JP2006079878A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】非発電時に燃料電池内への酸素の浸入を抑制することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック22と水素入口配管23および水素出口配管35との間に、それぞれ選択的に酸素を除去する酸素トラップボックス27i、27oを設ける。酸素トラップボックス27は、燃料電池スタック22の端部に接続して構成する。酸素トラップボックス27内部には、遷移金属の微粒子371を付着させる。これにより、水素入口、出口配管23、25から浸入した酸素は、酸素トラップボックス27内で遷移金属と反応し除去されるので、非発電時に燃料電池スタック22内に酸素が浸入するのを抑制することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。特に、固体高分子型燃料電池の起動時の劣化を抑制するための構成に関する。
固体高分子型燃料電池では、燃料極内に酸素が存在している状況で発電開始のために水素ガスが供給されると、触媒の劣化反応が生じて電池性能が低下してしまう。従来は、発電終了直後に窒素により電極内をパージすることで電極内を窒素雰囲気下にしているが、この方法では、このパージ用の窒素タンクを燃料タンクとは別に設ける必要があり、システム全体としての体積を増大してしまう。
そこで、前述したパージ用の窒素タンクを設置するのを避けるため、空気を用いてパージを行うことを試みている。この際に空気中の酸素が電極内に浸入するのを防ぐために、パージガスの供給ライン途中に遷移金属からなる酸素除去システムを配置している(例えば、特許文献1、参照。)。
特開2002−280038号公報
しかしながら、上記の従来の燃料電池システムでは、発電終了直後における電極内への酸素の浸入を抑制することは可能であるが、非発電時、つまり保管中において、配管の隙間等から侵入してくる酸素を除去するための手段は設けられていない。発電開始時の触媒の劣化を抑制するには、非発電時にスタック内、とりわけアノード電極内に浸入してくる酸素を発電開始時に残存させないようにする必要がある。
そこで、本発明は、上記問題を鑑みて、非発電時の燃料電池内への酸素の浸入を抑制することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスを用いて発電反応を行う燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに燃料ガスを供給する燃料ガス入口配管と、前記燃料電池スタックから発電後の燃料排ガスを回収する燃料ガス出口配管と、を備える。また、前記燃料電池スタックと前記燃料ガス入口配管との間、または、前記燃料電池スタックと前記燃料ガス出口配管との間の少なくとも一方に、前記燃料電池スタックの端部に接して配置され、前記燃料ガス入口配管または前記燃料ガス出口配管に連通し、酸素を選択的に除去する酸素トラップ手段を備える。
燃料電池スタックの端部に接して、酸素を選択的に除去する酸素トラップ手段を設けることにより、燃料ガス入口配管や燃料ガス出口配管を通って燃料電池スタックの燃料極に酸素が導入されるのを抑制することができる。そのため、発電開始時に、燃料極内に酸素が存在するのを抑制することができ、触媒の劣化反応を抑制することができる。
図1を参照して、第1の実施形態による燃料電池システム1の構成を説明する。
燃料電池システム1は、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池2と、燃料電池2に供給する水素を貯蔵する水素貯蔵装置3と、水素貯蔵装置3から燃料電池2に供給する水素流量を調整する水素流量制御装置4と、を備える。また、燃料電池システム1は、燃料電池2に供給する空気を導入するエアーコンプレッサ5と、エアーコンプレッサ5から燃料電池2に供給する空気流量を調整する空気流量制御装置6を備える。
また、燃料電池システム1の制御を行うコントローラ7を備える。コントローラ7は、要求負荷に応じて、燃料電池2に導入する水素および空気流量を設定し、水素流量制御装置4、空気流量制御装置6を制御する。
次に、図2を参照して、燃料電池2の構成を説明する。
燃料電池2を、複数の単位セル21を積層し、さらにその両端にエンドプレート28を設けた燃料電池スタック22から構成する。燃料電池スタック22は、各単位セル21に水素、空気を分配する図示しない水素入口マニホールド、空気入口マニホールドを有し、水素入口マニホールド、空気入口マニホールドには、水素、空気を導入する水素入口配管23、空気入口配管24が接続される。また、燃料電池スタック22は、各単位セル21から発電反応後の排ガスを回収する図示しない水素出口マニホールド、空気出口マニホールドを有し、水素出口マニホールド、空気出口マニホールドには、水素、空気を排出する水素出口配管25、空気出口配管26が接続される。
燃料電池2の非発電時には、水素入口配管23と燃料電池スタック22との接続部や、水素出口配管25と燃料電池スタック22との接続部から、燃料電池スタック22のアノード側に空気が浸入してしまう可能性がある。これにより、次回の発電開始時に、燃料電池スタック22のアノード側に酸素が存在する状態で水素の供給が開始され、その結果、触媒の腐食反応が生じて燃料電池2が劣化してしまうという問題があった。
そこで、本実施形態は、水素入口配管23と燃料電池スタック22の間と、水素出口配管25と燃料電池スタック22との間に、それぞれ酸素トラップボックス27i、27oを備える。酸素トラップボックス27を、それぞれの一端が燃料電池スタック22の端部に配置されたエンドプレート28に接触するように配置する。例えば、エンドプレート28と、水素入口配管23、水素出口配管25それぞれの端部を接続して構成する。ここでは特に、エンドプレート28に設けられた水素入口マニホールドと、水素出口マニホールドそれぞれの端部と、酸素トラップボックス27i、27oの端部とを溶接等により接続して構成する。なお、接続方法は、溶接に限らない。
ここでは、酸素トラップボックス27を、6cm×6cm×10cmのSUS製の箱により構成する。酸素トラップボックス27の断面は、水素入口配管23、水素出口配管25の流路断面積に比較して同じ、または大きくなるように構成する。つまり、酸素トラップボックス27は、発電時に水素入口配管23から水素ガスが供給される際に、酸素トラップボックス27を配置したことにより水素ガスの供給量低減や圧力損失が生じないように構成される。
図2の点線内に描かれた拡大図に示すように、酸素トラップボックス27の内壁271には、スパッタリングにより遷移金属の薄膜37を形成する。ここでは、遷移金属として銅を用いる。薄膜37の厚みを1μm程度とする。薄膜37の表面に、顕微鏡で観察した際に、粒子径約50〜100nmの銅の微粒子371が多数存在するように形成する。
燃料電池システム1の停止時に、水素入口配管23、水素出口配管25内に空気が入り込んだ場合、この空気は燃料電池スタック22に導入される以前に酸素トラップボックス27に導入される。酸素トラップボックス27では、内壁271に設けた銅の薄膜37に空気が接触することにより、空気中の酸素と銅が反応して金属酸化物が生成される。これにより、空気中の酸素は除去されて、燃料電池スタック22内に酸素が浸入するのを防ぐことができる。つまり、酸素トラップボックス27の内壁271に設けた銅粒子371を有する薄膜37が酸素トラップとしての役割を担い、燃料電池スタック22内への酸素の浸入を妨げる。
なお、設置された遷移金属である銅の薄膜37は、酸素を捕捉した結果、酸化銅へと変化する。このように酸化銅となると、それ以上酸素を捕捉することは不可能となる。用いられた遷移金属の全てが金属酸化物になってしまうと、薄膜37はそれ以降、酸素トラップとしての機能を果たすことができなくなる。そこで、この金属酸化物をもとの遷移金属に戻し、再度酸素トラップとして機能させる必要がある。
ここでは、金属酸化物をとなった酸素トラップを元の遷移金属に還元する手法として、発電に必要な燃料ガスである水素を用いた還元を行う。酸素トラップである銅の薄膜37は燃料ガスの流通路内に設けられており、発電時に常に燃料ガスと接触している。従って、非発電時に銅から酸化銅へと変化しても、発電中に元の遷移金属である銅へと還元されるため、酸素トラップとしての機能を連続的に果たすことが可能となる。また、燃料ガスを酸化銅の還元に用いることにより、還元に必要な物資を供給するための新たな配管や貯蔵タンクを配備する必要がなく、燃料電池システム1のサイズをコンパクトにすることができる。
なお、酸素トラップボックス27を構成する材料は、特にSUS製に限らなくてもよく、金属でも非金属であっても構わない。また、酸素トラップとして用いる遷移金属は、特に銅に限られておらず、鉄やニッケル、銀などのように、容易に酸化還元されるものであれば構わない。また、酸素トラップとしての金属の微粒子371を有する薄膜37の形成方法は、特にスパッタリングに限定されず、真空蒸着等により形成してもよい。また、酸素トラップボックス27は、箱型に限らなくても良い。例えば、配管の一部に銅の薄膜を形成することで、酸素トラップを形成してもよい。
このように、燃料ガスの燃料電池スタック22への入口と出口に、酸素トラップボックス27を燃料電池スタック22に接触するように配置する。これにより、非発電時に、燃料ガスの通る配管23、25の隙間から空気が浸入して、次回の発電開始時にアノード電極内に酸素が残存するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、燃料電池システム1の停止時には、燃料電池スタック22のアノード側を図示しないバルブ等により閉塞し、アノード内に燃料ガスを保持した状態で放置する。ただし、この限りではなく、酸素トラップボックス27を、停止時に窒素や空気を用いてパージを行う燃料電池システムに適用してもよい。パージガスとして空気を用いる場合には、空気のガス流量制御装置6の下流側を分岐して燃料電池2のアノード上流側に接続する。分岐路にバルブ等の空気の供給/遮断を選択する手段を備える。停止時に、バルブを開としてアノードに空気を供給することにより、燃料ガスをパージする。このとき、酸素トラップボックス27を流通する際に、空気中の酸素が低減されるため、パージ後の燃料電池2のアノード内の酸素濃度を抑制することができる。なお、入口側に配置された酸素トラップボックス27iの容積を、パージガスとして用いられる空気中の酸素を十分に低減できる大きさとすることが好ましい。または、酸素トラップボックス27iに加熱手段を備え、パージ時に、酸素トラップボックス27iを酸素除去に適した温度に調整可能としてもよい。
一方、窒素ガスをパージガスとして用いる場合には、窒素タンク等の窒素貯蔵装置と、窒素貯蔵装置から選択的に燃料電池2のアノード上流側に窒素を導入する手段と、燃料電池2のアノードの上流側と下流側の流路を選択的に遮断する手段を備える。この場合にも、酸素トラップボックス27を設けることで、燃料電池2の非発電時に配管23や25の接続部分等から空気が混入して燃料電池2のアノードに酸素が存在するのを抑制することができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
燃料ガスと酸化剤ガスを用いて発電反応を行う燃料電池スタック22と、燃料電池スタック22に燃料ガスを供給する水素入口配管23と、燃料電池スタック22から発電後の燃料排ガスを回収する水素出口配管25と、を備える。また、燃料電池スタック22と水素入口配管23との間、または、燃料電池スタック22と水素出口配管25との間の少なくとも一方に、燃料電池スタック22の端部に接して配置され、水素入口配管23または水素出口配管25に連通し、酸素を選択的に除去する酸素トラップボックス27と、を備える。これにより、非発電時に燃料電池スタック22内に酸素が浸入するのを抑制し、燃料電池スタック22の性能劣化を抑制することができる。
酸素トラップボックス27は、内壁271に遷移金属からなる微粒子371を有する。ここでは、酸素トラップボックス27の内壁271に、遷移金属からなり、表面に微粒子371を有する薄膜37を形成する。微粒子371を酸素トラップとして用いることで、小さな体積で多量の酸素を捉えることが可能となる。また、容易に還元することが可能であり、繰り返し、酸素トラップとして機能させることが可能となる。また、微粒子371をトラップ27の内壁271に設けることにより、燃料電池スタック22への燃料ガスの供給経路の断面積を低減させるのを避け、燃料ガスの供給量や供給圧等を低減するのを抑制することができる。
酸素トラップボックス27の内部に還元ガスとしての燃料ガスを導入する。これにより、酸素トラップ27を連続して使用することができる。また、還元ガスとして燃料ガスを導入することにより、燃料電池システム1のサイズを抑えることができる。
次に、第2の実施形態について説明する。図3に、第2の実施形態による燃料電池2の構成を示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料電池2の非発電時間が長時間にわたるとき、もしくは、配管23、25等に欠陥が生じ、相当量の空気が燃料電池スタック22内に侵入する可能性がある際には、酸素トラップボックス27中に、相当量の酸素トラップが必要となってくる。しかしながら、酸素トラップボックス27の体積を増大させると、燃料電池システム1全体の体積が増大してしまう。また、酸素トラップボックス27の内壁271に設けられた酸素トラップである微粒子371の量を増大させると、微粒子371は粒子として存在できなくなり、バルク金属となってしまう可能性がある。これにより、遷移金属の表面積が低下してしまい、酸素トラップとしての有効面積の低下につながる。このように、酸素トラップボックス27の体積を必要最低限にし、かつ酸素トラップとして機能する微粒子371の表面積を十分に確保する必要がある。
そこで、酸素トラップボックス27内に銅製の板29を備える。酸素トラップボックス27内に、燃料ガスの流通方向に平行に板面が形成されるように板29を配置する。ここでは、それぞれの酸素トラップボックス27の内部に、四つの板29を等間隔に配置する。板29は、溶接等により酸素トラップボックス27に接続される。
板29としては、幅40mm、厚み5mm、長さ700mmのものを用いる。板29の両面には、スパッタリングにより銅の薄膜38を形成する。この銅の薄膜38の厚みを1μm程度とする。板29の表面を顕微鏡で観察すると、粒子径約50〜100nmの銅の微粒子381が多数存在するように薄膜38を形成する。
酸素トラップボックス27内に燃料ガスの流れ方向と平行な面291を有する遷移金属製の板29を設け、その板29の両面291に銅の微粒子381を設けることで、水素ガスの流れを妨げることなく、酸素トラップの表面積を増大させることが可能となり、長期間の保管等に対応が可能となる。
なお、酸素トラップボックス27内部に配置する板29は銅に限らず、鉄やニッケル、銀のような容易に酸化還元反応を起こす遷移金属であれば構わない。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
酸素トラップボックス27は、内部に燃料ガスの流通方向に並行な板面291を有する板29を備え、さらに、板29の表面291に、遷移金属からなる微粒子381を有する。これにより、酸素トラップボックス27の容積を増大したり、燃料ガスの流れの深刻な妨げとなるのを避けつつ、酸素トラップの有効面積を増大することができる。
次に、第3の実施形態について説明する。図4に、本実施形態による燃料電池2の概略構成を示す。以下、第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料電池2は、燃料電池スタック22を収容するケース30を備える。ここでは、ケース30は、燃料電池スタック22、酸素トラップボックス27および配管23〜26の一部を収容する。また、水素入口配管23から分岐してケース30内に接続する入口側分岐配管32と、水素入口配管23からケース30内に水素を導入するか否かを選択する三方弁34を備える。また、ケース30内と、水素出口配管25とを接続する出口分岐路33と、ケース30内のガスを水素出口配管25を介して排出するか否かを選択する三方弁35を備える。
また、酸素トラップボックス27は、外壁272に酸素トラップとして、銅の微粒子401を有した銅の薄膜40を備える。酸素トラップボックス27の外壁272に設けた酸素トラップを、図4の点線で囲まれた拡大図(a)に示す。酸素トラップである薄膜40を、酸素トラップボックス27の外壁272に、スパッタリングにより粒子径50〜100nm程度の銅の微粒子401を付着させることにより構成する。
更に、酸素トラップボックス27の外壁272に突起物を構成する。ここでは、酸素トラップボックス27から放射状に突出するように板36を配置する。板36として、厚み3mm、幅10mm、長さ20mmの銅板を用いる。また、図4の点線で囲まれた拡大図(b)に示すように、この外壁272に設置した板36の表面361にもスパッタリングにより銅の微粒子391を有する薄膜39を構成する。ここで、銅の微粒子391の粒子径を50〜100nm程度とする。なお、拡大図(b)は、板36のA方向から見た断面図である。
このような薄膜39、40からなる酸素トラップを、燃料ガスの入口と出口の両側に配置した酸素トラップボックス27i、27oの外側面に設ける。燃料電池スタック22がケース30内に設置されている場合に、ケース30内の空気中の酸素を薄膜39、40よりなる酸素トラップで除去することができるので、単位セル21間の隙間等から燃料電池スタック22内に酸素が侵入するのを抑制することができる。
ここでは、水素出口配管25を通った水素は図示しないパージ弁が閉の場合には、水素入口配管23に再導入されて、燃料ガスとして再使用されるシステムとする。また、図示しないパージ弁が開である場合には、水素出口配管25から図示しない燃焼器等において浄化された後、外部に排出されるシステムとする。
ここで、ケース30内の酸素は、酸素トラップボックス27の外壁272および板36に設けた薄膜39、40よりなる酸素トラップにより除去されるが、この酸素トラップは燃料ガスの流通経路外に設けられているために発電中にも燃料ガスに接触しないため還元されず、酸素トラップとしての機能を連続的に果たすことができなくなる。
そこで、外壁272および板36に設けた酸素トラップを還元するために、三方弁34を入口側分岐配管32側に切り替えてケース30内に燃料ガスを導入し、酸化銅の還元を行う。また、燃料ガスがケース30内に導入される際には、三方弁35を出口側分岐配管33側に切り替えることで、ケース30内のガスを水素出口配管25を介して排出する。
このような外壁272、板36に設けた酸素トラップの還元が必要であるか否かを判定するために、外壁272、板36に設けた酸素トラップの電気抵抗値を測定する電気抵抗検出手段8を備える。電気抵抗検出手段8の出力はコントローラ7に読み込まれ、コントローラ7で、外壁272、板36に設けた酸素トラップの還元制御を行って、薄膜39、40の酸素の除去能力を回復させる。ケース30内に燃料ガスを供給するタイミング、燃料ガスの供給量(供給時間)を以下の通りとする。
まず、作製直後の外壁272、板36に設けた酸素トラップの電気抵抗を測定し、予めコントローラ7に初期抵抗値として記憶させておく。燃料電池2の発電終了時に、電気抵抗検出手段8により、外壁272、板36に設けた薄膜39、40の電気抵抗値を測定する。電気抵抗値が初期抵抗値の1000倍を超えていた場合、発電停止後に二箇所の三方弁34、35の方向をケース30に接続する側に切り替えることにより、燃料ガスをケース30内に供給する。燃料ガスをケース30内に供給する際に、薄膜39、40の電気抵抗をモニタし、初期抵抗値、またはそれに近い値となったら、再度三方弁34、35の方向を切り替える。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
少なくとも燃料電池スタック22と、酸素トラップボックス27と、を収容するケース30を備え、酸素トラップボックス27の外壁272に、遷移金属からなる微粒子401を有する。非発電時において、配管等の隙間から酸素が混入するのとは別に、収納ケース30に収められた燃料電池スタック22の単位セル21同士の隙間から酸素が混入する可能性がある。このような現象を防止するためには、燃料電池スタック22を収納しているケース30内に酸素が存在することを抑制する必要がある。酸素トラップボックス27の外壁272に金属の微粒子401を配置することで、ケース30内に存在する酸素が燃料電池スタック22内部に侵入することを抑制することが可能となる。
また、酸素トラップボックス27の外壁272に突起物を備える。ここでは、突起物として板36を設ける。板36の表面361に、遷移金属からなる微粒子391を有する。長期間の非発電時等でこのケース30内に多量の空気が侵入した際に、この酸素を全て除去するためには、必要とされる酸素トラップの量が多量になる。ケース30内の酸素を十分に除去するため、酸素トラップボックス27の外壁272に遷移金属からなる突起物(板36)を設け、その突起物の表面に遷移金属の微粒子391を付着させることで、酸素トラップの表面積を増大させることが可能となる。
また、ケース30内に選択的に還元ガスを導入する還元ガス導入手段を備える。ここでは、入口側分岐配管32、出口側分岐配管33、三方弁34、35により還元ガス導入手段を構成する。これにより、外壁272、板36に設けた酸素トラップを連続して使用することができる。特にここでは、燃料ガスを還元ガスとして導入する。これにより、新たに還元ガスの供給システムを構成する必要がなくなり、システムサイズを抑えることができる。
また、酸素トラップボックス27の外側面に設けた遷移金属の微粒子401の電気抵抗値を検出する電気抵抗検出手段8を備える。発電停止直後に、酸素トラップボックス27の外壁272に設けた遷移金属の微粒子401の抵抗値が、燃料電池製造時の抵抗値である初期抵抗値の1000倍を超えたら、ケース30内に還元ガスを導入する。なお、電気抵抗検出手段8により、板36に設けた微粒子391を有する薄膜39の電気抵抗値を検出してもよい。このように停止時に還元を行うことで、発電中に燃料電池スタック22に供給される燃料ガスの流量を低減することなく、酸素除去性能を回復することができる。特に発電終了時に行うことで、非発電時に燃料電池スタック22内に酸素が浸入するのを防ぐことができる。このように、発電終了直後において、酸素トラップの回復操作を行うことで、非発電時の保管開始直後においては、必ず、酸素トラップが十分に機能を果たす状態に保つことが可能となる。
さらに、酸素トラップボックス27の外壁272に設けた遷移金属の微粒子401の電気抵抗値が、初期抵抗値まで回復したら還元ガスの導入を停止する。供給する水素の量を酸素トラップの遷移金属の抵抗値で判断することで、必要最低限の水素で酸素トラップの回復が可能となり、無駄な水素ガスの消費を回避し、また、酸素トラップの回復を完全に行うことが可能となる。
なお、酸素トラップボックス27の外側面に設けた酸素トラップとして、外壁272に設けた微粒子401と、板36に設けた微粒子391を用いたが、必要に応じてどちらか一方としてもよい。また、薄膜37〜40は必ずしも形成される必要はなく、銅基材の表面に微粒子371、381、391、401を付着させてもよい。さらに、銅微粒子をもうける突起物は板36に限らず、例えば棒状の銅等を用いても良い。
このように、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることはいうまでもない。
本発明は、燃料電池システムに適用することができる。特に、運転/停止の繰り返される移動体の駆動源として用いられる燃料電池システムに適用することで、好適な効果を得ることができる。
第1の実施形態による燃料電池システムの概略構成図である。 第1の実施形態による燃料電池の概略構成図である。 第2の実施形態による燃料電池の概略構成図である。 第3の実施形態による燃料電池の概略構成図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 水素供給装置
4 空気供給装置
7 コントローラ
8 電気抵抗検出手段
21 単位セル
22 スタック
23 水素入口配管
25 水素出口配管
27 酸素トラップボックス
30 ケース
32 入口側分岐配管
33 出口側分岐配管
34 三方バルブ
35 三方バルブ

Claims (9)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスを用いて発電反応を行う燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに燃料ガスを供給する燃料ガス入口配管と、
    前記燃料電池スタックから発電後の燃料排ガスを回収する燃料ガス出口配管と、
    前記燃料電池スタックと前記燃料ガス入口配管との間、または、前記燃料電池スタックと前記燃料ガス出口配管との間の少なくとも一方に、前記燃料電池スタックの端部に接して配置され、前記燃料ガス入口配管または前記燃料ガス出口配管に連通し、酸素を選択的に除去する酸素トラップ手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記酸素トラップ手段は、内壁に遷移金属からなる微粒子を有する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記酸素トラップ手段は、内部に燃料ガスの流通方向に並行な板面を有する板を備え、
    さらに、前記板の表面に、遷移金属からなる微粒子を有する請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記酸素トラップ手段の内部に還元ガスとしての燃料ガスを導入する請求項1から3のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  5. 少なくとも前記燃料電池スタックと、前記酸素トラップ手段と、これらを収容するケースを備え、
    前記酸素トラップ手段の外壁に、遷移金属からなる微粒子を有する請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記酸素トラップ手段の外壁に突起物を備え、
    前記突起物表面に、遷移金属からなる微粒子を有する請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記ケース内に選択的に還元ガスを導入する還元ガス導入手段を備える請求項5または6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記酸素トラップ手段の外壁に設けた遷移金属の微粒子の電気抵抗値を検出する抵抗値検出手段を備え、
    発電停止直後に、前記酸素トラップ手段の外壁に設けた遷移金属の微粒子の抵抗値が、燃料電池製造時の抵抗値である初期抵抗値の1000倍を超えたら、前記ケース内に還元ガスを導入する請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記酸素トラップ手段の外壁に設けた遷移金属の微粒子の電気抵抗値が、前記初期抵抗値まで回復したら前記還元ガスの導入を停止する請求項8に記載の燃料電池システム。
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