JP2006119292A - レジストパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板上の液膜を介して露光する液浸露光において、レジストパターンに欠陥が発生することを抑制する。
【解決手段】 レジスト膜上にレジスト膜より親水性の保護膜を形成する(ST105)。更にこの表面をヘキサメチルジシラザンの雰囲気で80度で加熱しつつ疎水化する(ST106)。レジスト膜が形成された基板を、パターンが形成されたレチクルおよび投影光学系を具備する露光装置に搬送する(ST107)。前記レジスト膜中の潜像を形成するために、液浸露光を行う(ST108)。露光後に基板を露光装置から搬出し、保護膜表面を10ppm程度のオゾン水に30秒ほど表面を晒して保護膜表面をエッチングして膜厚を減らしつつ親水化する(ST110)。前記潜像が形成されたレジスト膜を加熱する(ST112)。保護膜を剥離した後に前記レジスト膜を現像する(ST114)。
【選択図】図1

Description

本発明は基板上に形成されたレジスト膜に対して液体を介して露光を行い潜像を形成し、選択的な現像を行うことでレジストパターンを形成するレジストパターン形成方法に関する
液浸露光装置は被処理基板上に形成したレジスト膜に対する露光を行う際に、レジスト膜表面と露光装置のレンズの間を液で満たして露光を行う手法である(特許文献1)。特許文献1では水を供給可能なステージの中で、被処理基板全体を水没させ、このステージを露光装置に対して相対的に移動させながら露光を行う装置について開示されている。このような形態の装置ではステージ全体に液が供給されているためステージを高速で移動させた際にステージから液が溢れるなどの問題があり高速駆動できないという問題があった。
ステージ移動による液の乱れの対策については、露光を行う部分に対して局所的に液体を供給しながらステージを駆動する手法が開示されている(非特許文献1)。この方式によりステージの高速移動が可能になった。このような局所的に液体を供給する手法を用いた場合にレンズが去った部分の露光領域などに水が取り残され、この状態でレジスト膜の露光後加熱を行った際に水しみが発生したり、水が存在した部分で温度低下が生じてレジストパターン異常が生じたりするなどの問題があった。一方、液浸露光においてはレジスト膜中から液にレジスト中の成分が溶出することが開示されている(非特許文献2)。非特許文献2によれば、このような溶出はレジスト膜表面に保護膜を設けることで回避できるとしており、保護膜の表面状態としては水に対する接触角が90°以上が好ましいとしているが、保護膜の水に対する接触角は68°から118°とArFレジストに対して若干浸水性の膜から疎水性の膜まで用いられている。
特開平10−303114号公報 Soichi Owa and Hiroyuki Nagasaka, Immersion lithography; its potential performance and issues, Proc. of SPIE Vol.5040, pp.724-733 Keita Ishizuka et al., New Cover material Development Status for Immersion lithography, Web publication of International symposium on immersion and 157nm lithography
本発明の目的は、液浸露光において、レジストパターンに水しみ欠陥が発生することを抑制し得るレジストパターン形成方法を提供することにある。
本発明の一例に係わるレジストパターン形成方法は、基板上にレジスト膜を形成する工程であって、前記レジスト膜と液浸溶液との接触角は第1の角度である工程と、前記レジスト膜上に保護膜を形成する工程であって、前記保護膜の表面と前記液浸溶液との接触角は第1の角度より小さい第2の角度である工程と、前記保護膜の表面を改質することによって高接触角層を形成する工程であって、前記高接触角層と前記液浸溶液との接触角は前記第2の角度より大きい第3の角度である工程と、前記高接触角層の形成後、前記液浸溶液を用いた液浸型の露光により、前記レジスト膜中に潜像を形成する工程と、前記潜像形成後、前記レジスト膜を加熱する工程と、前記潜像形成後、前記高接触角層を除去する工程と、前記高接触角層の除去後、前記保護膜を除去する工程と、前記加熱後、且つ前記保護膜の除去後、レジストパターンを形成するために前記レジスト膜を現像する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の一例に係わるレジストパターン形成方法は、基板上にレジスト膜を形成する工程であって、前記レジスト膜と液浸溶液との接触角は第1の角度である工程と、前記レジスト膜上に保護膜を形成する工程であって、前記保護膜の表面と前記液浸溶液との接触角は第1の角度より大きい第2の角度である工程と、前記液浸溶液を用いた液浸型の露光により、前記レジスト膜中に潜像を形成する工程と、前記潜像の形成後、前記保護膜の表面を改質することによって低接触角層を形成する工程であって、前記低接触角層と前記液浸溶液との接触角は前記第2の角度より小さい第3の角度である工程と、前記低接触角層の形成後、前記保護膜中に吸収された前記液浸溶液を除去する工程と、前記液浸溶液の除去後、前記レジスト膜を加熱する工程と、前記液浸溶液の除去後、前記保護膜を除去する工程と、前記加熱後、且つ前記保護膜の除去後、レジストパターンを形成するために、前記レジスト膜を現像する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の一例に係わるレジストパターン形成方法は、基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜上に保護膜を形成する工程であって、前記保護膜の表面と液浸溶液との接触角は第1の角度である工程と、前記液浸溶液を用いた液浸型の露光を行い、前記レジスト膜中に潜像を形成する工程と、前記潜像の形成後、前記保護膜の表面をエッチングして新たな表面を露出させつつ、新たに露出する前記保護膜の表面を改質することによって低接触角層を形成する工程であって、前記低接触角層の表面と前記液浸溶液との接触角を第1の角度より小さくする工程と、前記改質後、前記保護膜に吸着または吸収された液浸溶液を除去する工程と、前記液浸溶液の除去後、前記レジスト膜を加熱処理する工程と、前記加熱処理されたレジスト膜からレジストパターンを形成するために、前記レジスト膜を現像する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、液に触れる前の保護膜の表面と液浸溶液との接触角をレジスト膜と液浸溶液との接触角より大きくして、液浸溶液がレジスト膜中に入りにくくし、露光後においてはレジスト膜中に微少量吸収された液がレジスト膜外に放出されやすく、露光後の乾燥またはベークにおいて水しみができにくくすることができる。
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態に係わる半導体装置の製造工程を図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程の手順を示すフローチャートである。図2は、本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図示されない半導体ウェハ上に反射防止膜用塗布材料を滴下しスピンコート法により回転して広げた後で加熱処理を行い、約50nmの厚さの反射防止膜を形成する(ステップST101)。反射防止膜上に酸発生材を含むArF化学増幅型レジスト膜を膜厚約200nmで形成する(ステップST102)。化学増幅型レジストは以下の手順で形成される。スピンコート法により反射防止膜上に化学増幅型レジスト用塗布材料を広げる。そして、加熱処理を行って、塗布材料に含まれる溶剤を除去する。
ここで用いたArF化学増幅型レジスト膜に対して別途行った表面分析では、膜表面に酸発生材や酸トラップ材(アミンなど)が分布していることが判っていた。そこで、レジスト膜表面の酸発生材や酸トラップ材を除去するために、レジスト膜上に純水を供給して洗浄処理を行う(ステップST103)。洗浄液には(超)純水、水素水、炭酸水などを用いることが望ましく、膜表面に吸着している物質の物性に応じて上述の洗浄液を使い分けると良い。膜表面と水素結合をしている吸着物質に対しては水素水が効果を発揮した。また、吸着物質が電荷を帯びている場合には炭酸水が効果を発揮した。この洗浄により、レジスト膜表面の酸発生材と酸トラップ材が除去される。
洗浄工程の後のレジスト膜表面の乾燥は、スピン乾燥、または図3に示すように基板直径と同長以上のエアー吐出し口を持つエアーナイフを用いて行う(ステップST104)。具体的にはエアーナイフ21から基板10の主面に酸、アルカリをフィルタリングしたガス22を吹き付ける。エアーナイフ21が基板上にエアーを吹き付ける領域は、基板10表面の一部である。基板10全面にエアーを吹き付けるために、エアーナイフ21が基板10表面上を基板10の周方向の一端から他端に向けて走査する。この時、基板10を回転させてもよいし、静止させた状態でも良い。なお、ArF化学増幅型レジスト膜の表面に酸発生材や酸トラップ材(アミンなど)が存在しない場合にはステップST103,ST104は省略しても良い。
更に、図2(a)に示すように、このArF化学増幅型レジスト膜31上(超純水との接触角が75°)に保護膜32をスピン塗布法で膜厚20nm程度で形成する(ステップST105)。なお、保護膜はレジスト膜、反射防止膜など基板上の成膜物質が後の露光時に液浸溶液に触れないように被覆すると良い。保護膜32表面に水溶性物質が存在する場合には、ステップST103及びステップST104と同様に、洗浄処理及び乾燥処理を行うことが好ましい。但し、洗浄処理に用いる洗浄液は保護膜32に存在する物質に応じて選択することが好ましい。
保護膜32と液浸溶液である超純水との接触角は70°程度である。液浸露光の前に、図2(b)に示すように、保護膜32の表面に超純水との接触角が75゜より大きい疎水層(高接触角層)33を形成する(ステップST106)。疎水層33は、基板を80℃程度に保ちながら保護膜32表面にヘキサメチルジシラザン雰囲気にさらして保護膜32の表面を改質することによって形成される。疎水層33と超純水との接触角が80°以上となるように改質することが好ましい。なお、疎水層33を形成するために、保護膜32表面を有機シラザン化合物またはフッ素化合物の液体もしくは雰囲気に暴露させて、保護膜32の表面を改質させてもよい。
また親水性の保護膜32表面に疎水性の疎水層33を形成したのは、超純水が保護膜32に浸入するのを防ぐことを目的としている。また、露光の際に超純水の滴が保護膜表面に残留しにくくすることも目的としている。
なお、たとえ保護膜32の内部に水分が浸入したとしても、疎水層33の下層の膜はレジスト膜31と超純水との接触角より小さい接触角を有する保護膜32であるので、後の液浸露光の際に保護膜32から浸入した水分を親水性の高い保護膜32に捕獲しやすい。浸入保護膜の超純水に対する接触角が80°以上である場合にはステップST106は省略しても良い。
次いで基板をスキャン露光装置に搬送する(ステップST107)。スキャン露光装置を用いてレチクルに形成された半導体素子パターンをレジスト膜に転写し、潜像を形成する(ステップST108)。
本実施形態で用いる露光装置は液浸型である。図4に露光装置の概略を示す。図4は、本発明の第1の実施形態に係わる露光装置の概略構成を示す図である。図示されない照明光学系の下方にレチクルステージ41が配置されている。レチクルステージ41上にレチクル42が設置されている。レチクルステージ41は平行移動可能である。レチクルステージ41の下方に投影レンズ系43が配置されている。投影レンズ系43の下方にウェハステージ44が配置されている。ウェハステージ44上に前述した処理が行われた半導体基板10が設置されている。ウェハステージ44は、半導体基板10と共に平行移動する。半導体基板10の周囲にはサポート板47が設けられている。
投影レンズ系43の下方には、フェンス45が取り付けられている。投影レンズ系43の横にフェンス45内への超純水(液浸溶液)の供給及びフェンス45内からの超純水の排出を行う一対の水供給・排出器46が設けられている。露光時、フェンス45と投影レンズ系43で囲まれた領域の基板10と投影レンズ系43との空間は超純水の液膜で満たされる。投影レンズ系43から射出する露光光は超純水の層を通過して照射領域に到達する。照射領域にあたる基板表面のフォトレジストにレチクル42上のマスクパターン(図示せず)の像が投影され、潜像が形成される。
図5は、各露光フィールドを順次走査露光する際の露光順序の一例を表す平面図である。図5における上向きの矢印・下向きの矢印はそれぞれ、露光スリット領域が移動する方向を示している。図5に示すように、一つの露光フィールドをスキャン露光し、隣の露光フィールドをスキャン露光するときには走査の向きが逆になっている。このような動作を
繰り返しながら基板全面の露光を行う。
露光の後、基板をスキャン露光装置から搬出する(ステップST109)。
ところで、スキャン露光の間、水供給・排出器46はフェンス45で囲まれた領域の外に超純水が残らないように超純水の回収を行う。ところが、基板上の保護膜が超純水をはじきやすい(保護膜の超純水に対する接触角が高い)場合、ステージの移動速度が速い場合、ステージの加減速度が大きい場合、比較的大きい露光領域を有する場合などでは、図6に示すように、基板10の保護膜32上に残留水71が生じてしまう。保護膜32上に残留水71があると、超純水が保護膜32の表面に吸着したり、超純水が保護膜32中に浸入して保護膜32中に吸収されたりする。この超純水が保護膜32に吸着または吸収された状態で、次の加熱(Post exposure bake)を行うと、超純水が吸着または吸収された部分では熱が吸収されて他の部分と比べてレジスト膜31へ供給される熱量が少なくなり、レジスト膜31中での加熱による反応を十分に生じさせることができず線幅異常が生じる。レジストがポジレジストである場合には未開口の欠陥が発生してしまう。ネガレジストである場合にはオープン不良の欠陥が発生するという問題が生じる。
これらの問題を解消するため、露光装置から搬出された基板に対して、保護膜32上に残った残留水71及び保護膜32に吸収された超純水を除去する必要がある。保護膜32の表面に疎水性の疎水層33があるので、保護膜32中に浸入した水分を膜外に除去しにくい。これら水分除去が不十分な場合には水分除去工程で水しみを作りやすく、水しみが生じた部分では寸法変動が生じる。
そこで、疎水層33を除去すると共に、保護膜32表面に対して親水化処理を行う(ステップST110)。ここでの処理は、保護膜32上にオゾンの濃度が20ppm程度のオゾン水に30秒程度供給することによって行われる。オゾン水によって疎水層33が除去される。保護膜32の表面が露出すると、保護膜32の表面からエッチングされつつ、エッチング面が親水化して親水層(低接触角層)34が形成される(図2(c))。
この処理後の保護膜32の厚さは5nmであり、親水層34の表面と超純水との接触角が5°以下になった。本実施形態では、親水層34と超純水との接触角(5゜)は、レジスト膜31と超純水との接触角(75゜)より小さくなっている。しかし、親水層34と超純水との接触角(5゜)は、保護膜32と超純水との接触角(70゜)より小さくなっていればよい。
保護膜32表面のエッチングを行ったのは露光中に保護膜上に超純水が残留・乾燥して生じた保護膜上の水しみを除去することを目的としている。また、後の保護膜32剥離工程で剥離時間を短縮することも目的としている。この工程で保護膜32を完全にエッチング除去しても良い。その場合はエッチングの後半でオゾン水中のオゾン濃度を数ppmまで下げてレジスト膜31にダメージを与えなくするのが好ましい。
なお、保護膜32の超純水のトラップ能力が不十分で、液浸露光時に超純水がレジスト膜に浸入していれば、保護膜上及び保護膜中の超純水の除去と共にレジスト膜31に浸入した超純水の除去を行う。しかし、保護膜32の超純水のトラップ能力が十分で、レジスト膜31に超純水が浸入していなければ、レジスト膜31からの超純水の除去が行われない。
本実施形態では、オゾン水のしみを作らず乾燥させるために以下の処理を行う。基板上の略全面に液膜(第1の液膜)を形成する。洗浄処理後の乾燥と同様、回転乾燥または基板直径と同長以上のエアー吐出し口を持つエアーナイフを用いて、第1の液膜を除去する(ステップST111)。この処理で膜表面の水(残留水+第1の液膜)が完全に除去される。第1の液膜の形成に用いる薬液としては超純水が好ましいが、超純水以外でも液浸溶液である超純水との親和性がよく且つレジスト膜にダメージを与えることがなく、液浸溶液(この実施形態の場合は純水:気化熱=583cal/g at 100℃)より気化熱が小さい薬液、例えばアルコール類やエーテル類などの薬液を用いたり、これら薬液を液滴と同じ(液浸溶液と同じ)成分の溶媒に溶かして用いたりしても良い。用いる薬液が速乾性であればなお良い。
上述の処理を行った基板をベーカーに搬送して被処理基板の加熱(PEB)を行う(ステップST112)。この加熱により露光段階で発生した酸の拡散、増幅反応を行う。
次いでレジスト膜表面に保護膜32がある場合には保護膜の除去を行う。保護膜が後の現像液に可溶である場合には現像時に保護膜を除去しても良い(ステップST113)。
更に前述の被処理基板を現像ユニットに搬送し現像を行って、ArFレジストパターンが形成される(ステップST114)。
ところで、少なくとも露光ユニットから露光後の水処理ユニットを経てベーカーユニットに至るまでの工程は雰囲気制御を行う必要がある。レジストパターン形成に影響を与えない程度に酸の失活を抑えるには塩基性物質の濃度を10ppb以下にする必要があることが判った。また、搬送時間を含む処理時間についても±10%の範囲で管理することが望ましいという実験結果を得た。
本実施形態によれば、液浸露光前にレジストより親水性の保護膜表面を疎水化して液浸露光を行うことで、液浸露光時のレジスト膜への超純水の浸入を抑えることができる。更に液浸露光後に保護膜表面を親水化して超純水の除去を行うことによって、水しみを生じることなく保護膜表面の残留水を除去することができる。その結果、パターン形成不良の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態で露光の際にレンズと被処理基板間に介在させた液浸溶液は脱気させた超純水を用いていたがこれに限るものではない。屈折率を大きくするためにI族、II族などのアルカリイオンを添加したり、吸収係数を小さくするために酸イオンを添加した液体を用いても良い。露光光に対して吸収係数が小さく、特定の屈折率に併せた露光装置を用いる場合、特定の屈折率を有する液体であって、レンズ系などにダメージを与えないものであればいかなるものを用いても良い。
本発明はArF(193nm)光を用いた露光に関するが、KrF(248nm)光を用いた露光に関しても同様の処理を行うことで精度良くパターニングを行うことができる。またF露光(157nm)露光では第一の溶媒にフッ素系オイルを用いることで精度良くパターニングを行うことができることを確認した。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
(第2の実施形態)
本実施形態に係わる半導体装置の製造工程を図7を参照して説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係わる半導体装置の製造工程の手順を示すフローチャートである。
ステップST201〜ステップST209までは、第1の実施形態で説明したステップST101〜ステップST109と同様なので、説明を省略し、ステップST210から説明する。
保護膜上の疎水層を除去すると共に、保護膜表面に対して親水化処理を行う(ステップST210)。ここでは、溶液中のオゾン濃度が10ppm程度のオゾン水を用いて疎水層の除去及び保護膜表面の親水化処理を行う。なお、保護膜自体は元々親水性が高いので、保護膜親水化処理を行わず、疎水層の除去だけを行ってもよい。
次いで、保護膜中に浸入した超純水を除去する(ステップST211)。ここでは、例えば、液浸溶液に用いた超純水が沸騰しない温度、例えば90℃で基板を加熱することによって行う。なお、吸引器を保護膜32の上部にかざして、保護膜32及びレジスト膜31に浸入した水分を吸引させてもよい。また、加熱と吸引とを組み合わせてもよい。また、減圧乾燥して水分の除去を行ってもよい。加熱、吸引、減圧乾燥を組み合わせてもよい。
なお、保護膜32の超純水のトラップ能力が不十分で、液浸露光時に超純水がレジスト膜に浸入していれば、保護膜上及び保護膜中の超純水の除去と共にレジスト膜31からの超純水の除去を行う。しかし、保護膜32の超純水のトラップ能力が十分で、レジスト膜31に超純水が浸入していなければ、レジスト膜31からの超純水の除去が行われない。
また、保護膜上の疎水層上に残留水が残らなければ、保護膜中に超純水が浸入することがない。よって、保護膜中に浸入した超純水を除去する処理を行わなくても良い。
以降の、ステップST212〜ステップST214の処理は、第1の実施形態で説明したステップST113〜ステップST115の処理と同様なので説明を省略する。
(第3の実施形態)
本実施形態に係わる半導体装置の製造工程を図8及び図9を参照して説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程の手順を示すフローチャートである。図9は、本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図である。
ステップST301〜ステップST304までは、第1の実施形態で説明したステップST101〜ステップST104と同様なので、説明を省略し、ステップST305から説明する。
図9(a)に示すように、レジスト膜31上に保護膜42を形成する(ステップST305)。保護膜42と液浸溶液として用いられる超純水との接触角が、レジスト膜31と超純水との接触角より大きいものを形成する。保護膜42表面と超純水との接触角が大きいので、後の液浸露光時に超純水が保護膜42中に浸入しにくい。なお、液浸露光を行う前に、保護膜42の表面を改質して、保護膜表面と超純水との接触角より大きい疎水層を形成してもよい。
次からのステップST306〜ステップST308の処理は第1の実施形態と同様なので説明を省略し、ステップST309の処理を説明する。第1の実施形態のステップST110と同様に、保護膜42の表面をエッチングしつつ、エッチング面を親水化処理して親水層43を形成する。この処理で、液浸露光で保護膜表面に吸着または保護膜中に浸入した超純水が除去される。この親水化処理では、親水層43と超純水との接触角が保護膜42と超純水との接触角より小さくなるようにする。
なお、保護膜の表面を親水化処理した後、第2の実施形態と同様に、加熱、吸引、減圧乾燥の何れかまたは組み合わせることによって保護膜中に浸入した超純水を除去してもよい。
なお、液浸露光時に超純水が保護膜中に浸入しなければ、レジスト膜にも超純水が浸入しない。よって、保護膜表面に吸着した超純水の除去のみが行われる。しかし、保護膜中に超純水が浸入すると、レジスト膜中にも超純水が浸入すること場合がある。この場合は、保護膜上及び保護膜中の超純水の除去と共にレジスト膜からの超純水の除去を行う。レジスト膜から超純水を除去するには、親水化処理後の保護膜の表面と超純水との接触角が、レジスト膜と超純水との接触角より小さくすることが好ましい。接触角を小さくすることで、レジスト膜中の超純水を除去することが容易になる。
ステップST309以降のステップST310〜ステップST313の処理は、第1の実施形態で説明したステップST111〜ステップST114の処理と同様なので説明を省略する。
なお、上記各実施形態では、半導体装置の製造工程の一部にレジストパターンを形成する方法について説明した。上記各実施形態で説明されたレジストパターンを形成する方法を半導体装置の製造工程以外、例えば液晶ディスプレイの製造に適用することもできる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程の手順を示すフローチャート。 第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。 第1の実施形態に係わる洗浄液の除去処理を行っている状態示す図。 本発明の一実施形態に係わる露光装置の概略構成を示す図。 本発明の一実施形態に係わる各露光フィールドを順次走査露光する際の露光順序を示す平面図。 本発明の一実施形態に係わるスキャン露光後に基板上に残存する液滴を示す平面図。 第2の実施形態に係わる半導体装置の製造工程の手順を示すフローチャート。 第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程の手順を示すフローチャート。 第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
符号の説明
31…レジスト膜,32…保護膜,33…疎水層,34…親水層

Claims (10)

  1. 基板上にレジスト膜を形成する工程であって、前記レジスト膜と液浸溶液との接触角は第1の角度である工程と、
    前記レジスト膜上に保護膜を形成する工程であって、前記保護膜の表面と前記液浸溶液との接触角は第1の角度より小さい第2の角度である工程と、
    前記保護膜の表面を改質することによって高接触角層を形成する工程であって、前記高接触角層と前記液浸溶液との接触角は前記第2の角度より大きい第3の角度である工程と、
    前記高接触角層の形成後、前記液浸溶液を用いた液浸型の露光により、前記レジスト膜中に潜像を形成する工程と、
    前記潜像形成後、前記レジスト膜を加熱する工程と、
    前記潜像形成後、前記高接触角層を除去する工程と、
    前記高接触角層の除去後、前記保護膜を除去する工程と、
    前記加熱後、且つ前記保護膜の除去後、レジストパターンを形成するために前記レジスト膜を現像する工程と
    を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
  2. 前記保護膜の表面を有機シラザン化合物もしくはフッ素化合物の液体または雰囲気に暴露させて前記高接触角層を形成することを特徴とする請求項1記載のレジストパターン形成方法。
  3. 前記有機シラザン化合物が、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザンまたはトリメチルジシラザンであることを特徴とする請求項2記載のレジストパターン形成方法。
  4. 前記高接触角層の除去は前記加熱の前に行われ、
    前記高接触角層の除去後、且つ前記加熱の前に、前記保護膜の表面を改質することによって低接触角層を形成する工程であって、前記低接触角層と前記液浸溶液との接触角は第2の角度より小さい第4の角度である工程と、
    前記低接触角層の形成後、且つ前記加熱前に、前記保護膜中に吸収された液浸溶液を除去する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
  5. 前記低接触角層の形成は、前記保護膜の表面をエッチングして新たな表面を露出させつつ行うことを特徴とする請求項4記載のレジストパターン形成方法。
  6. 基板上にレジスト膜を形成する工程であって、前記レジスト膜と液浸溶液との接触角は第1の角度である工程と、
    前記レジスト膜上に保護膜を形成する工程であって、前記保護膜の表面と前記液浸溶液との接触角は第1の角度より大きい第2の角度である工程と、
    前記液浸溶液を用いた液浸型の露光により、前記レジスト膜中に潜像を形成する工程と、
    前記潜像の形成後、前記保護膜の表面を改質することによって低接触角層を形成する工程であって、前記低接触角層と前記液浸溶液との接触角は前記第2の角度より小さい第3の角度である工程と、
    前記低接触角層の形成後、前記保護膜中に吸収された前記液浸溶液を除去する工程と、
    前記液浸溶液の除去後、前記レジスト膜を加熱する工程と、
    前記液浸溶液の除去後、前記保護膜を除去する工程と、
    前記加熱後、且つ前記保護膜の除去後、レジストパターンを形成するために、前記レジスト膜を現像する工程と
    を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
  7. 基板上にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜上に保護膜を形成する工程であって、前記保護膜の表面と液浸溶液との接触角は第1の角度である工程と、
    前記液浸溶液を用いた液浸型の露光を行い、前記レジスト膜中に潜像を形成する工程と、
    前記潜像の形成後、前記保護膜の表面をエッチングして新たな表面を露出させつつ、新たに露出する前記保護膜の表面を改質することによって低接触角層を形成する工程であって、前記低接触角層の表面と前記液浸溶液との接触角を第1の角度より小さくする工程と、
    前記改質後、前記保護膜に吸着または吸収された液浸溶液を除去する工程と、
    前記液浸溶液の除去後、前記レジスト膜を加熱処理する工程と、
    前記加熱処理されたレジスト膜からレジストパターンを形成するために、前記レジスト膜を現像する工程と
    を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
  8. 前記液浸溶液の除去時に、前記レジスト膜に吸収された液浸溶液を除去することを特徴とする請求項4,6,7の何れかに記載のレジストパターン形成方法。
  9. 前記保護膜の表面にオゾンを含む液体または気体に暴露させて前記低接触角層を形成することを特徴とする請求項4、6,7の何れかに記載のレジストパターン形成方法。
  10. 半導体ウエハを用意する工程と、
    請求項1〜9の何れかに記載のレジストパターン形成方法を用いて、前記半導体ウエハ上にレジストパターンを形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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