JP2006097250A - 天井板吊持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】天井板から天井スラブ等の天井部までの高さが相当高い場合でも吊りボルトの揺れを極力小さくし、天井下地や天井板の破損を防止できる天井板吊持装置を提供する。
【解決手段】天井スラブS等の天井部に多数の第1吊りボルト1を垂下状態に取り付け、これら第1吊りボルト1の下端部に亘って振れ止め用の水平支持枠3を、各第1吊りボルト1の下端部に取り付けられる取付金具4を介して横架し、この水平支持枠3に複数の第2吊りボルト2を吊りボルト用ハンガー5を介して垂下装備し、各第2吊りボルト2の下端部には野縁受け用ハンガー6を取り付け、これら野縁受け用ハンガー6間に野縁8を支持するための野縁受け7を橋架する。
【選択図】図2

Description

本発明は、天井スラブや梁材又は桁材等の天井部に、吊りボルトを介して天井板を吊持する天井板吊持装置に関するものである。
従来の天井板吊持装置として、特許公報等の公知文献を具体的に挙げることはできないが、従来の天井板吊持装置を図4によって説明すると、例えば天井スラブA内に埋設したインサートナットBに吊りボルトCの上端部をねじ込んで、吊りボルトCを天井スラブAから垂下し、吊りボルトCの下端部には一対のナットD,Dを取り付けると共に、両ナットD,D間に野縁受け用ハンガーEを装着する。このような吊りボルトC、ナットD及び野縁受け用ハンガーEを天井スラブAに多数垂下装備した状態で、野縁受け用ハンガーE,E間に野縁受けFを橋架すると共に、野縁受けFの適所にグリップGを取り付け、このグリップGをによって多数の野縁Hを取り付け、この野縁Hに天井板Iを釘打ちによって取り付けるようにしている。
上記のような天井板吊持装置では、天井板Iから天井スラブA等の天井部までの高さが4〜5m程度では問題はないが、その高さが8〜10mにもなると、地震発生の際に吊りボルトCの揺れが大きく、この吊りボルトCの揺れに伴い野縁受けFや野縁Hが揺れて、これらの天井下地及び天井板が破損するという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑み、吊りボルトを第1吊りボルトと第2吊りボルトとに分割構成して、第1吊りボルトと第2吊りボルトとの中間に水平支持枠を介在させるようにすることにより、天井板から天井スラブ等の天井部までの高さが相当に高い場合でも吊りボルトの揺れを極力小さくし、それによって天井下地及び天井板の破損を防止できる天井板吊持装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る天井板吊持装置は、天井スラブS等の天井部に多数の第1吊りボルト1を垂下状態に取り付け、これら第1吊りボルト1の下端部に亘って振れ止め用の水平支持枠3を、各第1吊りボルト1の下端部に取り付けられる取付金具4を介して横架し、この水平支持枠3に複数の第2吊りボルト2を吊りボルト用ハンガー5を介して垂下装備し、各第2吊りボルト2の下端部には野縁受け用ハンガー6を取り付けて、これら野縁受け用ハンガー6間に野縁8を支持するための野縁受け7を橋架してなることを特徴とする。
請求項2は、請求項1に記載の天井板吊持装置において、前記水平支持枠3はC形鋼よりなり、前記取付金具4は、水平支持枠3に外嵌可能なコ形本体11と、このコ形本体11の両端部の上下対向位置に設けたボルト挿通孔12,12と、第1吊りボルト1に螺合する上下一対のナット13,13とからなるもので、水平支持枠3に外嵌させたコ形本体11の両端部のボルト挿通孔12,12を第1吊りボルト1に挿通させて、コ形本体11と第1吊りボルト1とで水平支持枠3を抱持し、第1吊りボルト1に螺合した上下一対のナット13,13でコ形本体11の両端部を挟み付けて固定するようにしてなることを特徴とする。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、天井部Sに多数の第1吊りボルト1を垂下状態に取り付け、これら第1吊りボルト1の下端部に亘って振れ止め用の水平支持枠3を取付金具4を介して横架し、この水平支持枠3に複数の第2吊りボルト2を吊りボルト用ハンガー5を介して垂下装備し、各第2吊りボルト2の下端部に野縁受け用ハンガー6を取り付け、これら野縁受け用ハンガー6間に野縁受け7を橋架するようにしたから、天井部Sから下方へ相当な距離、例えば8〜10mも離れた位置に天井板11を取り付けた場合でも、地震発生の際には、第1吊りボルト1と第2吊りボルト2と間に介在する振れ止め用の水平支持枠3によって、第1吊りボルト1及び第2吊りボルト2の揺れが極力小さくなり、従って野縁受け7や天井板取付用野縁8の揺れも小さく、これらの天井下地や天井板10の破損を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、取付金具4は、水平支持枠3はC形鋼よりなる水平支持枠3に外嵌可能なコ形本体11と、コ形本体11の両端部の上下対向位置に設けたボルト挿通孔12,12と、第1吊りボルト1に螺合する上下一対のナット13,13とからなるもので、水平支持枠3に外嵌させたコ形本体11の両端部のボルト挿通孔12,12を第1吊りボルト1に挿通させて、コ形本体11と第1吊りボルト1とで水平支持枠3を抱持し、第1吊りボルト1に螺合した上下一対のナット13,13でコ形本体11の両端部を挟み付けて固定するようにしたもので、取付金具4の構造がきわめて簡単で、水平支持枠3の取付作業を簡単容易に行うことができる。
以下に本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明すると、図1は本発明に係る天井板吊持装置を示す斜視図、図2は同天井板吊持装置の正面図、図3の(a) は図2のX−X線断面図、(b) は図2のY−Y線断面図である。この実施形態の天井板吊持装置は、建物躯体の天井スラブS(天井部)から下方へ例えば約8〜10m隔たった位置に天井板11を取り付けるようにした装置であって、天井スラブSに第1吊りボルト1を多数垂下状態に取り付け、これら第1吊りボルト1の下端部に亘って振れ止め用の水平支持枠3を、各第1吊りボルト1の下端部に取り付けられる取付金具4を介して横架し、この水平支持枠3に複数の第2吊りボルト2を吊りボルト用ハンガー5を介して垂下装備し、各第2吊りボルト2の下端部には野縁受け用ハンガー6を取り付けて、これら野縁受け用ハンガー6間に野縁8を支持するための野縁受け7を橋架し、この野縁受け7に複数の天井板取付用野縁8を夫々グリップ9によって取り付け、しかして野縁8に天井板10を釘打ちにより取り付けたものである。
上記天井板吊持装置の構造について詳しく説明すれば、振れ止め用の水平支持枠3は、リップ付き溝形鋼と呼ばれるC形鋼(ライトゲージ)よりなる。各第1吊りボルト1は、長さ4〜5mの所要径のものを使用する。この第1吊りボルト1の下端部に取り付けられる取付金具4は、水平支持枠3に外嵌可能な鋼板製のコ形本体11と、このコ形本体11の両端部の上下対向位置に設けたボルト挿通孔12,12と、第1吊りボルト1に螺合する上下一対のナット13,13とからなるもので、コ形本体11は、上下板部11a,11bとこれらをつなぐ連結板部11cとによって側面視コ形に形成され、上下板部11a,11bの夫々先端部側にボルト挿通孔12が設けられていて、水平支持枠3に外嵌させたコ形本体11の両端部のボルト挿通孔12,12を第1吊りボルト1に挿通させて、コ形本体11と第1吊りボルト1とで水平支持枠3を抱持し、第1吊りボルト1に螺合した上下のナット13,13でコ形本体11の上下両端部を挟み付けて固定するようになっている。
吊りボルト用ハンガー5は、竪板片5aと、この竪板片5aの下端部から水平に直角に延びる横板片5bとからなり、竪板片5aの上端部にはリップ付き溝形鋼からなる水平支持枠3の下側リップ部3aに係嵌する略下向きコ字状の係嵌部14を形成し、横板片5bには第2吊りボルト2が螺合するネジ孔15を形成したもので、図3の(b) に示すように、横板片5bのネジ孔15に第2吊りボルト2の上端部をねじ込んだ状態で、竪板片5aの係嵌部14を係嵌させ、この状態で第2吊りボルト2をネジ孔15に対し上向きにねじ込んで、ボルト2の上端面を水平支持枠3の下側面3oに押し付けることによって、第2吊りボルト2を水平支持枠3に一体的に垂下装備するようになっている。各第2吊りボルト2は、第1吊りボルト1と同じく長さが4〜5mで、第1吊りボルト1と同径のものを使用してもよいが、第1吊りボルト1より若干径小のものを使用することができる。
第2吊りボルト2の下端部に取り付けられる野縁受け用ハンガー6は、図4に示される従来の野縁受け用ハンガーEと同じ構造で、周知であり、第2吊りボルト2に挿通される取付部6aが上下一対のナット16,16で第2吊りボルト2に挟着固定される。また、野縁受け7に天井板取付用野縁8を取り付けるグリップ9も、図4に示される従来のグリップGと同じ構造で、周知である。第1吊りボルト1の上端部は、天井スラブSに埋設されたインサートナット17にねじ込んで取り付けるようになっている。また、野縁受け7には溝形鋼(チャンネル材)が使用され、野縁8には一般にMバーと称される形鋼材が使用される。
上記のように構成される天井板吊持装置の施工について説明すると、先ず、天井スラブSに第1吊りボルトを垂下状態に取り付け、この第1吊りボルト1により取付金具4を介して振れ止め用水平支持枠3を天井スラブSから4〜5m下方の位置に水平に横架する。この場合、水平支持枠3としては長さが例えば5mのC形鋼(ライトゲージ)を使用し、この水平支持枠3の両端部を先に、天井スラブSから垂下した2本の第1吊りボルト1により夫々取付金具4を介して横架し、その後にこの水平支持枠3の中間部複数箇所を複数本の第1吊りボルト1により夫々取付金具4を介して吊持する。また、水平支持枠3は接続具(図示せず)によって長さ方向に適宜に接続する。
こうして水平支持枠3を天井スラブSから4〜5m下方位置に水平に横架したならば、この水平支持枠3に複数の第2吊りボルト2を吊りボルト用ハンガー5を介して垂下装備する。この場合、図3の(b) に示すように、吊りボルト用ハンガー5の横板片5bのネジ孔15に第2吊りボルト2の上端部をねじ込んだ状態で、竪板片5aの係嵌部14をリップ付き溝形鋼からなる水平支持枠3の下側リップ部3aに係嵌させ、この状態で第2吊りボルト2をネジ孔15に対し上向きにねじ込んで、ボルト2の上端面を水平支持枠3の下側面3oに押し付けることにより、第2吊りボルト2を水平支持枠3に一体的に垂下装備する。
それから、各第2吊りボルト2の下端部には野縁受け用ハンガー6を取り付け、これら野縁受け用ハンガー6間に野縁受け7を嵌め込むことによって、野縁受け7を水平支持枠3から4〜5m下方位置に橋架し、この野縁受け7の所定箇所にグリップ9を取り付け、このグリップ9によって野縁受け7の下側でこれと直交する位置に天井板取付用野縁8を取り付ける。そして、この野縁Hに天井板10を釘打ちによって取り付け、図1〜図3に示すような状態とする。
以上説明したように、建物の天井スラブSから下方へ例えば約8〜10mも離れた位置に天井板11を取り付けるにあたって、天井スラブSに第1吊りボルト1を多数垂下状態に取り付け、これら第1吊りボルト1の下端部に亘って振れ止め用水平支持枠3を、各第1吊りボルト1の下端部に取り付けられる取付金具4によって、天井スラブSから4〜5m下方位置に水平に横架し、この水平支持枠3に複数の第2吊りボルト2を垂下装備し、各第2吊りボルト2の下端部に野縁受け用ハンガー6を取り付け、これら野縁受け用ハンガー6間に野縁受け7を水平支持枠3から4〜5m下方位置に橋架するようにしたから、地震発生時には、第1吊りボルト1と第2吊りボルト2と間に介在する振れ止め用の水平支持枠3によって、第1吊りボルト1及び第2吊りボルト2の揺れは極力小さくなり、従って野縁受け7や天井板取付用野縁8の揺れも小さく、これらの天井下地や天井板10が破損するのを防止することができる。
またこの天井板吊持装置では、水平支持枠3はC形鋼よりなり、取付金具4は、水平支持枠3に外嵌可能なコ形本体11と、コ形本体11の両端部の上下対向位置に設けたボルト挿通孔12,12と、第1吊りボルト1に螺合する上下一対のナット13,13とからなるもので、水平支持枠3に外嵌させたコ形本体11の両端部のボルト挿通孔12,12を第1吊りボルト1に挿通させて、コ形本体11と第1吊りボルト1とで水平支持枠3を抱持し、第1吊りボルト1に螺合した上下一対のナット13,13でコ形本体11の両端部を挟み付けて固定するようにしたもので、取付金具4の構造がきわめて簡単で、水平支持枠3の取付作業も簡単容易となり、従って天井板吊持装置の施工能率が向上する。
以上説明した実施形態では、第1吊りボルト1の上端部をコンクリート製の天井スラブSに取り付けるようにしているが、第1吊りボルト1の上端部は、このような天井スラブSに限らず、屋根の下面側に位置する梁材や桁材あるいは天井デッキ等に取り付けることができるものである。
本発明に係る天井板吊持装置を示す斜視図である。 同天井板吊持装置の正面図である。 (a) は図2のX−X線断面図、(b) は図2のY−Y線断面図である。 従来の天井板吊持装置を示す斜視図である。
符号の説明
S 天井スラブ
1 第1吊りボルト
2 第2吊りボルト
3 水平支持枠
4 取付金具
5 吊りボルト用ハンガー
6 野縁受け用ハンガー
7 野縁受け7
8 天井板取付用野縁
11 コ形本体
12 ボルト挿通孔

Claims (2)

  1. 天井スラブ等の天井部に多数の第1吊りボルトを垂下状態に取り付け、これら第1吊りボルトの下端部に亘って振れ止め用の水平支持枠を、各第1吊りボルトの下端部に取り付けられる取付金具を介して横架し、この水平支持枠に複数の第2吊りボルトを吊りボルト用ハンガーを介して垂下装備し、各第2吊りボルトの下端部には野縁受け用ハンガーを取り付けて、これら野縁受け用ハンガー間に野縁を支持するための野縁受けを橋架してなる天井板吊持装置。
  2. 前記水平支持枠はC形鋼よりなり、前記取付金具は、水平支持枠に外嵌可能なコ形本体と、このコ形本体の両端部の上下対向位置に設けたボルト挿通孔と、第1吊りボルトに螺合する上下一対のナットとからなるもので、水平支持枠に外嵌させたコ形本体の両端部のボルト挿通孔を第1吊りボルトに挿通させて、コ形本体と第1吊りボルトとで水平支持枠を抱持し、第1吊りボルトに螺合した上下一対のナットでコ形本体の両端部を挟み付けて固定するようにしてなる請求項1に記載の天井板吊持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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