JP2006089324A - 垂直に配向したカーボンナノチューブの簡易に合成する方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】簡便な装置を用い、安価な原料から基板にほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブを合成することを目的とする。
【構成】カーボンナノチューブを合成する装置は電気炉、スプレーノズル、バブラー、油を入れるフラスコから構成される。原料としてはフェロセンを少量混合したテレピン油を用い、窒素圧によって基板にスプレー状に噴射した。
【選択図】 図1
【構成】カーボンナノチューブを合成する装置は電気炉、スプレーノズル、バブラー、油を入れるフラスコから構成される。原料としてはフェロセンを少量混合したテレピン油を用い、窒素圧によって基板にスプレー状に噴射した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、安価、簡便な方法で、基板に垂直に配向したカーボンナノチューブを合成する方法である。
カーボンナノチューブはフィールドエミッター、トランジスタ、センサー、水素吸蔵、導電性プラスチック、燃料電池、太陽電池等多くの応用が研究されている。特に垂直に配向したカーボンナノチューブはフィールドエミッター等の電子デバイスに適している。
現在基板に垂直に配向したカーボンナノチューブの合成方法としては、メタン等の気体原料を用いたCVD法、グラファイト等固体原料を用いたアーク法やレーザアブレーション法が一般的である。しかし、原料コストや装置コストが高く、基板に垂直に配向したカーボンナノチューブを得ることは高価な装置が必要となる。
しかし、将来基板に垂直に配向したカーボンナノチューブが大面積で大量に必要とされるようになると、安価な合成法が必要となる。また、環境面にも配慮して、自然界に存在する天然の原料やリサイクル原料の利用も必要となるであろう。また、大気に放出される二酸化炭素削減の観点からも現在燃焼されている各種油をカーボンナノチューブの形で固定するのは必要である。
特開2004−256373号公報
特開2004−259662号公報
現在、基板に垂直に配向したカーボンナノチューブの合成には高価な原料、高価な装置を用いるため、基板に垂直に配向したカーボンナノチューブの作製は高価であるという問題がある。
この改善策として、本発明は安価な油を原料に用いて簡便な装置でカーボンナノチューブを合成した。油は液体であるので、漏れの心配が少なく、また、合成中に真空を必要としないために、装置が簡素化される。また、原料の油として、天然に存在する植物油やプラスチック等からの廃油を利用できるので、原料の心配が無く環境にやさしい。図1はカーボンナノチューブの合成装置である。装置は電気炉、バブラー、スプレーノズル、及び原料である油を入れるフラスコで構成される。カーボンナノチューブの合成には真空を用いず、また、原料は液体でありガス漏れの心配がないため、装置は簡略化される。
解決しようとする問題点は、このような簡単な装置を使って天然の原料を用いることにより、安価で簡便に基板に垂直に配向したカーボンナノチューブを提供できる点にある。
本発明は、Fe, Co, Niの元素を少量添加した植物から合成される天然油、プラスチックの廃油等の油を600〜1000℃の温度雰囲気に置かれた基板にスプレーするという簡便な方法で基板に垂直なカーボンナノチューブを合成することを可能にした。
図1はカーボンナノチューブを合成する装置の概略である。電気炉、スプレーノズル、バブラー、油を入れるフラスコから構成される。
原料としては松の油から抽出されるテレピン油にフェロセン(Fe(C2H5)2)を少量(2重量%)添加した液体を窒素圧によってシリコン基板にスプレー状に噴射した。
電気炉内の温度を700℃に設定した後、スプレーを行った。
シリコン基板にほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブが得られた。得られたカーボンナノチューブの走査電子顕微鏡写真を図2に示す。カーボンナノチューブは単層ナノチューブと多層ナノチューブの混在であった。
この実験はテレピン油を用いた結果であるが、ユーカリ油、菜種油、コーン油、菜の花油等他の天然油でも基板にほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブが合成できた。また、プラスチックのリサイクル油、使用済み天ぷら油等リサイクル油でも基板にほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブが生成できた。この実験はシリコンを基板として用いたが、石英ガラス上にも配向したカーボンナノチューブが得られた。その他、本技術を使えば様々な油を原料にして基板にほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブが生成可能となり、従来燃焼によって大気中に排出されていた油を固定化することができ、二酸化炭素排出ガスの削減にも貢献できる。
この実験はテレピン油を用いた結果であるが、ユーカリ油、菜種油、コーン油、菜の花油等他の天然油でも基板にほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブが合成できた。また、プラスチックのリサイクル油、使用済み天ぷら油等リサイクル油でも基板にほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブが生成できた。この実験はシリコンを基板として用いたが、石英ガラス上にも配向したカーボンナノチューブが得られた。その他、本技術を使えば様々な油を原料にして基板にほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブが生成可能となり、従来燃焼によって大気中に排出されていた油を固定化することができ、二酸化炭素排出ガスの削減にも貢献できる。
本方法は、装置が安価である、原料が安価である、原料として天然資源やリサイクル原料が利用できる等の特徴があり、簡便で安価な方法で基板にほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブを合成することが可能である。
得られたカーボンナノチューブはフィールドエミッター、トランジスタ、センサー、水素吸蔵、導電性プラスチック、燃料電池、太陽電池等様々な応用が可能となる。特に基板に垂直であることを利用して新たな応用も考えられる。
Claims (6)
- 金属を含む油を一定の温度に制御した雰囲気に置かれた基板上にスプレーすることにより、基板に垂直に配向したカーボンナノチューブを合成する方法。
- 植物から合成される天然油、動物油、プラスチックの廃油等の油に金属元素を混合し、一定の温度に制御した雰囲気に置かれた基板にスプレーすることにより、基板に垂直配向したカーボンナノチューブを合成する方法。
- 請求項1又は請求項2における一定の温度として600〜1000℃の温度を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーボンナノチューブを合成する方法。
- 油に入れる金属として、ニッケル、コバルト、鉄、及びこれらの金属を含む化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブを合成する方法。
- 天然油として、テレピン油、ユーカリ油、菜種油、コーン油、菜の花油、ひまわり油を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブを合成する方法。
- 電気炉、スプレーノズル、及び原料である油を入れるフラスコで構成されることを特徴とするカーボンナノチューブを合成する装置。
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---|---|---|---|---|
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2004
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