JP2006091782A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジン1と、この作像エンジン1の上方に配設され且つ作像エンジン1の転写部位にて記録材に転写されたトナー像を熱定着する定着装置5と、前記作像エンジン1及び定着装置5の上方に配設されて記録材が供給可能に収容される上部供給トレイ2と、前記作像エンジン1の下方に配設されて記録材が供給可能に収容される下部供給トレイ3(本例では3a,3b)と、片面記録モード時に上部供給トレイ2を優先的に選択し、記録材の未作像面に対する片面作像処理を許容する記録制御手段10とを備える。
【選択図】 図1
Description
このようなカラー画像形成装置では、近年、高速化、小型化、省エネルギ化の要請が強く叫ばれている
特に、高速化の要請下にあっては、各色成分トナー像形成用の各色の画像形成ユニットを中間転写ベルト上に並列配置したタンデム構成が効果的であるが、各画像形成ユニットを並列に配置し、その延長上に定着装置を配置した態様では、装置が大型化し易いという技術的課題がある。
本態様によれば、作像エンジン(各画像形成ユニット202及び中間転写ベルト201)自体の幅方向寸法を抑え、しかも、作像エンジンの下方に定着装置204を配設し、各画像形成ユニットと定着装置204とを並列配置しない態様にしたため、画像形成装置自体の幅方向寸法を短く設定することが可能になり、その分、画像形成装置の小型化を実現することができる。
しかしながら、上記従来の画像形成装置では、片面印刷済みの記録材(以下必要に応じて裏紙と称する)を再利用する場合には、供給トレイに収容される裏紙の表裏を間違えると、裏紙の既作像面(既印字面)に記録情報を再度重ねて記録してしまったり、両面印刷指示にも関わらず裏紙に印刷してしまうなど、ユーザーの意図に反した作像処理が行われ、トナーを無駄に消費してしまうという技術的課題がある。
このような技術的課題を解決する手段としては、記録材(例えば用紙)の搬送経路中に記録材上の画像の有無を検知する画像有無センサを設け、記録材の裏面に画像があるか否かを判別し、両面不良コピーの発生を防止することを企図したものが既に提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、この種の先行技術にあっては、作像すべき面に画像が存在する記録材については作像処理を一旦解除し、再度記録材選択などの処理が必要不可欠になり、その分、後処理作業が非常に面倒であるという不具合が見られる。
特に、裏紙を再利用する場合には裏紙である記録材の補給操作回数が頻繁になる分、ユーザーへの負担が大きい。
ここで、カラー画像を形成する作像エンジン1としては適宜選定して差し支えないが、代表的には、トナー像を形成担持する像形成担持体7と、この像形成担持体7上のトナー像を記録材へ転写する前の中間段階で一時的に転写保持する中間転写体8とを備えたものが挙げられる。
この場合、像形成担持体7の数については一若しくは複数で差し支えないが、高速化を企図する場合には、複数の像形成担持体7(例えば7a〜7d)を並列配置し、各像形成担持体7にて各色成分トナー像を形成した後に中間転写体8に順次転写するタンデム構成が好ましい。また、中間転写体8としては、ベルト状、ドラム状のいずれであっても差し支えないが、レイアウトの自由度や小型化する観点からベルト状部材が好ましい。
また、定着装置5としては、作像エンジン1の上方にあればよいが、このような構成を採用することで、小型化を図りながら、作像エンジン1への定着装置5の熱の影響を抑えることができる。
特に、定着装置5は、少なくとも画像形成装置筐体6の側壁に比べて中央寄りに位置する熱定着部5aを有していることが好ましく、このようにレイアウトすることで、定着装置5からの熱エネルギを装置内部で有効に利用することができる。
更にまた、ベルト部材からなる中間転写体8の好ましい態様としては、上部供給トレイ2からの記録材送出側に二次転写部を具備し、この二次転写部と定着装置5の熱定着部5aとを略水平に配置すべく、定着装置5から離間して張架されている態様が挙げられる。
このとき、中間転写体8の二次転写部と定着装置5の熱定着部5aとを略水平に配置することができ、中間転写体8と定着装置5との干渉を防止し、かつ、二次転写部と熱定着部5aとの間の搬送経路4を直線経路にできる分FCOT(First Copy Output Time)を短縮することができる。
特に、この種の態様においては、ベルト部材からなる中間転写体8は、上部供給トレイ2からの記録材送出側が高くなるように画像形成装置筐体6に対して傾斜配置されるものであることが好ましい。このように、所定方向に傾斜配置するようにすれば、中間転写体8の引き回しを複雑にすることなく、二次転写部と熱定着部5aとを略水平に配置でき、しかも、タンデム型画像形成装置にあっては、装置の小型化を図ることができる。
更に、下部供給トレイ3は作像エンジン1の下方にあればよく、その数量、サイズなどは問わない。
ここで、作像エンジン1を挟んで上方に上部供給トレイ2、下方に下部供給トレイ3を分けて配設するようにしたのは、画像形成装置の重心位置を低く設定することを企図したものであり、これに伴って、装置の設置安定性及び画像形成装置稼働時の振動を抑えるようにしたものである。
また、上部供給トレイ2は定着装置5の上方に配置されているため、定着装置5からの熱により、上部供給トレイ2内の記録材を予備加熱することができ、定着装置5の消費エネルギを低減することが可能である。
更に、上部供給トレイ2又は下部供給トレイ3については標準装備した態様でもよいが、オプションにて追加する態様も可能である。
更に、定着装置5の下流側において記録材は熱を有しているため、熱の影響を受けないように、記録材の搬送経路4は、作像エンジン1の上部であることが好ましい。このことからすれば、上部供給トレイ2及び下部供給トレイ3からの記録材の搬送経路4が上部供給トレイ2と作像エンジン1との間を横切るように配置されていることが好ましい。
更にまた、記録材の搬送経路4のうち、両面記録を可能にする好ましい態様としては、定着装置5の下流側搬送経路が、作像エンジン1の転写部位の上流側へ記録材が反転した状態で戻される反転搬送経路4aを有し、この反転搬送経路4aの少なくとも一部が上部供給トレイ2と作像エンジン1との間に配置される態様が挙げられる。ここで、反転搬送経路4aは、上部供給トレイ2の直下にあるので、両面記録時も同様に定着後の記録材の熱によって上部供給トレイ2内の記録材の予備加熱を可能にし、その分、定着装置5のエネルギを低減することができる。
更に、排出トレイの好ましい他の配設態様としては、定着装置5の下流側に記録材の排出トレイを有し、この排出トレイが上部供給トレイ2の上方若しくは複数の上部供給トレイ2の間に配置されているものが挙げられる。本態様によれば、排出トレイが画像形成装置筐体6の外部に突出せず、前記装置筐体6の上方にて記録材の取り出し作業を行うことができる点で好ましい。
よって、上部供給トレイ2には片面記録可能な記録材を収容しておけばよく、少なくとも片面記録済み記録材(所謂裏紙)も再利用することが可能であり、この場合には、上部供給トレイ2の少なくとも一つは片面記録済みの記録材が収容可能な使用済記録材専用トレイであればよい。
また、片面記録モード時には上部供給トレイ2を優先的に選択するものであるが、両面記録モード時にどのようにトレイ選択制御を行うかは任意である。しかしながら、例えば上部供給トレイ2には片面記録済みの記録材が収容される場合もあるため、両面記録モード選択時に下部供給トレイ3を優先的に選択し、両面記録を実行するものである
更に、記録制御手段10による制御処理は、片面記録モード時に記録材の未作像面に対する片面作像処理を許容するものであり、記録材の作像済み面への記録を行わずに、記録材の未作像面への片面記録を行う各種制御態様を含むものである。
更に、記録制御手段10の別の代表的態様としては、記録材の搬送経路4中に設けられ且つ記録材の作像すべき面の裏面側の画像の有無を検知する裏面側画像検知手段12を備えているものが挙げられる。本態様によれば、記録材の作像すべき面の裏面側の画像の有無を検知することで、記録材の裏面側への作像処理が可能か否かを判別することができる。
好ましくは、上部供給トレイ2から供給可能な記録材の作像すべき面の画像の有無を検知する作像面画像検知手段11と、記録材の搬送経路4中に設けられ且つ記録材の作像すべき面の裏面側の画像の有無を検知する裏面側画像検知手段12とを備えている方がよい。
これらの作像面画像検知手段11又は裏面側画像検知手段12としては、記録材上の画像の有無を検知可能なものであれば光学式センサなど適宜選定して差し支えない。
また、裏面側画像検知手段12の代表的態様としては、記録材の搬送経路4のうち定着装置5の下流側に配設されているものが挙げられる。本態様によれば、定着装置5の下流側搬送経路4に配設することで、片面記録済みの記録材の裏面側の状態をチェックでき、両面記録可能か否かを確実に判別することができる。
更に、作像面画像検知手段11及び裏面側画像検知手段12を用いた好ましい制御態様としては、作像面画像検知手段11にて記録材の作像すべき面に画像有を検知し且つ裏面側画像検知手段12にて記録材の作像すべき面の裏面側に画像無を検知した条件では、記録材を一旦反転搬送した後に片面作像処理を可能とする特殊作像モードを実行するものが挙げられる。この場合、記録材の作像すべき面に画像有の場合で、記録材の裏面側に画像がない条件下でのみ、記録材を反転搬送した後に片面作像処理を行うことで、重ね記録をより確実に回避することができる。
裏面側画像検知手段12を用いた他の制御態様としては、裏面側画像検知手段12にて記録材の作像すべき面の裏面側の画像の有無を判別し、裏面側画像有の条件では記録材の裏面側への片面作像処理を禁止とする一方、裏面側画像無の条件では記録材の裏面側への片面作像処理を許容するようにしてもよい。本態様では、記録材の裏面側の画像の有無により記録材の裏面側への片面作像処理を禁止あるいは許容し、記録材の裏面側への作像状態を良好に保つことができる。
a.作像エンジンが定着装置の下方に配設されているため、定着装置からの熱が作像エンジンに影響し難く、作像エンジンによるトナー像の形成を安定的に行うことができる。特に、中間転写型の画像形成装置にあっては、中間転写体を遮熱機能部材として利用でき、効果的である。
b.作像エンジンの上方に定着装置を配設し、しかも、上下には上部供給トレイ、下部供給トレイにて囲まれる構成を採用するようにしたので、上部供給トレイ内の記録材を予備加熱するなど、装置筐体内で定着装置の熱エネルギを有効に利用することができる。
c.上部供給トレイが画像形成装置の上部領域に配置可能であるため、少なくとも上部供給トレイに対する記録材補給の際などに、しゃがみこむ若しくは腰を曲げる必要がなく、ユーザーに無理な姿勢を要求せずに記録材の補給作業を行うことが可能になるという「人にやさしい」画像形成装置を提供することができる。
d.作像エンジンの上下に供給トレイを分けて配設するようにしたので、複数の上部供給トレイのみを備えた態様に比べて、画像形成装置の重心位置を低く設定することが可能である。このため、画像形成装置の設置安定性を良好に保つことができるばかりか、画像形成装置稼働時の振動を有効に防止することができ、その分、振動に起因する画像形成動作への影響を抑え、しかも、振動に伴う騒音を有効に回避することができる。
e.片面記録モード時に上部供給トレイを優先的に使用するようにしたので、上部供給トレイ内に片面記録済みの記録材を収容しておれば、ユーザの意図する出力形態に応じて、片面記録済みの記録材を有効に利用することができる。このため、ユーザの出力設定の負荷やミスプリントによる記録材の無駄な消費やトナーの無駄な消費を有効に抑制することができる。
f.上部供給トレイの少なくとも一つを使用済み記録材専用トレイとして設定でき、この専用トレイに対して使用頻度の高い片面記録済みの記録材(使用済み記録材)の補給作業を行うことができるので、補給作業に伴うユーザの負担を低減することができると共に、専用トレイに使用済み記録材を補給するに際し、記録材の表裏を間違えてセットする事態を有効に回避することができる。
g.上部供給トレイにセットされた記録材内に表裏が逆にセットされている使用済み記録材や両面記録済みの記録材が混在されているとしても、記録制御手段にて例えば記録材の表裏画像の有無を検知する方式を採用し、記録材の未作像面に対する片面作像処理を許容するようにしたので、ユーザの意図した通りに記録材の作像処理及び排出処理を制御することが可能になり、記録材の省資源化という要請を満たしながら、使用済み記録材への作像処理を確実に行うことができ、その分、画像形成装置の生産性を向上させることができる。
h.上部供給トレイに片面記録可能な記録材を、下部供給トレイに両面記録可能な記録材を収容するようにし、記録制御手段にて片面記録モード又は両面記録モードに対応した記録材を選択することが可能になるため、記録モードに応じて片面記録又は両面記録を確実且つ容易に実現することができる。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す概要図である。
同図において、画像形成装置は中間転写型のタンデムマシンであり、画像形成装置筐体(以下必要に応じて装置筐体という)20内に、例えばイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色成分トナー像を形成するための作像エンジン21と、この作像エンジン21の上方に配設されて記録材Sを供給する上部供給トレイ22と、前記作像エンジンの下方に配設されて記録材Sを供給する下部供給トレイ23(本例では23a,23b)と、作像エンジン21と上部供給トレイ22との間に配設される定着装置25とを備えている。
また、本例の画像形成装置は、装置筐体20の上部に例えばスキャナからなる画像読取ユニット27を備えており、この画像読取ユニット27上に自動原稿送り装置28を配設したものである。
そして、作像エンジン21は、各色成分トナー像形成用の電子写真方式の四つの画像形成ユニット30(具体的には30a〜30d)を並列に配設し、この各画像形成ユニット30に面した箇所に中間転写ベルト50を配設したものである。
特に、本例では、中間転写ベルト50は図中左方向が上になるように傾斜配置されており、各画像形成ユニット30は中間転写ベルト50の下部傾斜面に沿って互いに段差をもって配設されている。
そして、感光体ドラム31には駆動モータ45からの駆動力がギアなどの駆動伝達系46を介して伝達されるようになっており、一方、現像ロール342、撹拌搬送オーガ343,344、パドル345には同じく駆動モータ45からの駆動力がギアなどの駆動伝達系47を介して伝達されるようになっている。
このトナー補給装置40は、装置筐体20のうち中間転写ベルト50の上方領域に夫々カートリッジ受部を設け、各カートリッジ受部には各色成分(YMCK)トナーが収容されるトナーカートリッジ41を着脱自在に取付ける共に、カートリッジ受部に面した箇所にはトナーカートリッジ41内のトナーが一時的に収容されるリザーブタンク42を設け、このリザーブタンク42と各現像装置34のハウジング341との間をトナー補給ダクト43にて連通接続するようにしたものである。
特に、本実施の形態では、トナー補給装置40(40a〜40d)のうち、ブラック(K)用トナーカートリッジ41が他の色(YMC)用トナーカートリッジ41よりも大きく設定されており、YMCK用トナーカートリッジ41が中間転写ベルト50の上部傾斜面に沿って且つ定着装置25から離間した部位に並列配置されている。尚、トナーカートリッジ41の配設スペースについて、例えばK用トナーカートリッジ41が定着装置25に接近し過ぎる場合には、中間転写ベルト50の上部傾斜面に沿ってYMC用トナーカートリッジ41を並列配置すると共に、YMC用トナーカートリッジの上方で且つ定着装置25から離間した部位にK用トナーカートリッジ41を配置するようにしてもよい。
そして、各画像形成ユニット30の感光体ドラム31に対向する中間転写ベルト50の背面側には一次転写装置(本例では一次転写ロール)36が夫々配設されており、また、中間転写ベルト30の上端部である張架ロール51と対向する部位に二次転写装置(本例では二次転写ロール)60が配設されており、張架ロール51をバックアップロールとして、図示外の二次転写バイアスが印加されるようになっている。
特に、本実施の形態では、上部供給トレイ22に使用頻度の高い記録材S(本例では例えば片面記録済み用紙からなる裏紙)が収容され、上部供給トレイ22が裏紙専用トレイとして選定されており、一方、下部供給トレイ23(23a,23b)には使用頻度の低い記録材S(本例では両面記録可能な用紙)が収容されている。
そして、上部供給トレイ22及び下部供給トレイ23(23a,23b)は、記録材Sとしての用紙を送り出すフィーダ(71〜73)を備えており、このフィーダは、その送出方向側に一枚ずつ捌くピックアップロール71を有し、このピックアップロール71の記録材送出方向下流側には搬送力付与のためのフィードロール72及び記録材Sを一枚ずつ捌くリタードロール73を接触転動可能に対向配置したものである。
ここで、通常搬送経路24aは、上部供給トレイ22の記録材送出方向側端部からUターン状に湾曲した後、上部供給トレイ22と作像エンジン21との間を略水平方向に横切る水平搬送経路部241を有し、K用トナーカートリッジ41aを回避するように斜め上方に向かった後に上部供給トレイ22の記録材非送出方向側端部の背面を上方に向かって排出トレイ26へ至るものである。この通常搬送経路24aには適宜数の搬送ロール85が設けられており、この通常搬送経路24aの水平搬送経路部241のうち二次転写装置60の上流側直前には位置決め用のレジストロール80が配設されると共に、二次転写装置60の下流側には搬送装置81を介して定着装置25が設けられ、更に、水平搬送経路部241の下流側には正逆回転可能な反転搬送ロール82が配設され、通常搬送経路24aの排出トレイ26の直前には排出ロール84が配設されている。
尚、本例では、搬送装置(エアー吸着方式の場合は必ずしもベルトが必要とは限らない。)81としては、静電吸着方式やエアー吸引方式が利用でき、二次転写装置60によって記録材S上に転写された未定着トナーの画質劣化を防止している。
更に、接続搬送経路24cは第1の下部供給トレイ23aの記録材送出方向側端部から略鉛直方向に延び、通常搬送経路24aのレジストロール80の上流側に合流するものであり、更に、接続搬送経路24dは第2の下部供給経路23bの記録材送出方向側端部から略鉛直方向に延びて前記接続搬送経路24cに合流するものである。尚、接続搬送経路24cには適宜数の搬送ロール85が設けられている。
更にまた、本実施の形態では、装置筐体20の側方には手差しトレイ29が設けられ、この手差しトレイ29からの手差し搬送経路24eが通常搬送経路24aのレジストロール80の上流側に接続されている。尚、符号89は手差しトレイ29内の記録材を送出するためのフィーダである。
また、本例では、通常搬送経路24aの反転搬送ロール82の下流側は排出トレイ26へと延びているが、例えばこの通常搬送経路24aの一部に図示外の分岐搬送経路を図示外の切替ゲートにて切替可能に分岐配置し、上部供給トレイ22の背面側に位置する装置筐体20の側壁開口まで延ばし、この分岐搬送経路の下流端に図示外の側方排出トレイ又は図示外の後処理装置(ステープラ,パンチャ,折機構等の後処理ユニットを具備)等が設けるようにしても差し支えない。
ここで、加圧ベルト101としては例えばポリイミド製のエンドレスベルトが用いられ、この加圧ベルト101の背面側には弾性パッド102が支持ホルダ103を介して配置され、加圧ベルト101を加熱ロール111側に押圧付勢するようになっている。また、支持ホルダ103にはベルト走行ガイド104が設けられ、加圧ベルト101がスムースに摺動回転するようになっている。
一方、加熱ロール111は例えば芯金112の表面にウレタンゴム等の弾性層113を形成し、更に、この弾性層113の表面に図示外の離型層を形成した弾性ロールにて構成されている。そして、加圧ベルト101は加熱ロール111に接触転動可能に圧接配置されており、両者間には略水平方向に延びるニップ域が形成され、このニップ域にて加熱、加圧による熱定着部を構成するようになっている。尚、加圧ベルト101、加熱ロール111の構成については特にこれに限定されないことは勿論であり、加圧ベルト101を加圧ロールとして構成したり、逆に、加熱ロール111を加熱ベルトとして構成する等適宜選定して差し支えない。
また、遮熱カバー105,115は、加圧ベルト101又は加熱ロール111側に金属製の熱輻射板105a,115aを備え、その外側を真空断熱材105b,115bで覆い、更にその外装をプラスチックの外装カバー105c,115cで覆った構成を採っている。
更に、ヒータ114の温度制御については、加熱ロール111の表面温度を図示外の温度センサにて検知し、この検知情報を図示外の制御装置に取り込み、制御装置にてヒータ114をオンオフ制御するという方式が採用されている。
また、本実施の形態では、加圧ベルト101及び加熱ロール111と夫々の遮熱カバー105,115とは、例えば3〜20mmの距離を隔てて配置され、遮熱カバー105,115が加圧ベルト101及び加熱ロール115を互いに上下方向から挟み込むような形となっている。そのため、加熱ロール115による熱が定着装置25外へ余分に漏れないようになっている。
そして、本態様においては、定着装置25は、画像形成装置の正面側から見て、作像エンジン21の直上領域内に配置されると共に、上部供給トレイ22の直下領域内に配置されている。
特に、本実施の形態では、定着装置25は、筐体中央Mc位置よりも作像エンジン21の二次転写部位寄りに配置されている。
同図において、この記録材搬送制御系は、上部供給トレイ22の記録材送出側に表面画像センサ151を配設すると共に、通常搬送経路24aの水平搬送経路部241のうち定着装置25の下流側に裏面画像センサ152を配設したものである。
ここで、表面画像センサ151は上部供給トレイ22に収容された記録材Sの表面(作像すべき面)に画像が存在するか否かを検知するものであり、一方、裏面画像センサ152は定着装置25通過後の記録材Sの裏面(直前の作像面と異なる面)に画像が存在するか否かを検知するものである。そして、これらの各画像センサ151,152は記録材Sの被検知面での画像の有無を検知可能なものであればよく、例えば記録材Sの被検知面からの反射光レベルが検知可能な光学センサにて構成される。
今、図5に示すように、各色成分(イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))画像の画像データが各画像形成ユニット30(30a〜30d)の露光装置33に送出されると、各画像形成ユニット30の感光体ドラム31上には色成分毎の静電潜像が形成されると共に、対応する色トナーが収容された現像装置34にて静電潜像が顕像化され、感光ドラム31上に未定着な各色成分トナー像が形成される。
そして、各色成分トナー像は、各感光体ドラム31と中間転写ベルト50とが接する一次転写部位において、一次転写ロール36によって中間転写ベルト50上に順次一次転写され、色重ねされる。
このようにして中間転写ベルト50上に一次転写された各色成分トナー像は、中間転写ベルト50の移動に伴って、二次転写位置(二次転写ロール60と張架ロール51によって構成される)へと移動する。
各色成分トナー像が一括転写された記録材Sは搬送装置81によって吸着搬送されて定着装置25に搬送され、この定着装置25にて未定着トナー像が定着される。
しかる後、定着装置25を通過した記録材Sは、搬送ロール85及び反転搬送ロール82を経由して排出ロール84に搬送され、排出トレイ26にフェイスアップ(トナー像が上向き)の状態で排出される。
また、両面記録モードを選択した場合には、定着装置25を通過した片面記録済みの記録材Sは、その後端部が通常搬送経路24aの反転搬送ロール82にニップされた状態で一旦停止し、反転搬送ロール82を逆転させることにより、反転搬送経路24b側に反転搬送された後に再度作像エンジン21の二次転写部位に戻される。このとき、作像エンジン21では裏面側の各色成分トナー像が形成され、二次転写部位にて記録材Sの裏面に転写される。この後、記録材Sは、搬送ベルト81を経て定着装置25に導かれ、定着装置25にて裏面トナー像を定着された後に例えば排出トレイ26へと導かれる。
このとき、片面記録モード(本例では両面記録モードスイッチが選択されない限り、片面記録モードが常時選択された状態にある。)であると、制御装置150は上部供給トレイ(本例では、裏紙専用トレイ)22を優先的に選択し、上部供給トレイ22に対し記録材供給動作(給紙動作)を開始する。
このとき、表面画像センサ151が記録材S表面の画像の有無を検知し、表面画像がなければ、他のトレイである下部供給トレイ23(23a又は23b)を選択した後、所定の作像処理(画像形成)を行う。
この特殊作像モードは、裏面画像センサ152による画像の有無を検知し、記録材Sに裏面画像が無ければ、反転搬送ロール82(インバータに相当)で記録材Sを反転した後、反転搬送経路24bを経てレジロール80位置に戻し搬送した後、所定の作像処理(画像形成)を行う。
また、この特殊作像モードは、記録材Sに裏面画像が有れば、記録材S裏面に対する作像処理が困難であると判断し、排出トレイ26に記録材S(用紙)を排出する。
図8(a)は上部供給トレイ22に収容される片面記録済みの記録材Sの表面(作像すべき面)に画像がなく、記録材の裏面に画像G1が存在する場合である。
この場合、図6に示すように、片面記録モードが指定されると、上部供給トレイ(裏紙専用トレイ)22が選択された後に給紙動作が開始され、しかる後、表面画像センサ151は記録材Sに表面画像が無いことを検知するため、通常の片面作像処理(画像形成)が行われる。
このため、上部供給トレイ22から供給された片面記録済み記録材(裏紙)Sの表面には作像エンジン21により画像G0が形成され、定着装置25を経て排出トレイへと排出される。
この場合、図6及び図7に示すように、片面記録モードが指定されると、上部供給トレイ(裏紙専用トレイ)22が選択された後に給紙動作が開始され、しかる後、表面画像センサ151は記録材Sに表面画像が有ることを検知するため、特殊作像モードが選択される。そして、裏面画像センサ152は記録材Sに裏面画像が無いことを検知するため、記録材Sは反転搬送ロール82(インバータ)で反転した後反転搬送経路24bを経てレジロール80に戻り、しかる後、通常の片面作像処理(画像形成)が行われる。尚、記録材Sが反転搬送される前段階では、作像エンジン21による作像処理は行われない。
このため、上部供給トレイ22から供給され、反転搬送経路24aを経て反転された片面記録済み記録材(裏紙)Sの裏面(記録材Sを反転搬送することで裏面画像のない面裏面を作像すべき面とする)には作像エンジン21により画像G0が形成され、定着装置25を経て排出トレイへと排出される。
この場合、図6及び図7に示すように、片面記録モードが指定されると、上部供給トレイ(裏紙専用トレイ)22が選択された後に給紙動作が開始され、しかる後、表面画像センサ151は記録材Sに表面画像が有ることを検知するため、特殊作像モードが選択される。そして、裏面画像センサ152は更に記録材Sに裏面画像が有ることを検知するため、記録材Sは作像エンジン21による作像処理を受けることなく、排出トレイへ直ちに排出される。
すると、定着装置25からの熱気の一部は、図9のAに示すように、上方へと移動していくが、定着装置25の直上には上部供給トレイ22が配設されていることから、定着装置25からの熱気により、上部供給トレイ22及び上部供給トレイ22内の記録材Sが予備加熱される。このとき、記録材Sは予備加熱された状態で定着装置25に搬送されることから、定着装置25の加熱ロール106から記録材Sが奪う熱自体を低減することができ、その分、定着装置25による消費熱エネルギを低減することができる。また、定着装置25からの熱気は予備加熱源として利用されるため、排熱のための排熱・排気ファンを設置する必要性は少ない。このため、排熱・排気ファンを設ける態様に比べて、画像形成装置稼動時の遮音効果を良好に保つことができる。つまり、排熱・排気ファンを設ける態様にあっては、装置筐体20の側壁M1,M2に通気孔を設ける必要があるため、通気孔を通じて排熱・排気ファンの音が外部に漏れる懸念があるが、このような排熱・排気ファンを設置しない態様では装置筐体20に通気孔を設ける構造が必要でないため、画像形成装置可動時に排熱・排気ファンは勿論、画像形成装置内部からの騒音漏れを有効に回避することができる。
更に、定着装置25は筐体中央Mc寄りに配置されているため、図9のBに示すように、定着装置25と装置筐体20の側壁M1,M2(外気環境温度条件を具備)との間の距離が長くなる分、定着装置25からの熱気が装置筐体20の側壁M1,M2を通じて外部に漏れる排熱量は極めて少ない。また、定着装置25の上下は上部供給トレイ22、下部供給トレイ23で囲まれているため、定着装置25の熱気が装置筐体20の上下からも外部に漏れ難い。
このため、定着装置25の熱エネルギが不必要に消費される事態は有効を抑えられることになり、その分、定着装置25の熱エネルギ効率が向上する。
しかしながら、本実施の形態では、各画像形成ユニット30(30a〜30d)は中間転写ベルト50を介して定着装置25の反対側(本例では下方側)に配設されているため、定着装置25からの熱気が中間転写ベルト50で遮断され、定着装置25からの熱気が各画像形成ユニット30側に影響することはほとんど皆無である。それゆえ、例えば現像装置34内のトナーが熱の影響を受けて局部的に凝集する等にして劣化し、これに伴って、画像品質が低下したり、現像剤が短寿命化するという懸念はない。
特に、本実施の形態では、作像エンジン21は全体として斜め配置されているため、作像エンジン21の図5中左右方向の寸法を短寸に選定することができ、その分、装置筐体20の設置面積を小さくすることができる。
更に、作像エンジン21は図示外の回転支軸を中心に揺動自在になっているため、例えば二次転写部位を挟んだ箇所で記録材Sがジャムしたような場合には、作像エンジン21を前記回転支軸を中心に下方側に揺動退避させるようにすれば、ジャム処理作業を行うことができる。
更に、上部供給トレイ22から定着装置25に至るまでの搬送経路長が短くなるため、定着装置25と排出トレイ26や側方排出トレイとの間の距離を最小限に設計するようにすれば、FCOTを短くすることができる。
特に、本実施の形態では、上部供給トレイ22に使用頻度の高い記録材Sである裏紙を収容するようにしているので、上部供給トレイ22に対する記録材Sの補給作業回数は下部供給トレイ23に比べて多くなり、その分、全体として記録材Sの補給作業性を良好に保つことができる。
更に、本実施の形態では、作像エンジン21の上下に上部供給トレイ22、下部供給トレイ23が分かれて配設されているため、画像形成装置の重心位置は低く設定される。このため、画像形成装置稼動時に画像形成装置が不必要に振動することはなく、安定的に設置される。
すなわち、インスタントオン型の定着装置25を用いるようにすれば、画像形成動作時のみ発熱させることができるため、機内に不要な熱を発することなく、定着装置25稼働時の熱については上部供給トレイ22及びこの上部供給トレイ22内の記録材Sに吸収させることができる。このとき、定着装置25の周辺環境が熱気で異常に高温になることはないため、排熱のための排熱・排気ファンを設置する必要がない。この種の排熱・排気ファンを設置する場合には、装置筐体20に通気孔を開設する必要が生ずるため、この通気孔からの音漏れを引き起こす懸念があるが、この種のファンを設置しない態様であれば、画像形成装置の遮音効果をより一層高めることができる。
また、同型の定着装置25の別の態様としては、例えば図10(b)に示すように、加圧ロール131と定着ベルト132とを接触転動可能に配設し、加圧ロール131と定着ベルト132とのニップ域に対応した定着ベルト132内には弾性パッド133を配設する一方、図示外の駆動源にて前記加圧ロール131を駆動すると共に、定着ベルト132を従動させ、更に、定着ベルト132には基層、電磁誘導発熱層(電磁誘導作用による発熱作用を奏する材料、例えば銅、銀、アルミニウム又はこれに相当する耐熱性有機導電体など)、表面離型層を具備させ、定着ベルト132のニップ域の例えば反対側外側に加熱装置135を配設するようにしたものが挙げられる。ここで、加熱装置135としては、例えば定着ベルト132の湾曲形状に対応した形状を持つ台座136と、この台座136内の略中央に設置されるフェライト等の磁性コア137と、この磁性コア137に巻き回されて定着ベルト132の厚さ方向に向かって変動磁界を生成する励磁コイル138と、台座136の外側に向かう磁場を遮蔽する磁場遮蔽板139とを備えていればよい。
尚、図10(a)(b)中、符号Tは記録材S上の未定着トナーである。
本態様によれば、上部供給トレイ22を裏紙専用トレイとして使用する際にユーザは直ちに裏紙のセット方向を確認でき、即座に裏紙を正しいセット方向に再セットすることが可能である。
Claims (14)
- トナー像を形成し且つ転写部位にて記録材にトナー像を転写する作像エンジンと、
この作像エンジンの上方に配設され且つ作像エンジンの転写部位にて記録材に転写されたトナー像を熱定着する定着装置と、
前記作像エンジン及び定着装置の上方に配設されて記録材が供給可能に収容される上部供給トレイと、
前記作像エンジンの下方に配設されて記録材が供給可能に収容される下部供給トレイと、
片面記録モード時に上部供給トレイを優先的に選択し、記録材の未作像面に対する片面作像処理を許容する記録制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
記録制御手段は、同一サイズの記録材が上部供給トレイと下部供給トレイとに収容されている条件下では、記録材自動サイズ選択モード時に上部供給トレイを優先的に選択するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
上部供給トレイの少なくとも一つは片面記録済みの記録材が収容可能な使用済記録材専用トレイであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
記録制御手段は、両面記録モード選択時に下部供給トレイを優先的に選択し、両面記録を実行するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
記録制御手段は、上部供給トレイから供給可能な記録材の作像すべき面の画像の有無を検知する作像面画像検知手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
記録制御手段は、記録材の搬送経路中に設けられ且つ記録材の作像すべき面の裏面側の画像の有無を検知する裏面側画像検知手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
上部供給トレイから供給可能な記録材の作像すべき面の画像の有無を検知する作像面画像検知手段と、
記録材の搬送経路中に設けられ且つ記録材の作像すべき面の裏面側の画像の有無を検知する裏面側画像検知手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5又は7記載の画像形成装置において、
作像面画像検知手段は上部供給トレイの少なくとも一つに配設されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6又は7記載の画像形成装置において、
裏面側画像検知手段は記録材の搬送経路のうち定着装置の下流側に配設されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5又は7記載の画像形成装置において、
記録制御手段は、作像面画像検知手段にて記録材の作像すべき面に画像有を検知した条件では、記録材を一旦反転搬送した後に片面作像処理を可能とする特殊作像モードを実行するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7記載の画像形成装置において、
記録制御手段は、作像面画像検知手段にて記録材の作像すべき面に画像有を検知し且つ裏面側画像検知手段にて記録材の作像すべき面の裏面側に画像無を検知した条件では、記録材を一旦反転搬送した後に片面作像処理を可能とする特殊作像モードを実行するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5又は7記載の画像形成装置において、
記録制御手段は、作像面画像検知手段にて記録材の作像すべき面に画像有を検知した条件では、片面作像処理を禁止することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6又は7記載の画像形成装置において、
記録制御手段は、裏面側画像検知手段にて記録材の作像すべき面の裏面側の画像の有無を判別し、裏面側画像有の条件では記録材の裏面側への片面作像処理を禁止とする一方、裏面側画像無の条件では記録材の裏面側への片面作像処理を許容することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
定着装置は、少なくとも画像形成装置筐体の側壁に比べて中央寄りに位置する熱定着部を有していることを特徴とする画像形成装置。
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