JP2006086344A - 二次元波面収差の算出方法 - Google Patents

二次元波面収差の算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 被検光学系の2方向の各方向の光学性能データから被検光学系の2次元の光学性能を算出する算出方法及び測定装置、それを利用した露光方法及び装置を提供する。
【解決手段】 被検光学系の二次元光学性能に関する情報を算出する方法であって、前記被検光学系の第一の方向に関する光学性能を表すと共に前記第一の方向に沿った相対関係が正しい第一の測定データと、前記被検光学系の前記第一の方向とは異なる第二の方向に関する光学性能を表すと共に前記第二の方向に沿った相対関係が正しい第二の測定データとを合成する際に利用される、前記第一の測定データにおける前記第二の方向の第一の補正値及び/又は前記第二の測定データにおける前記第一の方向の第二の補正値を算出するステップと、前記算出ステップが算出した前記第一及び/又は第二の補正値を利用して前記第一及び第二の測定データを合成するステップとを有することを特徴とする方法を提供する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、一般には、光学部材の光学性能の測定に係り、特に、マスク上のパターンを被露光体に転写する投影光学系などの被検光学系の二次元的な光学性能(例えば、波面収差)の算出に関する。また、本発明は、かかる機能を搭載した測定装置、露光装置及び方法、並びに、デバイス製造方法にも関するものである。
ICやLSI等の半導体デバイスやCCD等の撮像デバイスや液晶パネル等の表示デバイスや磁気ヘッド等のデバイスをフォトリソグラフィ工程で製造する際にマスク(レチクル)に形成されたパターンを被露光体に転写する投影露光装置が従来から使用されている。かかる露光装置は、レチクル上のパターンを所定の倍率で正確に被露光体に転写することが要求されるため、結像性能のよい、収差を抑えた投影光学系を用いることが重要である。特に近年、半導体デバイスの一層の微細化要求に伴い、転写パターンは、光学系の収差に対して敏感になってきている。このため、高精度に投影光学系の光学性能(例えば、波面収差)を正しく求める需要が存在する。
この点、マスクパターンをウェハに実際に焼き付け、そのレジスト像を走査型電子顕微鏡(SEM)などの手段によって観察し検査する従来の方法は、露光、現像など検査に長時間がかかり、SEMの操作の困難性やレジスト塗布や現像に基づく誤差のために検査の再現性が悪いという問題がある。そこで、かかる問題を解決するために、従来から、シアリング干渉を利用するシアリング干渉計(又はタルボ干渉計)(Shearing Interferometer)が知られており、最近では、理想円柱波又は理想楕円波を形成するためのスリットを有する線回折干渉計(Line Diffraction Interferometer:LDI)を利用した測定装置が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照のこと)。
特開2000−146705号公報 特開2000−097666号公報
前記LDI又はシアリング干渉計を利用した波面収差測定装置では、一定方向のスリット又は回折格子を用いるため、被測定干渉縞を解析して得られる被検光学系の波面収差は、一方向のみの相対関係が正しい波面収差である。従って、二次元方向の相対関係が正しい波面収差を得るためには、異なる(例えば、直交する)2方向のそれぞれの方向について一次元の波面収差情報を取得してこれを合成する必要がある。ところが、かかる合成の具体的方法は従来提案されていなかった。二次元波面収差が正しく求まらないと収差を除去するための調整が正しく行われず、高品位な露光を行うことができない。
そこで、本発明は、被検光学系の2方向の各方向の光学性能データから被検光学系の2次元の光学性能を算出する算出方法及び測定装置、それを利用した露光方法及び装置を提供することを例示的目的とする。
本発明の一側面としての算出方法は、被検光学系の二次元光学性能に関する情報を算出する方法であって、前記被検光学系の第一の方向に関する光学性能を表すと共に前記第一の方向に沿った相対関係が正しい第一の測定データと、前記被検光学系の前記第一の方向とは異なる第二の方向に関する光学性能を表すと共に前記第二の方向に沿った相対関係が正しい第二の測定データとを合成する際に利用される、前記第一の測定データにおける前記第二の方向の第一の補正値及び/又は前記第二の測定データにおける前記第一の方向の第二の補正値を算出するステップと、前記算出ステップが算出した前記第一及び/又は第二の補正値を利用して前記第一及び第二の測定データを合成するステップとを有することを特徴とする。
本発明の一側面としての測定装置は、被検光学系の二次元方向に関する光学性能を測定するための測定装置であって、前記被検光学系の第一の方向に関する光学性能を表し、前記第一の方向に沿った相対関係が正しい第一の測定データと、前記被検光学系の前記第一の方向とは異なる第二の方向に関する光学性能を表し、前記第二の方向に沿った相対関係が正しい第二の測定データを測定する測定部と、前記測定手段が測定した第一及び第二の測定データを取得し、前記第一及び第二の測定データを合成する際に前記第一及び第二の測定データの少なくとも一方に利用される、前記第一の測定データにおける前記第二の方向の第一の補正値及び/又は前記第二の測定データにおける前記第一の方向の第二の補正値を算出し、前記第一及び/又は第二の補正値を利用して前記第一及び第二の測定データを合成する制御部とを有することを特徴とする。
本発明の別の側面としての露光装置は、光源からの光を用いてマスクに形成されたパターンを被露光体に露光する露光装置であって、前記パターンを前記被露光体に投影する投影光学系と、前記光を利用して前記被検光学系としての前記投影光学系の光学性能を検出する上述の測定装置とを有することを特徴とする。また、上述の露光装置を利用して前記投影光学系の光学性能を算出するステップと、前記算出された前記投影光学系の前記光学性能に基づいて前記投影光学系を調節するステップと、前記調節された前記投影光学系を有する前記露光装置を使用して被露光体を露光するステップとを有することを特徴とする露光方法や、上述の露光装置を利用して被露光体を露光するステップと、前記露光された前記被露光体を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法も本発明の一側面を構成する。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、被検光学系の2方向の各方向の光学性能データから被検光学系の2次元の光学性能を算出する算出方法及び測定装置、それを利用した露光方法及び装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施例について説明する。
まず、本発明の第一の実施例の測定装置を備えた露光装置100について、添付図面を参照して説明する。ここで、図1は、露光装置100の概略ブロック図である。本実施例では、前記第一の方向と第二の方向は、それぞれ図1に示す座標軸におけるx方向とy方向に相当するので、以下では、x方向を第一の方向と、y方向を第二の方向と読み替えるものとする。
露光装置100は、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でマスク152に形成された回路パターンを被露光体(プレート)172に露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィ工程に好適であり、以下、本実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる。)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」とは、マスクに対してウェハを連続的にスキャン(走査)してマスクパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後、ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピート方式」とは、ウェハの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットの露光領域に移動する露光方法である。
露光装置100は、測定装置(101a、101b)を搭載し、照明装置と、アライメント光学系120と、マスク152と、投影光学系160と、プレート172とを有する。
照明装置は、転写用の回路パターンが形成されたマスク152を照明し、光源部105と、照明光学系(110、112)とを有する。光源部105は、例えば、光源としては、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザーなどを使用することができる。但し、レーザーの種類はエキシマレーザーに限定されず、レーザーの個数も限定されない。また、光源部105がレーザーを使用する場合、レーザー光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。また、光源部105に使用可能な光源はレーザーに限定されるものではなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
照明光学系は、マスク152を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、オプティカルインテグレーター、σ絞り等を含む。本実施形態の照明光学系は、引き回し光学系110と、第1の照明光学系112とを有する。引き回し光学系110は、光源部105からの光束を偏向して第1及び第2の照明光学系112と120に導光する。第1の照明光学系112は、マスク152を照明する光学系であり、例えば、コンデンサーレンズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で光学素子を整列する。
アライメント光学系120は、測定装置(101a、101b)に使用されるマスク(後述する第1及び第2のマスク142及び180)を照明する機能も兼ねているため、本明細書では、第2の照明光学系と呼ぶ場合もある。アライメント光学系120は、アライメントスコープを構成すると共に、後述するように、測定装置(101a、101b)の一部を構成する。第2の照明光学系120は、通常の露光時は光路外に配置されており、図1は、アライメント照明光学系120を駆動する駆動機構は省略している。アライメントスコープは、マスク152上の図示しないアライメントマークと、ウェハステージ170上のアライメントマークを投影光学系160を介して結像することによってウェハステージ170の位置合わせも行う。
マスク(又はレチクル)152は、例えば、石英製で、その下には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、マスクステージ(又はレチクルステージ)150に支持及び駆動される。マスク152から発せられた回折光は、投影光学系160を通りプレート172上に投影される。マスク152とプレート172は、光学的に共役の関係にある。本実施形態の露光装置100はスキャナーであるため、マスク152とプレート172を縮小倍率比の速度比でスキャンすることによりマスク152のパターンをプレート172上に転写する。なお、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(「ステッパー」とも呼ばれる。)の場合は、マスク152とプレート172を静止させた状態で露光が行われる。
投影光学系160は、複数のレンズ素子のみからなる屈折光学系、複数のレンズ素子とミラーを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を利用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。かかる投影光学系160の光学性能(例えば、波面収差)を、測定装置(101a、101b)が測定する。
プレート172は、ウェハや液晶基板などの被処理体でありフォトレジストが塗布されている。プレート172は図示しないチャックを介してステージ170に載置される。ステージ170は、プレート172及び測定装置(101a、101b)の一部を支持する。ステージ170は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。例えば、ステージ170は、リニアモーターを利用してxy方向にプレート172及び測定装置(101a、101b)の一部を移動することができる。マスク152とプレート172は、例えば、同期走査され、ステージ170とマスクステージ150の位置は、第2の照明光学系120でキャリブレーション後、不図示の干渉計等を用いて、両者は一定の速度比率で駆動される。
図1に示す測定装置(101a、101b)は、アライメント光学系(第2の照明光学系)120と、第1のマスク142と、第2のマスク180と、撮像手段186と、通信用ケーブル188と、制御部190と、メモリ192とを有する。本実施形態では、測定装置(101a、101b)は、被検光学系としての投影露光装置160の光学性能を干渉縞を検出することによって測定する干渉計を含み、干渉計としてLDIを使用する。但し、測定装置(101a、101b)は後述するようにLSIを使用してもよい。
図2に示すように、第2の照明光学系120は、照明用光学系121、123と、照明光学系用視野絞り122と、折り曲げミラー124と、ハーフミラー125と、集光レンズ126と、撮像系用光学系127、129と、基準マーク128と、撮像手段130とを有する。ここで、図2は、測定装置(101a、101b)の第2の照明光学系120、第1のマスク142及び光線分割手段146含む光路図である。
光学系121は、視野絞り122に集光する集光光学系であり、光学系123は、視野絞り122からの光束を平行光に変換するコリメータである。折り曲げミラー124及びハーフミラー125は光学系124からの光束を偏向し、集光レンズ126は、第1のマスク142に集光する。光源部105から引き回し光学系110を介して供給された光は、光学素子121乃至126を経て、投影光学系160へ射出され、また、光学素子125乃至130は、マスクステージ150とウェハステージ170とのアライメントスコープとして機能するため、集光レンズ126は、マスクパターンとプレート172とのアライメント用の対物レンズとしても機能する。
光線分割手段146は、例えば、図3に示す構造を有する、グレーティングとして構成される。光線分割手段146は、図2に示す第2の照明光学系120の集光レンズ126とハーフミラー127との間に設けている。この結果、集光レンズ126には光線分割手段146で振幅分割された複数の光束が入射する。回折格子148aは、後述する第1のマスク142のスリット143aと窓144aに対応し、回折格子148bは、スリット143bと窓144bに対応する。
また、本実施形態は、第1のマスク142を、マスクステージ150の図示しない基板に一体的に設けている。このような基板は、例えば、石英や蛍石などの透明基板からなり、かかる基板のいずれかの側に第1のマスク142をクロムなどで形成する。集光レンズ126は、光束をマスクステージ150上に配置された第1のマスク142に集光する。集光光束は投影光学系160のレチクル側、即ち、物体側の開口数NAoと同じσ=1照明である。集光レンズ126には光線分割手段146で振幅分割された複数の光束が入射するので、第1のマスク142上にも複数の像が集光される。集光される像のそれぞれは視野絞り122で決定される大きさに制限されている。
第1のマスク142の構造を図4に示す。ここで、図4は、第1のマスク142の概略平面図である。第1のマスク142は、0度方位に配されたスリット143aと窓144aのペアと、90度方位に配されたスリット143bと窓144bのペアで構成される。両ペアは幅や間隔などは同一で配置方位のみが異なっている。スリット143a及び143bの幅Δrは投影光学系160のレチクル側、即ち、物体側の開口数をNAiとすると次式で決定される幅となっている。
スリット143a及び143bの幅を数式1のようにすることで、スリットから回折する光はNAiの範囲で等位相とみなすことができる。一方、窓144a及び144bの幅Δr’はλ/NAi以下の大きさである。数式1と同程度としてもよいが、窓144a及び144bを通過した光は、後述するように、ウェハ側で数式1を満たす幅のスリットを通過するためレチクル側で等位相とする必要はないので、光量の観点から広めにとっておく。
回折格子148aで回折した光のうち、0次光がスリット143a、1次光が窓144aに結像するように、回折格子148aのピッチが決定されると共にマスクステージ150は第1のマスク142を位置決めする。その他の回折光はマスク142の遮光部で遮光される。1次光の代わりに−1次光を使用してもよいし、0次光を使わずに、+/−1次光を用いてもよい。
図3においては、光線分割手段146は振幅型の回折格子である。y方向に長いスリット144aを使用して測定する場合は、図3の148aのような、x方向にラインが並んでいる回折格子を使用する。回折格子148aにより光束は図のx方向に光が分割されることになる。分割された複数の光束は、投影光学系160により第2のマスク180に結像する。回折格子148a及び148bは、光線分割手段146が置かれているマスクステージ150の駆動機構によって駆動される。
第2のマスク180は、図5に示すように、0度方位(y方向)に配されたスリット181aと窓183aのペアと、90度方位(x方向)に配されたスリット181bと窓183bのペアを含む。ここで、図5は、第2のマスク180の概略平面図である。スリット181aと窓183aのペアとスリット181bと窓183bのペアは幅や間隔などは同一で方位のみが異なっている。スリット181aと181bの幅Δwは投影光学系160のウェハ側、即ち、像側の開口数をNAiとして、次式を満たす幅となっている。
スリット181aと181bの幅を数式2のようにすることで、スリット181aと181bから回折する光はNAiの範囲で等位相とみなすことができる。
窓183a及び183bの幅Δw’は測定したい投影光学系の空間周波数により決定する。高周波まで測定したい場合は広く、低周波でよいときは狭くする。投影光学系160の瞳の空間周波数をfとおくとΔw’は次式で与えられる。ここで、瞳半径で一周期となる波面収差の周波数fを1とする。
スリットと窓の長さLwは光量の観点から長いほどよいが、投影光学系160の収差が同一とみなすことができる、いわゆるアイソプラナティック領域内にあることが必要である。
撮像手段186はCCD等の光電変換素子からなり、スリット181a又は181bと窓183a又は183bからの2つの光束の干渉縞を検出する。ケーブル188は、撮像手段186と制御部190とを通信可能に接続する。制御部190は、撮像手段186の出力から位相情報を取得する。メモリ192は、後述する図8に示す測定方法、制御部190が撮像手段186の出力から位相情報を取得するための処理方法、制御部190が取得した位相情報、制御部190が行う制御方法、その他のデータを格納する。
以下、図8を参照して、測定装置(101a、101b)の動作について説明する。ここで、図8は、測定装置(101a、101b)の動作を説明するためのフローチャートである。まず、投影光学系160のx方向の波面収差を測定する(ステップ1002)。
図1において、光源部105から出射した光束は引き回し光学系110により、結像性能測定用の第2の照明光学系120に引き回される。引き回し光学系110からの光束は照明光学系用光学系121により集光され、視野絞り122に照射される。視野絞り122は基板140上に配された第1のマスク142を照射する大きさとなっている。視野絞り122からの光束は光学系123で平行光にされ、折り曲げミラー124、ハーフミラー125で折り曲げられ、集光レンズ126に入射する。集光レンズ126は第1のマスク142に光を集光する。
ステップ1002においては、図示しない駆動機構は照明光学系120とマスクステージ150を相対的に移動して、集光レンズ126からの光束が0度方位スリット143a及び窓144aのみに照射されるようにする。
スリット143aは数式1を満たす幅であるため、スリット143a射出後の光は図中のx方向に関しては等位相の波面を持った回折光となる。一方、スリット143aのy方向又は長手方向への光の回折は小さいので、少なくとも、図4のy方向に関しては、投影光学系160の物体側、即ち、レチクル側の開口数と同等かそれ以上の開口数を持つような光束を集光レンズ126でスリット143aに照射する。これにより、投影光学系160の光学瞳全面に光が照射されるようになる。しかも、図4のx方向に等位相な波面を持つ光束となっている。一方、窓144aを通過した光束は第2の照明光学系120の収差が載った光束となっている。第1のマスク142のスリット143aと窓144bは投影光学系160により、ウェハステージ170上に配置された第2のマスク180に結像される。第1のマスク142のスリット143aは第2のマスク180の窓183a、窓144aはスリット181aに結像するように、ウェハステージ170を駆動して、第2のマスク180の位置を調整する。
スリット181aを回折する光束はx方向に等位相な波面を持つ。一方、窓183aを透過する波面は、第1のスリット144cでx方向に等位相な波面に整形された後、投影光学系160を透過してきているので、投影光学系160のx方向の波面収差情報を有している。図6にスリット181aと窓183aの中心から射出した光の模式図を示す。スリット181aを経た光は、理想円柱波面又は理想楕円波面182aであり、窓183aを経た光は被検波面184aであることが理解される。
このため、撮像手段186で観察される干渉縞から、位相情報を求めると、投影光学系160のx方向の波面収差情報を得ることができる。干渉縞から位相情報の算出には、回折格子148aを不図示の駆動手段で駆動させてフリンジスキャン法で求めても良いし、電子モアレを用いてもよい。
図7に撮像手段186が検出する、スリット181aと窓183aの中心から射出した光の干渉縞の一例を示す。スリット181aと窓183aの間隔の分だけ中心のずれた投影光学系160の瞳の像が2つ撮像され、これらの共通領域に干渉縞が発生している。光束182aのx方向は等位相なので、図7の干渉縞から位相情報を取り出すと、投影光学系160のx方向の波面収差を求めることができる。位相情報の取得にはいわゆる、フリンジスキャン法を用いる。フリンジスキャン法においては、マスクステージ150が回折格子148aを回折格子のラインと垂直方向、即ち、x方向に1ピッチ程度走査しながら、撮像手段186が複数枚干渉縞を撮像する。
撮像された複数枚の干渉縞は撮像手段186からケーブル188を介して制御部190に送られ、制御部190は位相情報を取得する。制御部190は、位相情報を取得する際に、例えば、電子モアレ法を使用してもよい。本実施形態では、干渉縞は図7のようなキャリア縞を有するので、撮像した干渉縞に、制御部190が作成、又は予め用意されてメモリ192に格納されたキャリア縞を乗じて処理することが可能である。電子モアレ法を用いれば、一枚の干渉縞で位相情報を取り出せるので時間の観点から有利である。
次に、投影光学系160のy方向の波面収差測定を行う(ステップ1004)。ステップ1002と同様にして、図示しない駆動機構は照明光学系120とマスクステージ150を相対的に移動して、集光レンズ126からの光束が90度方位スリット143b及び窓144bのみに照射されるようにする。
スリット143bは数式1を満たす幅であるため、スリット143b射出後の光は図中のy方向に関しては等位相の波面を持った回折光となる。一方、スリット143bのx方向又は長手方向への光の回折は小さいので、少なくとも、図4のx方向に関しては、投影光学系160の物体側、即ち、レチクル側の開口数と同等かそれ以上の開口数を持つような光束を集光レンズ126でスリット143bに照射する。これにより、投影光学系160の光学瞳全面に光が照射されるようになる。しかも、図4のy方向に等位相な波面を持つ光束となっている。一方、窓144bを通過した光束は第2の照明光学系120の収差が載った光束となっている。第1のマスク142のスリット143bと窓144bは投影光学系160により、ウェハステージ170上に配置された第2のマスク180に結像される。第1のマスク142のスリット143bは第2のマスク180の窓183b、窓144bはスリット181bに結像するように、ウェハステージ170を駆動して、第2のマスク180の位置を調整する。
窓183bを通過した光束は投影光学系160の波面収差の影響を受ける。一方、スリット181bは数式1を満たす幅であるため、スリット181b射出後の光は図中のy方向に広がり、y方向に関しては投影光学系160の波面収差情報の消えた、等位相の波面を持った回折光となる。干渉縞の位相を求めるには、ステップ1002と同様にフリンジスキャン法を使用する。フリンジスキャン法においては、マスクステージ150が回折格子148bを回折格子のラインと垂直方向、即ち、y方向に1ピッチ程度走査しながら、撮像手段186が複数枚干渉縞を撮像する。
撮像された複数枚の干渉縞は撮像手段186からケーブル188を介して制御部190に送られ、制御部190は位相情報を取得する。制御部190は、位相情報を取得する際に、例えば、電子モアレ法を使用してもよい。スリット181bからの波面はy方向に等位相となっているので、ステップ1004で測定される位相は、投影光学系160のy方向の波面収差情報となっている。
上記例では、測定装置(101a、101b)内のマスク(第一マスク142及び第二マスク180)の照明にはアライメント光学系120を用いたが、120に限らず、照明光学系112からの光によってマスク照明を行ってもよい。
ステップ1002と1004で得られたx方向の波面収差とy方向の波面収差は、それぞれx方向又はy方向の相対関係のみが正しい投影光学系160の波面収差である。従って、前記二つの波面収差を合成して、二次元方向の相対関係が正しい投影光学系波面収差を算出するステップ1006が必要となる。
制御部190は、ステップ1002及び1004で得られた投影光学系160のx方向及びy方向の波面収差を合成することによって、二次元方向の相対関係が正しい投影光学系160の波面収差を得る(ステップ1006)。ステップ1006は、図9に示すフローチャートに従って実施する。
以下、図9を参照しながら、統計的手法を利用した合成方法について詳細に記述する。図9では、補正値算出工程(1102)において、x方向波面収差の各行(又はy方向波面収差の各列)に加算する補正値を決定する。ここで、補正値は、相対関係が正しい一方向の測定値を補正値分だけシフトさせる効果を与えるので、以下の説明では、補正値の事をシフト量と呼ぶ。以下、数式を用いて統計的処理によるステップ1102の実現方法を述べる。
例えば、上記x方向波面収差がn×n行列の測定値を有するとし、この時の1行j列の測定値を
とおく。1行目の全測定値にシフト量
を加えると、相対関係が正しい1行目の測定値が得られると仮定する。この時の測定値は
となる。同様に考えて、i行j列の測定値は、
と書ける。
一方、y方向波面収差については、i行1列の測定値を
とおく。1列目の全測定値に定数
を加えると、1行目の測定値が得られると仮定する。この時の測定値は
となる。以下同様に考えて、i行j列の測定値は、
と書ける。従って、合成後の波面収差のi行j列の測定値は、
のいずれでも表すことができ、これら二つの測定値は等しい。よって、以下の式が成立する。
上式は、波面収差情報を有する全画素に対して、最大n×n個の連立方程式が成立する。これに対して、未知数はシフト量
の2n個である。従って、シフト量の最適解を、統計的手法(例えば、最小二乗法)によって求めることができる。
次に、シフト量の反映工程(1104)で、ステップ1202で算出したシフト量をx方向波面収差とy方向波面収差に加算することによって、二次元方向の波面収差を得る。具体的には、x方向波面収差の各行にシフト量
を加算したもの(x合成波面)を合成波面とする。または、y波面の各列にシフト量
を加算したもの(y合成波面)を合成波面としてもよい。更には、x合成波面とy合成波面の各画素の補正後測定値の平均値をもって最終的な合成波面としてもよい。
以下、実際に3×3行列のx方向波面収差とy方向波面収差から、最小二乗法を利用した合成手段によって二次元方向波面収差を得るまでの計算例を、図10を参照しながら説明する。
図10では、x方向波面収差200のi行j列の画素における測定値を
、y方向波面収差202のi行j列の画素における測定値を
とおいた
。この時、200についてはx方向の相対関係
が正しく、202についてはy方向の相対関係
が正しい。また、図中の1200、1202、1204、1206は計算工程を表しており、204a、206a、208aは計算結果として得られる二次元方向の波面収差である。以下、上記内容について詳細に説明する。
まず計算工程1200では、200の各行又は202の各列に加えるシフト量を算出する。200の各行にシフト量
を加えるとy方向の相対関係も正しくなり、二次元方向波面収差が得られると仮定する。同様に考えて、202の各列に定数
を加えると二次元方向波面収差が得られるものとする。200から得られる二次元方向波面収差と、202から得られる二次元方向波面収差は同じものであるから、画素毎に以下の各式が成立する。
また、測定結果としては、各画素間の測定値の相対関係のみが正しい波面収差が得られる(絶対値は測定できない)ので、
の何れかをゼロとおいてもよい。
数式5と6より、未知数6個に対して10個の連立方程式が成立している。以下、最小二乗法の考え方を利用して
を決定する。
まず、数式5の9式の左辺の二乗和を
とおく。
この
が最小値をとるような
を求めればよい。
値が最小になるためには、数式7を
各々で偏微分した時の値がゼロになればよい。この条件と数式6から、以下の連立方程式が成立する。
上5式を行列表現に書き直すと、
これを、例えばLU分解などを利用した演算処理を行う事によって、
を算出する事ができる。以上より、シフト量
の値が決定する。
工程1202と1204では、工程1200で算出したシフト量
を、波面200と202に反映させる。1202では、200の各行の測定値に
を加算して、二次元方向波面204aを得る。1204では、202の各列の測定値に
を加算して、二次元方向波面206aを得る。
工程1206では、波面204aと波面206aについて、画素毎の測定値の平均値
を計算して、波面208aを得る。最終的な測定結果としての二次元方向波面収差は、204a又は206a又は208aの何れを用いてもよい。
ここまで、3×3行列の波面についての具体的な計算例を示した。数式9は、その規則性により、n×n行列の波面に対して成立する数式に拡張する事が可能である。
以上、説明してきた第1の実施例の合成方法では、x方向波面収差の全行とy方向波面収差の全列の情報を利用した統計的手法によってシフト量を決定するため、電気ノイズなどのランダムな誤差要因を打消す効果がある。従って、再現性良く二次元方向の波面収差を得ることができる。
第2の実施例は、図8のステップ1006における処理方法のみが第1の実施例と異なるので、その部分についてのみ説明する。
以下、第1の実施例と同様、図9を参照しながら、本実施例における合成方法について詳細に述べる。図9では、シフト量算出工程(1102)において、x方向波面収差の各行のシフト量を、y方向波面収差のいずれか1列の各画素の測定値と、それと同じ画素位置のx方向波面収差の測定値の差分値とする。又は、y方向波面収差の各列のシフト量を、x方向波面収差のいずれか1行の各画素の測定値と、それと同じ画素位置のy方向波面収差の測定値の差分値とする。次に、シフト量反映工程(1104)で、ステップ1102で決定したシフト量をx方向波面収差(又はy方向波面収差)に反映させる事によって合成波面を得る。
具体例として、x方向波面収差の各行をy方向波面収差の中心列を基準にシフトさせることによって合成波面を算出する場合について述べる。まず、y方向波面収差の1行目中心列の値に、x方向波面収差の1行目各列と1行目中心列の差分値を加えた値を、合成波面の1行目各列における値とする。つまり、x方向波面収差の1行目各列の値へ加算する補正値として、y方向波面収差の1行中心列の値とx方向波面収差の1行目中心列の差分値を用いる。次に、y方向波面収差の2行目中心列の値にx方向波面収差の2行目各列と2行目中心列の差分値を加算した値を、合成波面の2行目各列での値とする。つまり、x方向波面収差の1行目各列の値へ加算する補正値として、y方向波面収差の2行中心列の値とx方向波面収差の2行目中心列の差分値を用いる。上記処理によって、1行目と2行目の測定値の相対関係が行・列ともに正しくなる。全領域に対して上記と同様の処理を行うことによって、二次元方向の相対関係が正しい投影光学系波面収差がえられる。
上記では、y方向波面収差の中心列を基準にしてx方向波面収差の各行をシフトさせることによって二次元方向の波面収差を得る具体例について示したが、x方向波面収差の中心行を基準にしてy方向波面収差の各列をシフトさせる事によっても、同様に二次元方向の波面収差を得る事ができる。また、基準の列(又は行)は、中心列(又は中心行)に限らず、測定値の相対関係が正しいいずれの1列(又は1行)を基準にしてもよい。
さらに、ステップ1104においては、上記x方向波面収差をシフトさせたもの(x合成波面)を合成波面としてもよいし、y方向波面収差をシフトさせたもの(y合成波面)を合成波面としてもよい。又は、x合成波面とy合成波面の各画素の補正後測定値の平均値をもって最終的な合成波面としてもよい。
以下、3×3行列のx方向波面とy方向波面から二次元方向波面を得るまでの具体的な処理方法を、図11を参照しながら説明する。
図11では、図10同様、x方向波面収差200のi行j列の画素における測定値を
、y方向波面収差202のi行j列の画素における測定値を
とおいた
。200についてはx方向の相対関係
が正しく、202についてはy方向の相対関係
が正しい。また、図中の1302、1304、1306は計算工程を表しており、204b、206b、208bは計算結果として得られる二次元方向の波面収差である。
工程1302では、波面202の2列目
を基準にして、波面200の各列をシフトさせる事によって、合成波面204bを得る。具体的には、204bの1行1列には、202の1行基準列(2列)の値
に、202の1行1列の値
と1行基準列(2列)の値
の差分値
を加算した値
を入れる。以下、同様に考える。つまり、波面200の各行の値に加算する補正値として、各々
を用いる。上記の処理によって、204bはxy両方向の相対関係が正しい二次元方向波面収差となる。
工程1304は、波面200の2行目を基準
にして、波面202の各列をシフトさせる事によって、合成波面206bを得る。具体的には、1302と同様にして、200の基準行各列の値に202の各行各列と基準行各列の値の差分値を加えたものを合成波面における測定値とする。つまり、波面202の各列の値に加算する補正値として、各々
を用いる。これによって、206bはxy両方向の相対関係が正しい二次元方向波面収差となる。
工程1306では、波面204bと波面206bについて、画素毎の測定値の平均値
を計算して、波面208bを得る。最終的な測定結果としての二次元方向波面収差は、204b又は206b又は208bの何れを用いてもよい。
この実施例は、第1の実施例がx方向波面収差の全行とy方向波面収差の全列の波面収差情報を利用するのに対して、片方の波面については、1行(又は1列)の情報しか用いないため、ノイズのようなランダムな誤差要因の影響を受け易い。一方で、x方向波面収差とy方向波面収差の合成を行う際の計算速度は、第1の実施例より高速である。前記のような各々の合成アルゴリズムの特徴を生かして、測定装置の置かれる環境に適した実施形態を選択することが可能である。
以上、本発明の好ましい二つの実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で収集の変形及び変更が可能である。
例えば、本実施形態では、LDIについて説明したが、LSI(Lateral Shearing Interferometer)等のシアリング干渉計(又はタルボ干渉計)にも適用する事ができる。また、LDIやLSIを利用した波面収差測定によって得られる波面収差に限定されず、ある方向の相対関係が正しい画像と、それと異なる方向の相対関係が正しい画像から、二次元方向の相対関係が正しい画像を得たい場合でありさえすれば、本発明を適用する事ができる。
さらに、本実施形態では、前記第一の方向と第二の方向は、波面収差のある一方向(x方向)とそれに垂直な方向(y方向)であったが、二方向は直線又は直交関係に限らず、それぞれの方向が曲線かつ直交関係を有していない場合にも適用可能である。
以下、第1及び第2の実施例に共通の収差補正方法について説明する。露光装置100は投影光学系160を構成する図示しない複数の光学素子が光軸方向及び/又は光軸直交方向へ移動可能になっており、不図示の収差調節用の駆動系により、本実施形態により得られる収差情報にもとづいて、一又は複数の光学素子を駆動することにより、投影光学系160の一又は複数値の収差(特に、ザイデルの5収差)を補正したり、最適化したりすることができる。また、投影光学系160の収差を調整する手段としては、可動レンズ以外に、可動ミラー(光学系がカタディオプトリック系やミラー系のとき)や、傾動できる平行平面板や、圧力制御可能な空間、アクチュエータによる面補正などさまざまな公知の系を用いるものが適用できる。
以下、本発明の露光方法について説明する。通常の露光においては、光源部105から出射した光束は引き回し光学系110により、露光装置100乃至100D本体の第1の照明光学系112(又は112A)に引き回される。第2の照明光学系120乃至120Cがある場合には、それらは通常の露光時は光路外に配置されている。第1の照明光学系112に入射した光束は、光束形整形、インコヒーレント化、σ調整、視野調整等が行われて、マスク152を、例えば、ケーラー照明する。マスク152はマスクステージ150上に置かれ、スキャンタイプの露光装置では露光に応じて駆動される。マスク152を通過してマスクパターンを反映する光は、投影光学系160により投影倍率(例えば、1/4、1/5)で図示しないウェハチャックによってステージ170に固定されたプレート172に結像される。ウェハチャックはウェハステージ170上に配され、露光に応じて駆動される。投影光学系160は、収差が補正されているので高品位な露光処理(即ち、所望の解像度)をプレート172上で得ることができる。
次に、図12及び図13を参照して、露光装置100を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図12は,半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、あるいは液晶パネルやCCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ステップ1(回路設計)では、半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウェハ製造)では、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウェハを用いて、リソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり,アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では,ステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図13は、図12のステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着等によって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウェハに感光材を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置10によってマスクパターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では,現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では,エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施形態の製造方法を用いれば、投影光学系160の結像性能を迅速かつ簡易に取得することができるので、露光のスループットも低下せず、また、波面収差が高精度に補正された投影光学系160を使用することができる。このため、従来は製造が難しかった高解像度のデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を経済性及び生産性よく製造することができる。波面収差が補正された投影光学系160は、ウェハステージのアライメントを高精度に行う。また、このように、露光装置100を使用するデバイス製造方法、並びに結果物(中間、最終生成物)としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
測定装置を備えた露光装置の概略ブロック図である。 図1に示す露光装置に適用可能な、本発明の第1の実施形態の測定装置の第2の照明光学系、光線分割手段、及び第1のマスクを含む光路図である。 図2に示す光線分割手段の概略平面図である。 図2に示す第1のマスクの概略平面図である。 図2に示す第2のマスクの概略平面図である。 図5に示す第2のマスクのスリットと窓の中心から射出した光の模式図である。 図1と図2に示す撮像手段が検出する、図5に示すスリットと窓から射出した光の干渉縞の一例を示す概略平面図である。 図1に示す測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。 図8に示す波面収差の合成工程1006を説明するためのフローチャートである。 図9に示す合成工程の統計処理による計算例を説明するための模式図である。 図9に示す合成工程の統計処理によらない計算例を説明するための模式図である。 デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。 図12に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
符号の説明
100 露光装置
101a、101b 測定装置
160 投影光学系
190 制御部

Claims (9)

  1. 被検光学系の二次元光学性能に関する情報を算出する方法であって、
    前記被検光学系の第一の方向に関する光学性能を表すと共に前記第一の方向に沿った相対関係が正しい第一の測定データと、前記被検光学系の前記第一の方向とは異なる第二の方向に関する光学性能を表すと共に前記第二の方向に沿った相対関係が正しい第二の測定データとを合成する際に利用される、前記第一の測定データにおける前記第二の方向の第一の補正値及び/又は前記第二の測定データにおける前記第一の方向の第二の補正値を算出するステップと、
    前記算出ステップが算出した前記第一及び/又は第二の補正値を利用して前記第一及び第二の測定データを合成するステップとを有することを特徴とする方法。
  2. 前記算出ステップは、
    前記第一の測定データにおける前記第一の方向に沿った前記相対関係と、前記第二の測定データにおける前記第二の方向に沿った前記相対関係に基づき、前記第一及び/又は第二の補正値を統計処理で算出することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記合成ステップは、
    前記第一の測定データにおける前記第一の方向に沿った一対の相対関係に基づき、前記第二の補正値を算出して前記第二の測定データを補正するか、
    前記第二の測定データにおける前記第二の方向に沿った一対の相対関係に基づき、前記第一の補正値を算出して前記第一の測定データを補正することを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記合成ステップは、前記第一及び/又は第二の補正値を、前記第一及び/又は第二の測定データに加減算することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の方法。
  5. 被検光学系の二次元方向に関する光学性能を測定するための測定装置であって、
    前記被検光学系の第一の方向に関する光学性能を表し、前記第一の方向に沿った相対関係が正しい第一の測定データと、前記被検光学系の前記第一の方向とは異なる第二の方向に関する光学性能を表し、前記第二の方向に沿った相対関係が正しい第二の測定データを測定する測定部と、
    前記測定手段が測定した第一及び第二の測定データを取得し、前記第一及び第二の測定データを合成する際に前記第一及び第二の測定データの少なくとも一方に利用される、前記第一の測定データにおける前記第二の方向の第一の補正値及び/又は前記第二の測定データにおける前記第一の方向の第二の補正値を算出し、前記第一及び/又は第二の補正値を利用して前記第一及び第二の測定データを合成する制御部とを有することを特徴とする測定装置。
  6. 前記測定装置は、理想円柱波又は理想楕円波を形成するためのスリットを有する線回折干渉計、若しくは、シアリング干渉を利用するシアリング干渉計であることを特徴とする請求項5記載の測定装置。
  7. 光源からの光を用いてマスクに形成されたパターンを被露光体に露光する露光装置であって、
    前記パターンを前記被露光体に投影する投影光学系と、
    前記光を利用して前記被検光学系としての前記投影光学系の光学性能を検出する請求項5又は6記載の測定装置とを有することを特徴とする露光装置。
  8. 請求項7記載の露光装置を利用して前記投影光学系の光学性能を算出するステップと、
    前記算出された前記投影光学系の前記光学性能に基づいて前記投影光学系を調節するステップと、
    前記調節された前記投影光学系を有する前記露光装置を使用して被露光体を露光するステップとを有することを特徴とする露光方法。
  9. 請求項7記載の露光装置を利用して被露光体を露光するステップと、
    前記露光された前記被露光体を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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