過させる気液分離膜など)20が配置されている。
液体燃料カートリッジ2の着脱自在なコネクタ14は、燃料ポンプ21を介して液体燃料タンク19に接続されている。
[実施例]
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
99.6%メタノール50g(等級EL)中の有機物不純物をGC−MS(測定装置; アジデント社製、GC−MS 5973)で分析したところ、0.1ppm以下であった。一方、純水としては、有機物不純物量が0.1ppm以下のものを使用した。このメタノールを純水で希釈して1mol/lの溶液とし、これにエタノール(EtOH)を有機物不純物量が下記表1に示す値となるように添加し、サンプル1の燃料電池用液体燃料を得た。得られた液体燃料をPFA製の燃料カートリッジに充填し、電極面積が12cm2の単セルで後述する条件で燃料電池評価を行った。
サンプル2〜18及び比較例1〜7で添加した有機性不純物は、アセトアルデヒド(CH3CHO)、酢酸(CH3COOH)、1‐プロパノール(1−PrOH)、2‐プロパノール(2−PrOH)、アセトン{(CH32CO}、アンモニア(NH3)、シクロヘキサノン(cyclo−C610O)、ジブチルフタレート(DBP)、トリエトキシフォスフィンオキサイド(TEP)、トリフェノキシフォスフィン(TP−I)、トリフェノキシフォスフィンオキサイド(TPP)、可塑剤RS107(旭電化工業社製),酸化防止剤アデカスタブAQ−30(旭電化工業社製)、酸化防止剤ノクラック400(大内新興化学工業社製)、酸化防止剤ノクラック300(大内新興化学工業社製)、紫外線吸収剤スミソープ200(住友化学社製)、紫外線吸収剤スミソープ400(住友化学社製)である。液体燃料中の有機物不純物総量については、下記表1に示した。
(実施例2)
有機物不純物による電池性能の劣化評価
使用したMEAでは、ガス拡散層(GDL)にはカーボンペーパを使用した。カソードの白金担持(Loading)量を2.0mg/cm2、アノードの触媒担持(Loading)量を3.8mg/cm2とした。単セルの流路は、サーペンタイン型にした。電極面積は12cm2とした。燃料電池の運転条件は、70℃で、空気流量が120ml/min、燃料流量が0.8ml/minで、電流密度150mA/cm2での電圧の経時変化を観測した。結果を劣化率として表1〜表2に示した。ただし、劣化率=500時間後の電圧/初期電圧とする。また、運転は、図4に示すように、10時間運転、14時間停止を1サイクル/日として、駆動時間の累積で経過時間を表した。
Figure 0004791757
Figure 0004791757
表1,表2の結果の図5を参照して説明する。図5に示すように、有機物不純物量が0.1ppmよりも少ない標準燃料を使用した場合(比較例7)、MEA自体の劣化(触媒等の劣化など)が原因で長期性能の劣化率が4.1%となった。有機物不純物濃度が20ppmを超えている比較例1〜6の燃料電池では、MEA自体の劣化と併せ、有機物不純物による劣化も顕著に生じるため、長期性能の劣化率が10〜20%と大きくなった。
これに対し、有機物不純物濃度が0.1〜20ppmであるサンプル1〜18の燃料電池では、標準燃料を使用した比較例7とほぼ同等の長期性能の劣化率が得られた。特に、有機物不純物濃度が0.5〜10ppmであるサンプル4,6〜18の劣化率が、有機不純物濃度が10ppmよりも多いサンプル1〜3,5に比して小さくなった。
(実施例3)
実施例2で行なった劣化実験の後、有機物不純物濃度が0.5ppmのサンプル17と、有機物不純物濃度が10ppmのサンプル9と、有機物不純物濃度が100ppmの比較例3と、有機物不純物濃度が0.1ppmに満たない比較例7の燃料について、アノード及びカソードの物質収支を測定し、メタノールクロスオーバー率(使用電気量から求められるメタノール量を、使用したメタノール量で割り、得られた値に100をかけたもの)を算出し、その結果を下記表3に示す。
Figure 0004791757
表3から明らかなように、有機物不純物濃度が0.5ppmのサンプル17と、有機物不純物濃度が10ppmのサンプル9と、有機物不純物濃度が100ppmの比較例3は、メタノールクロスオーバ率を、有機物不純物濃度が0.1ppm未満の比較例7に比して小さくすることができた。
以上の結果から、有機物不純物濃度を0.1〜20ppmにすることによって、長期性能の劣化を抑えることができると共に、メタノールクロスオーバを抑制できることが明らかとなった。
(実施例4)
ポリエチレン製燃料カートリッジの容器の内壁面を親水化処理した後、ゾルゲル法でシリカゾル液をコーティングし乾燥して、膜厚300nmのシリカ(SiO2)バリア層を形成した。このカートリッジにメタノール(EL等級)を液体燃料出口部を閉じた状態で温度40℃下1週間保存した。次いで、液体燃料出口部から排出された液体燃料の有機物不純濃度を測定したところ、20ppmであった。
(比較例8)
ポリエチレン製燃料カートリッジにメタノール(EL等級)を入れ、重量を測定した。液体燃料出口部を閉じた状態で温度40℃下1週間保存した。次いで、液体燃料出口部から排出された液体燃料の有機物不純濃度を測定したところ、300ppmであった。
上記実施例4及び比較例8の結果から、燃料カートリッジの容器の液体燃料と接する界面部分にバリア層を形成することで、液体燃料出口部での有機物不純物濃度を20ppm以下に制御可能なことを確認することができた。
(実施例5)
分散剤としてブチラール樹脂1gをメタノール45gに溶解させた後、青色顔料のフタロシアニン5gを加えて、サンドミルにより顔料分散液(識別剤)を調製した。この着色液を顔料成分が50ppmとなるように液体燃料に添加したところ、液体燃料は青色の均一溶液となった。
一方、実施例1で説明したのと同様な燃料カートリッジのコネクタ内の液体燃料出口部に、親水処理化したカーボン多孔質体で作製されたフィルターを設置した。
この燃料カートリッジに液体燃料を充填し、液体燃料出口部から排出される液体燃料を観察したところ、無色であり、有機物不純物濃度は20ppm以下であった。このことは、識別材などの有機系添加剤がその効果を発揮するために、20ppmよりも多い濃度が必要であることを示している。
以上詳述したように本発明によれば、液体燃料電池に供給される燃料中の有機物不純物濃度を規定した燃料電池用燃料カートリッジを提供することで、燃料電池の劣化が大きく抑制され、燃料電池の長期間の使用が可能となりその工業的価値は絶大である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の構成例を示す模式図。 図1の燃料カートリッジの模式的な断面図。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の構成例を示す模式図。 実施例で行った燃料電池発電試験を説明するための模式図。 比較例1〜7の燃料電池の性能劣化原因を説明するための特性図。
符号の説明
1…燃料電池起電部、2…燃料カートリッジ、3…スタック、4,19…液体燃料タンク、5,21、23…燃料ポンプ、6…補機、7…液体燃料供給路、8…液体燃料排出路、9…凝縮水回収路、10…空気供給路、11…空気排出路、12…CO2排気ガス路、13…容器、14…コネクタ、14a…液体燃料出口部、15…フィルタもしくは吸着剤、16…パイプ、17…バリア層、18…平面スタック、20…燃料供給量制御層(例えば、気液分離膜)、22…濃度センサー、24…排気ガス管。

Claims (4)

  1. 有機物を含む燃料成分と、
    アセトアルデヒド、酢酸、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、アンモニア及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上からなる0.1ppm以上、20ppm以下の有機物不純物と
    を含むことを特徴とする燃料電池用液体燃料。
  2. 前記燃料成分の有機物はメタノール及び/または蟻酸であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用液体燃料。
  3. 液体燃料出口部を有する容器と、前記容器内に収容される液体燃料とを具備する燃料電池用燃料カートリッジであって、
    前記液体燃料出口部での前記液体燃料は、有機物を含む燃料成分と、アセトアルデヒド、酢酸、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、アンモニア及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上からなる0.1ppm以上、20ppm以下の有機物不純物とを含むことを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジ。
  4. 液体燃料出口部を有する容器及び前記容器内に収容される液体燃料を備えた燃料カートリッジと、前記燃料カートリッジの液体燃料出口部が接続される燃料電池起電部とを具備する燃料電池であって、
    前記液体燃料出口部での前記液体燃料は、有機物を含む燃料成分と、アセトアルデヒド、酢酸、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、アンモニア及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上からなる0.1ppm以上、20ppm以下の有機物不純物とを含むことを特徴とする燃料電池。
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