JP2006084118A - 鍋底温度センサ付きガス調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】鍋底温度センサを保護する遮熱筒の外周面の温度上昇を抑えつつ、鍋底温度センサの最適な遮熱構成を提供することで、耐熱性に優れた検出精度の高い鍋底温度センサ付ガス調理器を提供する。
【解決手段】鍋底温度センサ14の周囲に遮熱筒11を設け、遮熱筒11は上方で折り返して下方に導く多重の強制通風路12a,12bを形成し、強制通風路12aの途中には円周上の複数箇所に空気の一部を流す開口19を設け、下端部開口13より吹き出す空気の一部を分岐してバーナ1の下方及び上方に導く第1の経路17と第2の経路18を設けた導風通路16を形成し、鍋底温度センサ14は強制通風路12a,12bで形成した遮熱層でバーナ1からの燃焼熱を遮熱するとともに、下端部開口13より吹き出した空気を遮熱筒11外周面に沿って流すことで遮熱筒11を冷却する構成とし、かつ導風通路16より吹き出す空気を燃焼用二次空気として供給する構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】鍋底温度センサ14の周囲に遮熱筒11を設け、遮熱筒11は上方で折り返して下方に導く多重の強制通風路12a,12bを形成し、強制通風路12aの途中には円周上の複数箇所に空気の一部を流す開口19を設け、下端部開口13より吹き出す空気の一部を分岐してバーナ1の下方及び上方に導く第1の経路17と第2の経路18を設けた導風通路16を形成し、鍋底温度センサ14は強制通風路12a,12bで形成した遮熱層でバーナ1からの燃焼熱を遮熱するとともに、下端部開口13より吹き出した空気を遮熱筒11外周面に沿って流すことで遮熱筒11を冷却する構成とし、かつ導風通路16より吹き出す空気を燃焼用二次空気として供給する構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガスバーナと、このガスバーナにより加熱される調理容器の底面に当接させて鍋底温度を測温する鍋底温度センサを備えたガス調理器に関するものである。
従来、この種のガス調理器は図4に示すように、バーナ1と、このバーナで加熱される調理容器6の底面に接する鍋底温度センサ14を備えるガスコンロであって、鍋底温度センサ14を囲う遮熱筒11を設けるとともに、遮熱筒11内に送風機10からの空気を供給する給気筒16を挿入して、遮熱筒11と給気筒20との間の空隙に遮熱筒11の上端部から遮熱筒の下端の出口21に強制的に空気を流すものにおいて、遮熱筒の下端の出口21に連通する導風路22を設け、この導風路22からの空気の吹き出し口をバーナの炎口3の真下部に配置している(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−60976号公報
しかしながら、従来のガス調理器は、図4に示すように、送風機10から供給される空気を鍋底温度センサ14の周囲に直接流すことで鍋底温度センサ14を冷却し、その空気流を遮熱筒11と給気筒20で形成した空隙を介して導風路22によりバーナ1の炎口3近傍に吹き出すことで昇温された大量の2次空気を供給し、火炎の短炎化を実現して遮熱筒11への熱的影響を軽減するようにしたものであります。この火炎の短炎化により炎の直接的な影響は回避できるものの、短炎化に伴う火炎温度の上昇により輻射熱による影響が懸念され、特に、遮熱筒11の外周面が高温の輻射熱により赤熱し、腐蝕防止用に表面に施されたホーロー加工の耐熱温度を超えてしまい、長時間使用するとホーローが溶けたり、剥がれたりするという課題を有し、また、遮熱筒11の外周面が異常に高温になることで鍋底温度センサ14への影響が懸念され、この問題を回避するため従来構成では、送風機10から供給される空気を鍋底温度センサ14の周囲に直接流すことで冷却するようにしているが、この多量の冷却用空気を流す構成は、逆に鍋底温度センサ14の検出精度を低下させることになるという課題を有していた。
本発明は上記課題を解決するもので、鍋底温度センサを保護する遮熱筒の外周面の温度上昇を抑えつつ、鍋底温度センサの最適な遮熱構成を提供するとともに、冷却空気の一部を燃焼用二次空気として供給することで最適な燃焼状態を確保し、耐熱性に優れた検出精度の高い鍋底温度センサ付ガス調理器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の鍋底温度センサ付ガス調理器は、鍋底温度センサの周囲にバーナの燃焼熱から保護する遮熱筒を設け、前記遮熱筒は送風機から供給される空気を上方で折り返して下方に導く多重の強制通風路を形成し、前記強制通風路の途中には円周上の複数箇所に送風機から供給される空気の一部を流す開口を設けるとともに、前記下端部開口より吹き出す空気の一部を分岐して前記バーナの炎口近傍に導く導風通路を形成し、前記導風通風路は前記バーナの下方より供給する第1の経路と、前記バーナの上方より供給する第2の経路を有し、前記鍋底温度センサは前記強制通風路で形成した遮熱層で前記バーナからの燃焼熱を遮熱するとともに、前記下端部開口より吹き出した空気を前記遮熱筒外周面に沿って流すことで前記遮熱筒を冷却する構成に加え、前記強制通風路の途中に設けた複数の開口より前記鍋底温度センサの周囲に均一に空気を流すことで前記鍋底温度センサを冷却する構成とし、かつ、前記導風通路より吹き出す空気を前記バーナの下方と上方から燃焼用二次空気として供給する構成としたものである。
上記発明によれば、遮熱筒内に形成した多重の強制通風路により、複数の冷却層を介して燃焼熱からの遮熱をおこなうため、確実な遮熱効果が得られるとともに、強制通風路の円周上に鍋底温度センサの周囲に均一に空気を流す開口を設け適量の空気を供給しているため、鍋底温度センサも検出精度に影響を及ぼさない程度に冷却することができ、また、遮熱筒外周面に沿って冷却空気を流すことで表面温度の上昇を抑制することができ、遮熱筒外周面に施されたホーロー加工の耐熱温度以下にすることができるため遮熱筒の長寿命化が図れ、この遮熱筒外周面の温度上昇を抑えることで、より確実な遮熱効果を得ることができる。さらに、冷却用空気の一部を導風通路を介してバーナの上方及び下方から燃焼用二次空気として吹き出すことで、より安定した燃焼状態を確保できるとともに、火炎の短炎化を図ることで遮熱筒への熱的影響を軽減することができる。
本発明によれば、鍋底温度センサを保護する遮熱筒の外周面の温度上昇を抑えつつ、鍋底温度センサの最適な遮熱構成を提供するとともに、冷却空気の一部をバーナの上方及び下方に燃焼用二次空気として供給することで最適な燃焼状態を確保し、耐熱性に優れた検出精度の高い鍋底温度センサ付ガス調理器を提供することができる。
第1の発明は、中心方向に向けられた炎口を有するバーナと、前記バーナの略中央部に設け調理容器の鍋底温度を測温する鍋底温度センサと、前記鍋底温度センサの周囲に配設し前記バーナからの燃焼熱を遮熱する遮熱筒と、前記遮熱筒内に空気を供給する送風機とを備え、前記遮熱筒は送風機から供給される空気を上方で折り返して下方に導き下端部開口より吹き出す多重の強制通風路を形成し、前記強制通風路の途中には円周上の複数箇所に送風機から供給される空気の一部を流す開口を設けるとともに、前記下端部開口より吹き出す空気の一部を分岐して前記バーナの炎口近傍に導く導風通路を形成し、前記導風通風路は前記バーナの下方より供給する第1の経路と、前記バーナの上方より供給する第2の経路を有し、前記鍋底温度センサは前記強制通風路で形成した遮熱層で前記バーナからの燃焼熱を遮熱するとともに、前記下端部開口より吹き出した空気を前記遮熱筒外周面に沿って流すことで前記遮熱筒を冷却する構成に加え、前記強制通風路の途中に設けた複数の開口より前記鍋底温度センサの周囲に均一に空気を流すことで前記鍋底温度センサを冷却する構成とし、かつ、前記導風通路より吹き出す空気を前記バーナの下方と上方から燃焼用二次空気として供給することを特徴とするものである。
本発明によれば、遮熱筒内に形成した多重の強制通風路により、複数の冷却層を介して燃焼熱からの遮熱をおこなうため、確実な遮熱効果が得られるとともに、強制通風路の円周上に鍋底温度センサの周囲に均一に空気を流す開口を設け適量の空気を供給しているため、鍋底温度センサも検出精度に影響を及ぼさない程度に冷却することができ、また、遮熱筒外周面に沿って冷却空気を流すことで表面温度の上昇を抑制することができ、遮熱筒外周面に施されたホーロー加工の耐熱温度以下にすることができるため遮熱筒の長寿命化が図れ、この遮熱筒外周面の温度上昇を抑えることで、より確実な遮熱効果を得ることができる。さらに、冷却用空気の一部を導風通路を介してバーナの上方及び下方から燃焼用二次空気として吹き出すことで、安定した燃焼状態を確保できるとともに、火炎の短炎化を図ることで遮熱筒への熱的影響を軽減することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、導風通風路の第1の経路と第2の経路は、前記各経路の出口開口の大きさを変更することで吹き出し量を任意に設定できるようにしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、冷却用空気の一部を燃焼用空気として供給するとき、バーナの下方から供給する空気量とバーナの上方から供給する空気量を任意に設定することが可能となるため、火炎の短炎化と燃焼特性の最適化を容易に実現することができる。
第3の発明は、上記第1、2の発明において、鍋底温度センサと遮熱筒との間にドラフト作用で空気を流す自然通風路を形成し、前記自然通風路と強制通風路により多重の遮熱層を形成したことを特徴とするものである。
本発明によれば、鍋底温度センサと遮熱筒の間に形成した自然通風路と、遮熱筒内に形成した多重の強制通風路により、複数の冷却層を介して燃焼熱からの遮熱をおこなうため、確実な遮熱効果が得られるとともに、鍋底温度センサと強制通風路の間に自然通風路を介在させることで、送風機からの多量の空気により鍋底温度センサを冷却し過ぎることがなく、鍋底温度センサの検出精度をより高めることができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、強制通風路の円周上に設けた複数の開口と自然通風路を連通させ、送風機から供給される空気の一部を鍋底温度センサの周囲に流すことで前記鍋底温度センサを冷却する構成としたことを特徴とするものである。
本発明によれば、強制通風路の円周上に鍋底温度センサの周囲に均一に空気を流す開口を設け自然通風路を介在させて適量の空気を供給しているため、鍋底温度センサも検出精度に影響を及ぼさない程度に冷却することができる。
第5の発明は、上記第1〜4のいずれかの発明において、強制通風路の途中に設けた開口を覆い下方に開放部を有するガイド体を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、調理中に容器から溢れ出た煮汁等が鍋底温度センサと遮熱筒の間に設けた自然通風路に侵入した場合でも、ガイド体により強制通風路に設けた開口への流入を防止し、煮汁等で強制通風路が閉塞されるという事態を回避することができ、確実に鍋底温度センサの冷却効果を維持することができる。
第6の発明は、上記第3、4の発明において、強制通風路の途中に設けた開口の上端部に自然通風路側に張り出した下方傾斜面を有するガイド板を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、調理中に容器から溢れ出た煮汁等が鍋底温度センサと遮熱筒の間に設けた自然通風路に侵入した場合でも、ガイド板により強制通風路に設けた開口への流入を防止し、煮汁等で強制通風路が閉塞されるという事態を回避することができ、確実に鍋底温度センサの冷却効果を維持することができる。
第7の発明は、上記第1〜6のいずれかの発明において、遮熱筒下端に設けた吹き出し口はバーナの炎口より下方に位置させたことを特徴とするものである。
本発明によれば、強制通風路を流れる冷却用空気は炎口下方の遮熱筒下端より吹き出し、その後、遮熱筒外周面を沿って上方に流れるため、火炎の輻射熱の影響を受ける遮熱筒外周面全域をエアーカーテンで覆う状態となり、輻射熱による温度上昇を抑えることができ、遮熱筒の長寿命化と、より確実な遮熱効果を得ることができる。
第8の発明は、上記第1〜7のいずれかの発明において、送風機から供給する空気量は火力に応じて変化させることを特徴としたものである。
本発明によれば、バーナの火力に応じて最適な空気量を供給することが可能となり、冷却効果と検出精度のバランスのとれた遮熱構成を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるガス調理器の断面図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるガス調理器の断面図である。
図において、バーナ1は取付板2に載置され、略ドーナツ状のバーナ1の内側にはスリット状の炎口3が多数配置され、この炎口3よりガスが噴出し、バーナ1の中心に向かって炎口3上に火炎4が形成される。バーナ1の上部には煮こぼれカバー5が設置されており、さらにその上部には調理容器6を載置するためのゴトク7が配置されている。ゴトク7は天板8に設けた開口部の略中央に配置されている。
また、バーナ1の下方中央部には調理容器6からの煮こぼれ液を受ける汁受け皿9が載置されており、この汁受け皿9の略中央にはゴトク7の上に載置された調理容器6の鍋底温度を測温する鍋底温度センサ14が設置され、その周囲に火炎4からの輻射熱による影響を抑えるための遮熱筒11が設けられている。前記遮熱筒11はその内部に風路を有し、送風機10から供給される冷却用空気を流すことで、遮熱筒11の冷却及び火炎4からの輻射熱の遮熱用空間を形成するようにしている。
具体的には、送風機10から供給される空気を遮熱筒11内に導くための多重に形成された強制通風路12aと12bが設けられ、送風機10から送られた空気は遮熱筒11内に形成された強制通風路12aを通って上方で折り返して下方向きに形成された強制通風路12bを通り、遮熱筒11の下端の吹き出し口13より吹き出される。
また、鍋底温度センサ14と遮熱筒11の間には自然ドラフトにより空気の流れが形成される自然通風路12cを設け、所定の空気層を形成することで遮熱効果をより高めるように構成してある。
さらに、遮熱筒11の内部に形成された強制通風路12aの途中には、送風機10から供給された空気の一部を分岐して自然通風路12cに流すための開口15が設けられている。この開口15は図2に示すように、強制通風路12aの円周上に略均等に複数箇所設けられており、鍋底温度センサ14に対して均一に送風機10からの空気を流すようにしている。これにより火炎4の輻射熱による鍋底温度センサ14の温度上昇を防ぐことができ、前記開口15の開口面積を調整することで鍋底温度センサ14の冷却度合いを調整し、検出精度に影響のない冷却効果を確保することができる。
また、開口15の前面部には、この開口15を覆い自然通風路12c側に張り出した下方に開放部を有するガイド体19が設けられており、調理中に容器6から溢れ出た煮汁等が鍋底温度センサ14と遮熱筒11の間に設けた自然通風路12cに侵入した場合でも、前記ガイド体19により強制通風路12cに設けた開口15への流入を防止し、煮汁等で強制通風路12cが閉塞されるという事態を回避することができ、確実に鍋底温度センサ14の冷却効果を維持することができる。なお、前記ガイド体19は、開口15の上端部に自然通風路12c側に張り出して下方傾斜面を有するように強制通風路12aに一体的に形成しても同様の作用効果を有するものである。
以上のように、遮熱筒11内に形成された強制通風路12a,12bは、上方で折り返して多重の風路を形成し、送風機10から供給される冷却用空気を流すことで、多重の冷却層を形成し、かつ、鍋底温度センサ14と遮熱筒11の間に自然通風路12cを設け所定の空気層を介在させることで、複数の冷却層によりバーナ1からの燃焼熱の遮熱構成を確立し、さらに、強制通風呂12aの途中に自然通風路12cと連通する開口15を円周上に複数箇所設けることで、鍋底温度センサ14への熱的影響を軽減するようにしている。
また、前記吹き出し口13には、吹き出される空気の一部を分岐して前記バーナ1に形成された炎口3の近傍に導く導風通路16が設けられており、この導風通路16は出口部においてバーナ1の下方より空気を供給する第1の経路17とバーナ1の上方より空気を供給する第2の経路18を有している。この第1の経路17及び第2の経路18より吹き出される空気は前記炎口3上に形成される火炎4に対して燃焼用二次空気として作用し、燃焼性能の向上及び火炎の短炎化に大きく寄与する。特に、第2の経路18よりバーナ1の上方から空気を供給することで、火炎4の短炎化を図りつつ、火炎4の向きを中央側に寄せて高負荷燃焼を実現することができ、高効率でコンパクトな器具を提供することが可能となる。
また、導風通風路16の出口部に形成した第1の経路17と第2の経路18は、その開口の大きさを変更することで、各経路17、18より吹き出す空気量を任意に設定することが可能であり、バーナ1の燃焼性能に応じて第1の経路17より吹き出す空気量を多く設定するか、第2の経路18より吹き出す空気量を多く設定するかを容易に行うことができる。
ここで、前記導風通路16はバーナ1の下方中央部に載置した鍋からの煮こぼれ液を受ける汁受け皿9を兼用して構成することも可能である。
次に、上記のように構成されたガス調理器の作用・効果について説明する。
バーナ1で燃焼が開始されると送風機10が作動し、送風機10から送られた空気が遮熱筒11内に形成された強制通風路12aと12bを通り、遮熱筒11の下部に形成した吹き出し口13より吹き出される。この吹き出された空気は炎口3に形成された内向き火炎4の影響を受けて、遮熱筒11の外周面に沿って上方に流れ、遮熱筒11と火炎4の間にエアーカーテンを形成する。このエアーカーテンにより火炎4からの輻射熱の影響を軽減し、遮熱筒11の温度上昇を抑えることができ、遮熱筒11の外周面温度を遮熱筒11の表面に施されたホーロー加工の耐熱温度以下にすることができ、長期間使用しても腐蝕することがなくなる。
また、遮熱筒11の下端部開口の吹き出し口13に設けた導風通路16によりバーナ1の炎口3近傍まで導かれた冷却用空気の一部は、前記導風通風路16の出口部で第1の経路17と第2の経路18に分岐され、バーナ1の炎口3上に形成された火炎4の下方及び上方から供給され、燃焼用二次空気としても使われ、より良好な燃焼状態が作り出されるとともに、火炎の短炎化を図った高負荷燃焼が実現できる。
また、遮熱筒11の温度上昇を抑えることにより、鍋底温度センサ14への熱的影響が軽減され、それに加えて遮熱筒11内に形成された多重の強制通風路12a、12bと、鍋底温度センサ14と遮熱筒11の間に形成された自然通風路12cにより、燃焼熱の影響を受けない、精度の高い鍋底温度検出が可能となる。
さらに、強制通風呂12aの途中に自然通風路12cと連通する開口15を円周上に複数箇所設けることで、図3に示すような効果を発揮する。
図3は、鍋底温度センサ14と遮熱筒11の隙間(自然通風路)12cを閉塞し吹き出す空気がない場合と、本実施形態のように送風機10から供給される空気の一部を流す場合の鍋底温度センサ14の近傍温度を示す。
図3から判るように、鍋底温度センサ14と遮熱筒11の隙間(自然通風路)12cが閉塞され吹き出す空気がない場合、鍋底温度センサ14の近傍温度は500℃近くまで上昇する。てんぷらの自動調理を行う場合、鍋底温度センサ14の制御温度は160〜200℃近辺であり、鍋底温度センサ14の近傍温度が500℃近くまで上昇すると、その輻射熱で制御温度が高温となり、調理容器6の中の油温制御(160〜180℃)に非常に大きなバラツキが生じる。しかし、本実施の形態のように鍋底温度センサ14と遮熱筒11の隙間(自然通風路)から吹き出す空気がある場合、図3からも判るように、鍋底温度センサ14の近傍温度は250℃程度になり、輻射熱の影響が少なくなり、良好な油温制御が可能となる。
また、図1に示すように、遮熱筒11の下端の吹き出し口13をバーナ1の炎口3より下方に設置することで、遮熱筒11の外周面と火炎4の間にエアーカーテンを形成することができ、遮熱筒11の温度上昇を防ぐことができる。また、吹き出し口13から吹き出された空気は、バーナ1の燃焼用二次空気として寄与し、良好な燃焼状態を作り出すことができる。
この、遮熱筒11の下端の吹き出し口13をバーナ1の炎口3より上方に設置すると、遮熱筒11と火炎4の間にエアーカーテンを形成することができず、遮熱筒11の外周面は火炎4の輻射熱を直接受けることになり、遮熱筒11の温度上昇を防ぐことができない。また、吹き出し口13から吹き出された空気はバーナ1の燃焼用二次空気としても使われず、良好な燃焼状態を作り出すことができない。
(実施の形態2)
第2の実施の形態は、バーナ1の火力に応じて送風機10から供給される空気量を変化させるようにしたものである。
第2の実施の形態は、バーナ1の火力に応じて送風機10から供給される空気量を変化させるようにしたものである。
(表1)にバーナ1の燃焼量と送風機10から供給される空気量の関係を示す。(表1)から判るように燃焼量が多い場合、送風機10から供給される空気量を多くし、燃焼量が低くい場合、送風機10から供給される空気量を少なくする。
燃焼量が多い場合、バーナ1の炎口3に形成される火炎4は長くなり、より遮熱筒11に近づき、遮熱筒11の表面温度が上昇する。また、鍋底温度センサ14への輻射熱も多くなり、鍋底温度センサ14の近傍温度も上昇し、鍋底温度センサ14の制御に影響を及ぼす。したがって、燃焼量が多い場合はより多くの鍋底温度センサ14の冷却空気を必要とする。また、燃焼量が多い場合、燃焼用二次空気も多く必要となる。
一方、燃焼量が少ない場合、燃焼量が多い場合と同量の冷却空気を送ると、鍋底温度センサ14近傍の温度を過度に冷却してしまい、鍋底温度センサ14の温度制御に悪影響を及ぼす。また、過度に調理容器6の鍋底を冷却してしまい、熱効率も低下する。さらに、燃焼量が少ない場合は火炎長さも短く、過度に大量の燃焼用二次空気を送ると、火炎が吹き飛んでしまい、バーナ1の炎口3上に火炎が形成されず、滅火してしまう。
よって、燃焼量が多い場合、送風機10から供給される空気量を多くし、燃焼量が少ない場合、送風機10から供給される空気量を少なくすることにより、鍋底温度センサ14近傍温度を一定に保つことができ、良好な温度制御が可能となる。また、燃焼量が少ない場合の熱効率の低下が防ぐことができ、かつ火炎の吹き飛びを防止することができる。
1 バーナ
3 炎口
4 火炎
6 調理容器
10 送風機
11 遮熱筒
12a、12b 強制通風路
14 鍋底温度センサ
16 導風通風路
17 第1の経路
18 第2の経路
19 開口
3 炎口
4 火炎
6 調理容器
10 送風機
11 遮熱筒
12a、12b 強制通風路
14 鍋底温度センサ
16 導風通風路
17 第1の経路
18 第2の経路
19 開口
Claims (8)
- 中心方向に向けられた炎口を有するバーナと、前記バーナの略中央部に設け調理容器の鍋底温度を測温する鍋底温度センサと、前記鍋底温度センサの周囲に配設し前記バーナからの燃焼熱を遮熱する遮熱筒と、前記遮熱筒内に空気を供給する送風機とを備え、
前記遮熱筒は送風機から供給される空気を上方で折り返して下方に導き下端部開口より吹き出す多重の強制通風路を形成し、前記強制通風路の途中には円周上の複数箇所に送風機から供給される空気の一部を流す開口を設けるとともに、前記下端部開口より吹き出す空気の一部を分岐して前記バーナの炎口近傍に導く導風通路を形成し、
前記導風通風路は前記バーナの下方より供給する第1の経路と、前記バーナの上方より供給する第2の経路を有し、
前記鍋底温度センサは前記強制通風路で形成した遮熱層で前記バーナからの燃焼熱を遮熱するとともに、前記下端部開口より吹き出した空気を前記遮熱筒外周面に沿って流すことで前記遮熱筒を冷却する構成に加え、前記強制通風路の途中に設けた複数の開口より前記鍋底温度センサの周囲に均一に空気を流すことで前記鍋底温度センサを冷却する構成とし、
かつ、前記導風通路より吹き出す空気を前記バーナの下方と上方から燃焼用二次空気として供給することを特徴とする鍋底温度センサ付きガス調理器。 - 導風通風路の第1の経路と第2の経路は、前記各経路の出口開口の大きさを変更することで吹き出し量を任意に設定できるようにした請求項1記載の鍋底温度センサ付きガス調理器。
- 鍋底温度センサと遮熱筒との間にドラフト作用で空気を流す自然通風路を形成し、前記自然通風路と強制通風路により多重の遮熱層を形成したことを特徴とする請求項1または2記載の鍋底温度センサ付きガス調理器。
- 強制通風路の円周上に設けた複数の開口と自然通風路を連通させ、送風機から供給される空気の一部を鍋底温度センサの周囲に流すことで前記鍋底温度センサを冷却する構成とした請求項3記載の鍋底温度センサ付きガス調理器。
- 強制通風路の途中に設けた開口を覆い下方に開放部を有するガイド体を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の鍋底温度センサ付きガス調理器。
- 強制通風路の途中に設けた開口の上端部に自然通風路側に張り出した下方傾斜面を有するガイド板を設けたことを特徴とする請求項3または4記載の鍋底温度センサ付ガス調理器。
- 遮熱筒の下端部開口はバーナの炎口より下方に位置させた請求項1〜6のいずれか1項記載の鍋底温度センサ付きガス調理器。
- 送風機から供給する空気量は火力に応じて変化させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の鍋底温度センサ付きガス調理器。
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