JP2006083921A - ベルトコンバータおよびその従動プーリ - Google Patents

ベルトコンバータおよびその従動プーリ Download PDF

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Abstract

【課題】 シーブ間幅の調整作業が容易になるベルトコンバータ用従動プーリの提供。
【解決手段】 従動軸11と、従動軸11の先端側に外嵌して固定された固定シーブ8と、固定シーブ8に隣接して、従動軸11の後端側に外嵌し、軸方向に移動可能に配設された可動シーブ9と、固定シーブ8のボス部8aを従動軸11の先端側から貫通し、固定シーブ8に対してその先端側から進退可能に且つ固定可能に配設された調整ボルト17およびシーブ間幅調節用のシム19とを備え、固定シーブ8に位置決めされた上記調整ボルト17の先端が可動シーブ9に当接することにより、固定シーブ8に対する可動シーブ9の最接近位置が規定されるように構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明はベルトコンバータおよびその従動プーリに関する。さらに詳しくは、二輪駆動作業車、四輪駆動作業車等、様々な車両のエンジンおよびトランスミッションに取り付けられるベルトコンバータ、および、このベルトコンバータに用いられる従動プーリに関する。
ベルトコンバータは、いずれもが固定シーブと可動シーブとからなる駆動プーリと従動プーリとを有している(たとえば特許文献1、特許文献2および特許文献3を参照)。駆動プーリはエンジンの出力軸に取り付けられ、従動プーリはトランスミッションの入力軸に取り付けられる。いずれのプーリにおいても、固定シーブと可動シーブとは両者でVベルトを挟持しうるように、対向する両者でV字状の谷を形成する円錐状のベルト当接面を有している。両プーリには無端のVベルトが掛け回されている。
特許文献3に開示されているように、通常は駆動プーリでは可動シーブがばね力によってシーブ間幅を拡げるように固定シーブから離間する方向に付勢されている。そして、エンジンの回転数が上昇すると、可動シーブのフライウエイトの作用により、可動シーブが上記ばね力に抗してシーブ間幅を狭めるように固定シーブに接近する。一方、従動プーリでは、可動シーブがばね力によってシーブ間幅を狭めるように固定シーブに接近する方向に付勢されている。
そして、エンジンの回転数が上昇すると、駆動プーリのシーブ間幅が狭まってVベルトの掛け回し半径(プーリの実効半径)が大きくなり、従動プーリ側ではVベルトがばね力に抗して駆動プーリに引っ張られてV字谷に食い込むことにより、その実効半径が小さくなる。すなわち減速比が小さくなる。
ベルトコンバータの製造、組み立て時において、Vベルトの製造誤差、エンジン出力軸とトランスミッション入力軸との軸間距離の誤差、その他、様々な誤差の集積に起因して、製品ごとに、両プーリに掛け回されたVベルトの張力にバラツキが生じる。Vベルトの張力は所定の範囲に調整される。ベルトコンバータの使用時において、この張力は両プーリに掛け回されたときのVベルトのたわみ量(デフレクション量ともいう)によって管理することができる。
一般に、Vベルトのデフレクション量は図6に示す手法によって計測する。図6はエンジンとトランスミッションに取り付けられたベルトコンバータ51を示しており、駆動プーリ52と従動プーリ53にVベルト54が掛け回された状態を示している。そして、エンジンが停止しているとき、すなわち、駆動プーリ52のシーブ間幅が最大(ベルトの実効半径が最小)で、従動プーリ53のシーブ間幅が最小(ベルトの実効半径が最大)であるときを示している。符号55はエンジンの出力軸が接続されるべき駆動軸であり、符号56はトランスミッションの入力軸が接続されるべき従動軸である。本図の状態では、駆動プーリ52におけるVベルト54はシーブ間に挟持されておらず、駆動軸55に軽く接触している。
デフレクション量を計測する計測具57は図中に二点鎖線で示すように、両プーリ52、53のVベルト54外面に当接させられる平坦面58を有する基体59と、この平坦面58に対して垂直方向に延びるように基体59に取り付けられたメモリ棒60とを含んでいる。上記平坦面は、駆動プーリ部分の円形状になったVベルトと、従動プーリ部分の円形状になったVベルトとの共通接線を構成することになる。メモリ棒60は上記平坦面58に対して垂直方向に移動可能である。さらに、ばねやロードセル等を用いた図示しない加重計が備えられている。そして、Vベルト54の外面に基体59を当接させた状態でメモリ棒60の先端をベルトの表面に押し付け、加重計が所定値を示したときのメモリ棒60によってベルトのデフレクションDを計測する。つまり、メモリ棒60の先端がVベルト54に当接したときから、所定加重になったときまでのメモリ棒54の進出距離がデフレクション量である。この計測時の所定加重は、従動プーリ52のばね力に打ち勝ってシーブ間幅が拡がらない範囲で定められる(たとえば6kgf)。
Vベルトの張力は、当該ベルトコンバータが搭載される車両の仕様に応じてデフレクション量が所定の範囲内に入るように管理される。ベルト張力が強すぎると、エンジンのアイドリング回転時であっても、トランスミッションをニュートラルからいずれかのギアに接続したときに、Vベルトと駆動軸(図6における符号55)との間が滑らずに車体が動くことがある。これをクリープと呼ぶ。一方、ベルト張力が弱すぎると、エンジンのアイドリング回転時にトランスミッションをニュートラルからいずれかのギアに接続したときに、駆動プーリ52の実効半径が大きくなってベルトコンバータ51の減速比が小さくなる。すなわち、車両は所定減速比より小さい減速比で発進することになってしまう。したがって、上記のように、Vベルトの張力を所定範囲に調整するために、Vベルトのデフレクション量を調節する。
デフレクション量の調整は、従動プーリ53のシーブ間幅を調節することによって行う。すなわち、従動プーリ53のシーブ間幅の最小値を調節するのである。この値を調節することにより、同一のVベルトと同一のベルトコンバータであっても、従動プーリの実効半径が変化することになる。シーブ間幅の最小値が大きくなると、従動プーリの実効半径が小さくなってベルトの張力が小さくなる(デフレクションが大きくなる)。シーブ間幅の最小値が小さくなるとこの逆になる。
図7には従動プーリ53の横断面が示されている。従動プーリ53の上記従動軸56はほぼ管状を呈している。トランスミッションの入力軸TIの先端と従動軸56の空洞56aとをスプライン結合したうえで、接続ボルトBによって従動軸56と入力軸TIとが接続される。従動軸56の先端(図中の左端)から固定シーブ61が螺着され、公知の固着剤等によって固定されている。この固定シーブ61に隣接した従動軸の後端側に可動シーブ62が従動軸56の軸方向に移動可能に嵌合されている。可動シーブ62に隣接した従動軸の後端側に従動ランプ63が螺着され、止め輪(スナップリング)64によって抜け止めが施されている。可動シーブ62と従動ランプ63との間には、可動シーブ62を固定シーブ61に向けて付勢するための従動ばね65が介装されている。両シーブ61、62ともに従動軸56に外嵌するボス部61a、62aを有している。可動シーブのボス部62aの内周面には低摩擦材のブッシュ66が嵌合されている。
この図7を参照しつつ、従動プーリ53のシーブ間幅の調節方法を説明する。上記従動軸56外周の、固定シーブのボス部61a後端と可動シーブのボス部62a先端との間には、シーブ間幅調節用の円輪板状シム67が嵌め込まれている。このシム67は固定シーブ61と可動シーブ62との間のスペーサとして機能する。このシム67が厚いとシーブ間幅が大きくなり、従動プーリの実効半径が小さくなってベルトの張力が小さくなる(デフレクションが大きくなる)。シム67が薄いとシーブ間幅の最小値が小さくなり、上記とは逆になる。製品の初期組み立て時に厚さの異なる複数枚のシムを用意しておき、組み立て後のシーブ間幅Z(シーブの外径部分におけるシーブ間距離)を測定しつつシムを取り替え、このシーブ間幅Zが所定範囲に入るように調節する。
しかしながら、上記シム67は両シーブ61、62の間に配設され、しかも、従動軸56の外周に嵌合されている。かかる構造故、製品の初期組み立て時のシーブ間幅調整においてこのシム67を取り替える場合、従動軸56から上記止め輪64を外し、従動ランプ63を抜き取り、従動ばね65を抜き取り、次いで可動シーブ62を抜き取った後で始めてシム67を取り出すことができる。複数回にわたってシム67を取り替える場合はこの作業を繰り返すことになってさらに煩わしいこととなる。
トルクコンバータ51がユーザに渡った後、Vベルトの摩耗等に対応するメンテナンスの一貫としてベルトデフレクションの調節(シム67の取り替え)をする場合は、さらに手間のかかる作業となる。すなわち、トルクコンバータ51がエンジンおよびトランスミッションに取り付けられているため、まず最初に従動プーリ53自身をトランスミッションの入力軸から取り外す作業が必要となるからである。
特開2000−103246号公報 特開2000−145909号公報 特開平6−330995号公報
本願発明は、ベルトの張力(すなわちベルトのデフレクション)を調節する際に、従動プーリの分解作業や、トランスミッションの入力軸から従動プーリを取り外す作業を必要とすることなく、容易にベルトの張力調節をすることができるベルトコンバータおよびその従動プーリを提供することを目的とする。
本発明のベルトコンバータ用従動プーリは、従動軸と、この従動軸の先端側に外嵌して固定された固定シーブと、この固定シーブに隣接して、従動軸の後端側に外嵌し、軸方向に移動可能に配設された可動シーブと、上記固定シーブを従動軸の先端側から貫通し、固定シーブに対してその先端側から進退可能に且つ固定可能に配設されたシーブ間幅調節部材とを備えており、
固定シーブに位置決めされた上記シーブ間幅調節部材の先端により、可動シーブの固定シーブに対する最接近位置が規定されるように構成されている。
かかる構成の従動プーリでは、プーリを分解することなく固定シーブの先端側からシーブ間幅調節部材を進退させて固定することにより、可動シーブと固定シーブとの最小離間距離を変更し、決定することができる。すなわち、従動プーリのシーブ間幅を決定することができる。
上記両シーブがそれぞれ従動軸に外嵌するボス部を有しており、従動軸における両シーブのボス部の間に、シーブ間幅調節部材の先端が当接しうる当接板が外嵌されている従動プーリが好ましい。可動シーブにシーブ間幅調節部材が直接当たらないので、シーブ間幅調節部材の存在を理由に可動シーブの材質やボス部の形状を大きく制限する必要がないからである。
上記両シーブに、それぞれ従動軸に外嵌するボス部を形成し、上記シーブ間幅調節部材を、固定シーブのボス部に形成されたねじ孔に螺合する頭付きのボルトと、このボルトの頭と固定シーブのボス部の外面との間に配設される、ボルトの位置決め用のシムとから構成することができる。
上記シムを、上記頭付きのボルトに外嵌挿通しうる円輪状の板材から構成することができる。このようにすれば製造が容易となる。
上記シムを、上記頭付きのボルトにその横から外嵌しうるように一部を切り欠いてほぼU字状に形成した板材であるのが好ましい。
また、上記両シーブに、それぞれ従動軸に外嵌するボス部を形成し、上記シーブ間幅調節部材を、固定シーブのボス部に形成されたねじ孔に螺合するボルトと、このボルトに螺合されるロックナットとから構成することもできる。
本発明のベルトコンバータは、
駆動プーリと、従動プーリと、この駆動プーリと従動プーリとに掛け回される無端のベルトとを備えており、上記従動プーリが、上記したうちのいずれか一の従動プーリから構成されたものである。
本発明の従動プーリによれば、手間のかかる作業を必要とすることなく、容易にベルトの張力調節をすることができる。
添付の図面を参照しながら本発明のベルトコンバータおよびその従動プーリの実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態である従動プーリを含むベルトコンバータを断面にして示す図である。図2は図1における従動プーリを示す横断面図である。
図1に示すベルトコンバータ1は駆動プーリ2および従動プーリ3を有し、エンジンEおよびトランスミッションTに取り付けられている。駆動プーリ2はエンジンEの出力軸OSに取り付けられ、従動プーリはトランスミッションTの入力軸TIに取り付けられている。両プーリ2、3に掛け回されたVベルト4は断面にされて向こう側(紙面奥側)半分のみが示されている。両プーリ2、3およびVベルト4は着脱式のカバー5aを有するベルトコンバータケース5の内部に収容されている。
駆動プーリ2は固定シーブ6と可動シーブ7と駆動軸24とを有し、従動プーリ3も固定シーブ8と可動シーブ9と従動軸11とを有している。いずれのシーブ6、7、8、9もVベルト4を挟持する円錐状部分6b、7b、8b、9bの形状は従来のものと同様である。また、駆動プーリ2では可動シーブ7が図示しないばねによってシーブ間幅を拡げるように固定シーブ6から離間する方向に付勢されている。そして、エンジンの回転が上昇すると、可動シーブ7の図示しないフライウエイトの作用により、可動シーブ7が上記ばね力に抗してシーブ間幅を狭めるように固定シーブ6に接近する。一方、従動プーリ3では、可動シーブ9が従動ばね10によってシーブ間幅を狭めるように固定シーブ8に接近する方向に付勢されている。
図1には、駆動プーリ2のシーブ間幅が最大で、従動プーリ3のシーブ間幅が最小である状態が示されている。この状態では、駆動プーリ2におけるVベルト4はシーブ間に挟持されておらず、駆動軸24に軽く接触している。
エンジンEの回転数が上昇すると、駆動プーリ2のシーブ間幅が狭まってプーリ2の実効半径が大きくなり、従動プーリ3側ではVベルト4がばね力に抗して駆動プーリ2に引っ張られることにより、その実効半径が小さくなる。すなわち減速比が小さくなる。この点も従来のものと同様である。
図2に示す従動プーリ3の構造を説明する。従動プーリ3に備えられた上記従動軸11はほぼ管状を呈している。従動軸11の後端(図中の右端)側からその空洞11a内にトランスミッションの入力軸TIがテーパー結合されたうえで、接続ボルト12によって従動軸11と入力軸TIとが接続される。従動軸11の先端(図中の左端)側から固定シーブ8が螺着固定されている。この固定シーブ8に隣接した従動軸の後端側に可動シーブ9が従動軸11の軸方向に移動可能に嵌合されている。可動シーブ9に隣接した従動軸の後端側に従動ランプ13がスプライン結合され、止め輪14によって抜け止めが施されている。可動シーブ9と従動ランプ13との間には、可動シーブ9を固定シーブ8に向けて付勢するための従動ばね15が介装されている。両シーブ8、9ともに従動軸11に外嵌するボス部8a、9aを有している。可動シーブのボス部9aの内周面には低摩擦材のブッシュ15が嵌合されている。
このベルトコンバータ1も、Vベルト4の張力調整のために従動プーリ3のシーブ間幅を調整するための機構を備えている。図2を参照しつつこのシーブ間幅調節機構を説明する。固定シーブのボス部8aには、従動軸11の軸方向にほぼ平行に前後を貫通するねじ孔16が形成されている。このねじ孔16には、その先端側外方からシーブ間幅調節部材の一部を構成する調整ボルト17が螺着されている。調整ボルト17の先端はねじ孔16の後端から外方へ可動シーブ9に向けて突出している。調整ボルト17としては頭付きボルトが採用されている。ボス部8aの先端側外面のねじ孔16周囲には座ぐり面18が形成され、この座ぐり面18と調整ボルト17の頭の面17aとの間にシーブ間幅調節用の円輪板状シム19が装着されている。このシム19は調整ボルト17に外嵌されるいわゆる座金のようなものである。上記調整ボルト17およびシム19がシーブ間幅調節部材を構成している。このシム19の厚さを変えることにより、調整ボルト17の先端の位置を変えることができる。シム19は固定シーブ8に対する調整ボルト17の位置決め機能を奏する。上記ねじ孔16は後端側約半分には雌ねじ部16aが形成されており、先端側約半分は雌ねじの谷径と同等かそれ以上の内径の孔(大径孔部16bと呼ぶ)が形成されている。この大径孔部16bの存在により、調整ボルト17を締め込んだときに、大径孔部16bに対応する調整ボルトの部分の弾性伸びの反力によって緩みが防止される。
調整ボルト17の先端は可動シーブのボス部9aの先端面(図中の左端面)に当接することにより、固定シーブ8と可動シーブ9との最小離間距離が規定され、その結果、最小シーブ間幅Zが規定される。本実施形態では、調整ボルト17の先端が直接に可動シーブのボス部9aに当たるのではなく、従動軸11外周における、両シーブのボス部8a、9a同士の間に遊嵌された円輪板状の当接板20に当接する。結果的に、当接板が、従動ばね10によって押された可動シーブのボス部9aと調整ボルト17とで挟圧されることになる。この当接板20は可動シーブ9より高い硬度を有する材料から形成される。これにより、調整ボルト17の押圧による可動シーブ9の塑性変形が防止されている。もちろん、可動シーブ9が高硬度の材料から形成されているならこの当接板を装着する必要はない。また、上記当接板20と同様の機能を発揮する部材を可動シーブのボス部9aの先端に一体に形成してもよい。
ベルトコンバータ1の組み立て時には厚さの異なる複数枚のシム19を用意しておき、組み立て後のシーブ間幅Zを測定しつつシム19を取り替えて、このシーブ間幅Zが所定範囲に入るように調節する。薄いシム19を装着すると調整ボルト17の先端が可動シーブ9を押して固定シーブ8から離間させ、シーブ間幅が大きくなり、従動プーリの実効半径が小さくなってベルトの張力が小さくなる(デフレクションが大きくなる)。厚いシム19を装着すると調整ボルト17が後退するので、可動シーブ9が固定シーブ8に接近して上記とは逆になる。シム19を取り替えるには、調整ボルト17を固定シーブ8のねじ孔16から抜き取り、シム19を取り替えて再度ねじ孔16に螺着するだけでよい。これは、メンテナンス時でも同じである。したがって、従来技術におけるように従動プーリ3をトランスミッションの入力軸から取り外す必要がないことはもとより、従動プーリ自身を分解する必要もない。
また、シムは円輪板状に限定されることはない。たとえば図3に示すように、円輪板の一部を調整ボルトの断面直径程度の幅寸法だけ切り欠いた切除部21aを形成して平面視をほぼU字状にし、調整ボルト17にその横から装着しうるようにしたシム21にしてもよい。そうすれば、調整ボルト17を固定シーブ8から完全に抜き取る必要なくこのシム21を取り替えることができる。
図4には固定シーブ8をその先端側から見た図(図2のIV−IV線矢視図)が示されている。図示のごとく、調整ボルト17は固定シーブのボス部8a中心を中心とした円上に120゜ごとに三カ所設置されている。この調整ボルト17が配置されたボス部8a中心を中心とした円は、全ての調整ボルト17の先端が当接板20に当たるように、当接板20の外径よりは小さくされている。また、調整ボルト17の設置本数については限定せず、一本でもよく、二本でもよく、四本以上でもよい。しかし、可動シーブの位置決め機能の安定性、製造コスト、加工の容易性などを総合的に判断すれば、三本の調整ボルトを設置するのが好ましい。複数本設置する場合は等間隔に設置するのが好ましい。
図5には他のシーブ間幅調節部材が示されている。この調節部材はシムを使わないロックナット式の調整ボルトである。この調整ボルトは六角孔付きのボルト22であり、ボルト22の位置決めおよび緩み止めのためのロックナット23が螺着されている。調整ボルト22をねじ孔16に進入後退させ、ロックナット23によって固定することにより、その先端の位置を変化させて可動シーブ9の位置決めを行う。この調整ボルト22によればシーブ間幅Zを調整する際にシムを取り替えたり調整ボルトをねじ孔16から取り外すという作業が省略される。なお、調整ボルト22として六角孔付きボルトに代えて六角頭付きボルトを採用してもよい。
以上説明したシーブ間幅を調整する機構は、シーブ間幅Zを拡げることによってVベルト4の張力を減少(デフレクション量を増大)させるものであり、シーブ間幅Zを狭めることによって上記張力を増大(デフレクション量を減少)させるものである。Vベルト4の張力を減少させるのは、ベルトコンバータの組み立て時に、エンジンの出力軸とトランスミッションの入力軸との軸間距離が比較的大きい、Vベルトの長さが比較的短い、Vベルトの幅が比較的広いなどの要因により、Vベルトのデフレクション量が所定範囲から小さい方へ(張力が大きい方へ)外れているときである。一方、Vベルト4の張力を増大させるのは、ベルトコンバータの組み立て時に、上記軸間距離が比較的小さい、Vベルトの長さが比較的長い、Vベルトの幅が比較的狭いなどの要因により、Vベルトのデフレクション量が所定範囲から大きい方へ(張力が小さい方へ)外れているときである。
以上のようにシーブ間幅Zを調整することにより、エンジンのアイドリング回転時にトランスミッションをニュートラルからいずれかのギアに接続したとき、車両が動くこと(クリープ)を防止することができ、また、車両が所定減速比より小さい減速比で発進することを防止することができる。
本発明の従動プーリによれば、そのシーブ間幅の調整作業が容易になる。また、製造者に限らず、使用者にとってもシーブ間幅の調整作業が容易になる。
本発明の一実施形態である従動プーリを含むベルトコンバータを断面にして示す図である。 図1における従動プーリを示す横断面図である。 図2の従動プーリに用いられるシーブ間幅調整用のシムの他の例を示す斜視図である。 図2の従動プーリの固定シーブをその先端側から見た図、すなわち、図2のIV−IV線矢視図である。 図2の従動プーリに用いられる調整ボルトの他の例を示す正面図である。 ベルトコンバータの駆動プーリと従動プーリとを示す正面図であり、ベルトのたわみ量を測定する要領を示している。 従来の従動プーリの一例を示す横断面図である。
符号の説明
1・・・・ベルトコンバータ
2・・・・駆動プーリ
3・・・・従動プーリ
4・・・・Vベルト
5・・・・ベルトコンバータケース
6・・・・(駆動プーリの)固定シーブ
7・・・・(駆動プーリの)可動シーブ
8・・・・(従動プーリの)固定シーブ
9・・・・(従動プーリの)可動シーブ
10・・・・従動ばね
11・・・・従動軸
12・・・・接続ボルト
13・・・・従動ランプ
14・・・・止め輪
15・・・・ブッシュ
16・・・・ねじ孔
17・・・・調整ボルト
18・・・・座ぐり面
19・・・・シム
20・・・・当接板
21・・・・シム
22・・・・調整ボルト
23・・・・ロックナット
24・・・・駆動軸
Z・・・・シーブ間幅

Claims (7)

  1. 従動軸と、
    該従動軸の先端側に外嵌して固定された固定シーブと、
    該固定シーブに隣接して、従動軸の後端側に外嵌し、軸方向に移動可能に配設された可動シーブと、
    上記固定シーブを従動軸の先端側から貫通し、固定シーブに対してその先端側から進退可能に且つ固定可能に配設されたシーブ間幅調節部材とを備えており、
    固定シーブに位置決めされた上記シーブ間幅調節部材の先端により、可動シーブの固定シーブに対する最接近位置が規定されるように構成されてなるベルトコンバータ用従動プーリ。
  2. 上記両シーブがそれぞれ従動軸に外嵌するボス部を有しており、
    上記従動軸における、両シーブのボス部同士の間に、シーブ間幅調節部材の先端が当接しうる当接板が外嵌されてなる請求項1記載のベルトコンバータ用従動プーリ。
  3. 上記両シーブがそれぞれ従動軸に外嵌するボス部を有しており、
    上記シーブ間幅調節部材が、
    固定シーブのボス部に形成されたねじ孔に先端側から螺合する頭付きのボルトと、該ボルトの頭と固定シーブのボス部の外面との間に配設される、ボルトの位置決め用のシムとから構成されてなる請求項1または2記載のベルトコンバータ用従動プーリ。
  4. 上記シムが、上記頭付きのボルトに外嵌挿通しうる円輪状の板材から構成されてなる請求項3記載のベルトコンバータ用従動プーリ。
  5. 上記シムが、上記頭付きのボルトにその横から外嵌しうるように一部が切りかかれてほぼU字状に形成された板材である請求項3記載のベルトコンバータ用従動プーリ。
  6. 上記両シーブがそれぞれ従動軸に外嵌するボス部を有しており、
    上記シーブ間幅調節部材が、
    固定シーブのボス部に形成されたねじ孔に先端側から螺合するボルトと、該ボルトに螺合されるロックナットとから構成されてなる請求項1または2記載のベルトコンバータ用従動プーリ。
  7. 駆動プーリと、
    従動プーリと、
    該駆動プーリと従動プーリとに掛け回される無端のベルトとを備えており、
    上記従動プーリが、請求項1〜6のうちのいずれか一の項に記載の従動プーリであるベルトコンバータ。
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