JP2006090503A - シール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
簡素な構成ながらも、回転軸の触れ回りを抑制でき且つハウジング内の環境を損なう恐れの少ないシール装置を提供する。
【解決手段】
回転軸3は、玉軸受12a、12aと、これに対して隔置配置された玉軸受13とにより回転自在に支持されているので、摩擦などの抵抗が少ない状態で、且つ振れ回りなどが少ない状態で、本体11に対して回転可能となっている。また、周溝11c内が、コネクタ14を介して不図示の排気ポンプにより吸引され、且つ周溝11e内が、コネクタ17を介して不図示の排気ポンプにより吸引されるので、2段の差動排気シールのシール機能により、周溝11c、11eに隣接する回転軸3の外周面と中央開口11b、11dとの間隙(微少スキマ)を介して、外部から空気や異物がプロセス室P内に侵入することを防止できる。
【選択図】 図1
簡素な構成ながらも、回転軸の触れ回りを抑制でき且つハウジング内の環境を損なう恐れの少ないシール装置を提供する。
【解決手段】
回転軸3は、玉軸受12a、12aと、これに対して隔置配置された玉軸受13とにより回転自在に支持されているので、摩擦などの抵抗が少ない状態で、且つ振れ回りなどが少ない状態で、本体11に対して回転可能となっている。また、周溝11c内が、コネクタ14を介して不図示の排気ポンプにより吸引され、且つ周溝11e内が、コネクタ17を介して不図示の排気ポンプにより吸引されるので、2段の差動排気シールのシール機能により、周溝11c、11eに隣接する回転軸3の外周面と中央開口11b、11dとの間隙(微少スキマ)を介して、外部から空気や異物がプロセス室P内に侵入することを防止できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、シール装置に関し、たとえば外部環境から隔離されたハウジング内に対して回転力を伝達する回転軸をシールするシール装置に関する。
半導体製造装置などにおいては、真空や特殊ガス雰囲気に維持したプロセス室内で、ワークをステージに載置して移動させて加工処理することが行われている。ここで、プロセス室内のワークを加工するために、ワークもしくは工具を移動させる必要がある。
そこで、例えばプロセス室の外部に駆動源を設け、それに連結した回転軸をハウジングの開口を介してプロセス室内へと延在させ、かかる回転軸を介して駆動力をワークや工具に伝達することが考えられる。ここで、プロセス室内における大気とは異なる特殊な環境をどのように維持するかが問題となる。特許文献1には、静圧軸受と差動排気シールとを備えた駆動装置が開示されている。
特開2002−303323号公報
ところで、静圧軸受を転がり軸受に置き換えることで、駆動装置の構成を簡素化できる。しかるに、ハウジングから離れた位置で回転軸を転がり軸受により点接触的に支持すると、ラジアル剛性が悪くなり、振れ回りなどの問題が生じる恐れがある。特に、差動排気シール用の配管を設けるスペースを確保したり、プロセス室内の高真空状態に対応すべくハウジングの剛性確保のために側壁の厚さを増大させたりすると、回転軸が長くなる傾向があるが、それにより振れ回りなどが顕著に生じやすくなる。又、ハウジング内を高真空状態にするに当たって、転がり軸受を潤滑する潤滑剤が、真空環境を汚染する恐れもある。
そこで本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、簡素な構成ながらも、回転軸の触れ回りを抑制でき且つハウジング内の環境を損なう恐れの少ないシール装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明のシール装置は、ハウジングに対して取り付けられ、前記ハウジングの開口を介して延在する回転軸を回転自在に支持すると共に、前記ハウジングに対して前記回転軸をシールするシール装置において、
前記ハウジングに取り付けられる本体と、
前記本体に対して前記回転軸を回転自在に支持する第1及び第2の転がり軸受と、
差動排気シール部と、を有し、
前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受とは隔置配置されており、且つ前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受との間において、前記回転軸と前記本体との間には微少スキマが形成されていることを特徴とする。
前記ハウジングに取り付けられる本体と、
前記本体に対して前記回転軸を回転自在に支持する第1及び第2の転がり軸受と、
差動排気シール部と、を有し、
前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受とは隔置配置されており、且つ前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受との間において、前記回転軸と前記本体との間には微少スキマが形成されていることを特徴とする。
本発明のシール装置によれば、前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受とは隔置配置されているので、前記回転軸の支持スパンを広げることで、ラジアル剛性を高めてその振れ周りなどを回避している。又、前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受との間において、前記回転軸と前記本体との間には微少スキマが形成されているので、回転軸に不要なフリクションを生ずることなく、前記ハウジング内が大気と違う環境であったとしても、両者間の気体の流通を極力抑制することで、その環境を隔離できる。尚、本明細書において「微少スキマ」とは、数十μm以下(好ましくは5〜10μm程度)のスキマをいうものとする。
本発明のシール装置において、前記ハウジング内は、大気圧に対して低圧に維持されており、前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受の少なくとも一方は、真空用グリース(フッ素グリース、シリコングリース等)または真空用オイル(フッ素オイル、シリコンオイル等)に潤滑され、或いは摺動部位が官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜により被覆されると、前記軸受の潤滑剤による前記ハウジング内の環境汚染を抑制できるのでより好ましい。
官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜は、金属に対する親和性の高い官能基を有する含フッ素重合体と、フッ素油(例えばPFPE(パーフルオロポリエーテル))との混合物からなる潤滑膜であり、極めて高い粘性を有するものである。官能基を有する含フッ素重合体は官能基の働きで極めて強く金属表面に吸着する。一方、フッ素油の分子も、たとえ一旦切り離されてもすぐに再付着する性質があり、逸散し難い。官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜は、このような性質により、更にアウトガスの抑止も図れ、特殊フッ素樹脂被膜や軟質金属と同等の高い性能を示し、発塵も抑えられる。しかも、特殊フッ素樹脂被膜や金属被膜の場合は、被膜処理に手間がかかるため処理コストが嵩むのに対し、官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜は、極めて容易に、かつ同時に大量の被処理物に対して被膜処理を行えるという特長もあり、したがって、処理コストも低くて済む。
以上のように、本発明の用途からすれば、官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜が最も優れていると言えるが、それに限られるわけではない。官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜の被膜処理方法は、フッ素系溶媒に数%程度に前記混合物を希釈した液体中に被処理物を浸漬し、その後乾燥するだけでよい。乾燥を速めるために適宜加熱してもよい。官能基を有する含フッ素重合体やフッ素油は、例えばデュポン社、モンテカチーニ社などより上市された各種のものがある。
本発明のシール装置において、前記差動排気シールが複数の差圧室を含む場合、前記差圧室間もしくは前記差圧室に転がり軸受を配置すると、前記ハウジング内の環境汚染を更に抑制できるのでより好ましい。
本発明のシール装置において、前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受との間には、その内輪同士が当接する内輪間座と、その外輪同士が当接する外輪間座が配置されており、前記微少スキマは、前記内輪間座と前記外輪間座との間に形成されると、前記回転軸の長さを長くすることなく、差動排気シールの効果を与えることができるのでより好ましい。
本明細書中で用いる差動排気シールとは、例えば対向する2面間の微小な間隙にある気体を前記2面間に設けられた差圧室を介して排気することにより、非接触の状態で、対向面を挟む両側の雰囲気(例えば大気圧と高真空)を一定の状態に保つように機能するものをいう。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかるシール装置の断面図であり、プロセス室を覆うハウジングに取り付けた状態で示している。
図1において、内部が高真空状態に維持されるプロセス室Pを有するハウジング2の一面に設けられた開口2aに、回転軸3が挿入されている。開口2aを覆うようにして、ハウジング2の大気側の外壁にシール装置10が取り付けられている。回転軸3は、シール装置10に支持されている。
シール装置10は、O−リング16を介してインロー嵌めで直列に連結された円筒部材11A、11Bからなる本体11と、第1の転がり軸受である玉軸受12a、12aを有する軸受ユニット12と、第2の転がり軸受である玉軸受13とを有する。円筒部材11Aは、ハウジング2に対してボルト止めされる鍔部11aを有しており、更に回転軸3を挿通させた中央開口11bを有しており、また差圧室となる周溝11cを有している。一方、図で左端に軸受ユニット12を取り付け右端に玉軸受13を取り付けた円筒部材11Bは、回転軸3を挿通させた中央開口11dを有し、その中程に差圧室となる周溝11eを有している。尚、回転軸3の外周面と中央開口11b、11dとのスキマは、5〜10μmが好ましい。
円筒部材11Aには、周溝11cから半径方向外方に延在する貫通路11fが形成されている。貫通路11fの外方端を覆うようにして、円筒部材11Aの外周面にコネクタ14が、O−リング15を介して気密状態で取り付けられている。コネクタ14は、配管等を介して不図示の排気ポンプに接続されている。
一方、円筒部材11Bには、周溝11eから半径方向外方に延在する貫通路11gが形成されている。貫通路11gの外方端を覆うようにして、円筒部材11Bの外周面にコネクタ17が、O−リング18を介して気密状態で取り付けられている。コネクタ17は、配管等を介して不図示の排気ポンプに接続されている。
軸受ユニット12は、不図示のボルトを用いて本体11の外方端に取り付けられ、アンギュラコンタクトタイプの転がり軸受である玉軸受12a、12aを介して、回転軸3を軸線方向移動不能且つ回転自在に支持している。より具体的には、ベアリングブロック12bに収容された玉軸受12a、12aの外輪が、外輪抑え12cによりベアリングブロック12bに固定され、一方、回転軸3に形成された大径部3aに、玉軸受12a、12aの内輪が当接した状態で、内輪抑え12dを回転軸3のねじ部3bに螺合させることで、その内輪が回転軸3に固定されるようになっている。又、回転軸3は、円筒部材11Bの他端で玉軸受13により支持されている。尚、玉軸受12a、12a、13は、真空用グリースまたは真空用オイルに潤滑され、或いは摺動部位を官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜により被覆されている。
尚、本体11の端面と、ハウジング2の外壁との間にはO−リング19が配置されているが、これは両者間を気密する機能を有している。ボルト止めされた本体11とハウジング2との相対変位は生じない。
次に、本実施の形態に係るシール装置の動作について説明する。回転軸3の図で左端部は、モータ等の駆動源(不図示)に接続されており、回転軸3を回転駆動するようになっている。このとき、回転軸3は、玉軸受12a、12aと、これに対して隔置配置された玉軸受13とにより回転自在に支持されているので、摩擦などの抵抗が少ない状態で、本体11に対して回転可能となっている。特に、軸受ユニット12(玉軸受12a、12a)と、玉軸受13とを隔置配置して回転軸3の支持スパンを広げ、ラジアル剛性を高めており、回転軸3の振れ回り防止、微少スキマ部のスキマの維持、回転軸3へのラジアル負荷容量の向上が達成されている。
また、周溝11c内が、コネクタ14を介して不図示の排気ポンプにより吸引され、且つ周溝11e内が、コネクタ17を介して不図示の排気ポンプにより吸引されるので、2段の差動排気シールのシール機能により、周溝11c、11eに隣接する回転軸3の外周面と中央開口11b、11dとの間隙(微少スキマ)を介して、外部から空気や異物がプロセス室P内に侵入することを防止できる。特に、回転軸3の外周面と中央開口11dとの微少スキマは、玉軸受12a、12aと玉軸受13との間に位置する。このような構成よって、ハウジング2内のプロセス室Pを高真空状態にしても、外部からの気体の流入などを極力抑制することができる。
図2は、第2の実施の形態にかかるシール装置の断面図である。第2の実施の形態が、図1に示す実施の形態に対して主として異なる点は、差動排気シールを1段(差圧室を1つ)とした点、及び2つの玉軸受で回転軸を支持している点である。
図2において、内部が高真空状態に維持されるプロセス室Pを有するハウジング2の一面に設けられた開口2aに、回転軸3が挿入されている。開口2aを覆うようにして、ハウジング2の大気側の外壁にシール装置20が取り付けられている。回転軸3は、シール装置20に支持されている。
シール装置20は、円筒状の本体21と、第1の転がり軸受である玉軸受222と、第2の転がり軸受である玉軸受23とを有する。本体21は、ハウジング2に対してボルト止めされる鍔部21aを有しており、更に回転軸3を挿通させた中央開口21bを有しており、また差圧室となる周溝21cを有している。尚、回転軸3の外周面と中央開口21bとのスキマは、5〜10μmが好ましい。
本体21には、周溝21cから半径方向外方に延在する貫通路21fが形成されている。貫通路21fの外方端を覆うようにして、本体21の外周面にコネクタ24が、O−リング25を介して気密状態で取り付けられている。コネクタ24は、配管等を介して不図示の排気ポンプに接続されている。
玉軸受22は、本体21の内孔21pの奥段部に外輪右端を当接するようにし、且つ差圧室21c内に配置された回転軸3の大径部3aに内輪右端を当接するようにして挿入されている。更に玉軸受22の外輪左端は、内孔21pの内周に嵌合する外輪間座26に当接し、玉軸受22の内輪左端は、回転軸3の外周に嵌合する内輪間座27に当接している。又、外輪間座26に外輪右端を当接させ、内輪間座27に内輪右端を当接させるようにして、内孔21p内に玉軸受23が挿入されている。玉軸受23の外輪左端は、本体21の内孔21pに螺合する外輪抑え28aにより当接固定され、玉軸受23の内輪左端は、回転軸3のねじ部3bに螺合する内輪抑え28bにより当接固定されている。尚、外輪間座26と内輪間座27とのスキマは、5〜10μmが好ましいが、外輪間座26と内輪間座27とのスキマを、このような値とするのは製作上、困難を伴う。しかし、本実施の形態においては、回転軸3の支持スパンを広げ、ラジアル剛性を高めるため、玉軸受22と玉軸受23とを隔置配置している。また同時に、このことにより、外輪間座26と内輪間座27とのスキマ部の軸方向長さを長く設定できている。このため、回転軸3と中央開口21bとのスキマに比べ、外輪間座26と内輪間座27とのスキマを広めに設定しても差圧室21cからの排気によるシール性能として十分な性能を確保できる。具体的には、外輪間座26と内輪間座27とのスキマは、数十μm程度としても良い。玉軸受22、23は、真空用グリースまたは真空用オイルに潤滑され、或いは摺動部位を官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜により被覆されている。
尚、本体21の端面と、ハウジング2の外壁との間にはO−リング29が配置されているが、これは両者間を気密する機能を有している。ボルト止めされた本体21とハウジング2との相対変位は生じない。
次に、本実施の形態に係るシール装置の動作について説明する。上述の実施の形態と同様に、回転軸3の図で左端部は、モータ等の駆動源(不図示)に接続されており、回転軸3を回転駆動するようになっている。このとき、回転軸3は、隔置配置された玉軸受22、23とにより回転自在に支持されているので、摩擦などの抵抗が少ない状態で、且つ振れ回りなどが少ない状態で、本体21に対して回転可能となっている。特に、玉軸受22と玉軸受23とを隔置配置して回転軸3の支持スパンを広げ、ラジアル剛性を高めており、回転軸3の振れ回り防止、微少スキマ部のスキマの維持、回転軸3へのラジアル負荷容量の向上が達成されている。
また、周溝21c内が、コネクタ24を介して不図示の排気ポンプにより吸引されるので、差動排気シールのシール機能により、周溝21cに隣接する回転軸3の外周面と中央開口21bとの間隙(微少スキマ)を介して、外部から空気や異物がプロセス室P内に侵入することを防止できる。更に、玉軸受22と玉軸受23との間において、外輪間座26と内輪間座27との間における間隙を微少スキマとし、ハウジング2内のプロセス室Pを高真空状態にしても、外部からの気体の流入などを極力抑制することができる。
図3は、第3の実施の形態にかかるシール装置の断面図である。第3の実施の形態が、図1に示す実施の形態に対して主として異なる点は、差動排気シールを3段(差圧室を3つ)とした点である。
図3において、内部が高真空状態に維持されるプロセス室Pを有するハウジング2の一面に設けられた開口2aに、回転軸3が挿入されている。開口2aを覆うようにして、ハウジング2の大気側の外壁にシール装置30が取り付けられている。回転軸3は、シール装置30に支持されている。
シール装置10は、O−リング36を介してインロー嵌めで直列に連結された円筒部材31A、31Bからなる本体11と、玉軸受32、33,34とを有する。玉軸受32,33,34の一つが第1の転がり軸受を構成し、別の一つが第2の玉軸受を構成する。円筒部材31Aは、ハウジング2に対してボルト止めされる鍔部31aを有しており、更に回転軸3を挿通させた中央開口31bを有しており、また差圧室となる周溝31cを有している。一方、円筒部材31Bは、回転軸3を挿通させた中央開口31dを有し、またそれぞれ差圧室となる周溝31e、31jを有している。尚、回転軸3の外周面と中央開口31b、31dとのスキマは、5〜10μmが好ましい。
円筒部材31Aには、周溝31cから半径方向外方に延在する貫通路31fが形成されている。貫通路31fの外方端を覆うようにして、円筒部材31Aの外周面にコネクタ41が、O−リング42を介して気密状態で取り付けられている。コネクタ41は、配管等を介して不図示の排気ポンプに接続されている。
円筒部材31Bには、周溝31eから半径方向外方に延在する貫通路31gが形成されている。貫通路31gの外方端を覆うようにして、円筒部材31Bの外周面にコネクタ43が、O−リング44を介して気密状態で取り付けられている。コネクタ43は、配管等を介して不図示の排気ポンプに接続されている。
更に、円筒部材31Bには、周溝31jから半径方向外方に延在する貫通路31kが形成されている。貫通路31kの外方端を覆うようにして、円筒部材31Bの外周面にコネクタ45が、O−リング46を介して気密状態で取り付けられている。コネクタ45は、配管等を介して不図示の排気ポンプに接続されている。
玉軸受33は、本体31の内孔31pの奥段部に外輪右端を当接するようにし、且つ差圧室31j内に配置された回転軸3の大径部3aに内輪右端を当接するようにして挿入されている。更に玉軸受33の外輪左端は、内孔31pの内周に嵌合する外輪間座36に当接し、玉軸受33の内輪左端は、回転軸3の外周に嵌合する内輪間座37に当接している。又、外輪間座36に外輪右端を当接させ、内輪間座37に内輪右端を当接させるようにして、内孔31p内に玉軸受34が挿入されている。玉軸受34の外輪左端は、本体31の内孔31pに螺合する外輪抑え38aにより当接固定され、玉軸受34の内輪左端は、回転軸3のねじ部3bに螺合する内輪抑え38bにより当接固定されている。尚、外輪間座36と内輪間座37とのスキマは、5〜10μmが好ましいが、外輪間座36と内輪間座37とのスキマを、このような値とするのは製作上、困難を伴う。しかし、本実施の形態においては、回転軸3の支持スパンを広げ、ラジアル剛性を高めるため、玉軸受33と玉軸受34とを隔置配置している。また同時に、このことにより、外輪間座36と内輪間座37とのスキマ部の軸方向長さを長く設定できている。このため、回転軸3と中央開口31dとのスキマに比べ、外輪間座36と内輪間座37とのスキマを広めに設定しても差圧室31jからの排気によるシール性能として十分な性能を確保できる。具体的には、外輪間座36と内輪間座37とのスキマは、数十μm程度としても良い。又、回転軸3は、円筒部材11Bの他端で玉軸受32により支持されている。玉軸受32、33、34は、真空用グリースまたは真空用オイルに潤滑され、或いは摺動部位を官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜により被覆されている。
尚、本体11の端面と、ハウジング2の外壁との間にはO−リング39が配置されているが、これは両者間を気密する機能を有している。ボルト止めされた本体31とハウジング2との相対変位は生じない。
次に、本実施の形態に係るシール装置の動作について説明する。回転軸3の図で左端部は、モータ等の駆動源(不図示)に接続されており、回転軸3を回転駆動するようになっている。このとき、回転軸3は、互いに隔置配置された玉軸受32,33,34により回転自在に支持されているので、摩擦などの抵抗が少ない状態で、且つ振れ回りなどが少ない状態で、本体11に対して回転可能となっている。特に、玉軸受32と玉軸受33,玉軸受33と玉軸受34とを隔置配置して回転軸3の支持スパンを広げ、ラジアル剛性を高めており、回転軸3の振れ回り防止、微少スキマ部のスキマの維持、回転軸3へのラジアル負荷容量の向上が達成されている。本実施の形態では、差動排気シールを3段としたことにより高いシール性能を得ることができるが、同時にシール装置30の長さを長くせざるを得ない。それによる回転軸3のラジアル剛性低下が懸念されるところを、上記のように支持することにより、高いシール性能と回転軸3のラジアル剛性の向上とを両立させている。
また、周溝31c内が、コネクタ41を介して不図示の排気ポンプにより吸引され、周溝31e内が、コネクタ43を介して不図示の排気ポンプにより吸引され、周溝31j内が、コネクタ45を介して不図示の排気ポンプにより吸引されるので、3段の差動排気シールのシール機能により、周溝31c、31e、31jに隣接する回転軸3の外周面と中央開口31b、31dとの間隙(微少スキマ)を介して、外部から空気や異物がプロセス室P内に侵入することを防止できる。更に、玉軸受33と玉軸受34との間において、外輪間座36と内輪間座37との間における間隙を微少スキマとし、玉軸受の外輪側より排気することで、ハウジング2内のプロセス室Pを高真空状態にしても、外部からの気体の流入などを極力抑制することができる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。以上の実施の形態では、半径方向に微少スキマを形成した例を示したが、軸線方向に微少スキマを設けることもできる。更に、転がり軸受としては、直道タイプも適用が可能である。更に、シール装置の軸受としては、大気圧側に固定とし、真空側で支持する例を示したが、逆に真空側に固定とし、大気圧側で支持する構成としても良い。ただし、真空側に転がり軸受が少ない方が、発塵やアウトガスを抑制できるので好ましい。
2 ハウジング
3 回転軸
3a 大径部
3b ねじ部
10 シール装置
11 本体
11A 円筒部材
11B 円筒部材
11a 鍔部
11b 中央開口
11c 周溝
11d 中央開口
11e 周溝
11f 貫通路
11g 貫通路
12 軸受ユニット
12a 玉軸受
12b ベアリングブロック
12c 外輪抑え
12d 内輪抑え
13 玉軸受
14 コネクタ
15 O−リング
16 O−リング
17 コネクタ
18 O−リング
19 O−リング
20 シール装置
21 本体
21a 鍔部
21b 中央開口
21c 周溝
21f 貫通路
21p 内孔
22 玉軸受
23 玉軸受
24 コネクタ
25 O−リング
26 外輪間座
27 内輪間座
28a 外輪抑え
28b 内輪抑え
29 O−リング
30 シール装置
31 本体
31A 円筒部材
31B 円筒部材
31a 鍔部
31b 中央開口
31c 周溝
31d 中央開口
31e 周溝
31f 貫通路
31g 貫通路
31j 周溝
31k 貫通路
31p 内孔
32 玉軸受
33 玉軸受
34 玉軸受
36 O−リング
36 外輪間座
37 内輪間座
38a 外輪抑え
38b 内輪抑え
39 O−リング
41 コネクタ
42 O−リング
43 コネクタ
44 O−リング
45 コネクタ
46 O−リング
P プロセス室
3 回転軸
3a 大径部
3b ねじ部
10 シール装置
11 本体
11A 円筒部材
11B 円筒部材
11a 鍔部
11b 中央開口
11c 周溝
11d 中央開口
11e 周溝
11f 貫通路
11g 貫通路
12 軸受ユニット
12a 玉軸受
12b ベアリングブロック
12c 外輪抑え
12d 内輪抑え
13 玉軸受
14 コネクタ
15 O−リング
16 O−リング
17 コネクタ
18 O−リング
19 O−リング
20 シール装置
21 本体
21a 鍔部
21b 中央開口
21c 周溝
21f 貫通路
21p 内孔
22 玉軸受
23 玉軸受
24 コネクタ
25 O−リング
26 外輪間座
27 内輪間座
28a 外輪抑え
28b 内輪抑え
29 O−リング
30 シール装置
31 本体
31A 円筒部材
31B 円筒部材
31a 鍔部
31b 中央開口
31c 周溝
31d 中央開口
31e 周溝
31f 貫通路
31g 貫通路
31j 周溝
31k 貫通路
31p 内孔
32 玉軸受
33 玉軸受
34 玉軸受
36 O−リング
36 外輪間座
37 内輪間座
38a 外輪抑え
38b 内輪抑え
39 O−リング
41 コネクタ
42 O−リング
43 コネクタ
44 O−リング
45 コネクタ
46 O−リング
P プロセス室
Claims (4)
- ハウジングに対して取り付けられ、前記ハウジングの開口を介して延在する回転軸を回転自在に支持すると共に、前記ハウジングに対して前記回転軸をシールするシール装置において、
前記ハウジングに取り付けられる本体と、
前記本体に対して前記回転軸を回転自在に支持する第1及び第2の転がり軸受と、
差動排気シール部と、を有し、
前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受とは隔置配置されており、且つ前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受との間において、前記回転軸と前記本体との間には微少スキマが形成されていることを特徴とするシール装置。 - 前記ハウジング内は、大気圧に対して低圧に維持されており、前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受の少なくとも一方は、真空用グリースまたは真空用オイルに潤滑され、或いは摺動部位が官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜により被覆されることを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
- 前記差動排気シールが複数の差圧室を含む場合、前記差圧室間もしくは前記差圧室に転がり軸受を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のシール装置。
- 前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受との間には、その内輪同士が当接する内輪間座と、その外輪同士が当接する外輪間座が配置されており、前記微少スキマは、前記内輪間座と前記外輪間座との間に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシール装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004279129A JP2006090503A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | シール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004279129A JP2006090503A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | シール装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006090503A true JP2006090503A (ja) | 2006-04-06 |
Family
ID=36231670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004279129A Pending JP2006090503A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | シール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006090503A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012071961A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Fujifilm Corp | ウエブ搬送装置及びウエブ搬送方法、並びに光学フィルムの製造方法 |
JP2014016025A (ja) * | 2012-06-13 | 2014-01-30 | Nsk Ltd | 駆動装置、回転導入機、搬送装置及び半導体製造装置 |
-
2004
- 2004-09-27 JP JP2004279129A patent/JP2006090503A/ja active Pending
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JP2012071961A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Fujifilm Corp | ウエブ搬送装置及びウエブ搬送方法、並びに光学フィルムの製造方法 |
JP2014016025A (ja) * | 2012-06-13 | 2014-01-30 | Nsk Ltd | 駆動装置、回転導入機、搬送装置及び半導体製造装置 |
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