JP2006088202A - 機能デバイス、プローブおよびそれを用いた走査プローブ顕微鏡、ならびに、機能デバイスおよびプローブの作製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板101の主面に薄膜102を形成する工程と、FIB103を基板101の裏面から照射して、基板101の裏面から薄膜102の表面まで貫通する間隙104を形成する工程とを備える。これにより、FIB103のフレアの影響を抑制できる。
【選択図】 図1
Description
FIB加工により基板上の薄膜に微細な間隙を形成する場合、従来は図16(a)に示すように、薄膜1602の表面側からFIBを照射していた。
"Nano-four-point probes on microcantilever system fabricated by focused ion beam": M.Nagase, H.Takahashi, Y.Shirakawabe and H.Namatsu,Jpn.J.Appl.Phys.42(2003)4856-4860.
また、フレア部分のビーム照射部位が改質される結果、基板1701もなにがしかの導電性を有することになり、電極1702間の絶縁性が低下する。これは、定量的な電気抵抗等の計測には大きな障害となる。また、改質された電極1701はたとえ照射量が小さくてもコンタクト特性が悪くなる。このため、僅かの外乱要因でコンタクト抵抗が変化して電気的ノイズが発生するので、精度の高い計測を行えない。
一方、マスクパターンまたは犠牲層を用いることが可能な構造であれば、むしろ通常のリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いた方が確実であるので、FIBの直接加工という特徴を活かすには、マスクパターンまたは犠牲層を用いない手法が望ましい。
また、他の目的は、従来よりも電極間隔が短く、高精度の計測が可能なプローブを作製することにある。
この機能デバイスの作製方法は、基板の一部を裏面から所定の深さまで除去して凹部を形成する工程をさらに備え、間隙を形成する工程は、凹部内に粒子線を照射するようにしてもよい。
ここで、凹部を形成する工程は、深さが異なる複数の領域を有する凹部を形成し、間隙を形成する工程は、凹部の複数の領域に跨って粒子線を照射するようにしてもよい。この際、凹部を形成する工程は、凹部内に凸部を形成する工程を含んでいてもよい。
また、粒子線は、Gaイオンビームであってもよい。
このプローブの作製方法は、少なくとも間隙が形成される領域およびその周囲を基板の裏面から所定の深さまで除去する工程をさらに備えるようにしてもよい。
ここで、基板は、裏面に形成された凹部を備え、間隙は、凹部内に形成されているものであってもよい。さらに、凹部は、深さが異なる複数の領域を有し、間隙は、凹部の複数の領域に跨って形成され、凹部の深さが浅い領域ほど薄膜の表面における間隙の幅が狭いものであってもよい。
ここで、基板における少なくとも間隙の周囲は、裏面が所定の深さまで除去されているものであってもよい。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る機能デバイスの作製方法を説明する図である。
また、FIB加工を基板101の裏面から行うと、FIBのフレア部分が薄膜102に照射されることがないので、薄膜102が改質されその電気的特性が劣化することを防止できる。
裏面からのFIB加工で、特にビーム径程度の幅の間隙を形成する場合には、FIBのビームプロファイル(ビーム強度の面内分布)を利用した特徴的な加工が可能である。ある膜厚の構造を裏面からFIB加工した場合、表面側に形成される間隙の幅は、ビームプロファイルにしたがって、加工時間の増加と共に大きくなる。したがって、厚さの異なる領域を含む構造を同一のビーム条件で裏面からFIB加工して間隙形成を行うと、上述した性質を反映し、表面側に形成される間隙の幅が厚さに対応して変化することになる。すなわち、厚さが厚い部分では幅が狭く、薄い部分では広くなる。このような機能デバイスの作製方法を本発明の第2の実施の形態として説明する。
まず、主面が酸化膜202で被われた基板201の表面にパターン203を形成する。例えば幅1μm厚さ100nmのPt薄膜からなるラインパターンを外部との接続電極とともに形成する。なお、図2には、Ptラインのうち間隙206が形成される領域付近のみが描かれている。
従来のように、Ptラインの表面側からFIBを照射して間隙を形成する方法では、Ptラインの表面から離れるほど間隙の幅が狭くなるので、間隙の間に試料を置いてその導電性等を計測する場合には、間隙の深い方へ試料を入れる必要があった。
しかし、本実施の形態により得られる間隙206は、Ptラインの表面における幅が最も狭いので、従来のような処置は必要ない。例えば、このような構造を走査プローブ顕微鏡のプローブに形成することにより、平坦な表面上に展開したナノ材料、例えば単分子の導電性を計測することが可能となる。
本発明の第3の実施の形態は、上述した機能デバイスの作製方法を走査プローブ顕微鏡用の四探針プローブの作製に応用したものである。
図4〜図14は、本発明の第3の実施の形態に係る四探針プローブの作製方法を説明する図である。
さらに、図10に示すように、薄層化された領域901を除く電極602A,602Bの先端部の不要な部分1001A,1001Bを除去する。
また、図15に示すように、基板の裏面から電極602C1,602C2の表面まで貫通する間隙1101により電極602C1,602C2間が電気的に完全に分離される。これにより、電極602C1,602C2間の絶縁性が向上し、電極602C1,602C2間のリーク電流が小さくなるので、正確で定量的な計測が行えるようになる。
また、本実施の形態に係る四探針プローブの作製方法は、2以上の電極を有するプローブの作製に応用可能である。
また、図9に示した薄層化工程において、本実施の形態では平坦な薄層化領域としたが、第2の実施の形態と同様に薄層化領域に厚さの異なる複数の領域を設け、電極間の間隔を制御してもよい。
Claims (13)
- 基板の主面に薄膜を形成する工程と、
集束した粒子線を前記基板の裏面から照射して、前記基板の前記裏面から前記薄膜の表面まで貫通する間隙を形成する工程と
を備えることを特徴とする機能デバイスの作製方法。 - 請求項1に記載の機能デバイスの作製方法において、
前記基板の一部を裏面から所定の深さまで除去して凹部を形成する工程をさらに備え、
前記間隙を形成する工程は、前記凹部内に前記粒子線を照射することを特徴とする機能デバイスの作製方法。 - 請求項2に記載の機能デバイスの作製方法において、
前記凹部を形成する工程は、深さが異なる複数の領域を有する前記凹部を形成し、
前記間隙を形成する工程は、前記凹部の複数の領域に跨って前記粒子線を照射することを特徴とする機能デバイスの作製方法。 - 請求項3に記載の機能デバイスの作製方法において、
前記凹部を形成する工程は、前記凹部内に凸部を形成する工程を含むことを特徴とする機能デバイスの作製方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能デバイスの作製方法において、
前記粒子線は、Gaイオンビームであることを特徴とする機能デバイスの作製方法。 - 基板の主面に金属薄膜を形成する工程と、
前記金属薄膜を分割して複数の電極を形成する工程とを備え、
前記電極を形成する工程は、集束した粒子線を前記基板の裏面から照射することにより、前記基板の端から延在し前記基板の裏面から前記金属薄膜の表面まで貫通する間隙を少なくとも1つ形成する工程を含むことを特徴とするプローブの作製方法。 - 請求項6に記載のプローブの作製方法において、
少なくとも前記間隙が形成される領域およびその周囲を前記基板の前記裏面から所定の深さまで除去する工程をさらに備えることを特徴とするプローブの作製方法。 - 基板と、
この基板の主面に形成された薄膜と、
前記基板の裏面から前記薄膜の表面まで貫通し、前記薄膜の前記表面における幅が前記基板の前記裏面における幅よりも狭い間隙と
を備えることを特徴とする機能デバイス。 - 請求項8に記載の機能デバイスにおいて、
前記基板は、裏面に形成された凹部を備え、
前記間隙は、前記凹部内に形成されていることを特徴とする機能デバイス。 - 請求項9に記載の機能デバイスにおいて、
前記凹部は、深さが異なる複数の領域を有し、
前記間隙は、前記凹部の複数の領域に跨って形成され、前記凹部の深さが浅い領域ほど前記薄膜の前記表面における前記間隙の幅が狭いことを特徴とする機能デバイス。 - 端から延在し主面から裏面まで貫通する少なくとも1つの間隙により前記端から所定の長さの領域が複数に分割された基板と、
この基板の分割された前記領域の主面に形成された複数の電極とを備え、
前記間隙の少なくとも1つは、前記基板の前記主面における幅が前記基板の前記裏面における幅よりも狭いことを特徴とするプローブ。 - 請求項11に記載のプローブにおいて、
前記基板における少なくとも前記間隙の周囲は、裏面が所定の深さまで除去されていることを特徴とするプローブ。 - 複数の電極を有するプローブを物質の表面を走査させて前記物質の特性を計測する走査プローブ顕微鏡において、
前記プローブは、請求項11または12に記載されたプローブであることを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
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