JP2006100338A - 誘電体薄膜の製造方法 - Google Patents

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Kazunori Isogai
和範 磯貝
Yasuhiro Shimada
恭博 嶋田
Takehisa Kato
剛久 加藤
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Abstract

【課題】 デバイスが形成される個々の領域に存在する強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の特性ばらつきを低減して、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を用いたデバイスの微細化を可能にする。
【解決手段】 誘電体薄膜の製造方法は、基板11上に、強誘電体又は高誘電体よりなる結晶粒子13を配置する工程と、配置された結晶粒子13を覆うように、強誘電体膜又は高誘電体膜15を形成する工程とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、強誘電体薄膜又は高誘電率薄膜の製造方法に関するものである。
強誘電体薄膜は、容量素子、圧電素子又は焦電素子などに広く用いられている。近年、SRAM(Static Random Access Memory )と同等の高速書き込み動作が可能であって、且つ、フラッシュメモリと同様にデータの不揮発性を有する究極のメモリとして、強誘電体薄膜よりなる容量絶縁膜を用いた容量素子を備えた強誘電体メモリ(Ferroelectric Random Access Memory;FeRAM)が盛んに研究されている。
また、高誘電率薄膜(以下、高誘電体薄膜と記す)は、コンピュータの主記憶として使われるDRAM(Dynamic Random Access Memory)の大容量化に向け、既存の二酸化シリコン(比誘電率が約4)、又は酸化タンタル(Ta25、比誘電率が約28)に代わる容量絶縁膜として期待されている。
LSI(Large Scale Integrated Circuit)にFeRAM又はDRAMを混載する場合には、電界効果トランジスタ(FET)を基板上に形成した後に、その上方に強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜よりなる容量絶縁膜を備えた容量素子を形成することで実現される。LSIの微細化に伴い、これまでよりも低温のプロセスで所望の特性を有する強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を形成する技術の開発が急務となっている。
最小加工寸法が65nm以下という極微細プロセスで形成されるFETでは、非特許文献1に記載されているように、ゲート電極及びソース・ドレイン電極に使用される金属シリサイドとして加工性が高いニッケル・シリサイド(NiSi)が使われ、ニッケル・シリサイドの耐熱温度がFET形成工程以後のプロセス温度の上限を決定する。ニッケル・シリサイドは高温に曝されると抵抗値が上昇し、トランジスタのオン電流が低下するので、電子回路の動作速度に悪影響をもたらすからである。ニッケル・シリサイドのシート抵抗と加熱温度との関係については、例えば非特許文献2に詳述されており、350℃以下では安定なシート抵抗を示していたものが、400℃,450℃,500℃の加熱によって、それぞれ2倍、2.6倍、6倍となる。このため、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜は、450℃よりも低温で、好ましくは400℃よりも低温で形成されなければならない。
強誘電体容量素子の電気特性は、強誘電体薄膜の結晶性及び結晶配向性(結晶の原子配列の向き)に強く依存している。また、高誘電体容量素子の電気特性は、高誘電体薄膜の結晶性に強く依存している。強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の結晶性は、高温で成膜するか、又は高温で熱処理することによって向上する。
以下に、従来の強誘電体薄膜の製造方法について、図4及び図5(a)及び(b)を参照しながら説明する(例えば、特許文献1参照)。
図4は、従来の強誘電体薄膜の製造方法を説明するためのフローチャート図である。
まず、図4に示した工程S401において、強誘電体の液体原料3に強誘電体の結晶粒子2を混合する。
次に、図4に示した工程S402において、基板1上に、強誘電体の結晶粒子2が混合された強誘電体の液体原料3をスピンコートする。
次に、図4に示した工程S403において、強誘電体の液体原料3がスピンコートされた基板1に対して、450℃で第1の熱処理を行なう。
次に、図4に示した工程S404において、基板1に対して、650℃で第2の熱処理を行なって、基板1上に強誘電体薄膜を得る。
図5(a)及び(b)は、図4に示した工程によって得られた基板1上の強誘電体薄膜の要部平面図及び要部断面図をそれぞれ示している。
図5(a)及び(b)に示すように、図4に示した工程によって得られた強誘電体薄膜は、強誘電体の結晶粒子2が混合されていない強誘電体の液体原料3だけを用いて作製された強誘電体薄膜と比べると、強誘電体の結晶粒子2が種結晶として結晶化が促進されるので、低温にて結晶性の良い強誘電体薄膜を得ることができる。
特開2001−53071号公報 Material Research Society Symposium Proceeding誌 2004年 810巻C1.1.1〜12 International Electron Device Meeting Technical Digest誌 2003年 497頁
前記従来の方法にて製造される強誘電体薄膜は、450℃以下で製造したときには、強誘電体の液体原料において、結晶粒子を種結晶とする結晶化が十分に促進されないため、得られる強誘電体薄膜の結晶性が不十分となり、十分な分極を発現しない。したがって、このような強誘電体薄膜を用いた容量素子などのデバイスは十分な電気特性を有しない。
また、LSIの微細化に伴い、デバイスを微細化する必要があるが、従来の方法にて製造された強誘電体薄膜を用いたデバイスは、微細化したときにその特性が大きくばらつくという問題がある。以下に、その理由を前記図5(a)及び(b)を参照しながら説明する。
前記従来の方法のように、強誘電体の結晶粒子2が混合された強誘電体の液体原料3を基板1上にスピンコートする方法では、スピンコートした際に、結晶粒子2同士が局所的に凝集して、基板1上に結晶粒子2は均一に分散しない。一方、LSIの微細化に伴い、デバイスの占有面積を微細化する必要が生じる。したがって、微細化したデバイスは、第1の熱処理(図4に示した工程S403参照)の前では、図5(a)に示すように、強誘電体薄膜におけるデバイス領域a、b、cに含まれる結晶粒子2の数は異なり、領域bでは結晶粒子2の数が非常に少なくなっている。このため、第2の熱処理(図4に示した工程S404参照)の結晶化の際に、領域bのような結晶粒子2の数が少ない領域では、結晶化が十分に進行しない場合が生じる。したがって、デバイスが形成される個々の領域において、強誘電体薄膜の結晶性が異なるので、個々のデバイスの特性にばらつきが発生することになる。このようなデバイスの特性ばらつきは、特に、第2の熱処理における温度を低温化した際に問題となる。
前記に鑑み、本発明の目的は、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を用いたデバイスの微細化を実現するために、デバイスが形成される個々の領域に存在する強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の特性ばらつきを低減できる誘電体薄膜の製造方法を提供することである。
さらに、LSIの製造プロセスに適する、従来よりも低温にて、結晶性が良い強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を製造することができる誘電体薄膜の製造方法を提供することである。
前記の目的を達成するために、本発明に係る誘電体薄膜の製造方法は、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を形成する誘電体薄膜の製造方法であって、基板上に、強誘電体又は高誘電体よりなる結晶粒子を配置する工程と、配置された結晶粒子を覆うように、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る誘電体薄膜の製造方法によると、強誘電体又は高誘電体よりなる結晶粒子の配置と、当該結晶粒子を覆う強誘電体膜又は高誘電体膜の形成とを独立に行なうことにより、基板上の所望の位置に当該結晶粒子を配置し、その配置状態を維持しながら、当該結晶粒子を覆うように強誘電体膜又は高誘電体膜を形成することができる。このため、基板上の所望の位置(デバイスが形成される領域)に十分な結晶性を有すると共に、特性ばらつきが小さい強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を得ることができる。このようにして得られる強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を用いたデバイスは、微細化された場合においても安定した特性を得ることができる。
本発明に係る誘電体薄膜の製造方法において、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程は、結晶粒子を種結晶とする結晶成長を行なう工程を含むことが好ましい。
このようにすると、結晶粒子を種結晶とする結晶成長を行うことにより、誘電体薄膜は強誘電体又は高誘電体よりなる大きな結晶粒子を含むことになり、誘電率を大きくすることができる。特に強誘電体よりなる結晶粒子の場合には、大きな分極特性を有する誘電体薄膜が得られる。
本発明に係る誘電体薄膜の製造方法において、結晶粒子を配置する工程よりも前に、基板上に、金属膜又は導電性金属酸化膜を形成する工程をさらに備え、結晶粒子を配置する工程は、金属膜又は導電性金属酸化膜の上に、結晶粒子を選択的に配置する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、基板上の所望の位置に形成された金属膜又は導電性金属酸化膜の上に選択的に結晶粒子を配置できるので、基板全面に結晶粒子を配置する場合に比べて、用いる結晶粒子の量を減らすことができる。
本発明に係る誘電体薄膜の製造方法において、金属膜又は導電性金属酸化膜を形成する工程よりも後であって且つ結晶粒子を配置する工程よりも前に、金属膜又は導電性金属酸化膜の上に、強誘電体膜又は高誘電体膜を構成する元素と同一の元素から構成されるバッファ層を形成する工程をさらに備え、結晶粒子を配置する工程は、バッファ層の上に、結晶粒子を配置する工程を含むことが好ましい。
このように、強誘電体膜又は高誘電体膜を構成する元素を含むバッファ層の上に結晶粒子を配置するので、結晶粒子が金属膜又は導電性金属酸化膜と接触する場合に比べて、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜と金属膜又は導電性金属酸化膜との接触が良好になり、電気特性が向上する。特に強誘電体膜又は高誘電体膜を構成する元素と同一の元素から構成されるバッファ層とすることにより、熱処理等により結晶粒子とバッファ層が同化(結晶化)し、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜と金属膜又は導電性金属酸化膜との電気的なコンタクトがさらに良好になる。
本発明に係る誘電体薄膜の製造方法において、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程は、ゾルゲル法又は有機金属分解法により、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、低コストで且つ容易に、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を製造することができる。
本発明に係る誘電体薄膜の製造方法において、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程は、化学的気相堆積法により、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、ゾルゲル法又はMOD法(有機金属分解法)を用いる場合に比べて、より低温のプロセスにて、結晶性が良い強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を製造することができる。また、結晶粒子同士の間に隙間が生じないように強誘電体膜又は高誘電体膜を形成することができるので、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の上層と下層との間における絶縁性を向上させることができる。
本発明に係る誘電体薄膜の製造方法において、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程は、レーザーアブレーション法により、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、ゾルゲル法又はMOD法を用いる場合に比べて、より低温のプロセスにて、結晶性が良い強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を製造することができる。また、結晶粒子同士の間に隙間が生じないように強誘電体膜又は高誘電体膜を形成することができるので、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の上層と下層との間における絶縁性を向上させることができる。また、強誘電体又は高誘電体の材料によっては、450℃以下であっても結晶粒子を種結晶として結晶成長が可能であるため、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成した時点で良好な結晶性を得ることができるので、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成した後の結晶化のための熱処理を行なう工程を省略することもできる。
本発明に係る誘電体薄膜の製造方法において、強誘電体膜又は高誘電体膜は、結晶粒子を構成する元素と同一の元素から構成されていることが好ましい。
このようにすると、強誘電体膜又は高誘電体膜が結晶粒子と異なる構成元素からなる場合に比べて、結晶粒子を種結晶として強誘電体膜又は高誘電体膜を結晶化させるために必要なエネルギーを小さくすることができるので、より低温のプロセスにて、結晶性が良い強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を製造することができる。
本発明に係る誘電体薄膜の製造方法において、結晶粒子を配置する工程よりも後であって且つ強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程よりも前に、結晶粒子に対して熱処理を行なう工程をさらに備えることが好ましい。
このようにすると、熱処理によって、結晶粒子と下地との接触性が向上する。
本発明に係る誘電体薄膜の製造方法によると、デバイスが形成される領域に存在する強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の特性ばらつきを小さくすることができるので、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を用いたデバイスの微細化を可能にする。さらに、本発明の態様によっては、従来の誘電体薄膜の製造方法よりも低温にて、結晶性が良い膜を製造することができるので、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を用いたデバイスの微細化を可能にする。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の製造方法について、図1(a)〜(e)を参照しながら説明する。図1(a)〜(e)は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の製造方法を示す工程断面図である。具体的には、基板の加熱温度が450℃以下のプロセスにて、膜厚が約100nmであって層状ペロブスカイト構造を有するチタン酸ビスマスランタンからなる強誘電体薄膜(以下、BLT薄膜と記す)を作製する方法を説明するための工程図を示している。
まず、図1(a)に示すように、スパッタ法により、シリコン基板11上の全面に対して、膜厚が200nmである白金膜を形成する。続いて、該白金膜の上にパターニングされたフォトレジスト膜を形成した後に、該フォトレジスト膜をマスクとして白金膜をドライエッチングする。続いて、該フォトレジスト膜を除去することにより、シリコン基板11上の所望の位置に下部電極となる白金膜12を形成する。
次に、図1(b)に示すように、直径が30nm以下の球状の強誘電体であるBLTよりなる結晶粒子(組成Bi3.25La0.70Ti312 、以下ではBLT結晶粒子と記す)13を分散させた純水中にシリコン基板11を浸漬させて、白金膜12とパラジウムからなる電極とが互いに対向するように配置した後に、白金膜12とパラジウムよりなる電極との間に電界強度が1V/cmとなるように電圧を印加する。これにより、BLT結晶粒子13を電気泳動させて、膜厚が70nm程度の多層粒子層を白金膜12上に選択的に配置させる。
次に、図1(c)に示すように、BLT結晶粒子13の白金膜12に対する接触性を向上させるために、300℃で熱処理を行なう。但し、この熱処理を行なう工程は省略することも可能である。
次に、図1(d)に示すように、シリコン基板11の温度を450℃に保持した状態で、BLTの多結晶体よりなるターゲットに、波長が248nmのKrFエキシマレーザーを照射する。具体的には、エネルギー密度1J/cm2 、パルス幅が20ns、パルス周波数が10Hzである条件下で、レーザー照射を行なうことにより、ターゲット成分を原子、分子、イオン状態にアブレーションさせて、BLTよりなる強誘電体膜(組成Bi3.35La0.75Ti312 、以下ではBLT膜と記す)15を形成する。このとき、BLT結晶粒子13を種結晶として結晶成長したBLTよりなる結晶体13aを含むと共に100nmの膜厚を有するBLT薄膜14が、白金膜12上に得られる。
次に、図1(e)に示すように、スパッタ法により、シリコン基板11上の全面に対して、上部電極となる膜厚が200nmの白金膜を形成する。続いて、フォトレジスト膜をマスクとして、白金膜及びBLT膜15を順にドライエッチングした後に、フォトレジスト膜を除去する。以上のようにして、白金膜12よりなる下部電極、BLT薄膜14よりなる容量絶縁膜及び白金膜17よりなる上部電極から構成される強誘電体容量素子18が形成される。なお、BLT薄膜14には、その一部にアモルファス領域が含まれていてもよい。また、BLT薄膜14aは、その一部にアモルファス領域を含んでいなくてもよい。
ここで、図1(b)における直径が30nm以下の球状のBLT結晶粒子13に関して、その作製方法を以下に具体的に説明する。なお、この粒子の作製は、図1(b)に示した工程とは別個独立の工程にて行なう。
直径が30nm以下の球状のBLT結晶粒子13のようなナノサイズの粒子を作製する方法としては、粉砕法、電気炉・化学炎・プラズマ・レーザーなどの手法による気相法、共沈・化合物沈殿・アルコキシド・水熱合成などの化学的手法による液相法、又は凍結乾燥・噴霧乾燥・噴霧熱分解などの物理的手法による液相法がある(例えば、シーエムシー出版 小泉・奥山・目編集 2002年10月発行「ナノ粒子の製造・評価・応用・機器の最新情報」を参照)。後の工程において、このようなナノサイズの粒子を結晶成長の核とするためには、良好な結晶性を有する粒子を作製できる方法が好ましいので、本実施形態ではプラズマ法を用いる。本手法を用いる場合には、酸素プラズマ中にBLTの有機原料液を噴霧し、1200℃以上の高温にて瞬時に焼結させる。このように、高温にて粒子の作製が可能であるので、強誘電性を有する層状ペロブスカイト結晶構造を有する粒子を得ることに適していると共に、大量処理が可能である。X線回折法により、プラズマ法を用いて作製されたBLT結晶粒子の結晶性を調べたところ、層状ペロブスカイト結晶構造に特有の指数に関連したピークのみが検出された。さらに、透過型電子顕微鏡(TEM)により、BLT結晶粒子を観察したところ、BLT結晶粒子内は単一の結晶であることが確認された。したがって、プラズマ法を用いて作製したBLT結晶粒子は層状ペロブスカイト結晶構造を有する単結晶である。なお、プラズマ法を用いて作製したBLT結晶粒子は、プラズマ中において、粒子同士が衝突することによって融合し、一つの大きな粒子となるので、BLT結晶粒子群には、目標とする直径30nm以下のBLT結晶粒子13の他に、直径30nmよりも大きな直径を有するBLT結晶粒子が混在している。走査型電子顕微鏡(SEM)により、この粒子群における各粒子の粒径を調べると、粒径は25nm〜300nmの範囲に分布していた。
そこで、BLT結晶粒子群を純水中に懸濁し、沈降による分級を行なう。
一般に、重力による粒子の沈降速度uは、下記式(1)で表される。
u=D2(ρ-ρ0)g/18η ・・・(1)
(但し、Dは粒径、ρは粒子の密度、ρ0は溶媒の密度、ηは溶媒の粘度、gは重力加速度である。)
式(1)を用いて粒子の沈降速度uを計算すると、直径100nm及び30nmの粒子が液体中を沈降する速度は、およそ0.04mm/h及び0.0036mm/hであるので、例えば高さ50mmの容器に懸濁液を入れて3ヶ月間放置すると、直径100nmの粒子は沈降する一方、直径30nmの粒子は懸濁液中を浮遊している。このため、容器中の上澄み液から直径30nm以下のBLT結晶粒子13のみを回収することができる。なお、ここでは、沈降法を用いて説明したが、遠心分離器又は微分型静電分級器などを使うことにより、短時間に分級することもできる。
以上のように、本実施形態によると、強誘電体であるBLTよりなる結晶粒子(BLT結晶粒子)13の配置と、当該結晶粒子13を覆うBLT膜(強誘電体膜)15の形成とを独立に行なうことにより、シリコン基板11上の所望の位置に当該結晶粒子13を配置し、その配置状態を維持しながら、当該結晶粒子13を覆うようにBLT膜15を形成することができる。このため、シリコン基板11上の所望の位置(デバイスが形成される領域)に十分な結晶性を有すると共に、特性ばらつきが小さいBLT薄膜(強誘電体薄膜)14を得ることができる。このようにして得られるBLT薄膜14を用いたデバイスは、微細化された場合においても安定した特性を得ることができる。
また、電気泳動により、シリコン基板11上の所望の位置に形成された金属膜である白金膜12の上に、BLT結晶粒子13を選択的に配置することができるので、シリコン基板11の全面にBLT結晶粒子13を配置する場合に比べて、用いるBLT結晶粒子13の量を減らすことができる。
また、BLT膜(強誘電体膜)15を形成する方法として、レーザーアブレーション法を用いていることにより、ゾルゲル法又はMOD法を用いてBLT膜15を形成する場合に比べて、より低温のプロセスにて、結晶性が良いBLT薄膜(強誘電体薄膜)14を製造することができる。また、この場合、BLT結晶粒子13同士の間に隙間が生じないようにBLT膜15を形成することができるので、BLT薄膜14の上層である白金膜17と下層である白金膜12との間における絶縁性を向上させることができる。また、強誘電体の材料として、450℃以下であってもBLT結晶粒子13を種結晶として結晶成長が可能なBLTを用いているため、BLT膜15を形成した時点で良好な結晶性を得ることができるので、BLT膜15を形成した後における結晶化のための熱処理工程を省略することも可能になる。但し、レーザーアブレーション法を用いてBLT膜15を成膜しているので、成膜された時点でBLT膜15はすでに高い結晶性を有しているが、より高い結晶性を得るためには、BLT膜15の形成温度以上であって且つ周辺回路に対して熱ダメージの影響がない温度及び時間でBLT膜15に対する熱処理を行なってもよい。なお、高温で熱処理を行ない過ぎると、BLT薄膜14中の結晶粒が肥大化しすぎて結晶粒界からのリーク電流が増加して、BLT薄膜14の絶縁性が低下する場合があることに注意が必要である。その場合は、BLT薄膜14として、その一部にアモルファス領域を含むようにしてもよい。
また、BLT膜(強誘電体膜)15は、BLT結晶粒子13を構成する元素と同一の元素から構成されていることにより、BLT膜15がBLT結晶粒子13と異なる構成元素からなる場合に比べて、BLT結晶粒子13を種結晶としてBLT膜15を結晶化させるために必要なエネルギーを小さくすることができるので、より低温のプロセスにて、結晶性が良いBLT薄膜14を製造することができる。
<変形例>
以下、本発明の第1の実施形態の変形例に係る強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の製造方法について、図2(a)〜(f)を参照しながら説明する。図2(a)〜(f)は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の製造方法を示す工程断面図である。
本変形例が、前述の図1(a)〜(e)を用いて説明した製造方法と異なる点は、図1(d)に示した工程におけるBLT膜(強誘電体膜)の形成方法として、レーザーアブレーション法に代えて、MOCVD法(有機金属化学的気相堆積法)を用いる点である。
まず、図2(a)〜(c)に示す工程、すなわち、シリコン基板11上に白金膜12を形成し、続いて、白金膜12上にBLT結晶粒子13を配置し、続いて、熱処理を行なう工程は、前述した図1(a)〜(c)を用いた説明と同じである。
次に、図2(d)に示すように、基板11の温度を約350℃に保持した状態で、MOCVD法により、基板11の全面に対して、BLTよりなるアモルファス膜(組成Bi3.35La0.75Ti312 、以下ではBLT膜と記す)15aを形成する。
次に、図2(e)に示すように、スパッタ法により、基板11上の全面に対して、上部電極となる膜厚が200nmの白金膜を形成する。続いて、フォトレジスト膜をマスクとして、白金膜及びBLT膜15aを順にドライエッチングした後に、フォトレジスト膜を除去する。以上により、白金膜12よりなる下部電極、及び白金膜17よりなる上部電極が形成される。白金膜12よりなる下部電極と白金膜17よりなる上部電極との間には、BLT結晶粒子13を含むパターニングされたBLT膜15aが形成されている。
次に、図2(f)に示すように、基板11に対して、約450℃で約30分間の熱処理を行なう。この熱処理は、BLT膜15aの形成温度以上であって且つ周辺回路に対して熱ダメージの影響がない温度以下及び時間で行なえばよい。これにより、BLT結晶粒子13を種結晶として結晶成長したBLTよりなる結晶体13bを含むと共に膜厚が100nmであるBLT薄膜14aよりなる容量絶縁膜が得られる。以上のようにして、白金膜12よりなる下部電極、BLT薄膜14aよりなる容量絶縁膜及び白金膜17よりなる上部電極から構成される強誘電体容量素子18aが形成される。また、この際に、BLT膜15aの一部あるいは全部はアモルファスから強誘電体からなるBLT膜15bに変化する。なお、図2(d)に示した工程により、BLT結晶粒子13を種結晶として結晶成長したBLTよりなる結晶体13bが得られるのであれば、図2(f)に示した熱処理工程は省略することもできる。
なお、BLT薄膜14aは、その一部にアモルファス領域を含んでいてもよい。また、BLT薄膜14aは、その一部にアモルファス領域を含んでいなくてもよい。
本変形例のように、MOCVD法(有機金属化学的気相堆積法)などの化学的気相堆積法を用いることにより、ゾルゲル法又はMOD法を用いた場合に比べて、より低温のプロセスにて、結晶性が良いBLT薄膜(強誘電体薄膜)14aを製造することができる。また、この場合、BLT結晶粒子13同士の間に隙間が生じないようにBLT膜15を形成することができるので、BLT薄膜14aの上層である白金膜17と下層である白金膜12との間における絶縁性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の製造方法について、図3(a)〜(f)を参照しながら説明する。図3(a)〜(f)は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の製造方法を示す工程断面図である。具体的には、基板の加熱温度が450℃以下のプロセスにて、膜厚が約120nmであって層状ペロブスカイト構造を有するチタン酸ビスマスランタンからなる強誘電体薄膜(以下、BLT薄膜と記す)を作製する方法を説明するための工程図を示している。なお、図3(a)〜(f)において、第1の実施形態で用いた図1(a)〜(e)と同一の構成要素については、同一の符号を付している。
まず、図3(a)に示すように、スパッタ法により、シリコン基板21上の全面に対して、膜厚が200nmである白金膜22aを形成する。
次に、図3(b)に示すように、白金膜22aの上に、MOCVD法により350℃で膜厚が20nmであるBLTからなるアモルファスのバッファ層(組成Bi3.35La0.75Ti312 、以下ではBLTバッファ層と記す)を形成する。続いて、該BLTバッファ層の上にパターニングされたフォトレジスト膜を形成した後、フォトレジスト膜をマスクとしてBLTバッファ層及び白金膜22aを順次ドライエッチングする。続いて、該フォトレジストを除去することにより、下部電極となる白金膜22と、該白金膜22の上に形成されたパターニングされたBLTバッファ層23が形成される。
次に、図3(c)に示すように、直径が30nm以下の球状の強誘電体であるBLTよりなる結晶粒子(組成Bi3.25La0.70Ti312 、以下ではBLT結晶粒子と記す)24を分散させた純水中にシリコン基板21を浸漬させて、BLTバッファ層23とパラジウムからなる電極とが互いに対向するように配置した後、白金膜22とパラジウムからなる電極との間に電界強度が2V/cmとなるように電圧を印加する。これにより、BLT結晶粒子24を電気泳動させて、膜厚が70nm程度の多層粒子層をBLTバッファ層23上に選択的に配置させる。
次に、図3(d)に示すように、BLT結晶粒子24とBLTバッファ層23との接触性を向上させるために、400℃で熱処理を行なう。このとき、BLTバッファ層23の一部をBLT結晶粒子24を種結晶として結晶化した方が好ましい。なぜなら、BLT結晶粒子24とBLTバッファ層23との接触性が良くなるだけではなく、BLTバッファ層23がアモルファスから結晶体になることで強誘電性すなわち電気特性が良くなるからである。但し、この熱処理を行なう工程は省略することも可能である。
次に、図3(e)に示すように、シリコン基板21の温度を450℃に保持した状態で、BLTの多結晶体よりなるターゲットに、波長が248nmのKrFエキシマレーザーを照射する。具体的には、エネルギー密度が1J/cm2 、パルス幅が20ns、パルス周波数が10Hzである条件下で、レーザー照射を行なうことにより、ターゲット成分を原子、分子、イオン状態でアブレーションさせて、BLTよりなる強誘電体膜(組成Bi3.35La0.75Ti312 、以下ではBLT膜と記す)26を形成する。このとき、BLT結晶粒子24を種結晶として結晶成長したBLTよりなる結晶体24aを含むと共に100nmの膜厚を有するBLT薄膜25が、BLTバッファ層23上に得られる。なお、BLT薄膜25には、その一部にアモルファス領域27が含まれていてもよい。また、BLT薄膜25には、その一部にアモルファス領域27を含んでいなくてもよい。
次に、図3(f)に示すように、スパッタ法により、シリコン基板21上の全面に対して、上部電極となる膜厚が50nmである白金膜を形成する。続いて、図3(b)と同様のフォトレジスト膜をマスクとして、白金膜及びBLT膜26を順にドライエッチングした後に、フォトレジスト膜を除去する。以上のようにして、白金膜22よりなる下部電極、BLT薄膜25及びBLTバッファ層23よりなる容量絶縁膜29、並びに白金膜28よりなる上部電極から構成される強誘電体容量素子30が形成される。
なお、直径が30nm以下の球状のBLT結晶粒子24の作製方法は、第1の実施形態における球状のBLT結晶粒子13の作製方法と同様である。
以上のように、本実施形態によると、強誘電体であるBLTよりなる結晶粒子(BLT結晶粒子)24の配置と、当該結晶粒子24を覆うBLT膜(強誘電体膜)26の形成とを独立に行なうことにより、シリコン基板21上の所望の位置に当該結晶粒子24を配置し、その配置状態を維持しながら、当該結晶粒子24を覆うようにBLT膜26を形成することができる。このため、シリコン基板21上の所望の位置(デバイスが形成される領域)に十分な結晶性を有すると共に、特性ばらつきが小さいBLT薄膜(強誘電体薄膜)25を得ることができる。このようにして得られたBLT薄膜25を用いたデバイスは、微細化された場合においても安定した特性を得ることができる。
また、電気泳動により、シリコン基板21上の所望の位置に形成された金属膜である白金膜22上のBLTバッファ層23の上に、BLT結晶粒子24を選択的に配置することができるので、シリコン基板21の全面にBLT結晶粒子24を配置する場合に比べて、用いるBLT結晶粒子24の量を減らすことができる。
また、BLT膜(強誘電体膜)26を形成する方法として、レーザーアブレーション法を用いていることにより、ゾルゲル法又はMOD法を用いてBLT膜26を形成する場合に比べて、より低温のプロセスにて、結晶性が良いBLT薄膜(強誘電体薄膜)25を製造することができる。また、この場合、BLT結晶粒子24同士の間に隙間が生じないようにBLT膜26を形成することができるので、BLT薄膜25の上層である白金膜28と下層である白金膜22との間における絶縁性及び強誘電性などの電気特性を向上させることができる。
また、強誘電体の材料として、450℃以下であってもBLT結晶粒子24を種結晶として結晶成長が可能なBLTを用いているため、BLT膜26を形成した時点で良好な結晶性を得ることができるので、BLT膜26を形成した後における結晶化のための熱処理工程を省略することも可能になる。但し、レーザーアブレーション法を用いてBLT膜26を成膜しているので、成膜された時点でBLT膜26はすでに高い結晶性を有しているが、より高い結晶性を得るためには、BLT膜26の形成温度以上であって且つ周辺回路に対して熱ダメージの影響がない温度及び時間にて、BLT膜26に対する熱処理を行なってもよい。なお、高温で熱処理を行ない過ぎると、BLT薄膜25中の結晶粒が肥大化しすぎて結晶粒界からのリーク電流が増加して、BLT薄膜25の絶縁性が低下する場合があることに注意が必要である。その場合は、BLT薄膜25として、その一部にアモルファス領域を含むようにしてもよい。
また、BLT膜(強誘電体膜)26は、BLT結晶粒子24を構成する元素と同一の元素から構成されていることにより、BLT膜26がBLT結晶粒子24と異なる構成元素からなる場合に比べて、BLT結晶粒子24を種結晶としてBLT膜26を結晶化させるために必要なエネルギーを小さくすることができるので、より低温のプロセスにて、結晶性が良いBLT薄膜25を製造することができる。
さらに、本実施形態では、金属膜(白金膜22)の上に、BLT膜(強誘電体膜)26を構成する元素と同一の元素から構成されるBLTバッファ層23を形成しているので、BLT結晶粒子24が金属膜(白金膜22)に直接接触する場合に比べて、BLT薄膜(強誘電体薄膜)25と金属膜(白金膜22)との接触が良好になり、電気特性が向上する。
なお、第2の実施形態では、強誘電体膜であるBLT膜26を形成する方法として、レーザーアブレーション法を用いる場合について説明したが、レーザーアブレーション法に代えて、第1の実施形態の変形例のように、MOCVD法(有機金属化学的気相堆積法)など化学的気相堆積法を用いてもよい。
また、第1の実施形態(変形例も含む)及び第2の実施形態では、強誘電体膜であるBLT膜15、15a、26を形成する方法として、レーザーアブレーション法又はMOCVD法(有機金属化学的気相堆積法)など化学的気相堆積法を用いる場合について説明したが、さらに、これらの方法に代えて、ゾルゲル法又はMOD法(有機金属分解法)を用いてもよい。ゾルゲル法又はMOD法を用いると、低コストで且つ容易に、強誘電体薄膜を製造することができる。但し、これらの方法を用いる場合に、得られるBLT膜の結晶性が不十分であれば、BLT膜の形成温度以上であって且つ周辺回路に対する熱ダメージの影響がない温度以下にて、BLT膜に対して熱処理を行なう。また、結晶性を向上させる熱処理を行なう工程の前に、乾燥のための熱処理工程が必要になる。すなわち、第1の実施形態の変形例の説明に用いた、BLT膜を形成する工程(図2(d)参照)と上部電極を形成する工程(図2(e)参照)との間に、乾燥のための熱処理を行なう工程が必要となる。
また、下部電極又は上部電極としての白金膜12、22又は白金膜17、28に代えて、導電性金属酸化物である例えば酸化イリジウム又は酸化ルテニウム膜を用いてもよい。
また、本実施形態では強誘電体であるBLTよりなる結晶粒子(BLT結晶粒子)13、24を用いたが、他の強誘電体よりなる結晶粒子を用いてもよい。例えば、タンタル酸ストロンチウムビスマス(以下、SBTと記す)よりなる結晶粒子を用いてもよい。また、高誘電体よりなる結晶粒子を用いてもよい。例えば、ペロブスカイト構造を有するチタン酸バリウムストロンチウム(以下、BSTと記す)よりなる結晶粒子(組成Ba0.5Sr0.5TiO3 など)を用いてもよい。
また、本実施形態ではBLTよりなるBLT膜(強誘電体膜)15、26を用いたが、他の強誘電体膜を用いてもよい。例えば、SBTよりなる強誘電体膜を用いてもよい。また、高誘電体膜を用いてもよい。例えば、BSTよりなる高誘電体膜(組成Ba0.5Sr0.5TiO3 など)を用いてもよい。
また、本実施の形態ではBLTバッファ層23は、BLT膜(強誘電体膜)26と同じ組成(Bi3.35La0.75Ti312 )を用いたが、異なる組成(BiXLa4-XTi312 、但しXは任意)であってもよい。また、BLT膜(強誘電体膜)26の構成する元素と同一の元素を含む材料としてもよい。
また、本実施形態ではパターニングされた白金膜12、22の上に、BLT結晶粒子13、24を配置する場合について説明したが、パターニングされていない白金膜の上に、BLT結晶粒子13、24を配置してもよい。
また、本実施形態では金属膜(白金膜12、22)の上に強誘電体よりなる結晶粒子(BLT結晶粒子13、24)を配置したが、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜をゲート絶縁膜の全部又は一部に使用した電界効果トランジスタ(FET)のように、強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を金属膜上に形成しない場合には、本実施形態に係る強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の製造方法による電気泳動を利用した金属膜上への結晶粒子の選択配置を行なうことはできない。しかし、ラングミュア-ブロジェット法(LB法)など別の方法により、強誘電体又は高誘電体からなる粒子を基板上に均一に配置させることは可能である。
本発明の強誘電体薄膜の製造方法は、強誘電体薄膜を容量絶縁膜に用いたFeRAM、圧電センサー、又は焦電センサーなどに有用である。また、本発明の高誘電体薄膜の製造方法は、高誘電体薄膜を容量絶縁膜又はゲート絶縁膜に用いたDRAM又は電界効果トランジスタ(FET)などに有用である。
本発明の第1の実施形態に係る強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜の製造方法を示す工程断面図である。 従来の強誘電体薄膜の製造方法を説明するフローチャート図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、従来の強誘電体薄膜の製造方法を用いて作製した、第1の熱処理前の強誘電体薄膜の要部平面図及び要部断面図である。
符号の説明
11、21 シリコン基板
12、22a、22 白金膜(下部電極)
13、24 BLT結晶粒子
13a、24a 結晶体
14、14a、25 BLT薄膜
15、15b、26 BLT膜(強誘電体膜)
15a BLT膜(アモルファス膜)
17、28 白金膜(上部電極)
18、18a、30 強誘電体容量素子
23 BLTバッファ層
29 容量絶縁膜

Claims (9)

  1. 強誘電体薄膜又は高誘電体薄膜を形成する誘電体薄膜の製造方法であって、
    基板上に、強誘電体又は高誘電体よりなる結晶粒子を配置する工程と、
    配置された前記結晶粒子を覆うように、強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程とを備えることを特徴とする誘電体薄膜の製造方法。
  2. 前記強誘電体膜又は高誘電体膜を形成する工程は、前記結晶粒子を種結晶とする結晶成長を行なう工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の誘電体薄膜の形成方法。
  3. 前記結晶粒子を配置する工程よりも前に、前記基板上に、金属膜又は導電性金属酸化膜を形成する工程をさらに備え、
    前記結晶粒子を配置する工程は、前記金属膜又は前記導電性金属酸化膜の上に、前記結晶粒子を選択的に配置する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘電体薄膜の製造方法。
  4. 前記金属膜又は前記導電性金属酸化膜を形成する工程よりも後であって且つ前記結晶粒子を配置する工程よりも前に、前記金属膜又は前記導電性金属酸化膜の上に、前記強誘電体膜又は前記高誘電体膜を構成する元素と同一の元素を含むバッファ層を形成する工程をさらに備え、
    前記結晶粒子を配置する工程は、前記バッファ層の上に、前記結晶粒子を配置する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の誘電体薄膜の製造方法。
  5. 前記強誘電体膜又は前記高誘電体膜を形成する工程は、ゾルゲル法又は有機金属分解法により、前記強誘電体膜又は前記高誘電体膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の誘電体薄膜の製造方法。
  6. 前記強誘電体膜又は前記高誘電体膜を形成する工程は、化学的気相堆積法により、前記強誘電体膜又は前記高誘電体膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の誘電体薄膜の製造方法。
  7. 前記強誘電体膜又は前記高誘電体膜を形成する工程は、レーザーアブレーション法により、前記強誘電体膜又は前記高誘電体膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の誘電体薄膜の製造方法。
  8. 前記強誘電体膜又は前記高誘電体膜は、前記結晶粒子を構成する元素と同一の元素から構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の誘電体薄膜の製造方法。
  9. 前記結晶粒子を配置する工程よりも後であって且つ前記強誘電体膜又は前記高誘電体膜を形成する工程よりも前に、前記結晶粒子に対して熱処理を行なう工程をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の誘電体薄膜の製造方法。
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JP2009135404A (ja) * 2007-04-30 2009-06-18 Samsung Electronics Co Ltd ナノ領域埋め込み誘電体層、その層を含むメモリ装置及びその製造方法
JP2009260004A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Renesas Technology Corp 半導体装置の製造方法

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