JP2006096178A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 操縦安定性や乗り心地を損ねることなくビード部の耐久性を向上しうる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、該本体部6aに連なりビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有するカーカスを具えた空気入りタイヤであって、前記本体部6aと折返し部6bとの間に、断面略三角形状のエーペックス基部9と、シート状のエーペックス副部10とからなるビードエーペックス8が配される。エーペックス副部10は、エーペックス基部9側に配された外の副部10oと、カーカスプライの本体部6a側に配された内の副部10iとからなる。外の副部10oの外端は、前記エーペックス基部9の外端よりもタイヤ半径方向外側に位置し、かつ前記内の副部の外端は、前記外の副部の外端よりもタイヤ半径方向外側に位置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、操縦安定性や乗り心地を損ねることなくビード部の耐久性を向上しうる空気入りタイヤに関する。
図3には、従来の空気入りタイヤの一般的なビード部aの断面が示されている。ビード部aには、負荷走行時に大きな荷重が作用し、曲げを主体とした大きな歪が生じやすい。このような走行中の大きな歪は周期的に生じ、ビード部aの内部温度を徐々に上昇させる。ゴムの温度がさらに上昇すると、カーカスプライの本体部bとビードエーペックスcとの界面、とりわけ×印で示される位置付近にゴムとコードが分離するコードルース等の損傷が生じやすい。特に内圧及び負荷が大きい小型トラック用タイヤ等にあっては、このような傾向が顕著である。従って、ビード部の耐久性能を向上させるためには、上述のようなカーカスプライの本体部bとビードエーペックスcの界面におけるコードルースを防止することが必須となる。
従来、ビード部aの曲げ剛性を高めて歪を低減するために、ビードエーペックスcをより硬質かつ大型化することが考えられていたが、この方法では乗り心地を著しく悪化させるという欠点がある。ビード部の耐久性等を向上させる先行技術としては、次のものがある。
特開平4−66309号公報 特開平11−20424号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、ビードエーペックスを、断面略三角形状のエーペックス基部と、該エーペックス本体とカーカスプライの本体部との間に配されかつエーペックス基部よりも硬さが小のゴムからなるシート状のエーペックス副部とで構成するとともに、エーペックス副部を、エーペックス基部側に配された外の副部と、これよりも柔らかいゴムからなるカーカスプライの本体部側に配された内の副部とで構成し、それらの高さなどを限定することを基本として、操縦安定性や乗り心地を損ねることなく負荷走行時におけるビード部の歪を緩和し、ビード部の耐久性を向上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部と、該本体部に連なり前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有する少なくとも一枚のカーカスプライを含むカーカスを具えた空気入りタイヤであって、前記本体部と折返し部との間に、前記ビードコアのタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびる断面略三角形状のエーペックス基部と、該エーペックス基部と前記本体部との間に配されかつ前記エーペックス基部よりも硬さが小さいゴムからなるシート状のエーペックス副部とからなるビードエーペックスが配され、前記エーペックス副部は、前記エーペックス基部側に配された外の副部と、該外の副部に添設されかつ該外の副部よりも硬さが小さいゴムからなる内の副部とからなるとともに、前記外の副部のタイヤ半径方向の外端は、前記エーペックス基部の外端よりもタイヤ半径方向外側に位置し、かつ前記内の副部のタイヤ半径方向の外端は、前記外の副部の外端よりもタイヤ半径方向外側に位置し、しかも前記内の副部のタイヤ半径方向の内端は、前記外の副部の内端よりもタイヤ半径方向内側に位置することを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記内の副部の外端の高さは、前記外の副部の外端の高さよりも5〜20mm大きいことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記内の副部の内端の高さは、前記外の副部の内端の高さよりも5〜20mm小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記内の副部の最大ゴム厚さは0.5〜2.5mmであり、かつ前記外の副部の最大ゴム厚さは0.5〜3.0mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記エーペックス基部のJISデュロメータA硬さHd1は70〜100度、かつ前記外の副部のJISデュロメータA硬さHd2は40〜80度、しかも内の副部のJISデュロメータA硬さHd3は40度以上かつ80度未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤは、カーカスプライの本体部と折返し部との間に、ビードエーペックスが配される。該ビードエーペックスは、ビードコアのタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびる断面略三角形状のエーペックス基部と、該エーペックス基部と前記本体部との間に配されかつエーペックス基部よりも柔らかいゴムからなるシート状のエーペックス副部を含む。
このような空気入りタイヤは、負荷走行時、ゴム硬さが相対的に大きい前記エーペックス基部においてビード部の大きな曲げ歪が抑制される。またカーカスプライの本体部とビードエーペックスとの界面近傍に生じるせん断歪等は柔らかいゴムからなるエーペックス副部によって緩和される。特にエーペックス副部は、カーカスプライの本体部側の内の副部を、外の副部に比して高さを大かつゴム硬さを小とすることによって、カーカスプライの本体部との界面近傍の剛性変化を滑らかなものとし、せん断歪をより一層効果的に緩和しうる。また、エーペックス副部はシート状をなすことによって、ビードエーペックスのボリューム増加を最小限に抑えつつビード部の歪を緩和しうる。従って、本発明の空気入りタイヤは、操縦安定性や乗り心地を損ねることなくビード部の耐久性を向上しうる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ1を正規リムJにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態におけるタイヤ軸を含む右半分断面図、図2はそのビード部を拡大した部分拡大図がそれぞれ示される。タイヤ各部の寸法等は、特に言及していない場合、この正規状態で測定された値である。
本明細書において、「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とし、タイヤが乗用車用のときには180(kPa)とする。
空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されたベルト層7とを具え、この実施形態では小型トラック用のラジアルタイヤが例示される。
本実施形態のカーカス6は、タイヤ半径方向内、外で重なる2枚のカーカスプライ6A及び6Bで構成されている。内側のカーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6A1と、該本体部6A1に連なり前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6A2とを有するいわゆる折り返しプライからなる。折返し部6A2の折り返し高さhpは特に限定されないが、小さすぎるとビード部4の曲げ剛性が低下しやすく、また大きすぎてもサイドウォール部3による振動吸収作用を損ねやすい。特に限定はされないが、折返し部6A2の高さhpは、タイヤ断面高さHの50〜80%、より好ましくは60〜70%が望ましい。
また、外側のカーカスプライ6Bは、トレッド部2からサイドウォール部3を経て前記内側のカーカスプライ6Aの折返し部6A2のタイヤ軸方向外側を通ってビードコア5に至る本体部6B1のみで構成されたいわゆる巻下げプライからなる。
前記各カーカスプライ6A、6Bには、複数本のカーカスコードの配列体がトッピングゴムにてゴム引きされたコードプライが用いられる。各カーカスプライ6A、6Bは、仕上がりタイヤにおいて、カーカスコードがタイヤ赤道Cに対して例えば75〜90゜の角度で傾いている。前記カーカスコードには、例えばポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミド等の有機繊維コードが好ましく採用されるが、必要によりスチールコードを採用できる。なお本実施形態のカーカス6は、2枚のカーカスプライからなるいわゆる1−1構造であるが、折り返しプライを少なくとも1枚含むものであれば、他の構造に変更しうるのは言うまでもない。
前記ベルト層7は、本例ではベルトコードをタイヤ赤道に対して例えば15〜45°程度の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例では3枚のベルトプライ7A、7B及び7Cを前記ベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。ベルト層7は、トレッド部2においてカーカス6をタガ締めすることにより、その剛性を高め、操縦安定性や耐摩耗性を向上しうる。
また図2に拡大して示されるように、ビード部4には、内側のカーカスプライ6Aの本体部6A1と折返し部6A2との間に、ビードエーペックス8が配される。該ビードエーペックス8は、ビードコア5のタイヤ半径方向の外面5tからタイヤ半径方向外側に先細状でのびる断面略三角形状のエーペックス基部9と、該エーペックス基部9と前記本体部6A1との間に配されかつ前記エーペックス基部よりも硬さが小さいゴムからなるシート状のエーペックス副部10とから構成されている。なお本体部6A1のタイヤ軸方向内側には空気非透過性に優れたゴムからなるインナーライナー12が設けられている。またビード部のリムJと接する部分には硬質かつ耐摩耗性に優れたゴムからなるクリンチエーペックス13が設けられる。なお符号14はサイドウォールゴムである。
本実施形態のエーペックス基部9は、内端が前記ビードコア5の外面5tに位置しており、該内端は前記ビードコア5の外面5tと実質的に等しい幅Waで構成される。特に限定はされないが、エーペックス基部9のタイヤ半径方向の外端9tは、ビードベースラインBLからタイヤ断面高さHの10%以上、より好ましくは25%以上の高さhaを有するものが望ましい。前記高さhaが、タイヤ断面高さHの10%未満であると、ビード部4の曲げ剛性が不足する傾向がある。他方、前記高さhaが大きすぎると、サイドウォール部3の振動吸収能力を低下させ、乗り心地を損ねる傾向がある。このような観点より、エーペックス基部9の前記高さhaは、好ましくはタイヤ断面高さHの50%以下、より好ましくは35%以下が望ましい。特に好ましくは、エーペックス基部9の前記内端での幅Waと前記高さhaとの比(ha/Wa)が、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは3.0〜4.5が望ましい。
また、エーペックス基部9は、ビードエーペックス8の中において比較的大きな体積を占めるため、ビード部4の基本的な曲げ剛性を決定する。即ち、エーペックス基部9を構成するゴムのJISデュロメータA硬さが小さすぎると、負荷走行時のビード部4の歪が増大し、過度の発熱による耐久性の低下が生じやすくなり、逆に大きすぎても衝撃緩和能力が著しく低下し乗り心地を悪化させる傾向がある。このような観点より、エーペックス基部9は、好ましくはJISデュロメータA硬さHd1が70〜100度、より好ましくは85〜95度のゴムから構成されるのが望ましい。
前記エーペックス副部10は、エーペックス基部9よりも硬さが小さいゴムからなり、しかも厚さが小さいシート状であるため、カーカスプライの本体部6A1のコードと、エーペックス基部9との間の剛性段差を緩和でき、両者の間のせん断歪等を緩和吸収しうる。この結果、カーカスコードが周囲のゴムから剥離するコードルース等の損傷を防止しうる。
また本発明の空気入りタイヤ1では、前記エーペックス副部10が、エーペックス基部9側に配された外の副部10oと、該外の副部10oに添設されかつ該外の副部10oよりも硬さが小さいゴムからなる内の副部10iとの2層で構成されている。
前記外の副部10oは、厚さが小さいシート状で構成され、そのタイヤ半径方向の外端10otは、エーペックス基部9の外端9tよりもタイヤ半径方向外側に位置している。つまり、外の副部10oのビードベースラインBLからの高さh3は、エーペックス基部9の外端の高さhaよりも大きい。硬いゴムからなるエーペックス基部9の外端9tに相対的に柔らかい外の副部10oを添設させることによって、前記外端9tで生じがちな応力集中を緩和でき、前記外端9tを起点としたゴム剥離を長期に亘って抑制するのに役立つ。
ここで、外の副部10oの外端10otが、エーペックス基部9の外端9tに近接していると、エーペックス基部9の外端9tにおける応力集中を防止する効果が十分に得られない傾向がある。このような観点より、前記各外端高さh3、haの差(h3−ha)は、好ましくは5mm以上、より好ましくは15mm以上であるのが望ましい。なお前記差(h3−ha)の上限は特に規制されないが、大きすぎるとタイヤ重量を増すのみならずビード部の耐久性向上効果も頭打ちとなる。このような観点より、前記差(h3−ha)は、60mm以下であるのが望ましい。
また、外の副部10oのタイヤ半径方向の内端10obは、少なくともビードコア5の外面5tまでのびることが望ましい。これにより、エーペックス基部9の全長さに亘って、カーカスプライの本体部6A1との間のせん断歪等を効果的に緩和しうる。この実施形態では、外の副部10oの内端10obは、ビードコア5のタイヤ軸方向の内側面に沿ってタイヤ半径方向内方にのび、該ビードコア5の断面高さのほぼ中間に位置で終端するものが例示される。この位置は、負荷走行時において発生する歪が小さいでため、外の副部10oの内端10obを起点とした損傷の発生を防止するのに役立つ。
外の副部10oには、前記エーペックス基部9よりも硬さが小さいゴムが用いられ、そのJISデュロメータA硬さHd2は、好ましくは40〜80度、より好ましくは50〜70度が望ましい。外の副部10oを構成するゴムのJISデュロメータA硬さHd2が、40度未満であると、エーペックス基部9との剛性が過度に大きくなるばかりかビード部4の曲げ剛性を低下させて操縦安定性を悪化させるおそれがあり、逆に80度を超えると、エーペックス基部9と本体部6A1との間のせん断歪等を緩和吸収する効果が低下しやすい。このような観点より、特に好ましくは、エーペックス基部9のJISデュロメータA硬さHd1と、外の副部10oのJISデュロメータA硬さHd2との硬さの差(Hd1−Hd2)は、10〜20度であるのが望ましい。
また外の副部10oの最大厚さtoは、特に限定はされないが、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上が望ましい。外の副部10oの最大厚さtoが0.5mm未満であると、エーペックス基部9と本体部6A1との間のせん断歪等の緩和吸収能力が低下しやすい。他方、外の副部10oの最大厚さtoが大きすぎると、ビードエーペックス8のゴムボリュームの大型化を招き、乗り心地の著しい悪化を招くおそれがある。このような観点より、外の副部10oの最大厚さtoは、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下であるのが望ましい。本実施形態の外の副部10oは、その外端10ot及び内端10ob付近を、各々の端部に向かって先細状とすることによって、各端部での応力集中を防止しているが、他の部分は、実質的に一定の厚さで形成されたものが例示される。
前記内の副部10iは、外の副部10oに添設されかつ該外の副部10oよりも硬さが小さいゴムから構成されている。図3に示されるようなビード部の曲げ変形時には、カーカスプライ6Aの本体部6A1に近づくほど大きな引張歪及びせん断歪が作用する。本実施形態のビードエーペックス8では、カーカスプライ6Aの本体部6A1に近いゴムほど硬さが小さく構成されているため、カーカスプライの本体部6A1近傍での大きな歪を効果的に緩和吸収できる。これにより、前述のカーカスプライのコードルースといった損傷を長期に亘って抑制できる。
ここで、内の副部10iには、好ましくはJISデュロメータA硬さHd3が40度以上かつ80度未満、より好ましくは50〜70度のゴムが用いられるのが望ましい。前記硬さHd3が40度未満であると、ビード部4の曲げ剛性を著しく低下させ、操縦安定性を悪化させるおそれがあり、逆に80度以上になると、外の副部10oと本体部6A1との間のせん断歪等を緩和吸収する効果が低下しやすい。このような観点より、特に好ましくは、外の副部10oのJISデュロメータA硬さHd2と、内の副部10iのJISデュロメータA硬さHd3との硬さの差(Hd2−Hd3)が、0度よりも大かつ30度以下、より好ましくは10〜20度であるのが望ましい。
特に好ましくは、内の副部10iには、カーカスプライ6Aのトッピングゴムと同一の配合のゴムを用いるのが望ましい。このような内の副部10iは、カーカスプライのトッピングゴムとの接着性が非常に高くなり、加硫後は、両者の界面の影響を実質的に無くすことができる。従って、カーカスプライのコードルースなどをより確実に抑制できる。

また内の副部10iの最大厚さtiは、特に限定はされないが、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上が望ましい。内の副部10iの最大厚さtiが0.5mm未満であると、外の副部10oと本体部6A1との間のせん断歪等の緩和吸収能力が低下しやすい。他方、内の副部10iの最大厚さtiが大きすぎても、ビードエーペックス8のゴムボリュームの大型化を招き、また操縦安定性を低下させるおそれがある。このような観点より、内の副部10iの最大厚さtiは、好ましくは2.5mm以下、より好ましくは2.0mm以下が望ましい。本実施形態の内の副部10iも、外の副部10oと同様、その外端10it及び内端10ib付近を、各々の端部に向かって先細状とすることによって、各端部での応力集中を防止しており、これらの間の部分は、実質的に一定の厚さで形成されたものが例示される。

また内の副部10iのタイヤ半径方向の外端10itは外の副部10oの外端10otよりもタイヤ半径方向外側に位置し、内の副部10iのタイヤ半径方向の内端10ibは、外の副部10oの内端10obよりもタイヤ半径方向内側に位置している。従って、外の副部10oは、カーカスプライの本体部6A1と直接接触することがなく、両者の間のせん断歪等は、その全域に亘って最も柔らかい内の副部10iによって効果的緩和吸収させることができる。
特に好ましくは、内の副部10iの外端10itの高さh1は、外の副部10oの外端10otの高さh3よりも5〜20mm、より好ましくは10〜15mm大きいことが望ましい。前記高さの差(h1−h3)が5mm未満の場合、外の副部10oとカーカスプライの本体部6A1との間の歪を緩和する能力が低下しやすい。また各副部の外端10ot、10itが近接するため、剛性段差が形成されやすく、その位置を起点としたルースや製造工程上の不良などが生じやすくなるなど好ましくない。逆に前記高さの差(h1−h3)が20mmを超える場合、ビード耐久性には殆ど寄与しないにも拘わらず、タイヤ重量を無駄に増加させるため好ましくない。
また内の副部10iの内端10ibは、タイヤ半径方向内側にのび、ビードコア5の内側面からビードコア5の内面5i側に巻き込まれ、該内面5iに接した位置で終端している。この内端10ibが設けられた位置も、負荷走行時の歪が非常に小さいため、内の副部10iの内端10ibを起点とした損傷なども効果的に防止しうる。なお関と同様の理由により、内の副部10iの内端10ibの高さh2は、外の副部10oの内端10obの高さh4よりも5〜20mm、より好ましくは10〜15mm小さいことが望ましい。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤや、自動二輪車用のタイヤにも適用しうるのは言うまでもない。
図1の基本的形状を有した195/85R16 114/112Lの小型トラック用を表1の仕様に基づいて試作し、ビード部の耐久性能及び実車性能について評価を行った。テスト方法は次の通りである。
<ビード部の耐久性能>
各試供タイヤをリム(16×5.5K)に装着し、内圧600kPa、縦荷重を正規荷重の1.3倍、速度50km/hとしてビード部に大きな負荷をかけながら直径1.7mのドラムを8000km走行させ、タイヤ(ビード部)が損傷するまでの走行距離を測定した。評価は、比較例1の走行距離を100とする指数で表示した。数値が大きいほど、ビード部の耐久性能が高く良好である。
<実車性能>
2屯積の国産小型トラックの6輪に各供試タイヤ(リム:16×5.5K、内圧600kPa)を装着し、ドライアスファルト路面のタイヤテストコースをドライバー1名乗車で走行し、操縦安定性(ハンドル応答性、剛性感及びグリップ等)、乗り心地、ワンダリング性能についてドライバーの官能により総合評価を行った。結果は、比較例1を100とする指数で表示している。数値が大きいほど良好である。
テストの結果等を表1に示す。
Figure 2006096178
テストの結果、実施例のタイヤは、操縦安定性や乗り心地を損ねることなくビード部の耐久性を向上していることが確認できた。
本発明の実施形態を示す空気入りタイヤの右半分断面図である。 そのビード部の拡大図である。 従来の空気入りタイヤのビード部を示す断面略図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A、6B カーカスプライ
6A1、6B1 本体部
6A2 折返し部
7 ベルト層
8 ビードエーペックス
9 エーペックス基部
10 エーペックス副部
10i 内の副部
10it 内の副部の外端
10ib 内の副部の内端
10o 外の副部
10ot 外の副部の外端
10ob 外の副部の内端

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部と、該本体部に連なり前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有する少なくとも一枚のカーカスプライを含むカーカスを具えた空気入りタイヤであって、
    前記本体部と折返し部との間に、前記ビードコアのタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびる断面略三角形状のエーペックス基部と、
    該エーペックス基部と前記本体部との間に配されかつ前記エーペックス基部よりも硬さが小さいゴムからなるシート状のエーペックス副部とからなるビードエーペックスが配され、
    前記エーペックス副部は、前記エーペックス基部側に配された外の副部と、該外の副部に添設されかつ該外の副部よりも硬さが小さいゴムからなる内の副部とからなるとともに、
    前記外の副部のタイヤ半径方向の外端は、前記エーペックス基部の外端よりもタイヤ半径方向外側に位置し、
    かつ前記内の副部のタイヤ半径方向の外端は、前記外の副部の外端よりもタイヤ半径方向外側に位置し、 しかも前記内の副部のタイヤ半径方向の内端は、前記外の副部の内端よりもタイヤ半径方向内側に位置することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記内の副部の外端の高さは、前記外の副部の外端の高さよりも5〜20mm大きいことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記内の副部の内端の高さは、前記外の副部の内端の高さよりも5〜20mm小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記内の副部の最大ゴム厚さは0.5〜2.5mmであり、かつ前記外の副部の最大ゴム厚さは0.5〜3.0mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記エーペックス基部のJISデュロメータA硬さHd1は70〜100度、かつ前記外の副部のJISデュロメータA硬さHd2は40〜80度、しかも内の副部のJISデュロメータA硬さHd3は40度以上かつ80度未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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