JP2006111156A - 過負荷履歴記憶装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両に過負荷が発生したか否かを判断できる過負荷判断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 過負荷判断装置10は、車両が置かれた環境に関する環境情報を取得する環境情報取得装置20と、前記車両の構成部品の状態に関する状態情報を取得する状態情報取得装置30と、環境情報および状態情報を記録し、環境情報と状態情報とに基づいて、構成部品が過負荷か否かを判断する判断装置40と、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に過負荷が発生したか否かを判断できる過負荷判断装置およびその方法に関する。
車両の品質保証、品質改善のために、車両の評価試験が行われている。評価試験とは、例えば、走行試験や、市場における不具合再現試験などである。
これらの試験においては、車両の構成部品の異常状態を検出する手段として、電子制御装置(Electric Control Unit:以下、ECUという)が用いられる。ECUは、車両内に複数設けられており、車両各部の構成部品を制御する。各ECUは、自己診断機能が設けられており、制御する構成部品を監視し、異常状態を検知する。ECUは、異常を検知すると、警告灯の点灯により、異常を知らせる。
試験においては、ECUによる検知の他に、運転者が自らの体感に基づいて、異常を検知する場合もある。
検知された異常の発生原因は、ECUの自己診断結果、各ECUへの入出力信号、運転者の状況説明に基づいて解析される。
原因解析を容易にするために、GPS(Global Positioning System)を用いて、異常の発生位置および時点を記録する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
衝突などの突発的な要因により、瞬時にECUの検出値が閾値を超えた場合、異常の発生時点と、異常を検知する時点とで時差がない。したがって、異常検知時点における車両の位置や時刻などの状況を把握することにより、異常の発生の原因を追究できる。
特開平10−160642号公報
しかし、上記のように、異常の検知時と、異常の発生時とが必ずしも一致するとは限らない。異常とは検出されない程度の過負荷が発生し、時間の経過と共に、該過負荷が蓄積して、あるときに閾値を超えて、異常と判断される場合がある。
この場合、過負荷が発生した時点と、異常と判断される時点とで時差が生じてしまう。したがって、GPSにより異常発生位置および時点が把握できただけでは、過負荷の発生時点等は特定できない。
これでは、故障が起こった時点では、過負荷があったかどうかがわからず、また、過負荷がいつ起こったのかは判断できない。結局、原因追究のために、多大な解析、再現実験等を繰り返さなくてはならず、多大な時間がかかってしまうという問題がある。
さらに、市場に車両を投入した後では、通常、車両がどのように使用されているかわからない。異常が検知されたときの状況だけを検討したのでは、過去に過負荷が発生していた場合、原因を解明することが困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、車両に過負荷が発生したか否かを判断できる過負荷判断装置およびその方法を提供することを目的とする。
本発明の過負荷判断装置は、車両が置かれた環境に関する環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記車両の構成部品の状態に関する状態情報を取得する状態情報取得手段と、前記環境情報および前記状態情報を記録する記録手段と、前記環境情報と前記状態情報とに基づいて、前記構成部品が過負荷か否かを判断する判断手段と、を有する。
本発明の過負荷判断方法は、車両が置かれた環境に関する環境情報を取得する工程と、前記車両の構成部品の状態に関する状態情報を取得する工程と、過負荷と判断した場合に、該過負荷と判断した時の条件を記録する工程と、前記車両に異常が発生した場合、異常発生以前の前記環境情報および前記状態情報を、所定の条件と比較して、過負荷か否かを判断し、過負荷と認める時点および要因を特定する工程と、を含む。
本発明の過負荷判断装置によれば、環境情報および状態情報を記録し、該環境情報および状態情報に基づいて、前記構成部品が過負荷か否かを判断できる。したがって、構成部品に故障等の不具合が生じたときに、記録装置の記憶に基づいて、故障の原因となった構成部品の過負荷を検出できる。この検出結果に基づいて、不具合が生じた構成部品およびその故障原因を確認し、さらに改善できる。
本発明の過負荷判断方法によれば、環境情報および状態情報を記録し、車両に異常が発生した場合、該環境情報および状態情報を所定の条件と比較して、過負荷か否かを判断できる。したがって、車両に異常が発生したときに、記録装置の記録に基づいて、故障の原因となった構成部品の過負荷を検出できる。この検出結果に基づいて、不具合が生じた構成部品およびその故障原因を確認し、さらに改善できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
過負荷判断装置は、車両に搭載されている。本実施形態の過負荷判断装置は、車両の構成部品に過負荷がかかったことを判断する。
図1は、過負荷判断装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、過負荷判断装置10は、環境情報取得装置20と、状態情報取得装置30と、判断装置40とを有する。環境情報取得装置20、状態情報取得装置30および判断装置40は、車内ネットワーク50に接続され、互いにデータや信号の送受信を行う。各部について、詳細に説明する。
(環境情報取得装置20)
環境情報取得装置20は、車両が置かれた環境に関する環境情報を取得する。環境情報取得装置20には、GPS22や、エアコン(A/C)24が含まれる。
GPS22は、複数の衛星からの距離により、車両の位置を測定する装置である。GPS22は、順次、車両の位置を検出している。さらに、GPS22は、衛星から正確な時刻の情報も取得する。GPS22は、車両の位置情報および時刻情報を、ネットワーク50を介して、後述するナビゲーションECU32に送信する。なお、本実施形態では、車両の位置を特定するためにGPSを用いている。しかし、車両の位置を特定できるものであれば、GPS以外のいかなる装置も適用できる。
エアコン24は、車両内の空調を調節する装置である。本実施形態では、エアコン24は、室内外の温度を検出する役割を果たす。エアコン24は、室内外の温度情報を、後述するエアコンECU33に送信する。
以上のように、環境情報取得装置20は、環境情報として、車両の位置情報、時刻情報、室内外の温度情報を送信する。
(状態情報取得装置30)
状態情報取得装置30は、車両の構成部品の状態に関する状態情報を取得する。状態情報取得装置30は、複数の電子制御装置(ECU)31〜36を含む。各ECU31〜36は、それぞれ、車両の構成部品を制御し、該構成部品の各種状態を検出する。本実施形態では、状態情報取得装置30には、ステアリングECU31、ナビゲーションECU32、エアコンECU33、ブレーキECU34、メータECU35およびトランスミッションECU36が含まれる。
ステアリングECU31は、車両の操舵を実行するステアリング装置を制御する。同時に、ステアリングECU31は、ステアリングが回転された角度、すなわち操舵角度を検出する。また、ステアリングECU31は、ステアリングが回転された速度、すなわち操舵速度も検出する。さらに、ステアリングECU31は、ステアリングに設けられたモータの温度を検出する。ステアリングECU31は、検出した操舵角度、操舵速度およびステアリングの温度の情報を、判断装置40に順次送信する。ここで、ステアリングの温度とは、詳細には、ステアリングのモータの温度である。
ナビゲーションECU32は、車両の進行方向を運転者に指示するカーナビゲーションシステムを制御する。ナビゲーションECU32は、GPS22から受信した位置情報および時刻情報に基づいて、運転者に現在位置を知らせ、進行方向を指示する。ナビゲーションECU32は、GPS22からの位置情報および時刻情報を、判断装置40に順次転送する。
エアコンECU33は、車内空調のために、エアコン24から送信された室内外の温度情報に基づいて、エアコン24を制御する。エアコンECU33は、エアコン24からの外気温度の情報を、判断装置40に順次転送する。
ブレーキECU34は、車両を停止するためのブレーキを制御する。ブレーキECU34は、車両の速度を検出し、車両が停止しているか否かを判断する。ブレーキECU34は、検出した車両の速度を、判断装置40に順次送信する。
メータECU35は、運転者に表示する各種メータを制御する。たとえば、サイドブレーキが制動状態か非制動状態かを検出し、制動状態である場合に、サイドブレーキが引かれていることを示すランプを点灯する。メータECU35は、サイドブレーキが制動状態か非制動状態かを示す情報を、判断装置40に順次送信する。
トランスミッションECU36は、車両の変速機を制御する。トランスミッションECU36は、たとえば、パーキングまたは1速などの変速機のギア比の状態を検出する。トランスミッションECU36は、ギア比の状態の情報を、判断装置40に順次送信する。
以上のように、状態情報取得装置30は、状態情報として、操舵角度、操舵速度、ステアリングのモータ温度、位置情報、時刻情報、外気温度の情報、車両の速度、サイドブレーキが制動状態か非制動状態かを示す情報、ギア比の状態の情報を送信する。
(判断装置40)
判断装置40は、状態情報取得装置30を介して環境情報取得装置20から送信された各種の環境情報と、状態情報取得装置30から送信された各種の状態情報とに基づいて、前記構成部品が過負荷か否かを判断する。判断装置40の詳細な構成については、図2を参照して説明する。
図2は、判断装置の構成を示すブロック図である。
判断装置40は、通信用インタフェース(I/F)41、CPU42、メモリ43、入力装置44および表示装置45を有する。
インタフェース41は、ネットワーク50に接続されており、環境情報や状態情報を受信する。インタフェース41には、CPU42が接続されている。
CPU42は、判断装置40の各部を制御する。また、CPU42は、環境情報や状態情報に基づいて、車両の構成部品が過負荷か否かを演算する。CPU42には、メモリ43、入力装置44および表示装置45が接続されている。
メモリ43は、CPU42が車両の過負荷を判断するためのプログラムや、情報を収集するためのプログラムが予め記録されている。さらに、メモリ43には、環境情報や状態情報が順次記録されている。
入力装置44は、運転者によるデータ収集の開始、終了などの入力のほか、運転者が体感した異常の入力のために用いられる。
表示装置45は、異常の発生、収集した環境情報や状態情報の値、および過負荷か否かの判断結果などを表示できる。表示装置45は、さらに、CPU42により過負荷と判断された構成部品名称、時刻などを表示できる。
(作用)
次に、過負荷判断装置10の作用について説明する。
図3は異常発生時の処理を示すフローチャート、図4は異常発生を検知するロジックを説明するための図である。
まず、過負荷判断装置10において、環境情報および状態情報が順次記録される(ステップS1)。ここでは、上述のように、判断装置40のCPU42により、環境情報取得装置20から環境情報が、状態情報取得装置30から状態情報が取得され、それらの情報がメモリ43に記録される。環境情報には、GPSからの時刻の情報も含まれるので、時刻の情報と共に記録されることになる。
異常が発生したか否かが判断される(ステップS2)。異常の発生を判断するのは、各ECU31〜36である。各ECU31〜36は、自己診断として、構成部品を測定し、測定値が所定の閾値を超えたときに異常と判断する。例えば、図4に示すように、通常状態では閾値を超えない測定値が、閾値を超えたときに、ECU31〜36は異常と判断する。測定値とは、例えば、ステアリングECU31でいえば、ステアリングのモータの温度や、操舵角度などである。なお、図4に示すように、過負荷がかかっても、その時点で閾値が超えなければ、異常とは判断されない。
異常が発生したと判断されない場合(ステップS2:NO)、ステップS1の処理を繰り返す。
異常が発生したといずれかのECU31〜36において判断された場合(ステップS2:YES)、CPU42により、異常発生以前の環境情報および状態情報がメモリ43から読み出され、所定の条件と比較されて、過負荷か否かが判断される(ステップS3)。詳細については、図5および図6を参照して、後述する。
続けて、CPU42により、過負荷と判断された構成部品に不具合があると推定される(ステップS4)。
不具合があると推定された構成部品は、試験者により、過負荷と判断されたときと同じような状況が再現される(ステップS5)。再現の結果、同様の故障が発生したら、試験者により、該過負荷の発生が故障の原因であると特定され、不具合が生じた構成部品に問題があったと特定される(ステップS6)。
このように、故障が起こった際に、不具合が生じた構成部品と、故障の引き金となった過負荷の原因を特定できる。これらの特定に基づいて、構成部品の耐久性等を向上すれば、同様の原因では故障が発生しない車両を提供できる。
次に、上記ステップS3において、構成部品の過負荷を判断する手順について、詳細を説明する。
図5は、過負荷を判断する処理を示すフローチャートである。図5に示す手順は、CPU42によって実行される。
まず、車両が駐車中か否かが判断される(ステップS11)。ここでは、CPU42は、ナビゲーションECU32から車両の位置情報を取得する。そして、車両の位置情報に基づいて、車両の速度を算出する。車両の速度が0km/hであれば駐車中と判断し、0km/h以外であれば走行中と判断する。なお、車両の速度については、ブレーキECU34から送信される車両速度情報を用いてもよい。
車両が駐車中でない場合(ステップS11:NO)、図5に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。そして、連続して、あるいは所定時間経過後に、ステップS11からの判断処理が繰り返される。
車両が駐車中である場合(ステップS11:YES)、サイドブレーキが非制動か否かが判断される(ステップS12)。ここでは、CPU42は、メータECU35からサイドブレーキが非制動か制動かを示す情報を取得する。
サイドブレーキが制動である場合(ステップS12:NO)、図5に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。
サイドブレーキが非制動である場合(ステップS12:YES)、車両の傾斜角が所定角度以上か否かが判断される。ここでは、CPU42は、ナビゲーションECUから、車両の位置情報および地図情報を取得し、該地図情報に含まれる勾配の情報に従って、車両の現在位置の傾斜角を算出する。そして、算出した傾斜角が所定の角度、例えば、20度以上であるかどうかを判断する。ここで、所定角度は、通常、車両が駐車されないと思われる角度を基準に決定される。
車両の傾斜角が所定角度未満である場合(ステップS13:NO)、図5に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。
車両の傾斜角が所定角度以上である場合(ステップS13:YES)、車両の駐車時間が所定時間以上か否かが判断される(ステップS14)。ここでは、CPU42は、ナビゲーションECUから、時刻情報を取得し、車両の速度が0km/hになった時点からの時間を計測する。そして、計測した時間が所定時間、例えば、40時間以上であるか否かを判断する。ここで、所定時間は、上記のような条件では通常駐車されないと思われる角度を基準に決定される。
駐車時間が所定時間未満である場合(ステップS14:NO)、図5に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。
駐車時間が所定時間以上である場合(ステップS14:YES)、トランスミッションに過負荷が発生していると判断される(ステップS15)。上記のような条件がそろえば、傾斜角の高い傾斜面の所に、サイドブレーキがかからず、長時間駐車されていることになり、車両を静止するための力が全てトランスミッションにかかるからである。特にトランスミッションがパーキングの位置にある場合、トランスミッションに負荷がかかる。
そして、トランスミッションを不具合構成部品として、該過負荷の発生時刻と共に、表示装置45に表示される(ステップS16)。加えて、該過負荷と判断したときの条件、すなわち、ステップS11〜14の条件も表示装置45に表示される(ステップS17)。
(効果)
以上のように、本実施の形態では、予め、環境情報および状態情報を記録している。そして、故障が発生すると、その時点から遡って、構成部品に負荷がかかる条件が複数重なったときを判断する。したがって、故障の原因となった過負荷を検出できる。この検出結果に基づいて、不具合が生じた構成部品およびその故障原因を確認し、さらに改善できる。
また、環境情報および状態情報は、GPSの時刻と共に記録されているので、過負荷と判断したときに、過負荷が発生した時刻も特定できる。時刻の特定は、故障原因の追究に有用である。
さらに、車両に異常が発生した場合に、過去に記録した環境情報および状態情報を遡って調べ、過負荷と認める時点および要因を特定する。したがって、車両の故障時の状況だけでなく、過去の記録に基づいて、故障原因を追究できる。
CPU42は、車両の位置に基づいて、車両の傾斜角を算出し、さらに、車両が停止状態か否かを判断する。そして、CPU42は、車両の傾斜角が所定角以上、車両が停止状態、サイドブレーキが非制動状態、かつ車両の停車時間が所定時間以上である場合に、過負荷と判断する。したがって、通常起こりえないような状況が重なった場合、このことを後から、過負荷として判断できる。このような過負荷にも耐えうる構成部品の作成の必要性がわかる。過負荷に耐えられる構成部品を作成することにより、今後のサービスを向上できる。また、上記のような条件を満たすことがなければ、該条件を満足する構成部品は必要ないことがわかる。構成部品の改良のために、コストを増大せずに済む。
なお、上記の条件では、トランスミッションの過負荷を判断しているが、これに限定されない。車両の他の構成部品についても、負荷がかかる条件が複数重なった場合に、過負荷と判断できる。
たとえば、図6に示すような処理により、他の構成部品の過負荷を判断できる。
図6は、他の構成部品の過負荷を判断する処理を示すフローチャートである。図6に示す処理は、図5に示す処理と同時または連続して実行される。これにより、トランスミッション以外の過負荷についても検出できる。
まず、ステアリングが操舵中か否かが判断される(ステップS21)。ここでは、CPU42は、ステアリングECU31からステアリングの操舵角度の情報を取得する。CPU42は、操舵角度が、たとえば、10度以上であれば、ステアリングの操舵中と判断する。本実施形態では、操舵角度が10度未満を操舵していないと判定するがこれに限定されない。
ステアリングが操舵中でない場合(ステップS21:NO)、図6に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。そして、連続して、あるいは所定時間経過後に、ステップS21からの判断処理が繰り返される。
ステアリングが操舵中である場合(ステップS21:YES)、ステアリングの操舵速度が所定速度以上か否かが判断される(ステップS22)。ここでは、CPU42は、ステアリングECU31からステアリングの操舵速度の情報を取得する。CPU42は、操舵速度が所定速度以上、たとえば、360°/秒以上であるかどうかを判断する。ここで、所定速度は、ステアリングに負荷がかかると思われる角度を基準に決定される。
操舵速度が360°/秒以上でない場合(ステップS22:NO)、図6に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。
操舵速度が360°/秒以上である場合(ステップS22:YES)、操舵角度が所定角度以上か否かが判断される(ステップS23)。ここでは、CPU42は、操舵角度が所定角度以上、たとえば、360°以上であるかどうかを判断する。
操舵角度が360°以上でない場合(ステップS23:NO)、図6に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。
操舵角度が360°以上である場合(ステップS23:YES)、車両が駐車中か否かが判断される(ステップS24)。ここでは、CPU42は、ナビゲーションECU32から車両の位置情報を取得する。そして、車両の位置情報に基づいて、車両の速度を算出する。車両の速度が0km/hであれば駐車中と判断し、0km/h以外であれば走行中と判断する。
車両が駐車中でない場合(ステップS24:NO)、図6に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。
車両が駐車中である場合(ステップS24:YES)、ステアリングが繰り返し操作されているか否かが判断される(ステップS25)。ここでは、CPU42は、ナビゲーションECU32から時刻情報を取得する。そして、CPU42は、操舵角度の情報および時刻情報に基づき、たとえば、30秒以内に、連続10回以上反対向きにステアリングの切り返しが行われていれば、連続操作と判断する。
ステアリングが繰り返し操作されていない場合(ステップS25:NO)、図6に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。
ステアリングが繰り返し操作されている場合(ステップS25:YES)、ステアリングのモータ温度が所定温度以上か否かが判断される(ステップS26)。ここでは、CPU42は、ステアリングECU31からステアリングのモータ温度を取得する。CPU42は、取得した温度が、たとえば、60°以上か否かを判断する。所定温度は、通常、ステアリングのモータが到達しないけれども、異常時には到達するような温度に設定される。
モータ温度が所定角度以上でない場合(ステップS26:NO)、図6に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。
モータ温度が所定角度以上である場合(ステップS26:YES)、外気温度が所定温度以上であるか否かが判断される(ステップS27)。ここでは、CPU42は、エアコンECU33から外気温度を取得する。CPU42は、取得した外気温度が、たとえば、45°以上か否かを判断する。
外気温度が45°以上でない場合(ステップS27:NO)、図6に示す過負荷判断の処理が一旦終了される。
外気温度が45°以上である場合(ステップS27:YES)、ステアリングおよびサスペンションに過負荷が発生していると判断される(ステップS28)。上記のような条件が重なれば、高温な状況で、停車した車両のステアリングが激しく動かされていることになり、ステアリングを動かすたびに、ステアリングおよびサスペンションに負荷がかかるからである。
そして、ステアリングおよびサスペンションを不具合構成部品として、該過負荷の発生時刻と共に、表示装置45に表示される(ステップS29)。加えて、該過負荷と判断したときの条件、すなわち、ステップS21〜27の条件も表示装置45に表示される(ステップS30)。
CPU42は、車両の位置に基づいて、車両が停止状態か否かを判断する。そして、CPU42は、車両が停止状態、外気温度が所定温度以上、操舵角度が所定角以上、操舵速度が所定速度以上、操作頻度が所定回数以上、かつ車両のステアリングの温度が所定温度以上の場合に、過負荷と判断する。
したがって、通常起こりえないような状況が重なった場合、このことを後から、過負荷として判断できる。このような過負荷にも耐えうる構成部品の作成の必要性がわかる。過負荷に耐えられる構成部品を作成することにより、今後のサービスを向上できる。また、上記のような条件を満たすことがなければ、該条件を満足する構成部品は必要ないことがわかる。構成部品の改良のために、コストを増大せずに済む。
過負荷判断装置の構成を示すブロック図である。 判断装置の構成を示すブロック図である。 異常発生時の処理を示すフローチャートである。 異常発生を検知するロジックを説明するための図である。 過負荷を判断する処理を示すフローチャートである。 他の構成部品の過負荷を判断する処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10…過負荷判断装置、
20…環境情報取得装置、
22…GPS、
24…エアコン、
30…状態情報取得装置、
31…ステアリングECU、
32…ナビゲーションECU、
33…エアコンECU、
34…ブレーキECU、
35…メータECU、
36…トランスミッションECU、
40…判断装置、
41…インタフェース、
42…CPU、
43…メモリ、
44…入力装置、
45…表示装置、
50…ネットワーク。

Claims (8)

  1. 車両が置かれた環境に関する環境情報を取得する環境情報取得手段と、
    前記車両の構成部品の状態に関する状態情報を取得する状態情報取得手段と、
    前記環境情報および前記状態情報を記録する記録手段と、
    前記環境情報と前記状態情報とに基づいて、前記構成部品が過負荷か否かを判断する判断手段と、
    を有する過負荷判断装置。
  2. 前記記録手段は、前記環境情報および前記状態情報を、時刻と共に記録する請求項1に記載の過負荷判断装置。
  3. 前記判断手段は、前記車両に異常が発生した場合に、異常発生以前の前記環境情報および前記状態情報を前記記録手段から読み出し、所定の条件と比較して、過負荷か否かを判断し、過負荷と認める時点および原因を特定する請求項1または2に記載の過負荷判断装置。
  4. 前記環境情報には、前記車両の位置および停車時間の情報が含まれ、
    前記状態情報には、サイドブレーキの状態の情報が含まれ、
    前記判断手段は、
    前記車両の位置に基づいて、前記車両の傾斜角を算出し、さらに、前記車両が停止状態か否かを判断して、
    前記車両の傾斜角が所定角以上、前記車両が停止状態、前記サイドブレーキが非制動状態、かつ前記車両の停車時間が所定時間以上である場合に、過負荷と判断する請求項1〜3のいずれか一項に記載の過負荷判断装置。
  5. 前記環境情報取得手段は、前記車両の位置および停車時間を検出するGPSを含み、
    前記状態情報取得手段は、サイドブレーキの制動状態を検出するメータ制御装置を含み、
    前記判断手段は、前記GPSにより検出された位置に基づいて、該位置の傾斜を地図情報から求める請求項4に記載の過負荷判断装置。
  6. 前記環境情報には、前記車両の位置および車両の外気温度の情報が含まれ、
    前記状態情報には、前記車両のステアリングの操舵角度、操舵速度、操作頻度および温度の情報が含まれ、
    前記判断手段は、
    前記車両の位置に基づいて、前記車両が停止状態か否かを判断し、
    前記車両が停止状態、前記外気温度が所定温度以上、前記操舵角度が所定角以上、前記操舵速度が所定速度以上、前記操作頻度が所定回数以上、かつ前記車両のステアリングの温度が所定温度以上の場合に、過負荷と判断する請求項1〜3のいずれか一項に記載の過負荷判断装置。
  7. 前記環境情報取得手段は、前記車両の位置を検出するGPSと、前記車ステアリングの温度を検出する温度センサを含み、
    前記状態情報取得手段は、前記ステアリングの操舵状態を検出するステアリング制御装置を含む請求項6に記載の過負荷判断装置。
  8. 車両が置かれた環境に関する環境情報を取得する工程と、
    前記車両の構成部品の状態に関する状態情報を取得する工程と、
    過負荷と判断した場合に、該過負荷と判断した時の条件を記録する工程と、
    前記車両に異常が発生した場合、異常発生以前の前記環境情報および前記状態情報を、所定の条件と比較して、過負荷か否かを判断し、過負荷と認める時点および要因を特定する工程と、
    を含む過負荷判断方法。
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