JP2009247411A - 移動式歩行訓練機及び歩行補助機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体1内に自走装置を備え、訓練者の上肢部を支えた状態で訓練者を本体1内の移動式訓練空間Sに立たせて自走することで歩行訓練を行うものであって、移動式訓練空間S内の訓練者の腰部下方に設けられ、倒れた訓練者を座支することのできる座部2と、倒れた訓練者による座部2の変位/傾斜/被加圧を検知して検知信号を発する検知部3と、検知部3の検知信号に応じて自動走行の停止或いは自動走行内容の変更を行う走行制御部とを具備する。
【選択図】図2
Description
移動式訓練空間内の訓練者の腰部下方に設けられ、倒れた訓練者を座支することのできる座部2と、
倒れた訓練者による座部2の変位/傾斜/被加圧を検知して検知信号を発する検知部3と、
検知部3の検知信号に応じて自動走行の停止或いは自動走行内容の変更を行う走行制御部とを具備することを特徴とする。
訓練者が移動式訓練空間内で両前腕をそれぞれ保持しうるハンドル付きの前腕保持部5と、
前腕保持部5による保持位置を少なくとも前後方向へ調節する保持位置調節手段6とを具備してなり、
保持位置調節手段6によって、訓練者の立ち位置を、移動式訓練空間の平面視図心と重なる範囲に調節しうることが好ましい。
肘置き台51の左右それぞれの前部から上方へ突出固定されてその突出上端同士が連結された一体的形状からなる握り部52とを有してなり、
保持位置調節手段6が、少なくとも前記握り部52の突出位置を調節しうるものである請求項1、2、または3のいずれか記載の移動式歩行訓練機。
この背支バー8はその一部が取外され或いは分離することで、移動式訓練空間の後部を開閉しうることが好ましい。
本発明は、訓練者の上肢部を支えた状態で訓練者を本体1内の移動式訓練空間に立たせて歩行訓練を行う歩行訓練機であって、少なくとも下記の基本的な構成を具備する。
・内部に設けた立位訓練用の移動式訓練空間とともに移動しうる本体1
・本体1内部に備えられ、複数輪のホイルによって本体1を自走させる自走装置
・移動式訓練空間内の訓練者の腰部下方に設けられ、倒れ落ちる訓練者を座支することのできる座部2
・移動式空間内或いはその近傍に設けられ、座部2の変位/傾き/被加圧を検知して検知信号を発する検知部3
・本体1内に設けられ、検知部3の検知信号に応じて自動走行の停止或いは自動走行内容の変更を行う走行制御部
・座部2の周りに配されて本体1及び座部2をそれぞれ繋ぐ複数本の連結紐4
・訓練者が移動式訓練空間内で両前腕をそれぞれ保持しうるハンドル付きの前腕保持部5
・前腕保持部5による保持位置を少なくとも前後方向へ調節する保持位置調節手段6
・前腕保持部5による保持高さ、あるいは座部2の吊り下げ高さの少なくともいずれかを調節する保持高さ調節手段7
・移動式訓練空間内の訓練者の背面側に配設され、後倒した訓練者を背支することのできる背支バー8
・移動式訓練空間内の訓練者の正面側上部にて訓練者側を向いて配設され、走行内容や非常制御の作動等といった各種情報を表示する表示部92
・移動式訓練空間内の訓練者の正面方向のやや右側上部にて上方を向いて配設され、非常時に押すことで走行を非常停止させる非常停止ボタン94
・移動式訓練空間内の訓練者の正面方向のやや右側下部にて訓練者側を向いて配設され、走行内容や非常制御の作動等といった各種情報を鳴音させるスピーカ95
上記構成によって、座部2の異常を検知して自動的に非常停止などの走行制御を行うことで、自走装置の非常時制御を確実に作動させると共に、倒れこみかけた訓練者を速やかに座支状態へ移行させ、安全性を確保することができる。以下、各構成に付き詳述する。
本体1は、前方及び両側方に亘る下方枠11、下方枠11の両前側部から鉛直に立つ保持高さ調節手段77の挿通枠72、挿通枠72の上後部から側方且つ後方へ伸び、その後下方へ折れ曲がって下方枠11の後部に接続する側支パイプ12、挿通枠72の上面部から情報へ伸びると共に後方の側方向へ緩やかに折れ曲がって移動式訓練空間の側部に沿う並行棒となるガイドパイプ61を具備する。下方枠11の四隅は、四輪の全方向ホイルを配備すると共に、各全方向ホイルの周囲にはそれぞれホイルカバー10cで囲ってある。
座部2は、サドル状、左右に亘るベンチ状、方形、多角形、楕円形の各種板状体等といった各種の形状の座を、吊り下げ、下方支持、左右或いは前後の少なくともいずれかからの側方支持等といった各種の支持構造によって移動式空間内に設けたものとすることができる。
実施例は前部と両側部とで合わせて3本の連結紐4を有する。実施例の3本の連結紐4は、いずれも実施例の略三角形の座布の角部分に縫合された幅広ベルトからなり、長さ調節機構を有すると共に、先端に連結環が輪固定され、連結環に開閉固定式の環フックが固定される(図11、12)。この環フックは、両側部の分が本体1のガイドパイプ61の下部に倒立コ字状に設けた吊り下げパイプに吊り下げられ、前部の分は検知部3のフックセンサの下連結部に設けたフック孔32hに吊り下げられる(図2〜図4)。
検知部3は、規定位置からの圧縮或いは伸長、水平バランスの偏向、変位距離、変位速度ないし加速度といった各種の状態変異の少なくともいずれかを検知するものであればよい。座或いは支持構造に備えて非接触或いは変位/変移センサにより直接検知することができ、或いは移動式空間を囲う本体1内に備えて画像解析、超音波応答により間接検知することができる。座と支持構造との連結部、支持構造と本体1との連結部に介設することで簡便に備えることができる。また検知部3は好ましくは、少なくとも一本の連結紐4に設けられてなる。実施例では、下部が正面側の連結紐4の上端にフック連結され、上部が本体1の係止部への係止によって吊り下げられたフックスイッチからなる。
フックスイッチは、フック31fを上端に有した箱型の上連結部と、フック孔32hを下端に有した箱型の下連結部とが、上下方向へ挿通嵌合されて、上下へ相互変位可能に組み合わされる。組み合わされた状態で、両部品間の変位空間が形成される。変位空間は、上連結部の箱型上面板を底部とし、下連結部の箱型上面板を天井部としてなり、組み合わされた部品相互が離遠変位すると変位空間の高さが低くなり、部品相互が近接変位すると変位空間の高さが高くなる。
前腕保持部5は、移動式訓練空間内の訓練者の両側方から前方に亘って前後方向へ固定位置調節可能に具備された肘置き台51と、
肘置き台51の左右それぞれの前部から上方へ突出固定されてその突出上端同士が連結された一体的形状からなる握り部52とを有してなる。実施例では挿通構造からなる肘置き固定部を具備する。
背支バー8は、移動式訓練空間内の訓練者の背面側に配設され、後倒した訓練者を背支することができる。この背支バー8はその一部が取外され或いは分離することで、移動式訓練空間の後部を開閉しうる。具体的には、一端が枢支軸81として片側一方のガイドパイプ61に固定され、他端が連結フック82によって着脱自在に片側他方のガイドパイプ61へ連結される。一端が枢支軸81にて、片側のガイドパイプ61へガイドパイプ61軸を中心として回動可能に固定される。連結フック82はガイドパイプ61の外周形状に沿う嵌合くぼみ形状によって着脱自在となる。
保持位置調節手段6は、少なくとも握り部52の突出位置を調節しうるもの、さらにいえば前腕保持部5による保持位置全体を前後方向へ調節するものである。保持位置調節手段6によって、訓練者の立ち位置を、移動式訓練空間Sの中央寄りであって、平面視にて移動式訓練空間Sの図心位置と訓練者の体幹部とが重なる範囲に調節しうる。更に、保持位置調節手段6によって、訓練者の位置を、訓練機全体の平面視重心位置と重なる範囲に調節しうる。訓練者の体幹部が、訓練機全体の平面視重心位置と重なる範囲にあれば、訓練者の体重がかかることによる重心位置の大きな変動を抑えることができる。つまり、正常な訓練姿勢中の訓練者の体幹の位置を、訓練機全体の平面視重心位置と重なる平面領域内に確保することで、倒れこんだ訓練者の体重によって訓練機へ偏心荷重がかかることを防ぎ、訓練機の非常時の転倒を抑制することができる。
保持高さ調節手段7は、ガイドパイプ61の訓練空間前方の延伸部分を挿通させて、下方枠11の前両側部の角部から鉛直上方に伸びる左右一対の挿通枠72と、これに挿通されるガイドパイプ61と、ガイドパイプ61の調節後の高さを固定する固定ネジ73とからなる。ガイドパイプ61の上部水平部分を挿通枠72による挿通機構で調節することで、前腕保持部5の高さ、及び座部2の吊り下げ高さを同時に調節することができる。
検知部3の検知信号が所定の設定時間中連続して送られると、非常時であると判断して走行制御を行なう。例えば0.5〜1秒以上連続で検知信号が送られることを、走行制御指令の条件とする。短時間の接触負荷による検知部3の誤作動による走行制御の誤った作動を回避するためである。
なお上記移動式歩行訓練機や歩行補助機のいずれかは、自走動力の出力(電気出力の場合は例えば出力電圧)、ホイルの回転数、制御電流のデータを用いて、訓練達成度や難易度が高く危険性の高い走行方向等の様々な情報を分析するものとしても良い。更に分析によって得られた情報は表示部92等へ出力したりその後の自走条件にフィードバックしたりしても良い。例えば、検知時の回転数の記録によって移動方向ごとの訓練達成度をデータベース化したり、自走回転数と実際の回転数との差の記録によって移動訓練の困難性をデータベース化したりすることもできる。
自走装置は、ホイル軸方向を固定された複数たる四輪の全方向ホイルと、全方向ホイルの回転数を制御駆動する駆動機構とからなる。全方向ホイルの回転数を制御することで、回転運動を伴わずに平面視全方向移動を行なうことができる。
それぞれの全方向ホイルは、略水平回動軸で回動可能な2列の互いに固定したホイルフレームからなり、各ホイルフレームの周縁に沿って、複数のフリーローラ10fを自由回転可能に保持する。
本発明の歩行訓練機は、例えば下肢麻痺者が、下肢の機能回復用に用いるリハビリ用の器具としても使用できる。リハビリにあたっては、訓練者の前腕を前腕保持部5上に載置してハンドルを握らせることで、訓練者を訓練空間内に立たせたまま支える。運動療法は、操作パネルに示した複数の治療コースから選択して行なう(図4、図13)。各治療コースは、動作の回数、速度、移動方向等が予め決められた順位、或いはランダムに出力される。歩行回復訓練は、立位の治療位置にして、患者の回復度合いに応じて、あらかじめ設定された速度、方向の移動訓練により行う。
上記移動式歩行訓練機において、訓練者を歩行者とし、移動式訓練空間を歩行補助空間とし、歩行訓練を歩行補助とすることができる。
11 下方枠
12 側支パイプ
2 座部
3 検知部(フックスイッチ)
31 上連結部
32 下連結部
4 連結紐
5 前腕保持部
51 肘置き台
51p緩衝板
52 握り部
53 脇支部
6 保持位置調節手段
61ガイドパイプ
62挿通枠
63固定ネジ
7 保持高さ調節手段
72 挿通枠
73 固定ネジ
8 背支バー
91 前板
92 表示部
93 電送線
94 非常停止ボタン
95 スピーカ
10 全方向ホイル
10f フリーローラ
10c ホイルカバー
S 移動式訓練空間
Claims (7)
- 訓練者の上肢部を支えた状態で訓練者を本体内の移動式訓練空間に立たせて歩行訓練を行う歩行訓練機であって、複数輪のホイルによって本体を自走させる自走装置と、移動式訓練空間内の訓練者の腰部下方に設けられ、倒れ落ちる訓練者を座支することのできる座部と、座部の変位/傾き/被加圧を検知して検知信号を発する検知部と、検知部の検知信号に応じて自動走行の停止或いは自動走行内容の変更を行う走行制御部とを具備することを特徴とする移動式歩行訓練機。
- 本体及び座部をそれぞれ繋ぐ複数本の連結紐を具備し、座部は、これら連結紐によって訓練領域内に吊り下げられ、検知部は、少なくとも一本の連結紐に設けられてなる請求項1記載の移動式歩行訓練機。
- 訓練者が移動式訓練空間内で両前腕をそれぞれ保持しうるハンドル付きの前腕保持部と、前腕保持部による保持位置を少なくとも前後方向へ調節する保持位置調節手段とを具備してなり、保持位置調節手段によって、訓練者の立ち位置を、移動式訓練空間の平面視図心と重なる範囲に調節しうる請求項1、または2のいずれか記載の移動式歩行訓練機。
- 前腕保持部が、移動式訓練空間内の訓練者の両側方から前方に亘る肘置き台と、肘置き台の左右それぞれの前部から上方へ突出固定されてその突出上端同士が連結された一体的形状からなる握り部とを有してなり、保持位置調節手段が、少なくとも前記握り部の突出位置を調節しうるものである請求項1、2、または3のいずれか記載の移動式歩行訓練機。
- 移動式訓練空間内の訓練者の背面側に配設され、後倒した訓練者を背支することのできる背支バーを具備してなり、この背支バーはその一部が取外され或いは分離することで、移動式訓練空間の後部を開閉しうる請求項1、2、3または4のいずれか記載の移動式歩行訓練機。
- 自走装置が、ホイル軸方向を固定した複数の全方向ホイルからなり、全方向ホイルの回転数を制御することで平面視全方向移動を行ない得る請求項1、2、3、4、または5のいずれか記載の移動式歩行訓練機。
- 請求項1、2、3、4、5、または6のいずれか記載の移動式歩行訓練機において、訓練者を歩行者とし、移動式訓練空間を歩行補助空間とし、歩行訓練を歩行補助としたことを特徴とする歩行補助機。
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