JP2006100474A - 発光ダイオードの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部量子効率の高い発光ダイオードの生産性や信頼性を確保すること。
【解決手段】 膜厚約35ÅのIn0.30Ga0.70Nから成る井戸層51と膜厚約7nmのGaNから成るバリア層52とが交互に合計5層積層されたMQW構造の活性層5の上には、Mgドープのp型Al0.15Ga0.85Nから成る膜厚約50nmのp型クラッド層6が形成されている。p型クラッド層6の上にはMgドープのp型GaNから成る膜厚約1200Åのp型コンタクト層7が形成されている。このp型コンタクト層7の上面には、結晶成長完了後にH2 ガスとHClガスとの混合ガスをエッチングガスとして用いた気相エッチングによって凹凸形状が故意に形成されている。そして、この凹部は六角錘が倒立した形状の多数の穴(ピット)から形成されている。透光性の電極9は、p型コンタクト層7に接合する膜厚約300nmのITO(インジウムスズ酸化物)で形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、 III族窒化物系化合物半導体の結晶成長によって生成される半導体層を複数積層することにより形成される発光ダイオードの製造方法に関する。
この製造方法は、発光ダイオードにおける光取り出し効率(外部量子効率)の向上と、その高発光効率の発光ダイオードの生産性の確保の両方に大いに有用なものである。
半導体層の最上層を非鏡面にして、発光ダイオードの光取り出し効率を向上させる従来技術としては、例えば下記の特許文献1や特許文献2に記載されている様に、半導体層の最上層に対してエッチングを実施する方法が知られている。
これらの従来技術は、生成された光が非鏡面(凹凸面)に入射する場合には、光が臨界角よりも小さい法線角で入射する確率が鏡面(平面)の場合よりも大きくなることを利用して、光取り出し効率(外部量子効率)の向上を図ったものである。
特開平6−291368 特開2000−196152
しかしながら、これらの従来技術に見られるエッチング処理は、結晶成長炉内から目的の半導体ウェハを取り出してから実施する必要があり、かつ、そのエッチング工程は非常に複雑であったり、或いは別にエッチング装置を必要としたりする。これらの事情は、製品の生産コストの面で明らかに不利である。
また、特許文献1でも言及されている様に、従来のエッチング技法を採用する限り、半導体層を構成する結晶をエッチング時に傷める恐れがあり、よって、素子の発光強度や歩留りが低下する恐れを十分には払拭することができない。これらの事情は、製品の性能や信頼性の点でも明らかに不利である。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、外部量子効率の高い発光ダイオードを実現しつつ、その生産性や信頼性を確保することである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、 III族窒化物系化合物半導体の結晶成長によって生成される半導体層を複数積層することにより形成される発光ダイオードの製造工程において、表面に電極が形成される電極形成層の積層後に、エッチングガスを流す気相エッチングによりその表面にピットを形成することである。
上記の電極形成層は、p型半導体層から形成することが望ましいが、勿論n型の半導体層から形成しても良い。また、上記の電極形成層は、コンタクト層から形成することが望ましいが、勿論その他の半導体層から形成しても良い。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段において、上記のエッチングガスとして、H2 ガス、または水素化ハロゲンガスを含んでだガスを用いることである。
ただし、これらのエッチングガスに対して、例えば不活性ガス(希ガス又はN2 ガス)などを混ぜても支障が生じることはない。
また、上記の気相エッチングを実施する工程の前段の結晶成長工程において生成される半導体結晶の材料ガスを運ぶフローガスは、希ガス、N2 ,H2 の何れでも良く、これらを任意の比で混合した混合ガスでも良い。特に、上記の電極形成層の結晶成長工程におけるフローガスをH2 ガスまたはH2 ガスを含むガスとした場合には、材料ガスを遮断した後でもそのフローガスを流し続けるだけで上記の気相エッチングを続けて実施することができる。
より望ましくは、上記の電極形成層を積層した後に、結晶成長炉の中に上記のH2 ガスと共に水素化ハロゲンガスを同時に流すと良い。水素化ハロゲンガスとしては、例えばHCl,HF,HBr,HIの何れか1種類のガス、または任意の混合比によるこれらの混合ガスを用いることができる。
また、本発明の第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、上記の電極形成層の表面を結晶c面で形成し、これにより、上記のピットを6角錐状の穴にすることである。
また、本発明の第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段において、上記の気相エッチングを、電極形成層の結晶成長を実施した結晶成長炉の中で実施することである。
また、本発明の第5の手段は、上記の第1乃至第4の何れか1つの手段において、上記のピットの深さを10nm〜200nmにすることである。
このピットの深さは、積層される電極形成層の膜厚などにも依るが、概ね50nm以上が望ましく、更に望ましくは100nm以上180nm以下が良い。
また、本発明の第6の手段は、上記の第1乃至第5の何れか1つの手段において、上記の電極形成層をpコンタクト層で構成し、上記のピットの深さをpコンタクト層の膜厚の50%〜100%とすることである。
また、本発明の第7の手段は、上記の第1乃至第6の何れか1つの手段において、気相エッチングの実行時の温度を500℃〜1200℃にすることである。ただし、この温度範囲は、800℃〜1100℃が望ましく、950℃〜1050℃の間の範囲が更に望ましい。
なお、上記の気相エッチングを実施する際の結晶成長炉内は、常圧状態、若しくは減圧状態であることが望ましい。
また、ピットを形成した電極形成層の表面に電極を形成する際の電極材料としては、周知の任意のものを用いることができるが、特にITO(Indium Tin Oxide, インジウムスズ酸化物)を用いた場合には、透光性の点で大きな利点を得ることができる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、電極形成層の積層後にエッチングガスを流すことにより、非鏡面を形成することができる。この時、各ピットは電極形成層のエッチング前の最初の表面を底面として、その表面上にあった各転位がこのエッチングの起点となって、時間と共にピットが下方に拡大していく。
上記の様なエッチングは、選択的なエッチングではなく、かつ、気相で実施できるので、極めて容易に実施することができる。即ち、上記の第1の手段に従えば、従来から行われてきた様な煩雑なエッチング工程を実行する必要がない。
したがって、本発明の第1の手段によれば、発光ダイオードにおける光取り出し効率(外部量子効率)の向上と、その高発光効率の発光ダイオードの生産性の確保とを容易に両立することができる。
また、この気相エッチングは、エッチングガスとしてH2 ガス、または水素化ハロゲンガスを含んだガスを用いること(即ち、本発明の第2の手段)により容易に実施することができ、例えば、特にH2 ガスと共に水素化ハロゲンガスを用いれば、エッチングの速度をより高くすることができるので、これらの場合には、より生産性を向上させることができる。
また、本発明の第3の手段によれば、例えばr面などのファセット面からピットの傾斜面を構成することができるので、傾斜面の傾斜角が大きなピットを形成することができる。このため、光の透過率も大きく確保することができる。
この様な六角錐形状のピットやその半導体結晶構造との関係などについては、例えば、公開特許公報「特開2001−102307」などに具体的な例示がある。
また、本発明の第4の手段によれば、電極形成層の結晶成長の工程に引き続いて、その結晶成長炉内から半導体ウェハを取り出すことなく、簡単に、気相エッチングを引き続き実施することができる。
また、本発明の第5の手段によれば、電極形成層のエッチング前の最初の表面が各ピットの底面で概ね覆い尽くされる程度に、電極形成層の上方露出面に全面的に凹凸を形成することができる。これは、電極形成層を概ね良質に形成した場合、その電極形成層のエッチング前の最初の表面の転位密度が概ね108 /cm2 オーダーとなるためである。
エッチング後は、その表面に平頂部が残っても良いが、表面の平頂部は無くなっても良い。また、これらの状態には、局所的な差異が有っても良い。ただし、エッチング時間が長過ぎると、その分の工程時間が無駄になったり、或いは、例えばクラッド層などの下層まで削られてしまう場合もあるので注意を要する。
また、例えば、電極形成層をpコンタクト層から形成する場合、pコンタクト層の膜厚の50%〜100%の深さのピットを形成すれば、下層まで削られてしまう恐れが無くなる(本発明の第6の手段)。そして、この場合には、各p型半導体層の所定の機能が良好に保たれる。
また、本発明の第7の手段によれば、目的とする発光ダイオードを構成する各半導体層に熱的なダメージを与えることなく、上記の気相エッチングにおけるエッチング作用を効果的に引き出すことができる。この温度の最適値は、概ね1000℃前後であるが、本発明は、500℃〜1200℃の範囲内で十分に適用可能である。
電極形成層の表面に形成されるピットは、格子欠損を有する部位に形成され易いので、電極形成層の表面に格子欠損が多い場合ほど多くのピットが形成され易い。このため、電極形成層の表面の格子欠損の数(密度)を制御することによって、形成されるピットの数を制御することができる。しかしながら、格子欠損の過剰な増大は発光効率の低下を招き易いので、本来の発光効率が低下しない程度に、電極形成層の表面の格子欠損の数(密度)を大きめに制御しておくことが望ましい。
なお、本明細書で言う「 III族窒化物系化合物半導体」一般には、2元、3元、又は4元の「Al1-x-y Gay Inx N;0≦x≦1,0≦y≦1,0≦1−x−y≦1」成る一般式で表される任意の混晶比の半導体が含まれ、更に、p型或いはn型の不純物が添加された半導体もまた、これらの「 III族窒化物系化合物半導体」の範疇である。
また、上記の III族元素(Al,Ga,In)の内の少なくとも一部をボロン(B)やタリウム(Tl)等で置換したり、或いは、窒素(N)の少なくとも一部をリン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等で置換したりしても良い。
また、上記のp型の不純物(アクセプター)としては、例えば、マグネシウム(Mg)や、或いはカルシウム(Ca)等の公知のp型不純物を添加することができる。
また、上記のn型の不純物(ドナー)としては、例えば、シリコン(Si)や、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、或いはゲルマニウム(Ge)等の公知のn型不純物を添加することができる。
また、これらの不純物(アクセプター又はドナー)は、同時に2元素以上を添加しても良いし、同時に両型(p型とn型)を添加しても良い。
また、目的とする発光ダイオードの形態は、フェイスアップ型にした方が電極形成層の表面からの光取り出し効果を引き出す上で優位ではあるが、適当な反射構造(例:pコンタクト層の上の金属反射層など)を設ければフェイスダウン型の発光ダイオードを製造した場合にも、本発明の手段に基づいて同様の作用・効果を引き出すことが十分に可能である。
また、ピットを形成した電極形成層の表面に電極を形成する際の電極材料としては、周知の任意のものを用いることができる。特にその電極材料としてITO(インジウムスズ酸化物;Indium Tin Oxide)を用いた場合には、透光性の点で大きな利点を得ることができ、よってこの場合には、外部量子効率の観点において本発明との相乗効果を図ることができる。このITOの積層方法は、真空蒸着でもスパッタ法でも良い。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1は、サファイア基板1上に形成された III族窒化物系化合物半導体で形成された発光素子10の模式的な断面構成図である。サファイア基板1の上には窒化アルミニウム(AlN)から成る膜厚約25nmのバッファ層2が設けられ、その上にはシリコン(Si) ドープのGaNから成る膜厚約4.0μmのn型コンタクト層3(n型の高キャリア濃度層)が形成されている。
そして、n型コンタクト層3の上に、ノンドープのGaNから成る膜厚10nmのn型クラッド層4(低キャリア濃度層)が形成されている。更に、その上には、膜厚約35ÅのIn0.30Ga0.70Nから成る井戸層51と膜厚約7nmのGaNから成るバリア層52とが交互に合計5層積層されたMQW構造の活性層5が形成されている。また、この活性層5の上には、Mgドープのp型Al0.15Ga0.85Nから成る膜厚約50nmのp型クラッド層6が形成されている。更に、p型クラッド層6の上にはMgドープのp型GaNから成る膜厚約120nmのp型コンタクト層7が形成されている。このp型コンタクト層7の上面には、結晶成長完了後にH2 ガスとHClガスとの混合ガスをエッチングガスとして用いた気相エッチングによって、凹凸形状が故意に形成されている。そして、この凹部は六角錘が倒立した形状の多数の穴から形成されている。
又、p型コンタクト層7の上には蒸着によって透光性の電極9が、他方n型コンタクト層3上には電極8が形成されている。透光性の電極9は、p型コンタクト層7に接合する膜厚約300nmのITO(Indium Tin Oxide, インジウムスズ酸化物)で形成されている。電極8は膜厚約20nmのバナジウム(V) と膜厚約1.8 μmのアルミニウム( Al) 又はAl合金で形成されている。
次に、この発光素子10の製造方法について説明する。
上記発光素子10は、有機金属気相成長法(以下「MOVPE」と略す)による気相成長により製造された。用いられたガスは、アンモニア(NH3) 、キャリアガス( H2 , N2 ) 、トリメチルガリウム( Ga(CH3)3) (以下「TMG」と記す)、トリメチルアルミニウム( Al(CH3)3) (以下「TMA」と記す)、トリメチルインジウム( In(CH3)3) (以下「TMI」と記す)、シラン( SiH4) とシクロペンタジエニルマグネシウム( Mg(C5H5)2)(以下「CP2 Mg」と記す)である。
まず、有機洗浄及び熱処理により洗浄したa面を主面とした単結晶のサファイア基板1をMOVPE装置の反応室に載置されたサセプタに装着する。次に、常圧でH2 を流速2リットル/分で約30分間反応室に流しながら温度1100℃でサファイア基板1をベーキングした。
次に、温度を400℃まで低下させて、H2 を20リットル/分、NH3 を10リットル/分、TMAを1.8 ×10-5 mol/分で供給してAlNから成るバッファ層2を約25nmの膜厚に形成した。
次に、サファイア基板1の温度を1150℃に保持し、H2 を20リットル/分、NH3 を10リットル/分、TMGを1.7 ×10-4 mol/分、H2 ガスにより0.86ppmに希釈されたシランを2×10-7 mol/分で供給し、膜厚約4.0μm、電子濃度2×1018/cm3 、Si濃度4 ×1018/cm3 のGaNから成るn型コンタクト層3を形成した。
その後、サファイア基板1の温度を1150℃に保持して、H2 を20リットル/分、NH3 を10リットル/分、TMGを1.7 ×10-4 mol/分で供給し、ノンドープのGaNから成る膜厚10nmのn型クラッド層4(低キャリア濃度層)を形成した。
そして、上記のn型クラッド層4を形成した後、合計5層から成る前記のMQW構造(図1)の活性層5を形成した。
即ち、まず最初に、サファイア基板1の温度を730℃まで低下させ、それと同時にH2 からN2 にキャリアガスを変更し、このキャリアガスとNH3 の供給量を維持しながら、TMGを3.1×10-6 mol/分、TMIを0.7×10-6 mol/分で供給することにより、膜厚約3.5nmのIn0.30Ga0.70Nから成る井戸層51をn型クラッド層4の上に形成した。
次に、サファイア基板1の温度を885℃にまで昇温し、上記の井戸層51上に、N2 を20リットル/分、NH3 を10リットル/分、TMGを1.2×10-5 mol/分で供給して、膜厚約7nmのGaNから成るバリア層52を形成した。
以下、これを繰り返して、井戸層51とバリア層52とを交互に積層し、合計5層(井戸層51、バリア層52、井戸層51、バリア層52、最後の井戸層51)から成る前記の活性層5を形成した。
その後、サファイア基板1の温度を900℃に昇温し、N2 を10リットル/分、TMGを1.6×10-5 mol/分、TMAを6×10-6 mol/分、CP2 Mgを4×10-7 mol/分で供給して、膜厚約20nm、濃度5×1019/cm3 のマグネシウム(Mg)をドープしたp型Al0.15Ga0.85Nから成るp型クラッド層6を形成した。
最後に、サファイア基板1の温度を870℃に降温し、N2 を10リットル/分、NH3 を10リットル/分、TMGを100μmol /分、CP2 Mgを60μmol /分で供給して、膜厚約120nm、濃度5×1019/cm3 のMgをドープしたp型GaNから成るp型コンタクト層7を形成した。
以上に示した工程が、 III族窒化物系化合物半導体から成る各半導体層の結晶成長工程である。
以上の結晶成長工程の後、H2 ガスとHClガスとの混合ガスを用いて、p型コンタクト層7の表面を気相エッチングした。この気相エッチングの実施条件は、次の通りであった。
(気相エッチングの実施条件)
(a)表面の転位密度ρ : 1×108 [cm-2
(b)炉内温度 : 600[℃]
(c)炉内気圧 : 1000[hPa]
(d)H2 ガス流量 : 500[sccm]
(e)HClガス流量 : 200[sccm]
(f)N2 ガス流量 : 10[slm]
(g)実施時間ΔT : 30[min]
(h)ピットの深さh : 90[nm](平均値)
(i)エッチング速度v : 3[nm/min]
ただし、ここで、上記のエッチング速度vは、この気相エッチングによってピットが下方に成長する際の六角錘の頂点の下向きの平均的な移動速度(成長速度)とする。
ここでは(b)〜(f)の各エッチング条件がエッチング速度vの大小を左右する。また、ピットの深さh(平均値:90[nm])はp型コンタクト層7の膜厚の約75%になっている。
この気相エッチングを実施した後、p型コンタクト層7の上にエッチングマスクを形成し、所定領域のエッチングマスクを除去して、エッチングマスクで覆われていない部分のp型コンタクト層7、p型クラッド層6、活性層5、n型クラッド層4、及びn型コンタクト層3の一部を塩素を含むガスによる反応性イオンエッチングによってエッチングして、n型コンタクト層3の表面を露出させた。
次に、エッチングマスクを残した状態で、全面にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィによりn型コンタクト層3の露出面上の所定領域に窓を形成し、10-4Paオーダ以下の高真空に排気した後、膜厚約20nmのバナジウム(V) と膜厚約1.8 μmのAlを蒸着する。この後、フォトレジスト及びエッチングマスクを除去する。
続いて、表面上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフによりp型コンタクト層7上の電極形成部分のフィトレジストを除去して窓を形成し、p型コンタクト層7を露出させる。蒸着装置内を10-4Paオーダ以下の高真空に排気した後、p型コンタクト層7の上にITOを膜厚約300nm程度蒸着する。次に、そのウェハを蒸着装置から取り出し、リフトオフ法によりフォトレジスト上に堆積したITOを除去し、p型コンタクト層7に対する透光性の電極9を形成する。
この後、試料雰囲気を真空ポンプで排気し、O2 ガスを供給して圧力3Paとし、その状態で雰囲気温度を約550℃にして、3分程度、加熱し、p型コンタクト層7、p型クラッド層6をp型低抵抗化すると共に、p型コンタクト層7と電極9との合金化処理、n型コンタクト層3と電極8との合金化処理を行った。このようにして、n型コンタクト層3に対する電極8とp型コンタクト層7に対する電極9を形成した。
以上の様にして、半導体層側から光を取り出すフェイスアップ型の発光ダイオード(発光素子10)を製造した。
以上の様な発光ダイオードの製造方法により、p型コンタクト層7の表面に適切かつ簡単に凹凸(:多数のピット)を形成することができるので、これにより、外部量子効率の高い発光ダイオードを実現しつつ、その生産性や信頼性を確保することができる。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
例えば、pコンタクト層を備えない構成を採用する場合であっても、同様にして、p型層の最上層の上面に凹凸形状を形成することができ、この様な構成によっても、前記の本発明の手段に基づく本発明の作用により本発明の効果を得ることができる。例えば、p型クラッド層を2層以上の多層構造とし、その最上層の上面に、上記と同様の方法で凹凸形状を形成しても良い。
また、本来の発光素子の発光効率が低下しない程度に、電極形成層の表面の格子欠損の数(密度)を大きめに制御する方法としては、例えば次の様な方法を採用しても良い。
即ち、p型コンタクト層の表面のピットの数を制御するために、例えばp型クラッド層の上に0.5〜100nm程度の厚さのAlx Ga1-x N(0<x≦1)の半導体層(以下、欠損密度制御層と言う)を形成し、これによってp型コンタクト層の格子欠損の面密度を増大方向に制御する方法である。
この時の欠損密度制御層の結晶成長温度は、通常の温度でも良いが、この温度を低くすることにより、格子欠損の密度をより増大させることができる。その時の適正範囲は、約600℃〜1000℃程度であり、より望ましくは700℃〜900℃の範囲内であって、更に望ましくは750℃と850℃の間の温度が良い。
また、上記の実施例では、バリア層52の組成をGaNとしたが、バリア層52には、井戸層51よりもバンドギャップの広い「Al(1-x1-y1) Gay1Inx1N(0≦x1<1,0≦y1≦1)」より成る2元、3元、又は4元の III族窒化物系化合物半導体を用いることができる。また、上記の実施例では、発光素子10の活性層5をMQW構造(多重量子井戸構造)としたが、活性層5の構造はSQW構造(単一量子井戸構造)としてもよい。
本発明は、少なくとも最上層の半導体層の表面に凹凸を有する発光ダイオード及びその製造方法に関するものであり、発光ダイオードの高輝度化と生産性の向上に寄与する。また、本発明の構成又は方法に従えば、形状加工等によって半導体層が損傷されることが無いので、適正な発光強度、発光効率、駆動電圧、静電耐圧、素子寿命、歩合、生産コストなどの実際の基本的な商用要件を十分に満たす発光ダイオードを製造することが可能又は容易となる。
本発明の製造方法を用いて得られた発光素子の構成を示した模式図
符号の説明
10 : 発光素子
1 : サファイア基板
2 : バッファ層
3 : n型コンタクト層(n型の高キャリア濃度層)
4 : n型クラッド層(ノンドープ低キャリア濃度層)
5 : 活性層
51: 井戸層
52: バリア層
6 : p型クラッド層
7 : p型コンタクト層
8 : 電極
9 : 透光性電極

Claims (7)

  1. III族窒化物系化合物半導体の結晶成長によって生成される半導体層を複数積層することにより形成される発光ダイオードの製造方法であって、
    表面に電極が形成される電極形成層の積層後に、エッチングガスを流す気相エッチングにより、前記表面にピットを形成する
    ことを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  2. 前記エッチングガスは、
    2 ガス、または水素化ハロゲンガスを含んでいる
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードの製造方法。
  3. 前記表面は、
    結晶c面からなり、
    前記ピットは、
    6角錐状の穴からなる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光ダイオードの製造方法。
  4. 前記気相エッチングは、
    前記電極形成層の結晶成長を実施した結晶成長炉の中で実施される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発光ダイオードの製造方法。
  5. 前記ピットの深さは、
    10nm〜200nmである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発光ダイオードの製造方法。
  6. 前記電極形成層をpコンタクト層で構成し、
    前記ピットの深さを前記pコンタクト層の膜厚の50%〜100%とする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発光ダイオードの製造方法。
  7. 前記気相エッチングの実行時の温度は、
    500℃〜1200℃である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の発光ダイオードの製造方法。
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