JP2006109616A5 - - Google Patents

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回転電機及び回転電機の電機子巻線
本発明は、回転電機及び回転電機の電機子巻線に関する。
従来の回転電機では、図42の断面図に示すように、図示していない回転子の回転軸心に沿うように延在する複数の巻線スロット10を設けた固定子鉄心3と、巻線スロット10に埋設され、かつ積み重なる多数の素線導体5でそれぞれ構成される上コイル2c、下コイル2dからなる電機子巻線2と、固定子鉄心3内の径方向に複数の通風ダクト4から構成されており、素線導体5は、巻線スロット10内に格納された部分で、巻線スロット10の延在方向に向かって連続的に捩られて360度転位するように形成され、固定子鉄心3の両側面より外側に突き出る電機子巻線2の両側部で素線導体5は短絡されている。
このような構成の多重素線導体に交流電流が流れる場合には、巻線スロット10を周方向に横切る漏れ磁束が発生し、これによって多重素線導体の長手方向の各部分における素線導体5の間に電圧が誘起される。そして、任意の素線導体対において、巻線導体の全長にわたる各素線導体の誘起電圧に非常に大きな差が生じると、閉ループ状の素線導体対には大きな循環電流が流れ、電流損失が増大するとともに素線導体内部で発生する熱も増大する。
そこで、素線導体の全長にわたって各素線導体間に誘起される電圧をほぼ等しくして循環電流が流れないようにするため、素線導体を各種の方法によって転位することが行われている。
ここで、図43及び図44を参照して従来の技術である、素線導体の転位について説明する。この素線導体の転位は、素線導体を巻線スロットの延在方向に向かってねじることにより、各素線導体の位置を順次変更させたもので、素線導体の断面において、ある素線導体が断面中心の周りを円状に移動すると考え、その回転の角度で転位の程度を表す。各素線導体が、素線導体断面において全ての位置を経て巻線スロットの反対端で出発した位置と同じ位置になる転位は、360度転位という。
図43は360度転位の素線構成を表す模式図であり、図示していない回転子の回転軸心に沿うように延在する複数の巻線スロットを設けた固定子鉄心3と、前記巻線スロットに埋設され、かつ積み重なる多数の素線導体5で構成される電機子巻線2と、固定子鉄心内の径方向に複数の通風ダクト4から構成されており、素線導体5は、巻線スロット内に格納された部分で、巻線スロットの延在方向に向かって連続的に捩られて360度転位するように形成され、固定子鉄心の両側面より外側に突き出る電機子巻線2の両側部で素線導体5は短絡されている。
図43には2つの代表的な素線導体5a、5b間に鎖交する磁束を示しており、図では、鉄心部分の鎖交磁束を16a〜16cと示しているが、例えば16aと16cの和は16bに等しくなり、巻線スロット内で鎖交する磁束による素線導体5a、5b間の誘起電圧が相殺されるような構成となっている。
しかし、巻線スロット内では360度転位が施されているが、巻線スロット外では転位されていないので、回転電機の端部側の漏れ磁束16x、16yによって不平衡電圧が発生し、素線導体5a、5b内には循環電流が生じている。
上述のようにこうした回転電機の端部には漏れ磁束があるため、これにより巻線導体の端部に電圧が誘起され、素線導体内に循環電流が流れて電流損失が発生する。この損失を低減するためには、素線導体の両端部における素線導体の位置を逆転し、同一素線導体の両端部に誘起される各電圧の方向を互いに逆にしてこれらを相殺すればよい。これは素線導体を巻線スロット内で540度転位、すなわち1回転半の転位をすることで実現できる。
図44は540度転位の素線構成を表す模式図であり、図43と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図44において、転位ピッチは両端部から鉄心長の1/4の範囲で中央部の2倍であり、すなわち、両端部から鉄心長の1/4の範囲及び中心部の鉄心長の1/2の範囲で、それぞれ180度の転位がなされている。素線導体5a、5b間の鎖交磁束16aと16eの和は16cに等しく、16bと16fの和は16dに等しくなるので、巻線スロット内の鎖交磁束では素線5a、5b間の誘起電圧は相殺される。また、巻線スロット外では16xと16yに鎖交する磁束がそれぞれ相殺しあうので、端部の漏れ磁束による循環電流も低減できることになる。
この他にも450度転位により端部側の漏れ磁束による不平衡電圧を低減することも可能であり、原理的にはnを0以外の整数として、360+90n度の転位が考えられる。
また、導体素線をスロット内においてわたりの間隔を不均一にし、かつ周方向及び半径方向に位置的に転位した部分と転位しない部分とを設けてスロット内の導体素線に不平衡電圧を発生させ、この不平衡電圧によってスロット外の導体素線に発生する不平衡電圧を補償するようにしたものもある(特許文献1参照)。
特許文献1の発明は、スロット内において転位しない部分を設けているため、転位ピッチが短くなり、素線導体の絶縁を破損し、素線導体が短絡を起こす可能性があった。
更に、第1の例の問題点を改善するために、素線導体は、両端部を除いてスロットの延びる方向に向かって連続的にねじられて転位するように形成され、積み重ね方向の厚みを異ならしめ、素線導体は両端部では回転子の回転中心から放射方向に並ぶ素線導体を回転子に近い方に厚みの厚いものが占めるように配置したものもある(特許文献2参照)。
一方、図43のような端部側の漏れ磁束を相殺するため、転位角を上述した360+90n度から少し前後させる場合もある。この場合は、通常、端部側の漏れ磁束による誘起電圧による循環電流損失と、巻線スロット内での鎖交磁束による誘起電圧による循環電流損失の和を小さくするように、転位角を決定する。
次に、機内の冷却ガス通風経路を図45を用いて説明する。図45は、タービン発電機等の回転電機における冷却ガス通風経路の基本構成例である。
回転電機の固定子鉄心は鉄心抜板を積層するとともに、内側間隔片を所定の間隔で挿入して放射状の通風ダクトを形成する。通風ダクト4は軸方向に一つ以上のセクションに分割し、鉄心の外径から内径側へ流れる給気セクションと内径から外径側へ流れる排気セクションに区切られる。図45は固定子鉄心3を2つの給気セクション4aと3つの排気セクション4bに分割した構成例である。
冷却ガスは回転子両端に取り付けた回転子ファン11から吐出され、回転子1、エアギャップ9および電機子巻線端部2bの3方向に分岐する。
固定子への冷却ガスの供給は、ファン11から直接エアギャップ9に流れ込む通風経路からと、電機子巻線端部2bを冷却した後の冷却ガスを固定子鉄心3の給気セクション4aに導き行う。
給気セクション4aに供給された冷却ガスは、通風ダクト群を外径側から内径側へと流れ、固定子鉄心3および電機子巻線2を冷却した後、エアギャップ9に排出される。エアギャップ部9では、回転子1からの排気ガスおよびファン11から直接エアギャップ内に流れ込む冷却ガスと合流し、さらに排気セクション4bを内径側から外径側へ流れて、固定子鉄心3および電機子巻線2を冷却し、固定子外径側で合流する。固定子および回転子を冷却して高温となった冷却ガスは水冷式ガスクーラ12を通過して冷却され、風導を通って再び回転子ファン11へと循環する。
電機子巻線および界磁巻線はそれらを構成する絶縁物の耐熱性能により厳しく温度上限が制限されており、回転電機の設計においては、これらの温度が規格値以下に保たれるように設計する必要がある。
電機子巻線を効率よく冷却するためには、巻線温度が低い部位には冷却ガスを少なく高い部位に集中的に供給して、巻線温度を平準化することが望ましい。
冷却ガスの供給量を調整する手段の一つとして固定子鉄心ダクトを軸方向に不等ピッチで配置する方法がある。一例として図46に通風ダクトを不等ピッチに配置した固定子鉄心の構成例を示す。
固定子端部からエアギャップに流入する冷却ガスは、ファンから直接供給されるためその他の部位と比較してガス温度が低く冷却上有利であるため、鉄心端部側の通風ダクト4のピッチをその他の部位と比較して大きくして配置した。
また、給気セクションの冷却ガスは排気セクションと比較して温度が低いため給気セクションのダクトピッチを排気セクションのダクトピッチよりも大きく配置することもある。
特公昭58−14141号公報 特開2002−78265
上述した回転電機及び回転電機の電機子巻線において、固定子の通風ダクトを軸方向に不均等に分布させた場合、前記鉄心部で生じる漏れ磁束の分布が軸方向に一様で無くなり、素線導体間を鎖交する磁束のバランスが失われ、導体素線間に不平衡電圧が生じ、循環電流が生ずることによって、導体素線間に損失分布が生じ、導体が局所的に過熱することが課題であった。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、固定子の通風ダクトの不均等な分布による導体素線間の循環電流を低減でき、電機子巻線の局部過熱を抑制することのできる回転電機及び回転電機の電機子巻線を得ることを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、回転子と、該回転子の回転軸心に沿うように延在する複数の巻線スロットを設けた固定子鉄心と、前記巻線スロットに埋設され、かつ積み重なる多数の素線導体で構成される電機子巻線を有し、前記固定子鉄心は径方向に複数の通風ダクトを有し、前記素線導体は、前記巻線スロット内に格納された部分で、前記巻線スロットの延在方向に向かって連続的に捩られて転位するように形成され、前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る前記電機子巻線の両側部では前記素線導体を短絡させてなる回転電機において、前記固定子鉄心の前記素線導体の転位ピッチ180度に相当する長さを1鉄心単位領域とし、前記固定子鉄心の一方の端部から奇数番目の前記鉄心単位領域において前記素線導体間に誘起する素線間電圧の総和が、前記鉄心端部から偶数番目の前記鉄心単位領域において、前記素線導体間に誘起する素線間電圧の総和と相殺するように、前記鉄心占積率の異なる部分を含むサブ鉄心部を設けたことを特徴とする回転電機である。
前記目的を達成するため、請求項12に対応する発明は、径方向に複数の通風ダクトを備え、かつ軸心方向に複数の巻線スロットを備えた固定子鉄心の該各巻線スロットにそれぞれ積み重なる複数の素線導体が収納され、前記素線導体は、前記巻線スロット内に格納された部分で、前記巻線スロットの延在方向に向かって連続的に捩られて転位するように形成され、前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る両側部では前記素線導体を短絡させてなる回転電機の電機子巻線において、
前記固定子鉄心の一部に、鉄心占積率が異なるサブ鉄心部を設け、前記素線導体の転位ピッチを、前記サブ鉄心部において増減する不平衡電圧を相殺するように増減させたことを特徴とする回転電機の電機子巻線である。
前記目的を達成するため、請求項14に対応する発明は、径方向に複数の通風ダクトを備え、かつ軸心方向に複数の巻線スロットを備えた固定子鉄心の該各巻線スロットにそれぞれ積み重なる複数の素線導体が収納され、前記素線導体は、前記巻線スロット内に格納された部分で、前記巻線スロットの延在方向に向かって連続的に捩られて転位するように形成され、前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る両側部では前記素線導体を短絡させてなる回転電機の電機子巻線において、
前記固定子鉄心の一部に、前記通風ダクトの占積率が異なるサブ鉄心部を設け、前記素線導体の前記固定子鉄心部における転移角を、前記固定子鉄心占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる前記素線間の不平衡電圧を極小化する転位角から、前記サブ鉄心部が増減させる前記固定子鉄心部の磁気抵抗によって前記素線間に生じせしめる不平衡電圧を相殺するように異ならしめたことを特徴とする回転電機の電機子巻線である。
前記目的を達成するため、請求項19に対応する発明は、径方向に複数の通風ダクトを備え、かつ軸心方向に複数の巻線スロットを備えた固定子鉄心の該各巻線スロットにそれぞれ積み重なる複数の素線導体が収納され、前記素線導体は、前記巻線スロット内に格納された部分で、前記巻線スロットの延在方向に向かって連続的に捩られて転位するように形成され、前記素線導体の転位ピッチを、前記素線間の不平衡電圧を極小化するように複数設け、前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る両側部では前記素線導体を短絡させてなる回転電機の電機子巻線において、
前記固定子鉄心の一部に、前記固定子鉄心内の占積率が異なるサブ鉄心部を設け、
前記素線導体の転位ピッチの変曲点を、前記固定子鉄心占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる前記素線間の不平衡電圧を極小化する位置から、前記サブ鉄心部が増減させる前記固定子鉄心部の磁気抵抗によって前記素線間に生じせしめる不平衡電圧を相殺するようにずらしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線である。
前記目的を達成するため、請求項20に対応する発明は、径方向に複数の通風ダクトを備え、かつ軸心方向に複数の巻線スロットを備えた固定子鉄心の該各巻線スロットにそれぞれ積み重なる複数の素線導体が収納され、前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る両側部では前記素線導体を短絡させてなる回転電機の電機子巻線において、
前記固定子鉄心の一部に、前記通風ダクトの占積率が異なるサブ鉄心部を設け、
前記素線導体は、前記巻線スロット内に格納された部分で、前記巻線スロットの延在方向に向かって捩られて転位する部分と、転位しない部分を設け、前記サブ鉄心部が増減させる前記固定子鉄心部の磁気抵抗によって前記素線間に生じせしめる不平衡電圧を相殺するようにしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線である。
本発明によれば、固定子の通風ダクトの不均等な分布による導体素線間の循環電流を低減でき、電機子巻線の局部過熱を抑制することのできる回転電機及び回転電機の電機子巻線を提供できる。
以下、本発明に係る回転電機及び回転電機の電機子巻線の実施形態について、図面を参照して説明する。始めに図47〜図51を用いて循環電流による導体素線間の損失分布が生じる原理を説明する。
図47は転位角360度、図48は転位角540度の場合の素線構成と鎖交磁束を表す模式図であり、図43、図44と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図47において、通風ダクトが固定子鉄心内で均等に分布していれば、鎖交磁束は16bと16g、16cと16hのように互いに相殺しあうが、図のようにその他の部分よりも鉄心占積率が大きいサブ鉄心部14が端部に設けられた場合、鎖交磁束は16aは16f、16jは16eよりもそれぞれ大きくなる。そのため180度離れた部分での磁束が相殺できなくなり、素線導体5間に不平衡電圧が生じ、循環電流15が流れることになる。
図48についても同様に、固定子鉄心端部に設けたサブ鉄心部14により、鎖交磁束の均衡が崩れ、素線導体5間に不平衡電圧が生じ、循環電流15が流れることになる。
図49〜図51は150MVA級タービン発電機において数値解析によって不等配ダクトによる循環電流損失解析結果を示した例であり、図49は固定子鉄心の軸方向のダクトピッチの分布を示したものであり、横軸は端部から数えたダクト番号で、縦軸はダクトピッチである。図50は360度転位の場合の損失分布、図51は540度転位の場合の素線の損失分布を示したものであり、縦軸はエアギャップ側から高さ方向に数えた素線番号、横軸は該当素線における損失を示し、図42における右側の素線と左側の素線における損失を並べて示している。簡単のため、本解析ではコイル内の直流損と不等配ダクトによる循環電流損のみを考慮しており、素線における直流損を1PUとしている。
通風ダクトが固定子鉄心内で均等に分布していれば、素線間の損失分布は均等になるべきであるが、端部のダクトピッチを大きく、鉄心占積率を大きくした場合、転位角360度の場合は図50のように、エアギャップ側の素線が大きくなるような損失分布となる。
また、転位角540度の場合は図51のように、エアギャップ側とスロット底側とは 同等であるが中央部で大または小になるような損失分布となっている。このように、不等配な通風ダクトによって導体素線間に損失分布が生じ、冷却条件が同等であればこの分布に応じて導体間に温度分布が生じることになる。なお、本例で示した容量のタービン発電機では素線の540度転位は製造上難しいことがあるが、ここでは比較のために360度転位と同じ機器を対象として数値解析を行った結果を示したのであり、容量と転位角度の関係を限定するものではない。
(第1の実施形態)(請求項1〜5、10、11対応)
まず、図1〜図6を用いて第1の実施形態を説明する。本実施形態は、図1における回転子1と、回転子の回転軸心に沿うように延在する複数の巻線スロットを設けた固定子鉄心3と、前記巻線スロットに埋設され、かつ積み重なる多数の素線導体で構成される電機子巻線2と、固定子鉄心内の径方向に複数の通風ダクト4から構成されている。
固定子鉄心の軸方向両端部及び中央部に鉄心占積率がその他の固定子鉄心部分よりも大きいサブ鉄心部14(14a〜14d)を設け、素線導体5は、巻線スロット内に格納された部分で、巻線スロットの延在方向に向かって連続的に捩られて360度転位するように形成され、固定子鉄心の両側面より外側に突き出る電機子巻線2の両側部で素線導体5は短絡されている。
ここで、鉄心占積率とは全体の鉄心に対する正味の比であり、ここでの正味は通風ダクト、鉄心を積層構成している鉄板の表面に形成されている絶縁物等を除いた鉄心そのものである。
素線導体は、端部漏れ磁束に起因する不平衡電圧による循環電流損を低減するために、転位角を360度から90度以内の範囲で増減させても構わないが、本発明の説明では、簡単のため360度転位として説明する。
図2は、図1に示された固定子の下側半分を模式的に示したものであり、説明のためサブ鉄心部14を14a〜14dの4つの部分に分けて示している。また電機子巻線のうち、固定子内径側に位置する上コイルのみを示している。
このように構成された本実施形態において、負荷運転時には電機子巻線に電流が流れ、各素線導体に電流が分担して流れる。図1、図2には2つの代表的な素線導体5a、5b間に鎖交する磁束を示しており、図2では、鉄心部分の鎖交磁束を16a〜16jと示しているが、例えば16bと16gのように転位角で180度分離れた位置での鎖交磁束は、鎖交面積が同じで、当該部分の鉄心占積率が同じであれば、この部分の鎖交磁束による不平衡電圧は相殺される。従来の回転電機においては、例えば端部の16aに相当する部分の鉄心占積率が180度離れた16fに相当する部分の鉄心占積率より大きい時に、鎖交面積が等しくても、鎖交磁束16aが16fより大きくなるため、この部分の鎖交磁束の差によって素線間に不平衡電圧が生じる。また、同様に鎖交磁束16eと16jに関しても同様に不平衡電圧が生じ、鉄心占積率が大きい16aと16jの鎖交磁束が同じ向きになるため、不平衡電圧も強めあうことになる。本実施形態では、16eと16fに相当する部分の鉄心占積率が16a、16jと同じになっているため、16aと16f、16eと16jもそれぞれ相殺しあう。
上述した本発明の特徴を言い換えると、本実施形態では鉄心長の1/2となる、素線導体の転位角180度の範囲を1鉄心単位領域と呼ぶとして、各鉄心単位領域での鉄心占積率が素線導体の転位角に対して同様の分布となるように構成してあるともいえる。
図3は、従来例の説明で示したのと同容量の150MVA級タービン発電機を対象として360度転位を施し、図4に示すような通風ダクトピッチの分布の場合の素線導体間の損失分布を数値解析によって求めた一例を示したものである。図3は図50に比べて素線間の損失分布が平滑化されていることが示されている。
本実施形態によれば、鉄心部分の素線導体全体で不平衡電圧が小さくなり、循環電流の発生を抑え、循環電流損失を低減することができるので、素線間の損失分布を低減し、電機子巻線の導体の局所加熱を抑制することができる。
図5は図の下半分に本実施形態における冷却ガス通風経路の基本構成を示したもので、図の上半分にサブ鉄心部14(14a〜14d)の構成を示している。図45と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図5は固定子鉄心3を3つの給気セクション4cと4つの排気セクション4dに分割した構成例である。
固定子端部からエアギャップに流入する冷却ガスは、ファンから直接供給されるためその他の部位と比較してガス温度が低く冷却上有利であるため、鉄心端部側の通風ダクトピッチがその他の部位と比較して大きく鉄心占積率が大きいサブ鉄心部14a、14dを設け、更に軸方向中央部に設けたサブ鉄心部14b、14cも、その他の部位と比較してガス温度が低く冷却上有利である給気セクション内となるように配置して、軸方向の電機子巻線の温度分布が平準化されるようにしている。
このような効果は、鉄心3の軸方向中央部が給気セクションとなる場合に有効であり、通風セクションの数が、nを1以上の整数として4n−1、すなわち、3、7、11といった数の場合に、循環電流損失を抑え、より良好に固定子及び電機子巻線を冷却できる回転電機を提供できる。
ところで、本実施形態では図6に示すように、鉄心占積率の差異をダクトピッチの差異で構成したもの、つまりダクト相互間の積層鉄板の積厚を変えたものである。このようにすることで、ダクト幅を一定にできるので、内側間隔片は同一のもので構成できると同時に、通風ダクト間の通風抵抗を同等にでき、通風セクション内の風量分布の制御が容易になるので、より良好に鉄心やコイルを冷却できる。
一方、図7を用いて本発明の第1の実施形態の変形例を説明する。図7は固定子端部近傍のサブ鉄心部と通風ダクトの構成を示したものである。鉄心占積率がその他の部分に比べて大きいサブ鉄心部14aにおいては、通風ダクト4の幅が狭くなっている。このような構成であるので、通風ダクト間の鉄心部分の厚みを大きくすることなく積層できるので、鉄心を効率的に冷却することができる。
また、図8〜図9を用いて本発明の第2の実施形態の変形例を説明する。図8は固定子端部近傍のサブ鉄心部14aと通風ダクト4の構成を示したものであり、図9は鉄心部の拡大図を示したものである。固定子鉄心は通常図9に示すように、抜板鉄板である磁性体の表面に絶縁ワニス等の絶縁皮膜を施したものであるが、本発明の第2の実施形態の変形例では鉄心占積率の差異を、前記固定子鉄心3を構成する抜板鉄板の磁性体と絶縁皮膜の厚さの比の差異で構成している。
このような構成の回転電機とすれば、通風ダクトの構成を変えることなくサブ鉄心部を形成することができるので、通風設計の自由度が増し、より効率的な通風が可能となると同時に、絶縁皮膜の厚さを一定とすれば、鉄心占積率が小さい部分を、より薄い抜板で構成することになり、この部分の抜板面内磁束による渦電流損失を相対的に小さくできるので、温度上昇を抑えることができる。
(第2の実施形態)(請求項1〜4対応)
次に、本発明に係る回転電機の第2の実施形態を図10〜図12を用いて説明する。なお第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態は、図10における電機子巻線2を構成する素線導体が540度転位されており、転位ピッチは両端部から鉄心長の1/4の範囲で中央部の2倍であり、すなわち、両端部から鉄心長の1/4の範囲及び中心部の鉄心長の1/2の範囲で、それぞれ180度の転位がなされている。固定子鉄心の軸方向両端部には鉄心占積率がその他の固定子鉄心部分よりも大きいサブ鉄心部14a、14fが設けられ、更に、上記転位各180度の範囲毎にサブ鉄心部14の形状が相似形になるように、サブ鉄心部14が、14aに対しては14cと14e、14fに対しては14dと14bと示した位置に設けられている。
このように構成された本実施形態において、負荷運転時には電機子巻線に電流が流れ、各素線導体に電流が分担して流れる。図10には2つの代表的な素線導体間に鎖交する磁束を鉄心部分で16a〜16oと示しているが、サブ鉄心部以外では、例えば16b、16g及び16lのように転位角で180度分離れた位置での鎖交磁束に関して、16bと16lの和が16gと等しくなるため、この部分の鎖交磁束による不平衡電圧は相殺される。
本実施形態では、鉄心占積率の大きいサブ鉄心部についても、鎖交磁束16aと16kの和が16fに等しく、また、16eと16oの和が16jに等しいので、誘起電圧は相殺され、循環電流の発生が抑制される。
図11は、図3〜図4で示したのと同容量のタービン発電機を対象として540度転位を施し、図12に示すような通風ダクトピッチの分布の場合の素線導体間の損失分布を数値解析によって求めた一例を示したものである。図3〜図4と同様の点については説明を省略する。素線導体の転位角180度毎に固定子鉄心を分けた各領域において、サブ鉄心部14の形状が相似形になるように、サブ鉄心部14を設けたことにより、素線間の損失分布が平滑化されていることが示されている。
本実施形態によれば、鉄心部分の素線導体全体で不平衡電圧が小さくなり、循環電流の発生を抑え、循環電流損失を低減することができるので、素線間の損失分布を低減し、電機子巻線の導体の局所加熱を抑制することができる。
ところで、図13は図の下半分に本実施形態における冷却ガス通風経路の基本構成を示したもので、図の上半分にサブ鉄心部14a、14b、14c、14dの構成を示している。図44と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図5は図44と同様固定子鉄心3を2つの給気セクションと3つの排気セクションに分割した構成例である。
鉄心占積率がその他の部分より大きいサブ鉄心部に関して、鉄心端部以外のサブ鉄心部は、その他の部位と比較してガス温度が低く冷却上有利である給気セクション内となるように配置して、軸方向の電機子巻線の温度分布が平準化されるようにしている。
(第3の実施形態)(請求項1〜4対応)
次に、本発明に係る回転電機の第3の実施形態を図14〜図16を用いて説明する。なお、前述した第1及び第2の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態3は、図14における電機子巻線2を構成する素線導体が図10と同様に540度転位されており、固定子鉄心3の軸方向両端部には鉄心占積率がその他の固定子鉄心部分よりも大きいサブ鉄心部14a、14fが設けられ、更に、上記転位各180度の範囲毎にサブ鉄心部14がその範囲の両端に配置するようにして、サブ鉄心部14が、14aに対しては14cと14e、14fに対しては14dと14bと示した位置に設けられており、サブ鉄心部14b〜14eの鉄心占積率f2は、サブ鉄心部14a乃至14fの鉄心占積率f1と、サブ鉄心部以外の部分の鉄心占積率f0とのほぼ中間値、すなわち、
f2 〜 1/2(f0 + f1)
であり、サブ鉄心部14の鉄心パケット数は、14a及び14fでNpとすると、14b及び14eでは2Np、14c及び14dでは4Npとしている。
こうして、軸方向両端部の鉄心長の1/4の範囲の鉄心単位領域ではパケット数2Np、軸方向中央部の鉄心長の1/2の範囲の鉄心単位領域ではパケット数4Npをサブ鉄心部の軸方向長さとすれば、各サブ鉄心部での平均の鉄心占積率が、ほぼ等しくなるような構成となっている。
このように構成された本実施形態において、負荷運転時には電機子巻線に電流が流れ、各素線導体に電流が分担して流れる。本実施形態では、鉄心占積率の大きいサブ鉄心部についても、鎖交磁束16aと16kの和が16fを相殺し、また、16eと16oの和が16jを相殺するように働くので、誘起電圧は低減され、循環電流の発生が抑制される。本実施形態では第2の実施形態のように、対応するサブ鉄心部が全く相似形ではないが、互いに相応するサブ鉄心部の平均の鉄心占積率を同等にすることによって、不平衡電圧を相殺するような効果を得ようとするものである。
図15は、第1及び第2の実施形態で示したのと同容量のタービン発電機を対象として540度転位を施し、図16に示すような通風ダクトピッチの分布の場合の素線導体間の損失分布を数値解析によって求めた一例を示したものである。図3〜図4、図11〜図12と同様の点については説明を省略する。サブ鉄心部14以外のダクトピッチを1とした時、図14の14a及び14fに相当する固定子鉄心端部のサブ鉄心部のダクトピッチは1.86で鉄心パケット数はそれぞれ3、図14の14b及び14eに相当するサブ鉄心部のダクトピッチは1.43で鉄心パケット数は6、図14の14c及び14dに相当するサブ鉄心部のダクトピッチは1.43でパケット数は12としている。図15に示すように、素線間の損失分布が平滑化されていることが示されている。
本実施形態によれば、鉄心部分の素線導体全体で不平衡電圧が小さくなり、循環電流の発生を抑え、循環電流損失を低減することができるので、素線間の損失分布を低減し、電機子巻線の導体の局所加熱を抑制することができる。
(第4の実施形態)(請求項1対応)
次に、本発明に係る回転電機の第4の実施形態を図17〜図19を用いて説明する。なお、第1〜3の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態4は、図17における電機子巻線2を構成する素線導体が図10と同様に540度転位されており、固定子鉄心の軸方向両端部には鉄心占積率がその他の固定子鉄心部分よりも大きいサブ鉄心部14a、14cが設けられ、軸方向中央部にサブ鉄心部14bが設けられており、夫々のサブ鉄心部の鉄心パケット数は同じとしている。図18に実施形態1〜3で示したのと同様の数値解析による素線間の損失分布を示し、図19にその時のダクトピッチの分布を示している。
本実施形態では、転位ピッチ180度に相当する1鉄心単位領域内のサブ鉄心部が必ずしも同形状で無くても、サブ鉄心部14bが14aと14cで生じる不平衡電圧を相殺して循環電流を抑制する効果があることを示しており、サブ鉄心部を少なくして、製作が容易になると共に、通風バランス設計の自由度を増すことができる。
(第5の実施形態)(請求項6対応)
次に、本発明に係る回転電機の第5の実施形態を図20を用いて説明する。なお、第1〜4と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態は、図20における電機子巻線2を構成する素線導体が450度転位されており、固定子鉄心の軸方向両端部の鉄心長の1/8の範囲のサブ鉄心部で、転位ピッチが半分になっていると同時に、固定子鉄心占積率がその他の固定子鉄心部分よりも大または小になっており、更に軸方向中央部の鉄心長の1/4の範囲のサブ鉄心部で、端部と同様の鉄心占積率となっている。
このように構成された本実施形態においては、鎖交磁束16aと16mの和が16gと相殺し合い、同様に、16bと16nの和が16hと、16cと16oの和が16iと相殺し合うので、不平衡電圧が低減され、循環電流の発生が抑制できると同時に、全体の転位角が450度の場合にも、サブ鉄心部が端部と中央部のみで構成できるので、実施形態2で示したようにサブ鉄心部が4箇所以上に亘る場合に比べて、通風設計が容易になり、しかも抜板鉄板の積層時にダクト占積率の切り替え回数が少なくて済むため、製作性も増すことができる。
(第6の実施形態)(請求項12〜13対応)
次に、本発明に係る回転電機の第6の実施形態を図21〜図25を用いて説明する。なお、第1〜5の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態は、図21における電機子巻線2を構成する素線導体が、固定子鉄心内において360度転位され、鉄心端部には鉄心占積率がその他の部分と異なるサブ鉄心部14を設けてある。図21には2つの代表的な素線導体5a、5b間に鎖交する磁束を鉄心部分で16a〜16eと示しているが、16aから16eまでの鎖交磁束が共に打ち消し合い、サブ鉄心部によって生じる不平衡電圧を相殺するように、サブ鉄心部14a、14dにおける素線導体の転位ピッチを変えたものである。
ここで、サブ鉄心部14a、14dにおける素線導体の最適な転位ピッチに関して図22、図23を用いて説明する。図22、図23は電機子巻線での素線導体の1つを示した模式図で、図22は従来の転位ピッチが一様な場合、図23は本実施形態の場合を示している。転位により破線で示した素線導体5が転位角180度の範囲でコイル高さhだけ位置を変える。図22では端部のサブ鉄心部の鉄心占積率が他の部分より大きいとして、それにより鎖交磁束が増えた分素線電圧に不平衡が生じる。これに対して、図23のようにサブ鉄心部と他の部分との境界で素線が高さhFになるように素線のピッチを変えることで、不平衡電圧を低減するものである。
いま、上コイルにおいて下コイルの電流による鎖交磁束を考えると、図に示すように、サブ鉄心部以外の部分の軸方向の固定子鉄心長Lsに対する比をf、サブ鉄心部を除いた部分の通風ダクト数の全通風ダクト数Nに対する比をf’ とし、通風ダクトの軸方向幅をdとしたときに、サブ鉄心部を除いた部分で素線導体が捩られる転位角の、固定子鉄心占積率が固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる素線間の不平衡電圧を極小化する転位角(ここでは360度とする)に対する比が、
Figure 2006109616
となるようにすれば、図のような構成の素線では不平衡電圧を抑えることができる。上下コイルの位相差や上コイル電流を考えると全ての素線での不平衡電圧を相殺することは難しいが、誘起電圧の大きい素線に対して不平衡電圧を低減することで、全体の循環電流損を抑えることはできる。実際の回転電機では、転位角は素線本数によって不連続的に決まるため、ここで示したFの近傍の値を取ることになる。
このように構成された本実施形態においては、鉄心占積率がその他の部分と異なるサブ鉄心部において、素線間に鎖交する磁束が、鉄心占積率が均一に配置された場合の磁束とほぼ等量になるため、素線間の不平衡電圧が低減され、循環電流の発生が抑制できる。
図24は、第1〜第4の実施形態で示したのと同容量のタービン発電機を対象として360度転位を施し、図25に示すような通風ダクトピッチの分布の場合の素線導体間の損失分布を数値解析によって求めた一例を示したものである。既に述べた実施形態と同様の点については説明を省略する。図24に示すように、素線間の損失分布が平滑化されていることが示されている。
また、本実施形態によれば、サブ鉄心部が端部のみで構成できるので、実施形態6までに示したようにサブ鉄心部が3箇所以上に亘る場合に比べて、通風設計が容易になり、しかも抜板鉄板の積層時にダクト占積率の切り替え回数が少なくて済むことや、転位の傾きを緩やかにできるなど、製作上も容易性を増すことができる。
さらに、本実施形態の変形例の1つとして、本実施形態で述べた転位角の変更を上コイルのみに適用しても良い。これは、不平衡電圧による循環電流は、下コイルよりも上コイルの方が大きいためであり、下コイルは従来例に従った転位を施すことで、容易に製作できるようになる。
(第7の実施形態)(請求項14〜16対応)
次に、本発明に係る回転電機の第7の実施形態を図26〜図30を用いて説明する。なお、第1〜第6の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態は、その他の部分よりも鉄心占積率が大きいサブ鉄心部14によって生じる不平衡電圧を相殺するように、図26における電機子巻線2を構成する素線導体の転位角を以下のように変えたものである。
図27に電機子巻線での素線導体の1つを示した模式図を示すが、固定子鉄心の軸長をLs、サブ鉄心部以外の部分の軸方向長さの全鉄心長に対する比をf、通風ダクトの個数をN、通風ダクトの軸方向幅をd、サブ鉄心部を除いた部分の通風ダクト数の全体の通風ダクト数に対する比をf’とし、
Figure 2006109616
としたときに、素線導体の固定子鉄心内での転位角の、固定子鉄心の占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に素線間の不平衡電圧を前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる転位角(ここでは簡単のため360度とする)に対する比が、
Figure 2006109616
となるようにしている。実際の回転電機では、転位角は素線本数によって不連続的に決まるため、ここで示したFの近傍の値を取ることになる。
このように構成された本実施形態においては、鉄心占積率がその他の部分と異なるサブ鉄心部において生じる素線間不平衡電圧を相殺するように、素線間に電圧が誘起されるので、不平衡電圧が低減され、循環電流の発生が抑制できる。
図28は、第1〜第4の実施形態で示したのと同容量のタービン発電機を対象として360度転位を施し、図29に示すような通風ダクトピッチの分布の場合の素線導体間の損失分布を数値解析によって求めた一例を示したものである。既に述べた実施形態と同様の点については説明を省略する。図28に示すように、素線間の損失分布が平滑化されていることが示されている。また、図30には転位角度と素線における損失との関係を示したものであり、本解析例の場合は、350度程度で損失が最小になっている。本例では、素線は横2列、縦43段であり、転位ピッチは360/(2*43)より約4度ずつ不連続になるため、2段減らしたピッチの351.6度において損失最小となる。
また、本実施形態によれば、サブ鉄心部の構成を特に変更することなくできるので、実施形態6までに示したようにサブ鉄心部が3箇所以上に亘る場合に比べて、通風設計が容易になり、しかも抜板鉄板の積層時にダクト占積率の切り替え回数が少なくて済むため、製作上も容易性を増すことができる。
さらに、本実施形態の変形例の1つとして、本実施形態で述べた転位角の変更を上コイルのみに適用しても良い。これは、不平衡電圧による循環電流は、下コイルよりも上コイルの方が大きいためであり、下コイルは従来例に従った転位を施すことで、容易に製作できるようになる。
(第8の実施形態)(請求項17〜18対応)
次に、本発明に係る回転電機の第8の実施形態を図31〜図35を用いて説明する。なお第1〜6の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態は、その他の部分よりも鉄心占積率が小さいサブ鉄心部14によって生じる不平衡電圧を相殺するように、図31における電機子巻線2を構成する素線導体の転位角を以下のように変えたものである。
図32に電機子巻線での素線導体の1つを示した模式図を示すが、固定子鉄心の軸長をLs、サブ鉄心部以外の部分の軸方向長さの全鉄心長に対する比をf、通風ダクトの個数をN、通風ダクトの軸方向幅をd、サブ鉄心部を除いた部分の通風ダクト数の全体の通風ダクト数に対する比をf’とし、
Figure 2006109616
としたときに、素線導体の固定子鉄心内での転位角の、固定子鉄心の占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる素線間の不平衡電圧を極小化する転位角(ここでは簡単のため360度とする)に対する比が、
Figure 2006109616
となるようにしている。実際の回転電機では、転位角は素線本数によって不連続的に決まるため、ここで示したFの近傍の値を取ることになる。
このように構成された本実施形態においては、鉄心占積率がその他の部分と異なるサブ鉄心部において生じる素線間不平衡電圧を相殺するように、素線間に電圧が誘起されるので、不平衡電圧が低減され、循環電流の発生が抑制できる。
図33は、第1〜第4の実施形態で示したのと同容量のタービン発電機を対象として360度転位を施し、図34に示すような通風ダクトピッチの分布の場合の素線導体間の損失分布を数値解析によって求めた一例を示したものである。既に述べた実施形態と同様の点については説明を省略する。図33に示すように、素線間の損失分布が平滑化されていることが示されている。また、図34には転位角度と素線における損失との関係を示したものであり、本解析例の場合は、365度程度で損失が最小になっている。本例では、素線は横2列、縦43段であり、転位ピッチは360/(2*43)より約4度ずつ不連続になるため、1段分超過したピッチの364.3度において損失最小となる。
また、本実施形態によれば、サブ鉄心部の構成を特に変更することなくできるので、第6の実施形態までに示したようにサブ鉄心部が3箇所以上に亘る場合に比べて、通風設計が容易になり、しかも抜板鉄板の積層時にダクト占積率の切り替え回数が少なくて済むため、製作上も容易性を増すことができる。
さらに、本実施形態の変形例の1つとして、本実施形態で述べた転位角の変更を上コイルのみに適用しても良い。これは、不平衡電圧による循環電流は、下コイルよりも上コイルの方が大きいためであり、下コイルは従来例に従った転位を施すことで、容易に製作できるようになる。
(第9の実施形態)(請求項19対応)
次に、本発明に係る回転電機の第9の実施形態を図36〜図39を用いて説明する。なお、第1〜第8の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第9の本実施形態は、図19における電機子巻線2を構成する素線導体が540度転位されており、固定子鉄心の軸方向両端部で、転位ピッチを変更する変曲点の位置を、従来例の鉄心長の1/4の範囲からずらすことによって、鉄心占積率が異なるサブ鉄心部14a、14dによって生じる不平衡電圧を相殺するように構成したものである。
このように構成された本実施形態においては、素線導体に関して、端部領域のピッチが短い部分の鎖交磁束の和と、中央領域の鎖交磁束の和とのバランスが変わるため、誘起される電圧が、鉄心占積率が均一の場合とは異なるものとなる。この誘起電圧がサブ鉄心部14a、14dの生じる不平衡電圧を打ち消すような位置に、変曲点を設定すれば、素線導体全体での不平衡電圧が低減され、循環電流の発生が抑制できる。
図37は、第1〜第4の実施形態で示したのと同容量のタービン発電機を対象として540度転位を施し、図38に示すような通風ダクトピッチの分布の場合の素線導体間の損失分布を数値解析によって求めた一例を示したものである。既に述べた実施形態と同様の点については説明を省略する。図37に示すように、素線間の損失分布が平滑化されていることが示されている。また、図39には変曲点までの鉄心長さと素線における損失との関係を示したものであり、540度の従来例の25%に対して、本解析例の場合は24%程度で損失最小になっている。
また、転位角540度の場合は、全体の転位角度を540度から変えると、端部巻線領域での鎖交磁束が打ち消し合わなくなるため、端部磁界に起因する循環電流損失は増加する恐れがある。これに対して、本実施形態によれば、転位角の540度を維持できるので、端部磁界に起因する循環電流損失を増加することなく、不等配ダクトによる循環電流損失を低減することができる。
さらに、本実施形態の変形例の1つとして、本実施形態で述べた転位角の変更を上コイルのみに適用しても良い。これは、不平衡電圧による循環電流は、下コイルよりも上コイルの方が大きいためであり、下コイルは従来例に従った転位を施すことで、容易に製作できるようになる。
(第10の実施形態)(請求項20対応)
次に、本発明に係る回転電機の第10の実施形態を図40を用いて説明する。なお、第1〜9の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態11は、端部に鉄心占積率の異なるサブ鉄心部14a、14dを設け、図40における電機子巻線2を構成する素線導体が360度転位されており、固定子鉄心の軸方向中央部に、転位を行わない部分を設けた構成としている。
このように構成された本実施形態においては、図40の両端部の鎖交磁束の和に比べて、中央部の鎖交磁束の方が大きくなり、誘起される電圧が、鉄心占積率が均一の場合とは異なるものとなる。この誘起電圧がサブ鉄心部の生じる不平衡電圧を打ち消すような範囲に亘って、転位を行わない部分を設ければ、素線導体全体での不平衡電圧が低減され、循環電流の発生が抑制できる。
また、本実施形態の変形例を図41に示す。本変形例では、鉄心の両端部に転位しない部分を設けている。これにより、中央部の鎖交磁束の和に比べて、両端部の鎖交磁束の方が大きくなり、この鎖交磁束の差による誘起電圧がサブ鉄心部14a、14dの生じる不平衡電圧を打ち消すような範囲に亘って、転位を行わない部分を設ければ、素線導体全体での不平衡電圧が低減され、循環電流の発生が抑制できる。
ここでは転位角が360度の場合について説明したが、他の転位角についても同様に転位しない部分を設けることで、不平衡電圧を抑え、循環電流の発生を抑制することができ、更に転位角を維持することができることから、例えば540度転位のように、端部磁界による循環電流損が小さい場合には、全体の損失を増大させることなく、不等配ダクトに起因する損失を低減することが可能となる。
(変形例)
本願発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
本発明の第1の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 本発明の第1の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 本発明の第1の実施形態での素線導体における損失分布を示す数値解析結果図。 図3の数値解析における通風ダクトピッチの分布図。 本発明の第1の実施形態の回転電機の通風構造を示す基本構成図。 本発明の第1の実施形態における固定子鉄心示す基本構成図。 本発明の第1の実施形態の第1の変形例における固定子鉄心を示す基本構成図。 本発明の第1の実施形態の第2の変形例における固定子鉄心を示す基本構成図。 本発明の第3の実施形態の第2の変形例における抜板鉄心を示す基本構成図。 本発明の第2の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 本発明の第2の実施形態での素線導体における損失分布を示す数値解析結果図。 図11の数値解析における通風ダクトピッチの分布図。 本発明の第2の実施形態の回転電機の通風構造を示す基本構成図。 本発明の第3の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 本発明の第3の実施形態での素線導体における損失分布を示す数値解析結果図。 図15の数値解析における通風ダクトピッチの分布図。 本発明の第4の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 本発明の第4の実施形態での素線導体における損失分布を示す数値解析結果図。 図18の数値解析における通風ダクトピッチの分布図。 本発明の第5の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 本発明の第6の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 従来の回転電機における素線導体の1つを示した模式図。 本発明の第6の実施形態における素線導体の1つを示した模式図。 本発明の第6の実施形態での素線導体における損失分布を示す数値解析結果図。 図24の数値解析における通風ダクトピッチの分布図。 本発明の第7の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 本発明の第7の実施形態における素線導体の1つを示した模式図。 本発明の第7の実施形態での素線導体における損失分布を示す数値解析結果図。 図28の数値解析における通風ダクトピッチの分布図。 本発明の第7の実施形態で素線損失と転位角度の関係を示す数値解析結果図。 本発明の第8の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 本発明の第8の実施形態における素線導体の1つを示した模式図。 本発明の第8の実施形態での素線導体における損失分布を示す数値解析結果図。 図33の数値解析における通風ダクトピッチの分布図。 本発明の第8の実施形態で素線損失と転位角度の関係を示す数値解析結果図。 本発明の第9の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 本発明の第9の実施形態での素線導体における損失分布を示す数値解析結果図。 図37の数値解析における通風ダクトピッチの分布図。 本発明の第9の実施形態で素線損失と変曲点までの長さの関係を示す数値解析結果図。 本発明の第10の実施形態の回転電機を示す基本構成図。 本発明の第10の実施形態の変形例を示す基本構成図。 回転電機の電機子巻線断面図と漏れ磁束を示す基本構成図。 従来の回転電機を示す基本構成図。 従来の回転電機を示す基本構成図。 従来の回転電機を示す基本構成図。 従来の回転電機を示す基本構成図。 本発明の原理を説明するための回転電機を示す基本構成図。 本発明の原理を説明するための回転電機を示す基本構成図。 図47の回転電機での数値解析における通風ダクトピッチの分布図。 図47の回転電機での素線導体における損失分布を示す数値解析結果図。 図48の回転電機での素線導体における損失分布を示す数値解析結果図。
符号の説明
1…回転子、2…電機子巻線、2b…電機子巻線端部、2c…上コイル、2d…下コイル、3…固定子鉄心、4…通風ダクト、4a…給気セクション、4b…排気セクション、4c…給気セクション、4d…排気セクション、5、5a、5b…素線導体、9…エアギャップ(エアギャップ部)、10…巻線スロット、11…回転子ファン、12…水冷式ガスクーラ、14、14a〜14e…サブ鉄心部、15…循環電流、16x、16y…磁束、16a、16e…鎖交磁束。

Claims (22)

  1. 回転軸が回転可能に支持された回転子と、
    前記回転子の回転軸の軸心に沿うように延在する複数の巻線スロットを設け、かつ径方向に複数の通風ダクトを設けた固定子鉄心と、前記巻線スロットに格納され、かつ積み重なる多数の素線導体で構成される電機子巻線を有し、
    前記素線導体は、前記巻線スロット内に格納された部分で、前記巻線スロットの延在方向に向かって連続的に捩られて転位するように形成され、前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る前記電機子巻線の両側部では前記素線導体を短絡させてなる回転電機において、
    前記固定子鉄心の前記素線導体の転位ピッチ180度に相当する長さを1鉄心単位領域とし、前記固定子鉄心の一方の端部から奇数番目の前記鉄心単位領域において前記素線導体間に誘起する素線間電圧の総和が、前記鉄心端部から偶数番目の前記鉄心単位領域において、前記素線導体間に誘起する素線間電圧の総和と相殺するように、前記鉄心占積率の異なる部分を含むサブ鉄心部を設けたことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記サブ鉄心部のうち、前記素線導体の転位角で概ね180n度(但しnは1以上の整数)の軸方向距離にあるものは、前記素線導体の概ね同等の転位角の軸方向範囲に亘って延在し、該サブ鉄心部における平均の鉄心占積率が、概ね等しいことを特徴とする回転電機。
  3. 請求項2に記載の回転電機において、
    前記サブ鉄心部の、軸方向長さに亘る鉄心占積率の分布が、前記素線導体の転位角で180度毎に、概ね相似形であることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の回転電機において、
    前記鉄心領域に設けた前記サブ鉄心部のうちの何れかが、前記固定子鉄心の端部にあることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項4に記載の回転電機において、
    前記素線導体の転位角が前記固定子鉄心内において概ね360度あるいは前記素線導体間に生じる不平衡電圧を相殺するように360度からずらした角度であり、前記サブ鉄心部を前記固定子鉄心の端部と軸方向中央部に設けたことを特徴とする回転電機。
  6. 請求項4に記載の回転電機において、
    前記素線導体の転位角が前記固定子鉄心内において概ね450度あるいは前記素線導体間に生じる不平衡電圧を相殺するように450度からずらした角度であり、前記固定子鉄心の端部から固定子鉄心長の1/8の範囲で前記素線導体の転位ピッチが軸方向中央部の転位ピッチの約半分であって、前記サブ鉄心部を前記固定子鉄心の両端部から鉄心長の1/8の範囲と、前記固定子鉄心の中央部に鉄心長の1/4の範囲に亘って設けたことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の回転電機において、
    前記鉄心占積率の差異を、前記通風ダクトのピッチの差異で構成したことを特徴とする回転電機。
  8. 請求項1から6のいずれか一つに記載の回転電機において、
    前記鉄心占積率の差異を、前記通風ダクトの軸方向幅の差異で構成したことを特徴とする回転電機。
  9. 請求項1から6のいずれか一つに記載の回転電機において、
    前記鉄心占積率の差異を、前記固定子鉄心を構成する抜板鉄板の磁性体と絶縁皮膜の厚さの比の差異で構成したことを特徴とする回転電機。
  10. 請求項7から8のいずれか一つに記載の回転電機において、
    前記固定子鉄心部を軸方向に複数の冷却空間に分割し、前記固定子鉄心の外周側から内周側に通風ダクトを介して送風する給気セクションと、前記固定子鉄心の内周側から外周側に前記通風ダクトを介して排出する排気セクションとを、軸方向に交互に配置し、
    前記鉄心占積率が大きい部分を含む給気セクションを有することを特徴とする回転電機。
  11. 請求項10に記載の回転電機において、
    前記鉄心占積率が大きい部分を前記固定子鉄心の軸方向中央部に配置し、通風セクションの数を、nを1以上の整数として4n−1としたことを特徴とする回転電機。
  12. 径方向に複数の通風ダクトを備え、かつ軸心方向に複数の巻線スロットを備えた固定子鉄心の該各巻線スロットにそれぞれ積み重なる複数の素線導体が格納され、前記素線導体は、前記巻線スロット内に格納された部分で、前記巻線スロットの延在方向に向かって連続的に捩られて転位するように形成され、前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る両側部では前記素線導体を短絡させてなる回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の一部に、鉄心占積率が異なるサブ鉄心部を設け、前記素線導体の転位ピッチを、前記サブ鉄心部において増減する不平衡電圧を相殺するように増減させたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  13. 請求項12に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記素線導体の転位ピッチを前記固定子鉄心内で概ね360度あるいは前記素線導体間に生じる不平衡電圧を相殺するように360度からずらした角度とし、前記固定子鉄心の軸長をLs、前記サブ鉄心部以外の部分の軸方向長さの全鉄心長に対する比をf、前記通風ダクトの個数をN、前記通風ダクトの軸方向幅をd、前記サブ鉄心部を除いた部分の通風ダクト数の全体の通風ダクト数に対する比をf’としたときに、前記サブ鉄心部を除いた部分で前記素線導体が捩られる転位角の、前記固定子鉄心占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる前記素線間の不平衡電圧を極小化する転位角に対する比が、
    Figure 2006109616
    を中心として、前記素線段数の逆数分の範囲内にあることを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  14. 径方向に複数の通風ダクトを備え、かつ軸心方向に複数の巻線スロットを備えた固定子鉄心の該各巻線スロットにそれぞれ積み重なる複数の素線導体が収納され、前記素線導体は、前記巻線スロット内に格納された部分で、前記巻線スロットの延在方向に向かって連続的に捩られて転位するように形成され、前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る両側部では前記素線導体を短絡させてなる回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の一部に、前記通風ダクトの占積率が異なるサブ鉄心部を設け、前記素線導体の前記固定子鉄心部における転移角を、前記固定子鉄心占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる前記素線間の不平衡電圧を極小化する転位角から、前記サブ鉄心部が増減させる前記固定子鉄心部の磁気抵抗によって前記素線間に生じせしめる不平衡電圧を相殺するように異ならしめたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  15. 請求項14に記載の回転電機において、
    前記サブ鉄心部における前記固定子鉄心の占積率をそれ以外の部分よりも小さくし、
    前記素線導体の前記固定子鉄心内での転位角を、前記固定子鉄心の占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる前記素線間の不平衡電圧を極小化する転位角よりも、前記サブ鉄心部によって生じる不平衡電圧を相殺するように小さくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  16. 請求項15に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記素線導体の転位ピッチを前記固定子鉄心内で概ね360度あるいは前記素線導体間に生じる不平衡電圧を相殺するように360度からずらした角度とし、前記固定子鉄心の軸長をLs、前記サブ鉄心部以外の部分の軸方向長さの全鉄心長に対する比をf、前記通風ダクトの個数をN、前記通風ダクトの軸方向幅をd、前記サブ鉄心部を除いた部分の通風ダクト数の全体の通風ダクト数に対する比をf’とし、
    Figure 2006109616
    としたときに、前記素線導体の前記固定子鉄心内での転位角の、前記固定子鉄心の占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる前記素線間の不平衡電圧を極小化する転位角に対する比が、
    Figure 2006109616
    を中心として、前記素線段数の逆数分の範囲内にあることを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  17. 請求項14に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記サブ鉄心部における前記固定子鉄心の占積率をそれ以外の部分よりも大きくし、
    前記素線導体の前記固定子鉄心内での転位角を、前記固定子鉄心の占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる前記素線間の不平衡電圧を極小化する転位角よりも、前記サブ鉄心部によって生じる不平衡電圧を相殺するように大きくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  18. 請求項17に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記素線導体の転位ピッチを前記固定子鉄心内で概ね360度あるいは前記素線導体間に生じる不平衡電圧を相殺するように360度からずらした角度とし、前記固定子鉄心の軸長をLs、前記サブ鉄心部以外の部分の軸方向長さの全鉄心長に対する比をf、前記通風ダクトの個数をN、前記通風ダクトの軸方向幅をd、前記サブ鉄心部を除いた部分の通風ダクト数の全体の通風ダクト数に対する比をf’ とし、
    Figure 2006109616
    としたときに、前記素線導体の前記固定子鉄心内での転位角の、前記固定子鉄心の占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる前記素線間の不平衡電圧を極小化する転位角に対する比が、
    Figure 2006109616
    を中心として、前記素線段数の逆数分の範囲内にあることを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  19. 径方向に複数の通風ダクトを備え、かつ軸心方向に複数の巻線スロットを備えた固定子鉄心の該各巻線スロットにそれぞれ積み重なる複数の素線導体が格納され、前記素線導体は、前記巻線スロット内に格納された部分で、前記巻線スロットの延在方向に向かって連続的に捩られて転位するように形成され、前記素線導体の転位ピッチを、前記素線間の不平衡電圧を極小化するように複数設け、前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る両側部では前記素線導体を短絡させてなる回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の一部に、前記固定子鉄心内の占積率が異なるサブ鉄心部を設け、
    前記素線導体の転位ピッチの変曲点を、前記固定子鉄心占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる前記素線間の不平衡電圧を極小化する位置から、前記サブ鉄心部が増減させる前記固定子鉄心部の磁気抵抗によって前記素線間に生じせしめる不平衡電圧を相殺するようにずらしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  20. 径方向に複数の通風ダクトを備え、かつ軸心方向に複数の巻線スロットを備えた固定子鉄心の該各巻線スロットにそれぞれ積み重なる複数の素線導体が収納され、前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る両側部では前記素線導体を短絡させてなる回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の一部に、前記通風ダクトの占積率が異なるサブ鉄心部を設け、
    前記素線導体は、前記巻線スロット内に格納された部分で、前記巻線スロットの延在方向に向かって捩られて転位する部分と、転位しない部分を設け、前記サブ鉄心部が増減させる前記固定子鉄心部の磁気抵抗によって前記素線間に生じせしめる不平衡電圧を相殺するようにしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  21. 請求項12から20のいずれか一つに記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記素線導体の下コイルにおける転位ピッチを、前記固定子鉄心占積率が前記固定子鉄心内で一様である場合に前記鉄心内の素線間あるいは前記鉄心内の素線間及び鉄心の端部の素線間において鎖交する磁束によって生じる前記素線間の不平衡電圧を極小化する場合と同じくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  22. 請求項12から21のいずれか一つに記載の回転電機の電機子巻線を備えた回転電機。
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