JP2006098209A - 溶融金属用の固体電解質型センサプローブ - Google Patents

溶融金属用の固体電解質型センサプローブ Download PDF

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Abstract

【課題】 測定の応答性及び精度を向上させることができる溶融金属用の固体電解質型センサプローブを提供する。
【解決手段】 溶融金属用として用いられ、固体電解質型の酸素センサプローブ11は、溶融金属中に浸漬される固体電解質管の内部に基準物質が収容された酸素センサ素子25を備えている。そして、酸素センサ素子25の外周面が導電性材料による被膜29で被覆されている。また、被膜29は、酸素センサ素子25を含む酸素センサプローブ11の先端部11aに設けられることが好ましい。被膜29としては、銀等の金属のペーストにより形成されることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば銅、鉄等の溶湯中の酸素濃度や水素濃度を測定するために用いられる溶融金属用の固体電解質型センサプローブに関するものである。
従来から我が国では銅が電線や伸銅品として使用されているが、それらの電線や伸銅品は溶解操作及び鋳造操作を経て製造される。この溶解、鋳造操作において、気孔などの凝固欠陥が生じた場合には再溶解が強いられ、それがエネルギー原単位を押し上げる要因になる。溶融銅中には水素と酸素とが共に溶解することが知られている。特に、溶融銅中に溶解する水素は、凝固時のガス発生による鋳造欠陥の原因となるほか、材料中に残存して諸特性の劣化を招くことから、溶解プロセスにおいてその量をモニターすることが望まれてきた。
一方、溶融金属中の酸素については、安定化ジルコニアを固体電解質とした電池型の酸素センサプローブにより、溶解量をリアルタイムでインライン測定する技術が確立されており、銅の溶解プロセスでも有効に利用されている。溶融金属中の水素についても、酸化物プロトン導電体を用いた溶融銅用の水素センサプローブの開発が進められている(例えば、非特許文献1を参照)。
資源・素材‘99(秋季大会)、素材プロセシング、D4−10、124頁、(平成11年11月1日〜3日、社団法人 資源・素材学会)
ところが、上記の従来技術においては、酸素センサプローブによる酸素濃度の測定又は水素センサプローブによる水素濃度の測定を行う場合には、各センサプローブの先端部を溶融金属中に浸漬する。このとき、センサプローブを構成する固体電解質管はセラミックスで構成されていることから、その表面に対する溶融金属の濡れ性が悪い。従って、センサプローブの外周面と溶融金属との間にガスが入り込み、酸素濃度や水素濃度を測定する際の応答性が悪くなったり、測定精度が低下したりするという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、測定の応答性及び精度を向上させることができる溶融金属用の固体電解質型センサプローブを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の溶融金属用の固体電解質型センサプローブは、溶融金属中に浸漬される固体電解質管の内部に基準物質が収容されたセンサ素子を備えるセンサプローブにより構成され、溶融金属に接触するセンサ素子の外面又はセンサプローブの外面が導電性材料による被膜で被覆されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明の溶融金属用の固体電解質型センサプローブは、請求項1に係る発明において、前記導電性材料は、金属又は導電性セラミックスであることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明の溶融金属用の固体電解質型センサプローブは、請求項2に係る発明において、前記被膜は、金属のペーストにより形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の発明の溶融金属用の固体電解質型センサプローブは、溶融金属に接触するセンサ素子の外面又はセンサプローブの外面が導電性材料による被膜で被覆されている。この導電性材料による被膜により、センサ素子又はセンサプローブの外面に対する溶融金属の濡れ性が改善され、センサ素子又はセンサプローブの外面における電気的な導通性が向上する。従って、センサプローブによる測定の応答性及び精度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明の溶融金属用の固体電解質型センサプローブにおいては、被膜を形成する導電性材料は、金属又は導電性セラミックスで構成され、十分な導電性が確保される。従って、請求項1に係る発明の効果を向上させることができる。
請求項3に記載の発明の溶融金属用の固体電解質型センサプローブでは、被膜は金属のペーストにより形成されているため、一定の厚みを有する被膜を容易に形成することができ、請求項2に係る発明の効果を安定して発揮させることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図4(a)は本実施形態における固体電解質型の酸素センサを示す概略正面図、(b)は酸素センサプローブとホルダーとを分解して示す概略正面図、(c)は演算器を示す概略背面図である。これらの図に示すように、酸素センサは、円柱状の酸素センサプローブ11と、該酸素センサプローブ11を収容保持する有底円筒状のホルダー12と、一端が酸素センサプローブ11に接続された接続ケーブル13と、該接続ケーブル13の他端にコネクター14を介して接続された演算器15とにより構成されている。本実施形態の酸素センサプローブ11は、消耗型(使い切り用)のセンサプローブである。
酸素センサプローブ11は、銅、銅合金、鉄、アルミニウム等の金属の溶湯等の測定対象媒体である溶融金属中に浸漬されて酸素濃度又は酸素分圧を測定するようになっている。演算器15は四角箱状に形成され、その表面には温度表示部16及び濃度又は分圧表示部17が設けられている。演算器15の裏面には濃度、分圧表示切換部18及び電源スイッチ19が設けられている。そして、演算器15は、酸素センサプローブ11からの信号に基づいて酸素濃度を演算し又は酸素分圧とを演算して表示するようになっている。
次に、酸素センサプローブ11について詳細に説明する。図1(a)は酸素センサプローブ11の要部を破断して示す正面図、(b)は(a)の状態でキャップを取り外したときの側面図である。図2は酸素センサプローブ11を示す断面図である。これらの図に示すように、酸素センサプローブ11の先端部11aには円筒状のセラミックスベース20が配設され、そのセラミックスベース20のほぼ中心部には導線よりなる+側素線21と−側素線22とが先端部で接合されることにより円弧状に形成された熱電対23が設けられている。この熱電対23は石英管24内に配設され、保護されている。+側素線21と−側素線22とを有する熱電対23及び石英管24により温度測定部が構成されている。+側素線21は白金にロジウム13質量%が含有された合金で形成され、−側素線22は白金で形成されている。
該熱電対23の側方位置には酸素センサ素子25が熱電対23より高くなるように突設されている。熱電対23を挟んで酸素センサ素子25と反対側の位置には、モリブデン電極26が酸素センサ素子25とほぼ同じ高さになるように突設されている。
図3に示すように、酸素センサ素子25は、溶融金属中に置かれる有底円筒状の固体電解質管27内に基準電極として機能する基準物質28が収容されて構成されている。固体電解質としては9モル%のマグネシア(MgO)がドープされたジルコニア(ZrO2)が用いられ、基準物質28としてはクロム(Cr)と酸化クロム(Cr23)との9:1の質量比の混合物が用いられる。酸素センサ素子25の外周面は、溶融金属に対する濡れ性を良くするために、導電性材料としての銀による被膜29で被覆されている。更に、溶融銅中に浸漬される酸素センサプローブ11の先端部11aを被膜29で被覆することが好ましい。この場合、温度測定部、すなわち熱電対23を保護する石英管24の外周面が被膜29で被覆される。導電性材料としては、銀以外に白金、金、銅等の金属、その他導電性セラミックス等が用いられる。導電性セラミックスは、絶縁体であるアルミナ(Al23)、ジルコニア等のセラミックスに、炭化チタン(TiC)、炭化ニオブ(NbC)等の導電性セラミックス粒子を微細に分散した電気抵抗の低い材料である。
この被膜29は、金属である銀のペーストにより一定の厚みに形成されている。被膜29の厚みは、0.1〜10μmであることが好ましい。被膜29の厚みが0.1μm未満の場合には、酸素センサ素子25の外周面全体を均一に被覆することが難しくなり、溶融金属に対する濡れ性が低下するおそれがある。一方、その厚みが10μmを越える場合には、溶融金属に対する濡れ性は向上するものの、酸素センサ素子25としての測定精度が低下する可能性がある。また、測定対象媒体である銅が測定電極となり、その測定電極に外部電極としてのモリブデン電極26から電気信号が送られるようになっている。
これらの熱電対23、酸素センサ素子25及びモリブデン電極26を覆うように有蓋円筒状をなす銅製のキャップ30がセラミックスベース20に取付け固定されている。該キャップ30先端部の中心には貫通孔31が透設され、溶融銅中で貫通孔31を介してキャップ30の外部と内部とが連通されている。
次に、酸素センサプローブ11の原理について説明する。
前記のように、酸素センサ素子25を構成する固体電解質としては9モル%のマグネシア(MgO)がドープされたジルコニア(ZrO2)が用いられ、その内側にクロム(Cr)と酸化クロム(Cr23)との9:1の質量比の混合物よりなる基準物質28が設けられている。一方、測定電極は溶融液を構成する銅である。そして、固体電解質管27の両側に存在する媒体中における酸素濃度又は酸素分圧が異なる場合、基準電極と測定電極との間に発生する起電力Eは下記に示すネルンストの式に基づいて算出される。
Figure 2006098209
但し、Eは理論起電力、Rは気体定数、Fはファラデー定数及びTは絶対温度を表す。また、
Figure 2006098209
は基準電極側における酸素ガス濃度又は酸素ガス分圧を表す。
Figure 2006098209
は測定電極側における酸素ガス濃度又は酸素ガス分圧を表す。
このネルンストの式を用いることにより、一方の酸素ガス濃度又は酸素ガス分圧と温度が既知の場合には、発生した起電力から他方の酸素ガス濃度又は酸素ガス分圧を演算することができる。従って、酸素センサプローブ11としての機能を果たすことができる。
さて、例えば溶融銅中の酸素濃度を測定する場合には、酸素センサプローブ11を溶融銅の方へ向け、そのキャップ30部分を溶融銅中へ漬ける。その状態で、酸素センサ素子25において起電力(E)が測定されると共に、熱電対23によって溶融銅の温度(T)が測定される。また、固体電解質管27の一方の側における酸素ガス濃度は既知である。従って、酸素センサプローブ11の演算器15において、前記ネルンストの式に基づき溶融銅中の酸素濃度が演算され、濃度又は分圧表示部17に表示される。また、溶融銅の温度は熱電対23によって測定され、演算器15で演算されて温度表示部16に表示される。
このとき、酸素センサプローブ11中の酸素センサ素子25の外周面が銀ペーストによる被膜29で被覆されている。被膜29を形成する銀と溶融銅の銅とは、共に金属である。このため、酸素センサ素子25の外周面に対する溶融銅の濡れ性が改善され、酸素センサ素子25の外周面と溶融銅との間にガスが入り込むことが抑制され、酸素センサ素子25の表面における電気的な導通性(導電性)が高められる。従って、酸素センサプローブ11による測定の応答性が速くなると共に、測定の精度が高められる。
具体的に、酸素センサ素子25の外周面に銀ペーストによる被膜29を設けた場合及びそのような被膜29を設けなかった場合の溶融銅中における起電力及び温度を測定した結果を図5に示す。被膜29を設けた場合(図5中の○印)には、酸素センサプローブ11を溶融銅中に漬けてから約17秒後に起電力が−0.65Vでほぼ一定値を示すと共に、溶融銅の温度は約1150℃を示した(図5中の・印)。一方、被膜29を設けなかった場合(図5中の□印)には、酸素センサプローブ11を溶融銅中に漬けてから約15秒後に起電力が−0.55V近辺に到ったが、不安定で一定値を示すことができなかった。
また、酸素センサプローブ11の先端部外周面に銀ペーストによる被膜29を設けた場合及びそのような被膜29を設けなかった場合の溶融銅中における起電力及び温度を測定した結果を図6に示す。被膜29を設けた場合(図6中の○印)には、酸素センサプローブ11を溶融銅中に漬けてから約15秒後に起電力が−0.65Vでほぼ一定値を示すと共に、溶融銅の温度は約1150℃を示した(図6中の・印)。一方、被膜29を設けなかった場合(図6中の□印)には、酸素センサプローブ11を溶融銅中に漬けてから約15秒後に起電力が−0.6V近辺に到ったが、その後起電力が次第に高くなる傾向を示し、一定値を示さなかった。
以上詳述した第1実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 第1実施形態で溶融銅に用いられる固体電解質型の酸素センサプローブ11は、酸素センサ素子25の外面(外周面)が導電性材料としての銀ペーストによる被膜29で被覆されている。このため、酸素センサ素子25の外周面に対する溶融銅の濡れ性が改善され、酸素センサ素子25表面における導電性が向上する。従って、酸素センサプローブ11による測定の応答性及び精度を向上させることができ、酸素センサプローブ11の信頼性を得ることができる。
・ 更に、前記被膜29を銀のペーストにより形成したことから、一定の厚みを有する被膜29を酸素センサ素子25の外周面に容易に形成することができ、上記の効果を安定して発揮させることができる。
・ また、前記被膜29を酸素センサ素子25を含む酸素センサプローブ11の先端部11aに設けることにより、上記の効果を一層向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図3に基づき説明する。
本第2実施形態では、固体電解質型センサプローブとして水素センサプローブを用い、溶融金属として溶融アルミニウムを用いた。この水素センサプローブは、連続測定型のセンサプローブである。水素センサプローブ35を図3により説明する。円筒状をなし、その下部側のほとんどが溶融アルミニウム36中に浸漬されたセラミックチューブ37の下端部には、断面逆U字状をなす固体電解質管38がその下半部を下方へ突出するように嵌合されている。固体電解質管38としては、プロトン導電性セラミックスであるCaZr0.9In0.13-αが用いられる。尚、αは酸素イオン空孔量を表す。セラミックチューブ37内における固体電解質管38上にはカーボンファイバー39が配置されている。セラミックチューブ37内の上部空間には、基準物質としての基準ガス40を導入するためのステンレス鋼製の導入管41が挿入されている。基準ガス40としては、99体積%のアルゴン(Ar)ガスと1体積%の水素(H2)ガスとの混合ガスが用いられる。上記固体電解質管38と、その内側に収容された基準ガス40とにより水素センサ素子43が構成されている。
セラミックチューブ37の下端部には、セラミックスリーブ44が外嵌され、その下半部は内方へ膨出するように肉厚に形成されている。その肉厚部44aの内周面は、固体電解質管38の下端部外周面に近接するように構成されている。そのセラミックスリーブ44の外周面、下端面及び内周面、固体電解質管38の内周面及び下端面、更にセラミックチューブ37の中間部外周面には、白金電極45が設けられ、溶融アルミニウム36と固体電解質管38との間の電気的導通が図られている。セラミックスリーブ44の下端部にはセラミックフィルター46が嵌め込まれて、その内側にはセラミックパウダー47が充填されている。セラミックスリーブ44及びセラミックチューブ37の外周面に設けられた白金電極45上には、アルミナ製のセラミックコーティング層51が設けられている。そのセラミックコーティング層51の外周面及びセラミックチューブ37の上部外周面には、アルミニウムの被膜29が形成されている。この被膜29は事前に溶融アルミニウム中に浸漬させることにより形成されている。
また、電位差計48と基準ガス40が収容された導入管41との間は第1接続導線49で接続されると共に、電位差計48と外部電極である溶融アルミニウム36との間は第2接続導線50で接続され、電位差計48で基準ガス40と溶融アルミニウム36との間の電位差を測定するようになっている。本実施形態では、前記被膜29を溶融アルミニウム36に直接接触する水素センサプローブ35の先端部35a外面に設けたことから、長時間の測定において安定した性能を維持することができる。
そして、実施例1と同様にして、水素センサプローブ35の先端部35aを溶融アルミニウム36中へ浸漬し、電位差計48にて起電力(E)を測定した。溶融アルミニウム36中への水素センサプローブ35の浸漬時間と起電力との関係を図7に示した(○印)。一方、アルミニウムの被膜29を水素センサプローブ35の先端部35aに設けない場合についても、電位差計48にて起電力(E)を測定した。溶融アルミニウム36中への水素センサプローブ35の浸漬時間と起電力との関係を図7に示した(△印)。
図7の○印に示したように、水素センサプローブ35の先端部35aの外周面にアルミニウムの被膜29を形成した場合には、溶融アルミニウム36中への水素センサプローブ35の浸漬時間が約600秒でほぼ一定の起電力が得られた。これに対し、水素センサプローブ35の先端部35aの外周面にアルミニウムの被膜29を形成しなかった場合には、溶融アルミニウム36中への水素センサプローブ35の浸漬時間が約6000秒に達しないと一定の起電力を示さなかった。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態について説明する。
本第3実施形態では、固体電解質型センサプローブとして第1実施形態と同じ酸素センサプローブ11を用い、溶融金属として溶融鉄(鋳鉄)を用いた。この酸素センサプローブ11は、前述のように消耗型(使い切り用)のセンサプローブである。酸素センサ素子25を含む酸素センサプローブ11の先端部11aの外周面に銀ペーストによる被膜29を形成した。そして、実施例1と同様にして、溶融鉄中の酸素濃度を測定した。溶融鉄中への酸素センサプローブ11の浸漬時間と起電力との関係を図8に示した(△印)。一方、銀の被膜29を酸素センサ素子25の外周面及び酸素センサプローブ11の先端部11aに設けない場合についても、酸素センサ素子25で起電力(E)を測定した。その場合の溶融鉄中への酸素センサプローブ11の浸漬時間と起電力との関係を図8に示した(○印)。
図8の△印に示したように、酸素センサ素子25を含む酸素センサプローブ11の先端部11aの外周面に銀の被膜29を形成した場合には、溶融鉄中への酸素センサプローブ11の浸漬時間が約128秒でほぼ一定の起電力が得られた。これに対し、酸素センサプローブ11の先端部11aの外周面に銀の被膜29を形成しなかった場合には、溶融鉄中への酸素センサプローブ11の浸漬時間が約132秒で一定の起電力を示した。
尚、前記各実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
・ 固体電解質型センサプローブとして、クロム(Cr)センサプローブ、シリコン(Si)センサプローブ、マグネシウム(Mg)センサプローブ、アルミニウム(Al)センサプローブ、硫黄(S)センサプローブ、銅(Cu)センサプローブ等を用いることができる。
・ 固体電解質型センサプローブとして、2種或いは3種以上のセンサプローブを組合せて構成することができる。その場合、異種のセンサプローブを組合せる以外に、同種のセンサプローブを組合せることも可能である。例えば、前記酸素センサ素子25と水素センサ素子43とを備えた水素酸素センサを用いることもできる。
・ 酸素センサ素子25を構成する基準物質として、ニッケル(Ni)と酸化ニッケル(NiO)との9:1の質量比の混合物、銅(Cu)と酸化銅(CuO)との9:1の質量比の混合物等を用いることができる。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記被膜の厚みは、0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の溶融金属用の固体電解質型センサプローブ。このように構成した場合、固体電解質管に対する溶融金属の濡れ性を安定した状態で向上させることができる。
・ 前記センサプローブには、熱電対による温度測定部を備え、該温度測定部の外面に導電性材料による被膜が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の溶融金属用の固体電解質型センサプローブ。このように構成した場合、温度測定部に対する溶融金属の濡れ性が向上し、温度測定の応答性及び精度を向上させることができる。
・ 前記センサプローブの先端部には、貫通孔を有するキャップが被せられ、該キャップの部分を測定対象媒体中に浸すように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の溶融金属用の固体電解質型センサプローブ。このように構成した場合、キャップによりセンサプローブを保護することができると共に、各センサプローブによる測定精度を向上させることができる。
(a)は第1実施形態における酸素センサプローブの要部を破断して示す正面図、(b)は(a)の状態でキャップを取り外したときの側面図。 酸素センサ素子を拡大して示す断面図。 第2実施形態における水素センサプローブを示す概略断面図。 (a)は酸素センサを示す概略正面図、(b)は酸素センサプローブとホルダーとを分解して示す概略正面図、(c)は演算器を示す概略背面図。 第1実施形態で酸素センサ素子の外周面に銀の被膜を設けた場合について、溶融銅中への酸素センサプローブの浸漬時間と起電力及び温度との関係を示すグラフ。 第1実施形態で酸素センサプローブの先端部の外周面に銀の被膜を設けた場合について、溶融銅中への酸素センサプローブの浸漬時間と起電力及び温度との関係を示すグラフ。 第2実施形態で水素センサプローブの先端部の外周面に銀の被膜を設けた場合と設けなかった場合について、溶融銅中への水素センサプローブの浸漬時間と起電力との関係を示すグラフ。 第3実施形態で酸素センサプローブの先端部の外周面に銀の被膜を設けた場合と設けなかった場合について、溶融銅中への酸素センサプローブの浸漬時間と起電力との関係を示すグラフ。
符号の説明
11…酸素センサプローブ、11a…先端部、25…酸素センサ素子、27、38…固体電解質管、28…基準物質、29…被膜、35…水素センサプローブ、35a…先端部、36…溶融金属としての溶融アルミニウム、40…基準物質としての基準ガス、43…水素センサ素子。

Claims (3)

  1. 溶融金属中に浸漬される固体電解質管の内部に基準物質が収容されたセンサ素子を備えるセンサプローブにより構成され、溶融金属に接触するセンサ素子の外面又はセンサプローブの外面が導電性材料による被膜で被覆されていることを特徴とする溶融金属用の固体電解質型センサプローブ。
  2. 前記導電性材料は、金属又は導電性セラミックスであることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属用の固体電解質型センサプローブ。
  3. 前記被膜は、金属のペーストにより形成されていることを特徴とする請求項2に記載の溶融金属用の固体電解質型センサプローブ。
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