JP2006104991A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 設計容積比を増大し高圧力比運転時に効率の高いスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】 基本渦曲線として用いた代数螺線曲線の包絡線により形成された旋回スクロール及び非旋回スクロールを備え、旋回スクロールと非旋回スクロールのうち少なくとも旋回スクロール渦巻体の外側壁面を構成する包絡線と基本渦曲線の距離が異なる部分を有するものとする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、容積形流体機械の一種であるスクロール形流体機械に係わり、特に作動流体がR404A、R507A、R508B、R410A、炭化水素、二酸化炭素、アンモニア等の冷媒を用いた冷凍冷蔵用に用いられるスクロール圧縮機に関する。
冷凍用機器の冷凍サイクルでは要望される圧力比が4〜20となり、冷凍サイクルにスクロール圧縮機を用いた場合、スクロール圧縮機の渦巻体(スクロールラップ)により形成される圧縮室の吸い込み完了時の容積と吐出開始時の容積の比(以下設計容積比と称す)を大きくする以外にそのような圧力比を達成する手段はない。また、圧縮機を大型化せずに限られた外径内で設計容積比を増加させることは困難であった。
特開平7-27065号公報(以下、特許文献1と呼ぶ。)では、旋回スクロール渦巻体及び固定スクロール渦巻体を構成する基本渦曲線に代数螺線が用いられている。これにより容積変化率の設定が可能となり、容積変化率を円のインボリュートで設計する場合に比べ大きくすることができるため、冷媒の不足圧縮による図示動力の低減による性能向上が図られる。
特開平7−27065号公報
特許文献1は容積変化率の設定には非常に有用であり、渦巻体の巻き始め部の厚み(ラップ厚)が他の部分より厚い形状を得ることができるが、例えば従来機と同等の装置寸法の中で信頼性を確保しつつ、設計容積比を増加させる点については十分な検討がなされていなかった。つまり、例えば動径r、偏角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の指数kとしたとき、r=aθ(式1)で表される代数螺線曲線のうち代数螺線の係数aまたは代数螺線の指数kを変化させて、作動流体の圧力が高まる渦巻体の巻き始め部のラップ厚さを大きくすることが特許文献1に記載されている。そこで作動流体の信頼性に対して渦巻体の巻き始め部のラップ厚さを大きくし、圧力比を装置寸法を変えずに高めるべく渦巻体の巻き角が多くなるように、つまり渦巻体が広がらないようにラップを設ける。すると、旋回スクロールの渦巻体及び非旋回スクロールの渦巻体は、偏角θが大きくなる渦巻体巻終り部でラップ厚さが薄くなってしまう。特に、旋回スクロールの渦巻体最外周部分と非旋回スクロールの内周壁と吸込み完了時に圧縮室が構成される、所謂非対称ラップを組み合わせたスクロール圧縮機においては、ラップ厚さが薄い旋回スクロールの渦巻体巻き終わり部で非旋回スクロールの渦巻体(ラップ)と線接触を何度も繰り返すため、信頼性が問題となる。そこで式1の代数螺線の係数aまたは代数螺線の指数kを変化させるだけでは、渦巻体巻終り部ラップ厚さを増大することと設計容積比を増大させることを信頼性を確保しながら両立させることに課題があった。
本発明の目的は、渦巻体を有するスクロール圧縮機において、設計容積比を増大して高圧力比運転において信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明のスクロール圧縮機は、極座標形式で表される代数螺線曲線を基本渦曲線としてこの基本渦曲線の包絡線に基づく側面形状を備えた渦巻体が端板に対して直立して設けられた旋回スクロール及び非旋回スクロールを備え、この旋回スクロール及び非旋回スクロールの前記渦巻体を内側に向けた状態で互いにかみ合い、前記旋回スクロールが前記非旋回スクロールに対して見かけ上自転しないように所定の半径で公転運動して、前記2つのスクロールの渦巻体間に生じる密閉空間内の流体の体積を縮小することで圧縮作用を行う圧縮機構を有するスクロール圧縮機において、前記2つのスクロールのうち少なくとも前記旋回スクロールの渦巻体は、当該渦巻体の基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分を有するものである。
上述のように、渦巻体を形成するための基本渦曲線を代数螺線曲線としてその形状が基本渦曲線の包絡線で構成された旋回スクロールの渦巻体(旋回渦巻体)及び非旋回スクロールの渦巻体(非旋回渦巻体)をもち、それらのうちの少なくとも旋回スクロールの渦巻体は、渦巻体の基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分を有するものとした。この構成によれば、旋回スクロールの渦巻体のラップ厚さを任意に変化させることができ、設計容積比を増大して高圧力比運転において信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することができる。特に、非旋回スクロールの渦巻体と旋回スクロールの渦巻体とを互いに噛み合せて組み合せることによって、旋回スクロールの渦巻体の内側と外側とに吸込完了時の内容積である押し退け容積が互いに異なる一対の密閉空間を形成する、いわゆる非対称ラップを有するスクロール圧縮機であって、その旋回スクロールの吐出側である巻き始め部のラップ厚さを厚くし、設計容積比を高めるために渦巻体の巻き角を多くするように設けられた旋回スクロールの渦巻体を有する場合には、渦巻体の巻き角を多くすること無く旋回スクロールの巻き終わり部の幅を広くできるので信頼性を確保しながら設計容積比を高めることが可能となる。
また、上述の本発明のスクロール圧縮機において、旋回スクロールの渦巻体における基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分は、渦巻体の巻き終り端部を含むようにしてもよい。この場合、巻き始め部分のラップ厚が他のラップ厚に比べて厚くなるように旋回スクロールの渦巻体が設けられていても、代数螺線曲線を基準渦曲線として渦巻体の巻き終わり部はラップ厚が薄くならずに、巻き始めから巻き終わりまで所望の厚みをもった渦巻体を得ることができる。
また、上述の本発明のスクロール圧縮機において、旋回スクロールの渦巻体における基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分は、他の部分よりも当該距離が離れているようにしてもよい。この場合も、巻き始め部分のラップ厚が他のラップ厚に比べて厚くなるように旋回スクロールの渦巻体が設けられていても、代数螺線曲線を基準渦曲線として渦巻体の巻き終わり部はラップ厚が薄くならずに、巻き始めから巻き終わりまで所望の厚みをもった渦巻体を得ることができる。
また、上述の本発明のスクロール圧縮機において、基本渦曲線である代数螺線曲線は、動径r、偏角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の指数kとしたとき、r=aθ(式1)で表される式を用いても良い。このとき旋回スクロールの渦巻体における基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分は、当該渦巻体の任意の偏角θの区間で異なるようにしてもよい。当該渦巻体の巻き終り端部から360度以内の偏角θの区間で異なるようにしてもよい。この場合は、渦巻体を形成するための基本渦曲線を代数螺線曲線として構成された旋回スクロールの渦巻体(旋回渦巻体)及び固定スクロールの渦巻体(固定渦巻体)をもち、前記旋回渦巻体外側壁面(内側壁面)を構成する基本渦曲線と包絡線との距離を任意の偏角θおいて減少(増加)させる。また、同時に固定渦巻体内側壁面(外側壁面)のうち、旋回渦巻体外側壁面(内側壁面)と同一の偏角θにおいて、基本渦曲線と包絡線との距離を旋回渦巻体で減少(増加)させた分だけ増加(減少)させる。これにより任意の偏角θにおいて旋回渦巻体のラップ厚さを変化させることができ、2つの渦巻体の幾何学的接触が保障される。特に当該渦巻体の巻き終り端部から360度以内の偏角θの区間で異なるようにしてもよい。
また、旋回渦巻体外側壁面の任意の偏角θから巻終わりまでの区間において基本渦曲線と包絡線との距離を偏角θの関数として当該区間における距離を徐々に減少させていってもよく、同時に固定渦巻体内側壁面のうち、旋回渦巻体外側壁面と同一の区間において旋回渦巻体で減少させた分だけ増加させるように基本渦曲線と包絡線との距離も同様に偏角θの関数とする。これにより旋回渦巻体の外径を大きく変えることなく旋回渦巻体のラップ厚さが増加される。
さらに上記目的を達成するために本発明のスクロール圧縮機は、渦巻体が端板に対して直立して設けられた旋回スクロール及び非旋回スクロールを備え、この旋回スクロール及び非旋回スクロールの前記渦巻体を内側に向けた状態で互いにかみ合い、前記旋回スクロールが前記非旋回スクロールに対して見かけ上自転しないように所定の半径で公転運動して、前記2つのスクロールの渦巻体間に生じる密閉空間内の流体の体積を縮小することで圧縮作用を行う圧縮機構を有するスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの渦巻体の外側側面と密閉空間をなす前記固定スクロール内側側面と、当該固定スクロールの渦巻体の内側側面と前記旋回スクロールの渦巻体を挟んで設けられた前記固定スクロールの渦巻体の外側側面との間の前記固定スクロールの渦巻体間距離は、最外周の渦巻体間距離が他の渦巻体間距離よりも大きいものである。
このような構成を備えることで、旋回スクロールの渦巻体と固定スクロールの渦巻体との最外周部分が接触する区間において、固定スクロールの渦巻体のラップ間距離が他の区間のラップ間距離よりも大きくなることで旋回スクロールの渦巻体巻き終わり部を他の部分と同等以上にラップ幅を広げることができ、旋回スクロールの信頼性を向上することができ、スクロール圧縮機を性能向上することができる。
さらに、本発明を適用したスクロール圧縮機を冷凍サイクルに用いた冷凍用機器は、従来の大きさと変わらない圧縮機の外形寸法で所望の圧力比を得ることができたので、冷凍用機器における冷凍サイクルの占める領域に対して非冷凍物に対する領域を大きくすることができる。
本発明によれば、設計容積比を増大して高圧力比運転において信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施例を図1乃至図6により説明する。
図1は本発明の一実施例におけるスクロール圧縮機の縦断面図である。スクロール圧縮機11は、旋回スクロール1と非旋回スクロールの一つである固定スクロール3、旋回スクロール1を回転するクランク軸12、クランク軸12を支持するフレーム13、旋回スクロール1の公転運動を許容し自転運動を防止するオルダムリング14、クランク軸を駆動するモータ15等を備えている。
ここで両スクロール1、3の渦巻体は代数螺線曲線の包絡線により形成される。本実施例において使用する代数螺線曲線は、動径r、偏角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の指数kとしたとき、r=aθ(式1)で表される。この曲線を基本渦曲線として用いて包絡線により各スクロールの渦巻体1,3の形状を決めることによって、作動流体の圧力が高くなる渦巻体の巻き始め部のラップ厚さを他の部分よりも大きくでき、インボリュート曲線よりも同じ面積で巻数を増やすことができる。式1の代数螺線の係数a、代数螺線の指数kを適宜設定することで、インボリュート曲線よりも同じ面積で巻数を増やすように式1を設定すると、各渦巻体1,3のラップ厚が巻き終わり部に向かって徐々に少なくなる。そこでその包絡線と基本渦曲線の距離を偏角に合わせて変化させることで任意の偏角におけるラップ厚さを備えた形状とでき、特に、巻き終わり部にいたるラップ厚を必要とする範囲で包絡線と基本渦曲線の距離を変化させ所望の形状を得ることができるものである。渦巻体1,3の形状については後述する。
このように構成されたスクロール圧縮機において、モータ15に通電することによりクランク軸12が回転し、旋回スクロール1はオルダムリング14により自転することなく公転運動する。吸い込みパイプ16から流入した低温低圧の被圧縮流体を両スクロール1、3により形成される密閉空間の容積を縮小することで圧縮作用が行われる。密閉空間内で圧縮された被圧縮流体は高温高圧となるため、冷凍サイクルより取り出した低温の液体の被圧縮流体をインジェクションパイプ17を通じて圧縮室内に流入させ、圧縮行程の途中で吐出時に気体となる被圧縮流体の温度を下げている。圧縮行程を経て高温高圧となった被圧縮流体は、吐出ポート7から圧縮機ケース内に排出され、ケースとケース内の圧縮機構成部品の間を通り、吐出パイプ18から冷凍サイクル内へと排出される。
図2は本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機のスクロール形状を示す平面図である。図2において、旋回スクロールの渦巻体(旋回渦巻体)2は旋回渦巻体外側壁面2oと旋回渦巻体内側壁面2iとを備え、非旋回スクロールの渦巻体(本実施例では固定渦巻体と称す)4は固定渦巻体外側壁面4oと固定渦巻体内側壁面4iとを備える。
固定渦巻体4は固定スクロール端板5に直立している。具体的な構造としては、旋回スクロール1のラップ先端面と潤滑油膜を介して接触する固定渦巻体4が立っている固定スクロール端板5の歯底面5aは、固定スクロール端板5と面高さが異なる。本実施例の場合、固定スクロール端板5の内周壁は固定渦巻体4から連続して固定渦巻体4の内側壁面4iの一部となる。後ほど詳述するが、旋回渦巻体外側壁面2o上のaからbの部分と固定渦巻体内側壁面4i上のa´からb´の部分が、本実施例における基本渦曲線との距離εHを変化させた区間であり、旋回渦巻体2のラップ厚さを増大した部分である。点aと点a´及び点bと点b´の偏角は同一である。点c´は固定渦巻体内側壁面4i上の巻終り偏角から概略360度だけ偏角を減少させた位置であり、点cは前記点c´と同一の偏角となる旋回渦巻体外側壁面2o上の位置である。吸い込みポート6は圧縮される前の流体が流入する開口部である。吐出ポート7は圧縮された流体が流出する部位である。
図2では、旋回渦巻体2と固定渦巻体4の巻始め開始角度を180度回転させかつ固定渦巻体4の中心Oと旋回渦巻体2の中心O´を旋回半径εだけずらしてかみ合わせてある。また、非旋回スクロール3の渦巻体4と旋回スクロール1の渦巻体2とを互いに噛み合せて組み合せたときに、旋回スクロール1の渦巻体2の内側と外側とに、吸込完了時の内容積である押し退け容積が互いに異なる一対の密閉空間を形成する、旋回渦巻体2と固定渦巻体4はいわゆる非対称ラップをなす。そして図2における旋回渦巻体2と固定渦巻体4の状態は、巻終わり点eとこの点eよりも巻角が小さい(偏角θが小さい)点dとにおいて、旋回渦巻体2と固定渦巻体4とが接することで形成される旋回渦巻体外側壁面2oと固定渦巻体内側壁面4i間の密閉空間が、流体の吸い込みを完了した状態を示している。
図3を用いて図2の旋回渦巻体外側壁面2oと固定渦巻体内側壁面4iの形状について説明する。破線8は旋回渦巻体外側壁面2oと固定渦巻体内側曲線4iの形状を規定するための基本渦曲線であり、式で示すと動径r、偏角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の指数kとしたとき式r=aθ(式1)となる。破線9は旋回渦巻体内側壁面2iと固定渦巻体外側曲線4oの形状を規定するための基本渦曲線である。これら2つの破線で表した基本渦曲線は、巻始め開始角度を180度回転させ、かつ巻き始め点を同一の点Oとしていて、図3では連続した破線で記載されている。旋回渦巻体外側壁面2o上の点fと固定渦巻体内側壁面4i上の点f´は、図2の点dに対応するそれぞれの壁面上の点である。破線8上の点gは点f及びf´と同一偏角となる基本渦曲線上の点である。旋回渦巻体外側壁面2o上の点bと固定渦巻体内側壁面4i上の点b´は、図2の点eに対応するそれぞれの壁面上の点である。破線8上の点iは点b及びb´と同一偏角となる基本渦曲線上の点である。同様に点hは点a及び点a´と同一偏角となる基本渦曲線上の点である。
図3(a)は特許文献1にも記載されている従来技術におけるラップ形成法を示し、図3(b)は本実施例におけるラップ形成法を示している。図3(a)において破線8を基本渦曲線とする旋回渦巻体外側壁面2oは式r=aθ+εH(式2)で示される包絡線のうちεHだけ内側の曲線、固定渦巻体内側壁面4iはεHだけ外側の曲線により形成され、それぞれの包絡線2o、4i間の距離は旋回半径εとなっている。(即ち、ε=2|εH|。)
同様に破線9を基本渦曲線とする旋回渦巻体内側壁面2iは、式r=aθ+εH(式2)(但し、破線8とは偏角が180度ずれている。)で表される包絡線のうち、εHだけ外側の曲線となり、固定渦巻体外側壁面4oはεHだけ内側の曲線となる。それぞれの包絡線2i、4o間の距離は、破線8を基本渦曲線とした旋回渦巻体外側壁面2oと固定渦巻体内側壁面4iの間の距離と同様に旋回半径εとなっている。
これに対し図3(b)では、旋回渦巻体外側壁面2o上の点aから点bの区間における破線8との距離εHを、偏角θの関数として距離εHを変化させ、図3(a)でのεHより漸次小さくして、巻終り点bでεHfとなる。また同時に固定渦巻体内側壁面4i上の点a´からb´の区間における破線8との距離εHを、旋回渦巻体外側壁面2oで減少させた分だけ増加させるような偏角θの関数とし、巻終り点b´でεHf´となり旋回渦巻体外側壁面2oと固定渦巻体内側壁面4iとの距離は旋回半径εとする。(即ち、ε=|εHf’|-|εHf|。)これにより旋回渦巻体2の巻終りにおけるラップ厚さは偏角θにおけるεHの差分だけ厚くすることができる。
図4に、旋回渦巻体外側壁面2oを表す包絡線と固定渦巻体内側壁面4iを表す包絡線の基本渦曲線からの距離εHと偏角θの関係の一例を示す。図中線19は本実施例における旋回渦巻体外側壁面2oと基本渦曲線である破線8との距離εHの変化を示し、線20は本実施例における固定渦巻体内側壁面4iと基本渦曲線である破線8との距離εHの変化を示している。また破線21は従来技術における距離εHである。巻始め角θ0から偏角θaまでは一定の値εHで、偏角θaからθbが本実施例の基本渦曲線と包絡線との距離を変化させた区間である。
線19と線20は、線21との差分が同値となるような偏角θの関数式となっている。図4(a)は基本渦曲線と包絡線との距離を偏角θの1次関数で変化させた場合である。図4(b)は偏角θcにおける基本渦曲線との距離がそれぞれεHt、εHt´となるように線19及び線20の変化率を変える場合である。このほか変更区間を2次関数で変化させる方法等も挙げられる。
次に旋回渦巻体2の巻終りラップ厚さの増大を上記の方法で行った場合と従来技術である代数螺線の係数a及び代数螺線の指数kのみを変化させた場合の設計容積比の違いを説明する。図5(a)は本実施例により、また図5(b)は従来技術により、旋回渦巻体2の巻終りラップ厚さを増大させた場合であり、それぞれの旋回渦巻体2は同一外径rでかつ同一巻終りラップ厚さTであるときの旋回渦巻体外側壁面2oと固定渦巻体内側壁面4iによって形成される密閉空間10aが流体の吸い込みを完了したときの状態を示す平面図である。
また図5(c)及び図5(d)は図5(a)及び(b)が任意の角度だけ公転運動を行ったときの旋回スクロールと固定スクロールの位置関係を示しており、旋回渦巻体外側壁面2oと固定渦巻体内側壁面4iによって形成される密閉空間10bは両図において同一径である吐出ポート7と導通する直前の状態を示している。
設計容積比とは密閉空間10aと密閉空間10bとの比であり、2つの渦巻体のラップ高さが巻始めから巻終りまで一定である場合、密閉空間10a及び10bを旋回スクロール端板若しくは固定スクロール端板に投影したときの面積の比で表される。図中破線8aから8dは密閉空間10a及び10bを形成する旋回渦巻体外側壁面2o及び固定渦巻体内側壁面4iの基本渦曲線で旋回渦巻体外側壁面2oに沿って描いてある。ここで密閉空間の面積について説明する。図3(a)より、密閉空間10aの面積は破線8の点gから点iまでの長さと旋回半径εとの積とほぼ同等となることが分かる。同様に図5におけるそれぞれの密閉空間の面積は破線8aから8dの長さと旋回半径εとの積とほぼ同等とる。よって設計容積比の比較は前記それぞれの密閉空間を形成する基本渦曲線の長さを比較することで判明する。
図6は図5における破線8aから8dの長さを比較したグラフである。図中長さ1は破線8aの長さを指標化したもので、長さ2は破線8aに対する破線8bの長さの比を表している。同様に長さ3は破線8cの長さを指標化したもので、長さ4は破線8cに対する破線8dの長さの比を表している。本実施例によればラップ厚さ増大を行った際の設計容積比は従来技術の設計容積比に対し大きいことが分かる。
以上より本実施例により旋回スクロールを同一外径で巻終り厚さを増大したときの設計容積比の拡大が図れる。そして、このように従来のサイズとほぼ同じサイズのスクロール部品で組まれ、本発明を適用することによって圧力比が増大したスクロール圧縮機を冷凍サイクルに搭載する冷凍冷蔵用機器は、従来と冷凍サイクルのサイズをほぼ変えずに高圧力比が得られることにより、信頼性を確保しつつ効率よく運転することができる。
これまでに述べた様に本発明の実施例によれば渦巻体の基本渦曲線を代数螺線曲線とし、旋回渦巻体外側壁面及び固定渦巻体内側壁面を形成する基本渦曲線の包絡線と基本渦曲線との距離を代数螺線の偏角の関数として変化させることで、旋回渦巻体の外径が同一でかつ旋回渦巻体巻終り部ラップ厚さを他の部分の厚さと略同一としても設計容積比拡大が図れる。これによりラップ巻終りの信頼性を確保しかつ高圧力比運転時における不足圧縮による図示動力の増加を防止し効率を向上させることができる。
本発明の一実施例におけるスクロール圧縮機の縦断面図。 本発明の一実施例におけるスクロール圧縮機の渦巻体の平面図。 本発明の一実施例におけるスクロール圧縮機の渦巻体の構成法。 本発明の一実施例における基本渦曲線と渦巻体壁面を構成する包絡線との距離を表すグラフ。 本発明の一実施例及び従来技術により形成された旋回渦巻体及び固定渦巻体において、旋回渦巻体外側壁面と固定渦巻体内側壁面によって形成される密閉空間が流体の吸い込みを完了した時と吐出直前の状態を比較した平面図。 図5中の基本渦曲線の長さを比較したグラフ。
符号の説明
1…旋回スクロール、2…旋回渦巻体、3…固定スクロール、4…固定渦巻体、5…固定スクロール端板、6…吸い込みポート、7…吐出ポート、8…基本渦曲線。

Claims (11)

  1. 代数螺線曲線を基本渦曲線としてこの基本渦曲線の包絡線に基づく側面形状を備えた渦巻体が端板に対して直立して設けられた旋回スクロール及び非旋回スクロールを備え、この旋回スクロール及び非旋回スクロールの前記渦巻体を内側に向けた状態で互いにかみ合い、前記旋回スクロールが前記非旋回スクロールに対して見かけ上自転しないように所定の半径で公転運動して、前記2つのスクロールの渦巻体間に生じる密閉空間内の流体の体積を縮小することで圧縮作用を行う圧縮機構を有するスクロール圧縮機において、前記2つのスクロールのうち少なくとも前記旋回スクロールの渦巻体は、当該渦巻体の基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分を有することを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記旋回スクロールの渦巻体の内側と外側とに吸込完了時の内容積である押し退け容積が互いに異なる一対の密閉空間を形成することを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記旋回スクロールの渦巻体における基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分は、当該渦巻体の巻き終り端部を含むことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記旋回スクロールの渦巻体における基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分は、他の部分よりも当該距離が離れていることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記基本渦曲線である代数螺線曲線は、動径r、偏角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の指数kとしたとき、r=aθ(式1)で表されることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記旋回スクロールの渦巻体における基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分は、当該渦巻体の巻き終り端部から360度以内の偏角θの区間で異なっていることを特徴とする請求項5記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記旋回スクロールの渦巻体における基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分に対向する前記非旋回スクロールの渦巻体が、当該渦巻体の基本渦曲線と包絡線との距離が異なる部分を有するをことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  8. 渦巻体が端板に対して直立して設けられた旋回スクロール及び非旋回スクロールを備え、この旋回スクロール及び非旋回スクロールの前記渦巻体を内側に向けた状態で互いにかみ合い、前記旋回スクロールが前記非旋回スクロールに対して見かけ上自転しないように所定の半径で公転運動して、前記2つのスクロールの渦巻体間に生じる密閉空間内の流体の体積を縮小することで圧縮作用を行う圧縮機構を有するスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの渦巻体の外側側面と密閉空間をなす前記固定スクロール内側側面と、当該固定スクロールの渦巻体の内側側面と前記旋回スクロールの渦巻体を挟んで設けられた前記固定スクロールの渦巻体の外側側面との間の前記固定スクロールの渦巻体間距離は、最外周の渦巻体間距離が他の渦巻体間距離よりも大きいものであるスクロール圧縮機。
  9. 前記旋回スクロールの渦巻体の内側と外側とに吸込完了時の内容積である押し退け容積が互いに異なる一対の密閉空間を形成することを特徴とする請求項8記載のスクロール圧縮機。
  10. 前記固定スクロールの渦巻体間距離が最も大きいのは前記旋回スクロールの渦巻体の外側側面との接触点であって密閉空間が流体の吸い込みを完了する接触点である請求項8記載のスクロール圧縮機。
  11. 前記固定スクロール及び旋回スクロールの渦巻体は基本渦曲線に基づいて設けられ、前記基本渦曲線である代数螺線曲線は、動径r、偏角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の指数kとしたとき、r=aθ(式1)で表されることを特徴とする請求項8記載のスクロール圧縮機。
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