JP2006078471A - 放射線検出装置、シンチレータパネル、これらの製造方法及び放射線検出システム - Google Patents

放射線検出装置、シンチレータパネル、これらの製造方法及び放射線検出システム Download PDF

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Abstract

【課題】 シンチレータ保護層の成膜時間を短縮し、膜厚ばらつきを抑制する。またシンチレータ下地層や反射層保護層との密着性を向上させる。
【解決手段】 基板1と、放射線を光に変換するシンチレータ層7と、シンチレータ層7を被覆するシンチレータ保護部材8,9,10とを有する放射線検出装置において、シンチレータ保護部材は、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8を有し、シンチレータ保護層8がシンチレータ層7に接している。基板1として、光を受光する光電変換素子2が2次元状に配された受光部15と、受光部15上に設けられ且つシンチレータ層7及びシンチレータ保護層8と接する保護層5と、を有するセンサーパネルを用いる。
【選択図】 図2

Description

本発明は医療診断機器、非破壊検査機器等に用いられる放射線を電気信号として検出する放射線検出装置に係わり、特に柱状結晶構造のシンチレータ層(蛍光体層)を有する放射線検出装置の柱状結晶のシンチレータの保護層に関するものである。なお、本明細書では、X線の他、α線、β線、γ線等の電磁波も、放射線に含まれるものとする。
近年、少なくとも大面積の平面に形成された光電変換素子の表面にX線を照射することによって発光するシンチレータ(蛍光体)層を積層したデジタル放射線検出装置が商品化されている。
これらデジタル放射線検出装置の中でも、高感度で高鮮鋭な装置として、特許文献1、特許文献2等に開示されているように、複数のフォトセンサー及びTFT等の電気素子が2次元に配置されている光電変換素子部からなる光検出器(「センサーパネル」とも言う)上に、放射線を光電変換素子で検出可能な光に変換するためのシンチレータ層を直接形成してなる放射線検出装置(「直接蒸着タイプ」又は「直接タイプ」等とも言う)が知られている。
また、特許文献3等に開示されているように、複数のフォトセンサー及びTFT(Thin film transistor:薄膜トランジスタ)等の電気素子が2次元に配置されている光電変換素子部からなる光検出器上に、放射線を光電変換素子で検出可能な光に変換するためのシンチレータ層を支持基板に形成したシンチレータパネルを貼り合わせてなる放射線検出装置(「貼り合わせタイプ」又は「間接タイプ」等とも言う)が知られている。シンチレータ層として、例えば、蒸着によって形成される柱状結晶構造を有するCsIを主成分とする材料が知られており、このようなシンチレータ層への外界からの水分の進入を防止するためにシンチレータ保護層を形成することが行われている。特に、CsI材料は吸湿材料であり、水分を吸収することによって、解像度が劣化する問題が発生する。
特許文献1において、ガラス基板の表面に形成された光電変換素子の表面に保護層を形成して光検出器を準備し、前記保護層の表面に柱状結晶構造を有するCsIからなるシンチレータ層を蒸着法によって直接形成し、光検出器及びシンチレータ層の表面を被覆するようにCVD法による有機薄膜からなるシンチレータ保護層を形成した放射線検出装置が開示されている。有機薄膜の材料としてポリパラキシリレンが開示されている。
特許文献2では光検出器の表面に保護層を介して柱状結晶構造を有するCsIからなるシンチレータ層を蒸着によって形成し、光検出器及びシンチレータ層の表面を被覆するようにシンチレータ保護層を形成し、前記シンチレータ保護層の外周部を光検出器の表面に密着させる被覆樹脂を備えている放射線検出装置が開示されている。
特許文献3では、カーボン基板からなる支持基板上に順次、反射性金属薄膜からなる反射層、シンチレータ下地層が配された支持部材上に、蒸着によって形成されたシンチレータ層、支持部材及びシンチレータ層の表面を被覆するように設けられた有機膜(ポリパラキシリレン)からなるシンチレータ保護層、が形成されたシンチレータパネルを、光検出器上に貼り合わせて形成された放射線検出装置が開示されている。
特開2000−284053号公報(米国特許第6262422号) 特許第3029873号(米国特許第6278118号) 特開2000−356679号公報(米国特許出願公開第2002/017613号)
しかしながら、蒸着によって形成されるCsI:Na、およびCsI:Tl等のハロゲン化アルカリからなる柱状結晶構造を有するシンチレータ層は、シンチレータ層の形成時に異常成長(スプラッシュ)欠陥が発生する場合がある。特に、人体撮影用の放射検出装置においては、シンチレータ層の厚さが400μm以上必要であり、その際に異常成長部は、直径300μm以上、高さが20μm以上の突起状になることがある。さらに突起状の異常成長部の周辺にドーナツ状に深さ20μm以上の凹部が形成される場合がある。このような突起部と凹部からなるシンチレータ層の異常成長欠陥部をカバーし、防湿機能を満足させるためには、シンチレータ保護層の厚さは20μm以上必要であることを発明者らは見出した。しかしながら、上記特許文献に開示されているポリパラキシリレン製有機膜を用いたシンチレータ保護層では、CVD法により形成されるため、シンチレータ保護層の成膜速度はおおよそ100−2000オングストローム/分と遅く、20μmのシンチレータ保護層を形成するための成膜時間は2000分から100分必要となり、生産性が悪いという問題を有する。
また、X線デジタルカメラのような大面積な(たとえば43cm×43cm)放射線検出装置に用いるポリパラキシリレン製の有機膜からなるシンチレータ保護層をCVD法で成膜すると、シンチレータ保護層の面内の膜厚分布が大きくなる。上記特許文献1,2のような放射線検出装置において、シンチレータ層によって発せられた光が反射膜によって反射されて光電変換素子に入射される際に、シンチレータ保護層の面内の膜厚分布によって光路長に差が生じる。その結果、取得された画像の解像度が低下してしまうという問題を有する。また、上記特許文献3のような放射線検出装置においては、シンチレータ層によって発せられた光が受光素子に入射される際に、シンチレータ保護層の面内の膜厚分布によって光路長に差が生じ、その結果取得された画像の解像度が低下してしまうという問題を有する。
また、ポリパラキシリレン製有機膜は、上記特許文献1,2の保護層、及び上記特許文献3のシンチレータ下地層との密着性が悪く、シンチレータ保護層と保護層またはシンチレータ保護層とシンチレータ下地層の界面において剥離もしくは隙間が生じ、シンチレータ保護層と保護層界面およびシンチレータ保護層とシンチレータ下地層界面における耐湿性・耐衝撃性が低下してしまうという問題を有する。また、特許文献1,2ではシンチレータ保護層端部に被覆樹脂を設けて耐湿性・耐衝撃性を確保しているが、構成部材が増えるためにコストが高くなってしまうという問題を有する。
これらの課題を解決するために、本発明に係る放射線検出装置は、パネルと、該パネル上に設けられた、放射線を光に変換するシンチレータ層と、該シンチレータ層を被覆し、前記パネルと密着するシンチレータ保護層と、を有し、前記シンチレータ保護層は、ホットメルト樹脂からなることを特徴とする放射線検出装置である。パネルとして、基板上に前記光を受光する光電変換素子が2次元状に配された受光部と、前記受光部上に設けられた保護層と、を有するセンサーパネルを用いることができる。またパネルとして、支持基板と、該支持基板上に設けられ、前記シンチレータ層で変換された光を反射する反射層と、該反射層上に設けられ、前記反射層及び前記シンチレータ保護層と接するシンチレータ下地層と、により構成される支持部材を有し、該支持部材上に前記シンチレータ層が設けられたものを用いることができる。
また、本発明のシンチレータパネルは、支持部材と、該支持部材上に設けられた放射線を光に変換するシンチレータ層と、該シンチレータ層を被覆し前記支持部材と密着するシンチレータ保護層と、を有し、前記シンチレータ保護層はホットメルト樹脂からなることを特徴とするシンチレータパネルである。
本発明の放射線検出装置およびシンチレータパネルの製造方法は、上記本発明の放射線検出装置およびシンチレータパネルの製造に用いられるものである。すなわち、本発明の放射線検出装置の製造方法は、パネルと、該パネル上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、該シンチレータ層を被覆し前記パネルと密着するシンチレータ保護層と、を有する放射線検出装置の製造方法において、前記シンチレータ層が形成された前記パネルを用意し、溶融されたホットメルト樹脂を、前記シンチレータ層を直接被覆するよう設けて、前記シンチレータ保護層を形成する工程を含むことを特徴とする放射線検出装置の製造方法である。
本発明のシンチレータパネルの製造方法は、支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、該シンチレータ層を被覆し前記支持部材と密着するシンチレータ保護層と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、前記シンチレータ層が形成された前記支持部材を用意し、溶融されたホットメルト樹脂を、前記シンチレータ層を直接被覆するよう設けて前記シンチレータ保護層を形成する工程を含むことを特徴とするシンチレータパネルの製造方法である。
また本発明の放射線検出装置の製造方法は、パネルと、該パネル上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、該シンチレータ層を被覆し前記パネルと密着するシンチレータ保護層を含むシンチレータ保護部材と、を有する放射線検出装置の製造方法において、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層を有するシンチレータ保護部材を形成する第1工程と、前記シンチレータ層が形成された前記パネルを用意し、前記シンチレータ保護層が前記シンチレータ層を直接被覆するように前記シンチレータ保護部材を前記シンチレータ層及び前記パネルに密着させる第2工程と、を含むことを特徴とする放射線検出装置の製造方法である。
また本発明のシンチレータパネルの製造方法は、支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、該シンチレータ層を被覆し前記支持部材と密着するシンチレータ保護層と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層を有するシンチレータ保護部材を形成する第1工程と、前記シンチレータ層が形成された前記支持部材を用意し、前記シンチレータ保護層が前記シンチレータ層を直接被覆するように前記シンチレータ保護部材を前記シンチレータ層及び支持部材に密着させる第2工程と、を含むことを特徴とするシンチレータパネルの製造方法である。
本発明によれば、シンチレータ保護層の成膜時間が短縮され、生産性が向上する。またシンチレータ保護層の膜厚ばらつきを抑制することができる。さらにシンチレータ下地層や反射層保護層との密着性を向上させることができる。
本発明の実施形態として、以下に図面を用いて詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本発明に係わる直接蒸着タイプの放射線検出装置の模式的平面図を示す。図2は、図1のA−A’断面図である。図1または図2において、1はガラス等の基板、2は光電変換素子、3は配線であり、光電変換素子2、配線3、及び薄膜トランジスタ(TFT)によって受光部15が構成されている。4は電気的接続部(取り出し配線)、5はセンサー保護層、6はシンチレータ下地層、11は配線接続部、であり、1〜6、11によって光検出器(センサーパネル)16が構成されている。また、7はシンチレータ層、8はシンチレータ保護層、9は反射層、10は反射層保護層であり、8〜10によってシンチレータ保護部材が構成されている。また、シンチレータ保護部材の、受光部15またはシンチレータ層7が形成された周囲の領域のセンサーパネル16と接触する領域にホットプレス部14が設けられている。また、12は配線部材、13は封止部材である。
基板1は、光電変換素子2、配線3、及びTFT(不図示)からなる受光部15が形成されるものであり、材料として、ガラス、耐熱性プラスチック等を好適に用いることができる。光電変換素子2はシンチレータ層7によって放射線から変換された光を電荷に変換するものであり、例えば、アモルファスシリコンなどの材料を用いることが可能である。光電変換素子2の構成は特に限定されず、MIS型センサー、PIN型センサー、TFT型センサー等適宜用いることができる。配線3は信号配線の一部や光電変換素子に電圧(Vs)を印加するバイアス配線を示し、電気的接続部4は信号配線又は駆動配線を示す。光電変換素子2で光電変換された信号はTFTによって読み出され、信号配線を介して信号処理回路に出力される。また行方向に配列されたTFTのゲートは行ごとに駆動配線に接続され、TFT駆動回路により行毎にTFTが選択される。信号処理回路及びTFT駆動回路は基板1外に設けられ、光電変換素子2やTFTとは電気的接続部4、配線接続部11、配線部材12を介して接続される。センサー保護層5は、受光部15を被覆して保護するためのものであり、SiN,SiO2などの無機膜が好ましい。シンチレータ下地層6はセンサー保護層上に設けられ、材料としては、ポリイミド、パラキシリレン等の有機物質からなる耐熱性の樹脂が好ましい。たとえば、熱硬化型のポリイミド樹脂等を用いることが可能である。センサー保護膜5、シンチレータ下地層6は光電変換素子を保護する機能を有する。またシンチレータ下地層6はセンサーパネル16の表面を平坦化する機能を有する。また、シンチレータ下地層6の表面は、シンチレータ層との密着性を向上させるために、シンチレータ下地層6の表面を大気圧プラズマ処理等の活性化処理を適宜用いてもよい。シンチレータ層7は、放射線を光電変換素子2が感知可能な波長の光に変換するものであり、柱状結晶構造を有するシンチレータが好ましい。柱状結晶構造を有するシンチレータは、発生した光が柱状結晶内を伝搬するので光散乱が少なく、解像度を向上させることができる。ただし、シンチレータ層7として柱状結晶構造を有するシンチレータ以外の材料を用いてもよい。柱状結晶構造を有するシンチレータ層7の材料としては、ハロゲン化アルカリを主成分とする材料が用いられる。たとえば、CsI:Tl、CsI:Na、CsBr:Tlが用いられる。その作製方法は、たとえばCsI:Tlでは、CsIとTlIを同時に蒸着することで形成できる。シンチレータ保護層8は、シンチレータ層7に対して、外気からの水分の侵入を防止する防湿保護機能及び衝撃により構造破壊を防止する衝撃保護機能を有するものである。シンチレータ保護層8の厚さは20〜200μmが好ましい。20μm以下では、シンチレータ層7表面の凹凸、及びスプラッシュ欠陥を完全に被覆することができず、防湿保護機能が低下する恐れがある。一方、200μmを超えるとシンチレータ層7で発生した光もしくは反射層で反射された光のシンチレータ保護層8内での散乱が増加し、取得される画像の解像度及びMTF(Modulation Transfer Fanction)が低下する恐れがある。本発明において、シンチレータ保護層8としてホットメルト樹脂を用いることを特徴としている。ホットメルト樹脂を用いたシンチレータ保護層に関する説明は別途後述する。
反射層9は、シンチレータ層7で変換して発せられた光のうち、光電変換素子2と反対側に進行した光を反射して光電変換素子2に導くことにより、光利用効率を向上させる機能を有するものである。また、反射層9は、光電変換素子2にシンチレータ層7で発生された光以外の外部光線を遮断し、光電変換素子2にノイズが入ることを防止する機能を更に有する。反射層9としては、金属箔または金属薄膜を用いることが好ましく、反射層9の厚さは1〜100μmが好ましい。1μmより薄いと反射層9の形成時にピンホール欠陥が発生しやすく、また遮光性に劣る。一方、100μmを超えると、放射線の吸収量が大きく被撮影者が被爆する線量の増加につながる恐れがあり、また、シンチレータ層7とセンサーパネル16の表面との段差を隙間無く覆うことが困難となる恐れがある。反射層9の材料としては、アルミニウム、金、銅、アルミ合金、などの特に限定されない金属材料を用いることができるが、反射特性の高い材料としては、アルミニウム、金が好ましい。反射層保護層10は、反射層9の衝撃による破壊、及び水分による腐食を防止する機能を有し、樹脂フィルムを用いることが好ましい。反射層保護層10の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、などのフィルム材料を用いることが好ましい。反射層保護層10の厚さは10〜100μmが好ましい。
配線接続部11は、電気的接続部4と配線部材12とを電気的に接続するための部材であり、異方導電性接着剤などにより配線部材12と電気的に接続される。配線部材12は、光電変換素子2で変換された電気信号を読み出すためのIC部品などを搭載した部材であり、TCP(Tape Carrier Package)などが好適に用いられる。封止部材13は、配線部材12及び電気的接続部4に対して、水分による腐食を防止する機能、衝撃による破壊を防止する機能、及び製造時に発生する受光部15の破壊の原因となる静電気を防止する機能を有するものである。
ホットプレス部14は、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8のシンチレータ層7周辺の領域とセンサーパネル16との接触界面における防湿性を向上させるために設けられているものである。本実施形態では、シンチレータ層7の周辺部において、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8はシンチレータ下地層6と接している。ホットプレス部14はシンチレータ保護部材の周辺部の一部または全体に設けることが可能である。本実施形態では、図1に示すようにシンチレータ保護部材の周辺部全体に設けられている。ホットプレス部14は、加熱加圧手段34(図14に示す)によってホットメルト樹脂の厚さが他の部分より薄くなるよう部分的に加熱加圧処理され圧着(加圧により密着)された領域である。図14(a)、(b)に示すように、加熱加圧手段34によりシンチレータ保護層8をホットプレス処理した後、反射層9と光反射保護層10を形成し、ホットプレス処理することでホットプレス部14が形成される。シンチレータ保護層8、反射層9と反射層保護層10をまとめてホットプレスしてもよい。図3(a)に図2のX方向から見たC−C’断面図を、図3(b)にX方向から見たD−D’断面図を示す。4a〜4eは電気的接続部4の配線パターンを示す。シンチレータ下地層6のシンチレータ層7が形成された周囲の領域において、取り出し配線4の存在によりセンサー保護層5の表面には凹凸が生じる。その凹凸を緩和するために平坦化層として機能するシンチレータ下地層6を形成するが、シンチレータ下地層6の表面も完全に平坦とはならず、若干の凹凸を有する。そのような表面上にホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8を形成しても、図3(b)に示されるように若干の隙間31が生じる可能性がある。つまり、ホットプレス(加熱加圧)を行わない断面を示す図3(b)の部分では、配線パターン4a〜4eの凸凹へのホットメルト樹脂の進入が不十分で、配線パターンとホットメルト樹脂の間に空隙が生じる場合がある。この隙間31により、1)シンチレータ下地層6とシンチレータ保護層8との密着力の低下、2)隙間31より侵入する大気中の水分によるシンチレータ層7の潮解、3)シンチレータ保護層8の防湿性の低下、を引き起こす可能性がある。そこで、シンチレータ下地層6とシンチレータ保護層8が接する領域Sにおいてシンチレータ層7が形成された領域を取り囲むように加熱加圧手段34を用いてホットプレス処理(加熱加圧処理)を行うことにより、加熱により溶融したホットメルト樹脂が加圧によりシンチレータ下地層6の表面上の凹部に入り、冷却により硬化されてシンチレータ下地層6上の隙間31を埋めて密着する。つまり、ホットプレス処理を行った断面を示す図3(a)の部分では、ホットメルト樹脂の溶融が十分に行われるため隙間31の発生は抑制され、その結果密着力が向上し、周辺部の防湿性が向上する。ホットプレス処理としては、例えば圧力1〜10kg/cm2、温度はホットメルト樹脂の溶融開始温度より10〜50℃以上の温度で1〜60秒間行われる。
以下に、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8について、詳細に説明する。シンチレータ層を保護するために、特に柱状結晶構造を有するシンチレータ層7を保護するために、シンチレータ保護層8は下記1)〜12)に示す機能が求められる。
1) 外部からの衝撃による破壊を防止する耐衝撃性を有する
2) 放射線源からの放射線を好適に透過する放射線透過性を有する
3) シンチレータ層7で発せられた光を好適に透過する光透過性を有する
4) シンチレータ層、センサーパネルまたは支持部材表面との高い密着性を有する
5) 透過光の光路差による解像度低下を防止する層厚の面内均一性を有する
6) 基板と反射層との熱膨張係数差に起因する応力を吸収する吸収性を有する
7) シンチレータ層及び受光部に悪影響を及ぼさない成膜(形成)温度を有する
8) 生産性に富んだ高い成膜(形成)速度を有する
9) 外気からの水分の侵入を防ぐ高い防湿性(耐湿性、非透水性)を有する
10) 柱状結晶を溶解する水、極性溶媒、溶剤などを含まない
11) 柱状結晶間へのしみ込みによる顕著な解像度の低下を招かない粘性を有する
12) エタノールなど医療器具の消毒用溶剤に不溶または微溶である特性を有する
上記の機能を満たすシンチレータ保護層8の材料としては、ホットメルト樹脂を用いることが好ましい。ホットメルト樹脂は、水や溶剤を含まない、室温で固体であり、100%不揮発性の熱可塑性材料からなる接着性樹脂と定義されるものである(Thomas.p.Flanagan,Adhesive Age,9,No3,28(1996))。ホットメルト樹脂は、樹脂温度が上昇すると溶融し、樹脂温度が低下すると固化するものである。また、ホットメルト樹脂は、加熱溶融状態で、他の有機材料、および無機材料に接着性をもち、常温で固体状態となり接着性を持たないものである。また、ホットメルト樹脂は極性溶媒、溶剤、および水を含んでいないので、潮解性を有するシンチレータ層(例えば、ハロゲン化アルカリからなる柱状結晶構造を有するシンチレータ層)に接触してもシンチレータ層を溶解しないため、シンチレータ保護層として使用され得る。ホットメルト樹脂は、熱可塑性樹脂を溶剤に溶かし溶媒塗布法によって形成された溶剤揮発硬化型の接着性樹脂とは異なる。またエポキシ等に代表される化学反応によって形成される化学反応型の接着性樹脂とも異なる。
ホットメルト樹脂材料は主成分であるベースポリマー(ベース材料)の種類によって分類され、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等を用いることができる。上記のごとくシンチレータ保護層8としては、防湿性が高く、またシンチレータから発生する可視光線を透過する光透過性が高いことが重要である。シンチレータ保護層8として必要とされる防湿性を満たすホットメルト樹脂としてポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。特に吸湿率が低いポリオレフィン樹脂が好ましい。また光透過性の高い樹脂として、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。したがってシンチレータ保護層8としてポリオレフィン系樹脂をベースにしたホットメルト樹脂がより好ましい。
なお、上述したように、シンチレータ下地層6とシンチレータ保護層8が接するシンチレータ層7が形成された周囲の領域において、シンチレータ層7が形成された領域を取り囲むようにホットプレス処理によりヒートシール(加熱加圧接着)を行うことが望ましく、このような目的からも、温度が上昇すると溶融し被着体に接着し、樹脂温度が冷却されると固化する性質を有する、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等のホットメルト樹脂が好適に用いられるものである。
シンチレータ保護層8の形成温度としては、シンチレータ層7または受光部15である光電変換素子2、配線3、TFT(不図示)に悪影響を及ぼさない温度であることが要求される。シンチレータ保護層8に用いられるホットメルト樹脂の形成温度は、樹脂の溶融開始温度に依存する。シンチレータ保護層8に用いられるホットメルト樹脂の溶融開始温度は、70℃以上で、150℃以下が好ましい。70℃より低いと、製品の耐熱性、保存耐久性が劣る、150℃を超えると、シンチレータ層7の表面に貼りあわせる温度が150℃を超えた温度が必要となり、ガラス等からなる基板1とホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8の熱膨張差が大きくなり、基板1にシンチレータ保護層8を形成したときに基板1のそりが大きくなり好ましくない。上記ポリエステル系の樹脂では、70℃から150℃で形成、密着処理可能な溶融粘度にするためには、多くの可塑剤が必要となる。この可塑剤はシンチレータ層7に拡散しシンチレータ層7の劣化等につながる恐れがある。したがって、ホットメルト樹脂の溶融開始温度範囲の好適な範囲を考慮すると、多くの可塑剤の使用を必要としないポリオレフィン系樹脂材料がより好ましい。
柱状結晶構造を有するシンチレータ層7の柱状結晶間へのホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8のしみ込みは、ホットメルト樹脂の溶融時の粘性率(溶融粘度)に依存する。しみ込みに関して求められる溶融時の粘性率としては、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8の形成温度である100〜140℃において、1×103Pa・s以上であることが望ましい。より好ましくは、 1.5×103Pa・s以上であることが望ましい。溶融時の粘性率が1×103Pa・sに満たないとシンチレータ層7の柱状結晶間にホットメルト樹脂がしみ込み、シンチレータ層7で変換された光が散乱し、受光部15で検出される画像の解像度が低下してしまう。
ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8とシンチレータ層7及び/またはシンチレータ下地層6との密着性は、樹脂溶融時の粘性率、樹脂の抗張力に依存する。密着性に関して求められる粘性率としては1×104Pa・s以下であることが望ましい。より好ましくは、 6.0×103Pa・s以下であることが望ましい。溶融時の粘性率が1×104Pa・sを超えてしまうとシンチレータ層7およびシンチレータ下地層6に対して必要とされる密着力が得られない。よって本発明のシンチレータ保護層8に用いられるホットメルト樹脂の粘性率としては、100〜140℃において1×103〜1×104Pa・sであることが望ましい。より好ましくは1.5×103〜6.0×103Pa・sであることが望ましい。
また、密着性に関して求められる抗張力としては40〜300Kg/cm2、好ましくは50〜200Kg/cm2であることが望ましい。抗張力が40Kg/cm2に満たないと、シンチレータ保護層8として求められる強度が不足する恐れがある。また、抗張力が300Kg/cm2を超えてしまうと、基板1とシンチレータ保護層8との間の熱膨張差によって引き起こされるシンチレータ保護層8とシンチレータ層7との層間剥離、またはシンチレータ層7とシンチレータ下地層6との層間剥離を防ぐことができない恐れがある。また、上記層間剥離は、抗張力のほかに破壊伸び率にも依存する。本発明にシンチレータ保護層8に用いられるホットメルト樹脂の破壊伸び率としては、400%以上、好ましくは600〜1000%であることが望ましい。
本発明におけるシンチレータ保護層8に用いられるホットメルト樹脂に求められる、溶融時粘性率、抗張力及び破壊伸び率による密着力、溶融開始温度は、
(1)ホットメルト樹脂中に含まれる共重合体の含有量、
(2)ホットメルト樹脂中に含まれる共重合体におけるアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルの含有量、
(3)ホットメルト樹脂中に含まれる添加剤の含有量、
の要素を単独あるいは2つ以上の要素の組み合わせにより変化させることによって制御することができる。以下にホットメルト樹脂に含まれる共重合体及び各種共重合体を構成する物質について説明する。
本発明に於いて、シンチレータ保護層8に好適に用いられるポリオレフィン系のホットメルト樹脂は、A.エチレン−酢酸ビニル共重合体、B.エチレン−アクリル酸共重合体、C.エチレン−アクリル酸エステル共重合体、D.エチレン−メタクリル酸共重合体、E.エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、および、アイオノマー樹脂から選ばれる共重合体の少なくとも1種を主成分として含有することが好ましい。
以下に、上記5つの共重合体A〜Eについて説明する。
A. エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレン単位;−CH2−CH2− と、酢酸ビニル;−CH2−CH(OCOCH3)−の分子構造を有する物質の共重合体であり、一般式は、
−〔(CH2−CH2a−CH2−CH(OCOCH3b−〕n (a,b,nは整数)
で示される。エチレンに対する酢酸ビニルの含有量は2〜40重量%であることが望ましい。ホットメルト樹脂の防湿性を高くするには酢酸ビニルの含有率を低くすることが好ましい。また、シンチレータとの接着力を高くするためには、酢酸ビニルの含有率を高くすることが好ましい。本発明におけるシンチレータ保護層8に用いるホットメルト樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有率が5〜20%であることが好ましい。
B. エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)は、エチレン単位;−CH2−CH2− と、ポリエチレンの構造中にランダムにカルボキシル基が含まれた構造を有するアクリル酸;−CH2−CHCOOH− の分子構造を有する物質の共重合体であり、一般式は、
−〔(CH2−CH2a−(CH2−CHCOOH)b−〕n (a,b,nは整数)
で示される。エチレンに対するアクリル酸の含有率は4〜20重量%であることが望ましい。上記酢酸ビニルと同様に、ホットメルト樹脂の防湿性を高くするにはアクリル酸の含有率を低くすることが好ましい。また、シンチレータ層との密着力を高くするためには、アクリル酸の含有率を高くすることが好ましい。本発明におけるシンチレータ保護層8に用いるホットメルト樹脂としては、エチレン−アクリル酸共重合体の含有率が5〜20%であることが望ましい。
C. エチレン−アクリル酸エステル共重合体は、
エチレン単位;−CH2−CH2− と、アクリル酸エステル;−CH2−CHCOOR− の分子構造を有する物質の共重合体であり、一般式は、
−〔(CH2−CH2a−(CH2−CHCOOR)b−〕n (a,b,nは整数)
で示される(ここで、R:CH3,C25,C37のいずれかである)。エチレンに対するアクリル酸エステルの含有率は2〜35重量%であることが望ましい。上記同様に、ホットメルト樹脂の防湿性を高くするにはアクリル酸エステルの含有率を低くすることが好ましい。また、シンチレータ層との密着力を高くするためには、アクリル酸エステルの含有量を高くすることが好ましい。本発明におけるシンチレータ保護層8に用いるホットメルト樹脂としては、エチレン−アクリル酸エステル共重合体の含有率が8〜25%であることが望ましい。
D. エチレン−メタクリル酸共重合体は、
エチレン単位;−CH2−CH2− と、ポリエチレンの構造中にランダムにカルボキシル基が含まれる構造を有するメタクリル酸;−CH2−CCH3COOH− の分子構造を有する物質の共重合体であり、一般式は、
−〔(CH2−CH2a−(CH2−CCH3COOH)b−〕n (a,b,nは整数)
で示される。エチレンに対するメタクリル酸の含有率は2〜20重量%であることが望ましい。上記同様に、ホットメルト樹脂の防湿率を高くするにはメタクリル酸の含有率を低くすることが好ましい。また、シンチレータ層との密着力を高くするためには、メタクリル酸の含有率を高くすることが好ましい。本発明におけるシンチレータ保護層8に用いるホットメルト樹脂としては、エチレン−メタクリル酸共重合体の含有率が5〜15%であることが望ましい。
E. エチレン−メタクリル酸エステル共重合体は、
エチレン単位;−CH2−CH2− と、メタクリル酸エステル;−CH2−CCH3COOR− の分子構造を有する物質の共重合体であり、一般式は、
−〔(CH2−CH2a−(CH2−CCH3COOR)b−〕n (a,b,nは整数)
で示される。エチレンに対するメタクリル酸エステルの含有率は2〜25重量%であることが望ましい。上記同様に、ホットメルト樹脂の防湿率を高くするにはメタクリル酸エステルの含有率を低くすることが好ましい。また、シンチレータ層との密着力を高くするためには、メタクリル酸エステルの含有率を高くすることが好ましい。本発明におけるシンチレータ保護層8に用いるホットメルト樹脂としては、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体の含有率が3〜15%であることが望ましい。
本発明のシンチレータ保護層8に用いられるホットメルト樹脂としては、上記5種類の共重合体の少なくとも1種を含有するものであり、又2種以上の混合物を含有させてもよい。また本発明のシンチレータ保護層8に用いられるホットメルト樹脂において、同種の共重合体の2つ以上の異なる共重合体、例えばエチレン−メタクリル酸メチル共重合体とエチレン−メタクリル酸エチル共重合体の混合物をホットメルト樹脂中に含有させても良い。また、本発明のホットメルト樹脂において、ホットメルト樹脂に含まれる共重合体の重量平均分子量は約5,000〜1,000,000であることが望ましい。
また、ホットメルト樹脂に添加する添加剤としては、例えば粘着付与剤や軟化剤が挙げられる。粘着付与剤としては例えばロジン,重合ロジン,水素添加ロジン,ロジンエステル等の天然樹脂及びその変成品,脂肪族化合物,脂環式化合物,芳香族,石油樹脂,テルペン樹脂,テルペン・フェノール樹脂,水素添加テルペン樹脂,クマロン樹脂などが挙げられる。また、軟化剤としては、例えばプロセスオイル,パラフィンオイル,ヒマシ油,ポリブテン,低分子量ポリイソプレン等が挙げられる。
放射線検出装置(特に人体や動物撮影用の放射線検出装置)のシンチレータ保護層8に用いられるホットメルト樹脂としては、消毒用のアルコールが飛散してもシンチレータ保護層8の機能が損なわれないものが好ましい。消毒用のアルコールであるエチルアルコールに不溶または微溶のホットメルト樹脂としては、ホットメルト樹脂中の粘着付与材等の添加剤の含有量が20%以下であることが好ましい。特に10%以下であることが好ましい。エタノールは、放射線検出装置の使用環境である病院等で使用される溶剤であり、放射線検出装置に接触することがある。溶剤への溶解成分が20%以下であればシンチレータ保護層8の溶解に起因する剥離が生じないことを発明者は見出した。また、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8と柱状結晶構造を有するシンチレータ層7との密着力を向上させるために、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8のシンチレータ層7に接する表面を、あらかじめ表面改質して該表面の臨界表面張力を40×10-3J/m2以上、好ましくは45×10-3J/m2以上とすることによって、密着力を向上させることができる。ホットメルト樹脂の組成として共重合体のアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の含有量を20wt%以下とした場合、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8の臨界表面張力が30〜37×10-3J/m2となり、シンチレータ層7の表面、およびその周囲のセンサーパネル16の表面に対する濡れ性が悪くなる。そのため、シンチレータ保護層8とシンチレータ層7及びセンサーパネル16との密着性が若干低下する傾向にあるが、上記したホットメルト樹脂の表面を改質し臨界表面張力を向上させることで密着力向上させることができる。このとき表面改質の方法としては特に限定されないが、例えばコロナ放電処理、オゾン処理、アルカリ処理、アルゴンプラズマ処理、酸素プラズマ処理等が適宜用いられる。ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8の両表面にコロナ放電装置を用いてコロナ放電処理を行うことによって、シンチレータ保護層8の表面の臨界表面張力を向上させることができる。なお、本発明に於いて臨界表面張力の測定はJIS K−6768の方法に従って行ったものである。なお、本発明におけるシンチレータ保護層8とセンサーパネル16との間で求められる密着力としては、90°型剥離試験において0.1kg/25mm以上が好ましい。
ホットメルト樹脂をシンチレータ保護層としてシンチレータ層の表面に形成する方法としては、例えば以下に示す方法がある。
(1) ホットメルト樹脂を溶融し、塗布装置を用いて溶融した樹脂を直接、シンチレータ層7の表面に塗布し形成する方法(図4で説明)。
(2) ホットメルト樹脂を反射層9と反射層保護層10とが積層されたシートに塗布してシンチレータ保護シートを形成し、シンチレータ保護シートを熱プレス、または熱ラミネートでシンチレータ層7の表面に形成する方法(図5、図6で説明)。
(3) 剥離基板上にホットメルト樹脂を作成してホットメルト樹脂シートを形成し、ホットメルト樹脂層側を熱プレスや熱ラミネート等でシンチレータ表面に形成し、その後剥離基板を剥がす方法。
(4) シンチレータ保護シートを作成し、真空プレス装置で圧着してシンチレータ表面に形成する方法(図7、図8で説明)。
図4に、上記(1)の方法を示す。ダイコータ、またはホットメルトアプリケーターを用いて溶融したホットメルト樹脂を直接、柱状結晶構造を有するシンチレータ層7の上に塗布し、放熱硬化することでシンチレータ保護層8を得ることができる。シンチレータ保護層8は、数秒から数分の形成時間で厚さ20μm以上の成膜が可能である。図4(a)〜図4(c)を用いて具体的に説明する。まず図4(a)に示すように、溶融されたホットメルト樹脂18をタンク(不図示)及びダイコータ17内に準備し、センサーパネル16のシンチレータ下地層6(不図示)上の所定の位置に配置する。次に図4(b)に示すように、シンチレータ下地層6の所定の位置より溶融されたホットメルト樹脂18を射出しながらダイコータ17を走査してシンチレータ層7の端面及び上面に塗布する。次に図4(c)に示すように、シンチレータ層7及びその周囲のシンチレータ下地層6にホットメルト樹脂を塗布して被覆し、放熱硬化して終了する。
図5及び図6に、上記(2)の方法を示す。ここで説明する方法は、シンチレータ保護シートを作成し、該シートを熱ラミネートでシンチレータ層7の表面に形成する方法である。反射層保護層10及び反射層9上に溶融したホットメルト樹脂を押し出しコート法により射出してシンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなるシンチレータ保護シートを形成し、シンチレータ保護シートのシンチレータ保護層8側の表面をシンチレータ層7上に重ねて熱ロールラミネートすることで、シンチレータ保護層8をシンチレータ層7上に形成する。図5(a)、(b)に示されるように、溶融されたホットメルト樹脂をタンク20及びダイコータ17内に準備するとともに、ロール状に準備された金属箔または金属蒸着膜等の反射層9及び反射層保護層10の積層からなる積層シートを準備し、しわ取りロール21,22によってしわを伸ばされた積層シート上に成形ロール23,24間で溶融されたホットメルト樹脂を押し出しコート法によりホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8を塗布し、成形ロール24により成形後、冷却ロール25にて冷却硬化し、切断手段26にて所定のサイズに切り出す。こうして、金属箔または金属蒸着膜9上にホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8を形成し、図5(b)で示されるシンチレータ保護シートを形成する。次に図6(a)に示すように、得られたシンチレータ保護シートをセンサーパネル16のシンチレータ下地層6上及びシンチレータ層7上に重ねて、熱ラミネートローラ27によってホットメルト樹脂の溶融温度以上にホットメルト樹脂を加熱して溶融し、熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させて、シンチレータ下地層6上のシンチレータ保護シート上の所定の開始位置からシンチレータ層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして所定の開始位置からシンチレータ層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。ここで放射線検出装置を平面で90°回転させて再度、シンチレータ下地層上のシンチレータ保護シート上の所定の開始位置からシンチレータ層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして所定の開始位置からシンチレータ層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。こうして、図6(b)に示すように、シンチレータ保護シートがシンチレータ層7及びセンサーパネル16のシンチレータ下地層6に密着される。熱ラミネートロールの温度は90〜180℃の範囲で調整する。熱ラミネートロールの回転速度は0.01〜1m/minの範囲で調整する。熱ラミネートロールの押圧力は、1〜50kg/cm2の範囲で調整する。2本の熱ラミネートロール27、28の温度は、互いに異なってもよい。温度を変えることで、熱ラミネート後の放射線検出装置のガラス基板1のそり発生を軽減することが可能である。また、熱ラミネートロール28の変わりに支持基盤を用い、熱ラミネートロール27だけで加熱圧着してもよい。シンチレータ層が存在する部分と存在しない部分に生じる段差部分における、シンチレータ保護層8とセンサーパネル16表面との密着性を高くするために、上記のように、二回の熱ロールラミネートをすることが好ましい。1回目の熱ロールラミネートにおいて、4角形からなる放射線検出装置の一方の対向する二辺側の段差部分が熱ラミネートロール27、28でおされ、シンチレータ保護層8とセンサーパネル16を十分に密着することが可能となる。次に放射線検出装置を平面で90°回転させて再度熱ロールラミネートすることで、放射線検出装置の他方の対向する二辺側の段差部分でシンチレータ保護層8とセンサーパネル16とを十分に密着することが可能となる。
次に、上記(3)の方法について説明する。この方法は、剥離可能な剥離基板上に溶融したホットメルト樹脂を押し出しコート法により射出して、シンチレータ保護層8、剥離基板からなるホットメルト樹脂シートを形成し、ホットメルト樹脂シートのシンチレータ保護層8側を熱プレスや熱ラミネート等でシンチレータ層7表面に形成し、その後剥離基板を剥がすものである。上記(3)の方法において、シンチレータ保護層8をシンチレータ層7およびセンサーパネル16上に設ける工程は,上記(2)の方法の反射層9及び反射層保護層10の積層からなる積層シートのかわりに剥離基板を用いたものである。シンチレータ保護層8がシンチレータ層7及びセンサーパネル16の表面に熱ラミネートロール27、28にて加熱溶融によって密着された後、シンチレータ保護層8が冷却されて固化する前に剥離基板をシンチレータ保護層8から剥離する。剥離基板が剥離された後、反射層9及び反射層保護層10の積層からなる積層シートをシンチレータ保護層8上に設けることによりシンチレータ保護部材を形成し、放射線検出装置が完成される。
図7及び図8に、上記(4)の方法を示す。図7及び図8は、真空プレス方式によるシンチレータ保護膜の成膜方法を示している。この方法は、反射層保護層10及び反射層9上に溶融したホットメルト樹脂を押し出しコート法により射出して、シンチレータ保護層8、反射層9、反射層保護層10からなるシンチレータ保護シートを形成し、そのシンチレータ保護シートのシンチレータ保護層8側の表面をシンチレータ層7上に重ねて真空プレス装置で圧着するものである。図7に示すように、真空プレス装置内の加熱ステージ30上に、シンチレータ層7を形成したセンサーパネル16を配置し、シンチレータ層7の上にシンチレータ保護シート(図5(b)に示したシンチレータ保護シート)を配置する。次に図8に示されるように、プレス部材31(ダイヤフラムゴムなど)の放射線検出装置が配置された側の空間を減圧し且つプレス部材31の放射線検出装置が配置された側と反対側の空間を加圧し、加熱ステージ30でセンサーパネル16側から加熱し且つヒータ29で真空プレス装置内を加熱する。ダイヤフラムゴムによって、シンチレータ保護層8はシンチレータ層7の表面とセンサーパネル16の表面に隙間無く密着するように加圧され、さらにホットメルト樹脂の溶融開始温度よりも10〜60℃程高い温度で、数秒〜数分加熱することでホットメルト樹脂が溶融する。加圧圧力は、1〜50kg/cm2の範囲で調整する。こうして、ホットメルト樹脂が溶融して圧着される。加熱をとめて放熱により冷却し、その後、放射線検出装置が配置された空間の減圧及び放射線検出装置が配置された反対側の空間の加圧をとめる。そして、真空プレス装置内から放射線検出装置を取り出す。その結果、シンチレータ保護層8がシンチレータ層7の表面とセンサーパネル16の表面に十分に密着された、放射線検出装置(図8)が形成される。ここで、シンチレータ保護シートの代わりに上記ホットメルト樹脂シートを用いてもよい。その場合には、上記(3)の方法と同様に、シンチレータ保護層8が冷却されて固化する前に剥離基板をシンチレータ保護層8から剥離し、その後積層シートをシンチレータ保護層8上に設けることにより放射線検出装置が形成される。上記方法(1)の直接塗布法では、従来のCVD法によりポリパラキシリレン製有機膜を形成する方法にくらべて短時間で同等の厚さのシンチレータ保護層が形成可能なため、製造の容易性、コスト、膜厚均一性において優れている。上記(2)、(3)、または(4)の方法では、シンチレータ保護シートまたはホットメルト樹脂シートはまとめて1000枚以上の生産が可能である。シンチレータ保護用シートまたはホットメルト樹脂シートをシンチレータ層7の上に接着する時間は、1〜30分程度で可能である。従って、従来のポリパラキシリレン製の有機膜を形成するためのCVD法よりも十分に早い成膜速度で、シンチレータ層7の表面および、センサーパネル16の表面にシンチレータ保護層8を形成することが可能となる。シンチレータ保護シートまたはホットメルト樹脂シートの大きさは所定の大きさに設定可能で、シンチレータ保護シートまたはホットメルト樹脂シートの大きさを調整すれば、放射線検出装置のICなどの配線部材12を覆うことなく、シンチレータ保護層8を形成することができるために、CVD法によって形成されたポリパラキシリレン製有機膜のようにシンチレータ保護層形成後、電気実装部のシンチレータ保護層を取り去る工程は不要である。
[第2の実施の形態]
図9は本発明の第2の実施の形態を示す模式図である。本実施の形態では、図9に示されるように第1の実施の形態に加えて、センサーパネル16裏面にそり矯正層33を設けている。シンチレータ保護層8をセンサーパネル上に熱処理を用いて形成すると、センサーパネル16とシンチレータ保護層8との間の熱膨張、熱収縮の相違によりセンサーパネル16にそりが発生する場合がある。またシンチレータ保護層8の厚さが、一定厚以上(例えば、100μm以上)に厚くなると、放射線検出装置の受光部15を形成したガラス等の基板1にそりが発生する場合がある。ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8は100−160℃の温度によってセンサーパネル16のシンチレータ層7形成表面に設けられ、その後室温に戻りホットメルト樹脂は固化して形成される。したがって、ホットメルト樹脂が設けられる温度から室温に戻る温度差における、ホットメルト樹脂の熱膨張係数やホットメルト樹脂が形成されたシンチレータ保護フィルムの熱膨張係数と基板1の熱膨張係数との差異によって、基板1にそりが生じる。基板1にそりがあると、IC部品を搭載した配線部材12たとえばTCPをセンサーパネル16の電気的接続部4に異方導電性接着剤などの配線接続部11を用いて接着する際に、位置合わせが難しくなる。そこで本実施形態では、図9に示されるような、センサーパネル16の裏面に接着層32を介してそり強制層33を設けることでセンサーパネル16の基板1のそりを軽減できる。そり強制層33の材質は、そりの原因がホットメルト樹脂の場合にはホットメルト樹脂の熱膨張係数を有する材料、そりの原因が反射層9と反射層保護層の積層からなる積層シートの場合には積層シートの熱膨張係数を有する材料が好ましい。そり矯正層33に黒色等の着色材料を含有させて遮光機能をもたせることによって遮光層として用いてもよい。その際には、着色材料として、有機顔料や無機の顔料 を用いることが好ましい。有機顔料としては、ニトロ系色素、アゾ顔料、インダンスレン、チオインジゴペリノン、ペリレン、ジオキサジン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリノン、キノフタロン系がある。無機顔料としては、カーボンブラック、黄鉛、カドミ黄、クローバーミリオン(オレンジ)ベンガラ、シュ、鉛丹、カドミ赤、ミネラルバイオレット(紫色)、コバルトブルー、コバルトグリーン、酸化クロム、酸化インジウム、酸化スズ、ビリジアン(緑)等がある。
[第3の実施の形態]
図10、図11は他の実施形態を示す。本実施形態はセンサーパネル16と、ホットメルト樹脂層でシンチレータ層を覆ったシンチレータパネル40とを貼り合わせた、貼り合わせタイプの放射線検出装置を示す。図10(a)、(b)に示すように、シンチレータパネル40は、支持基板41上に、反射層42、反射層保護層(シンチレータ下地層)43、シンチレータ層7、シンチレータ保護層8を形成して作製される。シンチレータ層7が設けられる領域の外側における反射層保護層(シンチレータ下地層)43の表面には、支持基板41、反射層42の影響を受けて段差及びそれに伴う凹凸が存在する。ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8はこの段差及び凹凸に溶融して入り込み、その後固化することによってシンチレータ層7及び反射層保護層(シンチレータ下地層)43の表面に密着し、シンチレータ層7の表面及び側面、さらに反射層保護層(シンチレータ下地層)43の表面の一部を被覆するように設けられる。シンチレータパネル40にはホットプレス部44が設けられ、このホットプレス部44は反射層42が形成された領域の外側において設けられるのが好ましい。反射層42上の領域でホットプレスを行うと、反射層42が熱により変形をおこし、反射光が所定の画素に入射されず、解像度低下の原因となる可能性があるためである。本実施の形態において、第1の実施形態と同様のものは、同じ番号により示され、説明は省略する。また、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8は、センサーパネル16の代わりに支持基板41、反射層42、シンチレータ下地層43からなる支持部材を用いたこと以外同様の方法により形成される。支持基板41としては、アモルファスカーボン基板やAl基板、ガラス基板、石英基板など種々の放射線透過性の基板を用いることが好ましい。反射層42としては、Al,Ag,Cr,Cu,Ni,Ti,Mg,Rh,Pt、およびAuなどの反射率の高い金属を用いることが好ましい。反射層保護層(シンチレータ下地層)43としては、LiF,MgF2,SiO2,Al23,TiO2,MgO,SiNの透明無機膜及びポリイミド等の透明有機膜を用いることが好ましい。また、反射層保護層(シンチレータ下地層)43としては、反射層42とシンチレータ層7との間で電気化学的腐食の発生を防止するために非導電性材料を用いることが好ましい。支持基板41に導電性材料を用いた場合には、支持基板41と反射層42との間での電気化学的腐食を防止するために、支持基板41と反射層42の間に絶縁層を形成することが好ましい。図11(a)、(b)に示すように、かかるシンチレータパネル40とセンサーパネル16をホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8の接着性を利用して貼り合わせる。貼り合わせ後、封止材45により貼り合わされた放射線検出装置(センサーパネル16とシンチレータパネル40)の周囲を封止する。ここで、貼り合せにおいて、エポキシ樹脂等の一般的な接着材を別途用いてセンサーパネル16とシンチレータパネル40を貼り合わせてもよい。しかしながら別途接着材を用いると、シンチレータ層7から受光部15までの距離が大きくなり、シンチレータ層7で発せられた光の散乱による解像度の低下が起こる恐れがある。図12に貼り合わせタイプの放射線検出装置においてシンチレータパネル40にそり矯正層47を設けた場合を示す。図10及び図11を用いて説明した実施形態の放射線検出装置のシンチレータパネル裏面(シンチレータ層7及びシンチレータ保護層8が形成された面と反対側の面)にそり矯正層47を接着層46を介して設ける。支持基板41とシンチレータ保護層8との間の熱膨張、熱収縮の相違により支持基板41にそりが発生する場合があるが、シンチレータ保護層8に用いられるホットメルト樹脂とほぼ等しい熱膨張係数を有する樹脂からなるそり矯正層47を基板41の裏面(シンチレータ保護層8が形成された面と反対側の面)に接着層46を介して形成する。
[第4の実施の形態]
次に本発明に係わる放射線検出装置を用いた放射線検出システムについて図13を用いて説明する。図13に示すように、X線チューブ6050で発生したX線6060は、患者或いは被験者6061の胸部6062を透過し、放射線検出装置6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応して放射線検出装置6040のシンチレータは発光し、これを光電変換して電気的情報を得る。この情報は、デジタルに変換されイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室のディスプレイ6080で観察できる。
また、この情報は電話回線6090等の伝送手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールーム等ディスプレイ6081に表示又は光ディスク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。またフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
本実施例は、第1の実施の形態及び図1に示される直接蒸着タイプの放射線検出装置の例である。
厚さ0.7mmのガラス基板1上の430mm×430mmの領域に、アモルファスシリコンからなるフォトダイオード(光電変換素子)2、TFT(不図示)、及びAlの配線3からなる、画素サイズ160μm×160μmの画素を2次元的に配置して受光部15を設けた。また、ガラス基板1の周囲の領域には、受光部15から読み出される光電変換情報を読み出すIC等の配線部材12と電気的に接続するための、Alの取り出し配線4、及び配線接続部11を設けた。その後SiNからなるセンサー保護層5及びポリイミドからなるシンチレータ下地層(パッシベーション膜)6を配線接続部11が形成された領域を除いて形成し、センサーパネル16を得た。
得られたセンサーパネル16の受光部15上のシンチレータ下地層6上に、ヨウ化セシウム(CsI)にタリウム(Tl)が添加された、柱状結晶構造のCsI:Tlを、真空蒸着法により成膜時間4時間で厚さ550μm形成した。Tlの添加濃度は0.1〜0.3mol%であった。CsI:Tlの柱状結晶の頂面側(蒸着終了表面側)の柱径は平均約5μmであった。形成されたCsI:Tlを200℃の窒素雰囲気下のクリーンオーブン内で2時間熱処理することによって、シンチレータ層7を得た。
次に、図4(a)〜(c)に示されるように、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂を160℃で溶融し、ダイコータ17を用いてシンチレータ層7が設けられた領域の周囲の領域(シンチレータ層7の端部とシンチレータ下地層6の端部との間の領域)におけるシンチレータ下地層6の表面、シンチレータ層7の側面及び頂面を被覆する、厚さ100μmのホットメルト樹脂を形成した。形成されたホットメルト樹脂を室温まで放熱して固化し、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8を得た。本実施例では、上記エチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、ヒロダイン7544(ヒロダイン工業製)を用いた。
次に、厚さ40μmのAlからなる反射層9と、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる反射層保護層10と、が積層して設けられた積層フィルムを、反射層9をシンチレータ保護層8側に向けて準備し、熱ラミネートローラ27を用いて上記フィルムシートを、熱ラミネートローラ27のローラ温度を120℃、ロール回転速度を0.2m/minの条件でシンチレータ保護層8に接着し、シンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10からなるシンチレータ保護部材を得た。
次に、ICが設けられたTCP(テープキャリアパッケージ)からなる配線部材12を、ACF(異方性接着材)を用いて150℃で圧着して配線接続部11に接続し、図1に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、シンチレータ層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、シンチレータ層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
本実施例では、実施例1のシンチレータ保護層8に用いられたホットメルト樹脂材料及び形成方法と、異なるホットメルト樹脂材料及び形成方法を用いたこと以外は、実施例1と同様の放射線検出装置を実施例1と同様の方法にて製造した。
実施例1と同様な方法により得られたセンサーパネル16の受光部15上のシンチレータ下地層6上に、実施例1と同様な方法により柱状結晶構造のCsI:Tlからなるシンチレータ層7を得た。
次に、図5(a),(b)に示されるように、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂をタンク20内において120℃で溶融して準備する。また、厚さ25μmのAlからなる反射層9と厚さ25μmのPETからなる反射層保護層10とを積層して形成され、ロール状に準備された積層シートを準備する。しわ取りロール21,22によってしわを伸ばされた積層シート上に、成形ロール23,24間において溶融されたホットメルト樹脂を、ダイコータ17を用いて押し出しコート法によって塗布し、成形ロール24によって成形され、冷却ロール25によって冷却硬化される。その後切断手段によって所定のサイズに切り出し、シンチレータ保護層8となる厚さ75μmのホットメルト樹脂、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなるシンチレータ保護シートを得た。本実施例では、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、O−4121(倉敷紡績製)を用いた。
次に、図6(a),(b)に示されるように、得られたシンチレータ保護シートをシンチレータ下地層6及びシンチレータ層7上に重ねて、シンチレータ層7が設けられた領域の周囲の領域(シンチレータ層7の端部とシンチレータ下地層6の端部との間の領域)におけるシンチレータ下地層6の表面、シンチレータ層7の側面及び頂面を被覆するように、熱ラミネートローラ27によってホットメルト樹脂を加熱圧着処理する。熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させて、シンチレータ下地層6上のシンチレータ保護シート上の所定の開始位置からシンチレータ層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置からシンチレータ層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。続いて放射線検出装置を平面で90°回転させて再度、シンチレータ下地層6上のシンチレータ保護シート上の所定の開始位置からシンチレータ層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置からシンチレータ層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。上記加熱圧着処理により、シンチレータ保護シートのシンチレータ保護層8と、シンチレータ下地層6、シンチレータ層7の側面及び頂面が密着され、シンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10からなるシンチレータ保護部材を得た。ここで、上記加熱圧着は、熱ラミネートローラ27のローラ温度を130℃、ロール回転速度を0.1m/min、圧力10kg/cm2の条件で行った。
次に、実施例1と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、図1に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、シンチレータ層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、シンチレータ層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
本実施例では、実施例2のシンチレータ保護層8に用いられたホットメルト樹脂材料と異なるホットメルト樹脂材料を用いたこと以外は、実施例2と同様の放射線検出装置を実施例2と同様の方法にて製造した。
実施例1、2と同様な方法により得られたセンサーパネル16の受光部15上のシンチレータ下地層6上に、実施例1、2と同様な方法により柱状結晶構造のCsI:Tlからなるシンチレータ層7を得た。
次に、実施例2と同様な方法により、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂を厚さ100μmで積層シート上にシンチレータ保護層8として設け、シンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなるシンチレータ保護シートを得た。本実施例では、上記エチレン−メタクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、W−4110(倉敷紡績製)を用いた。
次に、実施例2と同様な加熱圧着処理により、シンチレータ保護シートのシンチレータ保護層8と、シンチレータ下地層6、シンチレータ層7の側面及び頂面が密着され、シンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10からなるシンチレータ保護部材を得た。ここで、上記加熱圧着は、熱ラミネートローラ27のローラ温度を120℃、ロール回転速度を0.1m/min、圧力10kg/cm2の条件で行った。
次に、実施例1、2と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、図1に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、シンチレータ層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、シンチレータ層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
本実施例では、実施例2のシンチレータ保護層8に用いられたホットメルト樹脂材料と異なるホットメルト樹脂材料を用いたこと及びシンチレータ保護シートのシンチレータ保護層8の表面を処理したこと以外は、実施例2と同様の放射線検出装置を実施例2と同様の方法にて製造した。
実施例1、2と同様な方法により得られたセンサーパネル16の受光部15上のシンチレータ下地層6上に、実施例1、2と同様な方法により柱状結晶構造のCsI:Tlからなるシンチレータ層7を得た。
次に、実施例2と同様な方法により、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂を厚さ100μmで積層シート上にシンチレータ保護層8として設け、シンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなるシンチレータ保護シートを得た。本実施例では、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、H−2500(倉敷紡績製)を用いた。H−2500は、密着付与剤等の添加剤の含有量が20%以下であり、医療用消毒薬品であるエチルアルコールに1時間浸透しても重量変化が5%以下と耐薬品性の高い樹脂である。次にコロナ放電処理により、得られたシンチレータ保護シートのシンチレータ保護層8表面を表面エネルギーが45×10-3J/m2となるように表面改質を行った。
次に、実施例2と同様な加熱圧着処理により、シンチレータ保護シートの改質された表面を有するシンチレータ保護層8と、シンチレータ下地層6、シンチレータ層7の側面及び頂面が密着され、シンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10からなるシンチレータ保護部材を得た。ここで、上記加熱圧着は、熱ラミネートローラ27のローラ温度を130℃、ロール回転速度を0.1m/min、圧力10kg/cm2の条件で行った。
次に、実施例1、2と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、図1に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、シンチレータ層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、シンチレータ層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
また、本実施例によって得られた放射線検出装置に医療用消毒薬品であるエチルアルコールが飛散してもシンチレータ保護層の剥離が生じず、防湿性の高いシンチレータ保護層を有する放射線検出装置が得られた。
本実施例では、実施例4のシンチレータ保護シートの加熱圧着処理と異なる加熱圧着処理をしたこと、及びシンチレータ下地層6上に密着されたシンチレータ保護層8の所定の領域を加熱加圧処理したこと以外は、実施例4と同様の放射線検出装置を実施例4と同様の方法にて製造した。
実施例1、2と同様な方法により得られたセンサーパネル16の受光部15上のシンチレータ下地層6上に、実施例1、2と同様な方法により柱状結晶構造のCsI:Tlからなるシンチレータ層7を得た。
次に、実施例2と同様な方法により、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂を厚さ100μmで積層シート上にシンチレータ保護層8として設け、シンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなるシンチレータ保護シートを得た。本実施例では、実施例4と同様に、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、H−2500(倉敷紡績製)を用いた。
次に、図7,図8に示されるように、得られたシンチレータ保護シートをシンチレータ下地層6及びシンチレータ層7上に重ねて真空プレス装置内の加熱ステージ30上に設置する。シンチレータ層7が設けられた領域の周囲の領域(シンチレータ層7の端部とシンチレータ下地層6の端部との間の領域)におけるシンチレータ下地層6の表面、シンチレータ層7の側面及び頂面を被覆するように、加熱ヒータ29、加熱ステージ30、及びダイヤフラムゴムからなるプレス部材31によってホットメルト樹脂を加熱圧着処理する。本加熱圧着処理では、まず、真空プレス装置内の加熱ステージ30上にシンチレータ保護シートをシンチレータ層7上に重ねて得られた放射線検出装置を設置する。次に、プレス部材31の放射線検出装置が配置された側の空間を減圧し、同時にプレス部材31の放射線検出装置が配置された側と反対側の空間を加圧し、さらに加熱ステージ30でセンサーパネル側から加熱しヒータ29で真空プレス装置内を加熱することによってホットメルト樹脂が溶融して圧着される。ここで、上記加熱圧着処理は、真空プレス装置の加熱ヒータ29及び加熱ステージ30の温度を130℃、加圧時間を1分、圧力5kg/cm2の条件で行った。その後、加熱をとめて放熱により冷却し、放射線検出装置が配置された空間の減圧及び放射線検出装置が配置された反対側の空間の加圧をとめ、真空プレス装置内から放射線検出装置を取り出す。
次に、430mm×3mmの大きさの加熱プレス部を有する加熱プレス装置を用いて、取り出された放射線検出装置の、シンチレータ下地層6上に密着されたシンチレータ保護層8の所定の領域を加熱加圧処理(ホットプレス処理)することによって、シンチレータ保護層8がシンチレータ下地層6上の配線間隔に起因する凹凸を埋めるようにシンチレータ保護層8が入り込み、かつ、シンチレータ保護層8の他の領域より層厚が薄く形成されたホットプレス部14が形成される。上記ホットプレス部14が形成されることにより、凹凸によって発生しうる隙間部31(図3(b)参照)を埋めることができ、それによって、シンチレータ下地層6とシンチレータ保護層6の密着性の向上、及びシンチレータ下地層6とシンチレータ保護層8の界面における防湿性の向上といった効果が得られる。上記ホットプレス処理を放射線検出装置の各辺ごとに行い、ホットプレス処理された放射線検出装置を得た。上記ホットプレス処理は、加熱温度170℃、加圧圧力5kg/cm2、加熱加圧時間を10秒として行った。
次に、上記ホットプレス処理された放射線検出装置に、実施例1、2と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、図1に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、シンチレータ層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、シンチレータ層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
本実施例では、実施例5のシンチレータ保護層8に用いられたホットメルト樹脂材料と異なるホットメルト樹脂材料を用いたこと以外は、実施例5と同様の放射線検出装置を実施例5と同様の方法にて製造した。
実施例1、2と同様な方法により得られたセンサーパネル16の受光部15上のシンチレータ下地層6上に、実施例1、2と同様な方法により柱状結晶構造のCsI:Tlからなるシンチレータ層7を得た。
次に、実施例2と同様な方法により、エチレン−アクリル酸共重合体を主成分とするホットメルト樹脂を厚さ75μmで積層シート上にシンチレータ保護層8として設け、シンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなるシンチレータ保護シートを得た。本実施例では、実施例4と同様に、上記エチレン−アクリル酸共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、P−2200(倉敷紡績製)を用いた。
次に、実施例5と同様な方法により、ホットプレス処理された放射線検出装置を得た。ここで、加熱圧着処理は、真空プレス装置の加熱ヒータ29及び加熱ステージ30の温度を130℃、加圧時間を1分、圧力5kg/cm2の条件で行った。また、ホットプレス処理は、加熱温度170℃、加圧圧力5kg/cm2、加熱加圧時間を10秒として行った。
次に、上記ホットプレス処理された放射線検出装置に、実施例1、2と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、図1に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、シンチレータ層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、シンチレータ層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
本実施例では、実施例5のシンチレータ保護層8に用いられたホットメルト樹脂材料と異なるホットメルト樹脂材料を用いたこと以外は、実施例5と同様の放射線検出装置を実施例5と同様の方法にて製造した。
実施例1、2と同様な方法により得られたセンサーパネル16の受光部15上のシンチレータ下地層6上に、実施例1、2と同様な方法により柱状結晶構造のCsI:Tlからなるシンチレータ層7を得た。
次に、実施例2と同様な方法により、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂を厚さ150μmで積層シート上にシンチレータ保護層8として設け、シンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなるシンチレータ保護シートを得た。本実施例では、実施例4と同様に、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、Z−2(倉敷紡績製)を用いた。
次に、実施例5と同様な方法により、ホットプレス処理された放射線検出装置を得た。ここで、加熱圧着処理は、真空プレス装置の加熱ヒータ29及び加熱ステージ30の温度を130℃、加圧時間を1分、圧力5kg/cm2の条件で行った。また、ホットプレス処理は、加熱温度170℃、加圧圧力5kg/cm2、加熱加圧時間を10秒として行った。
次に、上記ホットプレス処理された放射線検出装置に、実施例1、2と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、図1に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、シンチレータ層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、シンチレータ層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
本実施例は、第2の実施の形態及び図9に示される直接蒸着タイプの放射線検出装置の例である。
本実施例では、実施例7のセンサーパネル16の裏面に、センサーパネル16とシンチレータ保護層8との間の熱膨張、熱収縮の相違によりセンサーパネル16に発生するそりを矯正するためのそり矯正層33を設けること以外は、実施例7と同様の放射線検出装置を実施例7と同様の方法にて製造した。
実施例1、2と同様な方法により得られたセンサーパネル16の受光部15上のシンチレータ下地層6上に、実施例1、2と同様な方法により柱状結晶構造のCsI:Tlからなるシンチレータ層7を得た。
次に、実施例2と同様な方法により、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂を厚さ150μmで積層シート上にシンチレータ保護層8として設け、シンチレータ保護層8、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなるシンチレータ保護シートを得た。本実施例では、実施例4と同様に、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、Z−2(倉敷紡績製)を用いた。
次に、実施例5と同様な方法により、ホットプレス処理された放射線検出装置を得た。ここで、加熱圧着処理は、真空プレス装置の加熱ヒータ29及び加熱ステージ30の温度を130℃、加圧時間を1分、圧力5kg/cm2の条件で行った。また、ホットプレス処理は、加熱温度170℃、加圧圧力5kg/cm2、加熱加圧時間を10秒として行った。上記加熱圧着処理の際に、センサーパネル16のガラス基板1側に、接着材層32としてH−2500(倉敷紡績製)のホットメルト樹脂を介してそり矯正層33としてPETを設けた。上記構成にすることにより、シンチレータ保護層8のホットメルト樹脂と接着材層32のホットメルト樹脂の熱膨張係数、及び反射層保護層10のPETとそり矯正層33のPETの熱膨張係数が等しくなり、センサーパネル16にそりを発生させることなく放射線検出装置を形成することができる。
次に、上記ホットプレス処理された放射線検出装置に、実施例1、2と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、図9に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、シンチレータ層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、シンチレータ層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
本実施例は、第3の実施の形態及び図10、11に示されるシンチレータパネル及びそれを用いた貼り合わせタイプの放射線検出装置の例である。
厚さ0.7mmのガラス基板1上の430mm×430mmの領域に、アモルファスシリコンからなるフォトダイオード(光電変換素子)2、TFT(不図示)、及びAlの配線3からなる、画素サイズ160μm×160μmの画素15を2次元的に配置して受光部15を設けた。また、ガラス基板1の周囲の領域には、受光部15から読み出される光電変換情報を読み出すIC等の配線部材12と電気的に接続するための、Alの取り出し配線4、及び配線接続部11を設けた。その後SiNからなるセンサー保護層5及びポリイミドからなるパッシベーション膜6を配線接続部11が形成された領域を除いて形成し、センサーパネル16を得た。
次に、図10(a),(b)に示されるように、厚さ1mmのアモルファスカーボン製の支持基板41上に、厚さ3000ÅのAlを蒸着して反射層42を形成し、支持基板41の反射層42が形成された側の表面および反射層42を被覆するようにポリイミドからなるシンチレータ下地層(反射層保護層)43を形成して支持部材を得た。次に、シンチレータ下地層43上に、ヨウ化セシウム(CsI)にタリウム(Tl)が添加された、柱状結晶構造のCsI:Tlを、真空蒸着法により成膜時間4時間で厚さ550μm形成した。Tlの添加濃度は0.1〜0.3mol%であった。CsI:Tlの柱状結晶の頂面側(蒸着終了表面側)の柱径は平均約5μmであった。形成されたCsI:Tlを200℃の窒素雰囲気下のクリーンオーブン内で2時間熱処理することによって、シンチレータ層7を得た。次に、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂を140℃で溶融し、ダイコータ17を用いてシンチレータ層7が設けられた領域の周囲の領域(シンチレータ層7の端部とシンチレータ下地層43の端部との間の領域)におけるシンチレータ下地層43の表面、シンチレータ層7の側面及び頂面を被覆する、厚さ100μmのホットメルト樹脂を形成した。形成されたホットメルト樹脂を室温まで放熱して固化し、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層8を得た。本実施例では、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂として、Z−2(倉敷紡績製)を用いた。上記構成及び製造工程により、シンチレータパネル40を得た。
得られたシンチレータパネル40上にセンサーパネル16を準備し、それらを真空プレス装置内の加熱ステージ30上に設置し、プレス部材31の放射線検出装置が配置された側の空間を減圧し、同時にプレス部材31の放射線検出装置が配置された側と反対側の空間を加圧し、さらに加熱ステージ30でセンサーパネル側から加熱しヒータ29で真空プレス装置内を加熱することによってホットメルト樹脂が溶融して、センサーパネル16とシンチレータパネル40が接着される。ここで、上記接着処理は、真空プレス装置の加熱ヒータ29及び加熱ステージ30の温度を140℃、加圧時間を3分、圧力5kg/cm2の条件で行った。その後、加熱をとめて放熱により冷却し、放射線検出装置が配置された空間の減圧及び放射線検出装置が配置された反対側の空間の加圧をとめ、真空プレス装置内から放射線検出装置を取り出す。上記構成及び製造工程により、シンチレータパネル40がセンサーパネル16と接着されて形成された放射線検出装置が得られた。
次に、得られた放射線検出装置に、実施例1と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、さらに流動性シリコーン樹脂(TES325、GE東芝シリコーン社製)からなる封止部材11と、半流動性シリコーン樹脂(TSE3253、GE東芝シリコーン社製)からなる封止材45を形成し、図11(b)に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、シンチレータ層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、シンチレータ層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
表1に上記実施例で用いられたホットメルト樹脂の溶融粘度の温度依存性を示す。
本発明は、医療診断機器、非破壊検査機器等に用いられる、放射線検出装置やシンチレータパネルに用いられるものである。
本発明の第1の実施の形態に係わる放射線検出装置の模式的平面図である。 図1に示す放射線検出装置のA−A’における断面図である。 (a)は、図2のC−C’における断面図、(b)は図2のD−D’ における断面図である。 (a)〜(c)は、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層をシンチレータ層の形成する1の方法を説明するための図である。 (a)及び(b)は、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層を形成する1の方法を説明するための図である。 (a)及び(b)は、ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層をシンチレータ層の表面に形成する2の方法を説明するための図である。 ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層をシンチレータ層の表面に形成する3の方法を説明するための図である。 ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層をシンチレータ層の表面に形成する3の方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる放射線検出装置の断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第3の実施の形態に係わる放射線検出装置のシンチレータパネルを示す断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第3の実施の形態に係わる放射線検出装置及びその製造方法を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係わる放射線検出装置の別の形態を示す断面図である。 本発明に係わる放射線検出装置を用いた放射線検出システムを説明する図である。 (a)及び(b)は、ホットプレス処理の方法を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 光電変換素子
3 配線
4 取り出し配線
5 光電変換素子の保護膜
6 蛍光体下地層
7 柱状蛍光体層
8 蛍光体保護層(ホットメルト樹脂層)
9 光反射層
10 反射層の保護層
11 配線接続部
12 配線部材
13 封止部材
14 ホットプレス部
15 受光部
16 センサーパネル

Claims (33)

  1. パネルと、
    該パネル上に設けられた、放射線を光に変換するシンチレータ層と、
    該シンチレータ層を被覆し、前記パネルと密着するシンチレータ保護層と、を有し、
    前記シンチレータ保護層は、ホットメルト樹脂からなることを特徴とする放射線検出装置。
  2. 請求項1に記載の放射線検出装置において、前記パネルは、基板上に前記光を受光する光電変換素子が2次元状に配された受光部と、前記受光部上に設けられた保護層と、を有するセンサーパネルであることを特徴とする放射線検出装置。
  3. 請求項1に記載の放射線検出装置において、前記シンチレータ保護層に接し、前記シンチレータ層で変換された光を反射する反射層と、前記反射層を保護する反射層保護層とを更に含むことを特徴とする放射線検出装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記シンチレータ保護層と前記パネルとが接する領域に加熱加圧処理により密着された領域を有することを特徴とする放射線検出装置。
  5. 請求項1に記載の放射線検出装置において、前記パネルは、支持基板と、該支持基板上に設けられ、前記シンチレータ層で変換された光を反射する反射層と、該反射層上に設けられ、前記反射層及び前記シンチレータ保護層と接するシンチレータ下地層と、により構成される支持部材を有し、該支持部材上に前記シンチレータ層が設けられることを特徴とする放射線検出装置。
  6. 請求項5に記載の放射線検出装置において、少なくとも前記支持部材と前記シンチレータ層と前記シンチレータ保護層とを含んでシンチレータパネルを構成し、前記シンチレータ層からの光を受光する光電変換素子が2次元状に配された受光部を備えたセンサーパネルと前記シンチレータパネルとが貼り合わされていることを特徴とする放射線検出装置。
  7. 請求項5または6に記載の放射線検出装置において、前記シンチレータ保護層と前記シンチレータ下地層とが接する領域に、加熱加圧処理により密着された領域を有することを特徴とする放射線検出装置。
  8. 請求項5または6に記載の放射線検出装置において、前記反射層が設けられた領域の外側の前記シンチレータ下地層と前記シンチレータ保護層とが接する領域に、加熱加圧処理により密着された領域を有することを特徴とする放射線検出装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記ホットメルト樹脂がポリオレフィン系、ポリエステル系又はポリアミド系樹脂を主成分とする放射線検出装置。
  10. 請求項9に記載の放射線検出装置において、前記ホットメルト樹脂がポリオレフィン系樹脂を主成分とすることを特徴とする放射線検出装置。
  11. 請求項1から8のいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記ホットメルト樹脂の溶融開始温度が、70℃以上、150℃以下であることを特徴とする放射線検出装置。
  12. 請求項1から8のいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記ホットメルト樹脂の溶融粘度は100℃〜140℃において1×103〜1×104Pa・sであることを特徴とする放射線検出装置。
  13. 請求項1から8のいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記ホットメルト樹脂の抗張力が40kg/cm2以上、300kg/cm2以下である放射線検出装置。
  14. 支持部材と、
    該支持部材上に設けられた放射線を光に変換するシンチレータ層と、
    該シンチレータ層を被覆し前記支持部材と密着するシンチレータ保護層と、を有し、
    前記シンチレータ保護層はホットメルト樹脂からなることを特徴とするシンチレータパネル。
  15. 請求項14に記載のシンチレータパネルにおいて、前記支持部材は、支持基板と、該支持基板上に設けられ、前記シンチレータ層で変換された光を反射する反射層と、該反射層上に設けられ、前記反射層もしくは前記シンチレータ保護層と接するシンチレータ下地層と、により構成されていることを特徴とするシンチレータパネル。
  16. 請求項15に記載のシンチレータパネルにおいて、前記シンチレータ保護層と前記シンチレータ下地層とが接する領域に加熱加圧処理により圧着された領域を有することを特徴とするシンチレータパネル。
  17. 請求項16に記載のシンチレータパネルにおいて、前記反射層が設けられた領域の外側の前記シンチレータ下地層と前記シンチレータ保護層とが接する領域に、加熱加圧処理により密着された領域を有することを特徴とするシンチレータパネル。
  18. 請求項14から17のいずれか1項に記載のシンチレータパネルにおいて、前記ホットメルト樹脂がポリオレフィン系、ポリエステル系又はポリアミド系樹脂を主成分とすることを特徴とするシンチレータパネル。
  19. 請求項18に記載のシンチレータパネルにおいて、前記ホットメルト樹脂がポリオレフィン系樹脂を主成分とすることを特徴とするシンチレータパネル。
  20. 請求項14から17のいずれか1項に記載のシンチレータパネルにおいて、前記ホットメルト樹脂の溶融開始温度が、70℃以上、150℃以下であることを特徴とするシンチレータパネル。
  21. 請求項14から17のいずれか1項に記載のシンチレータパネルにおいて、前記ホットメルト樹脂の溶融粘度は100℃〜140℃において1×103〜1×104Pa・sであることを特徴とするシンチレータパネル。
  22. 請求項14から17のいずれか1項に記載のシンチレータパネルにおいて、前記ホットメルト樹脂の抗張力が40kg/cm2以上、300kg/cm2以下であることを特徴とするシンチレータパネル。
  23. パネルと、該パネル上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、該シンチレータ層を被覆し前記パネルと密着するシンチレータ保護層と、を有する放射線検出装置の製造方法において、
    前記シンチレータ層が形成された前記パネルを用意し、溶融されたホットメルト樹脂を、前記シンチレータ層を直接被覆するよう設けて、前記シンチレータ保護層を形成する工程を含むことを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  24. パネルと、該パネル上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、該シンチレータ層を被覆し前記パネルと密着するシンチレータ保護層を含むシンチレータ保護部材と、を有する放射線検出装置の製造方法において、
    ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層を有するシンチレータ保護部材を形成する第1工程と、
    前記シンチレータ層が形成された前記パネルを用意し、前記シンチレータ保護層が前記シンチレータ層を直接被覆するように前記シンチレータ保護部材を前記シンチレータ層及び前記パネルに密着させる第2工程と、
    を含むことを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  25. 支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、該シンチレータ層を被覆し前記支持部材と密着するシンチレータ保護層と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、
    前記シンチレータ層が形成された前記支持部材を用意し、溶融されたホットメルト樹脂を、前記シンチレータ層を直接被覆するよう設けて前記シンチレータ保護層を形成する工程を含むことを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  26. 支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、該シンチレータ層を被覆し前記支持部材と密着するシンチレータ保護層と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、
    ホットメルト樹脂からなるシンチレータ保護層を有するシンチレータ保護部材を形成する第1工程と、
    前記シンチレータ層が形成された前記支持部材を用意し、前記シンチレータ保護層が前記シンチレータ層を直接被覆するように前記シンチレータ保護部材を前記シンチレータ層及び支持部材に密着させる第2工程と、
    を含むことを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  27. 請求項23または24に記載の放射線検出装置の製造方法において、前記工程又は前記第2工程後、前記シンチレータ保護層の前記パネルと接する領域に加熱加圧処理により密着された領域を形成する工程を更に含むことを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  28. 請求項25または26に記載のシンチレータパネルの製造方法において、前記工程又は前記第2工程後、前記シンチレータ保護層の前記支持部材と接する領域に加熱加圧処理により密着された領域を形成する工程を更に含むことを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  29. 請求項1から13のいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記シンチレータ層は、柱状結晶構造を有することを特徴とする放射線検出装置。
  30. 請求項14から22のいずれか1項に記載のシンチレータパネルにおいて、前記シンチレータ層は、柱状結晶構造を有することを特徴とするシンチレータパネル。
  31. 請求項1から13のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
    前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理手段と、
    前記信号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、
    前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段と、
    前記信号処理手段からの信号を伝送するための伝送処理手段と、
    前記放射線を発生させるための放射線源とを具備することを特徴とする放射線検出システム。
  32. パネルと、
    該パネル上に設けられた、放射線を光に変換するシンチレータ層と、
    加熱による溶融によって該シンチレータ層及び前記パネルの表面の凹凸に入り込み、冷却による固化によって前記シンチレータ層及び前記パネルの表面に接着されて、前記シンチレータ層の表面及び側面と前記パネルの表面の一部を被覆するように設けられたシンチレータ保護層とを有する放射線検出装置。
  33. 支持部材と、
    該支持部材上に設けられた放射線を光に変換するシンチレータ層と、
    加熱による溶融によって該シンチレータ層及び前記支持部材の表面の凹凸に入り込み、冷却による固化によって前記シンチレータ層及び前記支持部材の表面に接着されて、前記シンチレータ層の表面及び側面と前記支持部材の表面の一部を被覆するように設けられたシンチレータ保護層とを有するシンチレータパネル。
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