JP2006125336A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2006125336A
JP2006125336A JP2004316550A JP2004316550A JP2006125336A JP 2006125336 A JP2006125336 A JP 2006125336A JP 2004316550 A JP2004316550 A JP 2004316550A JP 2004316550 A JP2004316550 A JP 2004316550A JP 2006125336 A JP2006125336 A JP 2006125336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casing
scroll
hole
orbiting scroll
fixed scroll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004316550A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4430510B2 (ja
Inventor
Shunsuke Mori
俊介 森
Kazutaka Suefuji
和孝 末藤
Susumu Sakamoto
晋 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2004316550A priority Critical patent/JP4430510B2/ja
Publication of JP2006125336A publication Critical patent/JP2006125336A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4430510B2 publication Critical patent/JP4430510B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

【課題】 固定スクロール、旋回スクロールのスラスト方向およびラジアル方向の位置決めを容易に行うことができ、組立て作業性を向上させる。
【解決手段】 ケーシング側収容穴18と旋回スクロール側収容穴17との間には、カップリング21,22、ボール23等からなる自転防止機構20を設ける。また、円形有底穴からなるケーシング側収容穴18の径方向外側にはガイド穴19を設けると共に、ガイド穴19の底面にはケーシング1を貫通したスリット孔27を形成する。これにより、スリット孔27を通じて自転防止機構20のケーシング側カップリング21とケーシング側収容穴18の底面との間にシム26を挿入することができる。このため、固定スクロール3の自動調心を行った状態を保持しつつ、旋回スクロール11のスラスト方向の位置を調整することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空気圧縮機、真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械は、ケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ前記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールとを備えている。そして、従来技術によるスクロール式流体機械として、ケーシングと旋回スクロールの背面との間には旋回スクロールの自転を防止する補助クランクを設けると共に、該補助クランクとケーシングとの間には固定スクロールと旋回スクロールとの間のスラスト隙間を調整するスペーサを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来技術として、ケーシングと固定スクロールとの間に、固定スクロールと旋回スクロールとの間のスラスト隙間を調整するシムを設けた構成も知られている(例えば、特許文献2参照)。この場合、シムには複数の切込みが設けられ、該切込みを用いてケーシングと固定スクロールとを連結する組付けボルトに対してシムが干渉するのを防止している。これにより、ケーシングに対して固定スクロール、旋回スクロール等を仮組みした状態でも、組付けボルトを緩めることによって、ケーシングと固定スクロールとの間にシムを挿入することができる。
特開平10−67800号公報 特開平9−53574号公報
ところで、特許文献1に記載されたスクロール式流体機械を組立てる場合には、まずケーシングに対して旋回スクロール、補助クランク等を仮組みし、この仮組立状態でスラスト隙間を測定すると共に、この測定結果に応じた厚さ寸法のスペーサを選択する。次に、旋回スクロール、補助クランク等をケーシングから取外して分解し、選択したスペーサを補助クランクとケーシングとの間に挿入する。最後に、再びケーシングに対して旋回スクロール等を取付けて、スクロール式流体機械を組立てる構成となっていた。このため、組立て作業を2回行う必要があり、組立て作業に無駄が多く、生産性が低いという問題がある。
一方、特許文献2に記載されたスクロール式流体機械では、複数の切込みが設けられたシムを用いることによって、ケーシングに対して固定スクロール、旋回スクロール等を仮組みした状態でも、ケーシングと固定スクロールとの間にシムを挿入可能な構成となっており、スラスト方向(軸方向)の隙間調整が可能である。ここで、ケーシングに固定スクロールおよび旋回スクロールを組付けるときには、2つのスクロールのスラスト方向(軸方向)の隙間を調整する以外に、ラジアル方向(径方向)の隙間も調整する必要がある。このため、2つのスクロールのラジアル方向の位置ずれを調整するために、例えば仮組み状態(旋回スクロールと固定スクロールが相対移動可能な状態)で旋回スクロールを低速で旋回運動させて、旋回スクロールのラップを固定スクロールのラップに接触させる方法が考えられる。この方法では、固定スクロールのラジアル方向の位置は旋回スクロールのラップに押されることによって決まるから、このような固定スクロールの自動調心による位置決めを行うものである。
この自動調心による方法を用いた場合、特許文献2に記載されたスクロール式流体機械では、ケーシングに対して固定スクロールおよび旋回スクロールを仮組みしたときに、一方のスクロールのラップの歯先が他方のスクロールの鏡板の歯底面に接触する。この状態で旋回スクロールを低速で旋回運動させると、ラップの歯先と鏡板の歯底面との接触抵抗等によっても固定スクロールはラジアル方向に不必要に移動してしまい、固定スクロールの自動調心を行うことができないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、固定スクロール、旋回スクロールのスラスト方向およびラジアル方向の位置決めを容易に行うことができ、組立て作業性を向上することができるスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、ケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ前記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前記ケーシングと旋回スクロールの背面との間に設けられ該旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを備えてなるスクロール式流体機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記ケーシングには、前記固定スクロールと旋回スクロールとのスラスト方向の間隔を狭めるスペーサを外部から挿入するための挿入孔を設けたことにある。
請求項2の発明では、前記スペーサは、前記自転防止機構とケーシングとの間に挿入される構成としている。
請求項3の発明では、前記ケーシングには、前記旋回スクロールの背面と対向した位置に前記自転防止機構を収容する有底の収容穴を設け、前記挿入孔は、該収容穴の底面側に開口する構成としている。
請求項1の発明によれば、例えば旋回スクロールを駆動軸に対して軸方向に変位可能に設けることにより、固定スクロールと旋回スクロールとの間のスラスト方法の間隔は、スペーサを取外した状態で大きく、スペーサを取付けた状態で小さくすることができる。このため、スペーサを取外した仮組み状態では一方のスクロールのラップ歯先が他方のスクロールの鏡板の歯底面に接触することがないから、仮組み状態で旋回スクロールを低速で旋回運動させることによって、固定スクロールの自動調心を行うことができる。また、スペーサは挿入孔を通じて取付けることができるから、固定スクロールが自動調心された状態を保持しつつ、自転防止機構とケーシングとの間にスペーサを挿入することができる。この結果、固定スクロールのラジアル方向の位置決めと旋回スクロールのスラスト方向の位置決めとを容易かつ高精度に行うことができる。
請求項2の発明によれば、挿入孔を用いて外部から自転防止機構とケーシングとの間に向けてスペーサを挿入することができるから、スペーサを挿入するための挿入孔を設けるという簡単な構成で、固定スクロールと旋回スクロールとのスラスト方向の間隔を狭めることが可能となる。
請求項3の発明によれば、ケーシングには旋回スクロールの背面と対向した位置に自転防止機構を収容する有底の収容穴を設けると共に、挿入孔を該収容穴の底面側に開口させる構成としたから、自転防止機構をケーシングの収容穴に取付けた状態で挿入孔から収容穴の底面と自転防止機構との間にスペーサを挿入することができる。このため、固定スクロールを取外すことなく自転防止機構と収容穴の底面との間にスペーサを挿入することができるから、自動調心された固定スクロールの位置を保持しつつ、旋回スクロールのスラスト方向の位置決めを行うことができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げ、図1ないし図7に従って詳細に説明する。
図において、1は軸方向一端側が開口した有底筒状のケーシングで、該ケーシング1は、軸方向他端側に位置してケーシング1の底部をなす環状板部1Aと、環状板部1Aの中心側に設けられ後述の主軸受7が収容されたボス部1Bと、環状板部1Aの外周側から軸方向一端側に向けて延びる筒部1Cと、該筒部1Cの先端に設けられ後述の固定スクロール3が取付けられるフランジ部1Dとによって大略構成されている。そして、ケーシング1には、環状板部1Aの軸方向他端側に位置して電動モータ2が取付けられている。
3はケーシング1に取付けられた固定スクロールで、該固定スクロール3は、後述する駆動軸6の軸線と一致するように配設された円板状の鏡板3Aと、該鏡板3Aの表面に立設された渦巻状のラップ部3Bと、前記鏡板3Aの外縁側からケーシング1に向けて軸方向に突出した筒部3Cとにより構成されている。そして、固定スクロール3の筒部3Cの先端面は、例えばラップ部3Bの歯先面とほぼ同一面を形成し、ラップ部3Bの歯先には紐状のチップシール4が取付けられている。また、固定スクロール3の筒部3Cにはケーシング1のフランジ部1Dと対向した位置に複数のボルト挿通孔3Dが穿設されている。そして、ボルト挿通孔3Dには固定ボルト5が挿入されると共に、該固定ボルト5はケーシング1のフランジ部1Dに螺着される。これにより、固定スクロール3は、固定ボルト5を用いてフランジ部1Dに固定されている。
なお、ボルト挿通孔3Dの穴径は固定ボルト5の外径よりも僅かに大きく形成されている。これにより、固定ボルト5を仮止めした状態では、固定スクロール3は、ケーシング1や後述の旋回スクロール11のラジアル方向(径方向)に対して僅かに変位可能となる。一方、固定ボルト5を仮止め状態からさらに締付けて締着した状態では、固定スクロール3はケーシング1等のラジアル方向に対しても変位不能に固定されるものである。
6はケーシング1のボス部1B内に主軸受7を介して回転可能に設けられた駆動軸で、該駆動軸6は、基端側が電動モータ2の回転軸2Aに対して螺着され、電動モータ2によって回転駆動する。また、駆動軸6の基端側には大径の段部6Aが形成されると共に、駆動軸6の先端側には略円筒状をなす偏心ブッシュ8が取付けられている。このとき、偏心ブッシュ8の基端側には駆動軸6の先端側を収容する駆動軸穴8Aが形成されると共に、該駆動軸穴8Aの周囲には駆動軸6側に向けて突出した円環状の凸部8Bが形成されている。一方、偏心ブッシュ8の先端側には後述の旋回軸受13を収容する旋回軸受穴8Cが形成され、旋回軸受穴8Cは、駆動軸穴8Aに対して一定の偏心寸法をもって偏心している。そして、偏心ブッシュ8は、止め輪9とボルト10とを用いて駆動軸6の先端に固定されている。これにより、主軸受7は偏心ブッシュ8の凸部8Bと駆動軸6の段部6Aとの間に挟みつけられるから、駆動軸6はケーシング1に対して傾斜せずに回転可能な構成となっている。
11は固定スクロール3と対向して駆動軸6の先端側に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール11は、円板状に形成された鏡板11Aと、該鏡板11Aの表面側に立設された渦巻状のラップ部11Bとにより大略構成され、ラップ部11Bの歯先には固定スクロール3と同様にチップシール12が取付けられている。また、鏡板11Aの背面側には、その中央部位に位置して円筒状のボス部11Cが突設されている。そして、ボス部11Cの外周側には旋回軸受13が取り付けられると共に、旋回軸受13は偏心ブッシュ8の旋回軸受穴8C内に挿入されている。このとき、旋回軸受13と旋回軸受穴8Cとの間には僅かな隙間が形成されている。これにより、旋回スクロール11は、旋回軸受13と一緒に軸方向に変位可能となっている。
そして、旋回スクロール11は、鏡板11A表面(歯底面)がケーシング1のフランジ部1D端面と略同一面をなす位置に配置されたときに、旋回スクロール11の鏡板11A表面が固定スクロール3のラップ部3B歯先に設けられたチップシール4に接触すると共に、固定スクロール3の鏡板3A表面が旋回スクロール11のラップ部11B歯先に設けられたチップシール12に接触する。このため、鏡板11A表面とフランジ部1D端面との軸方向位置が一致するように、後述のシム26を用いて旋回スクロール11の位置を調整することによって、ラップ部3B,11Bと鏡板11A,3Aとの間のスラスト隙間を調整することができるものである。
また、旋回スクロール11は、固定スクロール3のラップ部3Bに対し例えば180度だけずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部3B,11B間には複数の圧縮室14,14…が画成される。そして、スクロール式空気圧縮機の運転時には、固定スクロール11の外周側に設けた吸込口15から外周側の圧縮室14内に空気を吸込みつつ、この空気を旋回スクロール11が駆動軸6によって旋回運動(偏心回動)する間に各圧縮室14内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室14から固定スクロール3の中心に設けた吐出口16を介して外部に圧縮空気を吐出する。
17は鏡板11Aの背面側に設けられた例えば3個の旋回スクロール側収容穴(1個のみ図示)で、該旋回スクロール側収容穴17は、鏡板11Aの背面側に凹陥された円形の有底穴によって構成されている。また、3個の旋回スクロール側収容穴17は、例えばボス部11Cの周囲に位置して円周方向に等間隔となる位置(120度毎)に配置されている。そして、旋回スクロール側収容穴17内には、後述する自転防止機構20の旋回スクロール側カップリング22が収容されている。
18はケーシング1の環状板部1Aに設けられた例えば3個のケーシング側収容穴(1個のみ図示)で、該ケーシング側収容穴18は、ケーシング1の筒部1C内に位置して環状板部1Aの表面側に凹陥された円形の有底穴によって構成されている。また、3個のケーシング側収容穴18は、各旋回スクロール側収容穴17とそれぞれ対向し、ボス部1Bの周囲に位置して円周方向に等間隔となる位置(120度毎)に配置されている。そして、ケーシング側収容穴18内には、後述する自転防止機構20のケーシング側カップリング21が収容されている。
また、ケーシング側収容穴18の径方向外側には、略四角形のガイド穴19が設けられている。そして、ガイド穴19は、円形穴をなすケーシング側収容穴18を径方向外側に向けて拡張すると共に、後述のシム26の幅寸法よりも広い幅寸法をもってケーシング1内に開口し、ケーシング側収容穴18の底部に向けてシム26を案内する。
20はケーシング1のケーシング側収容穴18と旋回スクロール11の旋回スクロール側収容穴17との間に設けられた3個の自転防止機構で、該自転防止機構20は、後述するカップリング21,22、ボール23等からなるボールカップリングによって構成されている。
21はケーシング1のケーシング側収容穴18に取付けられたケーシング側カップリングで、該ケーシング側カップリング21は、略円板状に形成され、円形穴をなすケーシング側収容穴18に軸方向に変位可能に嵌め込まれている。また、ケーシング側カップリング21のうち旋回スクロール側カップリング22との対向面には、ボール23を案内する円環状のガイド溝21Aが凹設されている。また、ケーシング側カップリング21のうちケーシング側収容穴18と対向する底面側には、外縁側に面取りを施した面取り部21Bが略全周に亘って形成されている。そして、面取り部21Bは、カップリング21とケーシング側収容穴18底面との間に後述のシム26を挿入するときに、該シム26の挿入を容易にしている。
22は旋回スクロール11の旋回スクロール側収容穴17に取付けられた旋回スクロール側カップリングで、該旋回スクロール側カップリング22は、ケーシング側カップリング21と同様に略円板状に形成され、円形穴をなす旋回スクロール側収容穴17に嵌め込まれている。また、旋回スクロール側カップリング22のうちケーシング側カップリング21との対向面には、ボール23を案内する円環状のガイド溝22Aが凹設されている。
23は2つのカップリング21,22の間に転動可能に挟持されたボールで、該ボール23は、鋼材等を用いて形成され、カップリング21,22のガイド溝21A,22Aに沿って転動する。これにより、自転防止機構20は、旋回スクロール11に作用するスラスト荷重を支持すると共に、旋回スクロール11が自転するのを防止している。
24,25は各カップリング21,22の対向面側に取付けられたカバー部材で、該カバー部材24,25は、略筒状に形成され、ボール23を取り囲んだ状態でカップリング21,22の外周側に固着されている。また、カバー部材24,25の間には僅かな隙間が形成され、ボール23がガイド溝21A,22Aから離れるのを防止している。そして、カバー部材24,25は、ガイド溝21A,22Aに封入されたグリース(図示せず)がカップリング21,22間から飛散、漏洩するのを防止し、ボール23とガイド溝21A,22Aとの間の良好な潤滑状態を保っている。
26は自転防止機構20とケーシング1との間に設けられたスペーサとしてのシムで、該シム26は、略長方形の薄板状に形成され、ケーシング側収容穴18とガイド穴19との底面上に配置され、ケーシング側カップリング21とケーシング側収容穴18の底面との間に挟持されている。そして、シム26は、例えば鏡板11A表面とフランジ部1D端面との間の軸方向の位置ずれ寸法Δhに応じた厚さ寸法Tを有している。このため、シム26は、自転防止機構20を通じて旋回スクロール11を固定スクロール3側に向けてスラスト方向(軸方向)に変位させ、鏡板11A表面とフランジ部1D端面との軸方向位置をほぼ一致させる。これにより、シム26は、固定スクロール3と旋回スクロール11との間のスラスト方向の間隔を狭め、固定スクロール3と旋回スクロール11との間のスラスト隙間を適切な値に調整するものである。
27は自転防止機構20の周囲に位置してケーシング側収容穴18の底面側に設けられた挿入孔としてのスリット孔で、該スリット孔27は、ケーシング側収容穴18の径方向外側に配置されると共に、ケーシング1の周方向に沿って略直線状に延びる細長い貫通孔によって形成され、ガイド穴19の底面に開口している。そして、スリット孔27は、シム26の幅寸法よりも大きな長さ寸法を有し、シム26を外部からケーシング1内のケーシング側収容穴18に挿入可能にしている。
このとき、スリット孔27は、ケーシング側収容穴18から径方向外側に延びるガイド穴19に開口しているから、ケーシング側収容穴18に直接開口した場合に比べて大きな開口面積が確保されている。これにより、シム26はスリット孔27を容易に通過することができ、シム26の挿入、取付けが容易になっている。
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、電動モータ2によって駆動軸6を回転駆動すると、駆動軸6の回転は、偏心ブッシュ8から旋回軸受13を介して旋回スクロール11に伝えられる。これにより、旋回スクロール11は、自転防止機構20によって自転運動が防止された状態で駆動軸6を中心に公転運動する。このとき、固定スクロール3のラップ部3Bと旋回スクロール11のラップ部11Bとの間に画成された圧縮室14は、連続的に縮小する。この結果、スクロール式空気圧縮機は、吸込口15から吸込んだ外気を各圧縮室14で順次圧縮し、この圧縮空気を吐出口16から外部の空気タンク(図示せず)等に向けて吐出する。
次に、本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機の製造方法について図2ないし図7を参照しつつ説明する。
まず、スラスト隙間測定工程では、図6に示すように、固定スクロール3とシム26とを取外した状態で、ケーシング1に対して旋回スクロール11、自転防止機構20等と取付ける。このとき、自転防止機構20のケーシング側カップリング21がケーシング側収容穴18の底面に接触するように、旋回スクロール11をケーシング1側に向けて押付ける。この状態で、スラスト隙間の寸法として、鏡板11Aの表面(歯底面)とフランジ部1Dの端面との間の軸方向の位置ずれ寸法Δhを測定する。
次に、固定スクロール仮組み工程では、図7に示すように、ケーシング1に対して固定スクロール3を仮組み状態で取付ける。このとき、固定ボルト5をある程度緩めた状態で締付け、固定スクロール3をケーシング1、旋回スクロール11に対して径方向に変位可能な状態にする。
次に、ラジアル隙間調整工程では、旋回スクロール11を低速で旋回運動させながら、仮組み状態の固定ボルト5を徐々に締付ける。このとき、ラップ部3B,11Bのチップシール4,12は相手方の鏡板11A,3A表面に接触しないから、固定スクロール3のラップ部3B側面が旋回スクロール11のラップ部11B側面に押されることによって、固定スクロール3は径方向に移動し、固定スクロール3の径方向位置は自動的に決まる。これにより、各ラップ部3B,11Bの間のラジアル方向の隙間は最小になり、固定スクロール3は自動調心される。そして、自動調心の終了後には、固定ボルト5を締付けて固定スクロール3をケーシング1に対して変位不能な状態で固定する。
最後に、スラスト隙間調整工程では、図7に示すように、ケーシング1のスリット孔27を通じてケーシング側カップリング21とケーシング側収容穴18の底面との間にシム26を挿入する。このとき、シム26の厚さ寸法Tは、鏡板11Aの表面とフランジ部1Dの端面との間の位置ずれ寸法Δhよりも寸法δだけ小さい値に設定する(T=Δh−δ)。ここで、寸法δは、スクロール3,11のラップ部3B,11Bが熱膨張等により相手方の鏡板11A,3Aと接触するのを防止する程度の小さな値である。また、旋回スクロール11は、旋回軸受13と一緒に軸方向に変位可能となっている。このため、図2に示すように、シム26を挿入すると、自転防止機構20がケーシング1の環状板部1Aから離間する方向に変位するから、旋回スクロール11は、シム26の厚さ寸法Tに応じて自転防止機構20と一緒に固定スクロール3側に向けて変位する。この結果、旋回スクロール11の鏡板11Aの表面は、ケーシング1のフランジ部1Dの端面よりも寸法δだけケーシング1の底部(環状板部1A)側にしずんだ位置に配置されるから、ラップ部3B,11B歯先のチップシール4,12は相手方の鏡板11A,3Aに良好な状態で摺接し、固定スクロール3と旋回スクロール11との間のスラスト隙間は最適な状態に設定される。
かくして、本実施の形態では、ケーシング1にはシム26を挿入するためのスリット孔27を設けたから、ケーシング1に対して固定スクロール3と旋回スクロール11とを仮組みした状態で、該スリット孔27を用いて外部から自転防止機構20とケーシング1との間に向けてシム26を挿入することができる。このため、従来技術のようにスペーサを挿入するためにケーシング1から固定スクロール3、旋回スクロール11等を取外して再度組立てる必要がないから、組立て作業性を向上することができる。
また、シム26を挿入する前の仮組み状態では、固定スクロール3と旋回スクロール11との間にスラスト方向の隙間が形成され、チップシール4,12は相手方の鏡板11A,3Aの表面(歯底面)から離間した状態となる。このため、仮組み状態で旋回スクロール11を低速で旋回運動させることによって固定スクロール3を自動調心することができる。このとき、本実施の形態では、固定スクロール3を取外すことなくスリット孔27を用いてシム26を挿入し、取付けることができるから、自動調心された固定スクロール3の位置を保持しつつ、スリット孔27を通じてシム26を自転防止機構20とケーシング1との間に挿入し、旋回スクロール11のスラスト方向の位置決めを行うことができる。これにより、固定スクロール3、旋回スクロール11のラジアル方向、スラスト方向の位置決めを容易かつ高精度に行うことができる。
また、スリット孔27を用いて外部から自転防止機構20とケーシング1との間に向けてシム26を挿入することができるから、ケーシング1にスリット孔27を設けるという簡単な構成で、固定スクロール3と旋回スクロール11とのスラスト方向の間隔を狭めることが可能となる。
特に、本実施の形態では、ケーシング1には旋回スクロール11の背面と対向した位置に自転防止機構20を収容する有底のケーシング側収容穴18を設けると共に、スリット孔27をケーシング側収容穴18の底面側に開口させる構成としたから、自転防止機構20をケーシング側収容穴18に取付けた状態でスリット孔27を通じてケーシング側収容穴18の底面と自転防止機構20のケーシング側カップリング21との間にシム26を挿入することができる。
また、自転防止機構20を2つのカップリング21,22間にボール23を挟持したボールカップリングによって構成したから、ボール23を各カップリング21,22のガイド溝21A,22Aに沿って転動させて旋回スクロール11の自転を防止できると共に、カップリング21,22およびボール23を用いて旋回スクロール11のスラスト方向の荷重を受承することができる。このため、スリット孔27を通じてケーシング側カップリング21とケーシング側収容穴18の底面との間にシム26を挿入したときには、スラスト荷重を受承する自転防止機構20と一緒に旋回スクロール11が固定スクロール3側に向けてシム26の厚さ寸法だけ変位する。この結果、自転防止だけを行うものに比べて、シム26を用いて旋回スクロール11のスラスト方向の位置を正確に設定することができ、容易かつ高精度にスラスト方向の隙間を最適化することができる。
さらに、旋回スクロール11を駆動軸6に対して軸方向に変位可能に設けたから、固定スクロール3と旋回スクロール11との間のスラスト隙間は、シム26を自転防止機構20とケーシング1との間から取外した状態で大きく、シム26を自転防止機構20とケーシング1との間に取付けた状態で小さくすることができる。このため、シム26を取外した仮組み状態ではラップ部3B,11Bのチップシール24,25が相手方の鏡板11A,3Aの歯底面に接触することがないから、仮組み状態で旋回スクロール11を低速で旋回運動させることによって、固定スクロール3の自動調心を行うことができる。また、シム26はスリット孔27を通じて取付けることができるから、固定スクロール3が自動調心された状態を保持しつつ、自転防止機構20とケーシング1との間にシム26を挿入することができる。この結果、固定スクロール3のラジアル方向の位置決めと旋回スクロール11のスラスト方向の位置決めとを容易かつ高精度に行うことができる。
なお、前記実施の形態では、旋回スクロール11の鏡板11Aの背面に、3個の自転防止機構20を設ける構成としたが、4個以上の自転防止機構を設ける構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、ラップ部3B,11Bの歯先にチップシール4,12を取付ける構成としたが、ラップ部3B,11Bのうち両方または一方のチップシールを省く構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、カップリング21,22、ボール23等からなるボールカップリングからなる自転防止機構20を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば自転防止機構として補助クランク等を用いる構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、シム26を自転防止機構20とケーシング1との間に挿入する構成としたが、例えばシム(スペーサ)を旋回スクロールの鏡板背面とケーシングとの間に挿入する構成としてもよい。この場合、スリット孔(挿入孔)は、例えば旋回スクロールの鏡板背面の近傍に配置されるものである。
さらに、前記実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用できるものである。
本発明の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。 図1中の自転防止機構の周囲を拡大して示す拡大縦断面図である。 図2中のシム、スリット孔等を矢示III−III方向からみた拡大横断面図である。 ケーシングから自転防止機構およびシムを取外した状態で示す要部拡大縦断面図である。 図4中のスリット孔等を矢示V−V方向からみた要部拡大平面図である。 固定スクロールを取付ける前のケーシング、旋回スクロール等を示す図2と同様位置の拡大縦断面図である。 シムを取付ける前のケーシング、固定スクロール、旋回スクロール等を示す図2と同様位置の拡大縦断面図である。
符号の説明
1 ケーシング
2 電動モータ
3 固定スクロール
3A,11A 鏡板
3B,11B ラップ部
4,12 チップシール
5 固定ボルト
6 駆動軸
8 偏心ブッシュ
11 旋回スクロール
13 旋回軸受
18 ケーシング側収容穴
19 ガイド穴
20 自転防止機構
21 ケーシング側カップリング
21A,22A ガイド溝
22 旋回スクロール側カップリング
23 ボール
26 シム
27 スリット孔(挿入孔)

Claims (3)

  1. ケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ前記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前記ケーシングと旋回スクロールの背面との間に設けられ該旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを備えてなるスクロール式流体機械において、
    前記ケーシングには、前記固定スクロールと旋回スクロールとのスラスト方向の間隔を狭めるスペーサを外部から挿入するための挿入孔を設けたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記スペーサは、前記自転防止機構とケーシングとの間に挿入される構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記ケーシングには、前記旋回スクロールの背面と対向した位置に前記自転防止機構を収容する有底の収容穴を設け、
    前記挿入孔は、該収容穴の底面側に開口する構成としてなる請求項2に記載のスクロール式流体機械。
JP2004316550A 2004-10-29 2004-10-29 スクロール式流体機械 Expired - Fee Related JP4430510B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004316550A JP4430510B2 (ja) 2004-10-29 2004-10-29 スクロール式流体機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004316550A JP4430510B2 (ja) 2004-10-29 2004-10-29 スクロール式流体機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006125336A true JP2006125336A (ja) 2006-05-18
JP4430510B2 JP4430510B2 (ja) 2010-03-10

Family

ID=36720311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004316550A Expired - Fee Related JP4430510B2 (ja) 2004-10-29 2004-10-29 スクロール式流体機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4430510B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007321646A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Hitachi Ltd スクロール式流体機械
JP2008297991A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Hitachi Ltd スクロール式増圧装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007321646A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Hitachi Ltd スクロール式流体機械
JP2008297991A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Hitachi Ltd スクロール式増圧装置
US8784067B2 (en) 2007-05-31 2014-07-22 Hitachi, Ltd. Scroll type booster

Also Published As

Publication number Publication date
JP4430510B2 (ja) 2010-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060140806A1 (en) Scroll fluid machine
JPH031516B2 (ja)
JP2930269B2 (ja) スクロール流体機械
JPH0656081B2 (ja) スクロール式機械
AU7509498A (en) Mechanism and method for aligning a fixed scroll in a scroll compressor
JP4430510B2 (ja) スクロール式流体機械
JP2006283673A (ja) スクロール式流体機械
JPH11132166A (ja) スクロール型流体機械
JPH0849681A (ja) スクロール型圧縮機
JPH0642473A (ja) スクロール式流体機械
JPH05240174A (ja) スクロール型流体機械
JPH0117669Y2 (ja)
JP3980718B2 (ja) スクロール式流体機械およびそのスラスト隙間の調整方法
JP4825467B2 (ja) スクロール式流体機械及びその製造方法
JP4727468B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2934556B2 (ja) スクロール型流体機械
JP2009228650A (ja) 密閉式スクロール圧縮機
JP2009180198A (ja) スクロール式流体機械
JPH11230064A (ja) スクロール圧縮機
JP4643028B2 (ja) スクロール式流体機械
JP2007270763A (ja) スクロール式流体機械
JP3595035B2 (ja) スクロールプレート調整機構を有した全系回転形スクロール流体機械
JPH11324943A (ja) スクロール型圧縮機
JP5011237B2 (ja) スクロール式流体機械
JP2001073966A (ja) スクロール型圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091217

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4430510

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131225

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees