JP2006088131A - ポリマー被覆強磁性粒子の製造方法及びポリマー被覆強磁性粒子 - Google Patents

ポリマー被覆強磁性粒子の製造方法及びポリマー被覆強磁性粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】 強磁性を有する微小粒子が凝集しやすいため、単分散に近い状態まで分散されポリマー被覆されたポリマー被覆強磁性得ることが難しいという問題点を解決し、ポリマー被覆強磁性得る。
【解決手段】 親水性の強磁性粒子に疎水化物質を吸着させて疎水化し、これに非イオン性の親水基を有する界面活性剤を用いることによりイオン強度を抑えて親水化し分散液を得る一方、モノマー液の乳化には非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とを用い、これらを混合し乳化重合を行なうことにより、よく分散された強磁性粒子に均一で安定なポリマー被覆がなされ、磁界に対する応答の良好なポリマー被覆強磁性粒子を得た。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリマーによる被覆が良好であるとともに磁界に対する応答の良好なポリマー被覆強磁性粒子の製造方法、ポリマー被覆強磁性粒子、およびポリマー被覆強磁性粒子の用途に関する。
フェライトなどバルクの状態で強磁性を示す物質では、その形状が粒子状である場合には、粒子サイズが極めて小さくなると超常磁性を示し強磁性を示さないが、粒子サイズがある大きさ以上になると強磁性を示し、磁気的な吸引力により凝集塊を形成しやすくなる。凝集塊が形成されると、実効的な粒子の径が大きくなり、また流体中に分散した粒子の分散状態が不安定になるなど、粒子として使用する際にさまざまな不都合が生じることになる。そこで強磁性粒子が凝集塊を形成するのを避けるために、強磁性粒子にポリマーを被覆し、磁気的な吸引力に対し立体障害を与えたり、ポリマーの有する官能基の間の静電反発を利用するなどの方法で、強磁性粒子間の凝集力を弱めた状態にした上で使用することが多く行われている。このようにポリマーで被覆された強磁性粒子は、例えば電子写真トナーの磁性キャリヤをはじめ、磁性コロイド、磁性インク、磁性塗料などへの応用例を挙げることができ、さらに成型されてプラスティック磁石として用いられるなど、多くの工業分野で幅広く利用されている。また近年では生物科学や医療の分野において、ポリマー被覆のフェライト粒子など、ポリマーで被覆された強磁性粒子の応用の重要性が高まってきた。
本発明者らは、これまでにポリマー粒子とフェライト微粒子とを結合し複合化した微粒子(特許文献1:特開2002−090366号公報)を開発し、さらに有機物質とフェライトとを直接結合させたフェライト結合有機物質(特許文献2:WO 03/066644 A1公報)を開発し、特定の薬物に対する受容体の精製・同定などの用途において、多くの望ましい性質が得られることを示してきた。
このような研究に関連した研究として、ポリマー微粒子にフェライトを結合させることによって磁性を付与したポリマー微粒子とその応用に関する研究が、例えばScientific and Clinical Applications of Magnetic Carriers, Plenum Press 1997(非特許文献1)に記載されている。
またフェライト粒子などの無機物の微粒子をポリマーで被覆し、その被覆に生物学的分子または化学的分子と反応可能な官能基を導入し、この官能基に生物学的分子または化学的分子を結合させ、その分子の特異的相互作用を利用し、特定の生体物質の検出や分離精製などに用いることについて、例えば特許公表2003−513093号公報(特許文献3)に記載されている。
ポリマー被覆強磁性粒子における強磁性粒子としてフェライト粒子が用いられる場合の粒子径は、液体中においてコロイド状に分散した状態を保つことができる程度の大きさであること、例えば数100nm以下と微小であることが望まれる。他方で磁界を用いた操作によく応答する磁性を有していることが望まれ、このためには粒子の単位体積あたりの磁化が著しく小さくなってしまうほどには微細でないこと、例えば30nm以上の平均粒径を有することが望まれる。ここにフェライト粒子の微細化に伴う磁化の減少は、フェライト粒子の表面には強磁性を持たない表面層が存在するので、粒子径が小さくなると、強磁性を持たない表面層の比率が増大し、単位体積あたりの磁化が急激に減少してしまうこと、および微小粒径では、磁気的に単磁区構造を示すようになるとともに、熱ゆらぎにより容易に磁化の方向が変動する超常磁性を示すようになることによる。
またポリマー被覆強磁性粒子の上記各用途においては、強磁性粒子の表面がポリマーで完全に被覆されていることが望まれる。またポリマーの被覆は、使用中に損なわれることがないよう、ポリマー被覆は物理的および化学的に安定であることが望まれ、さらにポリマーとフェライトとの結合が強固であることが望まれている。
磁気的な操作に対する応答が良好なポリマー被覆強磁性粒子を得るには、被覆される強磁性粒子が比較的大きな磁化を有するように比較的大きい平均粒径を選択することが望まれる。しかしながら、強磁性粒子が比較的大きな磁化を有している場合には、粒子間の磁気的な凝集力が強いため、強磁性粒子をよく分散することが困難であり、このためよく分散された強磁性粒子をそれぞれポリマーで被覆した微細なポリマー被覆強磁性粒子を得ることが困難であるという問題点があった。
強磁性粒子がフェライト粒子である場合の例について述べると、フェライト粒子が十分な磁化を有するには、粒径が20nm以上であり、より好ましくは30nm以上であり、その一方で粒径が30nm以上になると、粒子間の磁気的な凝集力が強くなり、これらのフェライト粒子の分散が困難となり、よく分散されたフェライト粒子がそれぞれポリマー被覆された微細なポリマー被覆フェライト粒子を得ることは困難であった。このため、従来のポリマー被覆フェライト粒子は、粒子径が10nm程度以下のフェライト粒子の凝集体をまとめてポリマー被覆した粒子サイズの比較的大きなポリマー被覆フェライト粒子と、ポリマー被覆フェライトとして微細ではあるものの、上記のような粒子径の微小さに伴い、磁化が小さく磁気的な凝集力の小さい粒子をポリマー被覆しているため、磁界に対する応答の小さいポリマー被覆フェライト粒子が知られているだけであった。
特開2002−090366号公報 WO 03/066644 A1公報 特許公表2003−513093号公報 Scientific and Clinical Applications of Magnetic Carriers, Plenum Press 1997
本発明は上記した粒子間に強い磁気的な凝集力を示す強磁性粒子の分散とポリマー被覆についての従来技術の問題点を解決し、微細で磁界に対する応答性の良好なポリマー被覆強磁性粒子を得るポリマー被覆強磁性粒子の製造方法を提供し、またポリマー被覆を有し分散性が良好であり、磁界に対する応答性の良好な強磁性粒子を提供する。
本発明のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法は、平均粒径が20〜300nmの親水性の強磁性粒子に、親水基と疎水基とを有し親水性粒子を疎水化する疎水化物質の親水基を吸着させて疎水化し、疎水化磁性粒子を得る疎水化工程と、この疎水化強磁性粒子に、非イオン性の親水基を有する界面活性剤およびモノマー液を水とともに混合し乳化して乳化液を得る乳化工程と、この乳化液に開始剤を添加しラジカル付加重合により乳化重合を行なう乳化重合工程とを備えたことを特徴とする。
本発明者らは鋭意研究を進めた結果、強磁性粒子を界面活性物質などの疎水化物質を吸着させて疎水化した後、この疎水化された強磁性粒子とモノマー液とを、非イオン性の親水基を有する界面活性剤とともに水中にて混合して乳化して乳化液を形成し、この乳化液を乳化重合することにより、強磁性粒子の平均粒径が20nm以上で強磁性を示し、磁気的な凝集力を有するものであっても、強磁性粒子がよく分散されてポリマー被覆されたポリマー被覆強磁性粒子を得ることができることを見出し、本発明に到達することができた。この方法によれば、例えば親水性の強磁性粒子がフェライト粒子の場合、フェライト粒子の平均粒径が30nm以上であっても、よく分散されたフェライト粒子がポリマー被覆されたポリマー被覆フェライト粒子が形成できることがわかった。他方、強磁性粒子の平均粒径が300nmを超えると、乳化の際の強磁性粒子の性質が著しく変化することから、本発明の製造方法は、300nm以下の強磁性粒子のポリマー被覆に適していることがわかった。なお、上記モノマー液は、モノマー自体が液状のものであってもよいし、モノマーを有機溶剤に溶解して液状にしたものであってもよい。また開始剤などを加えたモノマーミックスであってもよい。
本発明においては、上記界面活性剤には、非イオン性界面活性剤を用いることができるが、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とを組み合せて用いることにより、特に優れた結果を得ることができることがわかった。
本発明のポリマー被覆強磁性粒子は、上記した製造工程により製造されたことを特徴とするポリマー被覆強磁性粒子である。また本発明のポリマー被覆強磁性粒子は、平均粒径20〜300nmの強磁性で親水性のフェライト粒子と、親水基と疎水基とを有しこの親水基がこのフェライト粒子に吸着しこのフェライト粒子を疎水化している疎水化物質と、この疎水化物質に吸着し疎水化されたフェライト粒子を被覆しているポリマーとを備え、平均粒径が25〜400nmであることを特徴とするものであってもよい。
本発明の有機溶剤中使用のポリマー被覆強磁性粒子は、上記ポリマー被覆強磁性粒子で構成され、耐有機溶剤性を備えていることを特徴とする。また本発明のコンビナトリアルケミストリ用磁性固相担体、たんぱく質、ペプチド、核酸 および薬剤からなる化学物質の群の少なくともいずれかのアフィニティクロマトグラフィ用磁性担体、およびペプチドまたは核酸の化学合成用磁性固相担体は、こうした有機溶剤中使用のポリマー被覆強磁性粒子を担体として用いることを特徴とする。
こうした構成のコンビナトリアルケミストリ用磁性固相担体、アフィニティクロマトグラフィ用磁性担体および化学合成用磁性固相担体は、微小サイズでありながら、メタノール、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、アセトン、ジエチルエーテル、トルエン、クロロホルムおよびヘキサンなどの有機溶剤に浸漬しても、ポリマー被覆層が有機溶剤に溶解せず、またポリマー被覆層が強磁性粒子から脱離しない耐有機溶剤性を持ち、ポリマー被覆の状態が安定に保たれるという顕著な性質を有することができる。こうした耐有機溶剤性を有し磁性を有することにより、有機溶剤中での磁気分離が可能であるという利点を有することができる。このため、これら担体を用い、コンビナトリアルケミストリやアフィニティクロマトグラフィ、化学合成などにおいて分離操作を安定かつ迅速に行なうことができる。
本発明により、粒子サイズの比較的大きい強磁性粒子が強い凝集力を示し凝集し易いため分散が困難であるという問題点が解決され、フェライト粒子などの強磁性粒子を単分散またはこれに近い状態にまで十分に分散し、これに均一で安定したポリマー被覆を行なうことができるようになった。本発明によって得られるポリマー被覆強磁性粒子は、粒径が非常に小さく、安定なポリマー被覆を有し、しかも磁界に対する応答が良好であることから、生物科学および医療分野においてこの特徴を生かしたさまざまな応用が可能である。また各種工業分野においては、磁気応答性が良好でしかも安定性の高いという特徴により、例えば磁性コロイド、磁性インクおよび磁性塗料などにおける著しい特性向上を得ることができる。
次に本発明の実施の形態について、図を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の記載は本発明の具体的な実施の形態を例示するものであって、本発明を規定するものではない。
(1)強磁性粒子のポリマー被覆工程
図1は本発明に係るポリマー被覆強磁性粒子の製造方法の一実施形態を示した流れ図である。図1の疎水化工程100において、まず強磁性粒子110に対し、例えば脂肪酸のアルカリ水溶液などの疎水化物質120の水溶液を添加し吸着させて疎水化強磁性粒子130を得る。
次の乳化工程200において、この疎水化強磁性粒子130に、親水基として例えばポリエチレンオキシド(PEO)鎖などの非イオン性の親水基を有する非イオン性界面活性剤と、例えば第1級アミンなどの陽イオン性親水基またはカルボキシル基などの陰イオン性親水基を有するイオン性界面活性剤を有する界面活性剤211を混合し、これに例えばスチレンやグリシジルメタクリレート(GMA)など、ラジカル付加重合可能な官能基を有するモノマーに必要に応じて有機溶剤を加えて液状にしたモノマー液221を添加し、水250を必要量添加して、乳化重合によりポリマー被覆強磁性粒子が形成されるように調整することによって特に良好な結果が得られる。モノマー液には必要に応じ例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などの疎水性開始剤230を添加する。またこのモノマー液221には、必要に応じ例えばジビニルベンゼンなどの架橋剤を添加する。またこれらの混合物には必要に応じ適量の水250を添加する。これらの混合物を混合し乳化することにより、モノマー液と強磁性粒子とを含有する乳化液260を得る。この乳化工程200における乳化には、液に超音波振動240を与えるソニケーションが有用である。
次の乳化重合工程300において、乳化液260にソニケーションを行った後、100℃以下、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃に加熱し、続いて親水性の開始剤を添加し、乳化重合によりモノマーを重合させる。この乳化重合工程では、乳化粒子の内部のモノマー、外部のモノマーおよび異なる乳化粒子のモノマー間でさまざまに相互作用を生じながら、モノマーの重合が進行するものと推察される。この際の重合時間は任意に設定でき、例えば24時間程度の時間をかけて重合を行なわせることができる。
重合を終えた乳化粒子は、界面活性剤を洗浄して除去することにより、ポリマー被覆強磁性粒子を得る。
上記した図1における乳化工程200は、図2に示したように、再親水化工程210とモノマー添加混合工程220の2工程に分けて順次行なうことができる。
すなわち、まず図2の再親水化工程210において、疎水化強磁性粒子130に非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とを有する界面活性剤211を添加して吸着させ、必要に応じて適量の水250を加えて分散することにより、再親水化強磁性粒子212の分散液を得る。次にモノマー添加混合工程220にて、この再親水化強磁性粒子212の分散液に、上記モノマー液221を添加混合し、乳化して乳化液260を得る構成とすることができる。これらの各工程には、液に超音波振動240を与えるソニケーションを用いることができる。
このようにして乳化した乳化液260を、乳化重合工程にて乳化重合を行うことにより、疎水化強磁性粒子130の個々の粒子に対し、良好なポリマー被覆を有するポリマー被覆強磁性粒子が得られる。
また図2に示された再親水化工程210は、さらに図3に示したように、疎水化強磁性粒子130に非イオン性界面活性剤213を添加し吸着させて第1の再親水化強磁性粒子202を得る第1の再親水化工程203と、この第1の再親水化強磁性粒子202にイオン性界面活性剤214を添加し吸着させて第2の再親水化強磁性粒子204を得る第2の再親水化工程205の2段階にて再親水化を行なうことがさらに好ましい。
このようにすることによって、再親水化強磁性粒子の分散を高めることができ、またその分散状態の安定性を得ることができる。このようにして得た親水化強磁性粒子を用いた乳化液260を乳化重合するこにより、強磁性粒子の分散がさらに良好であるとともに、被覆が良好であり、粒径分布のシャープなポリマー被覆強磁性粒子を得ることができる。
また図1に示した乳化工程200は、図4の(a)に示したような構成とすることができる。図4(a)の乳化工程200では、再親水化工程210にて、疎水化強磁性粒子130に非イオン性の親水基を有する界面活性剤213の水溶液を加えて再親水化することにより、再親水化強磁性粒子の分散液212を得る。他方、モノマー乳化工程222にて、上記モノマー液221に非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤の水溶液211を加え、必要に応じさらに水250を加えて混合して乳化し、モノマー乳化液223を得る。次に混合工程224にて、これら再親水化強磁性粒子の分散液212とモノマー液の乳化液223とを混合し乳化液260を得る構成とすることができる。これらの各工程には、液に超音波振動240を与えるソニケーションを用いることができる。
このようにして乳化した乳化液260を乳化重合することにより、疎水化強磁性粒子130の各々の粒子に対するポリマー被覆が良好で、かつ分散の良好なポリマー被覆強磁性粒子を得ることができる。
また図4(b)に示したように、乳化工程200において、疎水化強磁性粒子130の再親水化工程210には図4(a)の場合と同様に非イオン性界面活性剤213を用いる一方で、モノマー液221の乳化に用いる界面活性剤にはイオン性界面活性剤214を用いることができる。このようにして乳化した乳化液260を乳化重合することにより、疎水化強磁性粒子130の各々の粒子に対するポリマー被覆および分散がさらに良好なポリマー被覆強磁性粒子を得ることができる。
図5および図6は、上述した強磁性粒子のポリマー被覆の一実施形態の過程を模式的に示した図である。
まず、図5(a)に示した親水性の強磁性粒子110を、同図(b)に示したように脂肪酸のような疎水化物質120で処理し、親水性の強磁性粒子110に疎水化物質120の親水基を吸着させることにより、粒子表面が疎水化物質120によって疎水化された疎水化強磁性粒子130を得る。
この疎水化強磁性粒子130を、非イオン性界面活性剤の水溶液213に浸漬し分散することにより、図5(c)に模式的に示したような再親水化された再親水化強磁性粒子202が水中に分散した分散液を得る。
次に図5(c)に示したように、再親水化された再親水化強磁性粒子202を分散した再親水化強磁性粒子の分散液と、同図(d)に示した乳化液、すなわち非イオン性界面活性剤213とイオン性の界面活性剤214を用い、水を連続相とするモノマー液221の乳化液とを混合し、これに超音波振動を与えてソニケーションをして乳化液を得た後、この乳化液を加熱し温度を50〜90℃、より好ましくは60〜80℃に昇温し、開始剤を添加混合して乳化重合を行うことにより、同図(e)に示した乳化重合粒子300aを得る。こうして乳化重合を行った乳化重合粒子300aから、非イオン性界面活性剤213およびイオン性界面活性剤214を洗浄により除去し、図6(d)に模式的に示したポリマー被覆360aによって被覆されたポリマー被覆強磁性粒子360を得る。こうすることによって、強磁性粒子の分散が良好であるとともに、ポリマー被覆が良好であり、粒径分布のシャープなポリマー被覆強磁性粒子を得ることができる。
また図6に示したように、図5(b)に示した疎水化強磁性粒子130の再親水化には図6(a)に示したように非イオン性界面活性剤の水溶液213を用いる一方で、モノマー液221の乳化には図6(a)に示したようにイオン性の親水基を有する界面活性剤214を用いてモノマー液の乳化液を得て、この乳化液を加熱し開始剤を添加混合することにより乳化重合を行うことができる。こうすることによって、強磁性粒子の分散およびポリマー被覆360aがさらに良好であり、また粒径分布のシャープなポリマー被覆強磁性粒子360を得ることができる。
(2)強磁性粒子
本発明における強磁性粒子には、マグネタイト(Fe)、マグへマイト(γ−Fe)およびこれらの中間体を用いることができる。このほか、これらのFeを一部置換して、Li、Mg、Mn、Co、Ni、CuおよびZnなどの各種元素を含有させることにより、その特性を目的に応じて適正に制御したフェライト粒子を用いることができる。例えばマグネタイトなどのフェライトのFeの一部をMnやZnで置換することにより、より高い飽和磁化を得ることができる。またフェライトの代わりに、強磁性を有するFe,CoおよびNiなどの金属や金属合金、金属間化合物の微粒子を用いることができる。金属や金属合金、金属間化合物を用いる場合には、体積あたりの飽和磁化の大きくすることができる。また強磁性を有する無機化合物を用い、その特徴を生かすことができる。これらの微粒子を用いる場合には、磁性粒子の耐食性を確保することが重要である。例えば、Fe金属の微粒子を用いる場合には、表面がマグネタイトのような安定な酸化物で完全に被覆されているFe微粒子が好ましい。このようなFe微粒子はマグネタイトと同様にしてポリマー被覆を行なうことができる。
ポリマー被覆された強磁性粒子が、磁石により吸引するなどの磁気的な操作が容易であるためには、被覆される粒子が使用される温度で強磁性を示すことが望ましい。例えば強磁性粒子がフェライト粒子である場合には、フェライト粒子の平均粒径が30nm以上であることが好ましい。他方でポリマー被覆されたフェライト粒子の分散液が分散安定性を確保する上からは、フェライト粒子の平均粒径は300nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。ここに本発明において、フェライト粒子の平均粒径は、フェライト粒子の透過型電子顕微鏡像から、500個の粒子を無作為に選んで粒子径を計測し、これを算術平均して得た値である。
(3)疎水化物質
本発明において、親水性の強磁性粒子を疎水化する疎水化物質には、強磁性の表面によく吸着して強磁性粒子を疎水化するとともに、水などで簡単に脱離することがなく吸着状態が安定に保たれる物質を用いることが好ましい。そのような物質として、例えば脂肪酸や脂質のように、親水基にカルボキシル基やリン酸基のような強い吸着を示す物質が好ましい。脂肪酸の場合は、アルカリ溶液に溶解した脂肪酸の水溶液を強磁性粒子に接触させながらpHを調整することにより、強磁性粒子に脂肪酸を吸着させることができる。
また上記の疎水化物質は、ラジカル重合可能な官能基を有していることが好ましい。疎水化物質がラジカル重合可能な官能基を有していることにより、疎水化物質とラジカル重合性モノマーとの共重合が得られるので、強磁性粒子の表面および表面近傍でモノマーが重合することにより、強磁性粒子をよく被覆した安定なポリマー被覆が形成される。このようなラジカル重合の可能な官能基として、末端に炭素間の二重結合を持つ基、例えばビニル基(CH=CH−)を挙げることができる。
疎水化強磁性粒子を得るための疎水化物質として、疎水基の末端に炭素間の二重結合を有し、このほかに炭素間の二重結合を持たない脂肪酸を用いる場合には、脂肪酸の炭素数が6から18の範囲であることが好ましく、また炭素数が8から15の範囲であることがより好ましく、炭素数が10から15の範囲であることがさらに好ましい。これらの中で10−ウンデセン酸は本発明に用いる疎水化物質として好ましいものの一つである。他方、疎水化強磁性粒子を得るための疎水化物質として、脂肪酸が疎水基の末端に炭素間の二重結合を有するほかに、さらに炭素間の二重結合を有する脂肪酸を用いる場合には、炭素数は6から20の範囲であることが好ましく、炭素数が10から20の範囲であることがより好ましく、炭素数が12から18の範囲であることがさらに好ましい。
本発明に用いる疎水化物質は、強磁性粒子表面の水酸基と結合する基を持った化合物が好ましく、そのような物質として、上記のほかにアルミニウムカップリング剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の金属アルコキシド、酸塩化物、無水カルボン酸、また官能基としてイソシアネート基を含む有機化合物等を挙げることができる。
これらの疎水化物質についても、ラジカル重合性モノマーと共重合可能な基を有していることが好ましい。すでに述べたように、疎水化物質がラジカル重合可能な官能基を有していることにより、強磁性粒子をよく被覆した安定なポリマー被覆を形成することができる。
(4)界面活性剤
本発明においては、疎水化物質によって疎水化された疎水化強磁性粒子に被着させて強磁性粒子を再親水化し、さらにモノマー液を加えて乳化し、乳化重合を行わせる際に用いる界面活性剤として、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とが用いられる。このような界面活性剤として、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とを適切に組み合せて用いることができる。なお、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とを適切に組み合せて用いる代わりに、界面活性剤分子の1分子中に非イオン性の親水基とイオン性の親水基とを共に有するものを用い、乳化重合によりポリマー被覆強磁性粒子が形成されるようにしてもよい。
本発明において、非イオン性の親水基を有する界面活性剤としては、ポリエチレンオキシド(PEO)鎖や、PEO鎖のオキシエチレン鎖の一部をオキシプロピレン鎖、オキシブチレン鎖で置き換えた各種の界面活性剤を好ましく用いることもできる。このような非イオン性親水基を有する界面活性剤として、曇点が100℃を超えるポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば花王(株)商品名Emulgen)やノニルフェニルを用いることができる。
これらの非イオン性の界面活性剤は、例えば濃度70%の水溶液としたものを用いることができる。これら非イオン性の界面活性剤の添加量は、モノマー1gに対し、0.012g以上を用いることが好ましく、0.047g以上を用いることがさらに好ましい。他方で非イオン性の界面活性剤の添加量が多すぎるとポリマー被覆粒子の形成が困難になることから、その添加量は0.23g以下であることが好ましく、0.1g以下であることがさらに好ましい。
イオン性の界面活性剤のうち、陰イオン性の親水基を有する界面活性剤としては、脂肪酸などカルボキシル基を有する界面活性剤のほか、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、あるいはポリリン酸基を有する各種の界面活性剤を用いることができる。カルボキシル基を有する界面活性剤としては、例えば炭素Cの数として11〜15の直鎖のアルキル基を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。また陽イオン性の親水基を有する界面活性剤としては、長鎖の第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンなどアミノ基のほか、第4級アンモニウムイオンを有する各種の界面活性剤を用いることができる。またこれらを用いた乳化重合の過程において、ミセルを安定に維持するために、イオン性の界面活性剤の疎水性基が、ある長さ以上の長鎖を有することが好ましい。例えば直鎖状の第1級アミンC2n+1NHの場合には、nが10以上の長鎖であることが好ましく、11以上であることがさらに好ましい。他方でnが大きすぎると乳化剤としての作用が十分でなくなるため、nが17以下であることが好ましく、また例えばアミノウンデカンのようにnが15以下であることがさらに好ましい。
これらのイオン性の界面活性剤の添加量は、界面活性剤の分子量や目的とするポリマー被覆強磁性粒子のサイズに依存する量であることから、その好ましい添加量を特定することは困難であるものの、その概略だけを述べると、モノマー1gに対し、1.5μmol以上とすることが好ましく、8μmol以上とすることがさらに好ましい。またこれらイオン性の界面活性剤の添加量は50μmol以下とすることが好ましく、16.5μmol以下であることがさらに好ましい。
(5)モノマーおよびモノマーの溶液を得るための有機溶剤
本発明に用いる上記モノマーとしては、ラジカル重合可能な官能基を有する各種のモノマーから、目的に応じ、最適のものを選択し使用することができる。このようなラジカル重合可能な官能基を有するモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニルデン等のシアン化ビニル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ふっ化ビニル、ふっ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化ビニル化合物;などを挙げることができる。これらのモノマーのうち、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリレート類が特に好ましい。またこれらモノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。これらモノマーの少なくとも1種には、ポリマー形成後のポリマー被覆の表面に他の物質を結合することができる官能基を存在させることができるものが好ましい。例えばスチレンとグリシジルメタクリレート(GMA)とを組み合わせたものを用いた場合には、形成されたポリマー被覆の表面にGMAが有するグリシジル基(エポキシ基)を存在させることができ、この基を介して生理活性を有する化合物などのさまざまな物質をこの粒子に結合させることができる。
これらのモノマーを溶解してモノマーの溶液とするための有機溶剤には、各種の有機溶剤を用いることができる。例えば炭素数10〜20のアルカンや、ジエチルエーテルなどを用いることができる。ジエチルエーテルは、親水性のエーテル結合を有しているが、2個のエチル基により疎水性を有し、界面活性剤を添加することにより、水中で乳化粒子を形成することができ、本発明に用いるモノマー液の有機溶剤として好ましく用いることができる溶剤である。モノマーは、所定の混合比率でこうした有機溶剤に溶解し、これに必要に応じて次に述べる疎水性の開始剤を加えて混合したモノマーミックスの形で用いることができる。このモノマーミックスに対しては、乳化重合により良好なポリマー被覆強磁性粒子が形成されるように、組成の調整を行う。
(6)開始剤および架橋剤
上記のモノマーをラジカル重合させるために、これらのモノマーミックスを乳化した乳化液を加熱し、連続相である水の相に親水性の開始剤を添加混合する。またモノマーに疎水性の開始剤を添加混合することもできる。
水溶性の開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)、およびペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)などの過酸化物、および和光純薬工業(株)製の製品名V−50(2,2'-Azobis(2-methylpropionamidine) dihydrochloride, (2,2'-Azobis(2-amidinopropane) dihydrochloride))などの水溶性のアゾ化合物を用いることができる。また疎水性の開始剤としては、各種のアゾ化合物例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などを用いることができる。
このほかの開始剤として、アゾ化合物である和光純薬工業(株)製の製品名VA−080(2,2'-Azobis{2-methyl-N-[1,1-bis(hydroxymethyl)-2-hydroxyethyl] propionamide)、同VA−085(2,2'-Azobis{2-methyl-N-[2-(1-hydroxybuthyl)]-propionamide})、同VA−086(2,2'-Azobis{2-methyl-N-(2-hydroxyethyl)-propionamide])、同VA−057(2,2'-Azobis (N-(2-carboxyethyl) -2-methyl-propionamidine, (2,2'-Azobis{2-[N-(2-carboxyethyl) amidino]propane})、同V−501(4,4'-Azobis(4-cyanovaleric acid), (4,4'-Azobis(4-cyanopentanoic acid))、同VPE−0201、および同VPE−0601などを用いることができる。
さらに架橋剤としてジビニルベンゼン、トリアリルアミン、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリメシン酸トリアリル、およびエチレングリコールジメタクリレートなどの各種架橋剤を用いることができる。
(7)ポリマー被覆強磁性粒子
次にこのようにして得られる本発明のポリマー被覆強磁性粒子について、少々の具体例を示しておく。
図7は本発明に係るポリマー被覆粒子の一実施形態を模式的に示した図である。図7の(a)は、フェライト粒子などの親水性の強磁性粒子110に吸着した疎水化物質を介してモノマーがこの粒子を被覆し重合してポリマー被覆360aを形成して強磁性粒子110を被覆し、ポリマー被覆強磁性粒子360を形成したものである。
図7の(b)は、親水性粒子である強磁性粒子110に吸着した疎水化物質である10−ウンデセン酸が、スチレンおよびグリシジルメタクリレートと共重合し強磁性粒子110を被覆したもので、その表面にエポキシ基710を存在させたものである。なお実際には粒子表面にエポキシ基710が多数存在しているが、この図では、図を簡単にするために1個だけを模式的に示している。また同図の(c)は、この(b)に示した粒子をアンモニアで処理し、グリシジル基(エポキシ基)を開環して、水酸基とアミノ基720を形成したものである。さらに同図の(d)は、この(c)のアミノ基720にモノエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDE)やポリエチレングリコールジグリシジルエーテル分子を結合させてスペーサ730を形成したもので、クロマトグラフィー担体として用いることができるものである。こうすることによってスペーサ730の先端にエポキシ基710を存在させることにより、これに生体物質などの物質を結合することができるので、立体的な障害を避けることができ、さまざまな物質を容易に結合することができる。
このようなポリマー被覆強磁性粒子は、強磁性粒子がフェライト粒子の場合、その粒子サイズを25〜400nmとすることにより、磁気的な操作に適した磁性を確保でき、さまざまな用途に用いることができる。例えばフェライト粒子がポリマーによって被覆されたポリマー被覆フェライト粒子を生体物質の磁気分離に用いる場合には、フェライト粒子の平均粒子径を30〜100nmであり、ポリマー被覆粒子の直径が35〜150nmであり、磁性粒子とポリマーの体積比が1/10以上、より好ましくは1/4以上としたものが、ポリマー被覆粒子の磁気的な吸引力を確保する上から特に好ましい。
また、このポリマー被覆強磁性粒子のポリマー被覆は、架橋剤を用いて架橋することにより、耐有機溶剤性を高めることができる。またポリマー被覆に上記EGDE修飾をすることによって、さらに耐有機溶剤性を高めることができる。
本発明に係るこれらのポリマー被覆強磁性粒子は、粒子サイズがよく揃い、互いに独立した粒子であり、ポリマー被覆が安定であり、しかも磁界に対する応答性が良好であることから、こうした特徴を生かし、生物科学および医療の分野において磁気的に操作可能な担体などとして広く用いることができるほか、工業分野においても例えば磁性コロイドとして用いた場合に従来に比べ安定性に優れ、しかも磁界応答性が良好であるなど、従来のポリマー被覆強磁性粒子では得られなかった優れた特性が得られることから、その特徴を生かした数多くの用途が期待できる。
また本発明のポリマー被覆強磁性粒子においては、微細な粒子でありながら、耐有機溶剤性が非常に優れており、有機溶剤に浸漬してもポリマー被覆は溶解せず、その形状が維持されることがわかった。これは特に架橋剤を用いて被覆ポリマーを架橋することにより得られるものである。他方、ポリマー被覆強磁性粒子の表面修飾として、例えばEGDEなどのスペーサを設けることにより、さらに耐有機溶剤性の向上が得られることがわかった。
このため、このような構成のポリマー被覆強磁性粒子は、水溶液中での使用だけでなく、有機溶剤中での使用も可能なポリマー被覆強磁性粒子として、有機溶剤中で使用されるさまざまな用途、例えば、たんぱく質、ペプチド、核酸 および薬剤などの化学物質のアフィニティクロマトグラフィ用磁性担体や、コンビナトリアルケミストリ用の磁性固相担体、核酸またはペプチドの化学合成用の磁性固相担体としての使用など、多くの用途に用いることができる。
水溶液中から析出させた平均粒径が40nmの強磁性粒子150mgの懸濁液に10−ウンデセン酸のNaOHの水溶液を添加することにより、強磁性粒子にウンデセン酸を飽和吸着させ、残った10−ウンデセン酸のNaOHの水溶液を洗浄して除去することによって疎水化強磁性粒子を得た。
この疎水化強磁性粒子に、下記の[化1]の化学式を有しPEO鎖を有する非イオン性界面活性剤Emulgen 1150S−70(花王株式会社製)0.3gを溶解した水溶液を加えてソニケーションすることにより、この非イオン性界面活性剤を疎水化強磁性粒子の表面に吸着させて粒子を再親水化し水に分散させた再親水化フェライト粒子のコロイド溶液を得た。
Figure 2006088131
この再親水化フェライト粒子のコロイド溶液に、イオン性界面活性剤であるアミノウンデカン10μlを1MのHCl水溶液56μlに溶解した水溶液を添加し、再親水化フェライトのコロイド粒子の表面に非イオン性の界面活性剤とイオン性の界面活性剤を混在させた状態を構築した。
次に、このコロイド溶液に、スチレン(モノマー)2.7g、GMA(グリシジルメタクリレート、モノマー)0.3g、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル、開始剤)0.025g、DVB(ジビニルベンゼン、架橋剤)0.08g、およびジエチルエーテル2.5gを有するモノマーミックスを添加し、ソニケーションを行って乳化液を得た。
このあと、この乳化液を全量が125gになるように水を添加し、ソニケーションを行なった後、350rpmで攪拌を続けながら加熱し、20〜30分後に70℃に達したところで水溶性開始剤V−50(和光純薬工業(株)製)50mgを純水5mlに溶かした水溶液を添加し、重合反応を12時間行なった。
こうして得られた乳化重合粒子を洗浄してポリマー被覆フェライト粒子を得た。透過型電子顕微鏡を用い、得られたポリマー被覆フェライト粒子を観察した結果、粒子は平均粒径が163nm、粒径の標準偏差が20nmの単分散粒子であり、粒子内部にフェライト粒子を1〜3個有していることがわかった。
このポリマー被覆フェライト粒子は強い磁性を示し、磁石などにより磁界勾配を与えることによって容易に吸引できることがわかった。
非イオン性界面活性剤を、0.3gの下記[化2]の化学式を有し、PEO鎖を有するTritonX−405に変え、またイオン性界面活性剤を1MのNaOH水溶液56μlに溶かした10−ウンデセン酸10μlに変え、さらに水溶性開始剤を25mgのKPSに変えたほかは、実施例1と同じ組成とプロセスにて、ポリマー被覆フェライト粒子を得た。
Figure 2006088131
得られたポリマー被覆フェライト粒子について透過型電子顕微鏡を用いて観察した結果、粒子は平均粒径125nmの単分散粒子であり、粒子内部にフェライト粒子を1〜3個有していることがわかった。
V50の添加量を100mgに変えたほかは、実施例1と同じ組成とプロセス条件にて、ポリマー被覆フェライト粒子を得た。得られたポリマー被覆フェライト粒子について透過型電子顕微鏡を用いて観察した結果、粒子は平均粒径153nm、粒径の標準偏差22nmの単分散粒子であり、粒子内部にフェライト粒子を1〜5個有していることがわかった。
非イオン性界面活性剤であるEmulgen 1150S−70の使用量を0.5gに変えたほかは、実施例3と同じ組成とプロセス条件にて、ポリマー被覆フェライト粒子を得た。透過型電子顕微鏡を用い、得られたポリマー被覆フェライト粒子を観察した結果、粒子は平均粒径90nm、粒径の標準偏差22nmの単分散粒子であり、粒子内部にフェライト粒子を1〜4個有していることがわかった。
フェライト粒子を平均粒径70nmの粒子に変えたほかは、実施例1と同じ組成とプロセス条件にて、ポリマー被覆フェライト粒子を得た。透過型電子顕微鏡を用い、得られたポリマー被覆フェライト粒子を観察した結果、得られた粒子は平均粒径200nm、粒径の標準偏差30nmの単分散粒子であり、粒子内部にフェライト粒子を1〜3個有していることがわかった。
乳化工程として、疎水化フェライト粒子に0.2gの非イオン性界面活性剤Emulgen 1150S−70を用いて水中に分散してフェライト粒子分散液を形成し、他方でポリマー、有機溶剤、開始剤および架橋剤のポリマーミックスに界面活性剤として10μlのアミノウンデカンを1MのHCl56μlに溶かしたものに0.1gの非イオン性界面活性剤Emulgen 1150S−70を加えたものを水と混合しソニケーションを行なってモノマー液の乳化液とし、次に上記フェライト粒子分散液と上記モノマー液の乳化液とを混合し、水が連続相の乳化液を形成する工程を用いたほかは、実施例1と同じ組成とプロセス条件にてポリマー被覆フェライト粒子を得た。
透過型電子顕微鏡を用い、得られたポリマー被覆フェライト粒子を観察した結果、得られた粒子は平均粒径175nm、粒径の標準偏差12nmの単分散粒子であり、粒子内部にフェライト粒子を1〜5個有していることがわかった。
乳化工程として、疎水化フェライト粒子に0.3gの非イオン性界面活性剤Emulgen 1150S−70を用いて水中に分散してフェライト粒子分散液を形成し、他方でポリマー、有機溶剤、開始剤および架橋剤のポリマーミックスに界面活性剤として10μlのアミノウンデカンを1MのHCl56μlに溶かし水と混合しソニケーションを行なってモノマー液の乳化液とし、次に上記フェライト粒子分散液と上記モノマー液の乳化液とを混合し、水が連続相の乳化液を形成する工程を用いたほかは、実施例1と同じ組成とプロセス条件にてポリマー被覆フェライト粒子を得た。
透過型電子顕微鏡を用い、得られたポリマー被覆フェライト粒子を観察した結果、得られた粒子は平均粒径120nm、粒径の標準偏差12nmの単分散粒子であり、粒子内部にフェライト粒子を1〜3個有していることがわかった。
上記実施例1〜7の条件および結果を表1および2にまとめて示した。
Figure 2006088131
Figure 2006088131
実施例1に記載の条件で製作したポリマー被覆フェライト粒子について、耐有機溶剤性を試験した。試験条件は各有機溶剤に12時間浸漬した後の粒子の状況を調べた。その結果、有機溶剤がメタノール、ジオキサン、DMF(ジメチルホルムアミド)およびDMSO(ジメチルスルフォキシド)に浸漬してもポリマー被覆が保たれており、これらの有機溶剤に対し、耐有機溶剤性を有していることがわかった。
実施例1に記載の条件で製作したポリマー被覆フェライト粒子に対し、スペーサとしてEGDEを結合させる修飾を行った。
まず、このポリマー被覆フェライト粒子にアミノ基を導入するために、NHOH水溶液を加え、HCl水溶液でpHを調整し、反応させることにより、GMAのエポキシ基を開環した。
次にこのポリマー被覆フェライト粒子に、開環したアミノ基に対し過剰量のEGDEを仕込み、NaOH水溶液でpHを調整し攪拌を行なって、ポリマー被覆フェライト粒子のアミノ基とEGDEのエポキシ基とを結合させた。ここではアミノ基の量に対し過剰量のEGDEを仕込むことによって、EGDEの1分子が有する両端のエポキシ基が共にポリマー被覆フェライト粒子のアミノ基と結合することを防いだ。反応後、磁気分離操作を利用して水洗浄を行ない、EGDEで修飾されたポリマー被覆フェライト粒子を得た。
このEGDEで修飾されたポリマー被覆フェライト粒子に対し、耐有機溶剤性を試験した。試験条件は実施例7の場合と同じ条件とし、各有機溶剤に12時間浸漬した後の粒子の状況を調べた。その結果、実施例7の場合と同様に、有機溶剤がメタノール、ジオキサン、DMF(ジメチルホルムアミド)およびDMSO(ジメチルスルフォキシド)に浸漬してもポリマー被覆が保たれており、これらの有機溶剤に対し、耐有機溶剤性を有していることがわかった。
さらにこのEGDEで修飾されたポリマー被覆フェライト粒子に対し、同じ条件で、有機溶剤がジエチルエーテル、アセトン、トルエン、クロロホルムおよびヘキサンの各場合について、耐有機溶剤性を試験した。その結果、これらのいずれの有機溶剤に浸漬してもポリマー被覆が保たれており、これらの有機溶剤に対し、耐有機溶剤性を有していることがわかった。
(比較例1)
界面活性剤として、非イオン性界面活性剤Emulgen 1150S−70(花王株式会社製)0.3gを溶解した水溶液だけを加え、イオン性の界面活性剤を加えなかったほかは、実施例6と同じ組成とプロセス条件にて、ポリマー被覆フェライト粒子の作製を試みた。しかし、得られたポリマー被覆フェライト粒子は、均一さに欠けた多分散粒子であった。界面活性剤として非イオン性の界面活性剤だけを用いたこの比較例1の条件では、乳化重合によって均一性のよい単分散ポリマー被覆フェライト粒子を形成する条件が整っていないことが示された。
(比較例2)
界面活性剤として、非イオン性界面活性剤を用いず、イオン性界面活性剤であるアミノウンデカン10μlを1MのHCl 56μlに溶解した水溶液だけを添加したほかは、実施例6と同じ組成とプロセス条件にて、ポリマー被覆フェライト粒子の作製を試みた。しかし、この場合にもポリマー被覆フェライト粒子は形成されなかった。非イオン性界面活性剤を用いず、イオン性界面活性剤であるアミノウンデカンだけを用いたこの比較例2では、乳化重合によってポリマー被覆フェライト粒子を形成する条件が整っていないことがわかった。
(比較例3)
疎水化フェライト粒子の代わりに、疎水化処理を行わないフェライト粒子を用いたほかは、実施例6と同じ組成とプロセス条件にて、ポリマー被覆フェライト粒子の作製を試みた。しかし、この場合にはポリマー被覆が全くなされなかった。疎水化処理を行わないフェライト粒子を用いたこの比較例3の場合には、フェライト粒子に対しポリマーが被覆されて乳化重合がなされる条件が整わないことが示された。
本発明によれば、粒径が非常に小さく、ポリマー被覆が良好であり、しかも磁気的な操作に十分な大きさの磁化を有するポリマー被覆強磁性粒子を得ることができる。このような特徴により、本発明のポリマー被覆強磁性粒子は、生体物質を磁気分離する用途、薬物などをポリマー被覆フェライト粒子に固定し搬送担体として用いる用途、あるいは磁気マーカとして用いられるほか、工業分野においてもこの特徴を生かした幅広い用途が期待される。
本発明のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法の一実施形態における工程を示した流れ図である。 図1に示した乳化工程の一実施形態を示した流れ図である。 図2に示した再親水化工程の一実施形態を示した流れ図である。 図1に示した乳化工程の他の一実施形態を示した流れ図である。 強磁性粒子のポリマー被覆工程の一実施形態についてその一部を模式的に示した図である。 強磁性粒子のポリマー被覆工程の一実施形態についてその一部を模式的に示した図である。 本発明のポリマー被覆粒子の実施形態を模式的に示した図である。
符号の説明
100…疎水化工程、110…フェライト粒子、120…疎水化物質、130…疎水化フェライト粒子、200…乳化工程、201…非イオン性親水基とイオン性親水基とを有する界面活性剤、202…第1の再親水化フェライト粒子、203…第1の再親水化工程、204…第2の再親水化フェライト粒子、205…第2の再親水化工程、210…再親水化工程、211…非イオン性及びイオン性界面活性剤、212…再親水化フェライト粒子、213…非イオン性界面活性剤、214…イオン性界面活性剤、220…モノマー添加混合工程、221…モノマー液、222…モノマー乳化工程、223…モノマーの乳化液、224…混合工程、230…疎水性開始剤、240…超音波振動、250…水、260…乳化液、300…乳化重合工程、310…水、320…超音波振動、330…加熱、340…親水性開始剤、350…洗浄工程、360…ポリマー被覆フェライト粒子、360a…ポリマー被覆、710…エポキシ基、720…アミノ基、730…エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDE)。

Claims (35)

  1. 平均粒径が20〜300nmの親水性の強磁性粒子に、親水基と疎水基とを有し親水性粒子を疎水化する疎水化物質の親水基を吸着させて疎水化し、疎水化磁性粒子を得る疎水化工程と、
    前記疎水化強磁性粒子に非イオン性の親水基を有する界面活性剤およびモノマーを有するモノマー液を水とともに混合し乳化して乳化液を得る乳化工程と、
    前記乳化液に開始剤を添加しラジカル付加重合により乳化重合を行なう乳化重合工程と
    を備えたことを特徴とするポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  2. 前記非イオン性の親水基を有する界面活性剤にイオン性の親水基を有する界面活性剤を添加することを特徴とする請求項1記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  3. 前記モノマーがラジカル付加重合可能な官能基を有するモノマーであることを特徴とする請求項1または2記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  4. 前記モノマーがグリシジルメタクリレートおよびスチレンから選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  5. 前記強磁性粒子がフェライト粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  6. 前記フェライト粒子の平均粒径が30〜100nmであることを特徴とする請求項5記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  7. 前記強磁性粒子が親水性の金属粒子または無機化合物粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  8. 前記疎水化物質が、疎水基にラジカル付加重合可能な官能基を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  9. 前記疎水化物質が、脂肪酸であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  10. 前記脂肪酸が、10−ウンデセン酸であることを特徴とする請求項9記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  11. 前記乳化工程が、前記疎水化強磁性粒子に前記非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤を添加し吸着させて水に分散させることにより、再親水化強磁性粒子の分散液を得る再親水化工程と、前記再親水化強磁性粒子の分散液に前記モノマー液を添加し混合して乳化液を得るモノマー添加混合工程とを備えていることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  12. 前記再親水化工程が、前記疎水化強磁性粒子に非イオン性界面活性剤を吸着させ水に分散させて第1の再親水化強磁性粒子の分散液を得る第1の再親水化工程と、前記第1の再親水化強磁性粒子の分散液にイオン性界面活性剤を吸着させ水に分散させて第2の再親水化強磁性粒子の分散液を得る第2の再親水化工程とを備えていることを特徴とする請求項11記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  13. 前記乳化工程が、前記疎水化強磁性粒子に非イオン性界面活性剤を添加し吸着させ水に分散させることにより再親水化強磁性粒子の分散液を得る再親水化工程と、ラジカル付加重合可能な官能基を有するモノマーのモノマー液を非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とともに水と混合しモノマーの乳化液を得るモノマー乳化工程と、前記再親水化磁性粒子の分散液と前記モノマーの乳化液とを混合する混合工程とを備えていることを特徴とする2〜12のいずれか1項記載のポリマー被覆磁性粒子の製造方法。
  14. 前記乳化工程が、前記疎水化強磁性粒子に非イオン性界面活性剤を添加し吸着させ水に分散させることにより再親水化強磁性粒子の分散液を得る再親水化工程と、ラジカル付加重合可能な官能基を有するモノマーのモノマー液をイオン性界面活性剤と水とを混合しモノマーの乳化液を得るモノマー乳化工程と、前記再親水化強磁性粒子の分散液と前記モノマーの乳化液とを混合する混合工程とを備えていることを特徴とする請求項2〜12のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  15. 前記モノマー液が、ジエチルエーテルを有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  16. 前記非イオン性界面活性剤が、親水基として、ポリオキシエチレン鎖またはポリオキシエチレン鎖の一部がオキシプロピレン鎖およびオキシブチレン鎖の少なくともいずれかによって置換された基を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  17. 前記イオン性界面活性剤が、親水基としてカルボキシル基を有することを特徴とする請求項2〜16のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  18. 前記カルボキシル基を有する界面活性剤が、炭素数11〜15の直鎖のアルキル基を有することを特徴とする請求項17記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  19. 前記イオン性界面活性剤が、親水基として第1級アミンを有することを特徴とする請求項2〜16のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  20. 前記第1級アミンを有する界面活性剤が、炭素数11〜15の直鎖のアルキル基を有することを特徴とする請求項19記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  21. 前記モノマー液に架橋剤を含有させ、前記モノマーの乳化重合のほかに架橋を行なわせることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  22. 前記架橋剤が、ジビニルベンゼン、トリアリルアミン、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリメシン酸トリアリル、およびエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項21記載のポリマー被覆強磁性粒子の製造方法。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項記載の製造工程により製造されたことを特徴とするポリマー被覆強磁性粒子。
  24. 平均粒径20〜300nmの強磁性で親水性のフェライト粒子と、
    親水基と疎水基とを有しこの親水基が前記フェライト粒子に吸着し前記フェライト粒子を疎水化している疎水化物質と、
    前記疎水化物質に吸着し疎水化された前記フェライト粒子を被覆しているポリマーと
    を備え、平均粒径が25〜400nmであることを特徴とするポリマー被覆強磁性粒子。
  25. 前記親水性のフェライト粒子の平均粒径が30〜100nmであることを特徴とする請求項24記載のポリマー被覆強磁性粒子。
  26. 前記疎水化物質が、疎水基に前記モノマーと重合可能な官能基を有し、この官能基により前記モノマーと共重合しポリマーの一部を構成していることを特徴とする請求項23または24記載のポリマー被覆強磁性粒子。
  27. 前記強磁性粒子がフェライト粒子であり、その主成分が、Fe、γ−FeおよびFeとγ−Feの中間体からなる群から選ばれる少なくともいずれかであることを特徴とする請求項23〜25のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子。
  28. 前記強磁性粒子が1個ずつポリマーで被覆され、ポリマー被覆フェライト粒子が形成されていることを特徴とする請求項23〜27のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子。
  29. 請求項23〜28のいずれか1項記載のポリマー被覆強磁性粒子で構成され、耐有機溶剤性を備えていることを特徴とする有機溶剤中で使用されるポリマー被覆強磁性粒子。
  30. 架橋により耐有機溶剤性を高めたことを特徴とする請求項29記載の有機溶剤中で使用されるポリマー被覆強磁性粒子。
  31. 前記有機溶剤として、メタノール、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、アセトン、ジエチルエーテル、トルエン、クロロホルムおよびヘキサンからなる群から選ばれる少なくともいずれか1種を用いることを特徴とする請求項29または30記載の有機溶剤中で使用されるポリマー被覆強磁性粒子。
  32. 表面修飾により耐有機溶剤性を高めたことを特徴とする請求項29〜31記載の有機溶剤中で使用されるポリマー被覆強磁性粒子。
  33. 請求項29〜32のいずれか1項記載の有機溶剤中で使用されるポリマー被覆強磁性粒子を用いたことを特徴とするコンビナトリアルケミストリ用磁性固相担体。
  34. 請求項29〜32のいずれか1項記載の有機溶剤中使用のポリマー被覆強磁性粒子を用いたことを特徴とするアフィニティクロマトグラフィ用磁性固相担体。
  35. 請求項29〜32のいずれか1項記載の有機溶剤中で使用されるポリマー被覆強磁性粒子を用いたことを特徴とするペプチドまたは核酸の化学合成用磁性固相担体
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