JP2006107810A - 押圧スイッチ機構及び同機構を含む操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 操作部材を備えた押圧スイッチ機構について、その操作部材の必要個数を減らしながら多数種の操作を可能にしてコストの削減及び外観の向上を図る。
【解決手段】 操作部材14の押圧操作面14s上に3以上の押圧操作位置を設定する。好ましくは、各押圧操作位置について表示15A〜15Dを設ける。そして、操作部材14を同部材14がいずれの押圧操作位置で押圧されてもその押圧方向に変位するように保持部材10側に支持する操作部材支持機構を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車の操作パネル等に設けられる押圧スイッチ機構及び同機構を含む操作装置に関するものである。
自動車のインストゥルメントパネル等に設けられる操作装置では、その配設スペースに制限があるため、なるべく小さな領域で多種の操作ができるように設計することが望まれる。従来、このような集約型の操作装置に用いられるスイッチ機構として、次のようなものが知られている。
A)複数の操作部材を互いに隣接する位置に集中配置する。その一例を図7に示す。同図は操作パネル90に設けられた押圧スイッチ機構を例示するものであり、中央に円形状の押ボタン92が配置され、その周囲に4つの選択ボタンが周方向に互いに近接する位置に並べて配置されている。各押ボタン92,94A〜94Dは、図の奥行き方向に押圧操作可能であり、その押圧方向に変位することによって図略の接点を閉じる。
B)複数の方向に回動操作可能なジョイスティックを備え、その操作方向によってスイッチの切換ができるようにする(特許文献1)。
特開平5−41141号公報
図7に示すスイッチ機構では、操作の種類と同数の選択ボタンを個別に成形し、かつ、これらをそれぞれ適正な位置にレイアウトしなければならず、コスト面で不利となる。また、選択ボタン同士を近接させるにしても限りがあり、ボタン同士の間にどうしても隙間96が存するため、その分設置スペースの削減に限界があり、また外観上煩雑となり易く、意匠的にも課題が残る。
これに対し、特許文献1記載のシーソースイッチによれば、一つの揺動ボタンで2種類の操作を行うことができるが、それ以上の操作を行うことはできない。従って、3種類以上の操作が求められる場合には、複数の揺動ボタンを配置する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑み、操作部材を備えた押圧スイッチ機構について、その操作部材の必要個数を減らしながら多数種の操作を可能にしてコストの削減及び外観の向上を図ることを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、押圧操作面を有する操作部材を備え、前記押圧操作面が押圧操作されたときにその押圧方向に前記操作部材が変位することによりスイッチの切換がなされる押圧スイッチ機構において、前記操作部材の押圧操作面上に互いに離間する3以上の押圧操作位置が設定されるとともに、この操作部材を保持する保持部材と、前記操作部材がそのいずれの押圧操作位置で押圧されてもその押圧方向に変位するように当該操作部材を前記保持部材側に支持する操作部材支持機構とを備えたものである。
この構成では、操作部材の押圧操作面に3以上の押圧操作位置が設定されており、そのうちのいずれの押圧操作位置で操作部材を押圧してもその押圧方向に操作部材が変位するので、3種類以上の操作を一つの操作部材で賄うことが可能になる。従って、操作部材の必要個数を減らすことによりコストの削減及び外観の向上を図ることが可能である。
ただし、本発明は複数の操作部材を具備するものを排除する趣旨ではなく、少なくとも一つの操作部材についてその押圧操作面に3以上の押圧操作位置が設定された構成であれば、前記効果を奏し得るものである。
本発明では、各押圧操作位置またはその近傍位置に当該押圧操作位置を示す表示が設けられていることが、より好ましい。この表示により、使用者に正確な前記押圧操作位置への押圧を促すことができる。
本発明の具体的な態様としては、前記押圧操作面がその押圧操作方向から見て特定点を中心とする円周に沿って並ぶ複数の位置に前記押圧操作位置が設定されたものであり、前記操作部材支持機構が、前記操作部材が前記特定点を通る複数の揺動中心軸回りに揺動可能となるように前記押圧部材を支持するものが、好適である。
この構成によれば、前記操作部材が互いに異なる複数の揺動中心軸回りに揺動可能であるため、単一の揺動中心軸のみをもつ従来のシーソースイッチに比べてより多くの押圧操作位置を設定することが可能になる。
ここで、前記操作部材支持機構としては、前記操作部材と前記保持部材との間に介在する中間揺動部材を含み、この中間揺動部材が前記保持部材に前記操作部材の押圧操作方向から見て前記特定点を通る第1の揺動中心軸回りに揺動可能となるように連結され、かつ、当該中間揺動部材に前記操作部材がその押圧操作方向から見て前記特定点を通りかつ前記第1の揺動中心軸と略直交する第2の揺動中心軸回りに揺動可能となるように連結されているものが、好適である。
この構成によれば、操作部材と保持部材との間に中間揺動部材を介在させるだけの簡素な構造で、前記第1の揺動中心軸回りの揺動と第2の揺動中心軸回りの揺動との組合わせによって前記操作部材を前記保持部材に対して任意の方向に揺動させることが可能になり、よって、前記押圧操作面の周方向の任意の位置に前記押圧操作位置を設定することができる。
この場合、前記押圧操作面において設定された押圧操作位置以外の位置を押圧してもその押圧方向に操作部材が揺動する可能性があるが、前記操作部材の揺動方向をその押圧操作面の押圧操作位置が押圧されたときに当該操作部材が当該押圧方向へ変位するのを許容する特定揺動方向に制限する揺動方向制限機構を備えることにより、前記押圧操作位置以外の位置が押圧されたときにその押圧方向に前記操作部材が揺動するのを規制して当該揺動による誤動作をより確実に防ぐことができる。
ここで、前記揺動方向制限機構としては、前記操作部材及び前記保持部材のいずれか一方に設けられた溝内に他方に設けられた溝嵌入部が嵌入された構造を含み、前記溝は前記操作部材が前記特定揺動方向に揺動する際にこの溝が設けられた部材に対して前記溝嵌入部が相対移動する軌跡に対応する形状を有する好適である。この構成によれば、操作部材及び保持部材のいずれか一方に設けられた溝嵌入部を他方に設けられた溝に嵌入するだけの簡単な構造で、前記操作部材の揺動方向を特定方向に制限することができる。
前記操作部材の具体的な形状は適宜設定可能であるが、例えば、その押圧操作方向から見て前記特定点を囲む環状とし、その内側に別の操作部材が配設されている構成にすれば、スイッチの設置スペースを有効に活用して二つの操作部材を径方向の内外に効率良く配置することが可能になる。
また、前記操作部材の外形をその押圧操作方向から見て前記特定点を中心とする円形状とし、この操作部材の周囲に前記特定点を通る中心軸回りに回転可能なダイヤル操作機構が設けられている構成とすることにより、設置スペースをほとんど増やすことなく、前記押圧スイッチ機構とダイヤル操作機構とを併有する操作装置を構築することができる。
以上のように、本発明によれば、操作部材を備えた押圧スイッチ機構において、その操作部材の必要個数を減らしながら多数種の操作を可能にしてコストの削減及び外観の向上を図ることができる。
本発明の好ましい実施の形態を図1〜図6を参照しながら説明する。
この実施の形態に係る操作装置は、自動車用操作パネル10に設けられ、エアコンディショナーの風向モード、風量、及び設定温度を指定するためのものであり、押圧操作を受ける操作部材である選択ボタン14,16と、その周囲に配設されるダイヤルリング12とを備えている。そして、選択ボタン14の押圧操作により、前記風向モード、風量、及び設定温度の中から指定対象が選択され、その選択された対象について、ダイヤルリング12を回転操作することにより指定をすることができるようになっている。
このダイヤルリング12は、略円筒状をなし、その中心軸回りに回転可能となるように前記操作パネル10に取付けられている。詳しくは、前記操作パネル10に前方に開口するリング状の溝20が形成され、この溝20の内周壁22の外側に前記ダイヤルリング12が嵌め込まれることにより、当該ダイヤルリング12が操作パネル10側に回転可能に保持されている。また、前記ダイヤルリング12の外周面と前記溝20の内周面との間にはリングカバー19が装着されている。
前記内周壁22は中空円筒状をなしており、その径方向内側の領域に前記選択ボタン14,16が設けられている。
前記選択ボタン16は、図3に示すように正面から見て(すなわち押圧操作方向から見て)、前記ダイヤルリング12の回転中心軸上の特定点Pを中心とする円形状をなし、選択ボタン14はこの選択ボタン16を囲む環状(図例では内外周ともに円形のドーナツ状)をなしている。換言すれば、選択ボタン14の内側に選択ボタン16が嵌め込まれた配置となっている。
前記選択ボタン14の押圧操作面14sすなわち表側面には、上下左右4つの押圧操作位置が設定されており、このうちいずれの押圧操作位置で選択ボタンを押圧しても当該押圧方向に選択ボタン14が変位するように、後述の選択ボタン支持機構(操作部材支持機構)を介して保持部材である操作パネル10側に前記選択ボタン14が支持されている。
前記押圧操作位置のうち、上側押圧操作位置は、前記指定対象として風向モードを選択するためのものであり、その押圧操作位置には「MODE」という表示15Aが設けられている。下側押圧操作位置は、前記指定対象として風量を選択するためのものであり、その押圧操作位置には「BLOWER」という表示15Bが設けられている。
また、左右の押圧操作位置は、前記指定対象として助手席側の設定温度及び運転席側の設定温度をそれぞれ選択するためのものであり、その押圧操作位置にはそれぞれ「TEMP」という表示15C,15Dが設けられている。
これに対して選択ボタン16は、従来の選択ボタンと同様に単一の押圧操作位置のみを有するものであり、この選択ボタン16を押すと前記エアコンディショナーについて自動制御モードが選択されるようになっている。この選択ボタン16の押圧操作面には「AUTO」という表示が設けられている。
なお、本発明において押圧操作位置の表示を設ける場合に、その位置は必ずしも押圧操作位置に正確に合致していなくてもよく、当該押圧操作位置を示すことが可能な範囲でその近傍に設けてもよい。例えば、図示の装置の場合、押圧操作面14s上ではなくその近傍で操作パネル10上に各表示15A〜15Dを設けるようにしてもよい。
前記選択ボタン14を支持する選択ボタン支持機構は、正面からみて前記特定点Pを通る任意の揺動中心軸回りに選択ボタン14が揺動可能となるように当該選択ボタン14を操作パネル10側に支持するものであり、次のような構成a)〜c)を有している。
a)前記選択ボタン14と前記操作パネル10との間に当該選択ボタン14の形状と対応するドーナツ状の中間揺動部材24が介在する。
b)前記中間揺動部材24が正面から見て前記特定点Pを通る上下方向の軸(第1の揺動中心軸)回りに揺動可能となるように前記操作パネル10に連結されている。具体的には、前記中間揺動部材24の裏面から図2に示すような上下一対の被支持板24aが突出し、各被支持板24aの外側面から外向きに被支持軸24bが突出する一方、操作パネル10側からは図1に示すような上下一対の支持板10aが突出し、これらの支持板10aにそれぞれ設けられた上下方向の貫通孔10b(図4)に前記被支持軸24bが嵌め込まれることにより、これら被支持軸24bを結ぶ上下方向の軸回りに揺動可能となるように前記中間揺動部材24が前記操作パネル10側に連結されている。
c)この中間揺動部材24に前記選択ボタン14が正面から見て前記特定点Pを通る左右方向の軸(第2の揺動中心軸)回りに揺動可能となるように連結される。具体的には、前記選択ボタン14の裏面から図2に示すような左右一対の被支持板14aが突出し、各被支持板14aの外側面から外向きに被支持軸14bが突出する一方、中間揺動部材24からは図1に示すような左右一対の支持板24cが突出し、これらの支持板24cにそれぞれ設けられた左右方向の貫通孔24dに前記被支持軸14bが嵌め込まれることにより、これら被支持軸14bを結ぶ左右方向の軸回りに揺動可能となるように前記選択ボタン14が前記中間揺動部材24側に連結されている。
以上のa)〜c)の構成を具備するため、前記第1の揺動中心軸と第2の揺動中心軸との組合わせにより、選択ボタン14は正面からみて前記特定点Pを通る任意の揺動中心軸回りに揺動可能となっている。
さらに、この実施の形態では、前記選択ボタン14の揺動方向を特定揺動方向に制限する揺動方向制限機構を備えている。この特定揺動方向は、前記各押圧操作位置が押圧されたときに当該選択ボタン14が当該押圧方向へ変位するのを許容する方向であり、図例では左右方向の軸回りの揺動方向及び上下方向の軸回りの揺動方向が該当する。
前記揺動方向を制限する具体的手段として、前記選択ボタン14における左右の前記被支持板14aからさらに後方に溝嵌入軸14cが延長される一方、前記操作パネル10の底壁の左右の位置に十字溝10eが形成され、これらの十字溝10eに前記中間揺動部材24の中央貫通孔を通じて前記溝嵌入軸14cが嵌入されている。
前記各十字溝10eは、操作パネル10の裏側から見て図6に示すような「+」の形状、すなわちその中心から上下左右に延びる形状をなしている。そして、前記選択ボタン14が中立位置(押圧操作されていない位置)にある状態で前記溝嵌入軸14cが前記十字溝10eの中心に位置するように、この溝嵌入軸14cと前記十字溝10eとの相対位置関係が設定されている。
この構成により、前記選択ボタン14の揺動方向は、その揺動に伴う溝嵌入軸14cの移動の軌跡が前記十字溝10eの形状と合致する方向、すなわち、左右方向の軸回りに揺動する方向及び上下方向の軸回りに揺動する方向に制限されている。
なお、このような揺動方向の制限効果は、前記選択ボタン14側に溝を設けて操作パネル10側に溝嵌入部を設けるようにしても同様に享受することが可能である。
前記選択ボタン14の裏面には、前記各押圧操作位置に対応する位置に押圧突起17A,17B,17C,17Dが突出し、前記中間揺動部材24には前記各押圧突起17A〜17Dが軸方向に貫通する貫通孔24eが設けられている。さらに、操作パネル10側には、前記選択ボタン14の各押圧操作位置に対応する位置に円筒状の押圧操作軸保持部35が設けられ、各押圧操作軸保持部35にそれぞれ押圧操作軸37A,37B,37C,37Dがその軸方向(前記押圧操作方向と平行な方向)に変位可能となるように挿通されている。そして、前記選択ボタン14がそのいずれかの押圧操作位置で押圧されてその押圧方向に前記押圧突起17A,17B,17C,17Dのいずれかが変位すると、その押圧突起17A,17B,17C,17Dからの押圧を受けてこれに対応する押圧操作軸37A,37B,37C,37Dがその軸方向に変位するようになっている。
一方、前記選択ボタン16は、単純にその押圧方向にスライド可能となるように前記操作パネル10側に保持されており、この選択ボタン16からは後方に押圧操作軸部16aが延長されている。
このようにして操作装置が構築された操作パネル10の裏側には、その操作面と略平行な姿勢でプリント回路基板30が配設されている。具体的には、前記操作パネル10の裏面から後方に複数の基板支持軸26が延ばされ、その先端部に前記プリント回路基板30の適当な箇所がビス28によって固定されている。
このプリント回路基板30には、前記選択ボタン14の各押圧操作位置に対応して選択スイッチ34A,34B,34C,34Dが実装されるとともに、前記選択ボタン16に対応して選択スイッチ36が実装されている。前記各選択スイッチ34A,34B,34C,34Dは、それぞれ、前記押圧操作位置での選択ボタン14の押圧時に変位する前記押圧操作軸37A,37B,37C,37Dにより押圧を受ける位置に配設されており、同様に選択スイッチ36は、前記選択ボタン16の押圧時にその押圧操作軸部16aにより押圧を受ける位置に配設されている。これらの選択スイッチ34A〜34D,36はいずれも、その被押圧時にオン信号(選択信号)を出力するように構成されている。
また、このプリント回路基板30において、前記選択ボタン14の各表示15A,15B,15C,15D及び前記選択ボタン16の表示にそれぞれ対応する位置には、選択表示ランプ38A,38B,38C,38D,39が設けられている。そのうち、選択表示ランプ38A,38B,38C,38Dは、前記選択ボタン14の各押圧操作位置に対応して前記操作パネル10及び中間揺動部材24にそれぞれ貫設された導光筒部23,25を通じてその対応する押圧操作位置の表示部分を照明する。同様に、選択表示ランプ36は、前記選択ボタン16の押圧操作位置に対応して前記操作パネル10に設けられた導光筒部23及び前記中間揺動部材24の中央貫通孔を通じて前記選択ボタン16の表示部分を照明する。
また、前記プリント回路基板30には、前記ダイヤルリング12の回転操作角度を検出するためのロータリエンコーダ32が設けられ、このロータリエンコーダ32と前記ダイヤルリング12との間に当該ダイヤルリング12の回転を前記ロータリエンコーダ32の入力軸33に伝える回転伝達機構40が設けられている。
この回転伝達機構40は、図例では、ダイヤルリング12の後端に形成された外歯歯車18と、大歯車41及び小歯車42を一体に有するダイヤル側歯車44と、平歯車からなるエンコーダ側歯車46とを備えている。このうち、ダイヤル側歯車44は、その大歯車41が前記ダイヤルリング12の外歯歯車18と噛合する位置で操作パネル10側の軸支部48(図2(b)参照)により回転可能に軸支されており、エンコーダ側歯車46は前記ダイヤル側歯車44の小歯車42と噛合する状態で前記ロータリエンコーダ32の入力軸33にこれと一体に回転するように結合されている。
従って、前記ダイヤルリング12が回転操作されると、その回転が外歯歯車18、ダイヤル側歯車44及びエンコーダ側歯車46を順に介して減速されながらロータリエンコーダ32の入力軸33に伝達され、当該入力軸33が回転するようになっている。
前記プリント回路基板30には、さらに、図略のマイクロコンピュータが実装され、このマイクロコンピュータは、前記選択ボタン14の押圧操作により選択された指定対象(風向モード、風量、または設定温度)に関し、前記ロータリエンコーダ32により検出されるダイヤルリング12の回転操作角度に対応する指定信号(制御信号)を図略のエアコンディショナーに出力するように構成されている。
また、図示はしないが、前記操作パネル10上には、前記ダイヤルリング12の回転操作による指定内容を表示するための表示部が設けられており、前記マイクロコンピュータは、その表示部において、現在選択されている指定対象に対応する部分を点灯させるとともに、その指定内容(例えば風向モードが選択されている場合には前記ダイヤルリング12の回転操作によって指定されたモード)を表示させるように構成されている。
次に、この操作装置の作用を説明する。
使用者により選択ボタン14の押圧操作面14sが押圧操作されることにより、その押圧位置によってダイヤルリング12の回転による指定対象が選択される。
例えば、選択ボタン14の押圧操作面14sがその上側押圧操作位置で押圧されると、選択ボタン14の左右方向の軸回りの回動を伴いながら前記上側押圧操作位置がその押圧操作方向に変位し、その裏側の押圧突起17Aが押圧操作軸37Aを介してプリント回路基板30上の選択スイッチ34Aを押圧する。これにより選択スイッチ34Aから図略のマイクロコンピュータに選択信号が入力され、同マイクロコンピュータは指定対象として風向モードが指定されたと判別し、選択表示ランプ38Aを点灯させて前記選択ボタン14の「MODE」という表示15Aの部分を照明する。この状態でダイヤルリング12が回転操作されると、その回転操作角度がロータリエンコーダ32により検出されて前記マイクロコンピュータに入力され、当該マイクロコンピュータはその回転操作角度に対応する風向モードに切換えるための制御信号をエアコンディショナーに出力する。
なお、操作パネル10側の十字溝10eでは、この十字溝10eに前記選択ボタン14から延ばされた溝嵌入軸14eが嵌入されていてその動きが制限された状態となっているが、この十字溝10eは十字状をなしていてその中で前記溝嵌入軸14eが上下方向に移動することが可能であり、かつ、前記選択ボタン14の左右方向の軸回りの回動は前記溝嵌入軸14eの上下移動を伴うものであるので、当該選択ボタン14の回動は許容される。
同様に、前記押圧操作面14sにおける下側押圧操作位置(「BLOWER」という表示15Bが設けられている位置)も、選択ボタン14の左右方向の軸回りの回動を伴いながらその押圧操作方向に選択ボタン14が変位し、その結果、選択スイッチ34Bが押圧操作されて風量を指定対象として選択する旨の信号を出力する。
また、前記押圧操作面14sが左右いずれかの押圧操作位置(「TEMP」という表示15Cまたは表示15Dが設けられている位置)で押圧された場合には、選択ボタン14の上下方向の軸回りの回動を伴いながらその押圧操作方向に選択ボタン14が変位し、その結果、選択スイッチ34Cまたは選択スイッチ34Dが押圧されて設定温度を指定対象として選択する旨の信号を出力する。この選択ボタン14の上下方向の軸回りの回動も、前記十字溝10e内での前記溝嵌入軸14eの左右方向の移動を伴うものであるため、上下方向の回動と同様に許容される。
これに対し、前記押圧操作位置から明らかに外れた位置、例えば上側押圧操作位置と左側押圧操作位置との間の位置で押圧操作面14sが押圧操作を受けた場合、その押圧操作方向に選択ボタン14が変位しようとしても、この変位は前記溝嵌入軸14sが前記十字溝10の中心位置から斜め方向に移動しようとするものであるため、許容されない。このように、前記押圧操作位置から明らかに外れた位置で押圧操作面14sを押圧してもその押圧操作方向には選択ボタン14が変位しないので、その変位による誤動作が未然に防止される。
一方、選択ボタン16が押圧操作された場合には、その押圧操作軸部16aが直接選択スイッチ36を押圧する。これにより、前記マイクロコンピュータはエアコンディショナーを自動制御モードに切換える信号を出力する。
以上のような押圧スイッチ機構によれば、一つの選択ボタン14で4種類の操作(図例ではダイヤルリング12による指定対象を選択する操作)を行うことが可能であり、例えば前記図7に示したように一つの操作ごとに一つの押ボタンが設けられるものや単なるシーソーボタンを用いたものに比べ、必要な操作部材の数を減らしてコストの削減及び外観の向上を図ることができる。また、単一の押圧操作面14sに複数の押圧操作位置を設定していても、その押圧操作位置の表示15A〜15Dを設けることによって誤操作を防ぐことが可能である。
また、図示のように選択ボタン14の押圧操作面14sにおける複数の押圧操作位置が周方向に配列されている場合には、この選択ボタン14を環状にしてその内側にさらなる操作部材(図では選択ボタン16)を配置することにより、スペースを有効に活用して当該操作部材を増設することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態は以上のものに限られず、例えば次のような態様をとることも可能である。
・本発明において、その対象となる操作部材に設定される押圧操作位置の数は、3以上の範囲で適宜設定可能である。例えば、図示の選択ボタン14の押圧操作面14sに120°間隔で3つの押圧操作位置を設定するようにしてもよい。その場合、例えば図示の十字溝10eに代えて中心から三方に延びる溝を操作パネル10に設けるようにすれば、前記実施の形態と同様に選択ボタン14の揺動方向を適正な方向に制限することが可能になる。
・本発明における操作部材支持機構は、操作部材が所定の押圧操作位置で押圧されたときにその押圧方向への操作部材の変位を許容するように支持するものであればよい。例えば、図示の装置において選択ボタン14と操作パネル10との間に比較的軟らかい弾性材を介在させ、その弾性変形を伴いながら任意の外周近傍位置で前記選択ボタン14がその押圧操作方向に変位できるようにしてもよい。ただし、図示のような中間揺動部材24を含む機構を用いれば、操作部材(図では選択ボタン14)をより安定した状態で、しかも簡素な構造で、任意の方向に揺動可能となるように支持することが可能となる。
・前記実施の形態において、操作部材に相当する選択ボタン14,16は、ダイヤルリング12の操作による指定対象を選択するために押圧操作されるものであるが、本発明に係る操作部材の押圧操作の目的は特に問わず、その操作の対象となる機器も前記のようなエアコンディショナーに限られない。例えばオーディオ機器の電源のオンオフや再生、早送り/巻戻しの指令のために押圧操作される操作部材についても本発明を有効に適用することが可能である。
本発明の実施の形態に係る操作装置を表側から見た分解斜視図である。 前記操作装置を裏側から見た分解斜視図である。 前記操作装置の正面図である。 図3のA−A線断面図である。 図3のB−B線断面図である。 図4のC−C線断面図である。 従来の押圧スイッチ機構の一例を示す正面図である。
符号の説明
10 操作パネル(保持部材)
10e 十字溝
12 ダイヤルリング
14 選択ボタン(操作部材)
15A〜15D 押圧操作位置の表示
14b 被支持軸(第2の揺動中心軸)
14c 溝嵌入軸
16 選択ボタン(別の操作部材)
24 中間揺動部材
24b 被支持軸(第1の揺動中心軸)
P 特定点

Claims (8)

  1. 押圧操作面を有する操作部材を備え、前記押圧操作面が押圧操作されたときにその押圧方向に前記操作部材が変位することによりスイッチの切換がなされる押圧スイッチ機構において、前記操作部材の押圧操作面上に互いに離間する3以上の押圧操作位置が設定されるとともに、この操作部材を保持する保持部材と、前記操作部材がそのいずれの押圧操作位置で押圧されてもその押圧方向に変位するように当該操作部材を前記保持部材側に支持する操作部材支持機構とを備えたことを特徴とする押圧スイッチ機構。
  2. 請求項1記載の押圧スイッチ機構において、前記操作部材の各押圧操作位置またはその近傍位置に、当該押圧操作位置を示す表示が設けられていることを特徴とする押圧スイッチ機構。
  3. 請求項1または2記載の押圧スイッチ機構において、前記押圧操作面はその押圧操作方向から見て特定点を中心とする円周に沿って並ぶ複数の位置に前記押圧操作位置が設定されたものであり、前記操作部材支持機構は、前記操作部材が前記特定点を通る複数の揺動中心軸回りに揺動可能となるように当該押圧部材を支持するものであることを特徴とする押圧スイッチ機構。
  4. 請求項3記載の押圧スイッチ機構において、前記操作部材支持機構は、前記操作部材と前記保持部材との間に介在する中間揺動部材を含み、この中間揺動部材が前記保持部材に前記操作部材の押圧操作方向から見て前記特定点を通る第1の揺動中心軸回りに揺動可能となるように連結され、かつ、当該中間揺動部材に前記操作部材がその押圧操作方向から見て前記特定点を通りかつ前記第1の揺動中心軸と略直交する第2の揺動中心軸回りに揺動可能となるように連結されていることを特徴とする押圧スイッチ機構。
  5. 請求項3または4記載の押圧スイッチ機構において、前記操作部材の揺動方向をその押圧操作面の押圧操作位置が押圧されたときに当該操作部材が当該押圧方向へ変位するのを許容する特定揺動方向に制限する揺動方向制限機構を備えたことを特徴とする押圧スイッチ機構。
  6. 請求項5記載の押圧スイッチ機構において、前記揺動方向制限機構は、前記操作部材及び前記保持部材のいずれか一方に設けられた溝内に他方に設けられた溝嵌入部が嵌入された構造を含み、前記溝は前記操作部材が前記特定揺動方向に揺動する際にこの溝が設けられた部材に対して前記溝嵌入部が相対移動する軌跡に対応する形状を有することを特徴とする押圧スイッチ機構。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の押圧スイッチ機構において、前記操作部材はその押圧操作方向から見て前記特定点を囲む環状をなし、その内側に別の操作部材が配設されていることを特徴とする押圧スイッチ機構。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載の押圧スイッチ機構と、回転操作される略円筒状のダイヤルリングを有するダイヤル操作機構とを備え、前記操作部材はその押圧操作方向から見て前記特定点を中心とする円形状の外形をなし、この操作部材の周囲に前記特定点を通る中心軸回りに回転可能となるように前記ダイヤルリングが配設されていることを特徴とする操作装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013152946A (ja) * 2008-07-31 2013-08-08 Jvc Kenwood Corp 発光装置及び入力装置

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