JP2006105948A - 起歪体、物理量/電気量変換器および起歪体の製造方法 - Google Patents
起歪体、物理量/電気量変換器および起歪体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006105948A JP2006105948A JP2004319856A JP2004319856A JP2006105948A JP 2006105948 A JP2006105948 A JP 2006105948A JP 2004319856 A JP2004319856 A JP 2004319856A JP 2004319856 A JP2004319856 A JP 2004319856A JP 2006105948 A JP2006105948 A JP 2006105948A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- strain
- plate
- generating
- weight
- plates
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Measurement Of Force In General (AREA)
- Pressure Sensors (AREA)
Abstract
干渉を極めて少なくすることができ、製造時の歩留まりが良く、製造時間を短縮することができて安価に大量生産することができ、耐久性も良く、良好な周波数特性と、応答性が良好な物理量/電気量変換器の小型化を実現する。
【解決手段】 この起歪体14は、下から上へ起歪板31、スペーサ板32、重錘板33、スペーサ板32および起歪板31が順次積層され、拡散接合により、一体化されてなるものである。スペーサ板32は、当初円環部32と小円盤部32bとの間は連結されていたものを、拡散接合により一体化した後、連結部を切除して分離する。また重錘板33も当初は円環部33aと大円盤部35bとの間は、連結されていたが、拡散接合により一体化された後、切除して分離する。起歪板31は、小円盤部31bと、複数のビーム部31cと、加速度を受けてひずみを生じる複数の起歪部31dおよび31eとが極めて薄く且つ一体に形成されている。
【選択図】 図8
Description
即ち、加速度変換器を構成する起歪体は、例えば、十文字ビーム状の両端固定型のものであり、その周縁部が被測定物と一体的に運動する従動部に固着され、中央部には重錘部が取り付けられ、この重錘部が被測定物の加速度運動によって起歪体における周縁部に対する中央部の位置を相対的に変位させる。起歪体の周縁部と中央部との間は、ビーム状に形成され、このビーム状とされた部分のうち、周縁部寄りの2つの起歪部および中央部寄りの2つの起歪部には4つのひずみゲージがそれぞれ接着その他の手段により添着されており、これらの各起歪部の各ひずみゲージが添着された部分に対応する裏面側部分は、断面半円状の凹状凹溝が、起歪体の軸を中心としてリング状に2条旋削されている。即ち、これら凹状凹溝が形成されることにより起歪部が薄肉とされる。
また、上記した特許文献1に記載の加速度変換器では、振動モードが安定せず、良好な周波数特性を得ることは困難であった。
また、上記した特許文献1に記載の加速度変換器は、機械で加工した機械加工部品を組み立てているので、加速度変換器を小型化するには限界があった。特に、ビーム状部分の裏面側部分に断面半円状の凹状溝を形成することにより起歪部を薄肉としているが、加速度変換器を小型化するためには、起歪部をより薄肉化する必要があるが、機械加工での薄肉化には限界がある。また、たとえ各部品を小型化できたとしても、各部品の形状が微細化しているため、組み立て時に大きな初期ひずみが発生し、さらには破損してしまう恐れがあり、歩留まりが良くないという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、測定すべき物理量の方向以外の方向への変位を抑制することができて干渉を極めて少なくすることができ、製造時の歩留まりが良く、製造時間を短縮することができて安価に大量生産することができ、耐久性も良く、良好な周波数特性が得られ、応答性が良く、小型化を実現することができる起歪体、物理量/電気量変換器、起歪体の製造方法および物理量/電気量変換器の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、測定すべき物理量の方向以外の方向への変位を抑制することができて干渉性を極めて少なくすることができ、応答周波数範囲が広く且つ広範囲で良好な周波数特性が得られ、小型化と高出力化を実現することができる起歪体を提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、測定すべき物理量の方向以外の方向への変位を極めて少なくすることができて干渉を極めて少なくすることができ、製造時の歩留まりが良く、製造時間を短縮することができて安価に大量生産することができ、耐久性も良く、良好な周波数特性が得られ、応答性が良く、小型化、ローコスト化を実現することができる物理量/電気量変換器を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、安定した減衰特性が得られると共に、応答性の良い物理量/電気量変換器を提供することにある。
本発明の請求項6の目的は、特に、種々の加工方法を適用して、上述した特徴のある起歪体の製造方法を提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、ローコストで量産化が可能となる起歪体の製造方法を提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、種々の除去手段を用いて、上述した特徴のある起歪体の製造方法を提供することにある。
金属の薄板からなり、物理量を受けてひずみを生じる起歪部を有する一対の起歪板と、
金属の薄板からなり、一体化されることにより前記起歪板に支持される重錘部を構成する複数枚の重錘板と、
金属の薄板からなり、前記一対の起歪板と前記重錘板との間にそれぞれ介挿されるスペーサ板とからなり、
これらの2枚の前記起歪板と、2枚の前記スペーサ板と、複数枚の前記重錘板とを積層した状態で一体化し、前記起歪体に印加される加速度を検出し得るように構成したことを特徴としている。
請求項2に記載した本発明に係る起歪体は、請求項1の起歪体であって、前記一体化は、拡散接合、蝋付け、電子ビーム溶接、レーザ溶接およびスポット溶接のいずれかにより行われていることを特徴としている。
請求項1または請求項2に記載の起歪体と、
前記起歪体の前記起歪部に添着された複数のひずみゲージと、
前記起歪体の前記起歪部近傍に形成され、前記複数のひずみゲージをホイートストンブリッジ回路を構成するためにそれぞれ接続すると共に、前記ホイートストンブリッジ回路にブリッジ電圧を供給するための電源電極と、前記ホイートストンブリッジ回路から出力電圧を取り出すための出力電極とを有するブリッジパターンと、
前記ブリッジパターンを構成する前記電源電極および前記出力電極と接続された複数の電極と、前記複数の電極とケーブルを構成する複数の金属線とを接続するためのパターンとがそれぞれ形成された基板と、
開口近傍の内周に雌ねじが形成された一端開口型のケーシングと、
前記ケーシングの内周に嵌合されると共に、内底面に形成された凹溝に第1のOリングが嵌入されたベースと、
下面に形成された凹溝に第2のOリングが嵌入された中蓋と、
前記ケーシングの前記雌ねじに螺合するリングナットと、
ケーシング蓋とを有し、
前記ベース内に、前記複数のひずみゲージおよび前記ブリッジパターンが形成され、且つ、前記ブリッジパターンに前記基板が接続された前記起歪体を収容し、前記起歪体および前記基板上に前記中蓋を載置し、前記リングナットを前記ケーシングの前記雌ねじに螺合させることにより、前記起歪体を前記ケーシング内に固定し、前記ケーシング蓋を固着することにより前記起歪体を外部と遮断状態に封止したことを特徴としている。
前記起歪体は、周縁の固定部との間に空隙を介して中央部に前記重錘部が形成され、前記起歪体の空隙には、粘性流体が充填されていることを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係る起歪体の製造方法は、上述した目的を達成するために、
金属の薄板を加工して、物理量を受けてひずみを生じる起歪部を有する起歪板と、一体化されることにより前記起歪板に支持される重錘部を構成することになる重錘構成部が周縁部と一部連接してそれぞれ形成された複数の重錘板と、前記起歪板と前記重錘部との間隔を保持するための間隔保持部が周縁部と一部連接して形成されたスペーサ板とをそれぞれ製作する加工工程と、
前記起歪板を前記複数の重錘板の両端側に前記スペーサ板を介してそれぞれ配置してこれらを一体化する接合工程と、
前記重錘板の前記重錘部と前記周縁部との連接部および前記スペーサ板の前記間隔保持部と前記周縁部との連接部をそれぞれ除去する連接部除去工程と
を有することを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係る起歪体の製造方法は、請求項5に記載の方法であって、前記接合工程は、拡散接合、蝋付け、電子ビーム溶接、レーザ溶接のいずれかを用いることを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係る起歪体の製造方法は、請求項5に記載の方法であって、前記連接部除去工程は、ワイヤー放電加工、放電ワイヤーソー、レーザ加工および機械加工のいずれかを用いることを特徴としている。
すなわち、本発明の請求項1の起歪体によれば、金属の薄板からなり、物理量を受けてひずみを生じる起歪部を有する一対の起歪板と、金属の薄板からなり、一体化されることにより前記起歪板に支持される重錘部を構成する複数枚の重錘板と、金属の薄板からなり、前記一対の起歪板と前記重錘板との間にそれぞれ介挿されるスペーサ板とからなり、これらの2枚の前記起歪板と、2枚の前記スペーサ板と、複数枚の前記重錘板とを積層した状態で一体化し、前記起歪体に印加される加速度を検出し得るように構成したことにより、測定すべき加速度の方向以外の方向への変位を抑制することができて干渉性を極めて少なくすることができ、応答周波数範囲が広く且つ広範囲で良好な周波数特性が得られ、小型化と高出力化を実現することができる。
本発明の請求項3の物理量/電気量変換器によれば、請求項1または請求項2に記載の起歪体と、前記起歪体の前記起歪部に添着された複数のひずみゲージと、前記起歪体の前記起歪部近傍に形成され、前記複数のひずみゲージをホイートストンブリッジ回路を構成するためにそれぞれ接続すると共に、前記ホイートストンブリッジ回路にブリッジ電圧を供給するための電源電極と、前記ホイートストンブリッジ回路から出力電圧を取り出すための出力電極とを有するブリッジパターンと、前記ブリッジパターンを構成する前記電源電極および前記出力電極と接続された複数の電極と、前記複数の電極とケーブルを構成する複数の金属線とを接続するためのパターンとがそれぞれ形成された基板と、開口近傍の内周に雌ねじが形成された一端開口型のケーシングと、前記ケーシングの内周に嵌合されると共に、内底面に形成された凹溝に第1のOリングが嵌入されたベースと、下面に形成された凹溝に第2のOリングが嵌入された中蓋と、前記ケーシングの前記雌ねじに螺合するリングナットと、ケーシング蓋とを有し、前記ベース内に、前記複数のひずみゲージおよび前記ブリッジパターンが形成され、且つ、前記ブリッジパターンに前記基板が接続された前記起歪体を収容し、前記起歪体および前記基板上に前記中蓋を載置し、前記リングナットを前記ケーシングの前記雌ねじに螺合させることにより、前記起歪体を前記ケーシング内に固定し、前記ケーシング蓋を固着することにより前記起歪体を外部と遮断状態に封止したことにより、測定すべき物理量の方向以外の方向への変位を極めて少なくすることができて干渉を極めて少なくすることができ、製造時の歩留まりが良く、製造時間を短縮することができて安価に大量生産することができ、耐久性も良く、良好な周波数特性が得られ、応答性が良く、小型化、ローコスト化を実現することができる。
本発明の請求項5の起歪体の製造方法によれば、金属の薄板を加工して、物理量を受けてひずみを生じる起歪部を有する起歪板と、一体化されることにより前記起歪板に支持される重錘部を構成することになる重錘構成部が周縁部と一部連接してそれぞれ形成された複数の重錘板と、前記起歪板と前記重錘部との間隔を保持するための間隔保持部が周縁部と一部連接して形成されたスペーサ板とをそれぞれ製作する加工工程と、前記起歪板を前記複数の重錘板の両端側に前記スペーサ板を介してそれぞれ配置してこれらを一体化する接合工程と、前記重錘板の前記重錘部と前記周縁部との連接部および前記スペーサ板の前記間隔保持部と前記周縁部との連接部をそれぞれ除去する連接部除去工程とを有することにより、測定すべき物理量の方向以外の方向への変位を極めて少なくすることができて干渉性を極めて少なくすることができ、製造時の歩留まりが良く、製造時間を短縮することができて安価に大量生産することができ、耐久性も良く、良好な周波数特性が得られ、応答性が良く、小型化を実現することができる。
本発明の請求項7の起歪体の製造方法によれば、特に、ローコストで量産化が可能となる起歪体の製造方法を提供することができる。
本発明の請求項8の起歪体の製造方法によれば、特に、種々の除去手段を用いて、上述した特徴のある起歪体の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る加速度変換器の外観構成を示す拡大断面図、図2は、図1に示す加速度変換器の平面図である。この加速度変換器のケーシング11は、上端開口の直方体状(略角升状)を呈する本体部11aと、断面長矩形筒状を呈する張出部11bとが一体に形成されて構成されている。ケーシング11の四隅には、4つ(2つであってもよい)の取付けねじ孔(取付けねじの挿通孔)11cがそれぞれ穿設されている。この4つ(または2つ)のねじ孔11cに挿通された取付けねじ(図示せず)を、被測定物に形成された4つ(または2つ)の雌ねじ孔に螺合することにより、この加速度変換器を被測定物に取り付けることができる。本体部11aの内周には、上記ケーシング11よりも高さの低い円筒状を呈するベース12が嵌合されている。ベース12の内底面に形成された凹溝12aには、Oリング13が嵌合されている。ベース12の内部には、その底面との間にOリング13を介して全体形状が略円柱状を呈する起歪体14が収容されている。起歪体14の詳細な構造については後述する。
図8において、スペーサ板32は、外周側に配設された円環部32aと、中心部に配設された小円盤部32bと、小円盤部32bの中心に関して対称となる位置であって、内方端が小円盤部32bの外周に連設され、外方端が円環部32aの内周近傍まで延伸した2つの連結部32cとを有している。円環部32aの小円盤部32bの中心に関して対称(180度間隔)となる位置には、切欠部32abがそれぞれ形成されている。スペーサ板32は、複数の大円盤部33bが接合されて形成される重錘部Wの振幅が大きくても起歪板31に衝突することを防止するために設けられている。即ち、重錘部Wが加速度により変位するのを妨げない間隙を設けている。重錘板33は、外周側に配設された円環部33aと、中心部に配設された大円盤部33bとを有している。同一平面上にある円環部33aと大円盤部33bとの間には、空隙APが設けられている。各円環部33aの大円盤部33bの中心に関して対称となる位置(180度間隔)には、切欠部33abがそれぞれ形成される。
(1)先ず、冷間圧延により製造された厚さ100μmのステンレス鋼板を研磨により任意の厚さの薄板とする。
(2)次に、薄板41について前処理(例えば、アルカリ脱脂、酸洗、水洗および乾燥)を施す。アルカリ脱脂は、薄板41の表面に付着した圧延油やその他の汚染物質を除去するための処理である。酸洗は、図9(a)に示すように、液槽42に満たされた酸洗液43に薄板41を浸漬する処理であり、薄板41の表面に残留したアルカリ分を中和し、且つ、酸化皮膜を溶解して薄板41の表面を活性化させることにより、薄板41の表面と有機樹脂との密着性を高めることを目的としている。酸洗液43には、塩酸、硫酸、硝酸および弗酸の1種または2種以上を含む水溶液が用いられることが多い。
(4)次に、図9(c)に示すように、フォトレジスト膜44aおよび44bの上に、図8に示す起歪板31の円環部31a、小円盤部31b、4つのビーム部31cおよび8つの起歪部31dと31eを残すための露光用マスク45aおよび45bをそれぞれ重ねた後、紫外線ランプ46aおよび46bにより紫外線を照射する。
(5)次に、上記工程(1)〜(4)を経た中間加工物を現像液に浸漬して現像する。これにより、紫外線が照射されなかった部分のフォトレジスト膜44aおよび44bが溶けて除去され、その部分の薄板41が露出して、図9(d)に示すように、薄板41の表面41aおよび裏面41bに露光用マスク45aおよび45bと同一平面形状のフォトレジストパターン47aおよび47bが形成される。
(7)次に、図10(b)に示すように、中間加工物50を剥離液51に浸漬して、上記したフォトレジストパターン47aおよび47bを除去することにより、エッチング加工物52を得る。尚、この実施の形態の場合、エッチング加工物52は、1枚の起歪板31ではなく、図11に示すように、全体の平面形状が略矩形状であって、略中央部に複数個(図11の例では、10個)の起歪板31が周縁部とワイヤカット予定部52aで連接して形成され、且つ、四隅に後述する拡散接合において位置決め孔となる貫通孔52bが形成されている。尚、起歪体14を構成するスペーサ板32および重錘板33の製造方法については、各エッチング加工物の形成すべき形状が異なる点と、上記した工程(1)を行わない点以外は上記した起歪板31の製造方法と同様であるので、その説明を省略する。尚、ステンレスのエッチング加工の詳細については、例えば、特開平8−225960号公報や特開2002−275541号公報に開示されている。この工程を、「エッチング加工工程」と称する。
次に、起歪体14の上面に、凹溝16aにOリング17が嵌入された中蓋16を載置した後、ケーシング11の上端近傍の内周に形成された雌ねじにリングナット19を螺合させる。次いで、リングナット19に穿設された円形貫通孔19aまたは19bに円柱状を呈した締付治具ピン(図示略)を嵌合させて、回動させることによりリングナット19をさらに強固に締め付ける。これにより、起歪体14は、ベース12との当接部分と、中蓋16との当接部分とによりケーシング11に強固に固着されると共に、Oリング13と17とにより封止される。次に、中蓋16の略中央部に形成された貫通孔16bから起歪体14に形成された空隙APに充填されてダンパーとして機能するシリコンオイル(図示略)を注入した後、貫通孔16bに封止ゴム18を嵌合させる。尚、空隙APやシリコンオイルの粘性を調整することによりダンピング比を0.7程度にすることができる。
以上のように組み立てられた加速度変換器は、図示せぬ4つの取付けねじを、ケーシング蓋21の四隅に穿設された4つの円形貫通孔21aに挿入し、ケーシング11の四隅に穿設された4つの図示せぬ取付けねじ孔に挿通し、さらに被測定物に形成された雌ねじ穴に螺合させることにより取り付ける。
また、本発明の上述の実施の形態によれば、起歪板31、スペーサ板32および重錘板33のそれぞれについてのエッチング加工物52〜54をエッチング加工により製作した後、エッチング加工物52〜54を拡散接合により一体化し、一体に接合されたエッチング加工物52〜54の上面にひずみゲージSG1〜SG8およびブリッジパターンBPを物理的蒸着により形成している。したがって、従来の機械加工(限界0.2mm程度)では製作困難な厚さ(0.1mm程度)の起歪板31で、微少質量(例えば、0.1g程度)の重錘部62を上下に挟み込む一体化構造の起歪体14を製作することができる。
例えば、上述した実施の形態では、本発明をケーシング11内に収容した加速度変換器に適用する例を示したが、これに限定されない。すなわち、起歪体14の上面または下面のいずれか一方あるいは両方にひずみゲージSG1〜SG8およびブリッジパターンBPを物理的蒸着したものを単体で用いても良い。この場合、ひずみゲージの劣化を防止するために、ひずみゲージおよびブリッジパターンBPの表面に酸化防止膜等のコーティングを施して使用することが望ましい。
また、本発明を圧力変換器に適用する場合には、厚さの薄いステンレス等の金属からなるダイヤフラムをエッチング加工で製作したものの周縁部を圧力変換器の本体部(剛体部)と拡散接合により一体化した後、ダイヤフラムの表面にひずみゲージおよびブリッジパターンBPをスパッタリングにより添着してもよい。本発明を荷重変換器に適用する場合には、図1に示す加速度変換器の重錘部Wを細径として力伝達棒を形成すると共に上方の変形部Tの中央部に円柱状の荷重導入部をさらに付加するように、薄板を順次重ね合わせて拡散接合により一体化すればよい。
また、上述した実施の形態では、十文字ビーム31の表面に8つのひずみゲージSG1〜SG8を形成する例を示したが、これに限定されず、図3に示す4つのひずみゲージSG8、SG1、SG5およびSG4または、4つのひずみゲージSG3、SG2、SG6およびSG7だけを形成しても良い。
また、上述した実施の形態では、起歪体14をステンレス等の金属からなる例を示したが、これに限定されず、例えば、弾性限界が広い、強度が大きい、防錆性が良好、エッチング加工が容易等、起歪体として用いるのに適すると共に、拡散接合が可能である材料であればどのようなものでも良い。このような材料としては、例えば、ベリリウム(Be)・銅(Cu)等がある。
また、この発明は、小型の物理量/電気量変換器だけでなく、大型の物理量/電気量変換器にも適用することができることは勿論であり、これは小型化という点を除いては、上述した利点がそのまま得られる。また、大型の物理量/電気量変換器においては、スパッタゲージに限るものではない。
また、本発明は、起歪板、重錘板およびスペーサ板を、拡散接合により一体化する実施の形態について説明したが、一体化する接合手段として、拡散接合の他、蝋付け、電子ビーム溶接、レーザ溶接およびスポット溶接のいずれかを用いることができる。但し、拡散接合による一体化が、高精度で、初期ひずみが小さく歩止まりがよい、安価に製造できる点において優れている。
但し、エッチング加工により得られた起歪板、重錘板、スペーサ板の方が、極薄肉なひずみゲージを形成することができ、且つ、ゲージ率も大幅に増大させることができる。
また、前記連接部除去工程は、ワイヤー放電加工による他、放電、ワイヤーソー、レーザ加工、機械加工のいずれによってもよい。尚、ワイヤー放電による場合、その接断分離が容易で且つ美麗に行うことができる。
また、起歪体の周辺の空隙には、シリコンオイルまたは不活性ガスのような粘性流体を充填することが望ましい。
11a 本体部
11b 張出部
11ba 開口部
12 ベース
12a,16a 凹溝
13,17 Oリング
14 起歪体
15 フレキシブル基板
16 中蓋
16b 貫通孔
18 封止ゴム
19 リングナット
19a,19b,21a 円形貫通孔
20 押さえ板
21 ケーシング蓋
22 ケーブル
23 ゴムキャップ
31 起歪板
31a,32a,33a 円環部
31ab,32ab,33ab 切欠部
31b,32b 小円盤部
33b 大円盤部
31c ビーム部
31d,31e 起歪部
32 スペーサ板
32c,33c 連結部
33 重錘板
41 薄板
41a 表面
41b 裏面
42 液槽
43 酸洗液
44a,44b フォトレジスト膜
45a,45b 露光用マスク
46a,46b 紫外線ランプ
47a,47b フォトレジストパターン
48 エッチング液
49 スプレーノズル
50 中間加工物
51 剥離液
52〜54 エッチング加工物
52a,56a,57a ワイヤカット予定部
52b 貫通孔
55〜57 半製品
61 真空炉
W 重錘部
T 変形部
AP 空隙
S スペーサ部
BP ブリッジパターン
BV ブリッジ電圧
CP1〜CP5 銅箔パターン
eo 出力電圧
L11,L12,L21,L22,L31,L41,L42,L51 ランド
P11〜P15,P21〜P25 電極
SG1〜SG8 ひずみゲージ
Claims (8)
- 金属の薄板からなり、物理量を受けてひずみを生じる起歪部を有する一対の起歪板と、
金属の薄板からなり、一体化されることにより前記起歪板に支持される重錘部を構成する複数枚の重錘板と、
金属の薄板からなり、前記一対の起歪板と前記重錘板との間にそれぞれ介挿されるスペーサ板とからなり、
これらの2枚の前記起歪板と、2枚の前記スペーサ板と、複数枚の前記重錘板とを積層した状態で一体化し、前記起歪体に印加される加速度を検出し得るように構成したことを特徴とする起歪体。 - 前記一体化は、拡散接合、蝋付け、電子ビーム溶接、レーザ溶接およびスポット溶接のいずれかにより行われていることを特徴とする請求項1に記載の起歪体。
- 請求項1または請求項2に記載の起歪体と、
前記起歪体の前記起歪部に添着された複数のひずみゲージと、
前記起歪体の前記起歪部近傍に形成され、前記複数のひずみゲージをホイートストンブリッジ回路を構成するためにそれぞれ接続すると共に、前記ホイートストンブリッジ回路にブリッジ電圧を供給するための電源電極と、前記ホイートストンブリッジ回路から出力電圧を取り出すための出力電極とを有するブリッジパターンと、
前記ブリッジパターンを構成する前記電源電極および前記出力電極と接続された複数の電極と、前記複数の電極とケーブルを構成する複数の金属線とを接続するためのパターンとがそれぞれ形成された基板と、
開口近傍の内周に雌ねじが形成された一端開口型のケーシングと、
前記ケーシングの内周に嵌合されると共に、内底面に形成された凹溝に第1のOリングが嵌入されたベースと、
下面に形成された凹溝に第2のOリングが嵌入された中蓋と、
前記ケーシングの前記雌ねじに螺合するリングナットと、
ケーシング蓋とを有し、
前記ベース内に、前記複数のひずみゲージおよび前記ブリッジパターンが形成され、且つ、前記ブリッジパターンに前記基板が接続された前記起歪体を収容し、前記起歪体および前記基板上に前記中蓋を載置し、前記リングナットを前記ケーシングの前記雌ねじに螺合させることにより、前記起歪体を前記ケーシング内に固定し、前記ケーシング蓋を固着することにより前記起歪体を外部と遮断状態に封止したことを特徴とする物理量/電気量変換器。 - 前記起歪体は、周縁の固定部との間に空隙を介して中央部に前記重錘部が形成され、前記起歪体の空隙には、粘性流体が充填されていることを特徴とする請求項3に記載の物理量/電気量変換器。
- 金属の薄板を加工して、物理量を受けてひずみを生じる起歪部を有する起歪板と、一体化されることにより前記起歪板に支持される重錘部を構成することになる重錘構成部が周縁部と一部連接してそれぞれ形成された複数の重錘板と、前記起歪板と前記重錘部との間隔を保持するための間隔保持部が周縁部と一部連接して形成されたスペーサ板とをそれぞれ製作する加工工程と、
前記起歪板を前記複数の重錘板の両端側に前記スペーサ板を介してそれぞれ配置してこれらを一体化する接合工程と、
前記重錘板の前記重錘部と前記周縁部との連接部および前記スペーサ板の前記間隔保持部と前記周縁部との連接部をそれぞれ除去する連接部除去工程と
を有することを特徴とする起歪体の製造方法。 - 前記加工工程は、エッチング加工、レーザ加工、機械加工のいずれかにより製作することを特徴とする請求項5に記載の起歪体の製造方法。
- 前記接合工程は、拡散接合、蝋付け、電子ビーム溶接、レーザ溶接のいずれかを用いることを特徴とする請求項6に記載の起歪体の製造方法。
- 前記連接部除去工程は、ワイヤー放電加工、放電ワイヤーソー、レーザ加工および機械加工のいずれかを用いることを特徴とする請求項6に記載の起歪体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004319856A JP4574324B2 (ja) | 2004-10-05 | 2004-10-05 | 起歪体、物理量/電気量変換器および起歪体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004319856A JP4574324B2 (ja) | 2004-10-05 | 2004-10-05 | 起歪体、物理量/電気量変換器および起歪体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006105948A true JP2006105948A (ja) | 2006-04-20 |
JP4574324B2 JP4574324B2 (ja) | 2010-11-04 |
Family
ID=36375848
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004319856A Active JP4574324B2 (ja) | 2004-10-05 | 2004-10-05 | 起歪体、物理量/電気量変換器および起歪体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4574324B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006126064A (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-18 | Star Micronics Co Ltd | 静電容量型センサの製造方法 |
JP2008261839A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-30 | Epson Toyocom Corp | 加速度検知ユニットの製造方法 |
US8307521B2 (en) | 2007-03-19 | 2012-11-13 | Seiko Epson Corporation | Method for manufacturing acceleration sensing unit |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50109682U (ja) * | 1974-02-14 | 1975-09-08 | ||
JPH0175859U (ja) * | 1987-11-11 | 1989-05-23 | ||
JPH02116754A (ja) * | 1988-10-27 | 1990-05-01 | Mazda Motor Corp | 加速度検出装置 |
JPH04273068A (ja) * | 1991-02-28 | 1992-09-29 | Nippon Seiki Co Ltd | 加速度センサ |
JPH10332503A (ja) * | 1997-04-04 | 1998-12-18 | Ngk Insulators Ltd | 三軸センサ |
JP2001124547A (ja) * | 1999-10-29 | 2001-05-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 傾斜センサ |
JP2002181844A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-06-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 加速度センサ用起歪体の製造方法 |
-
2004
- 2004-10-05 JP JP2004319856A patent/JP4574324B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50109682U (ja) * | 1974-02-14 | 1975-09-08 | ||
JPH0175859U (ja) * | 1987-11-11 | 1989-05-23 | ||
JPH02116754A (ja) * | 1988-10-27 | 1990-05-01 | Mazda Motor Corp | 加速度検出装置 |
JPH04273068A (ja) * | 1991-02-28 | 1992-09-29 | Nippon Seiki Co Ltd | 加速度センサ |
JPH10332503A (ja) * | 1997-04-04 | 1998-12-18 | Ngk Insulators Ltd | 三軸センサ |
JP2001124547A (ja) * | 1999-10-29 | 2001-05-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 傾斜センサ |
JP2002181844A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-06-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 加速度センサ用起歪体の製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006126064A (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-18 | Star Micronics Co Ltd | 静電容量型センサの製造方法 |
JP2008261839A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-30 | Epson Toyocom Corp | 加速度検知ユニットの製造方法 |
US8307521B2 (en) | 2007-03-19 | 2012-11-13 | Seiko Epson Corporation | Method for manufacturing acceleration sensing unit |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4574324B2 (ja) | 2010-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8334639B2 (en) | Package for electronic component, piezoelectric device and manufacturing method thereof | |
JP6760575B2 (ja) | センサチップ、起歪体、力覚センサ装置 | |
JP4933903B2 (ja) | 水晶振動体、水晶振動子及び水晶ウェハ | |
CN110071701B (zh) | 振动元件及其制造方法、物理量传感器、惯性计测装置 | |
CN103116037B (zh) | 石英振梁加速度计及其制作方法 | |
JP6940037B2 (ja) | 力覚センサ装置 | |
JP2009165006A (ja) | 圧電振動片、圧電デバイス及び音叉型圧電振動子の周波数調整方法 | |
JP2006246112A (ja) | 弾性表面波デバイスおよびその製造方法 | |
JP2007035965A (ja) | 半導体装置およびその製造方法、ならびにそれに使用される接着材料およびその製造方法 | |
JP4795891B2 (ja) | 立体配線を有する実装構造体 | |
JP2020101429A (ja) | 振動素子、振動素子の製造方法、物理量センサー、慣性計測装置、電子機器および移動体 | |
JP2021071305A (ja) | 力覚センサ装置 | |
JP6322400B2 (ja) | 圧電振動片、圧電振動片の製造方法及び圧電振動子 | |
JP4574324B2 (ja) | 起歪体、物理量/電気量変換器および起歪体の製造方法 | |
JP5052459B2 (ja) | 半導体センサー装置 | |
JP4851748B2 (ja) | 力学量センサ | |
JP2007043017A (ja) | 半導体センサ装置 | |
CN102860045B (zh) | 超声波探头及其制造方法以及超声波诊断装置 | |
JP5050590B2 (ja) | 角速度センサ及び電子機器 | |
JP2019178904A (ja) | 振動素子、振動素子の製造方法、物理量センサー、慣性計測装置、電子機器および移動体 | |
JP2009212906A (ja) | 電子部品の実装構造及びその実装方法 | |
US20160231111A1 (en) | Angular velocity sensor element and angular velocity sensor using same | |
JP7074407B2 (ja) | 力覚センサ装置 | |
JP2021132314A (ja) | 振動素子、振動デバイス、電子機器、移動体および振動素子の製造方法 | |
JP6919965B2 (ja) | センサチップ及び力覚センサ装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070529 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090722 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091218 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100319 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100518 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100806 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100818 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4574324 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |