JP2006081638A - 蒸気抜き弁付ガラス製鍋蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス製鍋蓋の利点を生かしつつ使用時の煮こぼれを防止するために、ガラスの割れを招きやすい蒸気抜き穴をガラスに明けずに、鍋内の蒸気圧が上昇しガラス製鍋蓋を持ち上げ煮こぼれを生ずる手前で蒸気を抜く。
【解決手段】ガラス製鍋蓋の中央につまみの取り付けを兼ねた比較的大きな穴を明け、つまみ取り付け止金に蒸気抜きパイプを通して、パイプ内に蒸気弁を取り付ける。蒸気弁は円柱又は円錐台形状の錘とテーパー付錘受け金具で構成され、ガラス製鍋蓋が内部の蒸気圧を高めに保ちながら煮炊きを行いながら蒸気圧によりガラス製鍋蓋が持ち上げられる寸前にこの錘が持ち上げられ蒸気抜きパイプとの間に隙間が出来て蒸気が抜け煮こぼれを防止する。止金とガラスの間に耐熱性のパッキンを入れることで、ガラスの内部応力の発生やガラス穴周囲への水滴の侵入を防止してガラスの微亀裂の拡大を防止した。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガラス製鍋蓋に蒸気弁を内蔵する蒸気抜きパイプを取り付け鍋内部の蒸気圧がガラス製鍋蓋を持ち上げ煮こぼれを生ずる程度に高くなる前に蒸気弁が開くようにすることで比較的高温、高圧の調理が可能で且つ煮こぼれしないガラス製鍋蓋に関するものである。
ガラス製鍋蓋は透明で煮炊き中の鍋の内部の調理物の様子が見えることに加え、比較的重量があり材質的に熱容量が大きいため、調理物を通常の鍋よりもより高温高圧で且つ均一に煮炊きすることが出来る利点がある。しかし高温になるだけ内部の蒸気圧が高くなりやすく、ガラス製鍋蓋を持ち上げ煮こぼれを起こす場合が多い。一方煮こぼれを防止するためにガラス製鍋蓋に蒸気抜き穴を明け煮こぼれを防止することが考えられるが、ガラス製鍋蓋に大きな蒸気抜き穴を明けると内部圧力が低くなり通常の鍋蓋と加熱効果の差が小さくなるので、蒸気抜き穴の寸法は出来るだけ小さくしたい。ところがガラスに小さな穴を明け繰り返し加熱冷却使用を行うと、この小さな穴から亀裂を発生し、次第に亀裂が拡張進展して行きついにはガラス製鍋蓋が割れてしまうことになる。
ガラス製鍋蓋の使用者は高温、高圧下で均質に加熱することによりうまく調理できる点に重点をおき、且つその透明性により調理中常に内部を観察しながら煮炊きするので煮こぼれを起こすことは少ないのであるが、長時間内部を眺め続けることが困難な場合があり、ついうっかり煮こぼれを起こしてしまうことになる。
ガラスの内部には元来非常に微細なひび(Flaw)がところどころに潜在していて、これらのひびが内応力を異常に大きくする作用をする。このようなひびがガラス板の面に垂直に存在していて、その板の面内に応力を生じた場合、ひびの長さが増大する。このとき内応力をRとするとRは(2Eα/πC)の平方根で示せる。ただし、Eはガラスのヤング率、αは線膨張係数、Cは元来存在する微細な傷の長さである。一般に内部潜在ひびの長さの値は珪酸塩ガラスにおいてC=2×10−4cmと言われており、この値から破壊が起こる内応力Rを計算すると、R=60N/mmである。この破壊応力の値は通常のガラスの強度とよく一致する。
今ガラス製の円板に機械加工すなわちドリル等で穴を明ける場合、穴周辺にはガラス本来が有する傷に加えて加工傷が増加し、且つその大きさも前期の2ミクロンを越える大きさのものである。したがって機械加工で穴を明けた場合、穴周囲のガラスの強度は前期の値より小さくなっている。以上の理由からガラス製鍋蓋に機械加工で穴を明けるのは好ましくない。
したがって、穴内面がなめらかな蒸気穴を有するガラス製鍋蓋を製造するには、軟化状態にあるガラスを成形するときに同時に穴をつけることが必要条件になる。蒸気穴は雌型に突起状の入れ子をつけておけば一体成形することが出来る。蒸気穴用入れ子はガラス製鍋蓋のセンターから外れたところにあるので雌型を回転させることが出来ない。したがって、成型方法は固定式の雌型を使って、プレス成形型または吹き込み成形型となる。固定式成形の仕上げ表面はなめらかでなくなり、更に割り型となるので割り型の継ぎ目の跡が製品の表面に印せられる。このような滑らかさの欠如や型の継ぎ目跡のようなでこぼこ内には当然のことながら、微細なひびの存在確率は高くなる。
穴寸法がガラス製鍋蓋全体の寸法に対して十分に大きい場合はガラス製鍋蓋全体の膨張に比例して穴径も自由に大きくなるために穴周辺には極端な圧縮応力は作用しない。一方、小さな蒸気抜き穴を明けたガラス製鍋蓋を鍋に使用した場合、ガラス製鍋蓋は加熱され膨張する。このとき蒸気穴周辺は蒸気が勢いよく噴出し全体が受ける熱より大きい加熱条件に曝され局部的に温度も高くなる。ところが、ガラス製鍋蓋全体の膨張が小さいので穴周囲の伸びはガラス製鍋蓋全体でしっかりと拘束されており、自由膨張を行うことが出来なくなっている。膨張が拘束されると穴周囲には圧縮熱応力が発生する。
拘束がない場合穴周囲の伸びはλ=σL/E=αLΔTで示すことが出来る。ただしσは熱応力、Lは穴の周長、ΔTは上昇した温度である。一方、熱応力はσ=αEΔTなる式で示せる。この式より熱応力σは、穴の周長Lおよびガラス製鍋蓋の肉厚に無関係であることがわかる。一方拘束をかけて均一に膨張させた場合の許容応力はσω=Eα=EπΔL/[π(L−ΔL)]で示せる。ここでは破壊を起こさない発生熱応力すなわち内応力Rを許容応力σωと見做す。
ここで、低膨張性高珪酸ガラスの一般的な物性値として線膨張係数α=36×10−7[℃−1]、ヤング率E=7×10N/mm、許容応力σω=60N/mmとし、加熱時温度上昇をΔT=100℃とすると、拘束条件下での穴周囲に発生する熱応力はσ=αEΔT=36×10−7*7×10*100=25.2N/mmとなる。この値は許容応力の1/3以上であり安全係数の考えからすると60/25.2=2.38となる、この値は機械装置一般に用いられる安全係数5を大きく下回っている。
更に、ガラスはその破壊強度以下の応力によっても十分長い時間継続して応力が加えられた場合や、繰り返し応力がけられると破壊することがある。これは前期の微小亀裂が拡大進展することによるが、このガラスの疲労効果は使用時の熱サイクルによる微小亀裂の内面の表面エネルギーが次第に低下することに起因する。表面エネルギーは亀裂内面の拡大により開放されるが、真空条件下や乾燥状態で発生応力以内の場合、亀裂内面は応力に抗して亀裂は拡大しない。しかし、ガラス製鍋蓋の場合、煮炊きの際の付着水分がガラスの吸着水となり微小亀裂の末端まで十分に拡散して行き、その結果表面エネルギーが低下し破壊強度の低下を加速する。以上の理由から蒸気抜き穴を有するガラス製鍋蓋は使用を重ねる間の比較的早い時期に割れる。
ガラス工学 共立出版 1958年初版
ガラス製鍋蓋の利点を生かしつつ使用時の煮こぼれを防止するために、ガラスの割れを招きやすい蒸気抜き小穴をガラスに明けずに、鍋内の蒸気圧が高くなりガラス製鍋蓋を持ち上げる手前の圧力で蒸気を逃がし煮こぼれを防止する。
本発明は、ガラス製鍋蓋に蒸気穴を明けた場合、使用中に蒸気穴から亀裂が拡大してガラス製鍋蓋が割れるので蒸気抜き穴を別途取り付けたガラス製鍋蓋に関するものである。その手段として、ガラス製鍋蓋の中央にガラス製鍋蓋のつまみの取り付けを兼ねた比較的大きな穴を明け、つまみの止金に蒸気抜きパイプの収納穴を付けて蒸気抜きパイプをこれに通して鍋内部に導き他端を外部に開くことを特徴とする。
常時蒸気抜き穴が開放しているとせっかく重量のあるガラス製鍋蓋を用いて通常の煮炊き温度よりも高く調理できるガラス製鍋蓋の効果を半減してしまうので、ガラス製鍋蓋が内部の蒸気圧により持ち上げられ煮こぼれを生ずる手前に鍋内部の蒸気を逃がしてできるだけ内部を高温高圧に保つように、蒸気抜きパイプ内部に蒸気弁を取り付けることを特徴とする。
内部圧力が掛っていないときのパイプ下端の塞ぎ方は蒸気弁としての錘の下面を線接触で受けるように錘のテーパーより大きくパイプ下端を絞り込むか又円錐台形状の錘のテーパーより大きな傾斜テーパーを有するパーツをパイプ先端部にネジ込み式で取り付け、この中に円柱又は円錐台形状の錘を入れ、錘の下面の外周がテーパー部に線接触して鍋内の蒸気圧を通常の鍋の様に常時蒸気を外部に抜けないようにして、逆に内部圧力がかかるとこの錘が持ち上げられ蒸気抜きパイプとの間に隙間が出来て蒸気が抜けるようにする構造であることが特徴である。
ガラス製鍋蓋のつまみはガラス製蓋内側から耐熱性パッキンを介して止金を通して、これにつまみを捻じ込む方法で取り付ける。耐熱性のパッキンを入れることで、つまみの取り付け時の締めすぎによるガラスの内部応力の発生やガラス穴周囲への水滴の侵入を防止して微亀裂の拡大を防止したことを特徴とする。
本発明は、ガラス製鍋蓋中央部に比較的大きな自由膨張収縮しやすい穴を設け穴周囲への熱応力の集中を解消すると同時に、蒸気弁内蔵蒸気抜きパイプを取り付けたことで、鍋内部を高温高圧に保ち、繰り返し加熱しても割れず、煮こぼれしにくいガラス製鍋蓋を実現した。
更に、蒸気抜きパイプを金属製又はプラスチック製とし、これを鍋つまみ止金に溝をつけて組み込むことで鍋上部の中央へこもりやすい熱を効率よく外部へ放散し穴周囲の局部加熱を防止する効果も兼ね備える。
ガラス製鍋蓋つまみをガラス製鍋蓋の中央に取り付ける際、開けられた穴の内側から耐熱性パッキンを介して取り付け金具を通してつまみを捻じ込む方式で取り付けるため、煮炊き中の鍋内部の水蒸気がガラス穴の周囲に接する事がないので、ガラスが本来持っている微亀裂内部への水の吸着が起こらない。よって、微亀裂の表面エネルギーの低下を防ぎ繰り返し加熱冷却による微亀裂の拡大を防止してガラスの強度低下を防止した。
ガラス製鍋蓋に用いられるガラスの材質としては主にSiO成分が80%以上のホウ珪酸ガラス(B−SiO系)とソーダー石灰ガラス(NaO―CaO−SiO系)の表面に各種の物理的強化や化学的強化法で圧縮応力を入れたいわゆる強化ガラスの2種類を使用する。ホウ珪酸ガラスは耐熱ガラスに分類されその最大の特徴は低膨張性にある、ガラスの膨張係数は超耐熱ガラスの4〜20×10−7から一般のソーダガラスの90〜120×10−7/℃の範囲にあるが、ホウ珪酸ガラスは各種実験用ガラス容器やオーブン用・電子レンジ用・直火用調理容器に用いられている。その膨張係数は32〜50×10−7であり、35〜37のものを用いるのがより望ましい。ちなみにビンガラスは100×10−7程度である。
鍋に用いられるガラス製鍋蓋の直径は、使用する鍋の寸法と使い勝手よるが通常直径14〜45cmで14〜30cmのものが一般的である。ガラス製鍋蓋の肉厚は15〜5mmの範囲のものが望ましく、さらに望ましくは周囲の厚さより中央部の肉厚のほうをやや大きくとる。また、蓋全体に上に凸の曲率をつけガラス製鍋蓋の内側に凝縮した水滴を鍋内に返すようにする。鍋内部を出来るだけ高温高圧にする目的から、その重量は重いほうが望ましいので、使い勝手も考慮すると蓋の厚みは13〜7.5mmの範囲のものがより望ましい。この場合ガラス製鍋蓋の重量はガラス製鍋蓋の単位面積あたりの重量が1.8〜3.1g/cmとなり、14〜30cmのものの場合肉厚7.5〜13mmそれぞれで277〜477g、1271〜2190gである。
このような寸法のガラス製鍋蓋に蒸気抜きパイプ3を取り付ける場合、その外部への開放端の位置は半径の半分の位置付近が望ましいが半径の小さなガラス製鍋蓋の場合は脱出中の蒸気がガラス製鍋蓋のつまみにかからないようにやや外側寄りに取り付け、半径の大きな蓋の場合はパイプ内でドレーンを生ずるので中央寄りに取り付けるのがよく、具体的に小型鍋の場合はつまみ部中心から5〜6cm外側が望ましく大型鍋の場合は6〜9cm外側が望ましい。蒸気抜きパイプ3をガラス蓋外表面にパイプを沿わせて設置、あるいはガラス蓋4に溝をつけて鍋蓋表面と面を合わせて設置するが、使用中に何かにひっかかって持ち上がったりして折損する恐れがあるので、鍋蓋つまみ1とガラス蓋の間に鍋つまみのワッシャー6と蒸気抜きパイプ3の押さえを兼ねるリング2を挿入して蒸気抜きパイプ3の損傷を防止する。当該押さえリング2の寸法は厚さ2.5〜4mm程度として、直径をやや大きめに5〜10cmとするのが望ましい。尚図3Bに示すように蒸気抜きパイプ3をガラス製鍋蓋4の表面に沿わせて設置する場合には当該押さえリング2に切り込みを入れて蒸気抜きパイプ3を押さえるので押さえリング2の厚みはパイプの外径分だけ厚くして7.5〜12mmとするのが望ましい。
中央に明けるつまみ兼蒸気抜き穴の取り付け穴の寸法は蒸気抜きパイプ3の寸法からその下限の寸法が決まる。蒸気抜きパイプ3の材質は金属またはプラスチック製とする。パイプの穴を蒸気が通過するときその直径が小さくて火力が強いときにはやがて鍋内の蒸気の発生速度が蒸気穴からの脱出速度より大きくなり鍋の内圧が上昇して鍋蓋の重量に抗して蓋を持ち上げ煮こぼれを生ずる事になるので十分大きくする必要がある。しかし、肉厚の大きいガラス製鍋蓋4が他の金属性鍋蓋に比べて重量が大きくても前期のように高々1.8〜3.1g/cmである。したがって沸騰すると圧力鍋でない限りどんな鍋蓋も持ち上がることになるので長時間煮炊きする場合は蒸発速度が蒸気脱出速度を上回らないように火加減をゆるく調節する必要がある。鍋の中を見ながら調理をするためにガラス製の鍋蓋を使用しており火加減の調節は比較的容易にできるが、それでもなお強火で長時間煮炊きしたい場合とか、その場を離れ他の段取りにかかっている間についうっかり煮こぼれを生ずるのを防ぐのが目的であるから、鍋内側に開く蒸気抜き穴の寸法は鍋の大きさにもよるが直径で3〜6mmが望ましく、さらには4〜5mmがより望ましい。蒸気抜きパイプの設置本数は通常は1本で十分であるが、長時間使用による作動不良の場合や一時的な急沸騰対策として図1Bに示すように2〜3本取り付けることも出来る。
本特許出願案件の最大の特徴である蒸気弁としての錘8はガラスより比重の重い金属製で製作し蒸気弁の小型化を図る。錘8の形状は円柱またはゆるいテーパーの円錐台形状とする。各部の寸法は、一般的に、ガラス製鍋蓋4の厚みをHとした場合円柱形状の錘8の高さはh=H×(金属の比重)/(ガラスの比重)で示せる。円錐台の場合は円柱の場合の体積に等しい高さとする。たとえば、a=円柱の断面積=円錐台の下面の面積,b=円錐台の上面の面積、h=円錐台の高さとすると、h=3ah/(a+b+√ab)で示せる。今蒸気脱出穴の寸法を前記のように直径4〜5mmの円形が望ましいので、錘8の下側の円の直径も4〜5mmとし、円錐台形状の場合には上側の直径は下側の直径の0.5〜1mm大きくするのが望ましいので、上側の直径は4.5〜6mmが最適である。ちなみに、この式よりガラス製鍋蓋4の厚みを10mmとした場合の円錐台形状の錘8の各部の寸法は、下側の直径が4〜5mm、上側の直径4.5〜6mmで高さは2.7〜2.8mmである。
次にこの錘8を蒸気抜きパイプ3の中に入れて鍋内側の開放端の直径が錘下側の直径より小さくして錘8が抜け落ちないように上記テーパー付錘受け金具9でふたをする。つまり下からの蒸気圧により持ち上がりやすいように錘8のテーパーよりやや大きめのテーパーを錘受け金具9につけて錘8の下面が錘受け金具9のテーパー部に線接触させる。こうすることにより錘8が持ち上がったときの蒸気の抜け道を大きく取ることができる。錘8の上部直径よりテーパー上部の直径を1.5mm程度大きくすることによりパイプ先端部の面積より大きな蒸気通路をパイプ内部に確保できる。すなわちパイプ先端の内径は4〜5mmにして、先端から上部へ3mm上がった位置の内径を6.2〜8mmに広げる。この中に高さが2.7〜2.8mmで上部の直径が4.5〜6mmの金属製錘8の周囲には1.7〜2mmの隙間が出来る。この隙間がパイプ先端の断面積に相当しており蒸気が錘8を持ち上げながら勢いよくパイプを通って外部に脱出できる。尚、錘8の浮き上がり時のガイドと落下防止を兼ねて、錘8の中央に1.4〜1.9mm程度の穴を貫通しこれに錘8が蒸気圧で浮上した時のガイドとなる直径1.2〜1.7mmの心棒を通して、心棒上部をパイプの曲がり部に固定することで錘8の浮上の安定化を図る。尚テーパー付錘受け金具9を蒸気抜きパイプ3に取り付ける際は、捻じ込み式とし容易に取り付けられるようにする。
上記の蒸気抜きパイプ3の通路を兼ねる鍋蓋つまみ1の止金5の寸法と形状について記述する。ガラス製鍋蓋つまみ1の直径は一般に40〜80mm、高さ15〜25mmで、片手でつまみやすいようにくびれをつける。くびれ部の直径は30〜45mmで高さは10mm程度である。当該くびれの中央に深さ20〜25mmの雌ネジを設け止金にネジ込むので、くびれ部の肉厚を3.5〜6mm確保すると雌ネジの内径は23〜33mm確保出来る。この雌ネジにガラス製鍋蓋内側から止金5をネジ込んでつまみを固定する。一方、止金5の内部を内径6.2〜8mmで肉厚が0.8〜1mm、外径7.8〜10mmの蒸気弁内蔵パイプ3が通るのであるから止金の直径は通常の鍋蓋つまみを止める場合の強度に加えてパイプの通路スペースを確保したものにする必要がある。つまみだけを取り付ける場合には直径6mmから8mmのボルトで十分で、その断面積は28〜50mmであるが、蒸気抜きパイプ3の蒸気弁内蔵部分の断面積は48〜79mmである。したがって、見かけの止金の必要最小直径は断面積が76〜129mmに相当する直径10〜13mmである、実際は組み立て時パイプ挿入部の遊び寸法が必要で、パイプ周囲に1mmの隙間を取るとパイプ通路の径は10〜13mmにする必要がある。このような径のパイプの通路の位置は止金の直径の内接円となるので、計算上の止金5の直径は12〜15.5mmであってもこれをつまみに捻じ込む場合にモーメントがかかるので止金は変形する。したがって内接円をとる場合の止金の直径は切り取り内接円の直径の2倍の20〜26mmが望ましい。つまみに明けられる雌ネジの内径は前記のように23〜33mmであるからこの直径をカバーしており、止金直径を23〜33mmにするときこの止金内に直径10〜13mmの蒸気抜きパイプを3本確保することができる。尚止金5の材質は金属であればステンレスや銅でも使用出来るがアルミニウムが加工性と熱伝導性の点で優れている。
ガラス製鍋蓋4の本体であるガラスの中央に明ける穴の寸法はガラス製鍋蓋つまみ1の取り付け兼蒸気抜きパイプ3の通路を有する止金5の直径を下限とするので遊びを1mm程度見積もると21〜27mmでよいことになる。この程度の穴の場合ガラス製鍋蓋が加熱された場合にも自由にその外周寸法を膨張し穴周囲に熱応力を発生する心配はない。
図1は、本発明の蒸気抜きパイプ付ガラス製鍋蓋の概観図である。図1のAはガラス製鍋蓋4に溝を設け蒸気抜きパイプ3を当該溝に入れこみ面を合わせてあるが、図1のBおよび図3のB、Cタイプに示すようにガラス製鍋蓋4の上面に沿わせて取り付けてもよい。
図2は実施例1の蒸気穴付ガラス製鍋蓋を構成するパーツ図であって、つまみ部1、押さえリング2、蒸気抜きパイプ3、ガラス製鍋蓋本体4、止金5、耐熱パッキン6で構成される。
つまみ部1および押さえリング2は耐熱性に加えて断熱性に優れた樹脂製で出来ている。つまみ部寸法は直径4.5〜5.5cm、くびれ部を入れた高さ2.5〜3.5cmで、押さえリングを入れた全高さはガラス本体に埋め込み式の場合3〜5cmで、片手でつまみやすいものとする。
図1のBおよび図3のB、Cに示すガラス蓋本体のガラスの材質は耐熱ガラスでも強化ガラスでもよい。型は中央に穴用の入れ子を有する雌型を用い、雌型を回転させながら上型プレスで成型後、低圧空気吹き込む方法で出来るだけ表面を滑らかにしたものである。強化ガラスの場合成型されたガラス製鍋蓋本体を再度加熱し表面を風冷又は液体で急冷して圧縮応力を入れる方法で行う。ガラス製鍋蓋の直径は使用鍋に合わせて14〜45cmで14〜30cmのものを通常とする。ガラス製鍋蓋の肉厚は15〜5mmの範囲のものとして周辺より中央部の肉厚をやや大きくしてガラス製鍋蓋全体に上に凸の曲率をつける。ただし、図1のAおよび図2、図3のAに示すようなパイプ溝付きのガラス蓋は回転成型ができないので耐熱ガラスを用いた固定型による吹き込みまたは押型成型品となる。
蒸気抜きパイプ3の詳細を図3および図4に示す。図4に示す蒸気抜きパイプ3はステンレス製で鍋内側先端内部にステンレス製の錘8が入っている。肉厚0.8〜1mm、内径4〜5mmのステンレスパイプの両端を図3のように曲げて加工する。柄部はガラス製鍋蓋4の外側曲率に合わせて加工しガラス製鍋蓋に沿わせる、長さはガラス製鍋蓋の半径の中ほどから蒸気が外部に噴出する長さとする。外側の蒸気噴出口はやや外側向きに折り曲げて噴出蒸気がつまみ方向に来ないようにしておく。鍋内側のパイプ先端部は図4に詳細を示すように、曲がり部高さがガラス製鍋蓋の肉厚に3〜5mmプラスした寸法になるように折り曲げた後、内径を6.2〜8mmに広げる。そして、拡大した穴先端に雌ネジを切り込み、穴のセンターに太さ1.5mmのステンレス製棒7を挿入し曲がり部外側まで貫通させてパイプ外側でスポット溶接する。当該棒7にステンレス製の錘8を通して図3および図4の符号9の錘受けテーパー付きパーツを捻じ込む。このような蒸気弁付き蒸気抜きパイプ3は組み立てセットとして交換可能とする。尚、図3Cは当該蒸気抜きパイプを2〜3本設置する場合の断面図である。
パイプ先端に捻じ込むパーツはパイプ内側の錘受けテーパーを構成しており、錘弁の下端直径を線接触で受けるよう、錘のテーパーより大きく傾斜させる。本実施例の錘弁の寸法は下端直径5mm、上端直径6mm、高さ2.8mmのとき錘受けパーツの下端の内径は4.5mmで上端部の直径は7.5mm、高さ3mmである。
ガイド棒7は図5に示すように太さ寸法1.5mmの金属製の棒で、垂直と固定の安定性を確保するために棒の上側につば7−1を設けパイプ内側からセンターに位置するように通しパイプ曲がり部を貫通してパイプ外側からナット締めまたはスポット溶接で固定する。また錘8の上昇限を決めるストッパー7−2をガイド棒上部に設け、錘8をガイド棒7にセット後、錘8の落下防止のためのかしめ7−3をガイド棒先端に加工する。最後に錘受けテーパー付きパーツを捻じ込み完成する。
ガラス製鍋蓋の概観図である。(実施例1) ガラス製鍋蓋に組み込む鍋つまみ、蒸気抜きパイプおよび止金等の各パーツを示す図である。 ガラス製鍋蓋へのつまみおよび蒸気抜きパイプの取り付け状況を示す図である。(実施例1) 蒸気抜きパイプ内部の蒸気弁の取り付けと作動状況を示す図である。 ガイド棒を示す図である。
符号の説明
1 ガラス製鍋蓋つまみ
2 ガラス製鍋蓋つまみワッシャー兼蒸気抜きパイプ押さえリング
3 蒸気抜きパイプ
4 ガラス製鍋蓋
5 止金
6 耐熱パッキン
7 ガイド棒
7−1 ガイド棒パイプへの取り付け部当たり
7−2 錘上昇限ストッパー
7−3 ガイド棒錘落下防止かしめ
8 錘
9 テーパー付錘受け金具

Claims (2)

  1. ガラス製鍋蓋中央部に比較的大きな自由膨張収縮しやすい穴を設け、穴周囲への熱応力の集中を解消すると同時に、この穴に蒸気抜きパイプの通路を兼ねたガラス製鍋蓋つまみ止金を通し、当該蒸気抜きパイプの鍋側先端内部に蒸気弁を取り付けることを特徴とするガラス製鍋蓋。
  2. 蒸気抜きパイプの鍋側先端内部に垂直にガイド棒を取り付け、当該ガイド棒に沿って上下運動する円柱状または円錐台形状の金属性の錘が鍋内部の蒸気圧が低いときはパイプ先端内部のテーパー部に線接触する構造である請求項1のガラス製鍋蓋。
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