JP2006083356A - 液晶処理具用洗浄剤組成物 - Google Patents

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昭人 井樋
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Abstract

【課題】液晶処理具に付着した液晶化合物に対して優れた溶解性および除去性を示し、さらにすすぎ性を大きく改善でき、しかも環境汚染のおそれが極めて少なく、安全性の高い液晶処理具用洗浄剤組成物ならびに該洗浄剤組成物を用いる液晶処理具の洗浄方法を提供すること。
【解決手段】アルキルグリコシド、グリセリルエーテル、炭化水素、および水を含有する液晶処理具用洗浄剤組成物、ならびに該組成物を用いる液晶処理具の洗浄工程を含む、液晶処理具の洗浄方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶処理具用洗浄剤組成物に関し、さらに詳細には液晶処理具の表面に存在する汚れ成分の除去性およびすすぎ性に優れ、しかも安全性の高い洗浄剤組成物に関する。また、該洗浄剤組成物を用いて液晶処理具を洗浄する方法に関する。
パソコン用ディスプレー、テレビ、携帯電話などの表示素子に用いられる液晶化合物およびその混合物において、求められる性能(例えば、相転移温度、応答速度、コントラストなど)を維持する必要性から、異物・不純物の混入、または特性を低下させる液晶化合物の混入を、可能な限り抑制する必要がある。また、薄いセルギャップでは駆動電圧が高いこともあり、導電性異物の混入を防ぐ必要がある。
よって液晶化合物を処理するための液晶処理具には極めて高度な清浄度が求められる。
従来、液晶処理具の表面に存在する液晶化合物の除去には、トリクロロエタン、テトラクロロエチレン等の塩素系溶剤、トリクロロフルオロエタン等のフロン系溶剤などが使用されていた。しかしながら、塩素系およびフロン系の溶剤は安全性、毒性、作業環境および環境汚染等に大きな問題を有しているという問題があった。
この問題を解決するため、非塩素系溶媒、非フロン系溶媒、または界面活性剤を主成分とする水系洗浄剤が提案されている(特許文献1)。
特開平4−318100号公報
従来の塩素系溶剤による洗浄方法では、洗浄工程において液晶処理具を塩素系溶剤で洗浄した後に、塩素系溶剤の新液、さらには親水性溶液で洗浄し、その後純水で10回近くのすすぎを行い、洗浄およびすすぎの両工程で10回以上の処理を行う必要があった。一方、塩素系溶剤の代替として提案されている水系洗浄剤を用いて液晶処理具を洗浄する場合、洗浄工程において液晶処理具、特に超音波洗浄のし難い液晶配合槽に付着する液晶化合物の十分な溶解性および除去性が得られず、液晶化合物処理具に必要な高度な清浄性を得ることは困難であった。また、従来の洗浄剤を液晶処理具の洗浄に用いた場合、液晶処理具に付着した洗浄剤成分を水で洗い流す際、すなわち、すすぎの際の負担が大きかった。
したがって、本発明は、液晶処理具に付着した液晶化合物に対して優れた溶解性および除去性を示し、さらにすすぎ性を大きく改善でき、しかも環境汚染のおそれが極めて少なく、安全性の高い液晶処理具用洗浄剤組成物ならびに該洗浄剤組成物を用いる液晶処理具の洗浄方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕アルキルグリコシド、グリセリルエーテル、炭化水素、および水を含有する液晶処理具用洗浄剤組成物、ならびに
〔2〕前記〔1〕記載の組成物を用いる液晶処理具の洗浄工程を含む、液晶処理具の洗浄方法
に関する。
本発明の洗浄剤組成物により、液晶処理具に付着した液晶化合物を容易に溶解および除去することができ、さらにすすぎ性を大きく改善でき、しかも環境汚染のおそれを低減することができるという効果が奏される。
本発明の液晶処理具用洗浄剤組成物は、アルキルグリコシド、グリセリルエーテル、炭化水素、および水を含有するものであり、かかる4成分を併用することに大きな特徴がある。
特に、本発明は、アルキルグリコシドとグリセリルエーテルを組み合わせることにより、本来水に溶解しない炭化水素を高含水域でも分散することができる。
したがって、高含水率でも液晶化合物を溶解・除去することが可能であり、洗浄剤コストを大きく低減することができるだけでなく、従来の洗浄剤に比べ、引火性を考慮した厳密な水分管理を行う必要がなくなり扱いやすくなる。
また、従来の洗浄剤は、液晶処理具に残った洗浄剤成分を洗い流すための水を用いたすすぎ時の負荷が大きかったが、本発明の洗浄剤組成物を用いることにより水を用いたすすぎが格段と容易になる。
本発明の洗浄剤組成物は、液晶処理具に付着した液晶化合物の除去に特に優れた効果を有する。
本発明の洗浄対象となる液晶処理具としては、液晶化合物を混合する際に使用される液晶配合槽、表示素子基板に液晶を注入または滴下する際に使用される冶工具類などが挙げられる。本発明において液晶配合槽とは、パソコン用ディスプレー、テレビ、携帯電話などの表示素子に用いられる液晶化合物およびその混合物を調製する際に使用される容器(例えば、SUS製容器)をいう。また、本発明において液晶取扱いで使用される冶工具類とは、液晶化合物をガラス基板に封入する際に使用される、液晶で満たされた容器、ガラス基板を固定する冶具、ガラス基板へ液晶を滴下する際に使用される装置のタンク、パイプ、ポンプおよびノズル部分などをいい、液晶化合物により汚染される可能性のある冶工具類一般をいう。
本発明の洗浄剤組成物は、特に上述のうち、物理的洗浄手段として有効な超音波洗浄を施すことが難しい液晶配合槽に付着した液晶化合物に対して高い除去性を発揮する。
上記のように本発明の主な除去対象は液晶化合物である。一般的に、液晶化合物は、パソコン用ディスプレー、テレビ、携帯電話などの表示素子に用いられる場合、エステル系、ビフェニル系、ジオキサン系、フェニルシクロヘキサン系など約20種類の材料を混合し、温度特性、電圧特性、弾性特性などの目的に応じて厳密に秤量される。よって液晶化合物を混合する際、微量の不純物および/または前に配合した液晶混合物がわずかに混入しても、上記特性に影響を与える可能性が大きいため、混合に使用される液晶配合槽、また液晶化合物を取り扱う冶工具類は高度な清浄性が求められる。
本発明の除去対象となる液晶化合物としては、TN、STN、TFT、MIMなどの表示装置に用いられるネマティック液晶、コレステリック液晶、スメクティック液晶などが挙げられる。
本発明に用いられるアルキルグリコシドは、下記の一般式(1):
(OR (1)
〔式中、Rは直鎖または分岐鎖の炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアルキルフェニル基を示し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Gは炭素数5〜6を有する還元糖に由来する残基を示し、x(平均値)は0〜5を、y(平均値)は1〜5を示す〕で表される。
式中、xは、好ましくは0〜2、より好ましくは0である。yは、好ましくは1〜1.5、より好ましくは1〜1.4である。Rの炭素数は、除去性の観点から、好ましくは9〜16、さらに好ましくは10〜14である。Rは、好ましくはエチレン基である。Gは、原料として使用される単糖類または多糖類によってその構造が決定され、単糖類としては、グルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース糖、これらの混合物等が挙げられ、多糖類としては、マルトース、キシロビオース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチビオース、ラクトース、スクロース、ニゲロース、ツラノース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース、これらの混合物等が挙げられる。これらのうち、単糖類としては、入手性及び低コストの点からグルコース又はフルクトースが好ましく、多糖類ではマルトース又はスクロースが好ましい。尚、xおよびyはプロトンNMRにより求める。
アルキルグリコシドの含有量としては、高いすすぎ性を得る観点から、1〜80重量%が好ましく、1〜50重量%がより好ましく、2〜40重量%がさらに好ましく、5〜30重量%が特に好ましい。
本発明に用いられるグリセリルエーテルとしては、除去性を落とさず、且つ、使用温度範囲で均一透明な製品性状を維持する観点から、炭素数4〜12の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、例えばn−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数4〜12のアルキル基を有するものが好ましく、炭素数5〜10のアルキル基を1または2個、特に1個有するものがより好ましく、炭素数5〜8のアルキル基を1または2個、特に1個有するものがさらに好ましい。さらに本発明に用いるグリセリルエーテルとして、グリセリル基が2個以上、好ましくは2〜3個エーテル結合で繋がった、モノアルキルジグリセリルエーテルまたはモノアルキルポリグリセリルエーテルでも良い。特に、液晶化合物に対する除去性がより優れる観点から、モノアルキルグリセリルエーテル、モノアルキルジグリセリルエーテルが好ましい。特に好ましいグリセリルエーテルは2−エチルヘキシルグリセリルエーテルである。これらのグリセリルエーテルは、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。本発明においては、かかるグリセリルエーテルを用いることで、有機溶剤と水との分散性を安定させることができるため、液晶化合物に対する除去性が得られるという利点がある。
グリセリルエーテルの含有量は、炭化水素と水との分散を安定にさせ、高い除去性とすすぎ性を両立する観点から、洗浄剤組成物中0.5〜80重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜50重量%、さらに好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%である。
本発明に用いられる炭化水素は、炭素数10〜18の化合物が好ましく、例えば、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、デセン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン等の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素系溶剤;ノニルベンゼン、ドデシルベンゼン等のアルキルベンゼン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン等のナフタレン化合物等の芳香族炭化水素系溶剤;シクロデカン、シクロドデセン等のシクロ化合物等の脂環式炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらのうち、炭素数10〜18の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素が好ましく、より好ましいのはオレフィン系炭化水素またはパラフィン系炭化水素が好ましく、特に好ましくはオレフィン系炭化水素である。これらの炭化水素は、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
炭化水素の含有量は、高い除去性を得る観点から、洗浄剤組成物中、0.1〜80重量%が好ましく、0.5〜50重量%がより好ましく、液晶化合物に対する除去性とすすぎ性を両立する観点から1〜20重量%がさらに好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。
本発明に用いられる水としては、特に限定はなく、イオン交換水、純水等が挙げられる。
水の含有量としては、洗浄剤組成物が引火しないようにする観点およびすすぎ性を高める観点から、洗浄剤組成物中、5〜95重量%が好ましく、10〜95重量%がより好ましく、30〜90重量%がさらに好ましく、50〜90重量%が特に好ましく、60〜90重量%が最も好ましい。
本発明の洗浄剤組成物において、アルキルグリコシド/グリセリルエーテルの重量比は、洗浄時の泡立ち性を抑制する観点から、10以下が好ましく、また炭化水素と水を安定に分散させる観点から、1以上が好ましい。該アルキルグリコシド/グリセリルエーテルの重量比は、好ましくは1〜10、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは3〜6である。
また、洗浄液の粘度を下げ、洗浄時の泡立ち性を抑制し、さらには、洗浄直後のすすぎ時の排水負荷を低減するために、本発明の洗浄剤組成物にグリコールエーテルを加えることが好ましい。グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノアルキル(炭素数1〜12)エーテル、ジエチレングリコールモノアルキル(炭素数1〜12)エーテル、トリエチレングリコールモノアルキル(炭素数1〜12)エーテル、ベンジルグリコール、ベンジルジグリコール、フェニルグリコール、プロピレングリコールまたはジプロピレングリコールのモノアルキル(炭素数1〜12)エーテル、ジアルキルグリコール(炭素数2〜12)が挙げられ、中でも、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルが好ましく、特許第2539284号に記載のすすぎ液の排水負荷を低減する洗浄方法(以下、油水分離法と呼ぶ)を行う観点からは、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルが特に好ましい。
これらのグリコールエーテルは、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。グリコールエーテルの含有量は、洗浄剤の曇点を30℃以上とし高温で洗浄し、且つ油水分離法を行う観点から、洗浄剤組成物中、0.01〜40重量%が好ましく、0.01〜30重量%がより好ましく、0.1〜25重量%がさらに好ましく、0.5〜20重量%が特に好ましく、0.5〜15重量%が最も好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、通常洗浄剤組成物に用いられる、他の界面活性剤、防腐剤、防錆剤、シリコーン等の消泡剤、1−オクタノールなどの油水分離調整剤等を適宜併用することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、前記成分および任意成分等を常法により混合することにより、製造することができる。
以上の構成を有する本発明の洗浄剤組成物は、例えば、前記アルキルグリコシド、前記グリセリルエーテル、前記炭化水素、前記グリコールエーテルを攪拌しながら混合し、さらに必要に応じてその他の任意成分を混合して、最後に水を添加することで、製造することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、液晶処理具の洗浄に適用することができる。液晶処理具の洗浄に本発明の洗浄剤組成物を適用することにより、洗浄時間の短縮、省エネルギーの効果が奏される。従って、本発明はまた、前記洗浄剤組成物を用いた液晶処理具の洗浄方法に関する。
ここで、塩化メチレンを用いた従来の液晶処理具の洗浄方法の具体例を簡単に説明する。例えば、液晶混合後の100Lステンレススチール(SUS)製配合槽に、80Lの塩化メチレンを投入し、常温で30分間撹拌後廃液する。これを3〜5回繰り返し、その後50〜80Lの水溶性溶剤(例えば、アセトンなど)を配合槽に投入し、常温で30分間撹拌後廃液する。次いで、80Lの純水を配合槽に投入し、60℃で30分間撹拌後廃液する。これを10回繰り返すことで、所望の清浄性が得られる。
次に、本発明の洗浄剤組成物を用いた液晶処理具の洗浄方法の具体例を簡単に説明する。例えば、液晶混合後の100Lステンレススチール製配合槽に、80Lの洗浄剤組成物を投入し、60℃に昇温し、30分間撹拌後廃液する。これを2回繰り返し、その後80Lの純水を配合槽に投入し、60℃で30分間撹拌後廃液する。これを5回繰り返すことで、所望の清浄性が得られる。
上記のように、本発明の洗浄剤組成物を用いる液晶処理具の洗浄方法は、従来の洗浄方法と比較して、工程数を減少することが可能なため洗浄時間を短縮することができる。
本発明の洗浄方法は、前記洗浄剤組成物を用いて液晶処理具を洗浄する工程(以下、単に洗浄工程という場合がある)を含み、さらに液晶処理具に付着した該組成物の成分を洗い流すためのすすぎ工程および乾燥工程を含むことが好ましい。
前記洗浄工程において、前記洗浄剤組成物は原液で用いられてもよいが、排水負荷の軽減の観点から、好ましくは2〜6倍、より好ましくは3〜5倍に水で希釈して用いられる。
洗浄工程における洗浄温度は、液晶処理具に付着する液晶化合物およびその他の付着物に対して十分な除去性を発揮する観点から、好ましくは40℃以上、液晶化合物の粘度低減によって除去性を向上する観点から、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。また、洗浄温度は、水分の蒸発を抑制する観点から、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。
洗浄時間は、洗浄される液晶処理具の種類および付着している液晶化合物の量および種類によっても異なるので一概にはいえないが、30〜60分の洗浄時間で液晶処理具から液晶化合物が十分除去される。
洗浄手段としては、浸漬法、超音波洗浄法、浸漬揺動法、スプレー法、電解洗浄、手拭き法等の各種の公知の洗浄手段が挙げられ、液晶処理具の種類にあわせて、これらの手段を単独でまたは適宜組み合わせて液晶処理具を洗浄することができる。
例えば、液晶処理具が液晶配合槽である場合、前記洗浄剤組成物の原液または適当な倍率に水で希釈した洗浄剤組成物で液晶配合槽を満たし、液晶配合槽に付帯している攪拌機を作動させて液晶配合槽を洗浄する。なお攪拌装置の攪拌速度は、洗浄効果を高める意味で、槽内に乱流が発生する速度以上であれば良い。
一方、液晶処理具が治工具類である場合、前記洗浄剤組成物の原液または適当な倍率に水で希釈した洗浄剤組成物を満たした洗浄槽に冶工具類を浸漬し、超音波洗浄法、浸漬揺動法、または液中、気中スプレー法等各種の公知の洗浄方法を単独または組み合わせて治工具類を洗浄する。
すすぎ工程は、洗浄工程が終了した後、洗浄剤組成物を廃棄し、液晶配合槽に残存している洗浄剤組成物の成分に可溶化した液晶化合物および/または洗浄剤組成物の成分を液晶配合槽から取り除くため行われる。
すすぎ工程において、環境への負荷を低減する観点から、水を使用することが好ましい。
すすぎ工程におけるすすぎ温度は、洗浄剤組成物に可溶化した液晶化合物および/または洗浄剤組成物の成分を水に分散させやすい観点から、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上であり、省エネルギーの観点から、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下である。
すすぎ時間および回数は、液晶処理具に残存している洗浄剤組成物に可溶化した液晶化合物および/または洗浄剤組成物の成分の量によっても異なるので一概にはいえないが、液晶配合槽では30〜60分を4〜6回、冶工具類では5〜10分を4〜6回行うことにより十分残存物質を除去することができる。
すすぎ手段としては、洗浄手段と同様の手段を用いることができる。
例えば、液晶処理具が液晶配合槽である場合、洗浄剤組成物の代わりに水を用いること以外は前記洗浄工程と同様にすすぎ工程を行うことができる。一方、液晶処理具が治工具類である場合も、洗浄剤組成物の代わりに水を用いること以外は前記洗浄工程と同様にすすぎ工程を行うことができる。
乾燥工程における乾燥温度および時間は、液晶処理具に残存している水分を乾燥できれば特に限定されないが、通常40〜110℃で0.1〜1時間乾燥が行われる。
本発明の洗浄剤組成物が従来の塩化メチレンなどの溶剤よりも、少ない洗浄、すすぎ回数で所定の洗浄性が得られる理由として、以下のように推定される。
溶剤は混合槽に残留する液晶を溶解するが、廃液時、必ず槽表面に液晶溶液が一定量残留し、その残留量は投入された溶剤量に依存する。この残留した液晶に対し、また新たな溶剤を投入し溶解しても、廃液時には低濃度になった液晶溶液がまた残留するため、完全に液晶を除去することはできない。それゆえ、所定の洗浄性を得るためには、複数回の洗浄が必要となり、特に高度な洗浄性が要求される場合には、その洗浄回数は大幅に増加する。
一方、本発明の組成物では溶液構造が水相と油相の連続相からなる、いわゆるバイコンティニアス構造になっていると推定され、その洗浄・すすぎ機構は以下のように推定される。
洗浄は本発明の組成物における炭化水素成分からなる連続相が液晶に接触、溶解することでなされる。液晶が炭化水素成分に取込まれると同時に、油相と親水性のガラス、或いは金属表面の間に水相が浸透、接触する。一度水相で濡れた面は、液晶を含む油相に対し濡れにくくなるので、液晶の再付着はほとんど発生しないと思われる。洗浄の過程で液晶は、ほぼ油相に取込まれるので、槽表面のほとんどが親水面になり、水相で濡れた状態になっていると考えられる。廃液時、ほとんどの液晶は油相に溶解した状態で排出されるものの、洗浄液の一部は槽壁面に残留するため、この洗浄液の油相には液晶が残留している。
しかし次いですすぎ用の水を投入すると、洗浄液の水相部はすすぎ水で希釈され、水相の体積比率が油相に対して大幅に大きくなるため、液晶を含有する油相部分は連続相を維持できなくなる。その結果、溶液構造は安定なO/W型マイクロエマルションに変化すると考えられる。このマイクロエマルション構造では、油相が水相中に安定して存在するため、さらに再付着はできなくなる。もはや、壁面の表面には液晶のみならず油相すら残留できなくなり、少ないすすぎにより、所定の洗浄性を得ることができる。
また、本発明の洗浄剤組成物は、すすぎ液の排水負荷を低減する油水分離法による洗浄に用いることもできる。さらに、本発明の洗浄剤組成物は、液晶処理具だけではなく、香料、色材など精密な洗浄を必要とする分野でも使用することができる。
実施例1〜2および比較例1
表1に示す組成となるように、各成分を添加混合し、実施例1〜2および比較例1の洗浄剤組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2006083356
試験例1 除去性の評価
500ml SUS製カップにTFT用液晶1.5gを量り取り、次いで実施例1または比較例1で調製した洗浄剤組成物150mlを入れ、それぞれ60℃または25℃で30分撹拌した後、洗浄剤組成物を廃棄した。次いで、洗浄後のカップにイオン交換水150mlを入れ、60℃で10分間撹拌した後、すすぎ液を廃棄した。このすすぎ操作を3回行い、すすぎ後のカップに残留する有機分を測定し、その結果を表2に示す。なお、有機分の測定は、専用溶媒S−316(堀場製作所社製)200mlですすぎ後のカップ内を洗い流し、該溶媒に溶解した有機分濃度を油分濃度計(堀場製作所社製、OCMA−220)にて測定した。
Figure 2006083356
表2の結果から、実施例1の洗浄剤組成物は比較例の洗浄剤組成物と比較して明らかに液晶化合物に対する除去性に優れることがわかる。
試験例2 すすぎ性の評価
100mlガラス製サンプル瓶にTFT用液晶0.5gを量り取り、次いで実施例1〜2または比較例1で調製した洗浄剤組成物20mlを入れ、30秒保持した後、10回振盪して洗浄し、洗浄剤組成物を廃棄した。次いで、洗浄後のサンプル瓶にイオン交換水50mlを入れ、10回振盪してすすぎをおこない、すすぎ液を廃棄した。このすすぎ操作を1〜4回(すすぎ1〜4)行い、すすぎ後のサンプル瓶に残留する有機分を測定し、その結果を表3に示す。なお、有機分の測定は、専用溶媒S−316(堀場製作所社製)100mlで各すすぎ後のサンプル瓶内を洗い流し、該溶媒に溶解した有機分濃度を油分濃度計(堀場製作所社製、OCMA−220)にて測定した。なお、洗浄およびすすぎは液温35℃で行った。
Figure 2006083356
表3の結果から、実施例1および2の洗浄剤組成物は比較例に対しすすぎ2以降で急激に残留有機分濃度が減少し、すすぎを非常に簡便に行うことができることがわかる。
本発明の洗浄剤組成物は、極めて高度な清浄度が求められる液晶処理具の洗浄に利用することができる。

Claims (8)

  1. アルキルグリコシド、グリセリルエーテル、炭化水素、および水を含有する液晶処理具用洗浄剤組成物。
  2. 炭化水素が炭素数10〜18の化合物である請求項1記載の組成物。
  3. アルキルグリコシド/グリセリルエーテルの重量比が1〜10である請求項1または2記載の組成物。
  4. 洗浄剤組成物中の含有量がアルキルグリコシド1〜80重量%、グリセリルエーテル0.2〜80重量%、炭化水素0.1〜80重量%および水5〜95重量%である請求項1〜3いずれか記載の組成物。
  5. さらにグリコールエーテルを含む請求項1〜4いずれか記載の組成物。
  6. 液晶処理具が液晶配合槽である、請求項1〜5いずれか記載の組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の組成物を用いる液晶処理具の洗浄工程を含む、液晶処理具の洗浄方法。
  8. 洗浄後の液晶処理具の水によるすすぎ工程を含む、請求項7記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014515432A (ja) * 2011-06-02 2014-06-30 エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド グリセリン短鎖脂肪族エーテル化合物の使用
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