JP2006102301A - 歩行器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】歩行の補助をするための歩行器10であって、車輪部11,12と、握り部26とが形成された本体20と、本体20に設けられて肘を掛けるための肘掛け部30と、本体20に対する肘掛け部30の位置の調整を行うための位置調整部40と、を備え、肘掛け部30は使用者の体格などに合わせて位置の調整を行うことができ、使用者の肘はこの肘掛け部30に掛けるようになっている。
【選択図】図4
Description
この種の歩行器は、使用者が肘を掛けて歩行を行うために肘掛け部を有しているものがある(たとえば特許文献1)。
このために、肘掛け部は、使用者の体格や歩行能力に合わせて、使用者の肘の位置に合うように位置合わせできない。
このために、使用者が歩行器を安定してコントロールしながら歩行することが困難である。
これにより、肘掛け部は、位置調整部を用いて、使用者の体格や歩行能力に合わせて位置の調整を行うことができる。使用者が位置の調整を行った肘掛け部に肘を掛けて、歩行器を用いて歩行の補助を安定してコントロールしながら歩行することができる。
これにより、肘掛け部は、本体の前後方向および左右方向の少なくとも一方にスライドすることで、握り部との相対位置や、身体の幅に対応させる等の調整を行いながら、肘掛け部の位置を使用者の肘の位置に合わせて最適に調整することができる。
これにより、肘掛け部は、本体に対して回転することで握り部との相対位置等について、回転方向の位置(角度)を使用者の肘の位置に合わせて最適に調整することができる。
これにより、本体の上下方向を中心として肘掛け部を回転して、使用者の肘の位置に合わせて肘掛け部の位置(角度)を最適に調整することができる。
これにより、簡単な構造のボールジョイントを用いることにより、本体に対して肘掛け部を回転することで、回転方向だけでなく、肘掛け部の傾きを含めた位置を簡単な構造でありながら調整することができる。
第6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかの構成において、前記本体は、前記車輪部が形成された基部フレームと、前記基部フレームに連結された起立フレームとを有しており、前記握り部が前記肘掛け部前方に配置され、前記肘掛け部は起立フレーム上方に配置されることを特徴としている。
第6の発明の構成によれば、本体は基部フレームと起立フレームとを有して、起立フレーム上に肘掛け部が配置されて、その前方に握り部が設けられている。
これにより、起立フレーム上に配置された肘掛け部に荷重をかけた場合でも、確実に荷重を支えるとともに、使用者が肘掛け部に肘を置くと、自然と握り部に手が配置される。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1に示す歩行器10は、使用者(歩行者)の歩行の補助を確実に安定してコントロールしながら行うことができるものであり、車輪を有していることから歩行車とも呼ぶことができ、歩行補助機器とも呼ぶことができる。この歩行器10を使用する使用者は、たとえば肢体不自由者等の足の機能障害や減退に伴って、自立歩行が困難な使用者である。
図2は図1の歩行器10の側面図であり、図3は図1の歩行器10の平面図である。
図1ないし図3を参照すると、本体20は、左右の起立フレーム21,21、支持フレーム22、基部フレーム23、アーム部24、左右のサポート部材25,25および握り部材26を有している。
これにより、取付具24A,24Aを操作して、支持フレーム22とアーム部24との連結を解除することにより、支持フレーム22をR1方向に回転させるとともに、起立フレーム21をR2方向に回転させて折り畳むことができる。これによって歩行器10はコンパクトに折り畳むことができる。なお、たとえば左右の起立フレーム21,21の中間で折り畳める等、従来知られた他の折り畳み構造を採用しても良いのは勿論である。
取付具21A,24Aは、それぞれたとえばボルトを有しておりねじ込むことで部材の締結をすることができる。
図1から図3に示す肘掛け部30,30は、起立フレーム21の上方に配置されており、左右対称形状を有して、肘掛け部30の内部にクッション材等が配置されている。なお、使用者の状態によって、左右非対称としてもよい。
肘掛け部30,30は、図1ないし図3に示すように、肘置き面31と側面部32を有している。肘置き面31は平坦面であり、側面部32は肘置き面31の外側の側縁に沿って配置され、たとえば垂直に立てて設けられている。肘掛け部30は肘を掛けても耐えうる強度を有するたとえばプラスチックや、木質材料あるいは金属により作られている。
肘置き面31は、略長方形の板状部材であり、側面部32は、同様にして長方形状の板状部材である。肘置き面31と側面部32の角部分は、好ましくは腕Aもしくは肘が当たる場合を考慮して丸く形成されている。
位置調整部40は、肘掛け部30の本体20に対する位置を調整して位置決めするための装置である。この位置調整部40は、肘掛け部30の本体20に対する姿勢を調整する姿勢調整部と呼ぶこともできる。
位置調整部40は、肘掛け部30の肘置き面31の下部に配置されていて、位置調整部40は肘置き面31とサポート部材25の間に位置している。
スライド調整部50は、肘掛け部30を本体20の左右方向Yに沿ってスライドして位置の調整を行うためのものである。スライド調整部50は、第1板状部材51を有しており、第1板状部材51は2つの長穴52,52を有している。第1板状部材51の上端部53,53は、肘掛け部30の肘置き面31の裏面側に対して固定されている。第1板状部材51の長穴52,52は、左右方向Yに沿って平行に間隔をおいて形成されている。長穴52,52は、後で説明する取付固定具60のボルト61が通る幅を有している。
取付部材63は、たとえば長い板状の部材であり、取付部材63は本体20の前後方向Xに平行な方向に配置される。この取付部材63の配置位置は、第1板状部材51の上面51Aと肘置き面31の下面との間の空間である。
使用者Mは、図1に示すように腕A,Aのそれぞれの肘を肘掛け部30の肘置き面31に載せる。そして使用者Mの手H,Hは握り部材26を握りながら、使用者Mは歩行器10による歩行の補助を受けながら歩行の訓練を行うことができる。
この場合に、肘掛け部30が本体20において適切な位置にくるように、たとえば肘掛け部30,30は高さ方向(上下方向)Zに沿ってあらかじめ肘掛け部30,30の高さ位置を調整しておく。この肘掛け部30,30の高さ調整は、取付具21A,21Aをゆるめて、サポート部材25,25を上げたり下げたりして位置を合わせてその後取付具21A,21Aを締め付ければよい。
その肘掛け部30,30の調整では、図4に示すスライド調整部50の第1板状部材51とともに肘掛け部30が、左右方向Yに沿って直線移動して位置決めされる。つまり肘掛け部30と第1板状部材51は、サポート部材25に対して左右方向Yに沿って位置決めされて、体格に応じた幅に設定ができる。
また、配置された使用者の手Hとの位置関係を適切にしつつ、側面部32と肘の当接を適正に調整するために回転調整部80の第2板状部材82の円弧状の穴62,62に沿って、肘掛け部30と第1板状部材51が、サポート部材25の中心軸CL4を中心として図5に示すように回転方向Rに沿って回転して位置決めされる。
このように肘掛け部30を固定した例は図1に示しており、図1の例では、肘掛け部30,30はたとえば左右方向Yに対してY1方向に内側に回転させた状態で固定させている。左右方向YとY1方向との成す角度はθで示している。つまり、肘掛け部30の中心線に対して、角度θ分だけ傾くよう回転されている。この角度θの値は、たとえば0度から30度程度が好ましい。
スライド位置の調整と回転位置の調整は必要に応じて一方だけであっても良いし両方行っても勿論構わない。
図示の実施形態では、図1に示すように本体20は基部フレーム23と2つの起立フレーム21を有していて、各起立フレーム21の上には肘掛け部30が配置されている。しかも肘掛け部30の前方には握り部材(握り部)26が設けられている。これにより、起立フレーム21の上に配置された肘掛け部30に対して使用者Mが荷重をかけた場合でも、確実に荷重を支えるとともに、使用者Mが肘掛け部30に肘を置くと、自然に使用者Mの手Hが握り部材に配置される。
制動装置100は、図1に示すように後輪12,12に対応して設けられている。制動装置100は、後輪12に対して車輪の回転に伴う摩擦抵抗を与えてその摩擦抵抗の値を調整することにより、歩行器10による使用者Mの歩行の際に、適切な制動力を与えることができる。歩行器10における制動力を可変するためのブレーキ装置である。
図1に示すように基部フレーム23の後端部には、それぞれ車輪ホルダー101が設けられている。この車輪ホルダー101の車軸102は、後輪12を回転可能に支持している。
制動装置100はこの車輪ホルダー101に対して設けられている。制動装置100は、操作部材110とブレーキ板120を有している。操作部材110は、つまみ部分111とボルト113を有している。ブレーキ板120は弾性変形可能な材料、たとえば金属やプラスチックなどにより作ることができる。図2と図6に示すように、ブレーキ板120は、薄板状の素材を略S字型に形成したものである。ブレーキ板120は、固定部分121、中間部分122、そして当接部分123を有している。
固定部分121は、位置調整用の長穴130を有している。この長穴130は、本体20の前後方向Xと平行な方向に形成されている。中間部分122の上面122A側には、好ましくは浅い溝122Bが形成されている。この浅い溝122Bは、中間部分122を抜けていない底のある溝であり、操作部材110のボルト113の先端部113Aがはまり込んで位置決めされるための溝である。
中間部分122と当接部分123との間の折曲がり部分126は、好ましくは切欠き部127を有している。また固定部分121と中間部分122の間の折曲がり部分128は、好ましくは切欠き部129を有している。この切欠き部127,129は、少なくとも一方を設けることにより、当接部123が外周面12Aに対して圧接する時の摩擦抵抗力の調整をすることができる。この切欠き部127,129の少なくとも一方を設けても良いし、切欠き部127,129を全く設けなくても良い。切欠き部127,129の大きさを変更することにより、ブレーキ板120の弾性変形力を変えて、当接部123が外周面12Aに対して与える摩擦抵抗力の調整が可能である。
図6に示す制動装置100では、つまみ部分111のボルト113を完全に締めると、ボルト113の先端部113Aが中間部分122の上面122Aに接触する構造である。中間部分122の上面122Aとボルト113の先端部113Aの間には戻りのバネ力が働く構造となっていて、スプリングワッシャの機能を備えている。
このようにして、ブレーキ板120の当接部分123が外周面12Aに対して与える摩擦抵抗力は、使用者の状態に応じて連続的に変えることができる。
上述した肘掛け部30の位置は、位置調整部40により調整することで、使用者Mの体格や歩行能力の大小に応じて肘掛部30を確実に保持することができる。これによって、使用者Mは歩行器10により歩行の補助を受けながら歩行訓練を行う場合に、安定して歩行器をコントロールしながら安全に歩行練習を行うことができる。
このように、摩擦抵抗力の調整を行うことで、歩行器10の後輪12,12は、制動装置100により適切な制動力を使用者Mの体型や歩行能力の大小に応じてあらかじめ与えることができる。このことから、使用者Mは安定して歩行器10をコントロールしながら歩行の練習を行うことができる。
図7は、本発明の歩行器の位置調整部40の別の実施形態を示している。
図4に示す実施形態の肘掛け部30と図7に示す実施形態の肘掛け部30は同じものであるのでその説明を用いることにする。
図7に示す実施形態においては位置調整部40の構造が、図4に示す位置調整部40の構造と異なる。
図8は、回転調整部280の構造例を示している。回転調整部280は、ボール体300、取付板301、収容部材302、固定具303を有している。取付板301は、第2板状部材281の下面に対してボルト310により固定されている。
これによって、固定具303を回転してねじ込むことにより、ボルト304は収容部材302内のボール体300を収容部材302の中において回転しないように固定することができる。この回転調整部280は、いわゆるボールジョイントである。なお、ボール体300の表面にボルト304先端が収容可能な凹部を多数形成し、より、確実に固定できるよう構成してもよい。収容部材302はサポート部材25の上端部に固定されている。
肘掛け部30は、長穴252に沿って左右方向Yに沿って移動して位置決めし、そして握り部材26との位置関係等を調整するために、肘掛け部30は長穴289に沿って前後方向Xに移動してそれぞれ調整する。その後、取付固定具60のボルト61,61を用いてナット266に対してねじ込むことにより、肘掛け部30は第2板状部材281側に固定することができる。
図9(B)の肘掛け部30は、全長にわたって凹部350を有している。この凹部350は、腕および肘を支えるために、断面略半円形状を有している。これにより、肘掛け部30の肘置き面31は曲面形状になるので、腕および肘を確実に保持することができる。
なお、肘掛け部30の構成は、これらの形態に係らず、各種形態を採用することができるが、平面状のものではなく、側面部32や凹部350ないし370等の、使用者の肘の側面が当接する部位が形成されていることが好ましい。
図1に示す本体20の起立フレーム21と支持フレーム22は、回転することにより折り畳めるようになっているが、これに限らず本体20は折り畳めることができない構造を採用しても良い。すなわち、アーム部24と基部フレーム23は、たとえば1本のパイプで接続して固定しても良い。
本体20を折り畳む機能に代えて、歩行器10の本体20を別の歩行器10の本体20に対してスタッキング機能(たとえばショッピングカートなどで用いられている収納機能)を採用しても良い。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
Claims (6)
- 歩行の補助をするための歩行器であって、
車輪部と、握り部とが形成された本体と、
前記本体に設けられて肘を掛けるための肘掛け部と、
前記本体に対する前記肘掛け部の位置の調整を行うための位置調整部と、を備えることを特徴とする歩行器。 - 前記位置調整部は、
前記肘掛け部を前記本体の前後方向および左右方向の少なくとも一方にスライドして前記肘掛け部の位置を調整するスライド調整部を有することを特徴とする請求項1に記載の歩行器。 - 前記位置調整部は、
前記本体に対して前記肘掛け部を回転することで前記肘掛け部の回転方向の位置を調整する回転調整部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歩行器。 - 前記回転調整部は、前記本体の上下方向を中心にして前記肘掛け部を前記回転方向に回転することで前記肘掛け部の回転方向の位置を調整することを特徴とする請求項3に記載の歩行器。
- 前記回転調整部は、前記本体と前記肘掛け部の間に配置されたボールジョイントであることを特徴とする請求項3に記載の歩行器。
- 前記本体は、前記車輪部が形成された基部フレームと、前記基部フレームに連結された起立フレームとを有しており、前記握り部が前記肘掛け部前方に配置され、前記肘掛け部は起立フレーム上方に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の歩行器。
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