JP2006100392A - パネル保持機構 - Google Patents

Abstract

【課題】太陽電池パネルの防水性を保持しながら嵌入溝に挿入し易いパネル保持機構を得る。
【解決手段】保持部材１１は略コ字状の形状から成り、太陽電池パネルを挟持する内側は太陽電池パネルの防水性を向上させるために、柔軟性を有する内側部材２１から成っている。この内側部材２１の上端部２３は太陽電池パネルを挿入し易くするために上方に開いており、太陽電池パネルＰと密着する凹部２４には太陽電池パネルの脱落防止のためのシール突起部２５、２６が設けられている。内側部材２１の外側には、内側部材２１よりも硬質の合成樹脂から成る外側部材２２が設けられている。保持部材１１の凹部２４に太陽電池パネルを挿入し、枠部の嵌入溝に嵌合する。
【選択図】図２

Description

本発明は、例えば太陽光により発電する太陽電池パネルを枠体に取り付けるパネル保持機構に関するものである。

近年、エコエネルギ、環境対策の一環から住宅の屋根や建物の屋上等に設置し、太陽光により発電を行う太陽光発電が注目されている。一般に、この太陽光発電は、単結晶、多結晶、アモルファスシリコン等から成る複数の太陽電池セルを基板上に配列し、電極、配線等を配置して太陽電池モジュールから電力を得るものであり、設置場所や設置面積に応じて複数個の太陽電池モジュールが並設される。

太陽電池モジュールは図６の斜視図に示すように、枠体１は４辺の金属製枠部２により四角枠状に組み立てられ、枠部２に設けられた嵌入溝３に太陽電池パネルＰが挿着されている。嵌入溝３内には、防水シール剤として例えばブチルゴムを充填して防水構造となっている。太陽電池パネルＰには図示しない電極及びケーブルを介して、別の太陽電池パネルＰと連結したり、太陽電池パネルＰにより発電した電力をバッテリに充電している。

図７は防水シール剤の使用を省略するために、本出願人が特願２００４−１０６００１号において出願した太陽電池モジュールの部分断面図を示しており、押し出し成形により製作した金属製の枠部２の嵌入溝３に、弾性を有する樹脂成型品から成る保持部材４を挿入し、この保持部材４によりガラス板Ｐａ、樹脂板Ｐｂ、太陽電池セルＰｃ、樹脂板Ｐｄ、フッ素樹脂フィルムＰｅを積層した太陽電池パネルＰを保持した状態を示している。

しかしながら、図４における保持部材４は太陽電池パネルＰに挿着してから枠部２の嵌入溝３への嵌合が難しく、また脱落し易いという問題点もある。

本発明の目的は、上述の課題を解決し、パネルの防水性を保持しながら、枠体への取り付けが容易で脱落し難いパネル保持機構を提供することにある。

上述の目的を達成するための本発明に係るパネル保持機構の技術的特徴は、板体状のパネルの周囲を保持部材を介して枠体に保持するパネル保持機構において、前記保持部材は前記枠体の一部に嵌合して使用する断面略コ字状の形状を有し、前記パネルの縁部を囲む内側を柔軟性を有する内側部材と、前記枠体と接する外側を前記内側部材よりも硬質の外側部材により形成したことにある。

本発明に係るパネル保持機構によれば、柔軟性を有する内側部材と硬質の外側部材を重ね合わせた保持部材によりパネルを保持し、防水性を確保すると共に、枠体への取り付けを容易にし、パネルが脱落し難くなる。

本発明を図１〜図５に図示の実施例に基づいて説明する。

図１は保持部材１１を介して枠部１２に太陽電池パネルＰを挿入した状態の断面図を示している。枠部１２は例えばアルミニウム合金を押出成型した例えば高さ約４６ｍｍ、幅約２５ｍｍ、平均肉厚約３ｍｍの中空状の角形部材から成り、２個の長尺の部材、２個の短尺の部材の４個の枠部１２を四角状に組み立てることにより、約１５７４ｍｍ×８０２ｍｍの長方形の枠体が構成されている。

この枠部１２の上壁１２ａの上方の外壁１２ｂ側には、保持部材１１に保持された太陽電池パネルＰを固定するための、内側を向く断面略コ字状の嵌入溝１３が上辺１２ｃにより形成され、枠体２２の長手方向に沿って設けられている。

図２は保持部材１１の断面図を示し、保持部材１１は断面略コ字状の形状から成り、太陽電池パネルＰを挟持する内側には、柔軟性を有するゴムや合成樹脂から成る内側部材２１と、その外側を覆い、内側部材２１よりも硬質の合成樹脂や金属から成る外側部材２２とから成っている。この保持部材２１は太陽電池パネルＰを一周する長さとしてもよいし、太陽電池パネルＰの一辺ごとの長さに分割することもできる。

外側部材２２に覆われていない内側部材２１の自由端となっている辺部２３は、太陽電池パネルＰを挿入し易くするために上方に開いており、太陽電池パネルＰを挟着する凹部２４には、防水と太陽電池パネルＰの抜け出し防止のためのシール突起部２５、２６が設けられている。また、太陽電池パネルＰと接する面は太陽電池パネルＰのガラス板Ｐａに設けた傾斜面に接するように、傾斜部２７と水平部２８が形成されている。

外側部材２２を内側部材２１よりも硬質な部材とすることにより、枠部１２との摩擦を低減し挿着し易くしている。また、枠部１２と接触する面には、保持部材１１自体と枠部１２とから脱落し難くするための弾発性を有する波形形状部２９、凸部３０が設けられ、更に他の表面は薬品による表面処理が施され、枠部１２に対して押し込み易くしている。

そして、保持部材１１の凹部２４に太陽電池パネルＰを挿入することにより、太陽電池パネルＰの防水性をシール突起部２５、２６によって確保すると共に、保持部材１１ごと枠部１２の嵌入溝１３に嵌合する。嵌入溝１３に嵌合した際に、保持部材１１は外側部材２２の波形形状部２９が嵌合溝１３との間で変形することにより、枠部１２を押圧する弾発力が生じ、枠部１２から脱落し難くなる。なお、辺部２３は枠部１２の上辺１２ｃにより押さえ込まれる。

この保持部材１１は内側部材２１と外側部材２３とを別体に製作して接着剤により貼り付けてもよいが、二色成型法などにより射出成型によって一体に製作することもできる。

また、図３に示すように、太陽電池パネルＰの下面端部と接する隅部３１を面取りすることにより、太陽電池パネルＰを嵌合させた際に、太陽電池パネルＰの角部を強く突き当てることにより隅部３１が大きく変形し、更に太陽電池パネルＰの防水性を向上させることができる。

図４は実施例２における保持部材４１の断面図を示しており、柔軟性を有する内側部材４２は実施例１の内側部材２１よりも肉厚とされ、金属板から成る外側部材４３により外周が囲まれている。内側部材４２の凹部４４には内側を向くシール突起部４５が設けられ、入口部にもシール突起部４６が設けられている。

本実施例２においては、凹部４４内に太陽電池パネルＰを取り付け、枠体１２に固定すると、図５に示すように内側部材４２、外側部材４３は太陽電池パネルＰの下面に沿って変形して枠部２２の嵌入溝１３に嵌合することになる。特に、この場合に内側部材４２は変形に伴って部分的に粗密の密度差が大きく生じ、太陽電池パネルＰに対する密着性が高まる。

本実施例においては、太陽電池モジュールについて適用したが、ガラス板等を溝部に嵌合する際などにも用いることができる。

実施例１の枠体にパネル保持部材を嵌合した状態の断面図である。 実施例１のパネル保持部材の断面図である。 実施例１のパネル保持部材の断面図である。 実施例２のパネル保持部材の断面図である。 実施例２の枠体にパネル保持部材を嵌合した状態の断面図である。 従来の太陽電池モジュールの斜視図である。 従来のパネル保持部材を嵌合した状態の枠体の断面図である。

符号の説明

１１、４１ 保持部材
１２ 枠部
１３ 嵌合溝
２１、４２ 内側部材
２２、４３ 外側部材
２３ 辺部
２４、４４ 凹部
２５、２６、４５、４６ シール突起部
２９ 波形形状部
３０ 凸部
３１ 隅部
Ｐ 太陽電池パネル

Claims (7)

1. 板体状のパネルの周囲を保持部材を介して枠体に保持するパネル保持機構において、前記保持部材は前記枠体の一部に嵌合して使用する断面略コ字状の形状を有し、前記パネルの縁部を囲む内側を柔軟性を有する内側部材と、前記枠体と接する外側を前記内側部材よりも硬質の外側部材により形成したことを特徴とするパネル保持機構。
2. 前記内側部材には前記パネルの滑落を防止すると共に、前記パネルとの間の防水性を向上させるためのシール突起部を設けたことを特徴とする請求項１に記載のパネル保持機構。
3. 前記内側部材の一部には前記パネルを受け入れ易くするための自由端を有する辺部を設けたことを特徴とする請求項１に記載のパネル保持機構。
4. 前記枠体と接する前記外側部材の表面には、前記枠体からの滑り止めのための波型形状部を設けたことを特徴とする請求項１〜３の何れか１つの請求項に記載のパネル保持機構。
5. 前記内側部材はゴム又は合成樹脂、前記外側部材は合成樹脂又は金属から成ることを特徴とする請求項１〜４の何れか１つの請求項に記載のパネル保持機構。
6. 前記外側部材は金属板から成る請求項１〜４の何れか１つの請求項に記載のパネル保持機構。
7. 前記枠体と接する前記外側部材の表面は滑り易い表面処理を施したことを特徴とする請求項１〜６の何れか１つの請求項に記載のパネル保持機構。

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