JP2006123609A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Yutaro Onabe
悠太郎 尾鍋
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Abstract

【課題】 本発明は、雪上における操縦安定性及び乾燥路面における操縦性を両立させることのできる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 空気入りタイヤは、トレッドの周方向溝と幅方向溝とが交差することによって形成される複数のブロックと、ブロックに、周方向に延びる細溝とを備え、細溝は、トレッドのタイヤ幅方向における両端部に形成された両端部ブロック列においては、周方向に断続的に形成されており、両端部ブロック列より中央に形成された中央部ブロック列においては、周方向に継続的に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、トレッドの周方向溝と幅方向溝とが交差することによって形成される複数のブロックを備える空気入りタイヤに関する。
従来、トレッドパターンに形成されたブロックに、分断されずに周方向に延びる複数の細溝を有する空気入りタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。このように、ブロックに細溝が形成されていることにより、排水性を向上させることができるため、雪上における操縦安定性を向上させることができる。
特開平11−115419号公報
しかしながら、上記のような空気入りタイヤをオールシーズンに用いる場合には、雪上路面における操縦安定性のみではなく、乾燥路面における操縦性にも対応する必要があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、雪上における操縦安定性及び乾燥路面における操縦性を両立させることのできる空気入りタイヤを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、トレッドの周方向溝と幅方向溝とが交差することによって形成される複数のブロックと、ブロックに、周方向に延びる細溝とを備え、細溝は、トレッドのタイヤ幅方向における両端部に形成された両端部ブロック列においては、周方向に断続的に形成されており、両端部ブロック列より中央に形成された中央部ブロック列においては、周方向に継続的に形成されていることを特徴とする空気入りタイヤであることを要旨とする。
本発明の特徴に係る空気入りタイヤによると、ブロックに周方向に伸びる細溝が形成されているため、エッジ圧を向上させ、雪上における操縦安定性を向上させることができる。また、両端部ブロック列においては、細溝が周方向に断続的に形成されているため、ブロックの剛性を保ち、乾燥路面における操縦性を図ることができる。
また、本発明の特徴に係る細溝は、幅が1.5〜2.5mmであり、深さが2.5〜3.5mmであることが好ましい。細溝の幅が、1.5〜2.5mmであるため、高いエッジ圧を確保することができ、雪上における操縦安定性の向上を図ることができる。ここで、細溝の幅が、1.5mmより狭いと、十分なエッジ圧を確保することが困難であり、2.5mmを超えると、十分なブロック剛性を確保することが困難である。細溝の幅は、1.7〜2.3mmがより好ましい。また、細溝の深さが、2.5〜3.5mm、すなわち、一般的な周方向溝又は幅方向溝よりも浅いため、エッジ圧及びブロック剛性の確保が可能となり、雪上における操縦安定性と乾燥路面における操縦性との両立を図ることができる。ここで、細溝の深さが2.5mmより浅いと、十分なエッジ圧を確保することが困難であり、3.5mmを超えると、十分なブロック剛性を確保することが困難である。細溝の深さは、2.7〜3.3mmがより好ましい。
また、本発明の特徴に係る両端部ブロック列に形成された細溝の周方向総長さは、空気入りタイヤの周方向長さの30%以上であることが好ましい。また、両端部ブロック列に形成された細溝の周方向総長さが、空気入りタイヤの周方向長さの30%以上であるため、雪上における操縦安定性と乾燥路面における操縦性との両立の最適化を図ることができる。また、両端部ブロック列に形成された細溝の周方向長さが、空気入りタイヤの周方向長さの30%より短いと、雪上における操縦安定性の確保が不十分である。
本発明のよれば、雪上における操縦安定性及び乾燥路面における操縦性を両立させることのできる空気入りタイヤを提供することができる。
以下において、本実施形態に係る空気入りタイヤに形成されたトレッド部1について説明する。
図1は、本実施形態におけるトレッド部1の表面を示す図である。
トレッド部1は、空気入りタイヤの路面と接する面に形成されており、カーカスを保護するとともに、摩耗や外傷を防ぐための部分である。トレッド部1は、周方向溝2と、幅方向溝3と、ブロック4と、細溝5とによって構成されている。
周方向溝2は、タイヤ周方向(矢印S方向)に延びる溝である。なお、同図においては、周方向溝2が4本形成されているが、これに限定するものではなく、少なくとも2本形成されていればよい。
幅方向溝3は、タイヤ幅方向(矢印W方向)に延びる溝である。
ブロック4は、周方向溝2と幅方向溝3とが交差することによって区画されるブロックである。ブロック4は、タイヤ幅方向における両端部に形成された両端部ブロック列4aと、該両端部ブロック列4aより中央に形成された中央部ブロック列4bとから構成されている。
細溝5は、ブロック4において、周方向に延びる細い溝である。この細溝5の幅は、1.5〜2.5mmであり、深さは、2.5〜3.5mmである。この細溝5は、両端部細溝5aと、中央部細溝5bとから構成されている。
両端部細溝5aは、両端部ブロック列4aにおいて、周方向に断続的に形成されている。また、この両端部細溝5aの周方向総長さは、空気入りタイヤの周方向長さの30%以上である。
中央部細溝5bは、中央部ブロック列4bにおいて、周方向に継続的に形成されている。
(本実施形態に係る空気入りタイヤの作用・効果)
本実施形態に係る空気入りタイヤによると、ブロックに周方向に伸びる細溝が形成されているため、エッジ圧を向上させ、雪上における操縦安定性を向上させることができる。また、両端部ブロック列においては、細溝が周方向に断続的に形成されているため、ブロックの剛性を保ち、乾燥路面における操縦性を図ることができる。
また、細溝の幅が、1.5〜2.5mmであるため、高いエッジ圧を確保することができ、雪上における操縦安定性の向上を図ることができる。ここで、細溝の幅が、1.5mmより狭いと、十分なエッジ圧を確保することが困難であり、2.5mmを超えると、十分なブロック剛性を確保することが困難である。細溝の幅は、1.7〜2.3mmがより好ましい。また、細溝の深さが、2.5〜3.5mm、すなわち、一般的な周方向溝又は幅方向溝よりも浅いため、エッジ圧及びブロック剛性の確保が可能となり、雪上における操縦安定性と乾燥路面における操縦性との両立を図ることができる。ここで、細溝の深さが2.5mmより浅いと、十分なエッジ圧を確保することが困難であり、3.5mmを超えると、十分なブロック剛性を確保することが困難である。細溝の深さは、2.7〜3.3mmがより好ましい。
また、両端部ブロック列に形成された細溝の周方向総長さが、空気入りタイヤの周方向長さの30%以上であるため、雪上における操縦安定性と乾燥路面における操縦性との両立の最適化を図ることができる。また、両端部ブロック列に形成された細溝の周方向総長さが、空気入りタイヤの周方向長さの30%より短いと、雪上における操縦安定性の確保が不十分である。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの実施例について、以下詳細に説明する。
表1に示すように、比較例1、比較例2、比較例3及び実施例1のタイヤを製造し、下記に示す条件の下で試験を行い、雪上における操縦安定性と乾燥路面における操縦性とについて調べた。
また、空気入りタイヤのサイズは、255/55R18であった。
<雪上における操縦安定性>
プロのテストドライバーによるフィーリングに基づいて、雪上路面における操縦安定性を、比較例1を100として指数表示した。なお、この数値は、高いほど雪上における操縦安定性に優れることを示す。
<乾燥路面における操縦性>
プロのテストドライバーによるフィーリングに基づいて、乾燥路面における操縦性を、指数表示した。なお、この数値は、高いほど乾燥路面における操縦性に優れることを示す。
Figure 2006123609
表1の結果より、実施例1は、比較例1及び比較例2と比べ、雪上における操縦安定性が向上していることが分かった。また、実施例1は、比較例1乃至比較例3と比べ、乾燥路面における操縦性も向上していることが分かった。よって、空気入りタイヤは、周方向に延びる細溝が、中央部ブロック列においては継続的に形成され、両端部ブロック列においては断続的に形成されており、該細溝の幅が1.5〜2.5mm以内、深さが2.5〜3.5mm以内であり、かつ、両端部ブロック列の細溝の周方向総長さが、空気入りタイヤの周方向長さの30%以上であることにより、雪上における操縦安定性と乾燥路面における操縦性とが高い数値で両立することが分かった。
本発明の実施形態に係るトレッド部1の表面を示す図である。
符号の説明
1…トレッド部
2…周方向溝
3…幅方向溝
4…ブロック
4a…両端部ブロック列
4b…中央部ブロック列
5…細溝
5a…両端部細溝
5b…中央部細溝

Claims (3)

  1. トレッドの周方向溝と幅方向溝とが交差することによって形成される複数のブロックと、
    前記ブロックに、周方向に延びる細溝とを備え、
    前記細溝は、前記トレッドのタイヤ幅方向における両端部に形成された両端部ブロック列においては、周方向に断続的に形成されており、前記両端部ブロック列より中央に形成された中央部ブロック列においては、周方向に継続的に形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記細溝は、幅が1.5〜2.5mmであり、深さが2.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記両端部ブロック列に形成された前記細溝の周方向総長さは、前記空気入りタイヤの周方向長さの30%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
JP2004311383A 2004-10-26 2004-10-26 空気入りタイヤ Withdrawn JP2006123609A (ja)

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