JP2006096257A - ワイパブレード - Google Patents

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Abstract

【課題】 加工精度や組付け精度の厳格化を招くことなく、異物の侵入及びその挟み込みに伴う回動阻害の発生を防止することができるワイパブレードを提供すること。
【解決手段】 ワイパブレード4は、ワイパアーム3に回動可能に連結されるレバー部材8と、該レバー部材8に固定されてその外側を被覆するカバー部材9とを備える。レバー部材8は、対向する一対の側壁14と、該両側壁14間に掛け渡された連結軸15と、連結軸15周りに回動可能に連結されるとともにワイパアーム3が着脱可能に装着される連結部材21とを有し、カバー部材9の上面には、連結部材21に対応する位置に、両側壁14間とカバー部材9の外部とを連通する開口部43が形成される。そして、カバー部材9は、この開口部43の長手方向周縁からレバー部材8の内側、開口部43の前方側の周縁部43aから下方向に向かって延出形成された垂下壁44を有して弾性材料により形成される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両のフロントウィンドウ等を払拭するワイパブレードに関するものである。
一般に、多くのワイパブレードは、対向する一対の側壁と該両側壁間に掛け渡された連結軸とを有しており、両側壁上部には、両側壁間とその外部と連通する開口部が形成されている。そして、この開口部を介して連結軸とワイパアームの先端とを連結することにより、同連結軸を回動中心としてワイパアームに回動可能に連結されるようになっている。
また、特許文献1に記載のワイパブレードでは、上記両側壁を含むワイパブレード本体を樹脂製とすることによりその軽量化が図られている。そして、この軽量化に伴う強度不足を補完すべく、上記開口部の長手方向周縁から両側壁間内に延出形成されて上記連結軸に連結されたワイパアームの先端部と対向する壁部を設け、この壁部にて両側壁間を連絡する構成となっている。
ところが、このようにワイパアームの先端部と対向する位置に、その一端が外部に開放された壁部を設けた場合、外部から侵入した氷雪や小石等の異物が同壁部とワイパアームの先端部との間に挟み込みやすくなるという問題がある。そのため、この従来例では、ワイパアームの先端部とそれに対向する壁部とのクリアランスは、ワイパブレードの回動によっても互いに干渉することがない範囲において最小の値に設定されている。
特開2004−10047号公報
しかしながら、設計段階において如何に両者のクリアランスを最小に設定したとしても、現実には、加工精度及び組付け精度のバラツキによって両者が干渉するおそれがあり、これによりワイパブレードの回動が妨げられるのを防止する必要がある。そして、このような製造時段階での誤差に起因する干渉の発生は、そのクリアランスが微小であるほど顕著なものとなる。従って、このような干渉の発生を防止するためには、両者のクリアランスを厳密に管理する必要性があり、その結果、加工精度及び組付け精度の厳格化等により製造コストが上昇するという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、加工精度や組付け精度の厳格化を招くことなく、異物の侵入及びその挟み込みに伴う回動阻害の発生を防止することができるワイパブレードを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、対向する一対の側壁と、該両側壁間に掛け渡された連結軸とを有し、該連結軸を回動中心としてワイパアームに回動可能に連結されるレバー部材と、前記レバー部材に固定されてその外側を被覆するカバー部材とを備え、前記カバー部材には、前記ワイパアームに対して前記レバー部材を前記連結すべく、前記両側壁間と該カバー部材の外部とを連通する開口部が形成されたワイパブレードであって、前記カバー部材は、前記開口部の長手方向周縁から前記レバー部材の内側に向かって延出形成されて前記連結軸に連結された前記ワイパアームの先端部と対向する壁部を有し、該壁部は、弾性材料により形成されること、を要旨とする。
請求項2に記載の発明は、対向する一対の側壁と、該両側壁間に掛け渡された連結軸と、該連結軸周りに回動可能に連結されるとともにワイパアームの先端部が着脱可能に装着される連結部材とを有するレバー部材と、前記レバー部材の外側を被覆するカバー部材とを備え、前記カバー部材には、前記連結部材に対応して前記両側壁間と該カバー部材の外部とを連通する開口部が形成されたワイパブレードであって、前記カバー部材は、前記開口部の長手方向周縁から前記レバー部材の内側に向かって延出形成されて前記連結部材と対向する壁部を有し、該壁部は、弾性材料により形成されること、を要旨とする。
上記各構成によれば、上記従来例のごとく、連結軸に連結されたワイパアームの先端部(請求項2の構成においては連結部材)と壁部との間のクリアランスを微小として小石や氷雪等の異物の侵入及びその挟み込みを防止する構成とした場合に、その加工又は組付け精度のバラツキにより両者が干渉したとしても、壁部の弾性変形によってレバー部材の回動を許容することが可能になる。その結果、そのクリアランスを厳密に管理する必要性がなくなり、ひいては加工精度及び組付け精度の厳格化等による製造コストの上昇を抑制することができるようになる。特に、請求項2の構成を採用することにより、ワイパアームとワイパブレードとの連結が容易になるとともに、壁部と連結部材との間のクリアランスを安定させることが可能となる。その結果、より好適に異物の侵入及びその挟み込みを防止することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、前記壁部は、前記ワイパアームの先端部の回動軌跡に対応して設けられること、を要旨とする。
請求項4に記載の発明は、前記壁部は、前記連結部材の回動軌跡に対応して設けられること、を要旨とする。
上記各構成によれば、開口部からの異物の侵入を好適に防止することができるとともに、その挟み込みが発生した場合においても請求項1又は請求項2の構成、即ち壁部の弾性変形によってレバー部材の回動を許容することができる。
請求項5に記載の発明は、前記壁部の先端は自由端であること、を要旨とする。
上記構成によれば、壁部は、その先端側が自在に可撓可能となるため、レバー部材の回動に際して同壁部が干渉する状態となった場合であっても、その抵抗を最小としてスムーズに回動させることができるようになる。
請求項6に記載の発明は、前記カバー部材は、前記開口部の長手方向両側から前記レバー部材に装着されるブレードラバーの長手方向に沿って延出形成されて該ブレードラバーの反払拭面側を被覆するとともに、その反払拭面側には前記開口部の長手方向両側において払拭面に対して所定の鋭角をなして形成された斜面を有するフィン部を備えること、を要旨とする。
上記構成によれば、斜面により走行風圧を払拭面方向の押圧力に変換することができる。従って、その長手方向に亘ってブレードラバーを直接的に払拭面に押し付けることができ、これにより、これによりブレードラバーの浮き上がりを防止することができるようになる。
本発明によれば、加工精度や組付け精度の厳格化を招くことなく、異物の侵入及びその挟み込みに伴う回動阻害の発生を防止することが可能なワイパブレードを提供することにある。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のワイパブレードを備えた車両用ワイパの斜視図、図2は、ワイパブレードの分解斜視図、そして図3は、ワイパブレードのA−A断面図である。
図1に示すように、車両用ワイパ1は、ワイパアーム3と、該ワイパアーム3の先端部に回動可能に連結されるワイパブレード4とを備えている。ワイパアーム3は、その基端部3bがピボット軸(図示略)に固定されており、このピボット軸に連結されたワイパモータ(図示略)に駆動されることにより、同基端部3bを回動中心として往復回動する。また、ワイパアーム3は、ワイパブレード4を払拭面5に押し付けるためのスプリング(図示略)を有しており、ワイパアーム3の先端部は、このスプリングの弾性力により払拭面5側に向かって付勢されている。そして、ワイパブレード4は、ワイパアーム3に押圧されることにより払拭面5に押し付けられ、ワイパアーム3の往復回動に伴い払拭面5上を往復動することにより、同払拭面5を払拭するようになっている。
図2に示すように、本実施形態のワイパブレード4は、払拭面5を払拭するブレードラバー7と、ワイパアーム3に回動可能に連結されるレバー部材8と、レバー部材8に固定されて同レバー部材8及びブレードラバー7の反払拭面側(後述する基部10)を被覆するカバー部材9とを備えている。そして、本実施形態では、ブレードラバー7は、レバー部材8及びカバー部材9により保持されるようになっている。
詳述すると、ブレードラバー7は、ゴム材により、その長手方向に直行する断面形状が一方の端部を除き一様となるよう長尺状に形成されている。具体的には、ブレードラバー7は、レバー部材8及びカバー部材9により保持される基部10と、払拭面5に摺接して同払拭面5を払拭する払拭部11とを有しており、基部10の両側面には、その長手方向に亘って延設されたバッキング用溝10b及び保持用溝10cが形成されている。そして、ブレードラバー7は、バッキング用溝10b内にバッキング(図示略)が嵌入された状態で、基部10がレバー部材8及びカバー部材9に保持される。
一方、本実施形態のレバー部材8は、ブレードラバーを保持するアーム部12と、ワイパアーム3に連結されるホルダ部13とを有している。アーム部12は、断面コ字状をなして長尺状に形成されており、その長手方向両端には、ブレードラバー7を保持すべく同ブレードラバー7の基部10に形成された保持用溝10c内に挿入される把持爪12aが設けられている。尚、アーム部12の長手方向の長さ、即ち両把持爪12a間の間隔は、ブレードラバー7の長さより短く設定されており、本実施形態ではブレードラバー7の長さの約1/3に設定されている。ホルダ部13は、アーム部12の上面12bに設けられており、対向する一対の側壁14と該両側壁14間に掛け渡された連結軸15とを有している。そして、レバー部材8は、この連結軸15を回動中心としてワイパアーム3に対して回動可能に連結されるようになっている。
尚、図3に示すように、本実施形態では、両側壁14の下端は底壁16により連絡されており、ホルダ部13は、この底壁16がアーム部12の上面12bに接合(溶接)されることにより、同上面12bに固定されている。そして、同底壁16は、そのワイパブレード4の先端4a側(図1参照、図3中左側)の端部16aが、同先端4a側に凸となるように、両側壁14の上端まで円弧状に折り返されている。
また、図1〜図3に示すように、本実施形態のレバー部材8は、連結軸15周りに回動可能に連結されるとともにワイパアーム3が着脱可能に装着される連結部材21を有している。
図1及び図3に示すように、連結部材21は、連結軸15に回動可能に連結されるベース部材22と、該ベース部材22に対してワイパアーム3先端のアームピース23を着脱可能に固定するロック部材25とからなる。尚、本実施形態では、これらのベース部材22及びロック部材25は、ともに樹脂により形成されている。
図4(a)〜(c)に示すように、ベース部材22は、対向する一対の側壁31と該両側壁31間を連結する基部32とから構成されている。両側壁31には、対向する一対の支持孔33が形成されており、各支持孔33の下側(図4(b)(c)中下側)には、各側壁31の下端から各支持孔33周縁に切り欠かれた案内溝34が形成されている。そして、ベース部材22は、この両案内溝34を介して両支持孔33内に連結軸15が遊嵌されるようにホルダ部13に装着され、その両側壁31が連結軸15に軸支されることにより、同連結軸15周りに回動可能に連結されるようになっている。
また、基部32は、両側壁31の長手方向において、支持孔33の周縁からその後方(図4(a)(c)中右側)に設けられている。同基部32の上面(同図中上側)には、ワイパアーム3先端のアームピース23が装着される装着部35が形成されており、同装着部35は、支持孔33の上端縁からその前方側周縁(図4(c)中左側)に沿って延設されている。そして、図3に示すように、ワイパアーム3先端のアームピース23は、この装着部35にそのJ字状をなすフック24の内側面24aが当接するようベース部材22に装着される。
また、両側壁31の長手方向前方側(図4(a)〜(c)中左側)の端部近傍の内壁面には、互いに対向する一対の支持突部36が形成されている。そして、ロック部材25は、この両支持突部36に軸支されることにより、両側壁31間において、同支持突部36を回動中心として回動可能にベース部材22に連結されるようになっている(図1及び図3参照)。
図5(a)〜(c)に示すように、ロック部材25は、支持突部36により回動可能に軸支される基部37と、該基部37の一端に設けられた係合部38とからなる。係合部38には、アームピース23のフック24の外側面24bの曲率に対応して湾曲する湾曲面39が形成されている。また、基部37の基端、即ち係合部38側と反対側の端部近傍には、同基部37をその幅方向(図5(a)中上下方向)に貫通する貫通孔40が形成されており、ロック部材25は、この貫通孔40内にベース部材22の両支持突部36が遊嵌されることにより、両側壁31間において、両支持突部36により回動可能に軸支される。そして、図3に示すように、ロック部材25は、その回動により、係合部38とベース部材22の装着部35との間にアームピース23のフック24を挟持し、その湾曲面39とアームピース23のフック24の外側面24bとが係合することにより、同アームピース23をベース部材22に固定するようになっている。
即ち、図1に示すように、ワイパブレード4をワイパアーム3に連結する際には、ロック部材25をベース部材22の上方(図3参照上側)に回動させた状態で、上記のごとくワイパアーム3のアームピース23をベース部材22に装着する。そして、ロック部材25を回動させ、図3に示すように、その湾曲面39とアームピース23のフック24の外側面24bと係合させることにより、アームピース23をベース部材22に固定する。そして、ワイパブレード4をワイパアーム3から取り外す際には、再びロック部材25をベース部材22の上方に回動させることにより、容易にその取り外しができるようになっている。
一方、カバー部材9は、エラストマー材もしくはゴム材等の弾性材料により形成されている。図2に示すように、カバー部材9の長手方向の長さは、ブレードラバー7の長さ方向の長さよりも若干長く設定されており、その下面(図3参照、図中下側)には、レバー部材8及びブレードラバー7の基部10を収容する収容凹部41が形成されている。そして、カバー部材9は、この収容凹部41内にレバー部材8を収容した状態で該レバー部材8に固定(接着等)されることにより、同レバー部材8の外側、即ちそのアーム部12及びホルダ部13の両側壁14、並びに同両側壁14の上方(図3参照、図中上側、後述すう開口部43を除く)を被覆する。
図2及び図6に示すように、収容凹部41のうちブレードラバー7の基部10を収容するラバー収容部41aには、断面コ字状をなす複数の把持部材42が固着されており、同把持部材42の先端には、ブレードラバー7を保持すべく同ブレードラバー7の基部10に形成された保持用溝10c内に挿入される把持爪42aが設けられている。尚、本実施形態では、把持部材42は、カバー部材9(ブレードラバー7)の両端部とレバー部材8の両端との間に、各々3個、所定間隔毎に計6個設けられている。そして、ブレードラバー7は、基部10の保持用溝10c内に、その長手方向いずれかの開口端から、各把持部材42の把持爪42a及びレバー部材8(アーム部12)両端の各把持爪12aが順次挿入されることにより、レバー部材8及びカバー部材9に保持され、その基部10がカバー部材9により被覆されるようになっている。
また、図1〜図3に示すように、カバー部材9の上面(反払拭面側、同図中上側)には、レバー部材8のホルダ部13が収容されるホルダ収容部41bに対応する位置、詳しくは、連結軸15に連結された連結部材21に対応する位置に、同ホルダ収容部41bとカバー部材9の外部とを連通する開口部43が形成されている。即ち、レバー部材8にカバー部材9が装着された状態においては、この開口部43により、ホルダ部13の両側壁14間とカバー部材9の外部とが連通される。そして、この開口部43を介して連結部材21にワイパアーム3先端のアームピース23が装着されるようになっている。
また、本実施形態では、カバー部材9は、開口部43の長手方向周縁からレバー部材8の内側、詳しくは開口部43の前方側(図中左側)の周縁部43aから下方向(図中下方向、払拭面側)に向かって延出形成された壁部としての垂下壁44を有している。そして、この垂下壁44は、カバー部材9の他部分と一体に柔軟性のある弾性材料にて形成されている。本実施形態では、垂下壁44の先端部44aは自由端となっており、カバー部材9は、同垂下壁44がホルダ部13の両側壁14間に配置されるようにレバー部材8に装着される。そして、垂下壁44は、ホルダ部13の両側壁14間において、連結軸15に連結された連結部材21と長手方向に対向する位置に配置されるようになっている。
更に詳述すると、垂下壁44は、図3中、曲線mに示す連結部材21の回動軌跡、即ち連結部材21の回動に伴うその回動中心P0から最も離間した先端部位P1の軌跡に対応して設けられている。具体的には、垂下壁44は、その連結部材21に対向する対向面45と連結部材21の先端部位P1との最近接距離D1が、ワイパブレード4の回動によっても互いに干渉しない範囲において最小に設定されている。そして、これにより、開口部43からの異物(氷雪や小石等)の侵入及びその挟み込みを好適に防止することが可能となっている。
また、本実施形態では、前方側の周縁部43aのみならず、その後方側の周縁部43b(図中左側)にも、同周縁部43bから下方向に向かって延設された垂下壁46が設けられており、この垂下壁46もまた、回動中心P0から最も離間した後端部位P2とその対向面47との最近接距離D2が、互いに干渉しない範囲において最小に設定されている。尚、本実施形態では、同図中に示す位置が両者の最近接位置となっている。また、この後方側の垂下壁46の先端部46aも自由端となっている。そして、この垂下壁46には、水抜き用のスリット48が形成されている。
また、図1〜図3及び図6に示すように、本実施形態のカバー部材9は、その上面(反払拭面側、図6中上側)に、開口部43の長手方向両側からその長手方向に沿って延設されたフィン部49を有しており、図6に示すように、同フィン部49には、払拭面5と所定の鋭角αをなす斜面49aが形成されている。そして、この斜面49aにて走行風圧を払拭面5方向の押圧力に変換することにより、その長手方向に亘ってブレードラバー7を直接的に払拭面5に押し付けることが可能となっている。尚、本実施形態では、カバー部材9(及びそのフィン部49)を構成する弾性材料は、ブレードラバー7と同等若しくはそれ以下の弾性を有するものとなっており、これによりブレードラバー7の追従変形を妨げないようになっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)ワイパブレード4は、ワイパアーム3に回動可能に連結されるレバー部材8と、該レバー部材8に固定されて同レバー部材8の外側を被覆するカバー部材9とを備える。レバー部材8は、対向する一対の側壁14と、該両側壁14間に掛け渡された連結軸15と、連結軸15周りに回動可能に連結されるとともにワイパアーム3が着脱可能に装着される連結部材21とを有し、カバー部材9の上面には、連結部材21に対応する位置に、両側壁14間とカバー部材9の外部とを連通する開口部43が形成される。そして、カバー部材9は、この開口部43の長手方向周縁からレバー部材8の内側、開口部43の前方側の周縁部43aから下方向に向かって延出形成された垂下壁44を有して弾性材料により形成される。
このような構成とすれば、連結軸15に連結された連結部材21と垂下壁44との間のクリアランスを微小として小石や氷雪等の異物の侵入及びその挟み込みを防止する構成とした場合に、その加工又は組付け精度のバラツキにより両者が干渉したとしても、垂下壁44の弾性変形によってレバー部材8の回動を許容することが可能になる。その結果、そのクリアランスを厳密に管理する必要性がなくなり、ひいては加工精度及び組付け精度の厳格化等による製造コストの上昇を抑制することができるようになる。加えて、ワイパアーム3とワイパブレード4との連結が容易になるとともに、垂下壁44と連結部材21との間のクリアランスを安定させることが可能となる。
(2)垂下壁44は、ワイパブレード4の払拭姿勢において、連結部材21の回動軌跡、即ち連結部材21の回動に伴うその回動中心P0から最も離間した先端部位P1の軌跡に対応して設けられ、その連結部材21に対向する対向面45と連結部材21の先端部位P1との最近接距離D1が、ワイパブレード4の回動によっても互いに干渉しない範囲において最小に設定される。
このような構成とすれば、通常の使用状態若しくは装置の停止状態において、開口部43からの異物(氷雪や小石等)の侵入を好適に防止することができるとともに、その挟み込みが発生した場合においても上記(1)の構成、即ち垂下壁44の弾性変形によってレバー部材8の回動を許容することができる。
(3)垂下壁44は、その先端部44aが自由端となっている。このような構成とすれば、垂下壁44は、その先端部44a側が自在に可撓可能となり、これによりレバー部材8の回動に際して同垂下壁44が干渉する状態となった場合であっても、その抵抗を最小としてスムーズに回動させることができるようになる。
(4)カバー部材9は、その上面(反払拭面側)に、開口部43の長手方向両側からその長手方向に沿って延設されたフィン部49を有しており、同フィン部49には、払拭面5と所定の鋭角αをなす斜面49aが形成される。
このような構成とすれば、斜面49aにより走行風圧を払拭面5方向の押圧力に変換することができる。従って、その長手方向に亘ってブレードラバー7を直接的に払拭面5に押し付けることができ、これにより、これによりブレードラバー7の浮き上がりを防止することができるようになる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、レバー部材8は、ブレードラバーを保持するアーム部12と、ワイパアーム3に連結されるホルダ部13とを有し、ホルダ部13は、その両側壁14の下端(払拭面側)を連絡する底壁16がアーム部12の上面12bに接合されることにより、同上面12bに固定されることとした(図3参照)。
しかし、これに限らず、図7に示すワイパブレード61のように、レバー部材62については、本実施形態のアーム部12及びホルダ部に相当する部分を断面コ字状に一体形成する構成として、その両側壁63の上端部(同図中上側)を連絡する上壁64に開口部65を形成し、その払拭面側が開放されたものに具体化してもよい。つまり、同上壁64のホルダ部に相当する部分、即ち連結軸15に連結された連結部材21に対応する位置に開口部65を形成し、カバー部材66については、この開口部65に対応する位置に開口部67を形成する。そして、本実施形態と同様に、この開口部67の長手方向周縁からレバー部材62の内側に垂下壁44を延出形成することとしてもよい。
・本実施形態では、レバー部材8は、本発明を連結軸15周りに回動可能に連結されるとともにワイパアーム3先端のアームピース23が着脱可能に装着される連結部材21を有し、この連結部材21を介して、ワイパブレード4がワイパアーム3に連結される構成とした。
しかし、これに限らず、図8に示すように、上記特許文献1に記載の従来例のごとく、予めワイパアーム71自体の先端部72を本実施形態の連結部材21としての機能を有する形状とする。即ち、この先端部72に、連結部材21に形成された支持孔33及び案内溝34に対応する連結溝73を形成する。そして、この連結溝73内に連結軸15を遊嵌することにより、ワイパアーム71の先端部72に対してワイパブレード74を直接に連結する構成としてもよい。
尚、この場合、垂下壁44は、ワイパアーム71の先端部72と対向する位置に配置し、同図中、曲線nに示す先端部72の回動軌跡、即ちワイパアーム71に対するワイパブレード4の回動に伴うその回動中心P0から最も離間した先端部位P3の軌跡に対応して設ければよい。そして、対向面45と連結部材21の先端部位P3との最近接距離D3は、ワイパブレード4の回動によっても互いに干渉しない範囲において最小に設定するとよい。これにより、本実施形態と同様に、開口部43からの異物(氷雪や小石等)の侵入及びその挟み込みを好適に防止することができるようになる。
・本実施形態では、垂下壁44は、カバー部材9の他部分と一体に柔軟性のある弾性材料にて形成されることとした。しかし、これ限らず、少なくとも垂下壁44を弾性材料にて形成することとすればよい。また、カバー部材9を構成する垂下壁44、フィン部49、並びにその他部分の柔軟度(弾性度)は、必ずしも同一である必要はなく、その機能に応じて適宜変更してもよい。
・垂下壁44の対向面45は、必ずしも図3に示すような平面である必要はなく、特許文献1に記載のように、曲線mに示す連結部材21の回動軌跡に対応した湾曲面としてもよい。このような構成とすれば、垂下壁44と連結部材21との間のクリアランスを均一的に最小とすることができ、その結果、より好適に異物の侵入を防止することができる。
本実施形態のワイパブレードを備えた車両用ワイパの斜視図。 本実施形態のワイパブレードの分解斜視図。 本実施形態のワイパブレードのA−A断面図。 (a)連結部材を構成するベース部材の上面図、(b)その側面図、(c)そのB−B断面図。 (a)連結部材を構成するロック部材の上面図、(b)その側面図、(c)そのC−C断面図。 本実施形態のワイパブレードのD−D断面図。 別例のワイパブレードの概略構成を示す断面図。 別例のワイパブレードの概略構成を示す断面図。
符号の説明
3,71…ワイパアーム、4,61,74…ワイパブレード、5…払拭面、7…ブレードラバー、8,62…レバー部材、14,63…側壁、15…連結軸、21…連結部材、43,67…開口部、44,46…垂下壁、44a…先端部、49…フィン部、49a…斜面、P0…回動中心、P1,P3…先端部位、P2…後端部位、m,n…曲線、D1,D2,D3…最近接距離、α…鋭角。

Claims (6)

  1. 対向する一対の側壁と、該両側壁間に掛け渡された連結軸とを有し、該連結軸を回動中心としてワイパアームに回動可能に連結されるレバー部材と、
    前記レバー部材に固定されてその外側を被覆するカバー部材とを備え、
    前記カバー部材には、前記ワイパアームに対して前記レバー部材を前記連結すべく、前記両側壁間と該カバー部材の外部とを連通する開口部が形成されたワイパブレードであって、
    前記カバー部材は、前記開口部の長手方向周縁から前記レバー部材の内側に向かって延出形成されて前記連結軸に連結された前記ワイパアームの先端部と対向する壁部を有し、該壁部は、弾性材料により形成されること、を特徴とするワイパブレード。
  2. 対向する一対の側壁と、該両側壁間に掛け渡された連結軸と、該連結軸周りに回動可能に連結されるとともにワイパアームの先端部が着脱可能に装着される連結部材とを有するレバー部材と、
    前記レバー部材の外側を被覆するカバー部材とを備え、
    前記カバー部材には、前記連結部材に対応して前記両側壁間と該カバー部材の外部とを連通する開口部が形成されたワイパブレードであって、
    前記カバー部材は、前記開口部の長手方向周縁から前記レバー部材の内側に向かって延出形成されて前記連結部材と対向する壁部を有し、該壁部は、弾性材料により形成されること、を特徴とするワイパブレード。
  3. 請求項1に記載のワイパブレードにおいて、
    前記壁部は、前記ワイパアームの先端部の回動軌跡に対応して設けられること、
    を特徴とするワイパブレード。
  4. 請求項2に記載のワイパブレードにおいて、
    前記壁部は、前記連結部材の回動軌跡に対応して設けられること、
    を特徴とするワイパブレード。
  5. 請求項1〜請求項4のうちの何れか一項に記載のワイパブレードにおいて、
    前記壁部の先端は自由端であること、を特徴とするワイパブレード。
  6. 請求項1〜請求項5のうちの何れか一項に記載のワイパブレードにおいて、
    前記カバー部材は、前記開口部の長手方向両側から前記レバー部材に装着されるブレードラバーの長手方向に沿って延出形成されて該ブレードラバーの反払拭面側を被覆するとともに、その反払拭面側には前記開口部の長手方向両側において払拭面に対して所定の鋭角をなして形成された斜面を有するフィン部を備えること、
    を特徴とするワイパブレード。
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