JP2006125094A - 吊ケーブルの押込み方法及び押込み装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構築構造物B桁エッジから斜め上方に露出する定着用パイプb部分に取付た取付座b1と、反力付与部13とをテンションロッド23で連結して構成されている反力手段3の反力を利用して押込みチャック5を押込みシリンダ2の係合部12に係合した状態で、ストローク手段4を作動させてその押込みシリンダ2所定距離定着用パイプbに押し込んだ後、反力付与部13で移動不能とされる盛り替えチャック6を係合部12に係合させ、押込みチャック5を開放して盛り替え、この押込みと両チャック5、6による係脱の盛り替え動作を吊ケーブルCの先端に設けたソケットc1が定着用パイプb先端から突出するまで繰り返し、押し込む。
【選択図】図4
Description
この特許文献1は、押込みチャックを押込みシリンダの係合部に係合させた状態でジャッキ手段を作動させて吊ケーブルを所定距離押込んだ後、盛り替えチャックを前記係合部に係合させ押込みチャックを開放して盛り替え、この押込みと両チャックによる係脱の盛り替え動作を前記吊ケーブルの先端に設けたソケットが構築構造物内のブラケットから突出するまで繰り返すようになっている。
そして、そのブラケットからソケットが突出した時点で吊ケーブルの戻りをソケットとブラケットとの間に掛け止めされた戻り防止座で防止するようになっている。
しかしながら、構築構造物には、前記するようなブラケットの代わりに、構築構造物に斜め交差状に固定された定着用パイプが存在するだけの場合も往々にしてある。
構築構造物に使用される二面ケーブルもその一例として挙げることができる。
この定着用パイプは前記押込みシリンダを押込むものであるため、テンションロッドを挿入固定することはできず、反力手段を工夫する必要がある。
これに対処するためには、構築構造物の下方に足場を構築しラムチェアー、ジャッキ装置を設置して前記押込みシリンダを引き込むことになるが、大掛かりになるばかりでなく、高所であるため、非常に危険でもあった。
そして、吊ケーブル押込みが完了すると、押込み装置は撤去されるが、その作業が面倒且つ危険なものになってしまう。
他の目的とする処は、定着用パイプの中心線上から吊ケーブルが優れた直進性をもって押込みされ、押込み作業の安全性を向上させ、押込み時間の短縮にも寄与できる同押込み装置を提供することにある。
前記構築構造物上方の定着用パイプ部分と、同構築構造物上方における定着用パイプの延長上の位置に配置した反力付与部とをテンションロッドで連結して反力手段を構成し、軸方向所定間隔をおいて係合部を形成して吊ケーブルに被着される押込みシリンダのその係合部に押込みチャックを係合させて吊ケーブルを前記定着用パイプ内に前記反力手段の反力を利用してストローク手段で所定距離押し込んだ後、反力付与部で移動不能とされる盛り替えチャックを前記係合部に係合させ押込みチャックを開放して盛り替え、この押込みと両チャックによる係脱の盛り替え動作を前記吊ケーブルの先端に設けたソケットが前記定着用パイプ先端から突出するまで繰り返し、しかる後、吊ケーブルの戻りを防止する戻り防止座をソケットと定着用パイプとの間に介在すると共に張力調整用プレートを介在することを特徴とする吊ケーブルの押込み方法である(請求項1)。
吊ケーブルの押込み掛止時のその吊ケーブルの所定の張力の設定は振動法を用いて行なわれる。
この振動法は、戻り防止座、張力調整用プレートを介在した吊ケーブルに、固定建築物との距離に見合った引き力を掛けて、その振幅で吊ケーブルの張力を測定し、その測定量が所定となるように介在する張力調整用プレートを増やしたり、減らしたりして張力を修正する。
その際、その吊ケーブルに不安定な振動が生じると、正確な振幅が発生せず、信頼性のある張力を測定できない。
押込みシリンダ内の吊ケーブルは押込みシリンダで包皮されてはいるものの、被着されただけであるし、定着用パイプ内面に干渉するので、押込み掛け止め後にケーブルに引き力を掛けると、不安定な振動が生じ、精度のある張力を測定できない問題があった。
その故、押込みシリンダの上端に解除可能な吊ケーブル固定手段を設けて、その吊ケーブル固定手段下位の吊ケーブルに張力測定時の引き力が作用しないように吊ケーブルを固定した状態で、吊ケーブル固定手段と固定建築物との間の距離から算出される所定の引き力でケーブルを振動させて、その振幅で吊ケーブルの張力を測定し、その張力が所定以下の場合に張力調整用プレートを増やし、逆にその張力が所定以上の場合に張力調整用プレートを抜き取り減らして、吊ケーブルを所定の張力に修正する。
好ましくは、構築構造物に斜め交差状に固定される定着用パイプ内に、固定構造物に対して緊張架設される吊ケーブルを押込む吊ケーブルの押込み装置であって、構築構造物に前記定着用パイプに対して接近・離間可能に走行する支持架台と、構築構造物上方の定着用パイプに取り付けた取付座と前記定着用パイプの延長上の位置に配置された反力付与部とをテンションロッドでその反力付与部を位置調整可能に連結した反力手段と、先端にソケットを設けた吊ケーブルに被着され軸方向に係合部を所定間隔をおいて形成した押込みシリンダと、前記押込みシリンダの前記係合部に係合する係脱可能な押込みチャックと、該押込みチャックが係合部との係合を解除している時に係合部に係合する係脱可能な盛り替えチャックと、前記押込みチャックが係合部に係合している時にその押込みチャックを前記反力手段の反力を利用して所定距離押込む押込みチャック用のストローク手段とを備え、前記支持架台は、脚座と、その脚座に前記定着用パイプの延長線上に沿うように上下回動角度調整可能に設けられた台本体と、その台本体に沿ってスイング量調整可能、左右移動量調整可能、上下移動量調整可能に設けられた支持体とを有し、前記盛り替えチャック支持手段を、前記反力付与部で移動不能される態様で支持体に取着すると共に、ストローク手段のストロークで往復動する押し込みチャック支持手段を、前記支持体にスライド可能に係合していると、最適なものである(請求項4)。
従って、従来のように構築構造物の下方に足場を設けてラムチェアー、ジャッキ装置を設置して反力を取りつつ、吊ケーブルの押込みに対処するように大掛かりにならないし、戻り防止座をソケットに掛け止めするだけで良く、安全であるし、撤去に際しても構築構造物上で行なえる。
(請求項2)その上、押込み掛止時の吊ケーブルの張力を振動法(ケーブルを所定の引き力で振動させて、その振幅でケーブルの張力を測定する方法)で測定して、所定の張力に正確に修正して吊ケーブルを押込み係止できる。
(請求項4)しかも、定着用パイプの構築構造物に対する交差角度や定着用パイプが鉛直方向に対して左右方向に傾斜している時にも対応して、定着用パイプに喰い込んだりすることなく押込みシリンダを押込みでき、押込み作業の向上と共に、押込み時間も短縮できる。
その上、その支持体は、上下移動量調整可能にしてあるので、微調整して押込みシリンダの係合部に対して押込みチャック、盛り替えチャックを係合可能に調整することができる。しかも高い位置や低い位置から吊ケーブルの押込みを開始することが可能であり、定着用パイプから上方に突出する押込みシリンダの突出長さに対応できる自在性をも兼備できる。
この押込み装置Aは、塔(固定構造物)に対して吊橋(構築構造物)Bが二面吊ケーブルで吊持される時のその吊ケーブルの押込み装置を示している。
押込み装置Aは、図1〜図4等に示すように支持架台1、押込みシリンダ2、反力手段3、ストローク手段4、押込みチャック5、盛り替えチャック6、押込みチャック支持手段5a、盛り替えチャック支持手段13a等を備えている。
そして、支持体31の上位側に、ストローク手段4を取付けた盛り替えチャック支持手段(盛り替え梁)13aが取着され、下位側に押込みチャックの支持手段(押込み梁)5aがスライド可能に係合されている。
この押込みシリンダ2には、係合部(係合凹部)12が軸方向に所定間隔をおいて形成されている。
この吊ケーブル固定手段7は、前記押込みシリンダ2の上端に油圧シリンダ17を装設し、そのロッド17aが吊ケーブルCを押圧して、そのロッド17aと押込みシリンダ2を構成する一半部の半割部材の内面とで吊ケーブルCを挟持固定できるようになっている。
その具体的説明を詳述する。
そして、吊ケーブルCの押込みに先立って定着用パイプbの前方に離れて待機する支持架台1の支持体31に、図10に示すように盛り替えチャック支持手段13aのその上半部13a−1を取着すると共に、押込みチャック支持手段5aのその上半部5a−1を、前記支持体31の下片31bに前記ストローク手段4を介してスライド可能に係合させる。
また、支持体31に尻端を軸着した油圧ジャッキJ5のロッドの伸張、収縮でその支持体31は台本体21に沿って上下移動量調整可能になる(図9(e)参照)。
この張力調整用プレート(シム)dは設計上の枚数を介在する。
b:定着用パイプ 13:反力付与部
3:反力手段 2:押込みシリンダ
12:係合部 4:ストローク手段(油圧ジャッキ)
6:盛り替えチャック c1:ソケット
D:戻り防止座 1:支持架台
5:押込みチャック b1:取付座
23:テンションロッド 11:脚座
21:台本体 31:支持体
A:押込み装置 7:吊ケーブル固定手段
17:張力調整用プレート 13a:盛り替えチャック支持手段
5a:押込みチャック支持手段
Claims (4)
- 構築構造物に斜め交差状に固定される定着用パイプ内に、固定構造物に対して緊張架設される吊ケーブルを押込み掛け止めして、固定構造物に吊ケーブルを介して構築構造物を吊持する吊ケーブルの押込み方法であって、
前記構築構造物上方の定着用パイプ部分と、同構築構造物上方における定着用パイプの延長上の位置に配置した反力付与部とをテンションロッドで連結して反力手段を構成し、軸方向所定間隔をおいて係合部を形成して吊ケーブルに被着される押込みシリンダのその係合部に押込みチャックを係合させて吊ケーブルを前記定着用パイプ内に前記反力手段の反力を利用してストローク手段で所定距離押し込んだ後、反力付与部で移動不能とされる盛り替えチャックを前記係合部に係合させ押込みチャックを開放して盛り替え、この押込みと両チャックによる係脱の盛り替え動作を前記吊ケーブルの先端に設けたソケットが前記定着用パイプ先端から突出するまで繰り返し、しかる後、吊ケーブルの戻りを防止する戻り防止座をソケットと定着用パイプとの間に介在すると共に張力調整用プレートを介在することを特徴とする吊ケーブルの押込み方法。 - 前記押込みシリンダはその上端に解除可能な吊ケーブル固定手段を有し、その吊ケーブル固定手段での吊ケーブルの固定時に前記戻り防止座、張力調整用プレートを介在した押込み掛け止め後の吊ケーブルを所定の引き力で振動させて、その振幅で吊ケーブルの張力を測定し、その測定値が所定よりも低い時に介在する張力調整用プレートを増やし、所定よりも高い時にその張力調整用プレートを抜取って張力調整用プレートの介在枚数を調整することを特徴とする請求項1記載の吊ケーブルの押込み方法。
- 構築構造物に斜め交差状に固定される定着用パイプ内に、固定構造物に対して緊張架設される吊ケーブルを押込む吊ケーブルの押込み装置であって、構築構造物上方の定着用パイプに取り付けた取付座と前記定着用パイプの延長上の位置に配置された反力付与部とをテンションロッドで連結した反力手段と、先端にソケットを設けた吊ケーブルに被着され軸方向に係合部を所定間隔をおいて形成した押込みシリンダと、該押込みシリンダの前記係合部に係合する係脱可能な押込みチャックと、前記押込みチャックが係合部に係合している時にその押込みチャックを前記反力手段の反力を利用して所定距離押込む押込みチャック用のストローク手段と、前記反力付与部で移動不能され押込みチャックが係合部と係合を解除している時に係合部に係合する係脱可能な盛り替えチャックとを備えていることを特徴とする吊ケーブルの押込み装置。
- 構築構造物に斜め交差状に固定される定着用パイプ内に、固定構造物に対して緊張架設される吊ケーブルを押込む吊ケーブルの押込み装置であって、構築構造物に前記定着用パイプに対して接近・離間可能に走行する支持架台と、構築構造物上方の定着用パイプに取り付けた取付座と前記定着用パイプの延長上の位置に配置された反力付与部とをテンションロッドでその反力付与部を位置調整可能に連結した反力手段と、先端にソケットを設けた吊ケーブルに被着され軸方向に係合部を所定間隔をおいて形成した押込みシリンダと、前記押込みシリンダの前記係合部に係合する係脱可能な押込みチャックと、該押込みチャックが係合部との係合を解除している時に係合部に係合する係脱可能な盛り替えチャックと、前記押込みチャックが係合部に係合している時にその押込みチャックを前記反力手段の反力を利用して所定距離押込む押込みチャック用のストローク手段とを備え、前記支持架台は、脚座と、その脚座に前記定着用パイプの延長線上に沿うように上下回動角度調整可能に設けられた台本体と、その台本体に沿ってスイング量調整可能、左右移動量調整可能、上下移動量調整可能に設けられた支持体とを有し、前記盛り替えチャック支持手段を、前記反力付与部で移動不能とされる態様で支持体に取付けると共に、ストローク手段のストロークで往復動する押し込みチャック支持手段を、前記支持体にスライド可能に係合していることを特徴とする吊ケーブルの押込み装置。
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