JP2006117784A - クッションソリッドタイヤ - Google Patents

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Akihiko Nakayama
晃彦 中山
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Abstract

【課題】 黒色でなく、導電性に優れたクッションソリッドタイヤを提供する。
【解決手段】 ジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ40〜80重量部および黒鉛15〜80重量部を配合してなる、黒色でないトップゴムを有するクッションソリッドタイヤ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、クッションソリッドタイヤに関し、特に黒色でなく、導電性に優れたクッションソリッドタイヤに関する。
近年、産業用車両に装着するタイヤとして、ノ−パンクをセールスポイントとするクッションソリッドタイヤが有る。このタイヤは、エアーを充填せず、三層(トップ+ミドル+ベース)または二層(トップ+ベース)のゴム部から成っている。食品、薬品、製紙などを扱う企業では、フォークリフト車に装着しているクッションソリッドタイヤが主因とみられる黒色粉塵による床面汚れの問題に神経を尖らせているため、接地するトップゴムをホワイト、クリーム、ライトグリーンなどの淡色で構成したクッションソリッドタイヤとしてきたが、補強剤としてカーボンブラックに代えてシリカを配合していることから静電気を帯び易いという問題があり、その導電性への改善が望まれている。
特許文献1には、静電気の発生自体を抑えるソリッドタイヤとして、当該タイヤ中に所定長の炭素繊維を混入し、その炭素繊維が相互に接触しかつその先端の一部が外周面に臨むようにしたソリッドタイヤが開示されている。また、特許文献2には、黒以外で着色されたゴムからなるトップゴム層を有するカラーソリッドタイヤにおいて、ベース、中間およびトップゴム層の各厚さを所定範囲とし、かつ中間ゴム層とトップゴム層の硬さに差を設け、中間ゴム層に含有するオイル量を規定することによって、トップゴム層の変色を防止する技術が開示されている。更に、特許文献3には、シリカ配合系の一般タイヤのトレッド表面に、NBRまたはNSBRの少なくとも一方に所定量の導電性カーボンブラックまたは黒鉛を配合した水系導電性セメントを塗布することによって、帯電防止タイヤを得る技術が開示されている。しかしながら、従来、カーボンブラックに代わるシリカ補強剤を配合したカラーソリッドタイヤにおいて、更に黒鉛を配合することによって黒色でなく導電性に優れたカラーソリッドタイヤを得ることは未だ知られていない。
特開平3−74202号公報 特開2003−146008号公報 特開平11−34605号公報
よって、本発明では、所定量のシリカと共に黒鉛を配合して成る、黒色でなく、導電性に優れたクッションソリッドタイヤを提供することを目的とする。
本発明によれば、ジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ40〜80重量部および黒鉛15〜80重量部を配合してなる、黒色でないトップゴムを有するクッションソリッドタイヤが提供される。
本発明では、従来のカーボンブラックに代えてシリカ補強剤を配合したクッションソリッドタイヤにおいて発生する静電気に係る問題点は、これに導電性が高い黒鉛を配合することによって解消できることを見出したものである。また、この黒鉛を配合するときの色調も、クッションソリッドタイヤが黒色とはならず、薄いグレーから濃いグレー域に止まることを見出したものである。
本発明のクッションソリッドタイヤのトップゴムに使用されるジエン系ゴムとしては、天然ゴムまたはジエン系合成ゴムを単独で、あるいはこれらの混合系を用いることができる。当該ジエン系合成ゴムとしては、例えば、各種ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム等が挙げられる。これらのうち、(a)天然ゴム45〜100重量部と(b)ポリブタジエンゴムおよび/またはスチレンブタジエンゴム55〜0重量部からなる天然ゴム単独、あるいはこれらのブレンドゴムが、成形加工性(下層ゴムとの密着性等)およびタイヤ性能(耐摩耗性、発熱性等)などの理由から好ましく用いられる。
本発明のクッションソリッドタイヤのトップゴムに配合されるシリカとしては、特に制限されることはないが、例えば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、および沈降シリカなどが挙げられる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが特に好ましい。これらのシリカは、ゴム100重量部に対して40〜80重量部、好ましくは45〜70重量部の配合量で、それぞれ単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらシリカの比表面積は、特に制限されないが、窒素吸着比表面積(BET法)で通常50〜400m2/g、好ましくは100〜250m2/g、更に好ましくは120〜190m2/gの範囲であるときに、補強性、耐摩耗性および発熱性等の改善が十分に達成され好適である。ここで、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じ、BET法で測定される値である。
本発明のクッションソリッドタイヤのトップゴムに配合される黒鉛としては、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛および土状黒鉛などの天然黒鉛が用いられるが、特に、鱗片状黒鉛の使用がその導電率が高いので好ましい。黒鉛の配合量としては、ゴム100重量に対して15〜80重量部、好ましくは20〜70重量部の量で配合される。この配合量が15重量部未満では所期の導電性が達成されず、逆に80重量部を超えるとトップゴムの体積抵抗率がそれ以上減少することがなく、また、色調もグレーの度合が増すので好ましくない。また、黒鉛は、50〜500メッシュ(タイラー篩)、より好ましくは100〜250メッシュサイズの黒鉛が使用される。この粒子サイズが50メッシュ未満では、分散が悪くて混練り時間が長くなるため好ましくなく、逆に500メッシュを超えると、配向性が少くなって導電性が弱まる傾向があり、かつ色調も濃くなるなどのため好ましくない。
本発明のクッションソリッドタイヤのトップゴムには、前記した成分に加えて、シランカップリング剤、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑剤、着色剤などのタイヤ用の各種配合剤を配合することができ、かかる配合物は、公知のゴム用混練機、例えば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等で混練し、任意の条件で加硫してゴム組成物として使用することができる。これら配合剤の添加量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、標準例、実施例および比較例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
試験片の作製
以下の表1に示すゴム配合系における硫黄と加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±5℃に達した時に放出したマスターバッチに、硫黄と加硫促進剤を加えて8インチのオープンロールで混練してゴム組成物を得た。次いで、このゴム組成物を60mm(縦)×60mm(横)×10mm(厚)の金型中で、160℃、30分間プレス加硫して試験片(ゴム片)を作製し、体積抵抗率および色調の試験に供した。
試験法
1)体積抵抗率(Ω・cm):測定器としてヒューレットパッカード製のハイレジスタンスメータを使用し、荷重39N、電極径26mm、電圧1000V、電流上限500μAおよび充電時間60秒の測定条件下で、試験片の体積抵抗率を測定した。体積抵抗率の値が小さい程、導電性に優れ、帯電し難いことを示す。
2)色調:目視にて識別評価した。
標準例1〜3、実施例1〜4および比較例1
結果を以下の表1に示す。
Figure 2006117784
表1の結果から、本発明による実施例1〜4のトップゴムでは、いずれもその体積抵抗率が1×1015Ω・cm未満であり、導電性に優れていること、また、その色調も黒色ではなく、薄いグレーから濃いグレーまでの範囲にあることが分る。
本発明によるトップゴムを配したクッションソリッドタイヤは、例えば、清潔感および導電性(帯電防止性)が要求される場で活躍するフォークリフト車などのタイヤとして使用すると極めて有用である。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対して、シリカ40〜80重量部および黒鉛15〜80重量部を配合してなる、黒色でないトップゴムを有するクッションソリッドタイヤ。
  2. 前記ジエン系ゴムが、(a)天然ゴム45〜100重量部と(b)ポリブタジエンゴムおよび/またはスチレンブタジエン共重合体ゴム55〜0重量部とからなる、請求項1に記載のクッションソリッドタイヤ。
  3. 前記黒鉛の粒子サイズが50〜500メッシュである、請求項1または2に記載のクッションソリッドタイヤ。
  4. 前記トップゴムの体積抵抗率が1×1015Ω・cm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクッションソリッドタイヤ。
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