JP2007335493A - 測定方法及び装置、露光装置、並びに、デバイス製造方法 - Google Patents

測定方法及び装置、露光装置、並びに、デバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学系の光学性能を高精度に測定することができる測定方法及び装置を提供する。
【解決手段】被検光学系の物体面側に配置された短手方向の幅が被検光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、被検光学系の像面側に配置された短手方向の幅が被検光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が被検光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンとを用いて、被検光学系の波面収差を測定する測定方法であって、第1の像面側スリットからの光と第2の像面側スリットからの光とを干渉させることにより形成される干渉パターンから得られる被検光学系の波面収差から、物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面に含まれる参照波面誤差を除去するステップを有することを特徴とする測定方法を提供する。
【選択図】図4

Description

本発明は、一般には、測定方法及び装置に係り、特に、レチクル(マスク)上のパターンを被処理体に投影する投影光学系などの被検光学系の波面収差を測定する測定方法及び装置に関する。
フォトリソグラフィー(焼き付け)技術を用いて半導体メモリや論理回路などの微細な半導体素子を製造する際に、投影露光装置が従来から使用されている。投影露光装置は、レチクルに描画された回路パターンを投影光学系によってウェハ等に投影して回路パターンを転写する。
投影露光装置は、レチクル上のパターンを所定の倍率(縮小率)で正確にウェハに転写することが要求されるため、収差を極限に抑えた(即ち、結像性能に優れた)投影光学系を用いることが重要である。特に、近年の半導体素子の急速な微細化に伴い、転写パターンは、光学系の収差に対して敏感になってきている。このため、投影光学系を露光装置に搭載した状態で、投影光学系の光学性能(例えば、波面収差)を高精度に測定する需要が存在する。また、生産性や経済性を高める観点からは、測定の簡素化、迅速化、コスト削減なども重要である。
光学系の波面収差を測定する測定装置として、フィゾー干渉計やトワイマン−グリーン干渉計などの干渉計が従来から知られており、かかる干渉計を搭載した露光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。但し、フィゾー干渉計やトワイマン−グリーン干渉計などの従来の干渉計は、システム全体の構成が複雑であるために大型化及び高コスト化の問題を有し、実際に露光装置に搭載することが非常に困難である。そこで、点回折干渉計(PDI)(例えば、特許文献2参照)や線回折干渉計(LDI)(例えば、特許文献3参照)などの比較的簡易な構成の干渉計を露光装置に搭載することが考えられている。
特開2000−277412号公報 特開2000−97666号公報 特開2004−273748号公報
しかしながら、従来の干渉計(測定装置)は、投影光学系の波面収差を高精度に測定することができなかった。例えば、LDIは、スリット長手方向に対して垂直な方向の相対関係が正しい投影光学系の一次波面を2つの測定方向について求め、お互いの測定方向の位相情報を用いて最終波面(投影光学系の波面収差)を測定する。一次波面を求めるための参照波面には、回折限界以下の微小開口スリットで生成される波面であるスリット回折波面を使用する。従って、スリット回折波面が理想的な参照波面ではなかった(即ち、参照波面が誤差を含む)場合、理想的な参照波面との差は測定される光学系の波面誤差となるため、LDIによる波面測定における誤差要因となる。
そこで、本発明は、光学系の光学性能(波面収差など)を高精度に測定することができる測定方法及び装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての測定方法は、被検光学系の物体面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、前記被検光学系の像面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンとを用いて、前記被検光学系の波面収差を測定する測定方法であって、前記第1の像面側スリットからの光と前記第2の像面側スリットからの光とを干渉させることにより形成される干渉パターンから得られる前記被検光学系の波面収差から、前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面に含まれる参照波面誤差を除去するステップを有することを特徴とする。
本発明の別の側面としての測定方法は、被検光学系の物体面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、前記被検光学系の像面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンとを用いて、前記被検光学系の波面収差を測定する測定方法であって、前記第1の像面側スリットからの光と前記第2の像面側スリットからの光とを干渉させることにより形成される干渉パターンから前記第1の像面側スリット及び前記第2の像面側スリットの長手方向に対して垂直な方向の相対関係が等しい前記被検光学系の一次波面を取得するステップと、前記取得ステップで取得した前記一次波面から前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面を減算するステップと、前記減算ステップで前記前記物体面側参照波面及び前記像面側参照波面が減算された一次波面に基づいて、前記被検光学系の波面収差を算出するステップとを有することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての測定方法は、被検光学系の物体面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、前記被検光学系の像面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンとを用いて、前記被検光学系の波面収差を測定する測定方法であって、前記第1の像面側スリットからの光と前記第2の像面側スリットからの光とを干渉させることにより形成される干渉パターンから前記第1の像面側スリット及び前記第2の像面側スリットの長手方向に対して垂直な方向の相対関係が等しい前記被検光学系の一次波面を取得するステップと、前記取得ステップで取得した前記一次波面に基づいて、前記被検光学系の波面収差を算出するステップと、前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面と前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面とを合成して合成波面を生成するステップと、前記算出ステップで算出された前記被検光学系の波面収差から前記生成ステップで生成された前記合成波面を減算するステップとを有することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての測定装置は、被検光学系の波面収差を測定する測定装置であって、前記被検光学系の物体面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、前記被検光学系の像面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンと、前記第1の像面側スリット及び第2の像面側スリットからの透過光又は反射光によって形成される干渉縞を検出する検出手段と、前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面を取得する取得手段とを有し、前記検出手段が検出した干渉縞、前記取得手段が取得した前記物体面側参照波面及び前記像面側参照波面に基づいて、前記被検光学系の波面収差を測定することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての露光装置は、光源からの光を用いてレチクルのパターンを被処理体に露光する露光装置であって、前記パターンを前記被処理体に投影する投影光学系と、前記光を利用して前記投影光学系の波面収差を測定する測定装置とを有し、前記測定装置は、前記投影光学系のレチクル側に配置された短手方向の幅が前記投影光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、前記投影光学系の被処理体側に配置された短手方向の幅が前記投影光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が前記投影光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンと、前記第1の像面側スリット及び第2の像面側スリットからの透過光又は反射光によって形成される干渉縞を検出する検出手段とを有し、前記検出手段が検出した干渉縞、前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面に基づいて、前記被検光学系の波面収差を測定することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としてのデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とする。デバイス製造方法の請求項は、中間及び最終結果物であるデバイス自体にもその効力が及ぶ。また、かかるデバイスは、LSIやVLSIなどの半導体チップ、CCD、LCD、磁気センサー、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、光学系の光学性能(波面収差など)を高精度に測定することができる測定方法及び装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図8を参照して、LDIによる波面測定の原理を説明する。LDIによる波面測定では、被検光学系TOSの物体面側に、2つの平行なスリット(スリット112及び114)を近接して配置した物体面側測定マーク110を配置する。
物体面側測定マーク110のうち少なくとも1つのスリット、本実施形態では、スリット(スリット状の照明領域)112の短手方向の幅(スリット幅)は、被検光学系TOSの物体面側の回折限界以下(解像力以下)にする。なお、スリット112のスリット幅dは、図9(a)に示すように、被検光学系TOSの物体面側の開口数をna、波長をλとしたとき、d≦0.5×λ/naを満足することが望ましい。ここで、図9(a)は、物体面側測定マーク110を示す概略平面図である。
一方、スリット114は、スリット112と同じスリット幅のスリットとしてもよいし、スリット112よりも広いスリット幅のスリットとしてもよい。なお、スリット112及びスリット114の長手方向の幅は、被検光学系TOSの収差が同一とみなせる、所謂、アイソプラナティック領域よりも狭くなるようにする。また、スリット112とスリット114との間隔もアイソプラナティック領域よりも狭くなるように近接して配置する。
照明光学系IOSからの光を用いてスリット112及び114(物体側測定マーク110)を照明すると、スリット112から射出される光は、スリット112の短手方向に関して、無収差な波面となる。一方、スリット114から射出される光は、スリット114のスリット幅がスリット112のスリット幅よりも広い場合、照明光学系IOSの収差の影響を含んだ波面となる。
スリット112及びスリット114から射出された光は、被検光学系TOSを通過することで、被検光学系TOSの収差の影響を波面に受け、被検光学系TOSの像面にスリット112及び114の像を形成する。
被検光学系TOSの像面側には、具体的には、スリット112の像の位置にスリット122を、スリット114の像の位置にスリット124を有する像面側測定マーク120が配置されている。
スリット124の短手方向の幅(スリット幅)は、被検光学系TOSの像面側の解像力以下にする。なお、スリット124のスリット幅Dは、図9(b)に示すように、被検光学系TOSの像面側の開口数をNA、波長をλとしたとき、D≦0.5×λ/NAを満足することが望ましい。ここで、図9(b)は、像面側測定マーク120を示す概略平面図である。
スリット124上に結像した光は、被検光学系TOSの収差の影響(及びスリット114のスリット幅によっては照明光学系IOSの収差の影響)を受けた波面の光となっている。但し、スリット124を通過することによって、スリット124の短手方向に関して、無収差な波面となる。
一方、スリット122の短手方向の幅(スリット幅)は、被検光学系TOSの回折限界よりも充分大きく、望ましくは、波長の10乃至100倍程度にする。スリット122上に結像した光は、スリット122の短手方向に関して、被検光学系TOSの収差の影響のみを受けた波面の光となっている。また、スリット122のスリット幅(窓部)は充分広いため、被検光学系TOSの収差の影響のみを受けた波面の光がそのまま射出される。
スリット122からの光とスリット124からの光とは干渉し、干渉パターン(干渉縞)を形成する。かかる干渉パターンをCCDなどのエリア撮像素子(以下、エリアセンサ)130で検出することによって、スリットの長手方向に対して垂直な方向(測定方向)の相対関係が正しい被検光学系TOSの波面(第1の一次波面)を得ることができる。
また、図10に示すような物体面側測定マーク110A及び像面側測定マーク120Aを用いて、同様に、波面(第2の一次波面)を得ることができる。なお、物体面側測定マーク110Aは、スリット112及び114に対して直交する方向にスリット112A及び114Aを有する。像面側測定マーク120Aは、スリット122及び124に対して直交する方向にスリット122A及び124Aを有する。ここで、図10(a)は、物体面側測定マーク110のスリットに対して直交する方向にスリットを有する物体面側測定マーク110Aを示す概略平面図である。図10(b)は、像面側測定マーク120のスリットに対して直交する方向にスリットを有する像面側測定マーク120Aを示す概略平面図である。
このようにして得られた2つの一次波面(第1の一次波面及び第2の一次波面)を用いて、即ち、互いの測定方向の位相情報から被検光学系TOSの波面を求めることができる。
図11を参照して、2つの一次波面から被検光学系の波面情報を算出する方法を説明する。図11(a)、図11(b)及び図11(c)は、それぞれ第1の一次波面、第2の一次波面及び被検光学系TOSの波面を示している。図11(a)は、Y軸に平行な線上の位相の相対関係が図11(c)における同一線上の位相の相対関係と等しく、図11(b)は、X軸に平行な線上の位相の相対関係が図11(c)における同一線上の位相の相対関係と等しくなっている。かかる相対関係から、図11(c)に示す被検光学系TOSの波面上の任意の点G(x、y)の位相は、図中矢印に沿った位相変化量E(0、y)−E(0、0)及びF(x、y)−F(0、y)として求められ、以下の数式1で表される。
このように、図11(a)及び図11(b)に示す2つの一次波面から、図11(c)に示す被検光学系TOSの波面を得ることができる。
しかしながら、このようにして得られた被検光学系TOSの波面は、上述したように、スリットで生成されるスリット回折波面が理想的な参照波面ではなかった場合、測定誤差を含んでいる。
そこで、本発明の測定方法及び装置は、参照波面となるスリット回折波面の誤差に起因する測定誤差の影響を低減する。
以下、本発明の測定方法及び装置、かかる測定方法及び装置を適用した露光装置について説明する。図1は、本発明の一側面としての露光装置200の構成を示す概略断面図である。
露光装置200は、レチクルRTの回路パターンを被処理体WFに露光する投影露光装置である。露光装置200は、本実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置であるが、ステップ・アンド・リピート方式を適用することもできる。
露光装置200は、図1に示すように、照明装置210と、レチクルRTを載置するウェハステージ220と、投影光学系230と、被処理体WFを載置するウェハステージ240と、測定装置300とを有する。
照明装置210は、転写用の回路パターンが形成されたレチクルRTを照明し、図示しない光源部と、図示しない照明光学系とを有する。また、照明装置210は、後述する物体面側測定マーク310を照明する。
光源部は、例えば、光源として、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザーなどを使用する。但し、光源部の種類は、エキシマレーザーに限定されず、例えば、波長約157nmのFレーザーを使用してもよいし、そのレーザーの個数も限定されない。
照明光学系は、レチクルRTや物体面側測定マーク310を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、オプティカルインテグレーター、絞り等を含む。照明光学系は、例えば、コンデンサーレンズ、オプティカルインテグレーター、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で配置される。
レチクルRTは、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターンが形成され、レチクルステージ220に支持される。レチクルRTのパターンは、投影光学系230を介して、被処理体WF上に投影される。レチクルRTと被処理体WFとは、光学的に共役の関係に配置される。露光装置200は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、レチクルRTを被処理体WFを縮小倍率比の速度比で走査することにより、レチクルRTのパターンを被処理体WF上に転写する。なお、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置200の場合、レチクルRTと被処理体WFとを静止させた状態で露光を行う。
レチクルステージ220は、レチクルRT及び物体面側測定マーク310を支持し、図示しない移動機構に接続されている。レチクルステージ220は、当業界周知のいかなる構成をも適用することができる。図示しない移動機構は、例えば、リニアモーターなどで構成され、XY方向にレチクルステージ220を移動させることでレチクルRTを移動することができる。
投影光学系230は、レチクルRTのパターンを被処理体WF上に結像する。投影光学系230は、複数のレンズ素子のみからなる屈折光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の反射ミラーとを有する反射屈折光学系などを使用することができる。
被処理体WFは、本実施形態では、ウェハであるが、ガラスプレート、その他の被処理体を広く含む。被処理体WFには、フォトレジストが塗布されている。
ウェハステージ240は、被処理体WF及び像面側測定マーク320を支持する。ウェハステージ240は、当業界周知のいかなる構成をも適用することができる。
測定装置300は、被検光学系としての投影光学系230の波面(波面収差)を測定する干渉計であり、上述した線回折干渉計(LDI)の測定原理を利用する。測定装置300は、物体面側測定マーク310と、像面側測定マーク320と、エリアセンサ330とを有する。なお、測定装置300は、物体面側測定マーク310を照明する光として、照明装置210から射出される露光光を利用する。
図2は、レチクルステージ220に配置された物体面側測定マーク310を示す概略平面図である。図3は、ウェハステージ240に配置された像面側測定マーク320を示す概略平面図である。物体面側測定マーク310及び像面側測定マーク320は、図1乃至図3に示す投影光学系230の座標系上のXY平面において、X軸とのなす角が0度及び90度の測定方向の一次波面を測定するためのパターン群である。
物体面側測定マーク310は、0度の測定方向を測定するためのスリット312及び314と、90度の測定方向(0度の測定方向に直交する測定方向)を測定するためのスリット312A及び314Aと、サンプルスリット316及び316Aとを有する。物体面側測定マーク310は、例えば、投影光学系230の第1の一次波面を測定する際には、スリット312及び314を使用し、投影光学系230の第2の一次波面を測定する際には、スリット312A及び314Aを使用する。
スリット312の短手方向の幅(スリット幅)は、投影光学系330のレチクル側の開口数をna、照明装置210からの光(露光光)の波長をλとしたとき、0.5×λ/na程度である。また、スリット314は、スリット312のスリット幅よりも広いスリット幅を有する。スリット312A及び314Aは、スリット312及び314に対して直交する方向に形成される。なお、スリット312A及び314Aは、スリット312及び314と同様なスリット幅を有する。
サンプルスリット316及び316Aは、スリット312及び312Aの形状と同一な形状を有し、後述するように、スリット312及び312Aで生成される回折波面を測定する際に使用される。
像面側測定マーク320は、物体面側測定マーク310に対応して、スリット322及び324と、スリット322A及び324Aとを有する。更に、像面測定マーク320は、サンプルスリット326及び326Aとを有する。像面側測定マーク320は、例えば、投影光学系230の第1の一次波面を測定する際には、スリット322及び324を使用し、投影光学系230の第2の一次波面を測定する際には、スリット322A及び324Aを使用する。
スリット322は、投影光学系230の回折限界よりも大きな短手方向の幅(スリット幅)を有する。また、スリット324のスリット幅は、投影光学系230の被処理体側の開口数をNA、照明装置210からの光(露光光)の波長をλとしたとき、0.5×λ/NA程度である。スリット322A及び324Aは、スリット322及び324に対して直交する方向に形成される。なお、スリット322A及び324Aは、スリット322及び324と同様なスリット幅を有する。
サンプルスリット326及び326Aは、スリット322及び322Aの形状と同一な形状を有し、後述するように、スリット322及び322Aで生成される回折波面を測定する際に使用される。
エリアセンサ330は、像面側測定マーク320の直下に配置され、スリット322及び324やスリット322A及び324Aを透過した2つの透過光が形成する干渉パターンを検出する。なお、本実施例では透過型のスリットを用いたが、反射型のスリットを用いれば、エリアセンサ330は、スリット322及び324やスリット322A及び324Aで反射した2つの反射光が形成する干渉パターンを検出することになる。
ここで、図4を参照して、測定装置300を用いた投影光学系230の波面収差の測定方法について説明する。図4は、本発明の一側面としての測定方法を説明するためのフローチャートである。
まず、投影光学系230の第1の一次波面を測定する際に使用する物体面側測定マーク310のスリット312の回折波面(物体面側参照波面)Wro1及び像面側測定マーク320のスリット324の回折波面(像面側参照波面)Wri1を取得する(ステップ1002)。回折波面Wro1及びWri1は、例えば、露光装置200に構成された又は露光装置200とは別に構成された点回折干渉計(PDI)等の波面測定装置を用いて測定することによって取得する。ここで、回折波面Wro1と回折波面Wri1との和を第1の回折波面Wr1(=Wro1+Wri1)とする。
図5は、露光装置200とは別に構成された点回折干渉計400の構成を示す図である。なお、図5(a)は、点回折干渉計400の全体の構成の概略断面図であり、図5(b)は、点回折干渉計400が有するパターン430の概略平面図である。点回折干渉計400は、スリット312の回折波面Wro1やスリット324の回折波面Wri1を測定する。具体的には、空間コヒーレンスのよい光源410からの光をコリメートレンズ420で平行光に変換し、図5(a)に示すように、参照波面を生成するピンホール432と被検波面となるスリット434とを有するパターン430に照射する。スリット434は、物体面側測定マーク310のスリット312や像面側測定マーク320のスリット324の形状と同一な形状を有する。ピンホール432及びスリット434を射出した2光束は干渉パターンを形成し、かかる干渉パターンをエリアセンサ440で撮像する。これにより、スリット312の回折波面Wro1やスリット324の回折波面Wri1を測定することができる。
図6は、点回折干渉計を構成した露光装置200の構成を示す図である。なお、図6(a)は、露光装置200の全体の構成を示す概略断面図であり、図6(b)は、物体面側測定パターン310及び像面側測定パターン320の概略平面図である。点回折干渉計は、線回折干渉計の構成と類似しているため、露光装置200と一体的に構成することが容易であり、基本的には、線回折干渉計において物体面側及び像面側の測定パターンを変更するだけで構成することができる。具体的には、図6(b)に示すように、物体面側測定パターン310及び像面側測定パターン320にピンホールPHを形成すればよい。
点回折干渉計は、線回折干渉計と比較して、100倍乃至1000倍の光量を必要とするため、測定時間が長時間になるという問題がある。但し、本実施例のようにオフセット誤差(参照波面誤差)を求めるための測定は、通常の測定に比べて頻度が低いため、長時間の測定を行いやすい。従って、線回折干渉計を用いた測定が有効となる。
なお、照明装置210の空間コヒーレンスが悪い場合には、物体面側測定マーク310の前段にグレーティング340を配置し、任意次数の回折光を物体面側測定パターン310の開口部に照明してもよい。また、図5及び図6に示す構成は一例であり、点回折干渉計の構成を図5及び図6に示す構成に限定されるものではない。
また、回折波面Wro1及びWri1は、物体面側測定マーク310のスリット312の形状及び像面側測定マーク320のスリット324の形状、物体面側測定マーク310及び像面側測定マーク320を構成する部材の物性値から求めることもできる。例えば、スリット312及び324の形状、物体面側測定マーク310や像面側測定マーク320を構成する部材の物性値を電子走査顕微鏡、原子間力顕微鏡、偏光解析法によって測定し、電磁場解析法等で回折波面Wro1及びWri1を算出すればよい。勿論、スリット312及び324の形状、物体面側測定マーク310や像面側測定マーク320を構成する部材の物性値は、設計値を用いてもよい。
次に、投影光学系220の第2の一次波面を測定する際に使用する物体面側測定マーク310のスリット312Aの回折波面Wro2及び像面側測定マーク320のスリット324Aの回折波面Wri2を求める(ステップ1004)。
回折波面Wro2及びWri2は、上述したように、露光装置200に構成された又は露光装置200とは別に構成された点回折干渉計(PDI)等の波面測定装置を用いて測定する。勿論、スリット312A及び324Aの形状や物体面側測定マーク310及び像面側測定マーク320を構成する部材の物性値の測定値や設計値に基づいて回折波面Wro2及びWri2を算出してもよい。ここで、回折波面Wro2と回折波面Wri2との和を第2の回折波面Wr2(=Wro2+Wri2)とする。
また、ステップ1002及び1004は、本実施形態では、スリット312及び324、スリット312A及び324Aを測定対象としている。但し、スリット312及び324、スリット312A及び324Aと同一形状で別の位置に形成されたサンプルスリット316及び316A、サンプルスリット326及び326Aを測定対象としてもよい。投影光学系230の波面収差の測定に使用するスリット312及び324、スリット312A及び324Aの測定が困難である場合には、サンプルスリット316及び316A、サンプルスリット326及び326Aを対称とした測定が有効である。また、スリット312及び324、スリット312A及び324Aとサンプルスリット316及び316A、サンプルスリット326及び326Aとの製造誤差(形状誤差)が小さい場合にも、サンプルスリットを対称とした測定が有効である。
次に、投影光学系230の第1の一次波面を測定する(ステップ1006)。照明装置210は、レチクルステージ220に配置された物体面側測定マーク310のスリット312及び314を照明する。スリット312及び314の像は、投影光学系230を介して、ウェハステージ240に配置された像面側測定マーク320のスリット322及び324上に結像される。スリット322及び324を透過した2光束が干渉することによって干渉パターンが形成され、かかる干渉パターンはウェハステージ240に設置したエリアセンサ330で撮像される。これにより、投影光学系230の第1の一次波面を得ることができる。
次に、投影光学系230の第2の一次波面を測定する(ステップ1008)。例えば、レチクルステージ220を移動させる又は照明装置210の照明領域を変更し、スリット312及び314に直交するスリット312A及び314Aを照明し、ステップ1006と同様にして、投影光学系230の第2の一次波面を得る。なお、照明装置210の照明領域を変更してスリット312A及び314Aを照明する場合には、スリット312A及び314Aをアイソプラナティック領域内に配置する。
また、測定用パターンが描画されている透明基板による球面収差の発生を避けるために、物体面側測定マーク310及び像面側測定マーク320は、透明基板のPO側に描画する。また、照明装置210の空間コヒーレンスが悪い場合は、物体面側測定マーク310の上側にグレーティング340を配置し、任意次数の回折光を物体面側測定パターン310の開口部(スリット)に照明してもよい。
次に、ステップ1006で得られた第1の一次波面W11からステップ1002で得られた第1の回折波面Wr1(=Wro1+Wri1)を減算する(ステップ1010)。これにより、第1の回折波面Wr1の誤差を除去した第1の一次波面W11t(=W11−Wr1)が得られる。
同様に、ステップ1008で得られた第2の一次波面W12からステップ1004で得られた第2の回折波面Wr2(=Wro2+Wri2)を減算する(ステップ1012)。これにより、第2の回折波面Wr2の誤差を除去した第2の一次波面W12t(=W12−Wr2)が得られる。
そして、ステップ1010で得られた第1の一次波面W11t及びステップ1012で得られた第2の一次波面W12tに基づいて、投影光学系230の波面(波面収差)を算出する(ステップ1014)。ステップ1014で算出される投影光学系230の波面収差は、スリット312及び312Aやスリット324及び324Aから生成される回折波面(参照波面)の誤差が除去されている。このように、本実施形態の測定装置及び方法は、スリット312及び312Aやスリット324及び324Aに起因する測定誤差の影響を低減し、投影光学系230の波面収差を高精度に測定することができる。なお、図4に示す測定方法の流れは一例であり、図4に示す測定方法の流れに限定されるものではない。
図7を参照して、測定装置300を用いた投影光学系230の波面収差の別の測定方法について説明する。図7は、本発明の一側面としての測定方法を説明するためのフローチャートである。
まず、投影光学系230の第1の一次波面を測定する際に使用するスリット312の回折波面Wro1及びスリット324の回折波面Wri1(第1の回折波面Wr1)を求める(ステップ1002)。同様に、投影光学系230の第2の一次波面を測定する際に使用するスリット312Aの回折波面Wro1及びスリット324Aの回折波面Wri1(第2の回折波面Wr2)を求める(ステップ1004)。
次に、ステップ1002で得られた第1の回折波面Wr1(=Wro1+Wri1)とステップ1004で得られた第2の回折波面Wr2(=Wro2+Wri2)を合成して合成波面を生成する(ステップ1005)。これにより、測定装置300における参照波面Wrが得られる。
次に、投影光学系230の第1の一次波面W11を測定する(ステップ1006)。更に、レチクルステージ220を移動させる又は照明装置210の照明領域を変更し、投影光学系230の第2の一次波面W12を測定する(ステップ1008)。
次に、ステップ1006で得られた第1の一次波面W11とステップ1008で得られた第2の一次波面W12とを合成する(ステップ1012)。これにより、スリット312及び324やスリット312A及び324Aから生成される回折波面(参照波面)の誤差を含んだ投影光学系230の波面Wtrが得られる。換言すれば、投影光学系230の波面Wtrは、従来の測定装置で得られる波面である。
そして、ステップ1016で得られた投影光学系230の波面Wtrからステップ1015で得られた参照波面Wrを減算する(ステップ1018)。これにより、スリット312及び312Aやスリット324及び324Aから生成される回折波面(即ち、参照波面Wr)の誤差を除去した投影光学系230の波面Wt(=Wtr−Wr)を得ることができる。このように、本実施形態の測定装置及び方法は、スリット312及び312Aやスリット324及び324Aに起因する測定誤差の影響を低減し、投影光学系230の波面収差を高精度に測定することができる。なお、図7に示す測定方法の流れは一例であり、図7に示す測定方法の流れに限定されるものではない。
また、投影光学系230は図示しない補正光学系を有しており、測定された波面収差を投影光学系230にフィードバックすることによって、投影光学系230の収差を補正することができる。補正光学系は、例えば、図示しない複数の光学素子が光軸方向及び/又は光軸に対して直交する方向に移動可能に構成され、本実施形態の測定装置及び方法により得られる収差情報に基づいて、一又は複数の光学素子を駆動する。これにより、投影光学系230の波面収差を補正したり、最適化したりすることができる。投影光学系230の収差を補正(調整)する手段は、可動レンズ以外に、可動ミラー(カタディオプトリック系やミラー系の場合)、傾斜できる平行平板、圧力制御可能な空間、アクチュエータによる面補正など様々な公知の技術を適用することができる。
露光において、照明装置210から発せられた光束は、レチクルRTを照明する。レチクルRTを通過してレチクルパターンを反映する光束は、投影光学系230を介して、被処理体WFに結像される。露光装置200が使用する投影光学系230は、上述したように波面収差が最適に補正されており、優れた結像性能(高解像力)を有する。従って、露光装置200は、高いスループットで経済性よく高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。また、露光装置200は、投影光学系230の波面収差を測定する測定装置300の構成が簡易であるため、装置の大型化及び高コスト化を防止することができる。
次に、図12及び図13を参照して、上述の露光装置200を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図12は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(レチクル製作)では、設計した回路パターンを形成したレチクルを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、レチクルとウェハを用いて本発明のリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図13は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、上述の露光装置200によってレチクルの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。かかるデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置200を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本実施形態では、露光装置に搭載された投影光学系を被検光学系としているが、被検光学系は露光装置の投影光学系に限定されるものではなく、それ以外の結像関係を有する光学系であってもよい。
本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略断面図である。 図1に示すレチクルステージに配置された物体面側測定マークを示す概略平面図である。 図1に示すウェハステージに配置された像面側測定マークを示す概略平面図である。 本発明の一側面としての測定方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示す露光装置とは別に構成された点回折干渉計の構成を示す図であって、図5(a)は、点回折干渉計の全体の構成の概略断面図であり、図5(b)は、点回折干渉計が有するパターンの概略平面図である。 点回折干渉計を構成した露光装置の構成を示す図であって、図6(a)は、露光装置の全体の構成を示す概略断面図であり、図6(b)は、物体面側測定パターン及び像面側測定パターンの概略平面図である。 本発明の一側面としての測定方法を説明するためのフローチャートである。 LDIによる波面測定の原理を説明するための図である。 図9(a)は、図8に示す物体面側測定マークを示す概略平面図であり、図9(b)は、図8に示す像面側測定マークを示す概略平面図である。 図10(a)及び(b)は、図9(a)及び(b)に示す物体面側測定マーク及び像面側測定マークのスリットに直交する方向にスリットを有する物体面側測定マーク及び像面側測定マークを示す概略平面図である。 2つの一次波面から被検光学系での波面情報を算出する方法を説明するための図であって、図11(a)、図11(b)及び図11(c)は、それぞれ第1の一次波面、第2の一次波面及び被検光学系の波面を示している。 デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。 図12に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
符号の説明
200 露光装置
210 照明装置
220 レチクルステージ
230 投影光学系
240 ウェハステージ
300 測定装置
310 物体面側測定マーク
312、314、312A及び314A スリット
316及び316A サンプルスリット
320 像面側測定マーク
322、324、322A及び324A スリット
326及び326A サンプルスリット
330 エリアセンサ
340 グレーティング
400 点回折干渉計
410 光源
420 コリメートレンズ
432 ピンホール
434 スリット
PH ピンホール
RT レチクル
WF 被処理体

Claims (10)

  1. 被検光学系の物体面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、前記被検光学系の像面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンとを用いて、前記被検光学系の波面収差を測定する測定方法であって、
    前記第1の像面側スリットからの光と前記第2の像面側スリットからの光とを干渉させることにより形成される干渉パターンから得られる前記被検光学系の波面収差から、前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面に含まれる参照波面誤差を除去するステップを有することを特徴とする測定方法。
  2. 被検光学系の物体面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、前記被検光学系の像面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンとを用いて、前記被検光学系の波面収差を測定する測定方法であって、
    前記第1の像面側スリットからの光と前記第2の像面側スリットからの光とを干渉させることにより形成される干渉パターンから前記第1の像面側スリット及び前記第2の像面側スリットの長手方向に対して垂直な方向の相対関係が等しい前記被検光学系の一次波面を取得するステップと、
    前記取得ステップで取得した前記一次波面から前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面を減算するステップと、
    前記減算ステップで前記前記物体面側参照波面及び前記像面側参照波面が減算された一次波面に基づいて、前記被検光学系の波面収差を算出するステップとを有することを特徴とする測定方法。
  3. 被検光学系の物体面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、前記被検光学系の像面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンとを用いて、前記被検光学系の波面収差を測定する測定方法であって、
    前記第1の像面側スリットからの光と前記第2の像面側スリットからの光とを干渉させることにより形成される干渉パターンから前記第1の像面側スリット及び前記第2の像面側スリットの長手方向に対して垂直な方向の相対関係が等しい前記被検光学系の一次波面を取得するステップと、
    前記取得ステップで取得した前記一次波面に基づいて、前記被検光学系の波面収差を算出するステップと、
    前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面と前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面とを合成して合成波面を生成するステップと、
    前記算出ステップで算出された前記被検光学系の波面収差から前記生成ステップで生成された前記合成波面を減算するステップとを有することを特徴とする測定方法。
  4. 点回折干渉計を用いて、前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面を測定するステップを更に有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の測定方法。
  5. 前記物体面側スリット及び前記第1の像面側スリットの形状、及び、前記物体面側測定パターン及び前記像面側測定パターンを構成する部材の物性値に基づいて、前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面を取得するステップを更に有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の測定方法。
  6. 前記物体面側スリット及び前記第1の像面側スリットと同一形状のサンプルスリットを用いて、前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面を取得するステップを更に有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の測定方法。
  7. 被検光学系の波面収差を測定する測定装置であって、
    前記被検光学系の物体面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、
    前記被検光学系の像面側に配置された短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が前記被検光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンと、
    前記第1の像面側スリット及び第2の像面側スリットからの透過光又は反射光によって形成される干渉縞を検出する検出手段と、
    前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面を取得する取得手段とを有し、
    前記検出手段が検出した干渉縞、前記取得手段が取得した前記物体面側参照波面及び前記像面側参照波面に基づいて、前記被検光学系の波面収差を測定することを特徴とする測定装置。
  8. 前記物体面側測定パターンは、前記物体面側参照波面を測定するための前記物体面側スリットと同一形状のサンプルスリットを有し、
    前記像面側測定パターンは、前記像面側参照波面を測定するための前記第1の像面側スリットと同一形状のサンプルスリットを有することを特徴とする請求項7記載の測定装置。
  9. 光源からの光を用いてレチクルのパターンを被処理体に露光する露光装置であって、
    前記パターンを前記被処理体に投影する投影光学系と、
    前記光を利用して前記投影光学系の波面収差を測定する測定装置とを有し、
    前記測定装置は、
    前記投影光学系のレチクル側に配置された短手方向の幅が前記投影光学系の回折限界以下である物体面側スリットを含む物体面側測定パターンと、
    前記投影光学系の被処理体側に配置された短手方向の幅が前記投影光学系の回折限界以下である第1の像面側スリット及び短手方向の幅が前記投影光学系の回折限界よりも大きい第2の像面側スリットを含む像面側測定パターンと、
    前記第1の像面側スリット及び第2の像面側スリットからの透過光又は反射光によって形成される干渉縞を検出する検出手段とを有し、
    前記検出手段が検出した干渉縞、前記物体面側スリットから生成される物体面側参照波面及び前記第1の像面側スリットから生成される像面側参照波面に基づいて、前記被検光学系の波面収差を測定することを特徴とする露光装置。
  10. 請求項9記載の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、
    露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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