JP2006090070A - 建築物の高断熱構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 真空断熱材を用いて断熱性能を向上すると同時に、特殊な釘などを必要とせずに施工も容易にでき、サイズ合わせによる損傷を防止することができる建築物の高断熱構造を提供すること。
【解決手段】 予め真空断熱材11を合成樹脂フォームの断熱体12で覆った真空断熱ボード13を形成し、この真空断熱ボード13を建築物の構造要素である木造住宅の間柱14などに取り付ける外断熱構造などを構成する。
これにより、真空断熱材11による高い断熱性能を確保しながら、合成樹脂フォームの断熱体12で覆うことで、釘やビスによる取り付けを可能とするとともに、合成樹脂フォームの断熱体12部分の裁断を可能とするなどで施工性を向上するようにしている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、建築物の高断熱構造に関し、木造などの建築物の外壁部や屋根部の外断熱など、あるいは鉄筋コンクリートなどの建築物の内壁部や天井部の内断熱などを、真空断熱材と合成樹脂フォームの断熱体を組み合わせることで、高断熱性を確保するとともに、施工性を向上できるようにしたものである。
従来から木造の住宅などの建築物や鉄筋コンクリート造の集合住宅やオフィスビルなどの建築物では、省エネルギー化のため外気と接する壁部や屋根部などを断熱材で覆って断熱性を高めるとともに、開口部を2重サッシュなどで気密性を高める高気密・高断熱化を図ることが普及しつつある。
さらに、地球温暖化の問題が深刻化しつつあり、建築分野での炭酸ガス削減も急務となり、次世代省エネルギー基準が制定されている。
このような断熱性能の向上に対する要求から、これまで断熱材として最も性能に優れているウレタンフォーム断熱材を使用して次世代省エネルギー基準を満たそうとすると、適用地域によっても異なるが、例えば東北地方のII地区では、断熱材の厚さが壁部で40mm以上(従来の基準よりも15mm厚い)、屋根部で60mm以上(従来の基準よりも20mm厚い)となってしまう。
このため、特許文献1に開示されているものを図8に示すように、断熱材1と硬質面材2とが一体とされた断熱ボード3を、例えば木造建築物の構造要素である壁部の間柱4に固定しようとすると、通常の釘やビスでは、先端部しか間柱4に固定されず、そのため断熱ボード3がぐらついたり、場合によって外れる虞れがあった。
また、特許文献2に開示されているものを図9に示すように、断熱材1と硬質面材2とが一体とされた断熱ボード3を、コンクリート造りの建築物の構造要素である壁部(コンクリート躯体)6の内側にGLボンド7で取り付ける場合には、断熱材1の厚さの分だけ内部の使用可能スペースが減少し、居住空間が狭くなってしまう問題が生じてしまう。
そこで、ウレタンフォーム断熱材に比べて断熱性能に優れた断熱材として家庭用冷蔵庫で10年以上の使用実績のある真空断熱材を建築物に使用することが考えられ、建築分野への応用が注目されている。
この真空断熱材は、例えば極細のガラス繊維、シリカ粉末、スチレンフォーム、連続気泡形の硬質プラスチックフォームのスラブ材などの芯材と、ゼオライトなどのゲッタ剤とを、ナイロン、PET、アルミ箔、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)などを積層した少なくとも4層のドライラミネート材からなる被覆材に入れてシールし、その内部を0.05Torr以下に減圧して封止したもの、あるいはプラスチックフィルムと金属箔とのラミネートフィルムを有するものなどの他の被覆材で、シリカ粉末またはグラスウールを有したものなどの他の芯材を包み、内部を真空にして封止したものなどで、厚さが5mm程度でも従来のウレタンフォーム断熱材に比べて約4〜10倍の断熱性能を持ち、熱伝導率で比較すると、硬質ウレタン断熱材が22mW/mKであるのに対し、真空断熱材は2〜5mW/mKと小さく、高い断熱性が得られるものである。
特開平8−49317号公報 実開昭60−37509号公報
このような真空断熱材は、建築物に適用しようとする場合、断熱性能については、経年変化も小さく何ら問題はないが、壁部や屋根部に施工しようとすると、釘やビスで止めると、穴が開き、真空封止が損なわれ、断熱性能が失われるという問題がある。
また、施工の際、現場でサイズ合わせのため裁断する必要が生じるが、この場合もカッターなどで裁断すると、真空封止が損なわれることから裁断することができず、サイズ合わせができないという問題がある。さらに、運搬時や施工時の衝撃によって破損し、真空度が保てなくなるという問題もある。
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、真空断熱材を用いて断熱性能を向上すると同時に、特殊な釘などを必要とせずに施工も容易にでき、サイズ合わせによる損傷を防止することができる建築物の高断熱構造を提供しようとするものである。
そこで、真空断熱材による建築物の断熱構造について鋭意検討を重ねた結果、真空断熱材を従来の合成樹脂フォーム断熱材と組み合わせることで、真空断熱材を直接釘で止めたり裁断することなく、合成樹脂フォーム断熱材を釘で止めたり、裁断することで、施工できることを見出すとともに、断熱性能についても真空断熱材を組み合わせることで、従来の合成樹脂フォーム断熱材だけの場合に必要となる次世代省エネルギー基準の厚さ、例えば東北地方のII地域での壁部の40mm以上(従来の基準よりも15mm厚い)、屋根部の60mm以上(従来の基準よりも20mm厚い)の厚さを従来の新省エネルギー基準並みに抑えることができることを見出し、この発明を完成したものである。
すなわち、上記課題を解決するため、この発明の請求項1記載の建築物の高断熱構造は、建築物の構造要素に、真空断熱材を合成樹脂フォームの断熱体で覆った真空断熱ボードを取り付けて構成したことを特徴とするものである。
また、この発明の請求項2記載の建築物の高断熱構造は、請求項1記載の構成に加え、前記真空断熱ボードの前記断熱体に切り欠き部を形成し、この切り欠き部を前記構造要素に当てて取り付けてなることを特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項3記載の建築物の高断熱構造は、請求項1または2記載の構成に加え、前記真空断熱ボードを、前記断熱体の外側に板材を設けて構成したことを特徴とするものである。この板材としては、例えば石膏ボード、合板、樹脂板などの硬質板を用いることができる。
また、この発明の請求項4記載の建築物の高断熱構造は、建築物の構造要素に取り付けられる合成樹脂フォームの第1の断熱体と、この第1の断熱体に接着固定される真空断熱材と、この真空断熱材を覆って前記第1の断熱体に取り付けられる合成樹脂フォームの第2の断熱体とで構成してなることを特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項5記載の建築物の高断熱構造は、建築物の構造要素に真空断熱材を接着し、この真空断熱材を覆って吹き付けた合成樹脂フォームの断熱体を設けることを特徴とするものである。
ここで、建築物とは、木造住宅などの木造建築物、集合住宅やオフィスビルなどの鉄筋コンクリート建築物、鉄骨造の建築物など使用材料によらず、広く建物として取り扱われるものをいい、建築物の構造要素とは、木造建築物の柱、間柱、梁、垂木、母屋など、コンクリート建築物のコンクリート躯体などを主としていうものである。
この発明の請求項1記載の建築物の高断熱構造によれば、予め真空断熱材を合成樹脂フォームの断熱体で覆った真空断熱ボードを形成し、この真空断熱ボードを建築物の構造要素である木造住宅の間柱などに取り付ける外断熱構造などを構成するようにしたので、真空断熱材による高い断熱性能を確保しながら、合成樹脂フォームの断熱体で覆うことで、釘やビスによる取り付けを可能とするとともに、合成樹脂フォームの断熱体部分の裁断が可能となるなど施工性を向上することができる。さらに、合成樹脂フォームの断熱体で覆うことで、運搬時や施工時の衝撃による破損を防止することができ、真空度を保持することができる。
また、この発明の請求項2記載の建築物の高断熱構造によれば、前記真空断熱ボードの前記断熱体に切り欠き部を形成し、この切り欠き部を前記構造要素に当てて取り付けるようにしたので、構造要素である木造住宅の間柱の間の空間に真空断熱材部分などを落とし込むようにした外断熱構造などや屋根部の垂木の間の空間に真空断熱材部分などを落とし込むようにした内断熱構造などで、真空断熱ボードの取り付けスペースを小さくすることができる。
さらに、この発明の請求項3記載の建築物の高断熱構造によれば、前記真空断熱ボードを、前記断熱体の外側に板材を設けて構成するようにしたので、真空断熱ボードに取り付ける板材として例えば野地板を予め取り付けておくことで、木造住宅の屋根部の外断熱と同時に野地板を施工することができ、真空断熱ボードに取り付ける板材として例えば内装材を予め取り付けておくことで、コンクリート造の建築物の壁部などの内断熱と同時に内装材を施工することができ、一層効率的に施工することができる。
また、この発明の請求項4記載の建築物の高断熱構造によれば、 合成樹脂フォームの第1の断熱体を構造要素である例えば木造住宅の間柱の間に取り付け、この第1の断熱体に真空断熱材を接着し、その外側を第2の断熱体で覆って第1の断熱体に固定したり、予め第1の断熱体に真空断熱材および第2の断熱体を接着しておいたものを間柱に取り付ける外断熱などとしたので、真空断熱材を保護すると同時に、接着による取り付けができ、断熱性能の確保とともに、容易に施工することができる。
さらに、この発明の請求項5記載の建築物の高断熱構造によれば、建築物の構造要素に真空断熱材を接着し、この真空断熱材を覆って吹き付けた合成樹脂フォームの断熱体を設けたので、例えばコンクリート造の壁部などに真空断熱材を接着し、この上に合成樹脂フォームの断熱体を吹き付けることで、真空断熱材を保護することができるとともに、高断熱構造とすることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の建築物の高断熱構造を木造建築物の壁部の外断熱に適用した一実施の形態にかかる真空断熱ボードのみの概略断面図および断熱構造の概略断面図である。
この建築物の高断熱構造10では、予め真空断熱材11を合成樹脂フォームの断熱体12で覆って一体にした真空断熱ボード13が用いられ、真空断熱ボード13の断熱体12部分を利用して通常の釘やビスなどで、ここでの建築物の構造要素である間柱14に固定される。
この真空断熱ボード13は、真空断熱体11と合成樹脂フォームの断熱体12を組み合わせて構成することで、合成樹脂フォームの断熱体12だけの場合に比べ、断熱性能が高く、次世代省エネルギー基準を満足する真空断熱ボード13とした場合でもその厚さを従来と同等ないし薄く抑えることができる。
このような真空断熱ボード13の合成樹脂フォームの断熱体12部分を利用して間柱14に固定することで、釘やビスなどを用いても真空断熱材11に孔をあけることがなく、真空封止を破壊することなく、高い断熱性を維持することができるとともに、これまでの薄い合成樹脂フォームの断熱体12だけの場合と同様に施工することができる。
さらに、外壁材を取りつける場合には、従来と同様、例えば真空断熱ボード13の外側に胴縁を配置して間柱に固定した後、外壁材を施工すれば良い。
また、現場でのサイズ合わせのため裁断が必要な場合には、合成樹脂フォームの断熱体12部分を裁断するようにすることができる。
この真空断熱ボード13を構成する真空断熱材11は、すでに説明したように、例えば極細ガラス繊維、シリカ粉末、スチレンフォーム、連続気泡形の硬質プラスチックフォームのスラブ材などの芯材と、ゼオライトなどのゲッタ剤とを、ナイロン、PET、アルミ箔、OPPなどを積層した少なくとも4層のドライラミネート材からなる被覆材に入れてシールし、その内部を0.05Torr以下に減圧して封止したもの、あるいはプラスチックフィルムと金属箔とのラミネートフィルムを有するものなどの他の被覆材で、シリカ粉末またはグラスウールを有したものなどの他の芯材を包み、内部を真空にして封止したものなどで、その厚さは、例えば5〜10mm程度である。
また、この真空断熱材11を覆うように設けられる合成樹脂フォームの断熱体12としては、例えば断熱性能に優れた硬質ポリウレタンフォームが使用されるほか、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ウレタン変性イソシアヌレートフォーム、イソシアヌレートフォーム、カルボジイミドフォーム等の適宜の合成樹脂フォームを用いることができる。
この合成樹脂フォームの断熱体12は、例えばフォーム密度が20〜100kg/m3とされ、必要な断熱性能に応じてその厚さが決定される。
そして、この真空断熱ボード13は、例えば合成樹脂フォームの断熱体12の成形時、あるいは成形後凹部を形成し、この凹部に真空断熱材11を接着して作られたり、合成樹脂フォームを表裏面材でサンドイッチした断熱ボードを形成後、どちらか一方の面材に真空断熱材11を接着して作られたり、紙などの下面材上に真空断熱材11を置き、その上から合成樹脂フォームを吹き付け、紙などの上面材を当てて所定の厚さに押えることなどで作ることができるが、その製造方法はこれらに限らず任意の方法で良い。
また、面材としては、0.1〜1.0mmのものが使用され、例えば紙やプラスチックフィルム単独のもの、あるいはこれらを積層させたものを用いることができる。
なお、真空断熱ボード13には、図示例の1枚の真空断熱材11を入れるだけでなく、複数枚入れたものであっても良く、真空断熱材11の形状も矩形に限らず、3角形などであっても良く、真空断熱ボード13の形状も矩形に限らず、他の形状であっても良い。
次に、この発明の他の一実施の形態について、図2により説明する。
図2は、この発明の建築物の高断熱構造を木造建築物に適用した一実施の形態にかかり、(a)は真空断熱ボードのみの概略断面図、(b)は壁部の外断熱構造の概略断面図、(c)は屋根部の内断熱構造の概略断面図である。
この建築物の高断熱構造10Aでは、予め真空断熱材11を合成樹脂フォームの断熱体12で覆って一体にした真空断熱ボード13の断熱体12の両端部に建築物の構造要素へ取り付けるための切り欠き部13aが形成されたものが用いられ、真空断熱ボード13の断熱体12の切り欠き部13aを利用して通常の釘やビスなどで、建築物の構造要素に当てるとともに、真空断熱材11部分を構造要素の間に落とし込むように配置して固定される。
すなわち、建築物の構造要素が木造建築物の壁部である場合には、例えば図2(b)に示すように、真空断熱ボード13の断熱体12の切り欠き部13aを利用して建築物の構造要素である間柱14に室外側から当てるとともに、中央部の真空断熱材11部分を間柱14の間に落とし込むように配置し、通常の釘やビスなどを切り欠き部13aの外側から打ち込んで固定する。
また、建築物の構造要素が木造建築物の屋根部である場合には、例えば図2(c)に示すように、真空断熱ボード13の断熱体12の切り欠き部13aを利用して建築物の構造要素である垂木15に室内側から当てるとともに、中央部の真空断熱材11部分を垂木15の間に落とし込むように配置し、通常の釘やビスなどを切り欠き部13aの外側から打ち込んで固定する。
このような建築物の高断熱構造10Aによれば、真空断熱ボード13に切り欠き部13aを形成し、この切り欠き部13aを建築物の構造要素である間柱14や垂木15に当てるようにして中央の真空断熱材11部分を落とし込むように配置するので、真空断熱ボード13を固定するための釘やビスの長さを切り欠き部13aの分だけ短いもので良く、通常の釘やビスで容易に施工することができるとともに、真空断熱ボード13の取り付けスペースも落とし込む分だけ小さくすることができる。
なお、この真空断熱ボード13の合成樹脂フォームの断熱体12に形成する切り欠き部13aは、断熱体12を矩形に成形した後、切り欠くようにしたり、断熱体12の成形時に切り欠き部13a一体に成形するようにしても良い。
次に、この発明の他の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図3は、この発明の建築物の高断熱構造を木造建築物の屋根部の外断熱に適用した一実施の形態にかかる真空断熱ボードのみの概略断面図および断熱構造の概略断面図であり、図4は、この発明の建築物の高断熱構造を木造建築物の屋根部の外断熱に適用した他の一実施の形態にかかる真空断熱ボードのみの概略断面図および断熱構造の概略断面図である。
この建築物の高断熱構造10Bでは、予め真空断熱材11を合成樹脂フォームの断熱体12で覆って一体にするとともに、図3に示すように、断熱体12の外側だけ、あるいは図4に示すように、断熱体12の外側および真空断熱材11の外側に板材16が設けられた真空断熱ボード13Aが用いられ、真空断熱ボード13Aの断熱体12の外側の板材16の外側から通常の釘やビスなどで、ここでの建築物の構造要素である垂木15に固定される。
この真空断熱ボード13Aは、真空断熱体11と合成樹脂フォームの断熱体12および板材16を組み合わせて構成することで、合成樹脂フォームの断熱体12だけの場合に比べ、断熱性能が高く、次世代省エネルギー基準を満足する真空断熱ボード13Aとした場合でもその厚さを従来と同等ないし薄く抑えることができるとともに、片側ないし両側の板材16で強度も高めることができ、しかも建築物の構造要素への施工の場合には、板材16の施工と真空断熱ボード13Bによる外断熱あるいは内断熱の施工が同時に行なわれ、工数低減を図ることができる。
したがって、建築物の構造要素を屋根部の垂木15とする場合には、図3および図4に示すように、片側あるいはサンドイッチ構造の板材16を野地板16aとすることで、野地板16aの施工が真空断熱ボード13Bの施工と同時に行われ、短時間に効率的に外断熱を施工することができる。
また、両側に野地板16aを配置したサンドイッチ構造の真空断熱ボード13Aによれば、一層強度を高めることができる。
さらに、建築物の構造要素が鉄筋コンクリート造のコンクリート躯体の場合には、図5(a)に示すように、板材16を内装材16bとしておき、コンクリート躯体17に接着剤18を塗布して真空断熱ボード13Aを接着するようにしたり、図5(b)に示すように、石膏系接着剤であるGLボンド19を団子状に塗布し、真空断熱ボード13Aを接着する。
これにより、真空断熱ボード13Aの施工と同時に、内装材16bの施工ができ、効率的に断熱施工と内装施工ができる。
次に、この発明の建築物の高断熱構造の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図6は、この発明の建築物の高断熱構造を木造建築物の壁部の外断熱に適用した一実施の形態にかかる施工工程とともに示す概略断面図である。
この建築物の高断熱構造10Cでは、例えば真空断熱材11とは別に合成樹脂フォームの断熱体12として第1の断熱体12aおよび第2の断熱体12bを成形して用意しておき、図6に示すように、施工現場で施工してこれらを一体にして高断熱構造としたり、これまでの実施の形態と同様に、第1および第2の断熱体12a,12bの間に真空断熱材11を接着して一体とした真空断熱ボード13Bを用意し、これを現場で施工するものである。
ここでは、現場で真空断熱材11と第1および第2の断熱体12a,12bを一体にする場合について説明すると、予め木造建築物の構造要素である間柱14に取り付けることができる断面コ字状の断熱体12を成形し、同一形状のものを第1の断熱体12aおよび第2の断熱体12bとして用いる。
これら第1および第2の断熱体12a,12bとしては、例えば合成樹脂フォームとしてビーズスチレン発泡の成形品が用いられる。
そして、まず、図6(a)に示すように、木造建築物の構造要素である間柱14の外側に第1の断熱体12aを断面コ字状の開口部が外側となるように接着などで取り付ける。
こののち、同図(b)に示すように、第1の断熱体12aのコ字状の部分の内側に真空断熱材11を接着する。
そして、同図(c)に示すように、この真空断熱材11を覆って第2の断熱体12bをコ字状の部分を内側にして第1の断熱体12aと接着することで、高断熱構造10Cが完成する。
なお、予め第1および第2の断熱体12a,12bと真空断熱材11とを一体にした真空断熱ボード13Bを用いる場合には、図6(c)に示すように、真空断熱ボード13Bの第1の断熱体12aを間柱14に接着などで取り付けることで、高断熱構造10Cが完成する。
このような建築物の高断熱構造10Cによれば、現場で真空断熱材11と第1および第2の断熱体12a,12bを組み合わせて高断熱構造を施工することができ、現場でのサイズ合わせも第1および第2の断熱体12a,12bを裁断することで容易に対応することができ、真空断熱材11の損傷を防止することができる。
次に、この発明の建築物の高断熱構造の他の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図7は、この発明の建築物の高断熱構造をコンクリート建築物の壁部の内断熱に適用した一実施の形態にかかる施工工程とともに示す概略断面図である。
この建築物の高断熱構造10Dでは、真空断熱材11と組み合わせる合成樹脂フォームの断熱体12を現場での吹付けにより施工するようにしている。
そして、まず、図7(a)に示すように、コンクリート建築物の構造要素であるコンクリート躯体17の壁部の内側に真空断熱材11を接着剤18で固定する。
こののち、図7(b)に示すように、真空断熱材11を覆うように合成樹脂フォームの断熱体12を形成するため、例えばウレタン系の断熱材を吹付け施工する。
そして、この現場吹付けの合成樹脂フォームの断熱体12の表面に石膏系接着剤であるGLボンド19を団子状に設けて内装材16bを取り付けることで、高断熱構造10Dが完成する。
このような建築物の高断熱構造10Dによれば、現場で真空断熱材11と合成樹脂フォームの断熱体12を組み合わせて高断熱構造を施工することができ、現場へは合成樹脂フォームの断熱体12の原料を輸送すれば良く、効率良く施工することができる。
この発明の建築物の高断熱構造を木造建築物の壁部の外断熱に適用した一実施の形態にかかる真空断熱ボードのみの概略断面図および断熱構造の概略断面図である。 この発明の建築物の高断熱構造を木造建築物に適用した一実施の形態にかかり、(a)は真空断熱ボードのみの概略断面図、(b)は壁部の外断熱構造の概略断面図、(c)は屋根部の内断熱構造の概略断面図である。 この発明の建築物の高断熱構造を木造建築物の屋根部の外断熱に適用した一実施の形態にかかる真空断熱ボードのみの概略断面図および断熱構造の概略断面図である。 この発明の建築物の高断熱構造を木造建築物の屋根部の外断熱に適用した他の一実施の形態にかかる真空断熱ボードのみの概略断面図および断熱構造の概略断面図である。 この発明の建築物の高断熱構造をコンクリート建築物の壁部の内断熱に適用した一実施の形態にかかるそれぞれ概略断面図である。 この発明の建築物の高断熱構造を木造建築物の壁部の外断熱に適用した一実施の形態にかかる施工工程とともに示す概略断面図である。 この発明の建築物の高断熱構造をコンクリート建築物の壁部の内断熱に適用した一実施の形態にかかる施工工程とともに示す概略断面図である。 従来の断熱ボード壁部の間柱に固定する場合の概略断面図である。 従来の断熱ボードのコンクリート造建築物のコンクリート躯体に固定する場合の概略断面図である。
符号の説明
10,10A,10B,10C,10D 建築物の高断熱構造
11 真空断熱材
12 合成樹脂フォームの断熱体
12a,12b 第1および第2の断熱体
13,13A,13B 真空断熱ボード
13a 切り欠き部
14 間柱(建築物の構造要素)
15 垂木(建築物の構造要素)
16 板材
16a 野地板
16b 内装材
17 コンクリート躯体(建築物の構造要素)
18 接着剤
19 GLボンド(石膏系接着剤)

Claims (5)

  1. 建築物の構造要素に、真空断熱材を合成樹脂フォームの断熱体で覆った真空断熱ボードを取り付けて構成したことを特徴とする建築物の高断熱構造。
  2. 前記真空断熱ボードの前記断熱体に切り欠き部を形成し、この切り欠き部を前記構造要素に当てて取り付けてなることを特徴とする請求項1記載の建築構造物の高断熱構造。
  3. 前記真空断熱ボードを、前記断熱体の外側に板材を設けて構成したことを特徴とする請求項1または2記載の建築構造物の高断熱構造。
  4. 建築物の構造要素に取り付けられる合成樹脂フォームの第1の断熱体と、この第1の断熱体に接着固定される真空断熱材と、この真空断熱材を覆って前記第1の断熱体に取り付けられる合成樹脂フォームの第2の断熱体とで構成してなることを特徴とする建築物の高断熱構造。
  5. 建築物の構造要素に真空断熱材を接着し、この真空断熱材を覆って吹き付ける合成樹脂フォームの断熱体を設けることを特徴とする建築物の高断熱構造。

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