JP2006083302A - 水系接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クロロプレンラテックスを主成分とする水系接着剤において、粘度の経時安定性や温度依存性に優れ、各種の塗工方法に適する水系接着剤を提供することにある。
【解決手段】 エマルジョン粒子径が0.05〜0.5μm、不揮発分が45〜65%、23℃でブルックフィールド粘度計を用いた30rpmでの粘度が5〜200mPa・sであり、且つクロロプレンラテックス100重量部に対し、アクリル酸アルキル共重合体0.05〜5重量部、及びアミノ酸1〜10重量部とを含有し、pHが8〜9に調整されてなることを特徴とする水系接着剤。
【選択図】 なし
【解決手段】 エマルジョン粒子径が0.05〜0.5μm、不揮発分が45〜65%、23℃でブルックフィールド粘度計を用いた30rpmでの粘度が5〜200mPa・sであり、且つクロロプレンラテックス100重量部に対し、アクリル酸アルキル共重合体0.05〜5重量部、及びアミノ酸1〜10重量部とを含有し、pHが8〜9に調整されてなることを特徴とする水系接着剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、水系接着剤に関するもので、特に、ウレタンフォームの接着に用いられる水系クロロプレン接着剤に関するものである。
クロロプレン接着剤は、様々な基材への接着性、接着剤層の柔軟性、コンタクト接着性等に優れることから、家具・寝具用、車両用等のウレタンフォームの接着に広く普及している。従来は、トルエン、メチルエチルケトン等を用いる溶剤系接着剤が主であったが、近年は、環境問題から無溶剤系、水系接着剤の開発が進んでおり、クロロプレン接着剤も水系接着剤への代替が進んでいる。
水系クロロプレン接着剤は、溶剤系と比較し溶剤や水を含む湿潤状態での接着力(「初期接着力」という。)が充分でない点が改良の課題とされていた。また、コンタクト接着、即ち、圧着して接着する際に容易にクロロプレンラテックス粒子が破壊され接着するように、高pHでは安定なクロロプレンラテックス粒子を用い、pH調整剤(酸添加による
pH低減)でラテックス粒子を不安定化させ、破壊させる方策が知られている。そして、
公知のpH調整剤として、グリシン、アラニン、フェニルアラニン等のアミノ酸等を使用したクロロプレンラテックス粒子(「ラテックス」という。)を含む接着剤を用いた接着方法および積層体が開示されている(特許文献1参照)。
pH低減)でラテックス粒子を不安定化させ、破壊させる方策が知られている。そして、
公知のpH調整剤として、グリシン、アラニン、フェニルアラニン等のアミノ酸等を使用したクロロプレンラテックス粒子(「ラテックス」という。)を含む接着剤を用いた接着方法および積層体が開示されている(特許文献1参照)。
しかし、上記従来の水系クロロプレン接着剤は、粘度が10〜200mPa・s程度と低く、スプレー塗工用として使用されていたが、この際塗布量を少なく調整したい場合には接着剤の粘度を上げる必要があった。また、ベッドマットなどの大判ウレタンフォームの接着製品を連続して生産する場合には、ロール塗工する方がはるかに生産効率が良いが、従来の粘度のままではロール横からの液垂れが著しく使用できなかった。さらに、ヘラ等を用いて手塗りをする場合には、特に液垂れが著しく作業性が悪いという問題があった。
上記従来の水系クロロプレン接着剤の粘度を上げる方法としては、一般にウレタン架橋型増粘剤、可塑剤、水溶性高分子等の添加が知られているが、いずれも粘度の経時安定性や温度依存性が問題であり、また、高粘度の他種類のエマルジョンをブレンドする方法では、エマルジョンの濃度が低下して、ウレタンフォームに対する初期接着力が悪くなる。
本発明の目的は、上記問題点を鑑みて、クロロプレンラテックスを主成分とする水系接着剤において、粘度の経時安定性や温度依存性に優れ、各種の塗工方法に適する水系接着剤を提供することにある。
請求項1記載の発明による水系接着剤は、エマルジョン粒子径が0.05〜0.5μm、不揮発分が45〜65%、23℃でブルックフィールド粘度計を用いた30rpmでの粘度が5〜200mPa・sであり、且つアニオン系界面活性剤を含むクロロプレンラテックス100重量部に対し、アクリル酸アルキル共重合体0.05〜5重量部、及びグリシン1〜10重量部を含有し、pHが8〜9に調整されてなることを特徴とする。
請求項2記載の発明による水系接着剤は、アミノ酸がグリシンであることを特徴とする請求項1記載の水系接着剤である。
請求項3記載の発明による水系接着剤は、ウレタンフォームの接着に用いることを特徴とする請求項1又は2記載の水系接着剤である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるクロロプレンラテックスは、クロロプレン重合体を含み、このクロロプレン重合体は、クロロプレンの単独重合体およびクロロプレンと共重合可能な他の単量体の1種以上を共重合して得られる共重合体である。
本発明で用いられるクロロプレンラテックスは、クロロプレン重合体を含み、このクロロプレン重合体は、クロロプレンの単独重合体およびクロロプレンと共重合可能な他の単量体の1種以上を共重合して得られる共重合体である。
一般に、クロロプレンラテックスを得るには、水性乳化液中でラジカル重合する方法が工業的に行われており、本発明で用いられるクロロプレンラテックスも同様な方法で製造することができる。
本発明で用いられるクロロプレンラテックスとしては、本発明の条件を満たすラテックスであれば特に限定されず市販の製品を使用できる。例えば、電気化学工業社製「ALX−310」、東ソー社製「LA−660」等が挙げられる。これらクロロプレンラテックスは1種類でも良いし、何種類かを混ぜて使用しても良い。
また、本発明で用いられるアクリル酸アルキル共重合体としては、特に限定されず既知の市販の製品を使用することができる。例えば、アメリカNoveon社製の「カーボポールAQUA SF−1」等が挙げられる。
上記アクリル酸アルキル共重合体の含有量は、上記クロロプレンラテックス100重量部に対して、0.05〜5重量部に限定される。0.05重量部未満では、十分な増粘効果が得られず、また5重量部を超えると、粘度がほとんど上昇せず接着物性等に悪影響を与えるようになる。
また、上記アクリル酸アルキル共重合体は、高いpHのクロロプレンラテックスに添加した際のショックで凝集してしまうことを防止するために、なるべく高いシェアを与えて撹拌しながら、2〜20倍に水希釈した状態で添加することが好ましい。
本発明の水系接着剤には、予めアミノ酸を、クロロプレンラテックス100重量部に対して、1〜10重量部含有することが必要であり、3〜7重量部を含有することが好ましい。1重量部未満では、初期接着性が十分ではなく、10重量部を超えると、常温で水中に均一溶解添加することが難しくなり、またクロロプレンラテックスのゲル化を生じることがある。
上記アミノ酸としては、特に限定されないが、最も低分子量のグリシンが上記効果について高く好ましい。
本発明の水系接着剤は、pHが8〜9であることが必要であり、このpH領域で水を含む湿潤状態での高い初期接着性を発現することができる。
本発明の水系接着剤の粘度は、23℃でブルックフィールド粘度計を用い30rpmで測定した値で、500〜10000mPa・sが好ましい。
本発明の水性系接着剤は、必要に応じて以下の化合物を添加することができる。例えば、各種の充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、接着性付与剤、難燃剤、香料等である。
本発明の水系接着剤は、クロロプレンラテックスを主成分とする水系接着剤において、粘度の経時安定性や温度依存性に優れ、各種の塗工方法に適しているので、特にウレタンフォームの接着に好適に用いられる。
本発明をさらに詳細に説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
クロロプレンラテックスの「ALX−310」(電気化学工業社製)100重量部に、アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を7重量部、及びグリシン(協和発酵社製)5重量部を混合、溶解させ、固形分55重量%の水系接着剤を得た。
クロロプレンラテックスの「ALX−310」(電気化学工業社製)100重量部に、アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を7重量部、及びグリシン(協和発酵社製)5重量部を混合、溶解させ、固形分55重量%の水系接着剤を得た。
(実施例2)
アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を4重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、固形分56重量%の水系接着剤を得た。
アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を4重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、固形分56重量%の水系接着剤を得た。
(実施例3)
アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を10重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、固形分54重量%の水系接着剤を得た。
アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を10重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、固形分54重量%の水系接着剤を得た。
(比較例1)
アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を配合しないこと以外は実施例1と同様にして、固形分57重量%の水系接着剤を得た。
アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を配合しないこと以外は実施例1と同様にして、固形分57重量%の水系接着剤を得た。
(比較例2)
アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を0.4重量部としたこと以外は同様にして、固形分57重量%の水系接着剤を得た。
アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を0.4重量部としたこと以外は同様にして、固形分57重量%の水系接着剤を得た。
(比較例3)
アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を60重量部としたこと以外は同様にして、固形分39重量%の水系接着剤を得た。
アクリル酸アルキル共重合体の「カーボポールAQUA SF−1」(アメリカNoveon社製)の10重量%水溶液を60重量部としたこと以外は同様にして、固形分39重量%の水系接着剤を得た。
(比較例4)
グリシン(協和発酵社製)を配合しないこと以外は実施例1と同様にして、固形分54重量%の水系接着剤を得た。
グリシン(協和発酵社製)を配合しないこと以外は実施例1と同様にして、固形分54重量%の水系接着剤を得た。
(性能評価)
上記で得られた水系接着剤について、以下の試験方法により性能を評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
上記で得られた水系接着剤について、以下の試験方法により性能を評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
1.粘度
東機産業社製BM型粘度計を使用し、23℃に予め調整した水系接着剤を30rpmで測定した。
2.PH
PHメーターにより測定。
東機産業社製BM型粘度計を使用し、23℃に予め調整した水系接着剤を30rpmで測定した。
2.PH
PHメーターにより測定。
3.初期接着性
1)貼り合わせ条件
・被着材はウレタンフォーム 5cm×10cm、厚さ:2cm
・塗布方法はスプレ−塗布
・塗布量は約60g/m2(水系接着剤として)
・ウレタンフォームの1面(平面)にスプレー塗布(水系接着剤の塗布) 後、セン ターで折り曲げ圧締接着、圧締はロール1往復させた。
1)貼り合わせ条件
・被着材はウレタンフォーム 5cm×10cm、厚さ:2cm
・塗布方法はスプレ−塗布
・塗布量は約60g/m2(水系接着剤として)
・ウレタンフォームの1面(平面)にスプレー塗布(水系接着剤の塗布) 後、セン ターで折り曲げ圧締接着、圧締はロール1往復させた。
2)評価方法
・水系接着剤をスプレー塗布後、オープンタイムを10秒とした後に貼り合わせを行 い、接着面が開くか否かで初期接着性を評価した。
・水系接着剤をスプレー塗布後、オープンタイムを10秒とした後に貼り合わせを行 い、接着面が開くか否かで初期接着性を評価した。
4.安定性
水系接着剤製造後、3日静置後に23℃の環境下に3日間静置し、振とう機で24時間振った後、ゲル発生等の異常がないかを調べた。
水系接着剤製造後、3日静置後に23℃の環境下に3日間静置し、振とう機で24時間振った後、ゲル発生等の異常がないかを調べた。
Claims (3)
- エマルジョン粒子径が0.05〜0.5μm、不揮発分が45〜65%、23℃でブルックフィールド粘度計を用いた30rpmでの粘度が5〜200mPa・sであり、且つクロロプレンラテックス100重量部に対し、アクリル酸アルキル共重合体0.05〜5重量部、及びアミノ酸1〜10重量部を含有し、pHが8〜9に調整されてなることを特徴とする水系接着剤。
- アミノ酸がグリシンであることを特徴とする請求項1記載の水系接着剤。
- ウレタンフォームの接着に用いることを特徴とする請求項1又は2記載の水系接着剤。
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JP2004270146A JP2006083302A (ja) | 2004-09-16 | 2004-09-16 | 水系接着剤 |
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2004
- 2004-09-16 JP JP2004270146A patent/JP2006083302A/ja not_active Withdrawn
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