JP2006126527A - 光制御素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フォトニック結晶配列の複合導波路で光制御された光を高効率に結合して利用する。
【解決手段】 光分岐部11は1本の直線状の線欠陥で形成された入射側導波路10を、2本の導波路に分岐し、分岐した2本の導波路は入射側導波路10の光の進行方向に対して線対称にそれぞれ60度傾き、互いに120度傾いている。複合導波路12は、分岐された2本の導波路から連続的に形成され、入射側導波路10と同じ方向に延びる平行な2本の線欠陥で形成されている。光結合部13は、光分岐部11と線対称的な構造をもち、複合導波路12の2本の線欠陥から連続的に形成され、複合導波路12の2本の線欠陥における光の進行方向に対して60度傾いて交わる2本の導波路を結合する。複合導波路12の間には、2本の線欠陥に平行に3列の直線状のホールの配列が挟まれており、中央の1列は両側よりも大きなホールで形成されている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、フォトニック結晶配列の複合導波路で光制御された光を高効率に結合して利用する光制御素子に関する。
高速に大容量の光通信を行い、また高速に光信号処理を行うためには、光ファイバ内を伝搬する光のパルスを広げる分散効果や、信号ごとに到着時間をばらつかせるスキュー効果等、通信の高速化を妨げる要因を極力低減または排除することが求められる。分散効果の程度や信号の到着時間は、光エネルギーの伝送スピード、すなわち光パルスの群速度の遅延量により決まるため、分散効果やスキュー効果等を排除するために光パルスの群速度の遅延量を制御できる素子が求められる。
従来、特異な分散特性をもつ光ファイバの長さを調整して伝搬する光の光パルスの群速度の遅延量を制御する技術がある。しかしながら、光ファイバの分散効果は小さいため、光パルスの群速度の遅延量を制御するためには、長距離の光ファイバが必要とされて素子自体が非常に大きくなる。さらに、光ファイバの分散特性の自由度は小さいため、高度の信号処理や多くの伝送路の並列処理に要求される小型化及び集積化を実現できない。
また、グレーティング間隔を徐々に変化させたチャープ構造をもつファイバグレーティングを利用して、精密に分散を制御したり分散補償量を調整して分散を補償する技術がある。しかしながら、光ファイバの分散特性は小さいため、分散を補償するためには、メートルオーダの長距離の光ファイバが必要とされて小型化及び集積化を実現できない。さらに、チャープ構造をもつファイバグレーティングは、入射光に対しする反射光を用いるため、高効率に入射光と反射光とを分離する装置を必要とするため小型化及び集積化を実現できない。
また、多層膜で光を多重反射させて閉じ込めることにより、光の群速度を低減させる技術がある。しかしながら、多層膜による光の閉じ込め効果は小さいため、光の群速度を低減したり分散を制御するためには、層数を多く設ける必要があるため素子自体が極めて大きくなる。また、多層膜により光を閉じ込めると、伝搬する光が回折により広がる問題や、柔軟に分散を制御できない問題がある。
特許文献1には、屈折率を2次元的に周期的に異ならせた構造をもつフォトニック結晶に、フォトニック結晶のエネルギーバンドの構造から求まる群速度の小さな光を入射して、光の実効的な光路長を長くして短い素子で波長分散を補償する波長分散補償器が提案されている。特許文献1では、小さな素子で効率的に波長分散を補償できる一方、1次元的に伝搬光を閉じ込めないため、光が2次元的に広がるため角度依存性が大きく装置を小型化できない。
非特許文献1では、フォトニック結晶に線状かつ連続的に欠陥を形成した線欠陥導波路を伝搬する光はバンド端と呼ばれるブリリュアンゾーン端においてゼロ群速度となるという理論に基づいて、実際にバンド端付近の光は真空中の光速と比較して1/90の低群速度をもつことが観察されている。しかしながら、線欠陥導波路は、一般に非常に大きな波長分散を有するため、スペクトル幅に広がりを有する短パルスを入射すると、さらにパルスを広げる。
例えば、フォトニック結晶配列に1列の線欠陥を設けた導波路のバンド曲線に対する模式的なフォトニックバンド図を図17に示す。バンド端では、バンド曲線の傾きはゼロに近いため、光の群速度が遅く、バンド曲線の傾きの変化量が極めて大きいため、群速度の波長分散が大きく変化する。ある一定の幅を持つ波長帯域(周波数帯域)を有する光パルスは、導波路を伝搬する間に大きな波長分散の影響を受けて入射時の形状を保つことができないため、正確に信号を伝達できない。例えば、規格化周波数0.0005の幅を有する光パルスでも、周波数端では傾きが大きく異なる。
特許文献2には、フォトニック結晶に点状の欠陥を飛び飛びに連続させた構造を持つ結合欠陥導波路を用いた波長分散補償器が提案されている。特許文献2では、光ファイバを用いた波長分散補償器の分散値と比較して6桁程度大きい分散値を、比較的広い周波数帯域で得ることができ、光ファイバを用いるとkmオーダの長さが必要な波長分散補償器の長さを、mmオーダにまで縮小できる可能性を有する。しかしながら、特許文献2では、製作が比較的容易な2次元の周期構造を有するスラブ型フォトニック結晶を構成しているため、進行する光は、結合欠陥導波路の周期の長さに起因してフォトニック結晶による回折の影響を受けて、2次元的な周期構造に垂直な方向に散乱されて大きく損失する。
非特許文献2には、フォトニック結晶の背景屈折率を連続的に変化させて、分散制御および群速度制御を実現する屈折率分布型のフォトニック結晶が提案されている。非特許文献2では2本の異なる構造を有する線欠陥導波路を接続させる必要があり、構成が複雑である。
特開2000‐121987号公報 特開2002‐333536号公報 納富雅也、他5名、「スラブ構造フォトニック結晶に設けた線欠陥における非常に大きな群速度分散(Extremely Large Group-Velocity Dispersion of Line-Defect Waveguides in Photonic Crystal Slabs)」、フィジカル・レビュー・レターズ(RHYSICAL REVIEW LETTERS)、(米国)、アメリカン・フィジカル・ソサイエティ(The American Physical Society)、2001年12月17日、第87巻、第25号、p.253902-1 - p.253902-4 森大祐、馬場俊彦、「チャープ構造フォトニック結晶導波路による分散制御型光群遅延素子(Dispersion-controlled optical group delay device by chirprd photonic crystal waveguides)」、(米国)、アメリカン・インスティテュート・オブ・フィジックス(American Institute of Physics)、2004年8月16日、第85巻、第7号、p.1101-p.1103
本発明は、群速度の遅延量と分散の制御量とを調整して、小さな素子で大きく群速度を遅延させることにより高効率に分散を制御できる光制御素子を提供することを目的とする。
この発明の光制御素子は、複合導波路と光結合部とを備え、複合導波路は、フォトニック結晶配列内に平行に配置された複数の線欠陥を有し、光結合部は、線欠陥を光結合する。
複合導波路は、フォトニック結晶配列のフォトニックバンドギャップ内に複数の反交差点をもつ偶モードバンドを有し、偶モードバンドは波数の大きなバンド端に近い2つの反交差点の間に1以上の変極点を有するとよい。
複合導波路は、線欠陥の間に1周期以上5周期未満のフォトニック結晶の周期構造を有するとよい。線欠陥の間に挟まれたフォトニック結晶配列の周期は、線欠陥に挟まれていないフォトニック結晶配列の周期と異なるとよい。フォトニック結晶配列を構成する少なくとも1つの媒質は、線欠陥の間に挟まれた少なくとも一部の領域において、線欠陥に挟まれていない領域における形状と異なる形状を有するとよい。複合導波路近傍のフォトニック結晶配列の周期は、複合導波路から離れた領域におけるフォトニック結晶配列の周期と異なるとよい。複合導波路近傍のフォトニック結晶の実効的な屈折率は、光の伝搬方向に沿って連続的に変化しているとよい。
光結合部は、フォトニック結晶配列内の線欠陥により形成されているとよい。光結合部は、チャネル導波路により形成されているとよい。複合導波路と光結合部との間に結合損失を低減する中間接続部を備えるとよい。
一つの導波路を複数の導波路に分岐して線欠陥にそれぞれ接続する光分岐部を備えるとよい。光分岐部は、フォトニック結晶配列内の線欠陥により形成されているとよい。光分岐部は、チャネル導波路により形成されているとよい。光分岐部と複合導波路との間に結合損失を低減する中間接続部を備えるとよい。
中間接続部は、フォトニック結晶配列を構成する少なくとも1つの媒質の大きさを、光の伝搬方向へ徐々に変えて配置しているとよい。中間接続部は、フォトニック結晶配列の周期を光の伝搬方向へ徐々に変えて形成しているとよい。
フォトニック結晶配列は半導体材料、電気光学材料及び非線形光学材料のいずれか形成されているとよい。
この発明の光制御素子によれば、小さな素子で特定の周波数の光に対して極めて小さい群速度を与える複合導波路からの出射光を光結合部により高効率に結合できる。
複合導波路は、フォトニック結晶配列のフォトニックバンドギャップ内に複数の反交差点をもつ偶モードバンドを有し、偶モードバンドは波数の大きなバンド端に近い2つの反交差点の間に1以上の変極点を有することにより、特定の周波数の光に対して極めて小さい群速度を容易に与えることができる。
複合導波路が、線欠陥の間に1周期以上5周期未満のフォトニック結晶の周期構造を有したり、線欠陥の間に挟まれたフォトニック結晶配列の周期が、、線欠陥に挟まれていないフォトニック結晶配列の周期と異なっていたり、フォトニック結晶配列を構成する少なくとも1つの媒質が、線欠陥の間に挟まれた少なくとも一部の領域において、線欠陥に挟まれていない領域における形状と異なる形状を有したり、複合導波路近傍のフォトニック結晶配列の周期が、複合導波路から離れた領域におけるフォトニック結晶配列の周期と異なっていたりすることにより、特定の周波数の光に対して極めて小さい群速度を容易に与えることができる。
複合導波路近傍のフォトニック結晶の実効的な屈折率は、光の伝搬方向に沿って連続的に変化させることにより、特定の周波数の光に対して極めて小さい群速度を与えながら、分散補償効果をもたせることができる。
光結合部が、フォトニック結晶配列内の線欠陥により形成されることにより、複合導波路で制御された光を極めて高効率に光結合することができる。光結合部が、チャネル導波路により形成されていることにより、複合導波路で制御された光を簡易かつ高効率に光結合することができる。複合導波路と光結合部との間に結合損失を低減する中間接続部を備えることにより、結合部分における光の損失を低減することができる。
一つの導波路を複数の導波路に分岐して線欠陥にそれぞれ接続する光分岐部を備えることにより、複合導波路の線欠陥に光を分配することができる。光分岐部が、フォトニック結晶配列内の線欠陥により形成されていることにより、極めて高効率に光を分岐させて複合導波路に入射させることができる。光分岐部が、チャネル導波路により形成されていることにより、簡易かつ高効率に光を分岐させて複合導波路に入射させることができる。光分岐部と複合導波路との間に結合損失を低減する中間接続部を備えることにより、結合部分における光の損失を低減することができる。
中間接続部が、フォトニック結晶配列を構成する少なくとも1つの媒質の大きさを、光の伝搬方向へ徐々に変えて配置されていることにより、結合部分における光の損失を極めて効率よく低減することができる。中間接続部が、フォトニック結晶配列の周期を光の伝搬方向へ徐々に変えて形成されていることにより、結合部分における光の損失を極めて効率よく低減することができる。
フォトニック結晶配列は半導体材料、電気光学材料及び非線形光学材料のいずれか形成されていることにより、フォトニック結晶配列の屈折率を可変とした光結合素子を容易に作成することができる。
第1の実施形態の光制御素子1は、図1の平面図に示すように、屈折率の異なる媒質が2次元に周期的に形成されたスラブ構造のフォトニック結晶中に、部分的に周期性を乱した欠陥構造により形成された入射側導波路10と光分岐部11と複合導波路12と光結合部13と出射側導波路14とを備える。なお、光制御素子1は、3次元フォトニック結晶構造を有するものであってもよく、スラブ構造の2次元フォトニック結晶の上下の面を前反射する材質で挟んだものであってもよく、全反射でない反射構造で挟み込んだものであってもよい。
フォトニック結晶配列は、高屈折率媒質中に等方的な円形状のホールを、一定間隔の平行な複数の直線と、これらの直線を間隔を維持して60度回転させた複数の直線との交点にホールを配置する三角配列で、2次元に周期的に形成されている。欠陥構造は、フォトニック結晶配列のホールを結ぶ直線に沿って、1列分のホールを形成しない線欠陥で構成される。高屈折率媒質にホールを形成することにより、フォトニック結晶は、全反射により光を2次元的に容易に閉じ込めることができる。フォトニック結晶は、2次元的に光を閉じ込めることができれば、真空中に円柱を並べたピラー型等の形状であってもよい。ホールの形状は、楕円や多角形等の他の形状であってもよい。ホールの配列は、三角格子状、正方配列状、蜂の巣配列状等の他の配列であってもよい。フォトニック結晶の屈折率の変化は、必ずしも完全に周期的でなくてもよく、フォトニック結晶と同一または近似した特性を示す他の特殊な配列であってもよい。
入射側導波路10は、1本の直線状の線欠陥で形成されている。光分岐部11は入射側導波路10を2本の導波路111及び導波路112に分岐し、分岐した2本の導波路111及び導波路112は入射側導波路10の光の進行方向に対して線対称にそれぞれ60度傾き、互いに120度傾いている。複合導波路12は、光分岐部11で分岐された2本の導波路111及び導波路112から連続的に形成され、入射側導波路10と同じ方向に延びる平行な2本の線欠陥121及び線欠陥122で形成されている。光結合部13は、複合導波路12に直交する直線に対して光分岐部11と線対称的な構造をもち、複合導波路12の2本の線欠陥121及び線欠陥122から連続的に形成され、複合導波路12の2本の線欠陥121及び線欠陥122における光の進行方向に対して60度傾いて交わる2本の導波路131及び導波路132を結合する。出射側導波路14は、光結合部13の2本の導波路131及び導波路132の結合部分から連続的に形成され、入射側導波路10と同方向に延びる。入射側導波路10と出射側導波路14とは、一直線上にあることが好ましく、複合導波路12の2本の線欠陥121及び線欠陥122は、入射側導波路10と出射側導波路14とを結ぶ直線に対して線対称に配置されていることが好ましい。
複合導波路12の2本の線欠陥121及び線欠陥122の間には、2本の線欠陥121及び線欠陥122に平行に3列の直線状のホールの配列が挟まれており、中央の1列は両側よりも大きなホールで形成されている。2本の線欠陥121及び線欠陥122の間に挟まれた直線上のホールの列数は、2本の線欠陥121及び線欠陥122を伝搬する光に相互作用を起こさせることができれば他の数であってもよく、好ましくは7列以下であり、より好ましくは5列以下であり、さらに、柔軟に構造を制御できる3列であることが好ましい。
なお、複合導波路12は2本以上の線欠陥を有するものであってもよく、光分岐部11は入射側導波路10から2本に光を等分して分岐させ、等分したそれぞれの先でさらに等分して分岐させることにより、入射側導波路10からの光を複合導波路12の4つの線欠陥に等分に結合させたものであってもよい。光結合部13は、光分岐部11と対称的な構造で形成することにより、複合導波路12の4つの線欠陥からの光を出射側導波路14に結合させることができる。入射側導波路10の光を複合導波路12の2本以上の線欠陥に分岐する際には、同位相で分岐する必要があるため、光分岐部11に同位相分岐構造が必要となる。光分岐部11は、必ずしも2股に分ける分岐構造である必要はなく、MMI構造のように導波路からの光をスラブ形状部分で同位相で等分に分岐する構造であってもよい。
光制御素子1を製造する方法を説明する。光制御素子1は、例えば、半導体微細加工技術を用いたり、型による転写を用いて製造できる。
半導体微細加工技術を用いて光制御素子1を製造する場合、例えば、まず、シリコン層厚0.2μmのSOI基板上に、電子ビームレジストを塗布する。次に、電子ビーム露光により直径400nmの円孔を描画して、円孔を三角配列して周期構造及び線欠陥をパターンニングをする。なお、円孔の直径は、光制御素子1で利用される波長に応じて決まる。次に、パターンニングされた電子ビームレジストをマスクとして、フロン系のドライエッチングにより、電子ビームレジストにパターンニングされた円孔パターンをSOI基板のシリコン層に転写する。次に、SOI基板から電子ビームレジストを除去して2次元フォトニック結晶のスラブ構造が完成する。次に、SOI基板のSiO2層をフッ化水素により除去してフォトニック結晶配列を有する光制御素子1を完成する。SiO2層を除去してシリコン層を空気中に露出したエアーブリッジ構造を構成することにより、フォトニック結晶の光閉じ込め効果をより強力にできる。
なお、フォトニック結晶配列は、半導体へテロ基板に形成したものであってもよく、GaInAsP/InP基板やAlGaAs/GaAs基板と酸化クラッド層との組合せ等の選択酸化性をもつヘテロ基板を用いてエアーブリッジ構造を構成したものであってもよく、エアーブリッジ構造のフォトニック結晶配列は、電気光学材料又は非線形光学材料の薄膜を、融着、結晶成長、低温接合等の技術を用いて犠牲層上に形成し、犠牲層を選択エッチングして形成したものであってもよい。例えば、まず、あらかじめイオン打ち込みによりニオブ酸リチウム基板に分離層を形成しておき、ニオブ酸リチウム基板とSOI基板とを接合し、分離層からニオブ酸リチウムを剥がしてSOI基板上にニオブ酸リチウム薄膜を形成する。なお、SOI基板に接合したニオブ酸リチウムを研磨してサブミクロンの厚みにすることにより、ニオブ酸リチウム薄膜を形成してもよい。次に、SOI基板上のニオブ酸リチウム薄膜にレジストを塗布し、電子ビーム描画により三角配列の円孔をパターンニングしてレジストマスクを形成し、ドライエッチングによりレジストマスクのパターンをニオブ酸リチウム薄膜に転写する。次に、シリコン層を選択エッチングしてニオブ酸リチウム薄膜のエアーブリッジ構造を形成する。ドライエッチングの選択性が採れない場合は金属マスク層を使ってもよく、SOI基板上のニオブ酸リチウム薄膜に予め金属膜を蒸着などにより形成しておき、リソグラフィーによりパターンニングしてマスクを形成する。フォトニック結晶配列は、犠牲層の代わりに低屈折率媒質を用いてエアーブリッジ構造でない構成であってもよい。
また、型による転写を用いて光制御素子1を製造する場合、例えば、まず、反転形状である円柱を並べたピラー型のフォトニック結晶が構成された型を電子ビーム露光やドライエッチングにより形成する。次に、型に液体状の材料を流し込んで台座基板上に接合する。次に、焼成等により形状を固定化して型を取り外すことによりフォトニック結晶配列を有する光制御素子1を完成する。焼成した光制御素子1を型から容易に乖離するために、焼成により収縮する材料を選定することが望ましく、あらかじめ焼成による収縮を加味して型を形成しておくことが望ましい。型による転写を用いて光制御素子1を製造することにより、真空装置を繰り返し用いないで製造できるため低コスト化が図れ、型をもとに複製を大量生産できる。
なお、製造した光制御素子1に、酸化物層を堆積させたりスピンコートでポリマーを塗布することにより、フォトニック結晶配列部分を低屈折率媒質で覆うことにより空気中にさらされないようにしてもよい。
光制御素子1の複合導波路12におけるバンド曲線について説明する。高屈折率媒質の屈折率を2.963、ホールの屈折率を1.0、ホールの半径rと周期aとの関係をr/a=0.29、複合導波路12の線欠陥121及び線欠陥122の間に挟まれた中央の1列のホールの半径を0.400aとして、バンド曲線を計算により求めた。なお、平面状の高屈折率媒質を低屈折率媒質で挟み込む層構造をもつ光制御素子1の場合、高屈折率媒質の屈折率は、3次元形状を等価屈折率近似により2次元近似をして2次元の平面波展開法で解析することにより求まる。例えば、高屈折率媒質をシリコン等の半導体で形成した場合、等価屈折率は3.0程度である。
複合導波路12の進行方向に対して正射影したときのバンド曲線は、図2に示すようなフォトニックバンド図に表される。図2のフォトニックバンド図は、フォトニック結晶構造の形成された2次元平面に対して垂直な方向にのみ磁界成分が存在する電気的横波モード(TEモード)のバンド曲線を示している。フォトニックバンド図の横軸は、波数ベクトルに対応した規格化された2π/aという単位をもつ波数で表され、縦軸は無次元量の規格化周波数で表され、規格化周波数は角周波数ωと周期aと真空中の光速c0とを用いてωa/2πc0から計算される。スラブモード領域では、フォトニック結晶は光を閉じ込めずに材質内を伝搬させる。スラブモード領域の間に存在するフォトニックバンドギャップでは、フォトニック結晶は光を閉じ込めることができる。フォトニックバンドギャップ内に存在するバンド曲線は、複合導波路12における光伝搬モードのバンドを示す。
図2のフォトニックバンド図のうち、規格化周波数0.235〜0.260、波数0.3〜0.5の領域、すなわちフォトニックバンドギャップに対応する領域には、図3の拡大図に示すように、バンド曲線B1とバンド曲線B2との2本の導波バンド曲線が存在する。複合導波路12の2本の線欠陥121及び線欠陥122に挟まれた3列のフォトニック結晶配列のうち、中央の1列のホールを大きく形成しているため、複合導波路12には点A近傍でほぼ点対称な形状をもち、複合導波路12の各線欠陥の中心に電界強度振幅のピークをもつ偶モードバンドであるバンド曲線B1が形成される。バンド曲線B1の下に凸の曲線部分と上に凸の曲線部分との境界に位置する点Aは変極点であり、点Aにおいてバンド曲線の傾きは略ゼロとなる。
図4(a)の平面図に示すような光の進行方向に垂直なx方向において、バンド曲線B1に対する電磁界強度分布は、図4(b)の電磁界強度とx方向の位置との関係図に示すように、複合導波路12の2つの線欠陥121及び線欠陥122のそれぞれの中心に同符号の電磁界強度のピーク、例えばともに正のピークをもち、2つの線欠陥121及び線欠陥122の間に挟まされたホールの配列の中心付近における電磁界振幅はゼロとはならない一定の値をもつ。一方、x方向において、バンド曲線B2に対する電磁界強度分布は、図4(c)の電磁界強度とx方向の位置との関係図に示すように、複合導波路12の2つの線欠陥121及び線欠陥122のそれぞれの中心に異符号の電磁界強度のピークをもち、2つの線欠陥121及び線欠陥122の間に挟まれたホールの配列の中心付近における電磁界振幅はゼロとなる。
仮に複合導波路12の2本の線欠陥121及び線欠陥122の一方にのみ光を入射して、2本の線欠陥121及び線欠陥122の間で非対称な光を結合させると、バンド曲線B1及びバンド曲線B2を両方同時に伝搬されうる。一方、複合導波路12に図4(b)に示すような2つの線欠陥のそれぞれの中心に同符号の電磁界強度のピークをもつ電磁界振幅のみを与える光を入射すれば、図4(c)に示すような2つの線欠陥121及び線欠陥122のそれぞれの中心に異符号の電磁界強度のピークをもつ電磁界振幅は励振されないため、バンド曲線B1のみを伝搬できる。
入射側導波路12の中心に光強度の最大値をもつ偶モードで入射側導波路10に光を入射すると、光は入射側導波路10を光分岐部11に向けて進行し、光分岐部11で複合導波路12の2本の線欠陥121及び線欠陥122に向けて対称的に光パワーを等分にして偶モードのまま分配される。光結合部13では光が同位相で複合導波路12に入射するように光路長を調整してあり、複合導波路12内の2本の線欠陥121及び線欠陥122に入射される光は、同位相で偶モードの形状を保ちながら伝搬する。複合導波路12を伝搬した光は、光分岐部11と対称的な構造をもつ光結合部13において高効率に合成され、偶モードを維持したまま出射側導波路14に結合される。複合導波路12内の2本の線欠陥121及び線欠陥122に均等に光を分配する光分岐部11を設けることにより、複合導波路12に、図4(b)に示すような2つの線欠陥121及び線欠陥122のそれぞれの中心に同符号の電磁界強度のピークをもつ電磁界振幅のみを励振することができる。
フォトニック結晶の線欠陥を伝搬する光の群速度vgは、光の振動数ω、波数k、真空中での光速c、格子間隔aを用いて式1から求めることができ、規格化波数と規格化周波数との分散関係を示す図3に示すフォトニックバンド図に表されたバンド曲線の傾きに対応する。つまり、フォトニック結晶の線欠陥を伝搬する光の伝搬速度は、バンド曲線を微分することにより、真空中の光速cで規格化された値として算出される。
vg=δω/δk=cδ(ωa/2πc)/δ(ka/2π) …(式1)
図3に示すように、バンド曲線B1の点Aは、下に凸の曲線部分と上に凸の曲線部分との境界に位置する変極点であり、点Aにおいてバンド曲線の傾きは略ゼロとなる。光制御素子1に、変極点である点Aの周波数をもつ光を入射すると、きわめて遅い群速度で伝搬するとともに、群速度分散がゼロであるためゼロ分散となる。点Aの近傍では群速度が大きく変化するため、光制御素子1に、点Aの近傍の周波数を持つ光を入射すると、分散効果を大きく利用できる。波長の広がりの小さい光を入射するほど、分散を制御しやすい。
この光制御素子1によれば、複合導波路12の2本の線欠陥121及び線欠陥122周辺のフォトニック結晶配列を代えることにより、複合導波路12に点対称な形状をもつ偶モードバンドであるバンド曲線を形成することができる。複合導波路12内の2本の線欠陥121及び線欠陥122に均等に光を分配する光分岐部11を設けることにより、複合導波路12に、2つの線欠陥121及び線欠陥122のそれぞれの中心に同符号の電磁界強度のピークをもつ電磁界振幅のみを励振することができる。光分岐部11を設けることにより、複合導波路12内の2本の線欠陥121及び線欠陥122を伝搬して光制御された光を結合して出力することができる。
この光制御素子1は、入射光の周波数に点Aを配置したフォトニック結晶配列を形成して光パルス遅延素子として利用したり、入射光の周波数から点Aをずらして配置したフォトニック結晶配列を形成して光分散補償素子として利用したり、各種光パルス遅延素子、光分散補償素子、光スイッチ素子等として利用できる。例えば、10GHz以下の変調パルス信号は、パルス幅は100ps以上であるためパルスの波長広がりが非常に狭く、光パルス遅延素子、光分散補償素子、光スイッチ素子に利用できる。
なお、フォトニック結晶配列を電気光学材料で形成し、光制御素子に電極を備えることにより、フォトニック結晶配列、特に複合導波路に電圧を印可して屈折率を変化させてバンド曲線を変化させることができ、群速度や群の速度分散量を可変にすることができる。複合導波路12をフォトニック結晶で形成するため素子の体積は極めて小さく形成でき、消費電力を極めて少なくできる。フォトニック結晶配列を非線形材料で形成すれば、大きな群速度遅延効果を得ることができるため、極めて大きな非線形効果を非常に小さな体積で得ることができる。さらに、フォトニック結晶配列、特に複合導波路12に光を照射して屈折率を変化させてもよく、極めて小さな部分にのみ光を照射するため、低消費電力で動作できる。
なお、複合導波路12にほぼ点対称のバンド曲線を形成するため、複合導波路12の2本の線欠陥121及び線欠陥122に挟まれた3列のフォトニック結晶配列の中央の直線部分は、ホールを長方形や楕円等の円形以外の形状にしたものであってもよく、近傍のホールを接続したものであってもよく、突起構造を有するものであってもよい。また、複合導波路12にほぼ点対称のバンド曲線を形成するため、複合導波路12の線欠陥121及び線欠陥122は、図5(a)に示すようにフォトニック結晶配列において、図5(b)に示すようにフォトニック結晶配列全体のホールを2本の線欠陥121及び線欠陥122の中心に向けて寄せたり、図5(c)に示すように複合導波路12の近傍の1列以上の列を2本の線欠陥121及び線欠陥122の中心に寄せたり、図5(d)に示すように2本の線欠陥121及び線欠陥122の間に挟まれたフォトニック結晶配列を外側に移動させることにより、線欠陥121及び線欠陥122のそれぞれの幅を狭めたものであってもよく、図5(e)に示すように2本の線欠陥121及び線欠陥122の近傍のフォトニック結晶を大きくしたり小さくして線欠陥121及び線欠陥122の幅を制御したものであってもよく、フォトニック結晶配列をフォトニック結晶に近似した形状とすることにより線欠陥121及び線欠陥122の幅を制御したものであってもよい。例えば、線欠陥121及び線欠陥122のフォトニック結晶配列の外側1列だけ、ホールの半径を0.33aに形成するとともに複合導波路12の中心に0.20a近づけて複合導波路12を形成した光制御素子1は、図6のフォトニックバンド図に示すように、点対称性の高いバンド曲線をもち、大きな群速度遅延効果を小さい面積で実現できる。
図7(a)の平面図に示すように、半径0.29aのホールを配列したフォトニック結晶において2つの線欠陥の外側の各一列を半径0.33aで形成して線欠陥に近づく方向にわずかにずらして配置し、複合導波路12の2本の線欠陥に挟まれたフォトニック結晶配列の中央の1列のホールを光の進行方向に半径0.35aの長軸をもち線欠陥の幅方向に幅0.20aをもつ楕円形状に形成した光制御素子1は、図7(b)のフォトニックバンド図に示すように、変極点でバンド曲線の傾きが極めて小さくなる偶モードバンドを有する。2つの線欠陥の外側の各一列を線欠陥に近づく方向に0.10aずらし、楕円形状のホールを線欠陥の幅方向に幅0.10aをもつ形状にした光制御素子1は、図7(c)のフォトニックバンド図に示すように、変極点でバンド曲線の傾きが極めて小さくなる偶モードバンドを有する。2つの線欠陥の外側の各一列を線欠陥に近づく方向に0.10aずらし、楕円形状のホールを線欠陥の幅方向に幅0.20aをもつ形状にした光制御素子1は、図7(c)のフォトニックバンド図に示すように、変極点でバンド曲線の傾きが極めて小さくなる偶モードバンドを有する。
図8(a)の平面図に示すように、半径0.29aのホールを配列したフォトニック結晶において2つの線欠陥の外側の各一列を半径0.33aで形成して線欠陥に近づく方向に0.10aずらして配置し、複合導波路12の2本の線欠陥に挟まれたフォトニック結晶配列の中央の1列のホールを、光の進行方向に長く線欠陥の幅方向に幅0.20aをもつ線状に形成した光制御素子1は、図8(b)のフォトニックバンド図に示すように、変極点でバンド曲線の傾きが極めて小さくなる偶モードバンドを有し、2つの線欠陥の外側の各一列を線欠陥に近づく方向に0.20aずらした光制御素子1は、図8(c)のフォトニックバンド図に示すように、変極点でバンド曲線の傾きが極めて小さくなる偶モードバンドを有する。
図9(a)の平面図に示すように、半径0.29aのホールを配列したフォトニック結晶において2つの線欠陥の外側の各一列を半径0.33aで形成して線欠陥に近づく方向に0.10aずらして配置し、複合導波路12の2本の線欠陥に挟まれたフォトニック結晶配列の中央の1列のホールを、光の進行方向及び線欠陥の幅方向に対角線をもつ1辺0.66aの正方形に形成した光制御素子1は、図9(b)のフォトニックバンド図に示すように、変極点でバンド曲線の傾きが極めて小さくなる偶モードバンドを有し、正方形の1辺を0.70に形成した光制御素子1は、図9(c)のフォトニックバンド図に示すように、変極点でバンド曲線の傾きが極めて小さくなる偶モードバンドを有する。
図10(a)の平面図に示すように、半径0.29aのホールを配列したフォトニック結晶において2つの線欠陥の外側の各一列を半径0.33aで形成して線欠陥に近づく方向に0.10aずらして配置し、複合導波路12の2本の線欠陥に挟まれたフォトニック結晶配列の中央の1列のホールを、光の進行方向及び線欠陥の幅方向に各辺をもつ1辺0.66aの正方形に形成した光制御素子1は、図10(b)のフォトニックバンド図に示すように、変極点でバンド曲線の傾きが極めて小さくなる偶モードバンドを有し、正方形の1辺を0.70に形成した光制御素子1は、図10(c)のフォトニックバンド図に示すように、変極点でバンド曲線の傾きが極めて小さくなる偶モードバンドを有する。
図11(a)の平面図に示すように、全て半径0.29aの円形のホールを配列したフォトニック結晶において、複合導波路12の2つの線欠陥の各外側の7列目のホールを線欠陥に近づく方向にd1ずらし、2つの線欠陥の外側の各一列を線欠陥に近づく方向にd2ずらし、2本の線欠陥に挟まれたフォトニック結晶配列の両側2列のホールを中心に向う方向にd3ずらして配置する場合、d1=0、d2=0.10a、d3=0.20aでは図11(b)、d1=0.10、d2=0.10、d3=0.20では図11(c)、d1=0.10、d2=-0.10、d3=0.20では図11(d)、d1=0.20、d2=0、d3=0.20では図11(e)、d1=0.30、d2=0.10、d3=0.20では図11(f)、d1=0.10、d2=0.10、d3=0.30では図11(g)のフォトニックバンド図にそれぞれ示すように、変極点でバンド曲線の傾きが極めて小さくなる偶モードバンドを有する。
第2の実施形態の光制御素子2は、第1の実施形態の光制御素子1においてフォトニック結晶配列の線欠陥で形成された入射側導波路10及び光分岐部11に変えて、図12に示すように、大きな屈折率差により光を閉じ込めて2つに等分配するチャネル型の全反射光導波路で形成した入射側導波路20及び光分岐部21を備える。
全反射光導波路は複合導波路12の線欠陥の幅と同様なサイズをコアとして有することが望ましく、複合導波路12の線欠陥の幅と異なるサイズのコアを有する全反射光導波路を用いる場合は、コアサイズを調整する結合手段を設けて調整することが望ましい。例えば、矩形のコアとそれを囲むクラッドとを備えるチャネル型の全反射光導波路において、コアとクラッドとの屈折率差を1以上と極めて大きくすることにより、複合導波路12の線欠陥と同様なサブミクロンサイズのコアを形成できる。入射側導波路20及び光分岐部21を全反射型光導波路で形成することにより、フォトニック結晶で形成する場合に比較して簡単に製造できる。
なお、高屈折率差をもち線幅の細い細線光導波路を入力側導波路20及び光分岐部21に用いる場合、低屈折率差の光導波路を用いる場合に比較して、曲がり導波路を組み合わせたほうが分岐損失を小さく等分配できるため、入力側導波路20及び光分岐部21は、図13に示すように、急激な曲げ導波路22を組み合わせたものであってもよい。屈折率差を大きくすることにより、ミクロンサイズの曲がり導波路を形成できる。曲がり導波路23を全反射型光導波路で形成することにより、フォトニック結晶で形成する場合に比較して波長依存性を小さくでき、複合導波路12の線欠陥とのサイズの調整に高精度な技術を要求せず簡単に製造できる。
さらに、光制御素子2は、図14に示すように、光分岐部21と複合導波路12との間に接続損失を軽減する中間接続構造23を備えたものであってもよい。中間接続構造23は、フォトニック結晶配列の光分岐部21側において、光分岐部21の近くから遠方に向けてホールのサイズを徐々に大きくして形成されている。中間接続構造23を設けることにより、光分岐部21と複合導波路12との接続部分における急激な屈折率の変化を抑制できるため、光分岐部21と複合導波路12との接続部分における散乱及び反射を防止して結合損失を低減できる。中間接続構造23は、フォトニック結晶の周期を変化させて形成されたものであってもよく、全反射光導波路のコアのサイズを変化させて形成されたものであってもよく、フォトニック結晶の高屈折率媒質や全反射光導波路の屈折率を調整して形成されたものであってもよい。
第3の実施形態の光制御素子3は、図15(a)の平面図に示すように、高屈折率媒質中に等方的な円形状のホールを2次元に周期的に三角配列して形成したフォトニック結晶配列を有する点で第1の実施形態と同様である。一方、高屈折率媒質の屈折率は、図15(b)の屈折率と光制御素子3中の位置との関係図に示すように、入射側導波路10から出射側導波路14に向うX方向に、実効的な屈折率が直線的に徐々に低下する屈折率分布型の構造をもつ点で第1の実施形態と異なる。例えば、入射側導波路10に近い位置X1から出射側導波路14に近い位置X5へ順に並ぶ、位置X1、位置X2、位置X3、位置X4、位置X5における高屈折率媒質の屈折率は、入射側導波路10に近い位置X1から出射側導波路14に近い位置X5に向うにつれて、徐々に小さくなっている。
高屈折率媒質の屈折率分布は、入射側導波路10側から出射側導波路14側へ向うに従って、薄膜の厚みを直線的に徐々に減少させて等価的な屈折率を減少させる方法や、薄膜をコアとしたときに薄膜を覆うクラッドの材質や厚みを変化させて等価的な屈折率を変化させる方法や、電気光学効果、熱光学効果、非線形効果等の物性的な光学効果を用いて屈折率を変化させる方法等種々の方法から選択して形成される。
光制御素子3に一定の周波数幅を有する光を入射した場合に、複合導波路12を伝搬する光の伝搬状態に対するフォトニックバンド図は、図16(a)から図16(e)に示すように、複合光導波路12は点Aに対して略点対称な形状をもつバンド曲線をもち、入射側導波路10側から出射側導波路14側に向うに従って変化する。図16(a)に示すように、位置X1では、実線で示される中心波長に対して負の勾配をもつバンド曲線に従って光が伝搬する。図16(b)に示すように、位置X2でも中心波長に対して負の勾配をもつバンド曲線に従って光が伝搬する。バンド曲線の勾配は位置X1よりも位置X2の方が小さく、バンド曲線の勾配の大小に対応して大小が決まる群速度は位置X1よりも位置X2の方が小さいため、位置X1から位置X2に伝搬する光の伝搬速度は徐々に遅くなる。
図16(c)に示すように、位置X3では、中心波長に対してバンド曲線がほぼゼロの勾配をもつため群速度が略ゼロとなり、光が位置X3に局在する。図16(d)に示すように、位置X3では、中心波長に対して正の勾配をもつバンド曲線に従って光が伝搬する。図16(e)に示すように、位置X5でも中心波長に対して負の勾配をもつバンド曲線に従って光が伝搬する。バンド曲線の勾配は位置X4よりも位置X5の方が大きく、バンド曲線の勾配の大小に対応して大小が決まる群速度は位置X4よりも位置X5の方が大きいため、位置X4から位置X5に伝搬する光の伝搬速度は徐々に速くなる。
複合導波路12内を入射側導波路10側から出射側導波路14側に伝搬するあらゆる規格化周波数の光は、徐々に群速度を小さくして略ゼロの群速度になって停滞状態になり、その後群速度を大きくする。規格化周波数の大きな光から規格化周波数の小さな光まで一定の周波数幅をもつ光は、入射側導波路10側では規格化周波数の大きな光の方が規格化周波数の小さな光よりも大きな群速度をもつため徐々にパルス幅を広げ、出射側導波路14側では規格化周波数の大きな光の方が規格化周波数の小さな光よりも大きな群速度をもつため徐々にパルス幅を狭め、入射側導波路10から入射された光はパルスの形状を保持したまま出射側導波路14から出射される。
この光制御素子3によれば、超低分散で光を伝搬できる。
本発明の光制御素子は、光メモリデバイス、光変調器、光遅延素子、光分散補償素子、光増幅素子、光コンピューティングシステム、光波長変換システム等に用いることにより、性能を飛躍的に向上できるとともに超小型化を実現できる。本発明の光制御素子によれば、これまでに実現できなかった極めて小型で大きな群速度遅延効果を有する光パルス遅延素子や、大きな分散補償効果を有する分散補償素子、高効率な非線形素子、高効率レーザ、小型光速光スイッチ等を実現でき、さらには、電気や光でフォトニック結晶配列の屈折率を時間変化させることにより、光ルーティング装置や高度な光情報処理装置、光バッファ装置に適用できる。
第1の実施形態の光制御素子の平面図である。 第1の実施形態の光制御素子のフォトニックバンド図の例である。 拡大図したフォトニックバンド図である。 電磁界振幅とx方向の位置との関係を示す図である。 フォトニック結晶配列の変形例を示す図である。 第1の実施形態の他の光制御素子のフォトニックバンド図の例である。 変形した第1の複合導波路の平面図とフォトニックバンド図である。 変形した第2の複合導波路の平面図とフォトニックバンド図である。 変形した第3の複合導波路の平面図とフォトニックバンド図である。 変形した第4の複合導波路の平面図とフォトニックバンド図である。 変形した第5の複合導波路の平面図とフォトニックバンド図である。 第2の実施形態の光制御素子の平面図である。 第2の実施形態の他の光制御素子の平面図である。 第2の実施形態のさらに他の光制御素子の平面図である。 第3の実施形態の光制御素子の平面図である。 第3の実施形態の光制御素子のフォトニックバンド図の例である。 1列の線欠陥を設けた導波路のフォトニックバンド図である。
符号の説明
1;光制御素子、2;光制御素子、3;光制御素子、10;入射側導波路、
11;光分岐部、12;複合導波路、13;光結合部、14;出射側導波路、
20;入射側導波路、21;光分岐部、22;曲げ導波路、23;中間接続構造、
111;導波路、112;導波路、121;線欠陥、122;線欠陥、131;導波路、
132;導波路。

Claims (19)

  1. 複合導波路と光結合部とを備え、
    前記複合導波路は、フォトニック結晶配列内に平行に配置された複数の線欠陥を有し、
    前記光結合部は、複数の前記線欠陥を光結合することを特徴とする光制御素子。
  2. 前記複合導波路は、前記フォトニック結晶配列のフォトニックバンドギャップ内に複数の反交差点をもつ偶モードバンドを形成し、偶モードバンドは波数の大きなバンド端に近い2つの反交差点の間に1以上の変極点をもつ請求項1に記載の光制御素子。
  3. 前記複合導波路は、前記線欠陥の間に1周期以上5周期未満のフォトニック結晶の周期構造を有する請求項1または請求項2に記載の光制御素子。
  4. 前記線欠陥の間に挟まれたフォトニック結晶配列の周期は、前記線欠陥に挟まれていないフォトニック結晶配列の周期と異なる請求項1から請求項3のいずれかに記載の光制御素子。
  5. フォトニック結晶配列を構成する少なくとも1つの媒質は、前記線欠陥の間に挟まれた少なくとも一部の領域において、前記線欠陥に挟まれていない領域における形状と異なる形状を有する請求項1から請求項4のいずれかに記載の光制御素子。
  6. 前記複合導波路近傍のフォトニック結晶配列の周期は、前記複合導波路から離れた領域におけるフォトニック結晶配列の周期と異なる請求項1から請求項5のいずれかに記載の光制御素子。
  7. 前記複合導波路近傍のフォトニック結晶の実効的な屈折率は、光の伝搬方向に沿って連続的に変化している請求項1から請求項6のいずれかに記載の光制御素子。
  8. 前記光結合部は、フォトニック結晶配列内の線欠陥により形成されている請求項1から請求項7のいずれかに記載の光制御素子。
  9. 前記光結合部は、チャネル導波路により形成されている請求項8に記載の光制御素子。
  10. 前記複合導波路と前記光結合部との間に結合損失を低減する中間接続部を備える請求項1から請求項9のいずれかに記載の光制御素子。
  11. 一つの導波路を複数の導波路に分岐して前記線欠陥にそれぞれ接続する光分岐部を備える請求項1から請求項10のいずれかに記載の光制御素子。
  12. 前記光分岐部は、フォトニック結晶配列内の線欠陥により形成されている請求項11に記載の光制御素子。
  13. 前記光分岐部は、チャネル導波路により形成されている請求項11に記載の光制御素子。
  14. 前記光分岐部と前記複合導波路との間に結合損失を低減する中間接続部を備える請求項11から請求項13のいずれかに記載の光制御素子。
  15. 前記中間接続部は、フォトニック結晶配列を構成する少なくとも1つの媒質の大きさを、光の伝搬方向へ徐々に変えて配置している請求項10または請求項14に記載の光制御素子。
  16. 前記中間接続部は、フォトニック結晶配列の周期を光の伝搬方向へ徐々に変えて形成している請求項10または請求項13に記載の光制御素子。
  17. 前記フォトニック結晶配列は半導体材料で形成されている請求項1から請求項16のいずれかに記載の光制御素子。
  18. 前記フォトニック結晶配列は電気光学材料で形成されている請求項1から請求項16のいずれかに記載の光制御素子。
  19. 前記フォトニック結晶配列は非線形光学材料で形成されている請求項1から請求項16のいずれかに記載の光制御素子。

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