JP2006086931A - テレビジョン受像機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 テレビ放送信号についてコマーシャル放送部分であるか否かの判別の確実性をより高めることができるCM判別機能を備えたテレビジョン受像機を提供することにある。
【解決手段】 複数チャンネル分の映像信号及びその映像と同期した音声信号が重畳されたテレビ放送信号を入力し,前記複数チャンネルの中から選択された1つの特定チャンネルを含む複数チャンネル各々について,その映像信号や音声信号に基づいてCM放送中であるか否かを個別に判別するとともに,それら個別の判別結果を用いて最終的に前記特定チャンネルがCM放送中であるか否かを判別するテレビジョン受像機として構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は,複数チャンネル分の映像信号及びその映像と同期した音声信号が重畳されたテレビ放送信号を受信するテレビジョン受像機に関し,特に,選択されたチャンネルがコマーシャル放送中であるか否かを判別する機能を備えたテレビジョン受像機に関するものである。
近年,テレビジョン受像機で民間放送用のチャンネルが選択されてその放送番組が視聴されている際に,そのチャンネルの放送信号について,番組の本編部分であるか,その本編部分の合間に挿入されているコマーシャル部分(以下,CM部分)であるかを判別し,その判別結果に応じて放送内容の出力制御を行うテレビジョン受像機が提案されている。
例えば,前記CM部分であると判別された場合に,出力する音量を低下させる,或いはVTR装置における録画時にいわゆるCMスキップを行う,等のCM処理を行う技術が,特許文献1に開示されている。ここで,前記CM部分であるときに出力音量を低下させるのは,一般に,前記CM部分においては前記本編部分に比べて大きな音量の音声信号が設定(放送)されるため,前記CM部分と前記本編部分とが切り替わる都度,視聴者が音量調節を行わなければならないという手間を省くものである。
また,前記CM部分であると判別された場合に,画面のコントラスト及びブライトネスを一段階低下させる技術が,特許文献2に開示されている。
ところで,前記CM部分では,ステレオ音声放送であることが多く,前記本編部分ではモノラル音声放送もしくは多重音声放送であることが多いことが知られている。
そこで,特許文献1には,選択されているチャンネルにおいて,モノラル音声放送もしくは多重音声放送からステレオ音声放送に切り替わった場合に,前記CM部分になったと判別する技術が示されている。
また,特許文献2には,映画などの多重音声放送から,ステレオ音声放送もしくはモノラル音声放送に切り替わった場合に前記CM部分になったと判別する技術が示されている。
更に,特許文献3には,音声信号がステレオ音声放送である場合を前記CM部分の放送が行なわれていると判別し,前記CM部分であるか否かの判別及び選択されているチャンネルの映像がレターボックスタイプの映像(画面の上端部及び下端部に黒い帯状部分を有する映像)であるか否かの判別を行い,それらの結果に応じてズーム制御を抑止する等の表示制御を行う技術が開示されている。
特開2002−77770号公報 実開平5−74080号公報 特開平10−65988号公報
しかしながら,実際には,前記本編部分においてステレオ音声放送がなされる場合もあり,このような場合には,特許文献1〜3に示されるCM判別技術では,誤判別が生じるという問題点があった。
このように,従来のCM判別は完全なものでなく,CM判別結果に基づく制御をより有効なものとするため,より確実にCM判別を行うことが望まれている。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,テレビ放送信号についてコマーシャル放送部分であるか否かの判別の確実性をより高めることができるCM判別機能を備えたテレビジョン受像機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,複数チャンネル分の映像信号及びその映像と同期した音声信号が重畳されたテレビ放送信号を入力し,前記複数チャンネルの中から選択された1つの特定チャンネルを含む複数チャンネル各々について,その映像信号や音声信号に基づいてCM放送中であるか否かを個別に判別するとともに,それら個別の判別結果を用いて最終的に前記特定チャンネルがCM放送中であるか否かを判別するテレビジョン受像機として構成される。
一般的に,CM放送がなされている時間帯は複数の放送局(チャンネル)間で重複している場合が多く,あるチャンネルがCM放送中である場合には,他のチャンネルもCM放送中である可能性が高い。そこで,特定チャンネルがCM放送中であるか否かの最終的な判別を,他のチャンネルがCM放送中であるか否かの判別結果を参照して行えば,その特定チャンネル単独で判別する場合に比較して,CM放送中か否かの判別の確実性をより高めることができる。
ここで,前記特定チャンネルが音声信号若しくは映像信号によりCM放送中だと判別(個別の判別)された場合であって,更に,その時点若しくはその時点に近い時間帯で他のチャンネルでもCM放送中であると判別(個別の判別)された場合に,前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別することが考えられる。
これにより,実際にはCM放送中でないにも関わらず,CM放送中であると誤判別する頻度を抑制でき,CM判別の確実性を高めることができる。
また,前記複数チャンネル各々がCM放送中であるか否かを個別に判別する方法として,当該チャンネルにおける前記映像信号がレターボックスタイプの映像の信号であるか否かの判別結果に基づく場合,または当該チャンネルがステレオ放送であるか否かの判別結果に基づく場合,或いはそれらの両方に基づいて判別する場合等が考えられる。
一般的に,CM放送中はステレオ音声放送であることが多く,本編の放送中はモノラル音声放送若しくは多重音声放送であることが多い。また,レターボックスタイプの映像は,映画の映像(即ち,本編の映像)である場合が多い。従って,これらの情報を基に前記複数のチャンネル各々がCM放送中であるか否かを個別に判別することが可能である。
本発明によれば,特定チャンネルがCM放送中であるか否かの最終的な判別が,他のチャンネルがCM放送中であるか否かの判別結果を参照して行われる。CM放送は,同じ時間帯に同時に流されている場合が多く,このようなCM放送の判別方法によると,その特定チャンネル単独で判別する場合に比較して,CM放送中か否かの判別の確実性をより高めることができる。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係るテレビジョン受像機Aの概略構成図,図2は本発明の実施例に係るテレビジョン受像機Bの概略構成図である。
以下,図1を用いて本発明の実施の形態に係るテレビジョン受像機Aの概略構成について説明する。
図1に示されるとおり,前記テレビジョン受像機Aは,複数のチューナ2,各チューナ2に対応した複数の検波回路3及び複数のチャンネル毎CM判別回路4,チャンネル選択制御回路5,映像処理回路6,映像出力部7,音声処理回路8,音声出力部9,特定チャンネルCM判別回路10,制御部11,入力部12等から概略構成されるものである。
受信アンテナ1は,複数のチャンネル分の映像信号及びその映像と同期した音声信号が重畳されたテレビ放送信号を受信するものである。
前記チューナ2各々(信号入力手段の一例)は,前記受信アンテナ1により受信された複数のチャンネル分の前記テレビ放送信号を入力し,それぞれが複数のチャンネルのうちの1つを選択するものである。
前記検波回路3各々は,前記チューナ2各々が選択したそれぞれのチャンネルの信号(前記テレビ放送信号から抽出された1チャンネル分の信号)から,前記映像信号及び前記音声信号を抽出するものである。
前記チャンネル毎CM判別回路4は,複数の前記検波回路3各々により抽出された前記音声信号に基づいて,それぞれのチャンネルがCM放送中であるか否かを個別判断するものである。以下,このチャンネル毎におけるCM放送中であるか否かの判別を個別CM判別という。
前記チャンネル選択制御回路5は,複数の前記チューナ2各々に,前記受信アンテナ1により受信された複数のチャンネルのうちのいずれを選択させるかの制御を行うものである。
前記映像処理回路6は,前記映像信号に所定の処理(例えば,映像信号からの水平及び垂直同期信号の分離,その同期信号に位相同期したクロック信号の生成,映像信号からの輝度信号及び色信号の分離,所定の画質改善処理等)を施すものである。
前記映像出力部7は,例えばディスプレイ等の前記映像信号を出力する手段である。
前記音声処理回路8は,前記音声信号に所定の処理(音量の調節処理や前記音声出力部9の特性に合わせたイコライズ処理,サラウンド処理等)を施すものである。
前記音声出力部9は,例えばスピーカ等の前記音声信号を出力する手段である。
前記特定チャンネルCM判別回路10は,前記チャンネル毎CM判別回路4による個別判別の結果に基づいて,前記特定チャンネルがCM放送中であるか否かを最終判別するものである。
前記制御部11は,MPU及びその周辺装置であるROM,RAM等を備え,そのROMに予め記憶された制御プログラムを実行することにより,当該テレビジョン受像機Aの統括的な制御を行うものである。また,前記入力部12は,例えばリモコンによる当該テレビジョン受像機Aの操作信号の受信部,若しくは当該テレビジョン受像機Aの外面等に設けられた操作スイッチ類等の総称である。
本実施形態では,ディスプレイ等の前記映像出力部7及びスピーカ等の前記音声出力部9から出力される対象のチャンネルを特定チャンネルという。
この特定チャンネルは,前記入力部12(チャンネル選択手段の一例)を通じて前記制御部11に前記リモコン等による操作信号が入力されることにより,前記受信アンテナ1により受信された複数のチャンネルの中から選択され,前記制御部11に設定(記憶)されるものである。
前記チャンネル選択制御回路5は,前記制御部11に設定されている前記特定チャンネルを入力し,複数の前記チューナ2のうちの特定の1つ(以下,特定チューナ2aという)により前記特定チャンネルが選択されるように前記特定チューナ2aの制御を行う。
また,前記チャンネル選択制御回路5には,複数の前記チャンネル毎CM判別回路4各々による個別CM判別の対象となり得るチャンネルの集合(民間放送局のチャンネルの集合,以下,民放チャンネル群という)が予め設定(記憶)されており,前記特定チューナ2a及び残りのチューナ2(以下,その他チューナ2bという)各々によって前記民放チャンネル群の中から各々異なるチャンネルが選択(チャンネル信号が抽出)されるように,前記チューナ2各々の制御を行う。
ここで,前記民放チャンネル群は,前記入力部12からの入力操作により任意に設定することが可能である。
尚,以下,前記特定チューナ2aに対応する前記検波回路3及び前記チャンネル毎CM判別回路4を,各々特定検波回路3a及び特定チャンネル毎CM判別回路4aといい,前記その他チューナ2bに対応する前記検波回路3及び前記チャンネル毎CM判別回路4を,各々その他検波回路3b及びその他チャンネル毎CM判別回路4bという。
複数の前記チューナ2により,上述のような前記チャンネル選択制御回路5による制御に応じて前記特定チャンネルを含む複数のチャンネルが選択され,各々のチャンネルの映像信号は前記検波回路3各々に伝送される。
前記検波回路3に伝送された各チャンネルの信号は,それぞれ映像検波及び音声検波(映像信号及び音声信号の抽出)がなされ,前記音声信号は前記チャンネル毎CM判別回路4に伝送される。また,前記特定検波回路3aにより検波された前記映像信号及び前記音声信号(つまり,前記特定チャンネルの前記映像信号及び前記音声信号)のみが前記映像処理回路6,前記音声処理回路8にそれぞれ伝送される。
このように,複数個の前記チューナ2及び前記検波回路3(これらの構成がチャンネル抽出手段の一例)により,前記テレビ放送信号における前記特定チャンネルを含んだ複数のチャンネル分の前記映像信号及び前記音声信号が抽出される。
前記チャンネル毎CM判別回路4各々は,対応する前記検波回路3(チャンネル抽出手段の一部の一例)から伝送されてくる前記音声信号に基づいて,チャンネル毎にCM放送中であるか否かを判別(前記個別CM判別)するものである。
本実施形態では,前記チャンネル毎CM判別手段4により各チャンネルの前記音声信号が解析され,判別の対象となっているチャンネルがステレオ音声放送チャンネルか否かが判別される。当該チャンネルがステレオ音声放送チャンネルであると判別された場合,そのチャンネルはCM放送中であると前記個別CM判別がなされる。
尚,判別の対象となっているチャンネルがステレオ音声放送チャンネルであるか否かの判別方法は,例えば前記音声信号に含まれる制御信号の周波数(モノラル放送では前記制御信号なし,ステレオ放送では982.5Hz,多重音声信号では922.5Hz)を検出する等,従来公知の方法に従うものとすれば良い。
前記チャンネル毎判別回路4各々による,前記複数チャンネル各々がCM放送中であるか否かの前記個別CM判別の結果は,前記特定チャンネルCM判別回路10に入力される。
前記特定チャンネルCM判別回路10には,前記制御部11に設定されている前記特定チャンネルがいずれのチャンネルであるかを示すチャンネル情報信号が伝送されている。そして,前記特定チャンネルCM判別回路10では,前記チャンネル情報信号及び前記個別CM判別の結果から,例えば,以下のように前記特定チャンネルがCM放送中であるか否かが最終判別される。
前記チャンネル毎CM判別回路4による前記個別CM判別により,前記特定チャンネルがCM放送中であると個別CM判別されており,かつ前記特定チャンネル以外の1つ以上のチャンネルがCM放送中であると判別されていれば,前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別される。
一方,前記個別CM判別により前記特定チャンネル以外にCM放送中であると判別されているチャンネルがない場合,もしくは前記特定チャンネルがCM放送中と判別されていない場合には,前記特定チャンネルはCM放送中でないと最終判別される。
ここで,前記個別CM判別により,前記特定チャンネルがCM放送中であると判別されており,かつ前記特定チャンネル以外のチャンネルのうちの複数がCM放送中であると判別された場合にのみ,前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別されるものとしても良い。
また,前記特定チャンネル以外のチャンネルについては,前記チャンネル毎CM判別回路4により前記複数チャンネル各々がCM放送中であると判別された結果を,そのチャンネルが本編放送に切り替わったとしても,暫くの間(例えば,数秒程度)は保持することが考えられる。
このようにすれば,前記特定チャンネルと前記特定チャンネル以外のチャンネルとが,前記個別CM判別により厳密に同時にCM放送中と判別されていなくとも,例えば前記個別CM判別により前記特定チャネルがCM放送中と判別されており,それに近い時間帯で前記特定チャンネル以外のチャンネルのうち1又は複数のチャンネルがCM放送中であると個別CM判別がなされていれば,前記特定チャンネルはCM放送中であると最終判別されるように構成できる。
一方,前記特定チャンネルがCM放送中であると判別されている状態が解除される(CM放送から本編放送に切り替わったと判断される)条件は各種考えられる。例えば,前記個別CM判別により,前記特定チャンネルがCM放送中でないと判別された場合,又は前記特定チャンネル以外のチャンネル全てがCM放送中でないと判別された場合に,前記特定チャンネルがCM放送中であるという最終判別結果を解除する(CM放送中でないと判別する)こと等が考えられる。
以上示した判別方法により前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別されている間は,前記特定チャンネルCM判別回路10により,所定のCM中信号が前記制御部11に伝送される。
ここで,本発明の実施の形態に係るテレビジョン受像機Aは,通常モードと音声抑制モードとの切替設定機能を有しており,それらのモードはリモコンなどによる外部からの操作に応じて切り替えられる。
前記音声抑制モードは,前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別されている場合,前記制御部11が前記音声処理回路8の制御を行うことにより,前記音声出力部9から出力される前記音声信号の出力音量を番組本編の放送中である(CM放送中でない)と判別されている場合よりも抑制するモードである。一方,前記通常モードは,CM放送中か否かの最終判別結果に基づく出力音量の調節を行わないモードである。
前記音声抑制モードが設定されている状態においては,以下のような制御がなされる。
まず,前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別されているときに,ユーザが前記入力部12を通じて音量を調節する操作(例えば,音量を下げる操作)を行った場合,その操作に従って出力音量を調節(低下)させるよう前記音声処理回路8が制御されると共に,調節(低下)後の音量が前記制御部11に内蔵された不図示の記憶部に記憶される。そして,それ以降は,再び前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別されるごとに,前記制御部11は自動的に前記音声処理回路8の制御を行い,前記音声出力部9から出力される音声の音量を,前記記憶部に記憶されているCM放送中の音量の情報に従って(つまり,CM放送中にユーザにより調節された後の音量に)調節する。
また,前記特定チャンネルがCM放送中でないと最終判別されているときに,ユーザが前記入力部12を通じて音量を調節する操作(例えば,音量を上げる操作)を行った場合,その操作に従って出力音量を調節(増大)させるよう前記音声処理回路8が制御されると共に,調節(増大)後の音量が前記制御部11に内蔵された不図示の記憶部に記憶される。そして,それ以降は,再び前記特定チャンネルがCM放送中でない(番組本編の放送中である)と最終判別されるごとに,前記制御部11は自動的に前記音声処理回路8の制御を行い,前記音声出力部9から出力される音声の音量を,前記記憶部に記憶されている本編放送中の音量の情報に従って(つまり,本編放送中にユーザにより調節された後の音量に)調節する。
前記記憶部に記憶されている前記CM放送中の音量の情報は,前記音声抑制モードに設定されている場合であって,前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別されているときに,再びユーザによる音量調節がなされた場合に更新される。同様に,前記記憶部に記憶されている前記本編放送中の音量の情報は,前記音声抑制モードに設定されている場合であって,前記特定チャンネルがCM放送中でない(番組本編の放送中である)と最終判別されているときに,再びユーザによる音量調節がなされた場合に更新される。
このような制御機能を有することにより,ユーザは,CM放送中の音量や本編放送中の音量に関する情報を装置に記憶させるための特別な操作を行う必要がなく,通常行う自然な操作を行っているうちに,CM放送中の音量や本編放送中の音量に関する情報が装置に自動的に記憶されるので操作が容易である。
上述の実施の形態では,前記複数チャンネル各々についての前記個別CM判別を,各チャンネルの音声信号を元に(そのチャンネルがステレオ音声放送チャンネルであるか否かを元に)行うものであった。
これに対し,前記複数チャンネル各々がCM放送中であるか否かの前記個別CM判別を,各チャンネルの映像信号に基づいて行う実施例も考えられる。以下,映像信号に基づき前記個別CM判別を行う実施例について説明する。
本実施例に係るテレビジョン受像機では,前記検波回路3により検波された前記音声信号及び前記映像信号の両方が,前記チャンネル毎CM判別回路4に入力される。
そして,各チャンネルのうち,映画番組の放送中であるチャンネルについては,前記チャンネル毎CM判別回路4により,映像信号がいわゆるレターボックスタイプの映像信号(映像の上下に黒い帯状部分がある映像信号)であるか否かに基づいてCM放送中であるか否かを判別する。
映画番組の放送においては,映画本編の放送中はレターボックスタイプの映像信号が用いられることが多く,CM放送中はレターボックスタイプの映像信号が用いられることは殆どない。従って,映画番組を放送中のチャンネルについては,前記チャンネル毎CM判別回路4により,前記映像信号を解析してそれがレターボックスタイプの映像信号であるか否かを判別し,前記映像信号がレターボックスタイプであればそのチャンネルについてはCM放送中でないと判別(個別判別)し,レターボックスタイプの映像信号でなければCM放送中であると判別(個別判別)するように構成すれば良い。
ここで,各チャンネルが映画番組の放送中であるか否かは,例えば,各チャンネルの信号に重畳されるEPG(電子番組ガイド)により自動判別することや,前記リモコンなどによる利用者の操作入力に従って設定すること等が考えられる。
また,このような映像信号に基づく前記個別CM判別を行うか否かを,利用者によるモード選択によって選択可能とすることも考えられる。
尚,映画番組の放送中ではないチャンネルについては,前記チャンネル毎CM判別回路4により,上述した実施形態と同様に,判別対象チャンネルがステレオ放送であるか否かによって前記個別CM判別がなされるようにすればよい。
また,前記映像信号がレターボックスタイプか否かの判別方法は,表示映像の黒帯部を検出する等,特許文献3等に開示されている従来公知の方法を用いればよい。
また,前記音声信号及び前記映像信号の両方に基づいて前記個別判別を行う実施例も考えられる。
例えば,映画番組を放送中のチャンネルについては,その放送がステレオ音声放送であり,かつ映像信号がレターボックスタイプのものでない場合を,当該チャンネルについてCM放送中であると判別し,当該チャンネルがモノラル音声放送若しくは多重音声放送であるか,または当該チャンネルの映像信号がレターボックスタイプのものでない場合を,当該チャンネルについてCM放送中ではないと判別する,といった前記個別判別の処理を行うことが考えられる。
上述の実施形態,実施例では,前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別された場合に,前記特定チャンネルにおける前記音声信号の出力レベル(音量)が調節される例について示したが,CM判別の結果に基づく制御はこれに限られるものではない。例えば,前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別された場合に,前記特定チャンネルと他のチャンネルとのマルチ画面表示に切り替えることも可能である。
このような機能を設けた,本発明の実施例におけるテレビジョン受像機Bの構成概略を図2に示す。当該テレビジョン受像機Bは,前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判断された場合に,2つのチャンネルをマルチ画面で表示するための映像合成回路13を有する。
当該テレビジョン受像機Bでは,予め前記入力部12からの入力情報に基づいて,前記制御部11に前記特定チャンネル,及び前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別された場合に前記特定チャンネルと同時にマルチ画面で表示させるサブチャンネルが設定され,その設定情報は前記チャンネル選択制御回路5に伝送される。
また,テレビジョン受像機Bでは,前記特定チューナ2aにより前記特定チャンネルが選択され,前記その他チューナ2bのうちのいずれか1つにより前記サブチャンネルが選択されるよう,前記チャンネル選択制御回路5によって前記チューナ2各々が制御される。また,前記映像処理回路6により,前記特定検波回路3aからの映像信号と,前記サブチャンネルを選択する前記その他チューナ2bに対応する前記その他検波回路3bからの映像信号とが入力され,それらの映像信号が各種処理を施された上で前記映像合成回路13に伝送される。
また,前記特定チャンネルがCM放送中であると最終判別されている場合には,前記制御部11によって前記映像合成回路13に対して映像合成の指令信号が伝送される。そして,前記映像合成回路13において,前記映像合成の指令信号が受信されている間は,前記特定チャンネル及び前記サブチャンネルそれぞれの前記映像信号の合成処理が行われ,その合成映像信号が前記映像表示部7に出力される。これにより,前記二つの映像信号の映像画面が,前記映像出力部7によってマルチ画面表示される。
一方,前記特定チャンネルがCM放送中でない(本編の放送中である)と最終判別されている場合には,前記映像合成回路13により,前記特定チャンネルの映像信号のみがそのまま(合成処理は行わずに)前記映像表示部7に出力される。これにより,前記特定チャンネルの映像画面が前記映像出力部7によってシングル画面表示される。
このようなテレビジョン受像機Bにより,前記特定チャンネルがCM放送中であると判断されている場合には,マルチ画面により前記サブチャンネルの映像が表示されるので,ユーザはサブチャンネルの映像を視覚的に把握できる。
例えば,前記特定チャンネルで映画を鑑賞している場合に,予め前記サブチャンネルとして野球中継放送のチャンネル等を選択しておけば,映画放送が本編の放送からCM放送に切り替わった場合, 自動的に映画放送のチャンネル(特定チャンネル)と野球中継のチャンネル(サブチャンネル)とがマルチ画面表示され,映画番組のCM放送中に野球中継の状況(点数や特定の打者の打順が回ってきたか否か等)の確認を行うといったことが可能となる。
上述の実施形態では,前記特定チャンネル以外のチャンネル(以下,他チャンネルという)に関する前記個別CM判別の結果を一定時間保持する例について示したが,この場合,前記他チャンネルがCM放送に切り替わるタイミングが,前記特定チャンネルがCM放送に切り替わるタイミングより少しでも遅れた場合には,前記他チャンネルの前記個別CM判別の結果は,前記特定チャンネルがCM放送中であると判別されることに寄与しない。
そこで,前記他チャンネルについての前記個別CM判別の結果を一定時間保持することに加え,前記特定チャンネルの映像信号及び音声信号の経路,例えば,前記映像処理回路6から前記映像出力部7に至る経路,及び前記音声処理回路8から前記音声出力部9に至る経路の各々に遅延回路を設け,前記特定チャンネルの映像信号及び音声信号が前記映像出力部7及び前記音声出力部9から出力されるタイミングを所定時間(例えば,数秒程度)遅らせることが考えられる。
このような遅延回路を設けた場合,ある時点(以下,出力時点という)で前記映像出力部7及び前記音声出力部9から出力される前記特定チャンネルの信号がCM放送中の信号であるか否かの最終判別を,前記出力時点に出力される前記特定チャンネルの信号についての前記個別CM判別の結果と,前記出力時点より前記所定時間(遅延時間)遡った時点から前記出力時点までを含む時間帯における前記他チャンネルの信号についての前記個別CM判別の結果とに基づいて行うことが考えられる。
尚,前記出力時点で出力される前記特定チャンネルの信号とは,遅延処理後の前記特定チャンネルの信号(音声信号や映像信号)を用いて前記個別CM判別を行う場合は,前記出力時点における信号を指し,遅延処理前の前記特定チャンネルの信号を用いて前記個別CM判別を行う場合は,前記出力時点よりも前記所定時間(遅延時間)前の時点における信号を指す。
例えば,前記出力時点で出力される前記特定チャンネルの信号がCM放送中の信号であるとの前記個別CM判別の結果が出た場合に,それより前記所定時間(遅延時間)前から前記出力時点までの間に,前記他チャンネルがCM放送中であるとの前記個別CM判別の結果が出ていれば,遅延処理後に出力される前記特定チャンネルが,CM放送中であると最終判別し,その最終判別に従った出力制御(音声抑制やマルチ画面表示等)を行う。
これにより,前記他チャンネルがCM放送に切り替わるタイミングが,前記特定チャンネルがCM放送に切り替わるタイミングより若干(最大,前記所定時間)遅れた場合であっても,前記他チャンネルの前記個別CM判別の結果が,前記特定チャンネルがCM放送中であると判別されることに反映されることになる。
このように前記特定チャンネルの信号を遅延させることと,前記他チャンネルについての前記個別CM判別の結果を一定時間保持することとを併せて行うことにより,前記前記特定チャンネルがCM放送中であると判別された場合に,その時点及びその時点に近い前後両方の時間帯に,他の1又は複数のチャンネルが前記チャンネル毎CM判別回路4によってCM放送中であると判別されているときに前記特定チャンネルがコマーシャル放送中であると最終判別するテレビジョン受像機を構成することができる。
本発明の実施の形態に係るテレビジョン受像機Aの概略構成図。 本発明の実施例に係るテレビジョン受像機Bの概略構成図。
符号の説明
A…本発明の実施の形態に係るテレビジョン受像機
B…本発明の実施例に係るテレビジョン受像機
1…受信アンテナ
2…チューナ
3…検波回路
4…チャンネル毎CM判別回路
5…チャンネル選択制御回路
6…映像処理回路
7…映像出力部
8…音声処理回路
9…音声出力部
10…特定チャンネルCM判別回路
11…制御部
12…入力部
13…映像合成回路

Claims (3)

  1. 複数チャンネル分の映像信号及びその映像と同期した音声信号が重畳されたテレビ放送信号を入力する信号入力手段と,
    前記テレビ放送信号における複数チャンネルの中から1の特定チャンネルを選択するチャンネル選択手段と,
    前記テレビ放送信号から前記特定チャンネルを含む複数チャンネル分の前記映像信号及び/又は前記音声信号を抽出するチャンネル抽出手段と,
    前記チャンネル抽出手段により抽出された複数チャンネル各々について,各チャンネルの前記映像信号及び/又は前記音声信号に基づいてコマーシャル放送中であるか否かを判別するチャンネル毎CM判別手段と,
    前記チャンネル毎CM判別手段の判別結果に基づいて前記特定チャンネルがコマーシャル放送中であるか否かを判別する特定チャンネルCM判別手段と,
    を具備してなることを特徴とするテレビジョン受像機。
  2. 前記特定チャンネルCM判別手段が,前記チャンネル毎CM判別手段により前記特定チャンネルがコマーシャル放送中であると判別された場合に,その時点及び/又はその時点に近い時間帯に他の1又は複数のチャンネルが前記チャンネル毎CM判別手段によりコマーシャル放送中であると判別されている場合に前記特定チャンネルがコマーシャル放送中であると判別してなる請求項1に記載のテレビジョン受像機。
  3. 前記チャンネル毎CM判別手段が,前記映像信号がレターボックスタイプの映像の信号であるか否かの判別と前記チャンネルがステレオ放送チャンネルであるか否かの判別との一方又は両方に基づいてコマーシャル放送中であるか否かを判別してなる請求項1又は2に記載のテレビジョン受像機。
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