JP2006080190A - 内燃機関用点火コイル及び自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 モールド樹脂にクラックが発生しないよう改善された点火コイルを提供する。
【解決手段】 中心鉄芯1の外側に、一次コイルと二次コイルとを同軸的に配置してなる内燃機関用点火コイルにおいて、中心鉄芯1は、複数種類の磁性鋼板PL・・・PLを積層して断面多角形に一体化され、その軸方向ほぼ全体に一枚の絶縁フィルム材TPを巻着して構成され、絶縁フィルム材TPの接着開始点STと接着終了点ENDは、中心鉄芯1の断面多角形の角部を避けて設定されている。
【選択図】 図5
【解決手段】 中心鉄芯1の外側に、一次コイルと二次コイルとを同軸的に配置してなる内燃機関用点火コイルにおいて、中心鉄芯1は、複数種類の磁性鋼板PL・・・PLを積層して断面多角形に一体化され、その軸方向ほぼ全体に一枚の絶縁フィルム材TPを巻着して構成され、絶縁フィルム材TPの接着開始点STと接着終了点ENDは、中心鉄芯1の断面多角形の角部を避けて設定されている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、自動車などのエンジンのプラグホールに取り付けられ、先端部に点火プラグが装着されて使用される内燃機関用点火コイル、及びこの点火コイルを内蔵する自動車に関する。
内燃機関用点火コイルとしては、丸棒状の中心鉄芯の外側に、二次ボビンに巻かれた二次コイルが配置され、さらにその外側に、一次ボビンに巻かれた一次コイルが配置されたものが知られている。中央鉄芯は、一般に、ケイ素鋼板を複数枚積層して断面多角形に構成される。そして、多角形の外周には、絶縁性の緩衝テープが巻かれている。また、完成状態では、中央鉄芯の周りは、モールド樹脂によって固められている(特許文献1)。
特開2004−71911号公報
ここで、中心鉄芯の外周を緩衝テープで覆うのは、中心鉄芯の絶縁性が確保すると共に、ケイ素鋼板の幅方向両端のエッジ部を緩和して、熱膨張/熱収縮によってモールド樹脂にクラックが発生するのを防止するためである。
しかしながら、中央鉄芯に単に緩衝テープを巻くだけでは、緩衝テープ51の巻き終わり点ENDが、ケイ素鋼板50・・・50で構成された断面多角形の角部EDに一致してしまうことがあり、このような場合には、この巻き終わり点ENDで角部EDがより強調されるため、クラック発生の原因になることがあった(図7参照)。また、巻き始め点が、断面多角形の角部EDに一致してしまうこともあり、この場合も、巻き始め点で角部EDがより強調されることになり、クラック発生の原因になることがあった。
そして、モールド樹脂にクラックが発生すると、絶縁不良によって点火コイルの点火特性が悪化するなどの不具合が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、モールド樹脂にクラックが発生しないよう改善された点火コイルを提供することを課題とする。また、モールド樹脂にクラックが発生しないよう改善した点火コイルを内蔵した自動車を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明は、中心鉄芯の外側に、一次コイルと二次コイルとを同軸的に配置してなる内燃機関用点火コイルにおいて、前記中心鉄芯は、複数種類の磁性鋼板を積層して断面多角形に一体化され、その軸方向ほぼ全体に一枚の絶縁フィルム材を巻着して構成され、前記絶縁フィルム材の巻き始めと巻き終わりは、前記中心鉄芯の断面多角形の角部を避けて設定されている。また本発明は、このような点火コイルを備える自動車である、なお、本発明の絶縁フィルム材は、実施例では緩衝テープと称している。
本発明において、前記絶縁フィルム材は、積層構造の中心鉄芯における最下層又は最上層の磁性鋼板から巻き始めることで、前記中心鉄芯を覆うのが好ましい。また、前記絶縁フィルム材は、積層構造の中心鉄芯における最下層又は最上層の磁性鋼板で巻き終えることで、前記中心鉄芯を覆うのが好ましい。
この場合、最下層と最上層の磁性鋼板のうち、一方の磁性鋼板に巻き始め点を設定し、他方の磁性鋼板に巻き終り点を設定するのが好適である。更にまた、前記絶縁フィルム材の巻き付け長さSを、中心鉄芯の外周長Lと巻き付け回数nとに対応して、S=n×L+L/2に設定するのが効果的である。この場合、一方側の磁性鋼板の板中央部に巻き始め点を設定すれば、巻き終り点を、他方側の磁性鋼板のほぼ板中央部に位置させることができる。
以上詳述したように、本発明によれば、モールド樹脂にクラックが発生しないよう改善された点火コイルを実現できる。
以下、実施例に係る内燃機関用点火コイルについて、その概略構成から説明する。図1は、実施例に係る点火コイルの概略縦断面図である。この点火コイルは、エンジンのプラグホールに取り付けられると共に、先端部に点火プラグが装着されて、点火プラグに高電圧を直接供給するものである。
図示の通り、本実施例の点火コイルは、中心部から順に、中心鉄芯1、二次ボビン2に二次巻き線が巻かれた二次コイル3、一次ボビン4に一次巻き線が巻かれた一次コイル5がそれぞれ同心に配置され、それらは略円筒状のケース6に収納される。また、一次コイル3の外周面には、周方向の一部に切欠きを備えて略C字状に形成された鋼板からなる外装鉄芯7が装着される。なお、中心鉄芯1の長手方向両端部には、鉄芯の磁束の飽和を抑制するために、一次コイル5で発生する磁束と反対方向の磁束を発生させる永久磁石を装着してもよい。
ケース6内には、熱硬化性エポキシ樹脂が充填される。このエポキシ樹脂は、中心鉄芯1と二次コイル3の間、二次コイル3と一次コイル5の間、一次コイル5とケース6の間にそれぞれ侵入し、それらの間の絶縁性を確保する。なお、ケース6の上部には、イグナイタ8などが収容される大径部6aが形成されているが、エポキシ樹脂はこの大径部6aにも充填される。このエポキシ樹脂は、ケース6の上部開口から注入充填され、均一温度の硬化雰囲気温度に保たれた炉に一定時間保持されて硬化される。
ケース6の上部には、一次電流をオンオフするための点火駆動回路としてのイグナイタ8が設けられると共に、イグナイタ8に一次電流を供給するための一次電流入力用コネクタ端子9が設けられる。ケース6の下部には、二次コイル3に電気的に接続された二次高圧端子10を介して、スプリング11が設けられる。このスプリング11を介して、ケース6の下部には点火プラグが接続される。その接続部は、プラグホール等の金属部に高電圧がリークしないように、ケース6の下部に設けられたプロテクタ12に内蔵される。
中心鉄芯1の外周面には、電気的絶縁性を有する緩衝テープTPが巻き付けられる。本実施例の緩衝テープTPは、薄いポリエステルフィルムとされ、内面側に接着剤を塗布した矩形状のフィルムが中心鉄芯1の外周面に巻かれる。なお、緩衝テープTPは、中心鉄芯1の上下両端部1C,1Cを少しだけ残して巻かれており、そのため、中心鉄芯1の上下両端部1C,1Cは、緩衝テープTPから露出した露出部となる。
この露出部(上下両端部)1C,1Cには、有底円筒状のコアキャップCPが装着される。このコアキャップCPは、耐熱性に優れた弾性体で形成され、中心鉄芯1の両端部に被せて接着されて、短冊板PLとエポキシ樹脂の熱膨張率の差を吸収する緩衝材として機能する。
本発明の点火コイルは、基本的に上述のような構造であるが、特に中心鉄芯1の構造及び製造方法に特徴を有するので、この点を更に説明する。本実施例の中心鉄芯1は、(1)磁性鋼板をプレス装置で切り抜いて、所定長で幅のみ異なる複数種類の短冊板PL・・・PLを製造する裁断工程と、(2)複数種類の短冊板PL・・・PLを束ねて積層すると共に、カシメ加工によって全体を一体化する組立工程と、(3)一体化された短冊板の軸方向終端面1D,1Dに、切込み溝1A又は切欠き凹部を形成する切除工程と、(4)中心鉄芯1の外周面に緩衝テープを巻き付けるテープ巻き工程と、(5)中心鉄芯1の軸方向両端部(露出部)1C,1Cに、略円筒型のコアキャップCPを被せて接着する接着工程を経て製造される。
[裁断工程〜切除工程]
図2(a)は、組立工程後の中心鉄芯1の状態を図示したものであり、この実施例では、0.2〜0.5mm程度の珪素鋼板で構成された短冊板PL…PLを複数枚積層して、全体として断面略八角形の中心鉄芯1に形成している。図示の通り、積層方向の中央部には、最も幅広の短冊板を所定枚数配置し、その上下には、積層方向に向けて順番に幅の狭い短冊板を配置している。
[裁断工程〜切除工程]
図2(a)は、組立工程後の中心鉄芯1の状態を図示したものであり、この実施例では、0.2〜0.5mm程度の珪素鋼板で構成された短冊板PL…PLを複数枚積層して、全体として断面略八角形の中心鉄芯1に形成している。図示の通り、積層方向の中央部には、最も幅広の短冊板を所定枚数配置し、その上下には、積層方向に向けて順番に幅の狭い短冊板を配置している。
この実施例の場合、切除工程に先立って、図の矢印方向にカシメ加工が施されるので、中心鉄芯の長さ方向の一定間隔毎に凹部1Bが2〜3個形成され、各凹部1Bの径方向反対側の対称位置には凸部が形成される。なお、カシメ加工に代えて、エポキシ接着剤によって短冊板PLを互いに接着しても良いし、カシメ加工に代えて、或いは、カシメ加工に加えて、中心鉄芯1の軸方向両端の終端面1Dを溶接しても良い。カシメ加工に加えて溶接を行う場合には、切除加工に先立って、短冊板の積層方向に向けて、中心鉄芯1の終端面1Dの中心部が略矩形状に溶接される(図2(c)参照)。これは、短冊板の積層方向の熱膨張率を、これに直交する方向の熱膨張率につり合わせるためであり、略矩形状の溶接面WLは、後の切除工程で設けられる切込み溝1Aより幅広で、中心鉄芯の直径の半分程度に形成される。
何れにしても、組立工程を終えた中心鉄芯の軸方向の両端面1Dには、次の切除工程において、切込み溝1Aが形成される。図2(b)は、切除工程後の中心鉄芯1を図示したものであり、この実施例では、短冊板の積層方向に向けて、切込み溝1Aが形成されている。図示の通り、切込み溝1Aは、中心鉄芯の中心点を通って一方側から他方側まで、全ての短冊板の一部を切除して一直線に形成される。なお、この切除工程を省略するため、複数種類の短冊板を切り出す裁断工程において、各短冊板PLに切込み溝1Aを形成しても良い。
[テープ巻き工程]
軸方向の両端面1Dに切込み溝1Aの形成された中心鉄芯1は、次に、テープ巻き工程に移送される。この場合、切込み溝1Aを、位置決め用に利用できるので、その分だけ、テープの巻き付け精度が高めることができる。
[テープ巻き工程]
軸方向の両端面1Dに切込み溝1Aの形成された中心鉄芯1は、次に、テープ巻き工程に移送される。この場合、切込み溝1Aを、位置決め用に利用できるので、その分だけ、テープの巻き付け精度が高めることができる。
このテープ巻き工程では、中心鉄芯1の外周に、中心鉄芯1の軸方向長さよりやや幅狭の緩衝テープTPを巻き付けられる(図1参照)。中心鉄芯1の外周を緩衝テープTPで覆うことで、珪素鋼板である短冊板の電気的絶縁性が確保される。また、緩衝テープTPで覆うことで、各短冊板PLの幅方向両端のエッジ部が緩和されると共に、中心鉄芯1を覆うエポキシ樹脂にエッジ部が直接接触することが防止され、熱膨張/熱収縮によるエッジ部への応力集中によってエポキシ樹脂にクラックが発生することが防止される。
図3は、テープ巻き工程で使用されるテープ巻き装置20の概略構成を図示したものである。このテープ巻き装置20は、緩衝テープTPを保有するテープリール22と、緩衝テープTPをテープリール22から巻き出すテープ搬送ローラ23と、同一方向に回転する一対の捲回ローラ24A,24Bと、捲回ローラ24A,24Bと協働して中心鉄芯1を押圧状態で回転させる押圧ローラ25と、緩衝テープTPを切断する切断刃26と、待機状態の中心鉄芯1を捲回ローラ24A,24Bの間に載置すると共に、テープ巻き作業を終えた中心鉄芯1を取り出す搬送機構(不図示)とを備えて構成されている。
なお、テープ搬送ローラ23と捲回ローラ24は、コントローラ(不図示)に制御されて回転及び停止し、押圧ローラ25と切断刃26は、コントローラに制御されて適宜に昇降するようになっている。緩衝テープTPは、中心鉄芯1よりやや短い幅を有し、裏面(図では上側)に接着層を有する、厚さ60μmm程度の帯状のポリエステルフィルムであり、搬送ローラ23の回転に合わせて案内路27に巻き出され、切断刃26の降下によって必要長さに切断される。
図3に示すテープ巻き装置20は、テープ巻き作業を開始する直前の待機状態であり、テープ搬送ローラ23及び捲回ローラ24は停止しており、押圧ローラ25及び切断刃26は上昇位置にある。この待機状態で、切断刃26から前方には、長さLsの緩衝テープTPが引き出されている。また、中心鉄芯1は、各短冊板PLを水平状態にした姿勢で待機している。
図4は、図3の待機状態から動作開始状態に移行する瞬間を図示したものである。先ず、不図示の搬送機構が、待機状態の中心鉄芯1を保持して、これを捲回ローラ24A,24Bの間に載置する。この時、中心鉄芯1は、その短冊板PLが水平面上に位置するよう載置されるが、最下層の短冊板の下面の中央部には、緩衝テープの先端が位置するよう、緩衝テープTPの引き出し長さLsが設定されている。
捲回ローラ24A,24Bの間に中心鉄芯1が載置されると、次に、押圧ローラ25が降下して中心鉄芯1の最上層の短冊板を押圧する。その結果、中心鉄芯1全体が下向きに押圧されることになり、最下層の短冊板の下面の左半面に、緩衝テープTPが確実に接着される。次に、テープ搬送ローラ23が反時計方向に回転を開始するのに合わせて、捲回ローラ24A,24Bは、時計方向に回転を開始する。なお、半径Rのテープ搬送ローラ23の外周速度と、捲回ローラ24A,24Bの外周速度が一致するよう、各ローラ23,24の回転速度が設定されているのは勿論である。
捲回ローラ24A,24Bが時計方向に回転すると、押圧ローラ25に押圧された中心鉄芯1は反時計方向に回転し、また、押圧ローラ25は時計方向に従動回転することになる。明らかなように、この状態では、テープ搬送ローラ23は、中心鉄芯1に緩衝テープTPを接着させる接着速度に対応する速度で、緩衝テープTPを中心鉄芯1Aに向けて送り出している。そして、テープ搬送ローラ23の回転開始からの回転角度がθに達したタイミングでは、捲回ローラ24A,24Bに送られる緩衝テープTPの全長は、R×θ+Lsとなる。なお、Rはテープ搬送ローラ23の半径であり、Lsは初期状態の引き出し長さである(図3)。
テープ搬送ローラ23及び捲回ローラ24の回転によって、R×θ+Ls=S・・・(式1)の条件が成立するまで緩衝テープTPが送られると、テープ搬送ローラ23及び捲回ローラ24の回転が一時停止され、この状態で切断刃26が降下して緩衝テープTPを切断する(図5(a)参照)。なお、上記(式1)において、Sは、緩衝テープTPの中心鉄芯1への巻き付け長さであり、緩衝テープTPの接着開始点STに位置する短冊板と、接着終了点ENDに位置する短冊板とが、径方向の対称位置になるように設定されている(図5(c)参照)。
すなわち、中心鉄芯1の外周長Lと、緩衝テープTPの巻き付け回数nに対応して、巻き付け長さSは、S=n×L+L/2に設定されている。本実施例の場合、接着開始点STとなる短冊板は、図4の最下層に位置する短冊板であるから、接着終了点ENDとなる短冊板は、図4では最上層に位置する短冊板となる。
以上説明した図3〜図5の動作によって、中心鉄芯1に対する緩衝テープTPの巻き付け作業が完了する。図5(c)は完成状態の中心鉄芯1を図示したものであり、中心鉄芯1の外周には、中心鉄芯1の軸方向長さよりやや幅狭の緩衝テープTPが、一重以上に巻き付けられている。そして、接着開始点STと接着終了点ENDは、径方向対称の位置にあり、それぞれ積層方向の最上層であって、最も幅狭の短冊板PLに位置している。なお、この状態でも、中心鉄芯1の上下両端部1Cは、緩衝テープTPで覆われることなく外部に露出している。
[コアキャップの接着工程]
続いて、中心鉄芯1の上下両端部1CにコアキャップCPを被せて接着する接着工程に移行する。ここでコアキャップCPは、強固な耐熱性及び耐寒性と適宜な弾力性を有することからシリコーンゴムが採用される。特に、本実施例では、透明又は半透明のシリコーンゴムが使用される。ここで、シリコーンゴム(silicone rubber)とは、主鎖が炭素‐炭素結合である一般の合成ゴムに対して、主鎖がケイ素‐酸素結合で構成されているものをいう。但し、特に限定されるものではなく、シリコーンゴムを超える耐熱性及び耐寒性を有することから、フッ素ゴムを使用しても良い。この場合も、透明又は半透明のフッ素ゴムを採用するのが好適である。
[コアキャップの接着工程]
続いて、中心鉄芯1の上下両端部1CにコアキャップCPを被せて接着する接着工程に移行する。ここでコアキャップCPは、強固な耐熱性及び耐寒性と適宜な弾力性を有することからシリコーンゴムが採用される。特に、本実施例では、透明又は半透明のシリコーンゴムが使用される。ここで、シリコーンゴム(silicone rubber)とは、主鎖が炭素‐炭素結合である一般の合成ゴムに対して、主鎖がケイ素‐酸素結合で構成されているものをいう。但し、特に限定されるものではなく、シリコーンゴムを超える耐熱性及び耐寒性を有することから、フッ素ゴムを使用しても良い。この場合も、透明又は半透明のフッ素ゴムを採用するのが好適である。
なお、中心鉄芯1の上下両端部1CをコアキャップCPで覆って固着するのは、短冊板とエポキシ樹脂の熱膨張率の差をコアキャップCPで吸収するためであり、中心鉄芯1の軸方向端面1Dを基点として、熱膨張/熱収縮による応力集中によってエポキシ樹脂にクラックが発生するのを防止するためである。
図6(a)は、有底円筒形に形成されたコアキャップCPを図示したものである。図示の通り、コアキャップCPの円形穴は、コアキャップCPの軸方向中央部より奥側(図示の下側)が、若干縮径した段付き穴とされている。すなわち、図6(e)に示すように、コアキャップCPに中心鉄芯1がはめ込まれた状態では、奥側の小径部13に、緩衝テープTPが巻かれていない露出側面1C(中心鉄芯の上下両端部)が配置され、開口側の大径部14に、緩衝テープTPの巻かれた中心鉄芯1が配置されるよう設定されている。また、大径部14は、外向きに狭まる傾斜角γが2°程度のテーパ形状となっている。
コアキャップの接着工程では、先ず、コアキャップCPの中にシリコーン系の接着剤15を注入する。本実施例では、シリコーン(ケイ素樹脂)系接着剤を使用するため、硬化後はゴム弾性を有することになり、また、広い温度範囲で安定した性質を発揮する。
接着剤を保有したコアキャップCPが準備できたら、次に、中心鉄芯1を水平状態に保持して、その軸方向の両端面1Cに、コアキャップCPを水平方向に押し付けて被せる。すると、コアキャップCPに押圧されて接着剤15が押し広げられるが、本実施例では、中心鉄芯1の終端面1Dに切込み溝1Aが形成されているので、接着剤15は、切込み溝1Aを案内通路にして、中心鉄芯の露出側面1Cに移動することになる。すなわち、本実施例では、接着剤15が中心鉄芯1の露出側面1Cに一様に広がることになり、接着剤15が一箇所から加圧状態で噴出してコアキャップCPを押し広げて溢れ出るようなことない。
しかも、本実施例では、コアキャップが透明又は半透明であるので、コアキャップ内部の接着剤の広がり状況を確実に目視確認でき、万一、コアキャップから溢れ出る接着剤があれば、直ちにその異常を検出することができる。なお、この異常検出作業を容易化する趣旨から、本来は透明な接着剤15に、適当な着色剤を添加しておいても良い。
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、上記の記載内容は一例を示したに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱することなく適宜に変更可能である。例えば、実施例の中心鉄芯の軸方向の終端面には、切込み溝が形成されているが、本発明において、切込み溝は必須ではない。したがって、本発明に係る中心鉄芯1は、(1)裁断工程と、(2)組立工程と、(4)テープ巻き工程と、(5)接着工程とを経て製造したので足りる。
1 中心鉄芯
2 二次ボビン
3 二次コイル
4 一次ボビン
5 一次コイル
TP 絶縁フィルム材(緩衝テープ)
ST 巻き始め(接着開始点)
END 巻き終り(接着終了点)
2 二次ボビン
3 二次コイル
4 一次ボビン
5 一次コイル
TP 絶縁フィルム材(緩衝テープ)
ST 巻き始め(接着開始点)
END 巻き終り(接着終了点)
Claims (5)
- 中心鉄芯の外側に、一次コイルと二次コイルとを同軸的に配置してなる内燃機関用点火コイルにおいて、
前記中心鉄芯は、複数種類の磁性鋼板を積層して断面多角形に一体化され、その軸方向ほぼ全体に一枚の絶縁フィルム材を巻着して構成され、
前記絶縁フィルム材の巻き始めと巻き終わりは、前記中心鉄芯の断面多角形の角部を避けて設定されていることを特徴とする内燃機関用点火コイル。 - 前記絶縁フィルム材は、積層構造の中心鉄芯における最下層又は最上層の磁性鋼板から巻き始めることで、前記中心鉄芯を覆っている請求項1に記載の内燃機関用点火コイル。
- 前記絶縁フィルム材は、積層構造の中心鉄芯における最下層又は最上層の磁性鋼板で巻き終えることで、前記中心鉄芯を覆っていることを特徴とする内燃機関用点火コイル。
- 前記絶縁フィルム材の巻き付け長さSは、中心鉄芯の外周長Lと巻き付け回数nとに対応して、S=n×L+L/2に設定されている請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
- 請求項1〜4の何れかに記載の点火コイルを備える自動車。
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JP2010010868A (ja) * | 2008-06-25 | 2010-01-14 | Audio Technica Corp | コンデンサマイクロホンにおける出力コネクタの固定方法およびコンデンサマイクロホン |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004111714A (ja) * | 2002-09-19 | 2004-04-08 | Denso Corp | 点火コイル |
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