JP2006124952A - ガラス障子の框構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合框において、ガラス用の嵌合溝を容易に単層ガラスまたは複層ガラス用の嵌合溝にすることができるガラス障子の框構造
【解決手段】屋外側の金属部aと屋内側の合成樹脂部bとを結合してなる框材の端部に嵌合溝6を形成し、この嵌合溝6に、ガラスを嵌合させて取り付けたガラス障子の框構造において、上記嵌合溝6の両側溝壁の先端間の溝幅を複層ガラス13を嵌合可能な大きさとし、上記嵌合溝6の先端の一側から他側に折り取り部10を一体的に延出形成し、上記折り取り部10によって形成された溝幅を単層ガラス11を嵌合可能な大きさとするとともに、上記折り取り部10の基部を折り取り可能に形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、複層ガラスと単層ガラスとを選択的に取り付けることができるガラス障子の框構造に関するものである。
一般に、ガラス障子の框材にはガラスを嵌合するための嵌合溝が形成されているが、ガラスには比較的暖かい地域で採用されている単層ガラスと寒い地域や防音を必要とする地域で採用されている複層ガラスとがある。したがって、嵌合溝も単層ガラスを嵌合する場合と複層ガラスを嵌合する場合とで、その溝幅は異なる。そのため、框材も溝幅の狭い単層ガラス用と溝幅の大きい複層ガラス用とを成形する必要があった。
ところが、ガラスを取り付けた後、たとえば道路環境が変化して交通量が増大して騒音がひどくなるとか、施工後に住んでみたら結露が多いことがわかったとかの事情の変化により、単層のガラス障子を複層ガラスに代えたいという要求がでてくることがある。その逆の場合もある。
特に、屋外側の金属部と屋内側の合成樹脂部とを結合してなる複合框では、上記要請が多い。
このような要求に対応可能な技術として、嵌合溝の開口端から内側に複数の凸条を形成しておき、嵌合すべきガラスの厚みに応じて凸条を切断して開口端を大きくできるようにしたものが知られている。
実公昭59−3104号公報
しかしながら、上記技術は厚みの異なる単層ガラスには対応できるが、単層ガラスと複層ガラスとでは厚みが全く異なり、上記技術では対応できない。また、上記技術はアルミニウム又はその合金からなる金属製の框材を切断するというものであるから、簡単に加工することはできない、という問題があった。
本発明は上記問題点を解消し、特に屋外側の金属部と屋内側の合成樹脂部とを結合してなる複合框において、ガラス用の嵌合溝を容易に単層ガラスまたは複層ガラス用の嵌合溝にすることができるガラス障子の框構造を提供することをその課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、屋外側の金属部と屋内側の合成樹脂部とを結合してなる框材の端部に嵌合溝を形成し、この嵌合溝に、ガラスを嵌合させて取り付けたガラス障子の框構造において、上記嵌合溝の両側溝壁の先端間の溝幅を複層ガラスを嵌合可能な大きさとし、上記嵌合溝の先端の一側から他側に折り取り部を一体的に延出形成し、上記折り取り部によって形成された溝幅を単層ガラスを嵌合可能な大きさとするとともに、上記折り取り部の基部を折り取り可能に形成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、屋外側の金属部と屋内側の合成樹脂部とを結合してなる框材の端部に嵌合溝を形成し、この嵌合溝に、ガラスを嵌合させて取り付けたガラス障子の框構造において、上記嵌合溝の両側溝壁の溝幅を複層ガラスを嵌合可能な大きさとし、上記嵌合溝の内側に開口調整部材を着脱自在に装着し、この開口調整部材の内側に単層ガラスを嵌合可能な溝部を形成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2記載のガラス障子の框構造において、前記開口調整部材が、前記嵌合溝の一側の内側に配置され、この開口調整部材の内側と上記嵌合溝の他側との間に単層ガラスを嵌合可能な溝部が形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2記載のガラス障子の框構造において、前記開口調整部材には、前記嵌合溝の両側の内面に沿う溝壁が形成され、これらの溝壁の先端内側に単層ガラスを嵌合可能な溝部が形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、単層ガラスを嵌合可能な溝幅の嵌合溝の一側の開口端から他側に延出した折り取り部の基部を折り取ることにより、嵌合溝の溝幅は複層ガラスを嵌合可能な大きさに拡大するから、ガラス用の嵌合溝を容易に単層ガラスまたは複層ガラス用の嵌合溝にすることができる。
請求項2に係る発明によれば、嵌合溝の内側に開口調整部材を着脱自在に装着し、この開口調整部材の内側に単層ガラスを嵌合可能な溝部を形成したから、開口調整部材を着脱することによってガラス用の嵌合溝を容易に単層ガラスまたは複層ガラス用の嵌合溝にすることができる。
請求項3に係る発明によれば、開口調整部材をガラス嵌合溝の一側に着脱自在に配置すればよいので、構造が簡単である。
請求項4に係る発明によれば、開口調整部材が前記嵌合溝の両側の内面に沿う溝壁縁を有するので、着脱の前後で単層ガラスと複層ガラスとは全く新しい嵌合溝に嵌合されることになるので、変更後も永くガラスを良好に固定することができる。
図1(a)は本発明に係る框構造を有するガラス障子を簡略に示した縦断面図であり、同図(b)はその横断面図である。
同図において、符号1は上框、2は下框であり、3は縦框を示す。なお、同図(b)の縦框3は外障子4と内障子5の縦框を示している。
これらの框材1、2、3はそれぞれ屋外側の金属部(アルミニウムなど)aと屋内側の合成樹脂部(塩化ビニルなど)bとを結合してなるもので、框材の端部にはガラスの嵌合溝6が形成されている。嵌合溝6も、屋外側の溝壁8は金属部aによって、屋内側の溝壁8は合成樹脂部bによって構成されている。また、溝底9は金属部aと合成樹脂部bとの係止によって結合されている。両側の溝壁7、8の先端内側はわずかに突出して、ガラスpの縁部に取り付けられたグレージングチャンネルqが嵌合装着されるように形成されている。
ガラス用嵌合溝6の先端間の溝幅は、複層ガラスを嵌合可能な大きさになるように形成されている。また、嵌合溝6の屋内側の合成樹脂製溝壁7の先端から屋外側の溝壁8側に直角に合成樹脂製の折り取り部10が形成されている。この折り取り部10によって形成された溝幅は単層ガラス11を嵌合可能な大きさに形成されている。
上記折り取り部10は強度を上げるため中空に形成され、その基部は折り取り可能に形成されている。折り取り可能とするには、合成樹脂部bを押し出し成形する際に、側壁7と折り取り部10との間にV字溝12を形成しておけばよい。
上記構成において、図1(a)(b)の単層ガラス11用の嵌合溝6を複層ガラス用の嵌合溝6に変更するときは、上記嵌合溝6の折り取り部10を折り取って除去すればよい。これにより、図2(a)(b)に示されるように、嵌合溝6は複層ガラスを嵌合可能な溝幅になるから、複層ガラス13を嵌合装着することができる。上下框1、2には、溝底9にL字形の補強片14を固定し、合成樹脂によって形成された屋内側の溝壁7を補強するのが好ましい。
なお、屋外側の金属部aと屋内側の合成樹脂部bについては、強度や耐候性を要求される部分は金属により、断熱性を要求され、質感も柔らかく意匠性が要求される部分は合成樹脂により構成され、金属部aと合成樹脂部bとは、基本的には係止溝15とT字形、L字形等の係止縁16との係止によって結合される構成である。どの部分をどのような形状にしてどのように組み合わせて結合するかについては、いろいろな態様が考えられるのであり、ここでは個々についての詳細の説明は省略する。また、以下の実施形態において示される嵌合溝6は、その実施形態に限定されるものではない。また、実施形態は、上框について述べるが、下框および縦框3も同じ構成であるから、これらについても省略する。
ところで、嵌合溝6の屋内側の溝壁7の強度を確保するためには、中空にするほか、図3(a)に示されるように、嵌合溝6の屋内側の内面にコ字形の金属製補強材17を係止装着して折り取り部10の基部の強度を補強するようにしてもよい。
この場合も、複層ガラス13を嵌合装着するときは、溝内にL字形の補強片14を固定しておけばよい。
次に、図4(a)は金属部aに折り取り部10を形成した実施形態で、ガラス用嵌合溝6の先端間の溝幅は、複層ガラス13を嵌合可能な大きさになるように形成されている。嵌合溝6の屋外側の金属製溝壁8の先端から屋内側の溝壁7側に直角に金属製の折り取り部10が形成されている。この折り取り部10によって形成された溝幅は単層ガラス11を嵌合可能な大きさに形成されている。上記折り取り部10の基部は折り取りできるようにV字溝12が形成されている。
上記構成において、単層ガラス11用の嵌合溝6を複層ガラス13用の嵌合溝6に変更するときは、上記嵌合溝6の折り取り部10を折り取って除去すればよい。これにより、嵌合溝6は複層ガラス13を嵌合可能な溝幅になるから、同図(b)に示されるように、複層ガラス13を嵌合装着することができる。
次に、図5〜図8は、嵌合溝6の屋内側の内側に合成樹脂製の開口調整部材を着脱自在に装着した実施形態の例である。
図5(a)において、嵌合溝6の合成樹脂製の屋内側溝壁7は中空に形成され、溝壁7の内側には係止溝18が形成されている。この係止溝18に開口調整部材19の係止片20が係止している。開口調整部材19の内側と上記嵌合溝6の屋外側の溝壁8との間に単層ガラス11を嵌合可能な溝幅が形成されている。
上記構成によれば、単層ガラス11を嵌合装着するときは開口調整部材19を取り付ければよい。複層ガラス13を嵌合装着するときは、開口調整部材19を外して同図(b)のようにすればよい。
図6(a)は、金属製の開口調整部材19を、嵌合溝6の内面に即する形状に形成して嵌合溝6の内側に着脱される構成としたもので、元の嵌合溝6によって外側溝を、開口調整部材19によって内側溝を構成するようにしたものである。そして、開口調整部材19の屋内側と屋外側の溝壁7、8の先端内側には単層ガラス11を嵌合可能な溝幅が形成されている。
上記構成によれば、単層ガラス11を嵌合装着するときは開口調整部材19を嵌合溝6内に嵌め込んで装着すればよい。複層ガラス13を嵌合装着するときは、開口調整部材19を外して同図(b)のようにすればよい。
なお、この場合、開口調整部材19は、単に嵌合溝6内に嵌め込んで装着するだけでなく、図7(a)(b)に示されるように、嵌合溝6の溝底9を構成する金属部aに取付金具22をネジ止め固定し、この取付金具22の係止部23に開口調整部材19の係止部24を係止させることにより装着してもよい。
上記構成によれば、単層ガラス11を嵌合装着するときは開口調整部材19を取り付ければよい。複層ガラス13を嵌合装着するときは、開口調整部材19を外して同図(b)のようにすればよい。この場合、上下框には、溝底にL字形の補強片14を固定するのが好ましい。
図8(a)は、合成樹脂製の開口調整部材19を、嵌合溝6の内面に即する形状に形成して嵌合溝6の内側に着脱される構成としたもので、元の嵌合溝6によって外側溝を、開口調整部材19によって内側溝を構成するようにしたものである。そして、開口調整部材19の屋内側と屋外側の溝壁7、8の先端内側には単層ガラス11を嵌合可能な溝幅が形成されている。開口調整部材19には補強用中空部25が形成されている。
上記構成によれば、単層ガラス11を嵌合装着するときは開口調整部材19を取り付ければよい。複層ガラス13を嵌合装着するときは、開口調整部材19を外して同図(b)のようにすればよい。
(a)(b)は本発明に係る框構造を有するガラス障子を簡略に示した縦断面図および横断面図である。 (a)(b)は複層ガラスにした場合の断面図および横断面図である。 (a)(b)は別の上框構造における単層ガラスの装着例と複層ガラスの装着例を示す断面図である。 (a)(b)は他の上框構造における単層ガラスの装着例と複層ガラスの装着例を示す断面図である。 (a)(b)はさらに他の上框構造における単層ガラスの装着例と複層ガラスの装着例を示す断面図である。 (a)(b)はさらに別の上框構造における単層ガラスの装着例と複層ガラスの装着例を示す断面図である。 (a)(b)はさらに別の上框構造における単層ガラスの装着例と複層ガラスの装着例を示す断面図である。 (a)(b)はさらに他の上框構造における単層ガラスの装着例と複層ガラスの装着例を示す断面図である。
符号の説明
a 金属部
b 合成樹脂部
6 嵌合溝
10 折り取り部
11 単層ガラス
13 複層ガラス
19 開口調整部材

Claims (4)

  1. 屋外側の金属部と屋内側の合成樹脂部とを結合してなる框材の端部に嵌合溝を形成し、この嵌合溝に、ガラスを嵌合させて取り付けたガラス障子の框構造において、
    上記嵌合溝の両側溝壁の先端間の溝幅を複層ガラスを嵌合可能な大きさとし、上記嵌合溝の先端の一側から他側に折り取り部を一体的に延出形成し、上記折り取り部によって形成された溝幅を単層ガラスを嵌合可能な大きさとするとともに、上記折り取り部の基部を折り取り可能に形成した
    ことを特徴とするガラス障子の框構造。
  2. 屋外側の金属部と屋内側の合成樹脂部とを結合してなる框材の端部に嵌合溝を形成し、この嵌合溝に、ガラスを嵌合させて取り付けたガラス障子の框構造において、
    上記嵌合溝の両側溝壁の溝幅を複層ガラスを嵌合可能な大きさとし、上記嵌合溝の内側に開口調整部材を着脱自在に装着し、この開口調整部材の内側に単層ガラスを嵌合可能な溝部を形成したことを特徴とするガラス障子の框構造。
  3. 前記開口調整部材が、前記嵌合溝の一側の内側に配置され、この開口調整部材の内側と上記嵌合溝の他側との間に単層ガラスを嵌合可能な溝部が形成されている、請求項2記載のガラス障子の框構造。
  4. 前記開口調整部材には、前記嵌合溝の両側の内面に沿う溝壁が形成され、これらの溝壁の先端内側に単層ガラスを嵌合可能な溝部が形成されている、請求項2記載のガラス障子の框構造。
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