JP2006089687A - ポリ乳酸樹脂水性分散体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)ポリ乳酸樹脂、(b)ポリ乳酸樹脂(a)に対して1〜30質量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤、(c)ポリ乳酸樹脂(a)のカルボキシル基に対して5〜30倍当量のアンモニアまたは沸点250℃以下の有機アミン化合物、(d)原料(a)〜(f)の総質量に対して5〜40質量%の両親媒性有機溶剤、(e)水、および(f)ポリ乳酸樹脂(a)に対して1〜50質量%の可塑剤を原料とし、(A)原料(a)〜(e)を容器中で加熱してポリ乳酸樹脂(a)を乳化する工程、(B)可塑剤(f)を添加する工程、および、(C)両親媒性有機溶剤(d)を除去する工程からなるポリ乳酸樹脂水性分散体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
(a)ポリ乳酸樹脂、
(b)ポリ乳酸樹脂(a)に対して1〜30質量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤、
(c)ポリ乳酸樹脂(a)のカルボキシル基に対して5〜30倍当量のアンモニアまたは沸点250℃以下の有機アミン化合物、
(d)原料(a)〜(f)の総質量に対して5〜40質量%の両親媒性有機溶剤、
(e)水、および
(f)ポリ乳酸樹脂(a)に対して1〜50質量%の可塑剤
を原料とし、
(A)原料(a)〜(e)を容器中で加熱してポリ乳酸樹脂(a)を乳化する工程、
(B)可塑剤(f)を添加する工程、および、
(C)両親媒性有機溶剤(d)を除去する工程
からなるポリ乳酸樹脂水性分散体の製造方法であり、また、第二に、この製造方法によって得られるポリ乳酸樹脂水性分散体である。
(a)ポリ乳酸樹脂
(b)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤
(c)アンモニアまたは沸点250℃以下の有機アミン化合物
(d)両親媒性有機溶剤
(e)水
(f)可塑剤
本発明で用いられるポリ乳酸樹脂(a)は、乳酸単位からなり、単独では水に分散または溶解しない、本質的に疎水性のポリマーである。ポリ乳酸中に占めるD-乳酸の割合は、1.5〜25モル%であることが必要であり、好ましくは4〜20モル%、さらに好ましくは8〜20モル%である。D-乳酸の含有量が1.5モル%未満であると、両親媒性有機溶剤に膨潤あるいは溶解しにくくなるため、本発明の方法による水分散化が困難となる。またD-乳酸の含有量が25モル%以上であると、ガラス転移温度が低下し、得られる被膜の耐ブロッキング性が低下する傾向にある。
本発明においてポリ乳酸樹脂水性分散化には、特定の界面活性剤と塩基性化合物を併用することが必要である。界面活性剤は後述する水性分散化に際して界面活性機能を失わない化合物であることが必要で、そのような界面活性剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤(b)が用いられる。
ポリ乳酸樹脂水性分散化には、上記特定の界面活性剤(b)とともに、塩基性化合物として、アンモニアまたは沸点が250℃以下の有機アミン化合物(c)を併用することが必要である。塩基性化合物は樹脂を加水分解すると共に、水性化に際してポリ乳酸樹脂中のカルボキシル基を中和し、界面活性剤(b)との併用により、ポリ乳酸樹脂微粒子間の凝集を防ぎ、水性分散体としての優れた貯蔵安定性に寄与する。また、このような塩基性化合物は、被膜形成時に、加熱によって容易に揮散するため好ましい。
本発明の水性分散体の製造方法には、乳化処理速度を加速させる目的で、両親媒性の有機溶媒(d)を使用することが必要である。両親媒性の有機溶剤とは、20℃における水に対する溶解度が5g/L以上である有機溶剤をいう。特に、溶解度が10g/L以上のものを用いることが好ましい。水に対する溶解度が5g/L未満のものは、乳化処理の加速効果に乏しい。両親媒性の有機溶剤の具体例としては、テトラヒドロフラン(以下「THF」と略称する)、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−tert−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジメチルなどのエステル類、アセトニトリルなどを例示することができる。これらの溶剤は単一でも、また2種以上を混合しても使用できる。特に分散安定性が優れていることから、THFを用いることが好ましい。
(A)膨潤度:粒径1〜5mmの樹脂片を質量比で10倍量の有機溶剤中、25℃で24時間撹拌した後、樹脂片を取り出し、表面に付着した有機溶剤を拭って質量を測定して、乾燥質量との比で表す。
(B)溶解度:粒径1〜5mmの樹脂片を質量比で10倍量の有機溶剤中、25℃で24時間撹拌した後の、残存樹脂の乾燥質量あるいは樹脂溶液をエバポレートして得られた溶質成分の乾燥質量から算出する。
本発明に使用する水としては、蒸留水、イオン交換水、純水、水道水、電解水、脱イオン水など特に制限無く使用することができる。
本発明のポリ乳酸樹脂水性分散体には、水性分散体の低温造膜性および樹脂の柔軟性向上のために可塑剤(f)の使用が必要である。可塑剤(f)としては、特に限定されないが、エーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤、グリセリンエステル系可塑剤、多塩基酸エステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤、ロジンエステル系可塑剤、フタル酸誘導体系可塑剤、ポリヒドロキシカルボン酸系可塑剤などが挙げられる。エーテルエステル系可塑剤の具体例としては、ビスメチルジエチレングリコールアジペート、ビスブチルジエチレングリコールアジペート、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アジペート、トリエチレングリコールジプロピオネートなどが挙げられる。オキシ酸エステル系可塑剤の具体例としては、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチルアセテート、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチルなどが挙げられる。グリセリンエステル系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、グリセリンジオレート、グリセリントリアセテート、グリセリントリプロピオネート、グリセリントリブチレート、グリセリンジアセトモノカプリレート、グリセリンジアセトモノカプレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノミリスチレート、グリセリンジアセトモノパルミテート、グリセリンジアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレート、グリセリンジアセトモノリノレネート、グリセリンモノアセトジカプリレート、グリセリンモノアセトジカプレート、グリセリンモノアセトジラウレート、ジグリセリン酢酸エステルなどが挙げられる。多塩基酸エステル系可塑剤の具体例としては、ジメチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケートなどが挙げられる。多価アルコールエステル系可塑剤の具体例としては、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノオレイルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノオレイルエーテルなどが挙げられる。ロジンエステル系可塑剤の具体例としては、アビエチン酸メチル、アビエチン酸ジエチルグリコール、2−ヒドロアビエチン酸ジエチレングリコール、2−ヒドロキシアビエチン酸ジエチレングリコール、ロジンのモノエチレングリコールエステル、ロジンのペンタエリトリットエステルなどが挙げられる。フタル酸誘導体系可塑剤の具体例としては、エチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどが挙げられる。ポリヒドロキシカルボン酸系可塑剤の具体例としては、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトンなどが挙げられる。
(A)原料(a)〜(e)を容器中で加熱してポリ乳酸樹脂(a)を乳化する工程、
(B)可塑剤(f)を添加する工程、および、
(C)両親媒性有機溶剤(d)の一部を除去する工程
工程(A)においては、原料(a)〜(e)を容器中で加熱してポリ乳酸樹脂(a)を乳化する。この際、処理装置としては、原料を適度に撹拌でき、容器内を30℃以上に加熱できるものであればよく、公知の固/液撹拌装置または乳化装置を使用することができる。撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されない。容器を加熱・冷却する方法も特に限定されないが、加熱・冷却工程に要する時間を短縮し、しかも容器内の温度を均一にし、高度に制御できるため、容器壁にジャケットを備え付けつける方法が好ましい。容器は密閉でき、加圧できるものが好ましい。このときの圧力は、0.01〜5MPaが好ましく、0.1〜0.5MPaがより好ましい。この工程によれば、樹脂の解重合工程または有機溶剤中への樹脂の溶解工程などを経なくともポリ乳酸樹脂を良好に乳化することができる。
工程(B)においては、工程(A)で得られたポリ乳酸樹脂の乳化された分散液に対して、可塑剤(f)を添加する。可塑剤(f)は、熱分解を抑制するために工程(A)が終了した後に添加される。可塑剤を添加する際の温度は、特に限定されず、使用する装置の設備上、操作上の観点から適宜設定すればよいが、10〜50℃が好ましく、可塑剤の熱分解を抑制するためには20〜40℃がより好ましく、後の脱溶剤工程への移行を考慮すると30〜40℃が特に好ましい。
工程(C)において、水性分散体中の両親媒性有機溶剤(d)は、その一部または全てを脱溶剤工程で系外へ留去させる。脱溶剤方法としては、常圧または減圧下で水性分散体を攪拌しながら加熱し、有機溶剤を留去する方法を挙げることができるが、その際の加熱温度はポリ乳酸樹脂のガラス転移点以下でなければならないため、減圧下で有機溶剤を留去する方法が好ましい。加熱温度は、具体的には、10〜55℃が好ましく、30〜45℃がより好ましい。10℃以下では有機溶剤の留去に時間がかかり、55℃を超えると樹脂粒子が凝集する場合がある。このとき、有機溶剤または水が留去されることにより、固形分濃度が高くなり、粘度が上昇し作業性が悪くなるような場合には、予め水性分散体に水を添加してもよい。
GPC分析(島津製作所製、溶媒:THF、屈折率分光計、ポリスチレン換算)より重量平均分子量を求めた。
界面活性剤10g(S)に無水フタル酸のピリジン溶液を25ml加え、沸騰水浴中で2時間加熱したのち室温まで冷却し、フェノールフタレインのピリジン溶液(1w/v%)を指示薬として1/2Nの水酸化ナトリウム溶液で滴定を行い、中和に消費された水酸化ナトリウム溶液の液量(ml)をA、同様に界面活性剤を含まない系の滴定も行い、その中和に消費された水酸化ナトリウム溶液の液量(ml)をBとし、各数値を下記式(1)に当てはめることにより、水酸基価(H)を算出した。なお、無水フタル酸のピリジン溶液は、ピリジン300mlに無水フタル酸42gを完全溶解させ、70℃で2時間熟成したものを用いた。
H=28.05×(B−A)×f/S (1)
(式中、fは水酸化ナトリウム溶液のファクターである。)
次いで、式(1)によって得た水酸基価Hを用いて、下記式(2)により、界面活性剤の数平均分子量(M)を求めた。
M=56.1×1000×2/H (2)
ポリ乳酸樹脂0.5g(C)を50mlの1,4−ジオキサン:蒸留水=9:1の溶液に加え、1時間加熱還流したのち室温まで冷却し、クレゾールレッドを指示薬として水酸化カリウムのメタノール溶液で滴定を行い、中和に消費された水酸化カリウム溶液の液量(ml)をD、同様にポリ乳酸を含まない系の滴定も行い、その中和に消費された水酸化カリウム溶液の液量(ml)をEとし、各数値を用いて下記式(3)により酸価を求めた。
酸価=5.61×(D−E)×F/C (3)
(式中、Fは水酸化カリウム溶液のファクターである。)
樹脂10mgをサンプルとし、示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製、DSC7)を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、求めた。
樹脂10mgをサンプルとし、顕微鏡用加熱(冷却)装置ヒートステージ(リンカム社製、Heating-Freezing ATAGE TH-600型)を備えた顕微鏡を用いて、昇温速度20℃/分の条件で測定を行い、樹脂が溶融した温度を軟化点とした。
作成された水性分散体を適量秤量し、これを100℃以上で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、恒量後の質量より固形分濃度を求めた。
粒度分布測定装置(日機装社製、MICROTRAC UPA150)を用いて測定し、数平均粒子径で評価した。
Hewlett Packard社製、ガスクロマトグラフHP-6890 Series GC System[FID検出器使用、キャリアーガス:ヘリウム、カラム:β-Dex 325 キャピラリーカラム スペルコ ♯24308 キラルカラム、カラムサイズ:直径0.25mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):300℃、オーブンプログラム:90℃(3min)−(50℃/min)−220℃(1min)]を用い、樹脂をアルカリ加水分解により乳酸にした後、メタノールによりメチルラクチレート化したものを装置内に投入して、D−乳酸含有率を求めた。
ポリ乳酸樹脂水性分散体を室温(20℃)で放置し、固化・凝集などの状態が観察されるまでの日数で評価した。30日以上固化・凝集が観測されなかったものは合格とし、貯蔵安定性に優れていると判断した。
2軸延伸PLAフィルム(ユニチカ製、テラマックフィルムTFE−25 厚み25μm)のコロナ処理面にポリ乳酸樹脂水性分散体を乾燥後のコート膜厚が2μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、140℃で1分間乾燥させてコートフィルムを作製した。このようにして作製したコートフィルムの表面を塗膜の状態を目視で評価した。
〇:フィルム表面にコートされていない部分なし
×:フィルム表面にコートされていない部分あり
JIS K7105に準じて、日本電色工業株式会社製のNDH2000「濁度、曇り度計」を用いて「ヘーズ(%)」を測定した。ヘーズが3.5%の2軸延伸PLAフィルム(ユニチカ製、テラマックフィルムTFE−25 厚み25μm)のコロナ処理面にポリ乳酸樹脂水性分散体を乾燥後のコート膜厚が2μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、50℃で5分間乾燥させてコートフィルムを作製した。このようにして作製したコートフィルム全体のヘーズを測定した。20.0%以下を合格とし、低温造膜性に優れていると判断した。
2軸延伸PLAフィルム(ユニチカ製、テラマックフィルムTFE−25 厚み25μm)のコロナ処理面にポリ乳酸樹脂水性分散体を乾燥後のコート膜厚が1μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、140℃で1分間、乾燥させた。得られたコートフィルムは室温で1日放置後、評価した。塗膜を水で濡らした布で数回擦り、塗膜の状態を目視で評価した。
〇:塗膜に溶解または曇りのいずれも認められない
×:塗膜に溶解または曇りのいずれかが認められる
乳化したポリ乳酸樹脂水性分散体490gを1Lのナスフラスコに入れ、ロータリーエバポレーターに設置し、40℃の湯浴に浸しながらアスピレーターにより減圧(最高90mmHg程度)し、98gの揮発成分(理論量のTHF含有量)が除去されるまでの時間を脱溶剤所要時間とした。泡がフラスコの口付近まで上昇した際には減圧を解除することで内容物が溢れ出すのを防ぎ、その間の時間も脱溶剤所要時間とした。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットルガラス容器を備えた撹拌機を用いて、100.0gのポリ乳酸樹脂(A)(6300D、カーギルダウ製)、7.0gの界面活性剤(アデカプルロニック P−85、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤、数平均分子量:4,600、曇点:75℃、界面活性剤中のエチレンオキシド:50質量%、旭電化工業株式会社製)、5g(樹脂中のカルボキシル基に対して13.3倍当量)のTEA、両親媒性有機溶剤として100.0gのTHF及び278.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を600rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、ヒーターの電源を入れ加熱した。
そして系内温度を80℃に保って75分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度600rpmのまま攪拌しつつ35℃まで冷却した後、10gの可塑剤(クエン酸トリブチルアセテート(以下「ATBC」と略称する)、田岡化学工業株式会社製)を添加し、回転速度200rpmでさらに5分間撹拌して、乳白色の均一なポリ乳酸樹脂水性分散体を得た。得られた水性分散体から理論量のTHFを留去後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリ乳酸樹脂水性分散体を得た。水性分散体の評価結果を表2に示した。
ATBCの添加量を20g、水の添加量を268.0とした以外は、実施例1と同様の操作を行って乳白色の均一なポリ乳酸樹脂水性分散体を得た。得られた水性分散体の評価結果を表2に示す。
可塑剤としてATBCの代わりにジグリセリン酢酸エステル(リケマールPL−710(以下「PL−710」と略称する)、理研ビタミン株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って乳白色の均一なポリ乳酸樹脂水性分散体を得た。得られた水性分散体の評価結果を表2に示す。
可塑剤としてATBCの代わりにグリセリンジアセトモノカプリレート(リケマールPL−019(以下「PL−019」と略称する)、理研ビタミン株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って乳白色の均一なポリ乳酸樹脂水性分散体を得た。得られた水性分散体の評価結果を表2に示す。
可塑剤としてATBCの代わりにビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アジペート(MXA(以下「MXA」と略称する)、大八株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って乳白色の均一なポリ乳酸樹脂水性分散体を得た。得られた水性分散体の評価結果を表2に示す。
ATBCを加えず、水の添加量を288gとした以外は、実施例1と同様な操作を行って乳白色の均一なポリ乳酸樹脂水分散体を得た。得られた水性分散体の評価結果を表2に示す。
比較例1と同様にしてポリ乳酸樹脂水性分散体を得た後、そのポリ乳酸樹脂水性分散体(樹脂固形分=25.0wt%)200gにATBCを5g添加してポリ乳酸樹脂水性分散体を得た。得られた水性分散体の評価結果を表2に示す。
可塑剤を各原料と同時に加えた以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸樹脂水性分散体を得た。得られた水性分散体の評価結果を表2に示す。
Claims (8)
- (a)ポリ乳酸樹脂、
(b)ポリ乳酸樹脂(a)に対して1〜30質量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤、
(c)ポリ乳酸樹脂(a)のカルボキシル基に対して5〜30倍当量のアンモニアまたは沸点250℃以下の有機アミン化合物、
(d)原料(a)〜(f)の総質量に対して5〜40質量%の両親媒性有機溶剤、
(e)水、および
(f)ポリ乳酸樹脂(a)に対して1〜50質量%の可塑剤
を原料とし、
(A)原料(a)〜(e)を容器中で加熱してポリ乳酸樹脂(a)を乳化する工程、
(B)可塑剤(f)を添加する工程、および、
(C)両親媒性有機溶剤(d)を除去する工程
からなるポリ乳酸樹脂水性分散体の製造方法。 - 可塑剤(f)がエーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤またはグリセリンエステル系可塑剤である請求項1記載のポリ乳酸樹脂水性分散体の製造方法。
- ポリ乳酸樹脂(a)のD−乳酸含有率が1.5〜25モル%である請求項1記載のポリ乳酸樹脂水性分散体の製造方法。
- ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー系界面活性剤(b)の数平均分子量が3,500〜20,000である請求項1記載のポリ乳酸樹脂水性分散体の製造方法。
- アンモニアまたは沸点250℃以下の有機アミン化合物(c)が、トリエチルアミンである請求項1記載のポリ乳酸樹脂水性分散体の製造方法。
- 両親媒性有機溶剤(d)が、テトラヒドロフランである請求項1記載のポリ乳酸樹脂水性分散体の製造方法。
- 請求項1〜6いずれかの製造方法によって得られるポリ乳酸樹脂水性分散体。
- ポリ乳酸の平均分散粒子径が0.5μm以下である請求項7記載のポリ乳酸樹脂水性分散体。
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