JP2006110694A - 熱交換器の製造方法、熱交換器の製造システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のプレートフィンの板厚方向に伝熱管が貫通されて構成される熱交換器の製造方法であって、スリット形成工程と、挿入工程とを備えている。スリット形成工程では、集積ガイドピン群を板厚方向に貫通させるための吸い込み側孔群と集積ガイドピン群を板厚方向に貫通させるための吹き出し側孔群との2つの孔群が形成されている複数の2列プレートフィンそれぞれに対して、吸い込み側フィンと吹き出し側フィンとの間で長手方向に延びる所定の間隔のスリットを設ける。また、挿入工程では、複数のスリット入り2列プレートフィンそれぞれを吸い込み側フィンと吹き出し側フィンとを一体としたままで、集積ガイドピン群に対して吸い込み側孔群を合わせて集積ガイドピン群に対して吹き出し側孔群を合わせて挿入させる。
【選択図】図2
Description
これに対して、第1発明の熱交換器の製造方法では、スリット形成工程においてスリットが設けられたフィンを、挿入工程において、第1集積ガイドピン群に対して第1孔群を合わせて且つ第2集積ガイドピン群に対して第2孔群を合わせて、第1部と第2部とを一体としたままで挿入させる。このため、フィンについての長手方向に対して垂直で板厚方向に対して平行な方向である幅方向の長さについて、第1部や第2部のいずれか一方だけの比較的細長い形状のフィンを用いて第1集積ガイドピン群や第2集積ガイドピン群に対して挿入させる場合と比較して、第1部と第2部とを一体としたままで挿入させる場合のほうが、幅方向がより長い状態のままで挿入することができる。また、フィンには、第1集積ガイドピン群および第2集積ガイドピン群の配置に対応するように第1孔群および第2孔群が、第1部側と第2部側とにスリットを隔てて配置されている。このため、フィンの第1部と第2部とを一体としたままで安定させた挿入が可能になる。したがって、フィンの集積ミスが生じる確率を減少させることが可能になる。
ここでは、略並列直線上に集積ガイドピンが配列されている第2集積ガイドピン群が、略並列直線上に集積ガイドピンが配列されている第1集積ガイドピン群に対して略平行に配置されている。このため、第1集積ガイドピン群と第2集積ガイドピン群とが略平行に配置されていることで、フィンを安定させて挿入することが困難となるおそれがある。しかし、第2発明の熱交換器の製造方法では、フィンには、挿入対象となる集積ガイドピンの配置に対応するように第1孔群および第2孔群が、第1部側と第2部側とにスリットを隔てて配置されており、このように第2集積ガイドピン群が第1集積ガイドピン群に対して略平行に配置されている場合であっても、第1部と第2部とを一体としたままで安定させた挿入が可能となり、フィンの集積性が損なわれないようにすることができる。
ここでは、集積ガイドピンに対するフィンの位置が定まるまで、フィンを第1部と第2部とに分割されない状態に維持させることができる。このため、集積ガイドピンに対するフィンの位置が定まった後に、フィンを分割して1列熱交換器を得るか、分割しないで2列熱交換器を得るかのいずれかを選択することが可能になる。
ここでは、スリットにおいてフィンを第1部と第2部とに分割するため、集積ミスが生じる確率を抑えながら1列熱交換器を製造することができる。
ここでは、スリット同士の間の接続部分について、長手方向の長さが1.0mm以下であり、分割面に対して平行な接続部分の長手方向の長さが短いため、スリット分割面の形状がいびつになることを抑えることができる。
ここでは、接続部分について、長手方向の長さが0.5mm以下であり、分割面に対して平行な接続部分の長手方向の長さがより短いため、スリット分割面の形状がいびつになることをより効果的に抑えることができる。
ここでは、接続部分について、長手方向の長さが0.2mm以上0.3mm以下であり、分割面に対して平行な接続部分の長手方向の長さがより短いものの0.2mm以上の長さは確保されている。このため、フィンを伝熱管に対する所定の位置に定める場合に分割されにくい程度の対分割強度を確保しつつ、スリット分割面の形状がいびつになることをより効果的に抑えることができる。
ここでは、接続部分に隣接する一方のスリットと接続部分との長手方向の合計の長さが、10mm以上であり、接続部分のピッチが長いため、フィンの分割によって生じる分割部分の長手方向における単位長さ当たりの数を少ない数にすることができ、スリット分割面の形状がいびつになることを抑えることができる。
ここでは、接続部分に隣接する一方のスリットと接続部分との長手方向の合計の長さが、18mm以上であり、接続部分のピッチがより長いため、フィンの分割によって生じる分割部分の長手方向における単位長さ当たりの数をより少ない数にすることができ、スリット分割面の形状がいびつになることをより効果的に抑えることができる。
これに対して、第10発明の熱交換器の製造方法では、スリット形成工程においてスリットが設けられたフィンを、挿入工程において、第1伝熱管群に対して第1孔群を合わせて且つ第2伝熱管群に対して第2孔群を合わせて、第1部と第2部とを一体としたままで挿入させる。このため、フィンについての長手方向に対して垂直で板厚方向に対して平行な方向である幅方向の長さについて、第1部や第2部のいずれか一方だけの比較的細長い形状のフィンを用いて第1伝熱管群や第2伝熱管群に対して挿入させる場合と比較して、第1部と第2部とを一体としたままで挿入させる場合のほうが、幅方向がより長い状態のままで挿入することができる。また、フィンには、第1伝熱管群および第2伝熱管群の配置に対応するように第1孔群および第2孔群が、第1部側と第2部側とにスリットを隔てて配置されている。このため、フィンの第1部と第2部とを一体としたままで安定させた挿入が可能になる。したがって、フィンの集積ミスが生じる確率を減少させることが可能になる。
これに対して、第11発明の熱交換器の製造システムでは、スリット形成部においてスリットが設けられたフィンを、挿入部において第1部と第2部とを一体としたままで第1集積ガイドピン群に対して第1孔群を合わせて第2集積ガイドピン群に対して第2孔群を合わせて挿入させる。このため、フィンについての長手方向に対して垂直で板厚方向に対して平行な方向である幅方向の長さについて、第1部や第2部のいずれか一方だけの比較的細長い形状のフィンを用いて第1集積ガイドピン群や第2集積ガイドピン群に対して挿入させる場合と比較して、第1部と第2部とを一体としたままで挿入させる場合のほうが、幅方向がより長い状態のままで挿入することができる。また、フィンには、挿入対象となる第1集積ガイドピン群および第2集積ガイドピン群の配置に対応するように第1孔群および第2孔群が、第1部側と第2部側とにスリットを隔てて配置されている。このため、フィンの第1部と第2部とを一体としたままで安定させた挿入が可能になる。したがって、フィンの集積ミスが生じる確率を減少させることが可能になる。
これに対して、第12発明の熱交換器の製造システムでは、スリット形成部においてスリットが設けられたフィンを、挿入部において第1部と第2部とを一体としたままで第1伝熱管群に対して第1孔群を合わせて第2伝熱管群に対して第2孔群を合わせて挿入させる。このため、フィンについての長手方向に対して垂直で板厚方向に対して平行な方向である幅方向の長さについて、第1部や第2部のいずれか一方だけの比較的細長い形状のフィンを用いて第1伝熱管群や第2伝熱管群に対して挿入させる場合と比較して、第1部と第2部とを一体としたままで挿入させる場合のほうが、幅方向がより長い状態のままで挿入することができる。また、フィンには、挿入対象となる伝熱管の配置に対応するように第1孔群および第2孔群が、第1部側と第2部側とにスリットを隔てて配置されている。このため、フィンの第1部と第2部とを一体としたままで安定させた挿入が可能になる。したがって、フィンの集積ミスが生じる確率を減少させることが可能になる。
第2発明に係る熱交換器の製造方法では、第2集積ガイドピン群が第1集積ガイドピン群に対して略平行に配置されている場合であっても、第1部と第2部とを一体としたままで安定させた挿入が可能となり、フィンの集積性が損なわれないようにすることができる。
第4発明に係る熱交換器の製造方法では、集積ミスが生じる確率を抑えながら1列熱交換器を製造することができる。
第5発明に係る熱交換器の製造方法では、スリット分割面の形状がいびつになることを抑えることができる。
第7発明に係る熱交換器の製造方法では、フィンを伝熱管に対する所定の位置に定める場合に分割されにくい程度の対分割強度を確保しつつ、スリット分割面の形状がいびつになることをより効果的に抑えることができる。
第9発明に係る熱交換器の製造方法では、スリット分割面の形状がいびつになることをより効果的に抑えることができる。
第10発明に係る熱交換器の製造方法では、フィンの集積ミスが生じる確率を減少させつつ、従来のフィンを整列させる工程を不要とすることが可能になる。
第12発明に係る熱交換器の製造システムでは、フィンの集積ミスが生じる確率を減少させつつ、従来のフィンを整列させる工程を不要とすることが可能になる。
[熱交換器の構造]
本発明の製造方法によって製造される対象となる熱交換器1(1a、1b、1c)の正面図を図1に示す。この熱交換器1は、例えば、空気調和機の室内機や室外機において、伝熱管内に冷媒を流通させ管外側の空気と熱交換させるための機器として用いられている。以下、熱交換の対象となる空気の入り口側を吸い込み側と表し、他方の出口側を吹き出し側と表すこととする。熱交換器1は、矩形平板状の外観形状を有するクロスフィン型の熱交換器である。熱交換器1は、主に、略平行に配置された複数のヘアピン形状の伝熱管11と、複数の伝熱管11が板厚方向に貫通する孔を有し板厚方向に所定の間隔を空けて配置された複数のプレートフィン14(14a、14b)とから構成されている。そして、複数の伝熱管11のヘアピン部11aの反対側に位置する各管端部11bは、それぞれ、U字管19によって連結されている。U字管19は、伝熱管11の管内径とほぼ同じ管内径を有しており、伝熱管11の管端部11bからさらに外方に突出するように配置されている。熱交換器1には、図6において示すように、略直線上1列に配置された伝熱管11と複数枚のプレートフィン14等とで構成される1列熱交換器1a、1列熱交換器1bと、略直線上に配置され互いに略平行となるように2列に設けられた伝熱管11と複数枚のプレートフィン14等とで構成される2列熱交換器1c等がある。
本発明の一実施形態に係る熱交換器の製造方法の概略についてのフローチャートを、図2に示す。
熱交換器の製造方法では、ステップS1では、まず、スリット入り2列プレートフィン14を複数枚成形する。ここでは、初めに、2列プレートフィンを複数枚形成する。この2列プレートフィンは、最終的に組み合わせる伝熱管11の配置に対応するようにして互いに略平行な孔群50,60が2列に設けられているプレートフィンであり、金型を用いて複数枚成形する。こうして得られた複数枚の2列プレートフィンに対して、2列の孔群50、60の間で長手方向に一定の間隔で延びるスリット14Sを形成する(図2、図3、図4参照)。これにより、複数枚のスリット入り2列プレートフィン14が作成されて、ステップS2に移行する。
ステップS3では、図2および図3に示すように、複数のスリット入り2列プレートフィン14を、集積ガイドピン群40に対して挿入し、所定の位置に定まるようにスタッキング(集積)させていく。これにより、複数のスリット入り2列プレートフィン14が整列される。
ステップS5では、ステップS4で整列状態のスリット入り2列プレートフィン14の各孔群50,60に対して差し込まれた各伝熱管11の拡管を行う。これにより、各伝熱管11に対して各スリット入り2列プレートフィン14が固定されて、位置が定まる。
ステップS8では、図6において示すように、ステップS4において判断されたように、分割しないで、そのまま1つの2列熱交換器1cを得る。
<スリット入り2列プレートフィン形成工程>
ここでは、上記ステップS1におけるスリット入り2列プレートフィン14の形成工程について、詳細に説明する。
金型で形成される2列プレートフィンは、厚みがおよそ0.1mm程度となるように形成する。また、金型で形成される2列プレートフィンには、図4に示すように、複数の伝熱管11を板厚方向に貫通させるために伝熱管11の配置に対応して設けられる複数の孔15hから成る吸い込み側孔群15aと、複数の伝熱管11を板厚方向に貫通させるために伝熱管11の配置に対応して設けられる複数の孔16hから成る吹き出し側孔群16bとの2つの孔群(15a、16b)が形成される。2列プレートフィンは、図3に示すように、吸い込み側孔群15aが設けられている吸い込み側フィン14aと、吹き出し側孔群16bが設けられている吹き出し側フィン14bとから構成されることになる。なお、吸い込み側孔群15aは、スリット入り2列プレートフィン14を整列させるためにスタッキングする際に、複数の集積ガイドピン51,52から構成される集積ガイドピン群50に対応される。また、吹き出し側孔群16bは、スリット入り2列プレートフィン14を整列させるためにスタッキングする際に、複数の伝熱管61,62から構成される伝熱管群60に対応される。
<スリット入り2列プレートフィン集積工程>
上述した伝熱管11は、スリット入り2列プレートフィン14の長手方向の列を1つの電熱管群を1列とすると、66列分配列される。このため、集積ガイドピン群40もこれに合わせて66列となるように設けられている。なお、ここでは、集積ガイドピン群40の長手方向の集積ガイドピンの数は、挿入される伝熱管11の数よりも少なく、例えば、長手方向に2本程度設けられて、フィンの孔が余るようになっている。この集積ガイドピン群40に対して、上述したスリット入り2列プレートフィン14を集積させていく。ここでは、吸い込み側孔群15aが集積ガイドピン群50と、吹き出し側孔群16bが集積ガイドピン群60それぞれと対応するようにして、複数枚のスリット入り2列プレートフィン14が、吸い込み側フィン14aと吹き出し側フィン14bとが一体となっている状態のままで集積ガイドピン群40に対して挿入される。スリット入り2列プレートフィン14の集積は、プレートフィンの厚み方向に対して所定の間隔が確保されて整列されるように集積が続けられ、最終的にプレートフィンの厚み方向に800mm程度積み上げた段階で集積を終える。
スリット入り2列プレートフィン14が集積されて整列されると、スリット入り2列プレートフィン14の孔のうち、集積ガイドピンが対応していない孔が生じる。そして、この余った孔に対して伝熱管11を数本差し込んで、スリット入り2列プレートフィン14の整列状態を維持させたままで集積ガイドピン群40から複数のスリット入り2列プレートフィン14を抜き取る。その後、伝熱管11が差し込まれていない部分に対して伝熱管11を追加的に差し込む。これによりスリット入り2列プレートフィン14に設けられている孔の全てに対して伝熱管11が差し込まれる。
スリット入り2列プレートフィン14に設けられている孔の全てに対して伝熱管11が差し込まれると、各伝熱管11を管の内側から外側に向けて広げる拡管作業が行われる。これにより、複数のスリット入り2列プレートフィン14は、複数の伝熱管11に対して固定される。
上記ステップS6で判断したように、1列熱交換器1a、1bを製造する場合には、スリット入り2列プレートフィン14のスリット14Sを境目として、吸い込み側フィン14aと吹き出し側フィン14bとに分割する。これにより、集積されたスリット入り2列プレートフィン14群1つに対して、2つの1列熱交換器1a、1bを得ることができる。また、2列熱交換器1cを製造する場合には、このような分割は行わず、1つの2列熱交換器1cを得ることができる。すなわち、上記製造工程の場合には、66列の伝熱管11が用いられているため、1列熱交換器1a、1bを製造する場合には、一度に66台の熱交換器を製造することができる。また、2列熱交換器1cを製造する場合には、一度に33台分の熱交換器を製造することができる。
(1)
従来の1列熱交換器の製造方法では、一直線上に配列された集積ガイドピンに対して細長い形状の1列プレートフィンを集積させる場合に、1列プレートフィンの長手方向の長さと比べて長手方向に対して垂直で板厚方向に対して平行な方向である幅方向の長さが非常に短い。このため、1列プレートフィンの場合には、挿入課程において、何らかの原因で孔が挿入対象とする集積ガイドピンの先端部分に納まらないでズレが生じ得る状況では、1列プレートフィンはバランスをくずしやすい。このため、1列プレートフィンを用いた挿入作業宇では、安定した挿入を行うことが困難である。
(2)
上記熱交換器の製造方法では、最終的に分割するか否かによって、1列熱交換器1a、1bと、2列熱交換器1cとを選択的に製造することができる。このため、共通の製造工程によって1列熱交換器1a、1bと2列熱交換器1cとの両方を選択可能に製造できるため、生産性を向上させることができる。また、例えば、2列プレートフィンの製造に金型を用いている場合には、1列熱交換器の製造と2列熱交換器の製造とを切り換える場合に必要とされる1列プレートフィンの金型と2列プレートフィンの金型との交換作業を無くすることができる。このため、交換に要する時間を短縮化することができる。
上記熱交換器の製造方法では、スリット入り2列プレートフィン14として、ピッチPが18mmであってスリット14Sの長手方向の長さが0.2mmであるものを採用して挿入作業を行っている。このため、スリット入り2列プレートフィン14を伝熱管11に対する所定の位置に定まるように集積させる場合に、意図しない分割を生じにくくすることができる程度の強度を確保しつつ、スリット分割面の形状がいびつにならないようにすることができる。例えば、上記拡管作業において、伝熱管11を内側から押し広げてスリット入り2列プレートフィン14に対して固定する場合に、スリット14S付近に加わる力やひずみに耐えうる程度の強度を確保することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記熱交換器の製造方法では、金型を用いてスリット入り2列プレートフィン14を形成し、その後にスリット14Sを形成することで、スリット入り2列プレートフィン14を作成する場合について例に挙げて説明した。
上記熱交換器の製造方法では、ピッチPが18mmであって、スリット14Sの長手方向の長さが0.2mmであるスリット入り2列プレートフィン14を用いて製造する場合を例に挙げて説明した。
しかし、スリット入り2列プレートフィン14の接続部分14Cの長手方向の長さCLや、スリット14Sの長手方向の長さSLや、ピッチPは、スリット入り2列プレートフィン14の厚みによって上記値から微調整させることにより製造してもよい。スリット入り2列プレートフィン14の厚みが増すにつれて接続部分14Cの長さCLを短くしたり、ピッチPを長くしたりしてもよい。これにより、分割面をよりきれいにすることができる。また、スリット入り2列プレートフィン14の厚みが減少するにつれて接続部分14Cの長さCLを長くしたり、ピッチPを長くしたりしてもよい。これにより、スリット入り2列プレートフィン14の厚みを薄くして形成する場合であっても、分割面の形状をある程度きれいな状態になるように確保しつつ、分割面の強度についても意図していない分割を生じにくくすることができる程度の強度を確保することができる。
上記熱交換器の製造方法では、1列熱交換器または2列熱交換器の製造方法について各工程についてそれぞれ詳細に説明した。
これに対して、上記各工程が1つの製造システムとして構成された、図7において示すような、熱交換器製造システム100によって熱交換器を製造してもよい。熱交換器製造システム100は、主に、2列プレートフィン形成部70、スリット形成部75と、スタッキング80と、伝熱管差込部85、拡管部90、分割部95およびこれらを制御する制御部99を備えている。2列プレートフィン形成部70では、金型を用いた2列プレートフィン14の形成が行われる。スリット形成部75では、2列プレートフィン形成部70において2列プレートフィン14が形成されたことについての情報を得ると、上述したようにスリット14Sを形成する。スタッキング80では、スリット形成部75においてスリット14Sが形成されたことについての情報を得ると、上述したように集積ガイドピン40に対して挿入作業が行われる。伝熱管差込部85では、スタッキング部80によって集積整列されたスリット入り2列プレートフィン14の各孔に対して伝熱管11を差し込んでいく。分割部95では、伝熱管11の差込作業が終了したことについての情報を得ると、上述したように分割して1列熱交換器1a、1bを得るか、分割しないで2列熱交換器1cを得るか判断して、1列熱交換器1a、1bを得ると判断した場合に熱交換器1を分割するする。このような1連の製造システムであっても、上記実施形態と同様な効果を奏することができる。
上記熱交換器の製造方法では、集積ガイドピンを用いた熱交換器の製造方法についてについて説明した。
しかし、上述した集積ガイドピン群40に対して集積させるのではなく、図8において示すように、整列させた伝熱管11に対して直接に、複数のスリット入り2列プレートフィン14をスタッキングしていくことで、熱交換器を製造してもよい。すなわち、図8に示すように、伝熱管251,252,253・・・からなる伝熱管群250に対して複数の孔15hからなる吸い込み側孔群15aを合わせて、且つ、伝熱管261,262,263・・・からなる伝熱管群260に対して複数の孔16hからなる吹き出し側孔群16bを合わせて、吸い込み側フィン14aと吹き出し側フィン14bとを一体としたままで挿入させようにしてもよい。これによると、スリット入り2列プレートフィン14についての長手方向に対して垂直で板厚方向に対して平行な方向である幅方向の長さについて、吸い込み側フィン14aと吹き出し側フィン14bのいずれか一方だけの比較的細長い形状のフィンを用いて伝熱管群250や伝熱管群260に対して挿入させる場合と比較して、吸い込み側フィン14aと吹き出し側フィン14bとを一体としたままで挿入させる場合のほうが、幅方向がより長い状態のままで挿入することができる。また、スリット入り2列プレートフィン14には、伝熱管群250および伝熱管群260の配置に対応するように吸い込み側孔群15aおよび吹き出し側孔群16bが、吸い込み側フィン14a側と吹き出し側フィン14b側とにスリットを隔てて配置されている。このため、スリット入り2列プレートフィン14の吸い込み側フィン14aと吹き出し側フィン14bとを一体としたままで安定させた挿入が可能になる。したがって、フィンの集積ミスが生じる確率を減少させることが可能になる。
上記熱交換器の製造方法では、1列熱交換器または2列熱交換器の製造方法について各工程についてそれぞれ詳細に説明した。
これに対して、上述した変形例(C)と同様に、上記各工程が上記変形例(D)に対応した1つの製造システムとして構成された、図9において示すような、熱交換器製造システム200によって熱交換器を製造してもよい。熱交換器製造システム200は、主に、2列プレートフィン形成部270、スリット形成部275と、スタッキング280と、拡管部290、分割部295およびこれらを制御する制御部299を備えている。2列プレートフィン形成部270では、金型を用いた2列プレートフィン14の形成が行われる。スリット形成部275では、2列プレートフィン形成部270において2列プレートフィン14が形成されたことについての情報を得ると、上述したようにスリット14Sを形成する。スタッキング280では、スリット形成部75においてスリット14Sが形成されたことについての情報を得ると、変形例(D)で述べたように、複数の伝熱管11に対して挿入作業が行われる。分割部95では、伝熱管11へのスリット入り2列プレートフィン14の集積が終了したことについての情報を得ると、上述したように分割して1列熱交換器1a、1bを得るか、分割しないで2列熱交換器1cを得るか判断して、1列熱交換器1a、1bを得ると判断した場合に熱交換器1を分割するする。このような1連の製造システムであっても、上記実施形態と同様な効果を奏することができる。
11 管、伝熱管
14 フィン(2列プレートフィン、スリット入り2列プレートフィン)
14a 第1部(吸い込み側フィン)
14b 第2部(吹き出し側フィン)
14C 接続部分
14S スリット
15a 第1孔群
16b 第2孔群
50 第1集積ガイドピン群
51,52・・・ 第1集積ガイドピン
60 第2集積ガイドピン群
61,62・・・ 第2集積ガイドピン
70,75 スリット形成部、2列プレートフィン形成部
80 挿入部、スタッキング部
100 熱交換器の製造システム
200 熱交換器の製造システム
270,275 スリット形成部、2列プレートフィン形成部
280 挿入部、スタッキング部
250 第1伝熱管群
251,252,253・・・ 第1伝熱管
260 第2伝熱管群
261,262,263・・・ 第2伝熱管
CL 接続部分の長手方向の長さ
P ピッチ
Claims (12)
- 複数のフィン(14)の板厚方向に管(11)が貫通されて構成される熱交換器(1)の製造方法であって、
複数の第1集積ガイドピン(51,52)から構成される第1集積ガイドピン群(50)を板厚方向に貫通させるための第1孔群(15a)と複数の第2集積ガイドピン(61,62)から構成される第2集積ガイドピン群(60)を板厚方向に貫通させるための第2孔群(16b)との2つの孔群が形成されている複数のフィン(14)それぞれに対して、前記第1孔群(15a)が形成されている第1部(14a)と前記第2孔群(16b)が形成されている第2部(14b)との間で長手方向に延びる所定の間隔のスリット(14S)を設けるスリット形成工程と、
前記複数のフィン(14)それぞれを前記第1部(14a)と前記第2部(14b)とを一体としたままで、前記第1集積ガイドピン群(50)に対して前記第1孔群(15a)を合わせて前記第2集積ガイドピン群(60)に対して前記第2孔群(16b)を合わせて挿入させる挿入工程と、
を備えた熱交換器(1)の製造方法。 - 前記第1集積ガイドピン群(50)を構成する前記第1集積ガイドピン(51,52)は、略並列直線上に配列され、
前記第2集積ガイドピン群(60)を構成する前記第2集積ガイドピン(61,62)は、略並列直線上に配列され、
前記第2集積ガイドピン群(60)は、前記第1集積ガイドピン群(50)に対して略平行に配置される、
請求項1に記載の熱交換器(1)の製造方法。 - 前記第1部(14a)と前記第2部(14b)とが一体となった状態を、少なくとも前記第1集積ガイドピン群(50)および前記第2集積ガイドピン群(60)に対する前記フィン(14)の位置が定まるまで維持させる、
請求項1または2に記載の熱交換器(1)の製造方法。 - 前記第1集積ガイドピン群(50)および前記第2集積ガイドピン群(60)に対する位置が定められた複数のフィン(14)を、前記スリット(14S)において前記第1部(14a)と前記第2部(14b)とに分割する分割工程をさらに備えた、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器(1)の製造方法。 - 前記スリット(14S)同士の間の接続部分(14C)について、前記長手方向の長さ(CL)が1.0mm以下である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換器(1)の製造方法。 - 前記接続部分(14C)について、前記長手方向の長さ(CL)が0.5mm以下である、
請求項5に記載の熱交換器(1)の製造方法。 - 前記接続部分(14C)について、前記長手方向の長さ(CL)が0.2mm以上0.3mm以下である、
請求項6に記載の熱交換器(1)の製造方法。 - 前記接続部分(14C)に隣接する一方のスリット(14S)と前記接続部分(14C)との前記長手方向の合計の長さ(P)が、10mm以上である、
請求項5から7のいずれか1項に記載の熱交換器(1)の製造方法。 - 前記接続部分(14C)に隣接する一方のスリット(14S)と前記接続部分(14C)との前記長手方向の合計の長さ(P)が、18mm以上である、
請求項5から8のいずれか1項に記載の熱交換器(1)の製造方法。 - 複数のフィン(14)の板厚方向に伝熱管(11)が貫通されて構成される熱交換器(1)の製造方法であって、
複数の第1伝熱管(251,252、253・・・)から構成される第1伝熱管群(250)を板厚方向に貫通させるための第1孔群(15a)と複数の第2伝熱管(261,262、263・・・)から構成される第2伝熱管群(260)を板厚方向に貫通させるための第2孔群(16b)との2つの孔群が形成されている複数のフィン(14)それぞれに対して、前記第1孔群(15a)が形成されている第1部(14a)と前記第2孔群(16b)が形成されている第2部(14b)との間で長手方向に延びる所定の間隔のスリット(14S)を設けるスリット形成工程と、
前記複数のフィン(14)それぞれを前記第1部(14a)と前記第2部(14b)とを一体としたままで、前記第1伝熱管群(250)に対して前記第1孔群(15a)を合わせて前記第2伝熱管群(260)に対して前記第2孔群(16b)を合わせて挿入させる挿入工程と、
を備えた熱交換器(1)の製造方法。 - 複数のフィン(14)の板厚方向に管(11)が貫通されて構成される熱交換器(1)の製造システム(100)であって、
複数の第1集積ガイドピン(51,52)から構成される第1集積ガイドピン群(50)を板厚方向に貫通させるための第1孔群(15a)と複数の第2集積ガイドピン(61,62)から構成される第2集積ガイドピン群(60)を板厚方向に貫通させるための第2孔群(16b)との2つの孔群が形成されている複数のフィン(14)それぞれに対して、前記第1孔群(15a)が形成されている第1部(14a)と前記第2孔群(16b)が形成されている第2部(14b)との間で長手方向に延びる所定の間隔のスリット(14S)を設けるスリット形成部(70、75)と、
前記複数のフィン(14)それぞれを前記第1部(14a)と前記第2部(14b)とを一体としたままで、前記第1集積ガイドピン群(50)に対して前記第1孔群(15a)を合わせて前記第2集積ガイドピン群(60)に対して前記第2孔群(16b)を合わせて挿入させる挿入部(80)と、
を備えた熱交換器(1)の製造システム(100)。 - 複数のフィン(14)の板厚方向に伝熱管(11)が貫通されて構成される熱交換器(1)の製造システム(200)であって、
複数の第1伝熱管(251,252、253・・・)から構成される第1伝熱管群(250)を板厚方向に貫通させるための第1孔群(15a)と複数の第2伝熱管(261,262、253・・・)から構成される第2伝熱管群(260)を板厚方向に貫通させるための第2孔群(16b)との2つの孔群が形成されている複数のフィン(14)それぞれに対して、前記第1孔群(15a)が形成されている第1部(14a)と前記第2孔群(16b)が形成されている第2部(14b)との間で長手方向に延びる所定の間隔のスリット(14S)を設けるスリット形成部(270、275)と、
前記複数のフィン(14)それぞれを前記第1部(14a)と前記第2部(14b)とを一体としたままで、前記第1伝熱管群(250)に対して前記第1孔群(15a)を合わせて前記第2伝熱管群(260)に対して前記第2孔群(16b)を合わせて挿入させる挿入部(280)と、
を備えた熱交換器(1)の製造システム(200)。
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