JP2006125334A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置において、内燃機関の状態に拘らず始動性の向上を図る。
【解決手段】エンジン10の運転状態に応じて吸気弁21を最適な開閉タイミングに制御する電動式吸気可変動弁機構27を有し、エンジン10に対してイグニッションOFF信号により停止指令があったときには、このエンジン10の停止前に、現在の大気圧に最適な目標進角位置を算出し、吸気可変動弁装置27により吸気弁21の開閉タイミングをこの目標進角位置に進角し、その後、エンジン10を停止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の始動時における吸気弁の開閉タイミングを適正位置に位置させることで始動性の向上を図った内燃機関の制御装置に関するものである。
内燃機関の動弁系にて、吸気弁や排気弁の開閉タイミングや開放時間を変更できるようにした可変動弁装置が各種提案されている。このような可変動弁装置では、例えば、吸気カムシャフトや排気カムシャフトの軸端部にVVTコントローラが設けられて構成され、このVVTコントローラによりカムスプロケットに対するカムシャフトの位相を変更することで、吸気弁や排気弁の開閉タイミングを進角または遅角するものである。
従って、内燃機関の運転状態に基づいて、例えば、エンジン始動時やアイドル運転時には、排気弁の閉止時期と吸気弁の開放時期のオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポートまたは燃焼室に吹き返す量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、吸気弁の開閉タイミングを進角すると共に排気弁の開閉タイミングを遅角してオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷には、吸気弁の開閉タイミングを進角することで、吸気が吸気ポートに吹き返す量を少なくして体積効率を向上させる。
内燃機関では、吸気カムシャフトが回転し、吸気カムがローラロッカアームを介して吸気弁を所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポートが所定期間だけ開放し、この吸気ポートの空気が燃焼室に吸入され、同時に所定量の燃料が噴射されて混合気が生成され、燃焼室内の混合気がピストンにより圧縮された後点火されて爆発・膨張するように構成されている。この場合、燃焼室に導入される吸入空気量に応じて燃料噴射量が決定するものであり、この吸入空気量は、検出した体積流量が大気圧や外気温度に基づいて空気密度の変化が補正され、空気質量に対して燃料噴射量が決定される。
ところが、内燃機関の始動時には、この吸入空気量が少なくて不安定であるため、空気質量を高精度に推定することができず、エンジン冷却水温などに依存した始動時燃料噴射量が設定される。そして、吸入空気量の空気密度変化による空気質量の増減量は、スロットル弁の開度や可変動弁機構による吸気弁の開閉タイミングを調整することで、燃焼室に吸入される吸入空気量(体積流量)を調整している。
なお、このような可変動弁装置として、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された内燃機関のバルブタイミング制御装置は、バルブタイミングを最遅角位置よりも進角した所定位置にロックするロック手段を設け、内燃機関の停止時に、始動する際の環境が低始動性環境であると推定されたときに、バルブタイミングを最遅角位置よりも進角した所定位置にロックするものである。従って、内燃機関の停止時に始動環境を反映して事前にバルブタイミングを設定し、始動性を良好とすることができる。
特開2003−201872号公報
ところが、上述した内燃機関のバルブタイミング制御装置にあっては、油圧式であってロックピンがベーンのロック孔に突出することで最遅角位置よりも進角した所定位置にロックしており、この所定の進角位置は一箇所となっている。この場合、内燃機関が始動するための環境は刻一刻と変化するものであり、バルブタイミングの進角位置を内燃機関の始動環境に応じて常時最適な位置に設定することができず、内燃機関の良好な始動性を十分に確保することができない。また、この内燃機関のバルブタイミング制御装置は、イグニッションスイッチがオフ操作されたときに実行するものであり、エンジンストールなどの突発的な内燃機関の停止時に対応することができない。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、内燃機関の状態に拘らず始動性の向上を図った内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関の状態を検出する状態検出手段と、前記内燃機関の停止指令を検出する停止指令検出手段と、吸気弁の開閉タイミングを変更可能な電動式可変動弁手段と、前記状態検出手段が検出した前記内燃機関の状態に応じて前記吸気弁の開閉タイミングにおける最適な目標進角位置を設定する目標進角位置設定手段と、前記停止指令検出手段が停止指令を検出したときに前記内燃機関の停止前に前記電動式可変動弁手段により前記吸気弁の開閉タイミングを前記目標進角位置に進角させる制御手段とを具えたことを特徴とするものである。
また、本発明の内燃機関の制御装置では、前記状態検出手段は、大気圧または外気温の少なくともいずれか一つを検出可能であり、前記目標進角位置設定手段は、前記大気圧または前記外気温に応じて前記吸気弁の開閉タイミングにおける前記目標進角位置を設定することを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置では、前記吸気弁の開閉タイミングにおける実際の進角位置を検出する実進角位置検出手段を設け、前記制御手段は、前記実進角位置が前記目標進角位置に設定されると、該実進角位置を記憶した後に前記内燃機関を停止することを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置では、前記制御手段は、予め設定された所定時間内に前記実進角位置が前記目標進角位置に設定されないと、前記所定時間経過時の前記実進角位置を記憶した後に前記内燃機関を停止することを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置では、前記停止指令検出手段は、イグニッションキースイッチのオフ信号またはエンジンストールが予測されるときに出力されるエンスト推定信号を前記停止指令として認識することを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置では、前記内燃機関の始動指令を検出する始動指令検出手段を設け、該始動指令検出手段が始動指令を検出したとき、前記制御手段は、前記状態検出手段の検出結果に基づいて前記内燃機関における前回の停止時の状態と現在の状態との変化度合を検出し、該変化度合が予め設定された所定値よりも大きいときに、前記目標進角位置設定手段により前記内燃機関の現在の状態に応じて目標進角位置を設定し、該目標進角位置に基づいて前記可変動弁手段を制御することを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置では、前記変化度合が前記内燃機関が始動しやすい側の状態に変化したときだけ、前記制御手段は、前記目標進角位置設定手段により前記内燃機関の現在の状態に応じて目標進角位置を設定し、前記可変動弁手段により前記吸気弁の開閉タイミングを新たに設定された前記目標進角位置に遅角させることを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置では、前記内燃機関の始動指令を検出する始動指令検出手段を設け、該始動指令検出手段が始動指令を検出したとき、前記制御手段は、前記内燃機関の停止時における前記内燃機関の状態及び前記吸気弁の開閉タイミングにおける進角位置に基づいて燃料噴射量を補正することを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、内燃機関の停止指令があったときに、この内燃機関の停止前に可変動弁手段により吸気弁の開閉タイミングを内燃機関の状態に応じて設定された目標進角位置に進角させるので、内燃機関の始動時には、すでに吸気弁の開閉タイミングが最適位置に進角されており、始動時に可変動弁手段を制御する必要はなく、始動時の消費トルクの増大や制御遅れを抑制して迅速にエンジンを始動することができ、エンジンの始動性を向上することができる。
以下に、本発明に係る内燃機関の制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の制御装置を表す概略構成図、図2は、実施例1の内燃機関の制御装置におけるエンジン停止制御を表すフローチャート、図3は、実施例1の内燃機関の制御装置におけるエンジン始動制御を表すフローチャート、図4は、吸気弁の開閉タイミングを表す概略図、図5は、VVT進角量に対する始動時の充填効率を表すグラフ、図6は、大気圧に対するVVT進角量を表すグラフ、図7は、大気圧に対する空気密度(始動時の吸入空気量)を表すグラフである。
実施例1の内燃機関の制御装置において、図1に示すように、この内燃機関としてのエンジン10は筒内噴射式の多気筒型であって、シリンダブロック11上にシリンダヘッド12が締結されており、このシリンダブロック11に形成された複数のシリンダボア13にピストン14がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック11の下部にクランクケース15が締結され、このクランクケース15内にクランクシャフト16が回転自在に支持されており、各ピストン14はコネクティングロッド17を介してこのクランクシャフト16にそれぞれ連結されている。
燃焼室18は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とピストン14により構成されており、この燃焼室18は、上部(シリンダヘッド12の下面)の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。そして、この燃焼室18の上部、つまり、シリンダヘッド12の下面に吸気ポート19及び排気ポート20が対向して形成されており、この吸気ポート19及び排気ポート20に対して吸気弁21及び排気弁22の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁21及び排気弁22は、シリンダヘッド12に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート19及び排気ポート20を閉止する方向に付勢支持されている。また、シリンダヘッド12には、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転自在に支持されており、吸気カム25及び排気カム26が図示しないローラロッカアームを介して吸気弁21及び排気弁22の上端部に接触している。
従って、エンジン10に同期して吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転すると、吸気カム25及び排気カム26がローラロッカアームを作動させ、吸気弁21及び排気弁22が所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート19及び排気ポート20を開閉し、吸気ポート19と燃焼室18、燃焼室18と排気ポート20とをそれぞれ連通することができる。
また、このエンジン10の動弁機構は、運転状態に応じて吸気弁21を最適な開閉タイミングに制御する電動式吸気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing-intelligent)27となっている。この吸気可変動弁機構27は、例えば、吸気カムシャフト23の軸端部に図示しないVVTコントローラが設けられて構成され、電動モータ28によりカムスプロケットに対する吸気カムシャフト23の位相を変更することで、吸気弁21の開閉時期を進角または遅角することができるものである。この場合、吸気可変動弁機構27は、吸気弁21の作用角(開放期間)を一定としてその開閉時期を進角または遅角する。また、吸気カムシャフト23には、その回転位相を検出するカムポジションセンサ29が設けられている。
吸気ポート19には、インテークマニホールド31を介してサージタンク32が連結され、このサージタンク32に吸気管33が連結されており、この吸気管33の空気取入口にはエアクリーナ34が取付けられている。そして、このエアクリーナ34の下流側にスロットル弁35を有する電子スロットル装置36が設けられている。また、シリンダヘッド12には、燃焼室18に直接燃料を噴射するインジェクタ37が装着されており、このインジェクタ37は、吸気ポート19側に位置して上下方向に所定角度傾斜している。更に、シリンダヘッド12には、燃焼室18の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ38が装着されている。
一方、排気ポート20には、エギゾーストマニホールド39を介して排気管40が連結されており、この排気管40には排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を浄化処理する触媒装置41,42が装着されている。
ところで、車両には電子制御ユニット(ECU)43が搭載されており、このECU43は、インジェクタ37や点火プラグ38などを制御可能となっている。即ち、吸気管33の上流側にはエアフローセンサ44及び吸気温センサ45が装着され、また、車両の所定の位置に大気圧センサ46が設けられており、計測した吸入空気量、吸気温度、大気圧をECU43に出力している。また、電子スロットル装置36にはスロットルポジションセンサ47が装着されており、現在のスロットル開度をECU43に出力している。更に、クランク角センサ48は、検出した各気筒のクランク角度をECU43に出力し、このECU43は検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気、圧縮、膨張(爆発)、排気の各行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出している。また、シリンダヘッド12にはエンジン冷却水温を検出する水温センサ49が設けられており、検出したエンジン冷却水温をECU43に出力している。従って、ECU43は、検出した吸入空気量、吸気温度、大気圧、スロットル開度(またはアクセル開度)、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて、燃料噴射量、噴射時期、点火時期などを決定している。
また、ECU43は、エンジン運転状態に基づいて吸気可変動弁機構27を制御可能であり、カムポジションセンサ29の検出結果に基づいてフィードバック制御している。即ち、低温時、エンジン始動時、アイドル運転時や軽負荷時には、排気弁22の閉止時期と吸気弁21の開放時期とのオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポート19または燃焼室18に吹き返す量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、このオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷低中回転時には、吸気弁21の閉止時期を進角することで、吸気が吸気ポート19に吹き返す量を少なくし、体積効率を向上させる。そして、高負荷高回転時には、吸気弁21の閉止時期を回転数にあわせて遅角することで、吸入空気の慣性力に合わせたタイミングとし、体積効率を向上させる。
また、ECU43は、エンジン停止前に、この吸気可変動弁機構27を制御することで、吸気弁21の開閉タイミングを、次にエンジン10が始動するときに最適な開閉タイミングとなるように進角制御している。即ち、エンジン10の状態を検出する状態検出手段として大気圧センサ46を用い、エンジン10に停止指令を検出する停止指令検出手段としてイグニッション(IG)キースイッチを用い、IG−OFF信号が入力されたとき、制御手段としてのECU43は、大気圧センサ46が検出した現在の大気圧(PA)に応じて吸気弁21の開閉タイミングにおける最適な目標進角位置を設定(目標進角位置設定手段)し、エンジン10の停止前に、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングをこの目標進角位置に進角させるようにしている。
ここで、吸気可変動弁機構27による吸気弁21の開閉タイミングにおける進角制御について詳細に説明する。
エンジン10では、通常、ECU43が、検出した吸入空気量としての空気の体積流量を、吸気温度や大気圧に基づいて密度を補正して空気質量として換算し、この空気質量に対して適正な燃料噴射量が決定される。ところが、エンジン10の始動時には、吸入空気量が少なくて不安定であるため、エアフローセンサ44により吸入空気量を高精度に検出することができず、エンジン冷却水温などに依存した始動時燃料噴射量が設定される。そのため、始動時の燃料噴射量に対して、吸気温度や大気圧の変化による空気質量の増減を加味することができず、実際に燃焼室18に導入された空気質量と燃料噴射量との間にアンバランスが生じてしまう。この場合、大気圧が低いほど空気密度が低いため、始動時の吸入空気量が減少して十分な始動トルクを確保することができない。
そこで、本実施例では、エンジン10の始動時において、大気圧により変化する吸入空気量の補正を、吸気可変動弁機構27を用いて行うようにしている。ところが、この吸気可変動弁機構27は、電動モータ28によりカムスプロケットに対する吸気カムシャフト23の位相を変更することで、吸気弁21の開閉タイミングを進角または遅角するものであることから、進角位置や遅角位置を高精度に制御することができる一方、作動時に大きな駆動トルクを必要として始動性に大きな影響を与えてしまう。そのため、本実施例では、エンジン10の停止前に、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングを大気圧に応じて進角させるようにしている。
吸気可変動弁機構27による進角制御において、図4に示すように、アイドル運転時は、同図に二点鎖線で示すような吸気弁21の開放タイミングであり、始動時は、このアイドル運転時から所定角度進角することで、同図に実線で示すような吸気弁21の開放タイミングに変更する。VVT進角量が大きくなると、吸気弁21の開放時期及び閉止時期が早まることで、図5に示すように、始動時の吸入空気の充填効率が向上する。この場合、大気圧が低いほど空気密度が低くなって吸入空気量が低下するため、図6に示すように、大気圧に対するVVT進角量を表すマップが予め設定されている。このマップでは、大気圧が低下するのに伴ってVVT進角量が所定の範囲内で増加するものとなっている。
ここで、上述した実施例1の内燃機関の制御装置による停止制御及び始動制御について、図2及び図3のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
エンジン10の停止制御において、図2に示すように、ステップS1では、大気圧センサ46により現在の大気圧PAを取り込み、ステップS2では、ECU43がこの大気圧PAに応じたエンジン停止時の目標進角位置を算出する。そして、ステップS3にて、ECU43は、エンジン10の停止指令としてイグニッション(IG)キースイッチのOFF信号が入力されたかどうかを判定する。ここで、イグニッションOFF信号が入力されていなければ、何もしないでこのルーチンを抜ける。なお、ステップS1にて、大気圧センサ46による大気圧PAの取込は、所定のサンプリング周期で実行しており、ステップS2では、常時、検出した大気圧PAに応じたエンジン停止時の目標進角位置を算出している。
一方、ステップS3にて、ECU43がイグニッションOFF信号の入力を確認すると、ステップS4にて、ECU43は、吸気弁21の開閉タイミングが目標進角位置となるように吸気可変動弁機構27を制御する。即ち、吸気弁21の開閉タイミングを最遅角位置から目標進角位置まで進角させる。
ステップS5では、ECU43は、カムポジションセンサ29が検出した吸気弁21の開閉タイミングの実際の進角位置と目標進角位置とを比較し、実進角位置が目標進角位置に移行していなければ、ステップS6に移行する。ここで、ECU43は、イグニッションOFF信号の入力から所定時間tが経過したかどうかを判定し、所定時間tが経過していなければ、何もしないでこのルーチンを抜ける。
そして、この所定時間tの経過前に、ステップS5で実進角位置が目標進角位置に移行していれば、ステップS7にて、この目標進角位置を実進角位置として記憶し、ステップS8にて、イグニッションOFFを実行、つまり、インジェクタ37による燃料噴射を停止すると共に、点火プラグ38による点火を停止し、エンジン10を停止する。一方、所定時間tが経過しても実進角位置が目標進角位置に移行していなければ、ステップS7にて、現在の実進角位置を記憶し、ステップS8にて、イグニッションOFFを実行してエンジン10を停止する。
従って、エンジン10の停止前に吸気可変動弁機構27を制御し、吸気弁21の開閉タイミングにおける実進角位置を、現在の大気圧に応じた目標進角位置となるように設定すると共に、この目標進角位置を実進角位置として記憶することができる。また、何らかの原因により、吸気可変動弁機構27による吸気弁21の開閉タイミングにおける進角制御に所定時間t以上を要した場合には、所定時間t経過時点の実進角位置を記憶してエンジン10を停止することで、イグニッションOFFからエンジン停止までに長時間を消費することもない。
また、エンジン10の始動制御において、図3に示すように、ステップS11では、ECU43は、エンジン10の始動指令としてイグニッション(IG)キースイッチのON信号が入力されたかどうかを判定する。ここで、イグニッションON信号が入力されていなければ、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、ステップS11にて、イグニッションON信号が入力されていれば、ステップS12にて、エンジン10が既に始動しているかどうかを判定する。ここで、エンジン10が始動していれば、ステップS18に移行し、ここで、エンジン始動後に対応した吸気可変動弁機構27の制御を実行する。つまり、エンジン負荷に応じて吸気弁21の開閉タイミングの目標進角位置を設定し、実進角位置がこの目標進角位置となるように吸気可変動弁機構27を制御する。
ステップS12にて、ECU43が、エンジン10がまだ始動していないと判定されると、ステップS13にて、現在の大気圧と停止前の大気圧とを比較し、現在の大気圧が停止前の大気圧より高いかどうかを判定する。ここで、現在の大気圧が停止前の大気圧以下であれば、ステップS17に移行し、エンジン停止前に設定された吸気弁21の開閉タイミングの進角位置にてエンジン10を始動する。即ち、インジェクタ37から始動時における所定の燃料量が噴射されると共に、点火プラグ38による点火が実行される。
一方、ステップS13にて、ECUが、現在の大気圧が停止前の大気圧より高いと判定したときには、ステップS14にて、ECU43は現在の大気圧PAに応じたエンジン始動時の目標進角位置を算出する。そして、ステップS15にて、クランキング中であることを確認してから、ステップS16にて、ECU43は、吸気弁21の開閉タイミングがステップS14で算出した目標進角位置となるように吸気可変動弁機構27を制御する。即ち、吸気弁21の開閉タイミングを、エンジン停止時の大気圧に適した目標遅角位置から、現在の大気圧に適した目標進角位置まで遅角させる。その後、ステップS17に移行し、新たに設定された吸気弁21の開閉タイミングの進角位置にてエンジン10を始動する。
従って、エンジン10の始動前に、吸気弁21の開閉タイミングが現在の大気圧に応じた最適な進角位置に設定され、この状態でエンジン10を始動させることができる。また、エンジン10の始動時に、大気圧が高くなっていたときには、吸気弁21の開閉タイミングを現在の大気圧に応じた最適な進角位置に遅角してエンジン10を始動させることができる。
このように実施例1の内燃機関の制御装置にあっては、エンジン10に対してイグニッションOFF信号により停止指令があったときには、このエンジン10の停止前に、現在の大気圧に最適な目標進角位置を算出し、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングをこの目標進角位置に進角し、その後、エンジン10を停止するようにしている。
従って、エンジン10の始動時には、吸気弁21の開閉タイミングが大気圧に応じた最適な進角位置に設定されることとなり、エンジン10の始動直前に、吸気可変動弁機構27を制御して吸気弁27の開閉タイミングを調整する必要はなく、始動時の吸気可変動弁機構27の作動によるに消費トルクの増大や制御遅れを抑制し、迅速に、且つ、確実にエンジン10を始動することができ、エンジン10の始動性を向上することができる。
また、エンジン10の停止前に、吸気弁21の開閉タイミングを大気圧に応じた最適な進角位置に設定するとき、吸気可変動弁機構27の作動に必要以上時間を要した場合には、所定時間t経過時点の実進角位置を記憶してエンジン10を停止している。従って、イグニッションOFFからエンジン停止までに長時間を消費することはなく、エンジン停止時にドライバに違和感を感じさせることもない。
そして、エンジン10の始動時に、現在の大気圧がエンジン停止時の大気圧よりも高くなっていたときには、吸気弁21の開閉タイミングを現在の大気圧に応じた最適な進角位置に遅角した後、エンジン10を始動させるようにしている。従って、エンジン10の停止後に、天候が急変したり、車両が移動されたりすることが要因して大気圧が変化した場合であっても、吸気弁21の開閉タイミングを現在の大気圧に応じた最適な進角位置に設定してからエンジン10を始動することができる。この場合、吸気可変動弁機構27にあっては、開閉タイミングを進角させる動作に比べて遅角させる動作には、電動モータ28の駆動トルクを比較的低レベルに抑えることができることから、現在の大気圧がエンジン停止時の大気圧よりも高い場合だけ、開閉タイミング(進角位置)を補正するようにしている。
以上のように、エンジン10の始動時に、吸気弁21の開閉タイミングを大気圧に応じた最適な進角位置に進角することから、大気圧の変化に拘らず、エンジン始動時の吸入空気量を一定に維持することができる。即ち、エンジン始動時に吸気弁21の開閉タイミングが常時最遅角位置にあると、図7に二点鎖線で表すように、大気圧が低いほど空気密度が低くなり、始動時の吸入空気量が減少して十分な始動トルクを確保することができなくなる。一方、エンジン始動時に吸気弁21の開閉タイミングを大気圧に応じた最適な進角位置に設定すると、図7に実線で表すように、大気圧の変化に拘らず空気密度を一定とし、始動時に必要な吸入空気量を導入して十分な始動トルクを確保することができる。
図8は、本発明の実施例2に係る内燃機関の制御装置におけるエンジン停止制御を表すフローチャート、図9は、外気温度に対する始動時のフリクションを表すグラフ、図10は、外気温度に対するVVT進角量を表すグラフ、図11は、外気温度に対する空気密度(始動時の吸入空気量)を表すグラフである。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の内燃機関の制御装置において、エンジン10の概略構成は、前述した実施例1とほぼ同様であるため、図1を用いて説明する。本実施例では、前述した実施例1と同様に、エンジン停止前に、吸気可変動弁機構27を制御することで、吸気弁21の開閉タイミングを、次にエンジン10が始動するときに最適な開閉タイミングとなるように進角制御するものである。そして、エンジン10の状態を検出する状態検出手段として吸気温センサ45を用い、IG−OFF信号が入力されたとき、ECU43は、吸気温センサ45が検出した現在の吸気温度(外気温度)Tに応じて吸気弁21の開閉タイミングにおける最適な目標進角位置を設定し、エンジン10の停止前に、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングをこの目標進角位置に進角させるようにしている。
ここで、吸気可変動弁機構27による吸気弁21の開閉タイミングにおける進角制御について詳細に説明する。
エンジン10にて、イグニッションキースイッチによる始動指令に対して、スタータモータによりクランキングが開始され、燃焼室に吸入空気が導入されると共に所定量の燃料が噴射され、ピストンの上昇により混合気が圧縮された後、この混合気に点火されて始動する。この場合、エンジン10の始動時には、機関の潤滑油が低温状態であって粘度が高いため、図9に示すように、吸気温度が低いほどフリクションが高くなってピストンスピードが低下し、大きな始動トルクを確保する必要がある。
そこで、本実施例では、エンジン10の始動時において、吸気温度により変化するフリクションの増加を、吸気可変動弁機構27を用いて行うようにしている。この吸気可変動弁機構27による進角制御において、吸気弁21の開閉タイミングを進角させると、吸気弁21の開放時期及び閉止時期が早まり、始動時の吸入空気の充填効率が向上する。この場合、吸気温度が低いほどフリクションが大きくなるため、図10に示すように、吸気温度に対するVVT進角量を表すマップが予め設定されている。このマップでは、吸気温度が低下するのに伴ってVVT進角量が所定の範囲内で増加するものとなっている。
ここで、上述した実施例1の内燃機関の制御装置による停止制御について、図8のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
エンジン10の停止制御において、図8に示すように、ステップS21では、吸気温センサ45により現在の吸気温度Tを取り込み、ステップS22では、ECU43がこの吸気温度Tに応じたエンジン停止時の目標進角位置を算出する。そして、ステップS23にて、ECU43は、イグニッションOFF信号が入力されたかどうかを判定し、ここで、イグニッションOFF信号が入力されていなければ、何もしないでこのルーチンを抜ける。なお、ステップS21にて、吸気温センサ45による吸気温度Tの取込は、所定のサンプリング周期で実行しており、ステップS22では、常時、検出した吸気温度Tに応じたエンジン停止時の目標進角位置を算出している。
一方、ステップS23にて、ECU43がイグニッションOFF信号の入力を確認すると、ステップS24にて、吸気弁21の開閉タイミングが目標進角位置となるように、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングを最遅角位置から目標進角位置まで進角させる。ステップS25では、吸気弁21の開閉タイミングの実際の進角位置と目標進角位置とを比較し、実進角位置が目標進角位置に移行していなければ、ステップS26に移行し、イグニッションOFF信号の入力から所定時間tが経過したかどうかを判定する。
そして、ステップS26にて、所定時間tが経過していなければ、何もしないでこのルーチンを抜け、ステップS25にて、この所定時間tの経過前に実進角位置が目標進角位置に移行していれば、ステップS27にて、この目標進角位置を実進角位置として記憶し、ステップS28にて、イグニッションOFFを実行してエンジン10を停止する。一方、所定時間tが経過しても実進角位置が目標進角位置に移行していなければ、ステップS27にて、現在の実進角位置を記憶し、ステップS28にて、イグニッションOFFを実行してエンジン10を停止する。
従って、エンジン10の停止前に吸気可変動弁機構27を制御し、吸気弁21の開閉タイミングにおける実進角位置を、現在の吸気温度に応じた目標進角位置となるように設定すると共に、この目標進角位置を実進角位置として記憶ことができる。また、何らかの原因により、吸気可変動弁機構27による吸気弁21の開閉タイミングにおける進角制御に所定時間t以上を要した場合には、所定時間t経過時点の実進角位置を記憶してエンジン10を停止することで、イグニッションOFFからエンジン停止までに長時間を消費することもない。
なお、エンジン10の始動制御は、上述した実施例1と同様であるため、説明は省略する。
このように実施例2の内燃機関の制御装置にあっては、エンジン10に対してイグニッションOFF信号により停止指令があったときには、このエンジン10の停止前に、現在の吸気温度に最適な目標進角位置を算出し、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングをこの目標進角位置に進角し、その後、エンジン10を停止するようにしている。
従って、エンジン10の始動時には、吸気弁21の開閉タイミングが吸気温度に応じた最適な進角位置に設定されることとなり、エンジン10の始動直前に、吸気可変動弁機構27を制御して吸気弁27の開閉タイミングを調整する必要はなく、始動時の吸気可変動弁機構27の作動による消費トルクの増大や制御遅れを抑制し、迅速に、且つ、確実にエンジン10を始動することができ、エンジン10の始動性を向上することができる。
以上のように、エンジン10の始動時に、吸気弁21の開閉タイミングを吸気温度に応じた最適な進角位置に進角することから、吸気温度の変化に拘らず、エンジン始動時の吸入空気量を増加させることができる。即ち、エンジン始動時に吸気弁21の開閉タイミングが常時最遅角位置にあると、図11に二点鎖線で表すように、大気圧が低いほど空気密度が若干高くなるものの、フリクションが発生して十分な始動トルクを確保することができなくなる。一方、エンジン始動時に吸気弁21の開閉タイミングを吸気温度に応じた最適な進角位置に設定すると、図11に実線で表すように、吸気温度が低いほど空気密度を更に増加させることとなり、始動時に必要な吸入空気量を導入して十分な始動トルクを確保することができる。
図12は、本発明の実施例3に係る内燃機関の制御装置におけるエンジン停止制御を表すフローチャートである。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の内燃機関の制御装置において、エンジン10の概略構成は、前述した実施例1とほぼ同様であるため、図1を用いて説明する。本実施例では、前述した実施例1と同様に、エンジン停止前に、吸気可変動弁機構27を制御することで、吸気弁21の開閉タイミングを、次にエンジン10が始動するときに最適な開閉タイミングとなるように進角制御するものである。そして、エンジン10に停止指令を検出する停止指令検出手段としてイグニッションIG−OFF信号と、エンジンストールを検出するエンスト信号が入力されたとき、ECU43は、大気圧センサ46が検出した現在の大気圧(PA)に応じて吸気弁21の開閉タイミングにおける最適な目標進角位置を設定し、エンジン10の停止前に、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングをこの目標進角位置に進角させるようにしている。この場合、ECU43は、クランク角センサ48が検出したエンジン回転数NEが予め設定された所定回転数A(例えば、アイドル回転数以下)より低いときに、エンジン10がストールすると推定し、エンスト信号を出力する。
ここで、実施例3の内燃機関の制御装置による停止制御について、図12のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
エンジン10の停止制御において、図11に示すように、ステップS31では、大気圧センサ46により現在の大気圧PAを取り込み、ステップS32では、この大気圧PAに応じたエンジン停止時の目標進角位置を算出する。そして、ステップS33にて、イグニッションOFF信号が入力されたかどうかを判定する。ここで、イグニッションOFF信号が入力されると、ステップS34にて、吸気弁21の開閉タイミングが目標進角位置となるように、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングを最遅角位置から目標進角位置まで進角させる。
ステップS35では、吸気弁21の開閉タイミングにおける実進角位置が目標進角位置になっていれば、ステップS37にて、この目標進角位置を実進角位置として記憶し、一方、所定時間tが経過しても実進角位置が目標進角位置に移行していれば、ステップS37にて、現在の実進角位置を記憶し、ステップS38にて、イグニッションOFFを実行してエンジン10を停止する。
一方、ステップS33にて、イグニッションOFF信号が入力されないと、ステップS39にて、クランク角センサ48が検出した現在のエンジン回転数NEと予め設定された所定回転数Aとを比較する。ここで、現在のエンジン回転数NEが所定回転数A以上であれば、エンジン10は正常に運転されているものとして何もしないでこのルーチンを抜ける。しかし、現在のエンジン回転数NEが所定回転数Aより低いときには、エンジン10がストールするものと推定してエンスト信号を出力する。
このとき、ECU43は、ステップS40にて、吸気弁21の開閉タイミングが目標進角位置となるように、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングを最遅角位置から目標進角位置まで進角させる。そして、ステップS41にて、現在の実進角位置を記憶し、ステップS38にて、イグニッションOFFを実行してエンジン10を停止する。
従って、イグニッションキースイッチのオフ操作だけでなく、エンジンストール時にも、エンジン10の停止前に吸気可変動弁機構27を制御し、吸気弁21の開閉タイミングにおける実進角位置を、現在の大気圧に応じた目標進角位置となるように設定すると共に、この目標進角位置を実進角位置として記憶することができる。
なお、エンジン10の始動制御は、上述した実施例1と同様であるため、説明は省略する。
このように実施例3の内燃機関の制御装置にあっては、エンジン10のストールが予想されるときにも、このエンジン10のストール前に、現在の大気圧に最適な目標進角位置を算出し、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングをこの目標進角位置に進角し、その後、エンジン10を停止するようにしている。
従って、同様な状況下でエンジン10が停止したとしても、エンジン10の始動時には、吸気弁21の開閉タイミングが大気圧に応じた最適な進角位置に設定されることとなり、エンジン10の始動直前に、吸気可変動弁機構27を制御して吸気弁27の開閉タイミングを調整する必要はなく、始動時の吸気可変動弁機構27の作動によるに消費トルクの増大や制御遅れを抑制し、迅速に、且つ、確実にエンジン10を始動することができ、エンジン10の始動性を向上することができる。
なお、エンジン回転数NEが所定回転数Aより低いときには、エンジン10がストールするものと推定してエンスト信号を出力するようにしたが、回転変動や燃焼状態または失火によりエンジンストールを推定しても良い。
図13は、本発明の実施例4に係る内燃機関の制御装置におけるエンジン始動制御を表すフローチャート、図14は、冷却水温に対する燃料噴射量の基本始動増量を表すグラフ、図15は、大気圧に対する大気圧補正係数を表すグラフ、図16は、VVT進角量に対するVVT補正係数を表すグラフである。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の内燃機関の制御装置において、エンジン10の概略構成は、前述した実施例1とほぼ同様であるため、図1を用いて説明する。本実施例では、前述した実施例1と同様に、エンジン停止前に、吸気可変動弁機構27を制御することで、吸気弁21の開閉タイミングを、次にエンジン10が始動するときに最適な開閉タイミングとなるように大気圧に基づいて進角制御するものであると共に、エンジン始動時に、この大気圧、冷却水温、進角位置に基づいて燃料噴射量を補正するものである。
ここで、実施例4の内燃機関の制御装置による始動制御について、図13のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
エンジン10の始動制御において、図13に示すように、ステップS51では、ECU43は、エンジン10の始動指令としてイグニッション(IG)キースイッチのON信号が入力されたかどうかを判定する。ここで、イグニッションON信号が入力されていなければ、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、ステップS51にて、イグニッションON信号が入力されていれば、まず、ステップS52にて、エンジン停止時またはエンジン始動時における吸気可変動弁機構27の実進角位置を取り込み、ステップS53にて、大気圧センサ46により現在の大気圧PAを取り込み、ステップS54にて、水温センサ49により現在のエンジン冷却水温Wを取り込む。
次に、ステップS55にて、エンジン冷却水温Wに応じた燃料噴射量の基本始動増量QBを求めるが、この場合、図14に示すような冷却水温に対する基本始動増量のマップを用いる。このマップは、冷却水温の上昇に伴って基本始動増量が減少するものとなっている。また、ステップS56にて、大気圧PAに応じた始動時の補正係数KPを求めるが、この場合、図15に示すような大気圧に対する補正係数のマップを用いる。このマップは、大気圧の上昇に伴って補正係数が1.0まで増加するものとなっている。更に、ステップS57にて、実進角位置に応じた始動時の補正係数KVを求めるが、この場合、図16に示すようなVVT進角量に対する補正係数のマップを用いる。このマップは、VVT進角量の増加に伴って補正係数が1.0から増加するものとなっている。
そして、ステップS58にて、最終的なエンジン始動時の燃料噴射量の増量分Qを下記式より算出する。
Q=QB×KP×KV
このエンジン始動時の燃料噴射量の増量分Qが決定すると、ステップS59にて、始動時の基本燃料噴射量にこの増量分Qを加算して燃料噴射を実行することで、エンジン10を始動する。
従って、エンジン10の始動前に、吸気弁21の開閉タイミングが現在の大気圧に応じた最適な進角位置に設定され、この状態でエンジン10を始動させることができる。また、エンジン10の始動時に、この大気圧や進角位置に基づいて燃料噴射量を適正に補正することができる。
このように実施例4の内燃機関の制御装置にあっては、エンジン10の停止前に、吸気可変動弁機構27により吸気弁21の開閉タイミングを現在の大気圧に応じて最適な目標進角位置に進角し、エンジン10の始動時に、この大気圧や進角位置に基づいて燃料噴射量を適正に補正するようにしている。
従って、エンジン10の始動時には、吸気弁21の開閉タイミングが大気圧に応じた最適な進角位置に設定されることとなり、燃料噴射量がこの大気圧や進角位置に応じて適正に補正されることとなり、迅速に、且つ、確実にエンジン10を始動することができ、エンジン10の始動性を向上することができる。
なお、上述した各実施例では、本発明の内燃機関の制御装置を筒内噴射式の多気筒エンジンに適用して説明したが、この形式のエンジンに限らず、ポート噴射式のエンジンに適用することもできる。
以上のように、本発明に係る内燃機関の制御装置は、停止前に吸気弁の開閉タイミングを運転状態に応じた最適位置に進角して始動性を向上させるものであり、吸気可変動弁機構を有するエンジンであれば、いずれの種類のエンジンに用いても好適である。
本発明の実施例1に係る内燃機関の制御装置を表す概略構成図である。 実施例1の内燃機関の制御装置におけるエンジン停止制御を表すフローチャートである。 実施例1の内燃機関の制御装置におけるエンジン始動制御を表すフローチャートである。 吸気弁の開閉タイミングを表す概略図である。 VVT進角量に対する始動時の充填効率を表すグラフである。 大気圧に対するVVT進角量を表すグラフである。 大気圧に対する空気密度(始動時の吸入空気量)を表すグラフである。 本発明の実施例2に係る内燃機関の制御装置におけるエンジン停止制御を表すフローチャートである。 外気温度に対する始動時のフリクションを表すグラフである。 外気温度に対するVVT進角量を表すグラフである。 外気温度に対する空気密度(始動時の吸入空気量)を表すグラフである。 本発明の実施例3に係る内燃機関の制御装置におけるエンジン始動制御を表すフローチャートである。 本発明の実施例4に係る内燃機関の制御装置におけるエンジン始動制御を表すフローチャートである。 冷却水温に対する燃料噴射量の基本始動増量を表すグラフである。 大気圧に対する大気圧補正係数を表すグラフである。 VVT進角量に対するVVT補正係数を表すグラフである。
符号の説明
10 エンジン
18 燃焼室
19 吸気ポート
20 排気ポート
21 吸気弁
22 排気弁
23 吸気カムシャフト
24 排気カムシャフト
27 吸気可変動弁機構(電動式可変動弁手段)
28 電動モータ
29 カムポジションセンサ(実進角位置検出手段)
37 インジェクタ
38 点火プラグ
43 電子制御ユニット、ECU(停止指令検出手段、始動指令検出手段、目標進角位置設定手段、制御手段)
45 吸気温センサ(状態検出手段)
46 大気圧センサ(状態検出手段)
48 クランク角センサ(クランク角度検出手段)
49 水温センサ

Claims (8)

  1. 内燃機関の状態を検出する状態検出手段と、前記内燃機関の停止指令を検出する停止指令検出手段と、吸気弁の開閉タイミングを変更可能な電動式可変動弁手段と、前記状態検出手段が検出した前記内燃機関の状態に応じて前記吸気弁の開閉タイミングにおける最適な目標進角位置を設定する目標進角位置設定手段と、前記停止指令検出手段が停止指令を検出したときに前記内燃機関の停止前に前記電動式可変動弁手段により前記吸気弁の開閉タイミングを前記目標進角位置に進角させる制御手段とを具えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記状態検出手段は、大気圧または外気温の少なくともいずれか一つを検出可能であり、前記目標進角位置設定手段は、前記大気圧または前記外気温に応じて前記吸気弁の開閉タイミングにおける前記目標進角位置を設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記吸気弁の開閉タイミングにおける実際の進角位置を検出する実進角位置検出手段を設け、前記制御手段は、前記実進角位置が前記目標進角位置に設定されると、該実進角位置を記憶した後に前記内燃機関を停止することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、前記制御手段は、予め設定された所定時間内に前記実進角位置が前記目標進角位置に設定されないと、前記所定時間経過時の前記実進角位置を記憶した後に前記内燃機関を停止することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記停止指令検出手段は、イグニッションキースイッチのオフ信号またはエンジンストールが予測されるときに出力されるエンスト推定信号を前記停止指令として認識することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の始動指令を検出する始動指令検出手段を設け、該始動指令検出手段が始動指令を検出したとき、前記制御手段は、前記状態検出手段の検出結果に基づいて前記内燃機関における前回の停止時の状態と現在の状態との変化度合を検出し、該変化度合が予め設定された所定値よりも大きいときに、前記目標進角位置設定手段により前記内燃機関の現在の状態に応じて目標進角位置を設定し、該目標進角位置に基づいて前記可変動弁手段を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項6に記載の内燃機関の制御装置において、前記変化度合が前記内燃機関が始動しやすい側の状態に変化したときだけ、前記制御手段は、前記目標進角位置設定手段により前記内燃機関の現在の状態に応じて目標進角位置を設定し、前記可変動弁手段により前記吸気弁の開閉タイミングを新たに設定された前記目標進角位置に遅角させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  8. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の始動指令を検出する始動指令検出手段を設け、該始動指令検出手段が始動指令を検出したとき、前記制御手段は、前記内燃機関の停止時における前記内燃機関の状態及び前記吸気弁の開閉タイミングにおける進角位置に基づいて燃料噴射量を補正することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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