JP4612815B2 - 放射線検出装置、シンチレータパネル、これらの製造方法及び放射線検出システム - Google Patents

放射線検出装置、シンチレータパネル、これらの製造方法及び放射線検出システム Download PDF

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Description

本発明は、放射線検出装置、シンチレータパネル、これらの製造方法及び放射線検出システムに関し、特に、医療用診断装置、非破壊検査装置などに用いられる放射線検出装置、シンチレータパネル、これらの製造方法及び放射線検出システムに関する。
なお、本明細書においては、放射線の範疇に、X線、α線、β線、γ線などの電磁波も含むものとして説明する。
近年、少なくとも大面積の平面に形成された光電変換素子の表面にX線を照射することによって発光する蛍光体層を積層したデジタル放射線検出装置が商品化されている。
これらデジタル放射線検出装置の中でも、高感度で高鮮鋭な装置として、特許文献1,2等に開示されているように、複数のフォトセンサー及びTFT等の電気素子が2次元に配置されている光電変換素子部からなる光検出器(「センサーパネル」とも言う)上に、放射線を光電変換素子で検出可能な光に変換するための蛍光体層を直接形成してなる放射線検出装置(「直接蒸着タイプ」又は「直接タイプ」等とも言う)が知られている。
また、特許文献3等に開示されているように、複数のフォトセンサー及びTFT(Thin film transistor:薄膜トランジスタ)等の電気素子が2次元に配置されている光電変換素子部からなる光検出器上に、放射線を光電変換素子で検出可能な光に変換するための蛍光体層を支持基板に形成したシンチレータパネルを貼り合わせてなる放射線検出装置(「貼り合わせタイプ」又は「間接タイプ」等とも言う)が知られている。
蛍光体層として、例えば、蒸着によって形成される柱状結晶構造を有するCsIを主成分とする材料が知られており、このような蛍光体層への外界からの水分の進入を防止するために蛍光体保護層を形成することが行われている。特に、CsI材料は吸湿材料であり、水分を吸収することによって、解像度が劣化する問題が発生する。
特許文献1において、ガラス基板の表面に形成された光電変換素子の表面に保護層を形成して光検出器を準備し、前記保護層の表面に柱状結晶構造を有するCsIからなる蛍光体層を蒸着法によって直接形成し、光検出器及び蛍光体層の表面を被覆するようにCVD法による有機薄膜からなる蛍光体保護層を形成した放射線検出装置が開示されている。有機薄膜の材料としてポリパラキシリレンが開示されている。
特許文献2では光検出器の表面に保護層を介して柱状結晶構造を有するCsIからなる蛍光体層を蒸着によって形成し、光検出器及び蛍光体層の表面を被覆するように蛍光体保護層を形成し、前記蛍光体保護層の外周部を光検出器の表面に密着させる被覆樹脂を備えている放射線検出装置が開示されている。
特許文献3では、カーボン基板からなる支持基板上に順次、反射性金属薄膜からなる反射層、蛍光体下地層が配された支持部材上に、蒸着によって形成された蛍光体層、支持部材及び蛍光体層の表面を被覆するように設けられた有機膜(ポリパラキシリレン)からなる蛍光体保護層、が形成されたシンチレータパネルを、光検出器上に貼り合わせて形成された放射線検出装置が開示されている。
特開2000−284053号公報 特許第3029873号公報 特開2000−356679号公報
蒸着によって形成されるCsI:Na、およびCsI:Tl等のハロゲン化アルカリからなる柱状結晶構造を有する蛍光体層は、蛍光体層の形成時に異常成長(スプラッシュ)欠陥が発生する場合がある。特に、人体撮影用の放射検出装置においては、蛍光体層の厚さが400μm以上必要であり、その際に異常成長部は、直径300μm以上、高さが20μm以上の突起状になることがある。さらに突起状の異常成長部の周辺にドーナツ状に深さ20μm以上の凹部が形成される場合がある。このような突起部と凹部からなる蛍光体層の異常成長欠陥部をカバーし、防湿機能を満足させるためには、蛍光体保護層の厚さは20μm以上必要であることを発明者らは見出した。しかしながら、上記特許文献に開示されているポリパラキシリレン製有機膜を用いた蛍光体保護層では、CVD法により形成されるため、蛍光体保護層の成膜速度はおおよそ100−2000オングストローム/分と遅く、20μmの蛍光体保護層を形成するための成膜時間は2000分から100分必要となり、生産性が悪いという問題を有する。
また、X線デジタルカメラのような大面積な(たとえば43cm×43cm)放射線検出装置に用いるポリパラキシリレン製の有機膜からなる蛍光体保護層をCVD法で成膜すると、蛍光体保護層の面内の膜厚分布が大きくなる。上記先行技術文献1,2のような放射線検出装置において、蛍光体層によって発せられた光が反射膜によって反射されて光電変換素子に入射される際に、蛍光体保護層の面内の膜厚分布によって光路長に差が生じる。その結果、取得された画像の解像度が低下してしまうという問題を有する。また、上記先行技術文献3のような放射線検出装置においては、蛍光体層によって発せられた光が受光素子に入射される際に、蛍光体保護層の面内の膜厚分布によって光路長に差が生じ、その結果取得された画像の解像度が低下してしまうという問題を有する。
また、ポリパラキシリレン製有機膜は、上記特許文献1、2の保護層、及び上記特許文献3の蛍光体下地層との密着性が悪く、蛍光体保護層と保護層または蛍光体保護層と蛍光体下地層の界面において剥離もしくは隙間が生じ、蛍光体保護層と保護層界面および蛍光体保護層と蛍光体下地層界面における耐湿性・耐衝撃性が低下してしまうという問題を有する。また、特許文献1,2では蛍光体保護層端部に被覆樹脂を設けて耐湿性・耐衝撃性を確保しているが、構成部材が増えるためにコストが高くなってしまうという問題を有する。
本発明の放射線検出装置は、基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
前記センサーパネル上に配置された、放射線を光に変換する蛍光体層と、
前記蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置において、
前記複数の蛍光体保護層はそれぞれホットメルト樹脂からなり、前記複数の蛍光体保護層の一層が前記蛍光体層を被覆し前記センサーパネルと密着していることを特徴とする。前記複数の蛍光体保護層は、前記蛍光体層を被覆し前記基板と密着する第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、前記蛍光体層と接しない第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層と、を含むことが望ましい。
また本発明のシンチレータパネルは、支持部材と、該支持部材上に形成された放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有するシンチレータパネルにおいて、
前記複数の蛍光体保護層はそれぞれホットメルト樹脂からなり、該複数の蛍光体保護層の一層が前記蛍光体層を被覆し前記支持部材と密着していることを特徴とする。前記複数の蛍光体保護層は、前記蛍光体層を被覆し前記基板と密着する第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、前記蛍光体層と接しない第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層と、を含むことが望ましい。
本発明の放射線検出装置の製造方法は、基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
前記センサーパネル上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、
該蛍光体層を被覆し前記センサーパネルと密着する蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置の製造方法において、
前記蛍光体層が形成された前記センサーパネルを用意し、第1のホットメルト樹脂を、前記蛍光体層を被覆し前記センサーパネルと密着するよう設けて第1の蛍光体保護層を形成する第1工程と、
第2のホットメルト樹脂を、前記第1の蛍光体保護層を被覆するよう設けて第2の蛍光体保護層を形成する第2工程と、
を有するものである。
また本発明の放射線検出装置の製造方法は、基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
センサーパネル上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層を被覆し前記センサーパネルと密着する蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置の製造方法において、
第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層上に第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層を有する蛍光体保護部材を形成する工程と、
前記蛍光体層が形成された前記センサーパネルを用意し、前記第1の蛍光体保護層が前記蛍光体層と接するように前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層及び前記センサーパネルに密着させる工程と、を有するものである。
本発明のシンチレータパネルの製造方法は、支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層を被覆し前記支持部材と密着する蛍光体保護層と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、
前記蛍光体層が形成された前記支持部材を用意し、第1のホットメルト樹脂を、前記蛍光体層を被覆し前記支持部材と密着するよう設けて第1の蛍光体保護層を形成する第1工程と、
第2のホットメルト樹脂を、前記第1の蛍光体保護層を被覆するよう設けて第2の蛍光体保護層を形成する第2工程と、
を有するものである。
また本発明のシンチレータパネルの製造方法は、支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層を被覆し前記支持部材と密着する蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、
第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層上に第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層を有する蛍光体保護部材を形成する工程と、
前記蛍光体層が形成された前記支持部材を用意し、前記第1の蛍光体保護層が前記蛍光体層と接するように前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層及び前記支持部材に密着させる工程と、を有するものである。
本発明によれば、蛍光体保護部材を短時間で安価に形成することが可能である。また、蛍光体保護部材を複数のホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層で構成することにより、蛍光体層にホットメルト樹脂が入り込むことによるMFT(解像度)の低下防止と、ホットメルト樹脂と他の層(反射層等)との密着性向上とを図ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本発明に係わる直接蒸着タイプの放射線検出装置の模式的平面図を示す。図2は、図1のA−A’断面図である。
図1または図2において、1はガラス等の基板、2は光電変換素子、3は配線であり、光電変換素子2、配線3、及び薄膜トランジスタ(TFT)によって受光部15が構成されている。4は電気的接続部(取り出し配線)、5はセンサー保護層、6は蛍光体下地層、11は配線接続部、であり、1〜6、11によって光検出器(センサーパネル)16が構成されている。また、7は蛍光体層、8a,8bは第1及び第2の蛍光体保護層、9は反射層、10は反射層保護層であり、8a,8b,9,10によって蛍光体保護部材が構成されている。また、蛍光体保護部材の、受光部15または蛍光体層7が形成された周囲の領域のセンサーパネル16と接触する領域にホットプレス部14aが設けられている。また、12は配線部材、13は封止部材である。本実施形態では蛍光体保護層は第1の蛍光体保護層8aと第2の蛍光体保護層8bの2層で構成しているが、3層以上で構成してもよい。
基板1は、光電変換素子2、配線3、及びTFT(不図示)からなる受光部15が形成されるものであり、材料として、ガラス、耐熱性プラスチック等を好適に用いることができる。
光電変換素子2は蛍光体層7によって放射線から変換された光を電荷に変換するものであり、例えば、アモルファスシリコンなどの材料を用いることが可能である。光電変換素子2の構成は特に限定されず、MIS型センサー、PIN型センサー、TFT型センサー等を適宜用いることができる。
配線3は信号配線の一部や光電変換素子に電圧(Vs)を印加するバイアス配線を示し、電気的接続部4は信号配線又は駆動配線を示す。光電変換素子2で光電変換された信号はTFTによって読み出され、信号配線を介して信号処理回路に出力される。また行方向に配列されたTFTのゲートは行ごとに駆動配線に接続され、TFT駆動回路により行毎にTFTが選択される。信号処理回路及びTFT駆動回路は基板1外に設けられ、光電変換素子2やTFTとは電気的接続部4、配線接続部11、配線部材12を介して接続される。
センサー保護層5は、受光部15を被覆して保護するためのものであり、SiN,SiOなどの無機膜が好ましい。蛍光体下地層6はセンサー保護層上に設けられ、材料としては、ポリイミド、パラキシリレン等の有機物質からなる耐熱性の樹脂が好ましい。たとえば、熱硬化型のポリイミド樹脂等を用いることが可能である。センサー保護膜5、蛍光体下地層6は光電変換素子を保護する機能を有する。また蛍光体下地層6はセンサーパネル16の表面を平坦化する機能を有する。また、蛍光体下地層6の表面は、蛍光体層との密着性を向上させるために、蛍光体下地層6の表面を大気圧プラズマ処理等の活性化処理を適宜用いてもよい。
蛍光体層7は、放射線を光電変換素子2が感知可能な波長の光に変換するものであり、柱状結晶構造を有する蛍光体が好ましい。柱状結晶構造を有する蛍光体は、発生した光が柱状結晶内を伝搬するので光散乱が少なく、解像度を向上させることができる。ただし、蛍光体層7として柱状結晶構造を有する蛍光体以外の材料を用いてもよい。
また、柱状結晶構造を有する蛍光体層7の材料としては、ハロゲン化アルカリを主成分とする材料が用いられる。たとえば、CsI:Tl、CsI:Na、CsBr:Tl等のハロゲン化アルカリ蛍光体が用いられる。その作製方法は、たとえばCsI:TlではCsIとTlIとを同時に蒸着することで形成できる。
第1及び第2の蛍光体保護層8a、8bは、蛍光体層7に対して、外気からの水分の侵入を防止する防湿保護機能及び衝撃により構造破壊を防止する衝撃保護機能を有するものである。第1及び第2の蛍光体保護層8a,8bの総厚は20〜200μmが好ましい。20μm以下では、蛍光体層7表面の凹凸、及びスプラッシュ欠陥を完全に被覆することができず、防湿保護機能が低下する恐れがある。一方、200μmを超えると蛍光体層7で発生した光もしくは反射層で反射された光の蛍光体保護層8a,8b内での散乱が増加し、取得される画像の解像度及びMTF(Modulation Transfer Fanction)が低下する恐れがある。本発明において、蛍光体保護層としてホットメルト樹脂を用いることを特徴としている。ホットメルト樹脂を用いた蛍光体保護層に関する説明は別途後述する。
反射層9は、蛍光体層7で変換して発せられた光のうち、光電変換素子2と反対側に進行した光を反射して光電変換素子2に導くことにより、光利用効率を向上させる機能を有するものである。また、反射層9は、光電変換素子2に蛍光体層7で発生された光以外の外部光線を遮断し、光電変換素子2にノイズが入ることを防止する機能を更に有する。反射層9としては、金属箔または金属薄膜を用いることが好ましく、反射層9の厚さは1〜100μmが好ましい。1μmより薄いと反射層9の形成時にピンホール欠陥が発生しやすく、また遮光性に劣る。一方、100μmを超えると、放射線の吸収量が大きく被撮影者が被爆する線量の増加につながる恐れがあり、また、蛍光体層7とセンサーパネル16の表面との段差を隙間無く覆うことが困難となる恐れがある。反射層9の材料としては、アルミニウム、金、銅、アルミ合金、などの特に限定されない金属材料を用いることができるが、反射特性の高い材料としては、アルミニウム、金が好ましい。
反射層保護層10は、反射層9の衝撃による破壊、及び水分による腐食を防止する機能を有し、樹脂フィルムを用いることが好ましい。反射層保護層10の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、などのフィルム材料を用いることが好ましい。反射層保護層10の厚さは10〜100μmが好ましい。
配線接続部11は、電気的接続部4と配線部材12とを電気的に接続するための部材であり、異方導電性接着剤などにより配線部材12と電気的に接続される。
配線部材12は、光電変換素子2で変換された電気信号を読み出すためのIC部品などを搭載した部材であり、TCP(Tape Carrier Package)などが好適に用いられる。
封止部材13は、配線部材12及び電気的接続部4に対して、水分による腐食を防止する機能、衝撃による破壊を防止する機能、及び製造時に発生する受光部15の破壊の原因となる静電気を防止する機能を有するものである。
ホットプレス部14aは、ホットメルト樹脂からなる第1及び第2の蛍光体保護層8a,8bの蛍光体層7周辺の領域とセンサーパネル16との接触界面における防湿性を向上させるために設けられているものである。本実施形態では、蛍光体層7の周辺部において、ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8aは蛍光体下地層6と接している。ホットプレス部14aは蛍光体保護部材の周辺部の一部または全体に設けることが可能である。本実施形態では、図1に示すように蛍光体保護部材の周辺部全体に設けられている。ホットプレス部14aは、加熱加圧手段32(図4に示す)によってホットメルト樹脂の厚さが他の部分より薄くなるよう部分的に加熱加圧処理され圧着(加圧により密着)された領域である。
図3(a)に図1のB−B’断面図及び図2のC−C’断面図に示し、図3(b)に図2のD−D’断面図を示す。4は電気的接続部の配線パターンを示す。蛍光体下地層6の蛍光体層7が形成された周囲の領域において、取り出し配線4の存在によりセンサー保護層5の表面には凹凸が生じる。その凹凸を緩和するために平坦化層として機能する蛍光体下地層6を形成するが、蛍光体下地層6の表面も完全に平坦とはならず、若干の凹凸を有する。そのような表面上にホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8a,8bを形成しても、図3(b)に示されるように若干の隙間31が生じる可能性がある。つまり、ホットプレス(加熱加圧)を行わない断面を示す図3(b)の部分では、配線パターン4の凸凹へのホットメルト樹脂の進入が不十分で、配線パターンとホットメルト樹脂の間に空隙が生じる場合がある。この隙間31により、1)蛍光体下地層6と蛍光体保護層8aとの密着力の低下、2)隙間31より侵入する大気中の水分による蛍光体層7の潮解、3)蛍光体保護層8aの防湿性の低下、を引き起こす可能性がある。そこで、蛍光体下地層6と蛍光体保護層8aが接する領域において蛍光体層7が形成された領域を取り囲むように加熱加圧手段32を用いてホットプレス処理(加熱加圧処理)を行うことにより、加熱により溶融したホットメルト樹脂が加圧により蛍光体下地層6の表面上の凹部に入り、冷却により硬化されて蛍光体下地層6上の隙間31を埋めて密着する。つまり、ホットプレス処理を行った断面を示す図3(a)の部分では、ホットメルト樹脂の溶融が十分に行われるため隙間31の発生は抑制され、その結果密着力が向上し、周辺部の防湿性が向上する。ホットプレス処理としては、例えば圧力1〜10kg/cm、温度はホットメルト樹脂の溶融開始温度より10〜50℃以上の温度で1〜60秒間行われる。
図4(a)〜(c)はホットプレスの方法を示す図であり、加熱加圧手段32により第1の蛍光体保護層8a、第2の蛍光体保護層8b、反射層9と反射層保護層10を順次ヒートシール(ホットプレス処理)する。第1の蛍光体保護層8a、第2の蛍光体保護層8bをまとめて、又は第1の蛍光体保護層8a、第2の蛍光体保護層8b、反射層9と反射層保護層10をまとめてヒートシール(ホットプレス処理)してもよい。
更に、図21及び図22に示すように、より密着力の強い蛍光体保護層8bを蛍光体下地層6に接するよう蛍光体保護層8aより大きな領域に形成し、蛍光体保護層8aの形成領域外の蛍光体保護層8bにおいてホットプレス処理を行うことにより、蛍光体保護層8bと蛍光体下地層6との密着性が向上し、蛍光体層7の周囲の領域においてより防湿性が向上する。図21は本発明に係わる直接蒸着タイプの放射線検出装置の他の撮像素子部の模式的平面図を示す。図22は、図21のA−A’断面図である。14cはホットプレス部を示す。図23(a)、(b)は図3(a)、(b)と同様な断面図を示し、ホットプレスを行った断面を図23(a)、ホットプレスを行わない断面を図23(b)に示す。
図24及び図25は、蛍光体層7の周囲の領域においてより防湿性が向上させるために、ホットプレスを2カ所行った場合を示す平面図及び図24のA−A’断面を示す。14b,14cはホットプレス部を示す。ここでは、第1の蛍光体保護層8a、第2の蛍光体保護層8bの積層箇所でホットプレスするとともに、蛍光体保護層8aの形成領域外の蛍光体保護層8bにおいてホットプレスすることで、さらに防湿性が向上する。
以下に、ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8a,8bについて、詳細に説明する。
蛍光体層を保護するために、特に柱状結晶構造を有する蛍光体層7を保護するために、第1及び第2の蛍光体保護層8a,8bは下記1)〜12)に示す機能が求められる。
1) 外部からの衝撃による破壊を防止する耐衝撃性を有する
2) 放射線源からの放射線を好適に透過する放射線透過性を有する
3) 蛍光体層7で発せられた光を好適に透過する光透過性を有する
4) 蛍光体層、センサーパネルまたは支持部材表面との高い密着性を有する
5) 透過光の光路差による解像度低下を防止する層厚の面内均一性を有する
6) 基板と反射層との熱膨張係数差に起因する応力を吸収する吸収性を有する
7) 蛍光体層及び受光部に悪影響を及ぼさない成膜(形成)温度を有する
8) 生産性に富んだ高い成膜(形成)速度を有する
9) 外気からの水分の侵入を防ぐ高い防湿性(耐湿性、非透水性)を有する
10) 柱状結晶を溶解する水、極性溶媒、溶剤などを含まない
11) 柱状結晶間へのしみ込みによる顕著な解像度の低下を招かない粘性を有する
12) エタノールなど医療器具の消毒用溶剤に不溶または微溶である特性を有する
上記の機能を満たす第1及び第2の蛍光体保護層8a,8bの材料としては、ホットメルト樹脂を用いることが好ましい。そして、ホットメルト樹脂を用いた第1及び第2の蛍光体保護層8a,8bとしては以下に説明するような特性を有することが望ましい。
(1)CsI:Tlなどからなるアルカリハライド系蛍光体層は、柱状結晶構造を有し、さらに潮解性を有する。ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層を設ける際に、ホットメルト樹脂の溶融時粘性率が低いと、柱状結晶構造間にホットメルト樹脂が入り込みMFT(解像度)が低下してしまう恐れがある。そこで蛍光体層と接するホットメルト樹脂には柱状結晶構造間に入り込まない程度の溶融時粘性率を有する材料が求められるが、一方で、直接蒸着タイプにおいては、蛍光体層と反対側に設けられた反射層(Al)と、また貼り合わせタイプにおいては、センサーパネルのパッシベーション膜(PI)等との密着性を確保しなければならない。後述するように、かかる観点から蛍光体層に接するホットメルト樹脂に求められる粘性率は1×10(Pa・s)〜 1×10(Pa・s)(1万〜10万ポイズ)であることが望ましい。
しかしながら、蛍光体層と接するホットメルト樹脂としては柱状結晶構造間に入り込まないように、溶融時粘性率は製造上のバラツキを考慮してある程度高くすることが望ましく、その反面、蛍光体層と接することがなく、また反射層やパッシベーション膜等との密着性が求められるホットメルト樹脂としては、剥離などの機械的破壊や、界面からの水分の侵入による柱状結晶蛍光体層の潮解などの問題を考慮すると上記溶融時粘性率よりも低いことが望ましい。
そこで、ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層を複数積層構造とし、蛍光体層と接する第1の蛍光体保護層8aには、溶融時粘性率の大きい第1のホットメルト樹脂材料を、蛍光体層と接していない第2の蛍光体保護層8bには、第1のホットメルト樹脂よりも溶融時粘性率の小さな第2のホットメルト樹脂材料を用いて形成することが好ましい。かかる観点から蛍光体層と接することがなく、また反射層やパッシベーション膜等との密着性が求められるホットメルト樹脂に求められる粘性率は1×10(Pa・s)〜 6.0×10(Pa・s)であることが望ましい。
(2)また、上記構成の第1及び第2の蛍光体保護層8a,8bにおいて、第2の蛍光体保護層8bは、第1の蛍光体保護層8a上に形成される。第2の蛍光体保護層8b形成時において、第1の蛍光体保護層8aが溶融し、層の厚さや形状に変化が生じると、解像度や耐湿性に変化が生じる可能性がある。
そこで、ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層を複数積層構造とし、蛍光体層と接する第1の蛍光体保護層には、蛍光体層と接していない第2の蛍光体保護層よりも高い融点(溶融(流動)開始温度)の材料を用いて形成することが好ましい。
(3)上記2つの観点より、
1).第1の蛍光体保護層に用いられる第1のホットメルト樹脂の処理温度t1における粘性率(粘度)をn1(t1)、第2の蛍光体保護層に用いられる第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における粘性率(粘度)をn2(t2)、とすると、 n1(t1)>n2(t2)
ホットメルト樹脂に求められる粘性率を考慮すると、
1×10(Pa・s)≦n2(t2)<n1 (t1)≦ 1×10(Pa・s)であることが望ましい。
2).第1の蛍光体保護層に用いられる第1のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTr1、第2の蛍光体保護層に用いられる第2のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTr2、とすると、 Ty1>Ty2
ホットメルト樹脂に求められるよう融解し温度を考慮すると、70℃ ≦Ty2<Ty1 ≦150℃
なお、第2の蛍光体保護層8bは反射層及びパッシベーション膜との十分な密着性を確保できれば、第1の蛍光体保護層8aが形成されるときに、第2の蛍光体保護層8bが溶融しても問題ない場合には、シート上に第2の蛍光体保護層8b、第1の蛍光体保護層8aを形成した後に、蛍光体層と密着させる場合においても、第1の蛍光体保護層に第2の蛍光体保護層よりも高い融点(溶融(流動)開始温度)の材料を用いることができる。
3).上記n1(t1)は、柱状結晶構造の蛍光体層の柱状結晶間に入り込まない程度である必要があるため、
1×10(Pa・s)≦n1(t1) ≦1×10(Pa・s)
4).上記n2(t2)は、微小な凹凸を有する金属膜などからなる反射層と良好に密着するために、
1×10(Pa・s)≦n2(t2) ≦6.0×10(Pa・s)
5).第1のホットメルト樹脂の第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における粘性率をn1(t2)とすると、
n1(t2)>n2(t2)
以下、ホットメルト樹脂について、更に説明する。
ホットメルト樹脂は、水や溶剤を含まない、室温で固体であり、100%不揮発性の熱可塑性材料からなる接着性樹脂と定義されるものである(Thomas.P.Flanagan,Adhesive Age,9,No3,28(1966))。ホットメルト樹脂は、樹脂温度が上昇すると溶融し、樹脂温度が低下すると固化するものである。またホットメルト樹脂は、加熱溶融状態で、他の有機材料、および無機材料に接着性をもち、常温で固体状態となり接着性を持たないものである。また、ホットメルト樹脂は極性溶媒、溶剤、および水を含んでいないので、蛍光体層(例えば、ハロゲン化アルカリからなる柱状結晶構造を有する蛍光体層)に接触しても蛍光体層を溶解しないため、蛍光体保護層として使用され得る。ホットメルト樹脂は、熱可塑性樹脂を溶剤に溶かし、溶媒塗布法によって形成された溶剤揮発硬化型の接着性樹脂とは異なる。またエポキシ等に代表される化学反応によって形成される化学反応型の接着性樹脂とも異なる。
ホットメルト樹脂材料は主成分であるベースポリマー(ベース材料)の種類によって分類され、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等を用いることができる。上記のごとく蛍光体保護層8a,8bとしては、防湿性が高く、蛍光体から発生する可視光線を透過する光透過性が高いことが重要である。蛍光体保護層8a,8bとして必要とされる防湿性を満たすホットメルト樹脂としてポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。特に吸湿率が低いポリオレフィン樹脂が好ましい。また光透過性の高い樹脂として、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。したがって蛍光体保護層8a,8bとしてポリオレフィン系樹脂をベースにしたホットメルト樹脂が好ましい。
なお、上述したように、蛍光体下地層6と蛍光体保護層8a(又は蛍光体保護層8a,8b)が接する蛍光体層7が形成された周囲の領域において、蛍光体層7が形成された領域を取り囲むようにホットプレス処理によりホットプレス(加熱加圧接着)を行うことが望ましく、このような目的からも、温度が上昇すると溶融し被着体に接着し、樹脂温度が冷却されると固化する性質を有する、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等のホットメルト樹脂が好適に用いられるものである。
蛍光体保護層8a,8bの形成温度としては、蛍光体層7または受光部15である光電変換素子2、配線3、TFT(不図示)に悪影響を及ぼさない温度であることが要求される。蛍光体保護層8に用いられるホットメルト樹脂の形成温度は、樹脂の溶融開始温度に依存する。蛍光体保護層8に用いられるホットメルト樹脂の溶融開始温度は、70℃以上で、150℃以下が好ましい。70℃より低いと、製品の耐熱性、保存耐久性が劣る、150℃を超えると、蛍光体層7の表面に貼りあわせる温度が150℃を超えた温度が必要となり、ガラス等からなる基板1とホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8の熱膨張差が大きくなり、基板1に蛍光体保護層8を形成したときに基板1のそりが大きくなり好ましくない。
上記ポリエステル系の樹脂では、70℃から150℃で形成、密着処理可能な溶融粘度にするためには、多くの可塑剤が必要となる。この可塑剤は蛍光体層7に拡散し蛍光体層7の劣化等につながる恐れがある。したがって、ホットメルト樹脂の溶融開始温度範囲の好適な範囲を考慮すると、多くの可塑剤の使用を必要としないポリオレフィン系樹脂材料がより好ましい。
柱状結晶構造を有する蛍光体層7の柱状結晶間へのホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層8aのしみ込みは、ホットメルト樹脂の溶融時の粘性率(溶融粘度)に依存する。しみ込みに関して求められる溶融時の粘性率としては、ホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層8aの形成温度である100〜140℃において、1×10Pa・s以上であることが望ましい。より好ましくは、 1.5×10Pa・s以上であることが望ましい。溶融時の粘性率が1×10Pa・sに満たないと蛍光体層7の柱状結晶間にホットメルト樹脂がしみ込み、蛍光体層7で変換された光が散乱し、受光部15で検出される画像の解像度が低下してしまう。また本発明の蛍光体保護層8bに用いられるホットメルト樹脂の粘性率としては、蛍光体層7への染み込みを考慮する必要はなく、微小な凹凸を有する金属膜などからなる反射層との密着性の向上を考慮すると、ホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層8bの形成温度である100〜140℃において、1×10Pa・s以上であることが望ましい。
ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8aと蛍光体層7及び/または蛍光体下地層6との密着性は、樹脂溶融時の粘性率、樹脂の抗張力に依存する。密着性に関して求められる粘性率としては1×10Pa・s以下であることが望ましい。より好ましくは、 6.0×10Pa・s以下であることが望ましい。溶融時の粘性率が1×10Pa・sを超えてしまうと蛍光体層7および蛍光体下地層6に対して必要とされる密着力が得られない。よって本発明の蛍光体保護層8aに用いられるホットメルト樹脂の粘性率としては、100〜140℃において1×10〜1×10Pa・sであることが望ましい。より好ましくは1.5×10〜6.0×10Pa・sであることが望ましい。また本発明の蛍光体保護層8bに用いられるホットメルト樹脂の粘性率としては、微小な凹凸を有する金属膜などからなる反射層との密着性を考慮すると100〜140℃において6.0×10Pa・s以下であることが望ましい。
また、密着性に関して求められる抗張力としては40〜300Kg/cm、好ましくは50〜200Kg/cmであることが望ましい。抗張力が40Kg/cmに満たないと、蛍光体保護層8a,8bとして求められる強度が不足する恐れがある。また、抗張力が300Kg/cmを超えてしまうと、基板1と蛍光体保護層8a,8bとの間の熱膨張差によって引き起こされる蛍光体保護層8aと蛍光体層7との層間剥離、または蛍光体層7と蛍光体下地層6との層間剥離を防ぐことができない恐れがある。また、上記層間剥離は、抗張力のほかに破壊伸び率にも依存する。本発明に蛍光体保護層8a,8bに用いられるホットメルト樹脂の破壊伸び率としては、400%以上、好ましくは600〜1000%であることが望ましい。
本発明における蛍光体保護層8a,8bに用いられるホットメルト樹脂に求められる、溶融時粘性率、抗張力及び破壊伸び率による密着力、溶融開始温度は、
(1)ホットメルト樹脂中に含まれる共重合体の含有量、
(2)ホットメルト樹脂中に含まれる共重合体におけるアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルの含有量、
(3)ホットメルト樹脂中に含まれる添加剤の含有量、
の要素を単独あるいは2つ以上の要素の組み合わせにより変化させることによって制御することができる。以下にホットメルト樹脂に含まれる共重合体及び各種共重合体を構成する物質について説明する。
本発明に於いて、蛍光体保護層8に好適に用いられるポリオレフィン系のホットメルト樹脂は、A.エチレン−酢酸ビニル共重合体、B.エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、C.エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EMA)、D.エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、E.エチレン−メタクリル酸エステル共重合体(EMMA)、および、アイオノマー樹脂から選ばれる共重合体の少なくとも1種を主成分として含有することが好ましい。
以下、上記5つの共重合体A〜Eについて説明する。
A. エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレン単位; −CH−CH− と、
酢酸ビニル; ―CH−CH(OCOCH)−の分子構造を有する物質の共重合体であり、一般式は −〔(CH−CH−CH−CH(OCOCH−〕 (a,b,nは整数)
で示される。エチレンに対する酢酸ビニルの含有量は2−40重量%であることが望ましい。ホットメルト樹脂の防湿性を高くするには酢酸ビニルの含有率を低くすることが好ましい。また、蛍光体との接着力を高くするためには、酢酸ビニルの含有率を高くすることが好ましい。本発明における蛍光体保護層に用いるホットメルト樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有率が5−20%であることが好ましい。
B. エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)は、エチレン単位;−CH−CH− と、ポリエチレンの構造中にランダムにカルボキシル基が含まれた構造を有するアクリル酸;−CH−CHCOOH− の分子構造を有する物質の共重合体であり、一般式は、
−〔(CH−CH−(CH−CHCOOH)−〕 (a,b,nは整数)
で示される。エチレンに対するアクリル酸の含有率は、4−20重量%であることが望ましい。
上記酢酸ビニルと同様に、ホットメルト樹脂の防湿性を高くするにはアクリル酸の含有率を低くすることが好ましい。また、蛍光体層との密着力を高くするためには、アクリル酸の含有率を高くすることが好ましい。本発明における蛍光体保護層8に用いるホットメルト樹脂としては、エチレン−アクリル酸共重合体の含有率が5〜20%であることが望ましい。
C. エチレン−アクリル酸エステル共重合体は、エチレン単位;−CH−CH− と、アクリル酸エステル;−CH−CHCOOR− の分子構造を有する物質の共重合体であり、一般式は、
−〔(CH−CH)a−(CH−CHCOOR)b−〕n (a,b,nは整数)
で示される(ここで、R:CH,C,Cのいずれかである)。エチレンに対するアクリル酸エステルの含有率は2〜35重量%であることが望ましい。上記同様に、ホットメルト樹脂の防湿性を高くするにはアクリル酸エステルの含有率を低くすることが好ましい。また、蛍光体層との密着力を高くするためには、アクリル酸エステルの含有量を高くすることが好ましい。本発明における蛍光体保護層8に用いるホットメルト樹脂としては、エチレン−アクリル酸エステル共重合体の含有率が8〜25%であることが望ましい。
D. エチレン−メタクリル酸共重合体は、エチレン単位;−CH−CH− と、ポリエチレンの構造中にランダムにカルボキシル基が含まれる構造を有するメタクリル酸;−CH−CCHCOOH− の分子構造を有する物質の共重合体であり、一般式は、
−〔(CH−CH−(CH−CCHCOOH)−〕 (a,b,nは整数)
で示される。エチレンに対するメタクリル酸の含有率は2〜20重量%であることが望ましい。上記同様に、ホットメルト樹脂の防湿率を高くするにはメタクリル酸の含有率を低くすることが好ましい。また、蛍光体層との密着力を高くするためには、メタクリル酸の含有率を高くすることが好ましい。本発明における蛍光体保護層8に用いるホットメルト樹脂としては、エチレン−メタクリル酸共重合体の含有率が5〜15%であることが望ましい。
E. エチレン−メタクリル酸エステル共重合体は、エチレン単位;−CH−CH− と、メタクリル酸エステル;−CH−CCHCOOR− の分子構造を有する物質の共重合体であり、一般式は、
−〔(CH−CH−(CH−CCHCOOR)−〕 (a,b,nは整数)
で示される。エチレンに対するメタクリル酸エステルの含有率は2〜25重量%であることが望ましい。上記同様に、ホットメルト樹脂の防湿率を高くするにはメタクリル酸エステルの含有率を低くすることが好ましい。また、蛍光体層との密着力を高くするためには、メタクリル酸エステルの含有率を高くすることが好ましい。本発明における蛍光体保護層8に用いるホットメルト樹脂としては、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体の含有率が3〜15%であることが望ましい。
本発明の蛍光体保護層8a,8bに用いられるホットメルト樹脂としては、上記5種類の共重合体の少なくとも1種を含有するものであり、又2種以上の混合物を含有させてもよい。また本発明のホットメルト樹脂において、同種の共重合体の2つ以上の異なる共重合体、例えばエチレン−メタクリル酸メチル共重合体とエチレン−メタクリル酸エチル共重合体の混合物を接着剤層中に含有させても良い。
また、本発明のホットメルト樹脂において、ホットメルト樹脂に含まれる共重合体の重量平均分子量は約5,000〜1,000,000であることが望ましい。
また、ホットメルト樹脂に添加する添加剤としては、例えば粘着付与剤や軟化剤が挙げられる。粘着付与剤としては例えばロジン,重合ロジン,水素添加ロジン,ロジンエステル等の天然樹脂及びその変成品,脂肪族化合物,脂環式化合物,芳香族,石油樹脂,テルペン樹脂,テルペン・フェノール樹脂,水素添加テルペン樹脂,クマロン樹脂などが挙げられる。また、軟化剤としては、例えばプロセスオイル,パラフィンオイル,ヒマシ油,ポリブテン,低分子量ポリイソプレン等が挙げられる。
放射線検出装置(特に人体や動物撮影用の放射線検出装置)の蛍光体保護層として用いるホットメルト樹脂としては、消毒用のアルコールが飛散しても蛍光体保護層の機能が損なわれないことが好ましい。
消毒用のアルコールであるエチルアルコールに不溶または微溶のホットメルト樹脂としては、前記ホットメルト樹脂中の密着付与材等の添加剤の含有量が20%以下であることが好ましい。特に10%以下であることが好ましい。エタノールは、放射線検出装置の使用環境である病院等で使用される溶剤であり、放射線検出装置に接触することがある。溶剤への溶解成分が20%以下であれば蛍光体保護層の溶解に起因する剥離が生じないことを発明者は見出した。
また、ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8aと柱状結晶構造を有する蛍光体層7との密着力を向上させるために、ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8aの蛍光体層7に接する表面を、あらかじめ表面改質して該表面の臨界表面張力を40×10−3J/m以上、好ましくは45×10−3J/m以上とすることによって、密着力を向上させることができる。ホットメルト樹脂の組成として共重合体のアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の含有量を20wt%以下とした場合、ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8aの臨界表面張力が例えば30〜37×10−3J/mとなり、蛍光体層7表面、およびその周囲のセンサーパネル16の表面に対する濡れ性が悪くなる。そのため、蛍光体保護層8aと蛍光体層7及びセンサーパネル16との密着性が若干低下する傾向にあるが、上記したホットメルト樹脂の表面を改質し臨界表面張力を向上させることで密着力を向上させることができる。
このとき表面改質の方法としては特に限定されないが、例えばコロナ放電処理、オゾン処理、アルカリ処理、アルゴンプラズマ処理、酸素プラズマ処理等が適宜用いられる。ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8a,8bの両表面にコロナ放電装置を用いてコロナ放電処理を行なうことによって、蛍光体保護層8a,8bの表面の臨界表面張力を向上させることができる。なお、本発明に於いて臨界表面張力の測定はJIS K−6768の方法に従って行なったものである。
なお、本発明における蛍光体保護層8a,8bとセンサーパネル16との間で求められる密着力としては、90°型剥離試験において0.1kg/25mm以上が好ましい。
ホットメルト樹脂を蛍光体保護層8a,8bとして、蛍光体層表面に形成する方法は、蛍光体保護層8a、蛍光体保護層8bの順で蛍光体層表面に積層する方法、蛍光体保護層8a,8bを有する樹脂シートを蛍光体層表面に貼り合わせる方法等、以下に示す方法がある。
(1)、第1の蛍光体保護層8a、第2の蛍光体保護層8bの順で蛍光体層表面に積層する方法
a) 第1の蛍光体保護層8aの形成方法
a−1) 直接塗布法
図5(a)〜(c)に示すように、第1のホットメルト樹脂を溶融し、塗布装置を用いて溶融した樹脂を直接、蛍光体層7及び蛍光体下地層6上の所定の位置に配置する方法である。
ダイコータ、またはホットメルトアプリケーターを用いて溶融した第1のホットメルト樹脂を直接、柱状結晶構造を有する蛍光体層の上に塗布し、放熱硬化することで第1の蛍光体保護層8aを得ることができる。厚さ20μm以上の蛍光体保護層の形成時間は、数秒から数分の間である。図5(a)〜図5(c)を用いて具体的に説明すると、まず図5(a)に示すように、溶融された第1のホットメルト樹脂18aをタンク(不図示)及びダイコータ17内に準備し、センサーパネル16の蛍光体下地層6(不図示)上の所定の位置に配置する。次に図5(b)に示すように、蛍光体下地層6の所定の位置より溶融されたホットメルト樹脂18aを射出しながらダイコータ17を走査して蛍光体層7の端面及び上面に塗布する。次に図5(c)に示すように、蛍光体層7及びその周囲の蛍光体下地層6に第1のホットメルト樹脂を塗布して被覆し、放熱硬化し第1の蛍光体保護層8aを形成して終了する。
a−2) フィルムシート法
フィルムシートF上に溶融した第1のホットメルト樹脂を押しだしコート法により射出して蛍光体保護シートを形成し、蛍光体保護シートを蛍光体層7上に重ねて熱ロールラミネートすることで、第1の蛍光体保護層18aを蛍光体層上に形成する。
図6(a)、(b)に示されるように、溶融された第1のホットメルト樹脂をタンク20及びダイコータ17内に準備するとともに、ロール状に準備されたフィルムシートFを準備し、しわ取りロール21,22によってしわを伸ばされたフィルムシートF上に成形ロール23,24間で溶融された第1のホットメルト樹脂18aを押し出しコート法により塗布し、成形ロール24により成形後、冷却ロール25にて冷却硬化し、切断手段26にて所定のサイズに切り出す。こうして、フィルムシートF上に押し出しコート法によってホットメルト樹脂層からなる第1の蛍光体保護層8aを形成し、図6(b)で示される蛍光体保護シートを形成する。次に図7(a)に示すように、得られた蛍光体保護シートをセンサーパネル16の蛍光体下地層6上及び蛍光体層7上に重ねて、熱ラミネートローラ27によってホットメルト樹脂の溶融温度以上に第1の蛍光体保護層8aのホットメルト樹脂を加熱して溶融し、熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させて、蛍光体下地層6上の蛍光体保護シート上の所定の開始位置から蛍光体層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。ここで放射線検出装置を平面で90°回転させて再度、蛍光体下地層6上の蛍光体保護シート上の所定の開始位置から蛍光体層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。その後、ホットメルト樹脂が溶融状態の間にフィルムシートFを剥離する。こうして、図7(b)に示すように、第1の蛍光体保護層8aが蛍光体層7及びセンサーパネル16の蛍光体下地層に密着して形成される。熱ラミネートロールの温度は90−180℃の範囲で調整する。熱ラミネートロールの回転速度は0.01−1m/minの範囲で調整できる。熱ラミネートロールの圧力は、1−50kg/cmの範囲で調整する。
a−3) 蛍光体保護シート真空プレス法
図6で形成した蛍光体保護シートを蛍光体層7及び蛍光体下地層6上に設ける方法として、図13及び図14を用いて説明する蛍光体保護シート真空プレス法を用いることもできる。この場合、フィルムシート法と同様に、蛍光体保護シートを蛍光体層7及び蛍光体下地層6上に密着させた後に、フィルムシートFを剥離することで、第1の蛍光体保護層8aを蛍光体層7及び蛍光体下地層6上に設けることができる。
b) 第2の蛍光体保護層8bの形成方法
b−1) 直接塗布法
第2のホットメルト樹脂を溶融し、塗布装置を用いて溶融した第2のホットメルト樹脂を直接、第1の蛍光体保護層8a上に塗布して形成する方法である。
まず図8(a)に示すように、溶融された第2のホットメルト樹脂18bをタンク(不図示)及びダイコータ17を内に準備し、第1の蛍光体保護層8a上の所定の位置に配置する。
次に図8(b)に示すように、第1の蛍光体保護層8aもしくは蛍光体下地層6上の所定の位置より溶融された第2のホットメルト樹脂18bを射出しながらダイコータ17を走査して第1の蛍光体保護層8a上に塗布する。
次に図8(c)に示すように、第1の蛍光体保護層8aもしくは周囲の蛍光体下地層6をホットメルト樹脂を塗布して被覆し、放熱硬化して第2の蛍光体保護層8bを形成して終了する。
b−2) 蛍光体保護シート熱ロールラミネート法
図9、図10に示すように、図6、図7と同様にフィルムシート法を用いて第1の蛍光体保護層8a上に第2の蛍光体保護層8bを形成することができる。すなわち、フィルムシートF上に押し出しコート法によって第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層8bを形成して、図9(b)で示される蛍光体保護シートを形成する。次に図10(a)に示すように、得られた蛍光体保護シートを第1の蛍光体保護層8a上に重ねて、熱ラミネートローラ27によってホットメルト樹脂の溶融温度以上に第2の蛍光体保護層8bのホットメルト樹脂を加熱して溶融し、熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させ、第1の蛍光体保護層8a上に第2の蛍光体保護層8bを形成する。その後、第2のホットメルト樹脂が溶融状態の間にフィルムシートFを剥離する。こうして、図10(b)に示すように、第1の蛍光体保護層8a上に第2の蛍光体保護層8bが密着して形成される。
また反射層保護層10となる樹脂及び反射層9となる金属膜上に溶融した第2のホットメルト樹脂を押し出しコート法により射出して蛍光体保護シート(第2の蛍光体保護層8b,反射層9,反射層保護層10からなる)を形成し、蛍光体保護シートを第1の蛍光体保護層8a上に重ねて熱ロールラミネートすることで第1の蛍光体保護層8a上に第2の蛍光体保護層8bを形成することができる。この方法では反射層9,反射層保護層10を同時に形成することができる。以下この方法について説明する。
図11(a)に示すように、溶融された第2のホットメルト樹脂をタンク20及びダイコータ17内に準備し、ロール状に準備された反射層9及び反射層保護層10の積層からなる積層シートを準備し、しわ取りロール21,22によってしわを伸ばされた積層シート上に成形ロール23,24間で溶融された第2のホットメルト樹脂18bを押し出しコート法により塗布する。その後、成形ロール24により成形し、冷却ロール25にて冷却硬化、切断手段26にて所定のサイズに切り出す。
図11(b)に示すように、第2の蛍光体保護層8b、積層シート(反射層9、反射層保護層10の積層体)からなる蛍光体保護シートSを作成する。
さらに、図12(a)に示すように、得られた蛍光体保護シートSをセンサーパネル16の第1の蛍光体保護層8a上もしくは蛍光体下地層6上に重ねて、熱ラミネートローラ27によって第2のホットメルト樹脂の溶融温度以上にホットメルト樹脂を加熱して溶融する。熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させて、第1の蛍光体保護層8a上の蛍光体保護シート上の所定の開始位置から第1の蛍光体保護層8a上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。放射線検出装置を平面で90°回転させて再度、第1の蛍光体保護層8a上の蛍光体保護シート上の所定の開始位置から第1の蛍光体保護層8a上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。
図12(b)に示すように、蛍光体保護シートが第1の蛍光体保護層8aに密着される。
b−3) 蛍光体保護シート真空プレス法
反射層保護層10となる樹脂及び反射層9となる金属膜上に溶融した第2のホットメルト樹脂を押し出しコート法により射出して蛍光体保護シート(第2の蛍光体保護層8b,反射層9,反射層保護層10からなる)を形成し、蛍光体保護シートを第1の蛍光体保護層8a上に重ねて真空プレス装置で圧着して形成する。
図13に示すように、真空プレス装置内の加熱ステージ30上に第1の蛍光体保護層8aが形成された放射線検出装置を設置し、さらに図11(a),(b)で得られた蛍光体保護シートSを重ねる。
次に図14に示すように、プレス部材31(ダイヤフラムゴムなど)の放射線検出装置が配置された側の空間を減圧し、プレス部材31の放射線検出装置が配置された側と反対側の空間を加圧する。また、加熱ステージ30でセンサーパネル側から加熱し、ヒータ29で真空プレス装置内を加熱する。こうして、第2のホットメルト樹脂が溶融して圧着される。加熱をとめて放熱により冷却し、放射線検出装置が配置された空間の減圧及び放射線検出装置が配置された反対側の空間の加圧をとめる。真空プレス装置内から放射線検出装置を取り出して完成する。ダイヤフラムゴムによって、蛍光体保護シートは第1の蛍光体保護層8aに、隙間無く密着するように加圧され、さらに第2のホットメルト樹脂の溶融開始温度よりも10−60℃程高い温度で、数秒―数分加熱することで第2のホットメルト樹脂が溶融する。加圧圧力は、1−50kg/cmの範囲で調整する。
上述した、a−1)、b−1)の直接塗布法では、従来のCVD法によりポリパラキシリレン製有機膜を形成する方法にくらべて、短時間、作製の容易性、コスト、膜厚均一性、において優れている。
また上述したa−2)、a−3)、b−2)、b−3)の蛍光体保護シートは、熱ラミネートロール法の図6、図9、図11で示された方法により形成されることができる。よって
1)蛍光体保護シートが容易に大量に形成できる。
2)蛍光体層、蛍光体保護層上への設置は、従来のCVD法により形成されるポリパラキシリレン製樹脂の形成時間に比べて短時間で形成可能である。
3)蛍光体保護シートの大きさを所定の大きさに設定可能であり、従来のCVD法により形成されるポリパラキシリレン製樹脂ではICなどの電気実装用接続部まで形成されてしまうなどの問題が発生することなく形成が可能となる。
(2)蛍光体保護層8a,8bを有する樹脂シートを蛍光体層表面に貼り合わせる方法
a) 蛍光体保護シート熱ロールラミネート法
反射層保護層10となる樹脂及び反射層9となる金属膜上に溶融したホットメルト樹脂を2層押し出しコート法により射出して蛍光体保護シートS’(蛍光体保護層8a,8b、反射層9、反射層保護層10からなる)を形成し、蛍光体保護シートS’を蛍光体層7上に重ねて熱ロールラミネートする方法である。
まず、溶融された第1のホットメルト樹脂をタンク20及びダイコータ17内に準備し、ロール状に準備された反射層9及び反射層保護層10の積層からなる積層シートを準備し、しわ取りロール21,22によってしわを伸ばされた積層シート上に成形ロール23,24間で溶融された第2のホットメルト樹脂を押し出しコート法により塗布し、成形ロール24により成形した後、冷却ロール25にて冷却硬化して積層シート上に第2の蛍光体保護層8bを形成する。さらに、図15(a)に示すように、溶融された第1のホットメルト樹脂をタンク及びダイコータ内に準備し、第2の蛍光体保護層8bが形成された積層シートの第2の蛍光体保護層8b上に二つの成形ロール間で溶融された第1のホットメルト樹脂18aを押し出しコート法により塗布し、成形ロールにより成形した後、冷却ロールにて冷却硬化して、第2の蛍光体保護層8b上に第1の蛍光体保護層8aを形成する。その後、切断手段26にて所定のサイズに切り出しする。
図15(b)に示すように、蛍光体保護層8a、蛍光体保護層8b、反射層9、反射層保護層10の積層体からなる蛍光体保護シートS’を作成する。
さらに図16(a)に示すように、得られた蛍光体保護シートをセンサーパネル16の蛍光体層7及び蛍光体下地層6上に重ねて、熱ラミネートローラ27によって蛍光体層の第1のホットメルト樹脂の溶融温度以上にホットメルト樹脂を加熱して溶融し、熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させて、蛍光体下地層6上の蛍光体保護シート上の所定の開始位置から蛍光体層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。さらに、放射線検出装置を平面で90°回転させて再度、蛍光体下地層6上の蛍光体保護シート上の所定の開始位置から蛍光体層7を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。
こうして、図16(b)に示すように、蛍光体保護シートS’が蛍光体層7及びセンサーパネル16の蛍光体下地層6に密着される。
b) 蛍光体保護シート真空プレス法
蛍光体保護シートS上に溶融した第1のホットメルト樹脂を押し出しコート法により射出して蛍光体保護シートS’(蛍光体保護層8a,8b、反射層9、反射層保護層10からなる)を形成し、蛍光体保護シートS’を蛍光体層7上に重ねて真空プレス装置で圧着して形成する方法である。
まず、図17に示すように、真空プレス装置内の加熱ステージ30上に、蛍光体層7が形成された放射線検出装置を設置し、さらに図15(a),(b)で得られた蛍光体保護シートS’を蛍光体層7上に重ねて配置する。
図18に示すように、プレス部材31(ダイヤフラムゴムなど)の放射線検出装置が配置された側の空間を減圧し、プレス部材31の放射線検出装置が配置された側と反対側の空間を加圧する。また、加熱ステージ30でセンサーパネル側から加熱し、ヒータ29で真空プレス装置内を加熱する。こうして、第1のホットメルト樹脂が溶融して圧着される。加熱をとめて放熱により冷却し、放射線検出装置が配置された空間の減圧及び放射線検出装置が配置された反対側の空間の加圧をとめる。真空プレス装置内から放射線検出装置を取り出して完成する。
[第2の実施の形態]
図19、図20は他の実施形態を示す。本実施形態はセンサーパネル16と、ホットメルト樹脂層で蛍光体層を覆ったシンチレータパネル40とを貼り合わせた、貼り合わせタイプの放射線検出装置を示す。
図19(a)、(b)に示すように、シンチレータパネル40は、支持基板41上に、反射層42、反射層保護層(蛍光体下地層)43、蛍光体層7、蛍光体保護層8a,8bを形成して作製される。シンチレータパネル40にはホットプレス部44が設けられ、このホットプレス部44は反射層42が形成された領域の外側において設けられるのが好ましい。反射層42上の領域でホットプレスを行うと、反射層42が熱により変形をおこし、反射光が所定の画素に入射されず、解像度低下の原因となる可能性があるためである。
本実施の形態において、第1の実施形態と同様のものは、同じ番号により示され、説明は省略する。また、ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8a,8bは、センサーパネル16の代わりに支持基板41、反射層42、蛍光体下地層43からなる支持部材を用いたこと以外同様の方法により形成される。
支持基板41としては、アモルファスカーボン基板やAl基板、ガラス基板、石英基板など種々の放射線透過性の基板を用いることが好ましい。反射層42としては、Al、Ag、Cr、Cu,Ni,Ti,Mg,Rh,Pt、およびAuなどの反射率の高い金属を用いることが好ましい。反射層保護層(蛍光体下地層)43としては、LiF,MgF2,SiO2,Al23,TiO2,MgO,SiNの透明無機膜及びポリイミド等の透明有機膜を用いることが好ましい。また、反射層保護層(蛍光体下地層)43としては、反射層42と蛍光体層7との間で電気化学的腐食の発生を防止するために非導電性材料を用いることが好ましい。
支持基板41に導電性材料を用いた場合には、支持基板41と反射層42との間での電気化学的腐食を防止するために、支持基板41と反射層42の間に絶縁層を形成することが好ましい。
図20(a)、(b)に示すように、かかるシンチレータパネル40とセンサーパネル16をホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層8の接着性を利用して貼り合わせる。貼り合わせ後、封止材45により貼り合わされた放射線検出装置(センサーパネル16とシンチレータパネル40)の周囲を封止する。ここで、貼り合せにおいて、エポキシ樹脂等の一般的な接着材を別途用いてセンサーパネル16とシンチレータパネル40を貼り合わせてもよい。しかしながら別途接着材を用いると、蛍光体層7から受光部15までの距離が大きくなり、蛍光体層7で発せられた光の散乱による解像度の低下が起こる恐れがある。
[第3の実施の形態]
次に本発明に係わる放射線検出装置を用いた放射線検出システムについて図26を用いて説明する。
図26に示すように、X線チューブ6050で発生したX線6060は、患者或いは被験者6061の胸部6062を透過し、放射線検出装置6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応して放射線検出装置6040の蛍光体は発光し、これを光電変換して電気的情報を得る。この情報は、ディジタルに変換されイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室のディスプレイ6080で観察できる。
また、この情報は電話回線6090等の伝送手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールーム等ディスプレイ6081に表示又は光ディスク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。またフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
本実施例は、図1に示される直接蒸着タイプの放射線検出装置の例である。
厚さ0.7mmのガラス基板1上の430mm×430mmの領域に、アモルファスシリコンからなるフォトダイオード(光電変換素子)2、TFT(不図示)、及びAlの配線3からなる、画素サイズ160μm×160μmの画素15を2次元的に配置して受光部15を設けた。また、ガラス基板1の周囲の領域には、受光部15から読み出される光電変換情報を読み出すIC等の配線部材12と電気的に接続するための、Alの取り出し配線4、及び配線接続部11を設けた。その後SiNからなるセンサー保護層5及びポリイミドからなる蛍光体下地層(パッシベーション膜)6を配線接続部11が形成された領域を除いて形成し、センサーパネル16を得た。
得られたセンサーパネル16の受光部15上の蛍光体下地層6上に、ヨウ化セシウム(CsI)にタリウム(Tl)が添加された、柱状結晶構造のCsI:Tlを、真空蒸着法により成膜時間4時間で厚さ550μm形成した。Tlの添加濃度は0.1〜0.3mol%であった。CsI:Tlの柱状結晶の頂面側(蒸着終了表面側)の柱径は平均約5μmであった。形成されたCsI:Tlを200℃の窒素雰囲気下のクリーンオーブン内で2時間熱処理することによって、蛍光体層7を得た。
図11(a),(b)に示されるように、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第2のホットメルト樹脂をタンク20内において130℃で溶融して準備する。また、厚さ25μmのAlからなる反射層9と厚さ25μmのPETからなる反射層保護層10とを積層して形成され、ロール状に準備された積層シートを準備する。しわ取りロール21,22によってしわを伸ばされた積層シート上に、成形ロール23,24間において溶融されたホットメルト樹脂を、ダイコータ17を用いて押し出しコート法によって塗布し、成形ロール24によって成形され、冷却ロール25によって冷却硬化される。上記工程により第2の蛍光体保護層8bとなる厚さ50μmのホットメルト樹脂、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなる蛍光体保護シートSを得た。本実施例では、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第2のホットメルト樹脂として、H−2500(倉敷紡績製)を用いた。
次に、図15(a),(b)に示されるように、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第1のホットメルト樹脂をタンク20内において130℃で溶融して準備する。先に得られロール状に準備された蛍光体保護シートSの第2の蛍光体保護層8b上に同様な方法で第1のホットメルト樹脂を塗布し、成形ロール24によって成形され、冷却ロール25によって冷却硬化される。その後切断手段によって所定のサイズに切り出し、蛍光体保護層8aとなる厚さ50μmの第1のホットメルト樹脂、第2の蛍光体保護層8b、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなる蛍光体保護シートS’を得た。本実施例では、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第1のホットメルト樹脂として、P−2200(倉敷紡績製)を用いた。本実施例において、第1の蛍光体保護層8aと第2の蛍光体保護層8bは共にエチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするため樹脂間の相溶性が良く、第1及び第2の蛍光体保護層8a,8b間で高い密着性を有することが可能となる。
次に、図16(a),(b)に示されるように、得られた蛍光体保護シートS’を蛍光体下地層6及び蛍光体層7上に重ねて、蛍光体層7が設けられた領域の周囲の領域(蛍光体層7の端部と蛍光体下地層6の端部との間の領域)における蛍光体下地層6の表面、蛍光体層7の側面及び頂面を被覆するように、熱ラミネートローラ27によって第1の蛍光体保護層8aを加熱圧着処理する。熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させて、蛍光体下地層6上の蛍光体保護シートS’上の所定の開始位置から蛍光体層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。続いて放射線検出装置を平面で90°回転させて再度、蛍光体下地層6上の蛍光体保護シートS’上の所定の開始位置から蛍光体層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。上記加熱圧着処理により、蛍光体保護シートS’の第1の蛍光体保護層8aと、蛍光体下地層6、蛍光体層7の側面及び頂面が密着され、第1の蛍光体保護層8a、第2の蛍光体保護層8b、反射層9、及び反射層保護層10からなる蛍光体保護部材を得た。ここで、上記加熱圧着は、熱ラミネートローラ27のローラ温度を130℃、ロール回転速度を0.1m/min、圧力10kg/cmの条件で行った。
次に、図4(c)に示されるように、430mm×3mmの大きさの加熱プレス部32を有する加熱プレス装置を用いて、取り出された放射線検出装置の、蛍光体下地層6上に密着された第1の蛍光体保護層8aの所定の領域を加熱加圧処理(ホットプレス処理)するため反射層保護層10上から一括してホットプレス処理することによって、第1の蛍光体保護層8aが蛍光体下地層6上の配線間隔に起因する凹凸を埋めるように第1の蛍光体保護層8aが入り込み、かつ、他の領域より層厚が薄く形成されたホットプレス部14aが形成される。上記ホットプレス部14aが形成されることにより、凹凸によって発生しうる隙間部31(図3(b)参照)を埋めることができ、それによって、蛍光体下地層6と第1の蛍光体保護層8aの密着性の向上、及び蛍光体下地層6と第1の蛍光体保護層8aの界面における防湿性の向上といった効果が得られる。上記ホットプレス処理を放射線検出装置の各辺ごとに行い、ホットプレス処理された放射線検出装置を得た。上記ホットプレス処理は、加熱温度170℃、加圧圧力5kg/cm、加熱加圧時間を10秒として行った。
次に、ICが設けられたTCP(テープキャリアパッケージ)からなる配線部材12を、ACF(異方性接着材)を用いて150℃で圧着して配線接続部11に接続し、図1に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、蛍光体層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、蛍光体層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
本実施例では、実施例1の蛍光体保護層8に用いられたホットメルト樹脂材料及び形成方法と、異なるホットメルト樹脂材料及び形成方法を用いたこと以外は、実施例1と同様の放射線検出装置を実施例1と同様の方法にて製造した。
実施例1と同様な方法により得られたセンサーパネル16の受光部15上の蛍光体下地層6上に、実施例1と同様な方法により柱状結晶構造のCsI:Tlからなる蛍光体層7を得た。
次に図9(a),(b)に示されるように、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第1のホットメルト樹脂をタンク20内において130℃で溶融して準備する。また、ロール状に準備されたシートFを準備する。しわ取りロール21,22によってしわを伸ばされたシートF上に、成形ロール23,24間において溶融された第1のホットメルト樹脂を、ダイコータ17を用いて押し出しコート法によって塗布し、成形ロール24によって成形され、冷却ロール25によって冷却硬化される。その後切断手段によって所定のサイズに切り出し、第1の蛍光体保護層8aとなる厚さ50μmのホットメルト樹脂を有する蛍光体保護層シートを得た。本実施例では、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第1のホットメルト樹脂として、P−2200(倉敷紡績製)を用いた。
次に図10(a),(b)に示されるように、得られた蛍光体保護層シートを蛍光体下地層6及び蛍光体層7上に重ねて、蛍光体層7が設けられた領域の周囲の領域(蛍光体層7の端部と蛍光体下地層6の端部との間の領域)における蛍光体下地層6の表面、蛍光体層7の側面及び頂面を被覆するように、熱ラミネートローラ27によって第1の蛍光体保護層8aを加熱圧着処理する。熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させて、蛍光体下地層6上の蛍光体保護層シート上の所定の開始位置から蛍光体層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。続いて放射線検出装置を平面で90°回転させて再度、蛍光体下地層6上の蛍光体保護層シート上の所定の開始位置から蛍光体層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。上記加熱圧着処理により、第1の蛍光体保護層8aと、蛍光体下地層6、蛍光体層7の側面及び頂面が密着される。ここで、上記加熱圧着は、熱ラミネートローラ27のローラ温度を130℃、ロール回転速度を0.1m/min、圧力10kg/cmの条件で行った。更に第1のホットメルト樹脂8aが冷却固化される前にシートFを剥離し、第1の蛍光体保護層8aの形成工程を終了する。
次に図11(a),(b)に示されるように、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第2のホットメルト樹脂をタンク20内において130℃で溶融して準備する。また、厚さ25μmのAlからなる反射層9と厚さ25μmのPETからなる反射層保護層10とを積層して形成され、ロール状に準備された積層シートを準備する。しわ取りロール21,22によってしわを伸ばされた積層シート上に、成形ロール23,24間において溶融されたホットメルト樹脂を、ダイコータ17を用いて押し出しコート法によって塗布し、成形ロール24によって成形され、冷却ロール25によって冷却硬化される。その後切断手段によって蛍光体保護層シートより大きいサイズに切り出し第2の蛍光体保護層8bとなる厚さ50μmのホットメルト樹脂、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなる蛍光体保護シートSを得た。本実施例では、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第2のホットメルト樹脂として、H−2500(倉敷紡績製)を用いた。
次に図12(a),(b)に示されるように、得られた蛍光体保護シートSを蛍光体下地層6及び第1の蛍光体保護層8a上に重ねて、第1の蛍光体保護層8aが設けられた領域の周囲の領域(第1の蛍光体保護層8aの端部と蛍光体下地層6の端部との間の領域)における蛍光体下地層6の表面、第1の蛍光体保護層8aの表面を被覆するように、熱ラミネートローラ27によってホットメルト樹脂を加熱圧着処理する。熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させて、蛍光体下地層6上の蛍光体保護シートS上の所定の開始位置から第1の蛍光体保護層8a上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。続いて放射線検出装置を平面で90°回転させて再度、蛍光体下地層6上の蛍光体保護シートS上の所定の開始位置から第1の蛍光体保護層8a上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。上記加熱圧着処理により、蛍光体保護シートSの第2の蛍光体保護層8bと、蛍光体下地層6、第1の蛍光体保護層8aの表面が密着され、第1の蛍光体保護層8a、第2の蛍光体保護層8b、反射層9、及び反射層保護層10からなる蛍光体保護部材を得た。ここで、上記加熱圧着は、熱ラミネートローラ27のローラ温度を130℃、ロール回転速度を0.1m/min、圧力10kg/cmの条件で行った。
次に、430mm×3mmの大きさの加熱プレス部32を有する加熱プレス装置を用いて、取り出された放射線検出装置の、蛍光体下地層6上に密着された第2の蛍光体保護層8bの所定の領域を加熱加圧処理(ホットプレス処理)するため反射層保護層10上からホットプレス処理することによって、第2の蛍光体保護層8bが蛍光体下地層6上の配線間隔に起因する凹凸を埋めるように第2の蛍光体保護層8bが入り込み、かつ、他の領域より層厚が薄く形成されたホットプレス部14cが形成される。上記ホットプレス部14cが形成されることにより、凹凸によって発生しうる隙間部を埋めることができ、それによって、蛍光体下地層6と第2の蛍光体保護層8bの密着性の向上、及び蛍光体下地層6と第2の蛍光体保護層8bの界面における防湿性の向上といった効果が得られる。上記ホットプレス処理を放射線検出装置の各辺ごとに行い、ホットプレス処理された放射線検出装置を得た。上記ホットプレス処理は、加熱温度170℃、加圧圧力5kg/cm、加熱加圧時間を10秒として行った。
次に、実施例1と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、図21に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、蛍光体層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、蛍光体層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
本実施例では、実施例2の第1の蛍光体保護層8a及び第2の蛍光体保護層8bに用いられたホットメルト樹脂材料と異なるホットメルト樹脂材料を用いたこと以外は、実施例2と同様の放射線検出装置を実施例2と同様の方法にて製造した。
実施例1、2と同様な方法により得られたセンサーパネル16の受光部15上の蛍光体下地層6上に、実施例1、2と同様な方法により柱状結晶構造のCsI:Tlからなる蛍光体層7を得た。
次に第2の実施例と同様に、第1の蛍光体保護層8aとなる厚さ30μmのホットメルト樹脂を有する蛍光体保護層シートを得た。本実施例では、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第1のホットメルト樹脂として、O−4121(倉敷紡績製)を用いた。得られた蛍光体保護層シートを第2の実施例と同様の方法により蛍光体下地層6、蛍光体層7の側面及び頂面が密着された第1の蛍光体保護層8aを設けた。ここで本実施例では第1の蛍光体保護層8a上から可視光にて蛍光体層7の検査を行う。本実施例で用いられたホットメルト樹脂は可視光透過性を有するため、蛍光体層7の検査に紫外線を用いることなく可視光での検査が可能となるため、光電変換素子2に悪影響を与えることなく簡便に検査を行うことができるという利点を有する。
次に、実施例2と同様な方法により、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂を厚さ70μmで積層シート上に第2の蛍光体保護層8bとして設け、第2の蛍光体保護層8b、反射層9、及び反射層保護層10の積層構造からなる蛍光体保護シートSを得た。得られた蛍光体保護シートSの第2の蛍光体保護層8bを実施例2と同様な方法により蛍光体下地層6、第1の蛍光体保護層8aの表面と密着させ、第1の蛍光体保護層8a、第2の蛍光体保護層8b、反射層9、及び反射層保護層10からなる蛍光体保護部材を得た。本実施例では、上記エチレン−メタクリル酸エステル共重合体を主成分とする第2のホットメルト樹脂として、H−2500(倉敷紡績製)を用いた。また、本実施例の第2のホットメルト樹脂には、カーボンブラックを20wt%含有させ、第2の蛍光体保護層8bは黒色を有する樹脂としている。これにより第2の蛍光体保護層8bは受光部15に外光が入射することを防ぐ遮光層としての機能も有する。
次に実施例2と同様の方法によりホットプレス処理を放射線検出装置の各辺ごとに行い、ホットプレス処理された放射線検出装置を得た。
次に、実施例1と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、図21に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、蛍光体層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、蛍光体層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
本実施例は、図20(a),(b)に示される、貼り合わせタイプの放射線検出装置の例である。
厚さ0.7mmのガラス基板1上の430mm×430mmの領域に、アモルファスシリコンからなるフォトダイオード(光電変換素子)2、TFT(不図示)、及びAlの配線3からなる、画素サイズ160μm×160μmの画素15を2次元的に配置して受光部15を設けた。また、ガラス基板1の周囲の領域には、受光部15から読み出される光電変換情報を読み出すIC等の配線部材12と電気的に接続するための、Alの取り出し配線4、及び配線接続部11を設けた。その後SiNからなるセンサー保護層5及びポリイミドからなるパッシベーション膜6を配線接続部11が形成された領域を除いて形成し、センサーパネル16を得た。
次に、厚さ1mmのアモルファスカーボン製の支持基板41上に、厚さ3000ÅのAlを蒸着して反射層42を形成し、支持基板41の反射層42が形成された側の表面および反射層42を被覆するようにポリイミドからなる蛍光体下地層(反射層保護層)43を形成して支持部材を得た。次に、蛍光体下地層43上に、ヨウ化セシウム(CsI)にタリウム(Tl)が添加された、柱状結晶構造のCsI:Tlを、真空蒸着法により成膜時間4時間で厚さ550μm形成した。Tlの添加濃度は0.1〜0.3mol%であった。CsI:Tlの柱状結晶の頂面側(蒸着終了表面側)の柱径は平均約5μmであった。形成されたCsI:Tlを200℃の窒素雰囲気下のクリーンオーブン内で2時間熱処理することによって、蛍光体層7を得た。
次に図9(a),(b)に示されるように、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第1のホットメルト樹脂をタンク20内において130℃で溶融して準備する。また、ロール状に準備されたシートFを準備する。しわ取りロール21,22によってしわを伸ばされたシートF上に、成形ロール23,24間において溶融された第1のホットメルト樹脂を、ダイコータ17を用いて押し出しコート法によって塗布し、成形ロール24によって成形され、冷却ロール25によって冷却硬化される。その後切断手段によって所定のサイズに切り出し、第1の蛍光体保護層8aとなる厚さ50μmのホットメルト樹脂を有する蛍光体保護層シートを得た。本実施例では、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第1のホットメルト樹脂として、P−2200(倉敷紡績製)を用いた。
次に得られた蛍光体保護層シートを蛍光体下地層43及び蛍光体層7上に重ねて、蛍光体層7が設けられた領域の周囲の領域(蛍光体層7の端部と蛍光体下地層43の端部との間の領域)における蛍光体下地層43の表面、蛍光体層7の側面及び頂面を被覆するように、熱ラミネートローラ27によって第1の蛍光体保護層8aを加熱圧着処理する。熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させて、蛍光体下地層43上の蛍光体保護層シート上の所定の開始位置から蛍光体層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。続いて放射線検出装置を平面で90°回転させて再度、蛍光体下地層43上の蛍光体保護層シート上の所定の開始位置から蛍光体層7上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。上記加熱圧着処理により、第1の蛍光体保護層8aと、蛍光体下地層6、蛍光体層7の側面及び頂面が密着される。ここで、上記加熱圧着は、熱ラミネートローラ27のローラ温度を130℃、ロール回転速度を0.1m/min、圧力10kg/cmの条件で行った。更に第1のホットメルト樹脂8aが冷却固化される前にシートFを剥離し、第1の蛍光体保護層8aの形成工程を終了する。
次に図9(a),(b)に示されるように、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第2のホットメルト樹脂をタンク20内において130℃で溶融して準備する。また、ロール状に準備されたシートFを準備する。しわ取りロール21,22によってしわを伸ばされたシートF上に、成形ロール23,24間において溶融された第1のホットメルト樹脂を、ダイコータ17を用いて押し出しコート法によって塗布し、成形ロール24によって成形され、冷却ロール25によって冷却硬化される。その後切断手段によって所定のサイズに切り出し、第2の蛍光体保護層8bとなる厚さ50μmのホットメルト樹脂を有する蛍光体保護層シートを得た。本実施例では、上記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とする第2のホットメルト樹脂として、H−2500(倉敷紡績製)を用いた。
次に図12(a),(b)に示されるように、得られた蛍光体保護層シートを蛍光体下地層43及び第1の蛍光体保護層8a上に重ねて、第1の蛍光体保護層8aが設けられた領域の周囲の領域(第1の蛍光体保護層8aの端部と蛍光体下地層43の端部との間の領域)における蛍光体下地層43の表面、第1の蛍光体保護層8aの表面を被覆するように、熱ラミネートローラ27によってホットメルト樹脂を加熱圧着処理する。熱ラミネートローラ27及び搬送ローラ28を用いて放射線検出装置を移動させて、蛍光体下地層43上の蛍光体保護層シート上の所定の開始位置から第1の蛍光体保護層8a上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。続いて放射線検出装置を平面で90°回転させて再度、蛍光体下地層43上の蛍光体保護層シート上の所定の開始位置から第1の蛍光体保護層8a上を熱ラミネートローラ27が相対的に移動するようにして、所定の開始位置から蛍光体層7を挟んで対向する位置まで加熱圧着する。ここで、上記加熱圧着は、熱ラミネートローラ27のローラ温度を130℃、ロール回転速度を0.1m/min、圧力10kg/cmの条件で行った。更に第1のホットメルト樹脂8aが冷却固化される前にシートFを剥離し、第2の蛍光体保護層8bの形成工程を終了する。
次に、430mm×3mmの大きさの加熱プレス部32を有する加熱プレス装置を用いて、取り出された放射線検出装置の、蛍光体下地層43上に密着された第2の蛍光体保護層8bの所定の領域を加熱加圧処理(ホットプレス処理)することによって、蛍光体下地層6と第2の蛍光体保護層8bの密着性の向上、及び蛍光体下地層43と第2の蛍光体保護層8bの界面における防湿性の向上といった効果が得られる。上記ホットプレス処理を放射線検出装置の各辺ごとに行い、ホットプレス処理された放射線検出装置を得た。上記ホットプレス処理は、加熱温度170℃、加圧圧力5kg/cm、加熱加圧時間を10秒として行った。上記構成及び製造工程により、シンチレータパネル40を得た。
得られたシンチレータパネル40上にセンサーパネル16を準備し、それらを真空プレス装置内の加熱ステージ30上に設置し、プレス部材31の放射線検出装置が配置された側の空間を減圧し、同時にプレス部材31の放射線検出装置が配置された側と反対側の空間を加圧し、さらに加熱ステージ30でセンサーパネル側から加熱しヒータ29で真空プレス装置内を加熱することによってホットメルト樹脂が溶融して、センサーパネル16とシンチレータパネル40が接着される。ここで、上記接着処理は、真空プレス装置の加熱ヒータ29及び加熱ステージ30の温度を140℃、加圧時間を3分、圧力5kg/cmの条件で行った。その後、加熱をとめて放熱により冷却し、放射線検出装置が配置された空間の減圧及び放射線検出装置が配置された反対側の空間の加圧をとめ、真空プレス装置内から放射線検出装置を取り出す。上記構成及び製造工程により、シンチレータパネル40がセンサーパネル16と接着されて形成された放射線検出装置が得られた。
次に、得られた放射線検出装置に、実施例1と同様な方法により配線部材12を配線接続部11に接続し、さらに流動性シリコーン樹脂(TES325、GE東芝シリコーン社製)からなる封止部材11と、半流動性シリコーン樹脂(TSE3253、GE東芝シリコーン社製)からなる封止材45を形成し、図20(b)に示される放射線検出装置を得た。
以上のようにして作製した放射線検出装置を、60℃、90%の温度、湿度試験槽に1000時間保存した。その結果、蛍光体層7の位置ずれ、各層間の剥離等の外観不良は発生しなかった。また、蛍光体層7の、水や溶剤に起因する腐食及び潮解による発光強度の劣化も全く認められず、高信頼性の放射線検出装置が得られた。
上述した各実施例では、表1に示す、同じ処理温度に対する粘性率が異なる材料を用いて第1及び第2のホットメルト樹脂を構成している。しかし、処理温度が上がると粘性率が低下するので、第1及び第2のホットメルト樹脂を同一材料(例えば、H−2500)としても、処理温度を変えれば、粘性率を変えることができる。したがって、第1の蛍光体保護層8aとして用いる場合には温度を低くして粘性率を高くし、第2の蛍光体保護層8bとして用いる場合には温度を高くして粘性率を低くして、第1及び第2のホットメルト樹脂として同一材料を用いることもできる。
本発明は、医療診断機器、非破壊検査機器等に用いられる、放射線検出装置やシンチレータパネルに用いられるものである。
本発明に係わるX線デジタルカメラの撮像素子部の模式的平面図である。 図1のA−A’断面図である。 ホットプレスを行なった部分の断面図及びホットプレスを行わない部分の断面図である。 ホットプレスの方法を示す図である。 直接塗布法による蛍光体層上の第1の蛍光体保護層の形成方法を示す図である。 フィルムシート法による蛍光体保護シートの形成方法を示す図である。 フィルムシート法による蛍光体層上の第1の蛍光体保護層の形成方法を示す図である。 直接塗布法による第1の蛍光体保護層上の第2の蛍光体保護層の形成方法を示す図である。 フィルムシート法による蛍光体保護シートの形成方法を示す図である。 フィルムシート法による第1の蛍光体保護層上の第2の蛍光体保護層の形成方法を示す図である。 フィルムシート法による蛍光体保護シートの形成方法を示す図である。 フィルムシート法による第1の蛍光体保護層上の第2の蛍光体保護層の形成方法を示す図である。 蛍光体保護シート真空プレス法による第1の蛍光体保護層上の第2の蛍光体保護層の形成方法を示す図である。 蛍光体保護シート真空プレス法による第1の蛍光体保護層上の第2の蛍光体保護層の形成方法を示す図である。 フィルムシート法による蛍光体保護シートの形成方法を示す図である。 フィルムシート法による蛍光体層上の第1及び第2の蛍光体保護層の形成方法を示す図である。 蛍光体保護シート真空プレス法による蛍光体層上の第1及び第2の蛍光体保護層の形成方法を示す図である。 蛍光体保護シート真空プレス法による蛍光体層上の第1及び第2の蛍光 シンチレータパネルを示す図である。 センサーパネルと、シンチレータパネルとを貼り合わせた放射線検出装置を示す図である。 本発明の他の実施形態に係わるX線デジタルカメラの撮像素子部の模式的平面図である。 図21のA−A’断面図である。 ヒートシールを行なった部分の断面図及びヒートシールを行わない部分の断面図である。 本発明の更に他の実施形態に係わるX線デジタルカメラの撮像素子部の模式的平面図である。 図24のA−A’断面図である。 本発明に係わる放射線検出装置を用いた放射線検出システムを示す図である。
符号の説明
1 基板
2 光電変換素子
3 配線
4 電気的接続部(取り出し配線)
5 保護層
6 蛍光体下地層
7 柱状蛍光体層
8a 第1の蛍光体保護層
8b 第2の蛍光体保護層
9 光反射層
10 光反射層保護層
11 配線接続部
12 配線部材
13 封止部材
14 ホットプレス部
15 受光部
16 センサーパネル

Claims (53)

  1. 基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
    前記センサーパネル上に配置された、放射線を光に変換する蛍光体層と、
    前記蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置において、
    前記複数の蛍光体保護層は、前記蛍光体層を被覆し前記センサーパネルと密着する第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、前記蛍光体層と接しない第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記第1のホットメルト樹脂の処理温度t1における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t1)、前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第2のホットメルト樹脂の粘性率をn2(t2)、とすると、n1(t1)>n2(t2)であることを特徴とする放射線検出装置。
  2. 請求項1記載の放射線検出装置において1×102(Pa・s)≦n2(t2)<n1(t1)≦1×104(Pa・s)であることを特徴とする放射線検出装置。
  3. 請求項1記載の放射線検出装置において、1×103(Pa・s)≦n1(t1)≦1×104(Pa・s)かつ1×102(Pa・s)≦n2(t2)≦6.0×103(Pa・s)であることを特徴とする放射線検出装置。
  4. 基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
    前記センサーパネル上に配置された、放射線を光に変換する蛍光体層と、
    前記蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置において、
    前記複数の蛍光体保護層は、前記蛍光体層を被覆し前記センサーパネルと密着する第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、前記蛍光体層と接しない第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t2)、前記温度t2における前記第2のホットメルト樹脂粘性率をn2(t2)とすると、n1(t2)>n2(t2)であることを特徴とする放射線検出装置。
  5. 基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
    前記センサーパネル上に配置された、放射線を光に変換する蛍光体層と、
    前記蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置において、
    前記複数の蛍光体保護層は、前記蛍光体層を被覆し前記センサーパネルと密着する第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、前記蛍光体層と接しない第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記第1のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy1、前記第2のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy2とすると、Ty1>Ty2であることを特徴とする放射線検出装置。
  6. 請求項記載の放射線検出装置において70(℃)≦Ty2<Ty1≦150(℃)であることを特徴とする放射線検出装置。
  7. 請求項からのいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記蛍光体保護部材は、前記複数の蛍光体保護層のほかに、前記第2の蛍光体保護層と接していて前記蛍光体層で変換された光を反射する反射層と、該反射層を保護する反射層保護層とを有することを特徴とする放射線検出装置。
  8. 請求項からのいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記第2の蛍光体保護層は前記第1の蛍光体保護層より広い領域を有し、前記第1の蛍光体保護層の形成領域外において前記センサーパネルに密着していることを特徴とする放射線検出装置。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記蛍光体保護部材は、前記保護層と接する領域において加圧処理により圧着された領域を有することを特徴とする放射線検出装置。
  10. 請求項記載の放射線検出装置において、前記加圧処理により圧着された領域は、前記第1の蛍光体保護層の形成領域外に配置されていることを特徴とする放射線検出装置。
  11. 請求項又は10に記載の放射線検出装置において、前記圧着された領域が加熱圧着処理によって圧着されたことを特徴とする放射線検出装置。
  12. 請求項から11のいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記第1及び第2のホットメルト樹脂がポリオレフィン系、ポリエステル系又はポリアミド系樹脂を主成分とすることを特徴とする放射線検出装置。
  13. 請求項1から11のいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記第1及び第2のホットメルト樹脂がポリオレフィン系を主成分とすることを特徴とする放射線検出装置。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の放射線検出装置において、前記蛍光体層は柱状結晶構造を有することを特徴とする放射線検出装置。
  15. 支持部材と、該支持部材上に形成された放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有するシンチレータパネルにおいて、
    前記複数の蛍光体保護層は、前記蛍光体層を被覆し前記支持部材と密着する第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、前記蛍光体層と接しない第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記第1のホットメルト樹脂の処理温度t1における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t1)、前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第2のホットメルト樹脂の粘性率をn2(t2)、とすると、n1(t1)>n2(t2)であることを特徴とするシンチレータパネル。
  16. 請求項15記載のシンチレータパネルにおいて1×102(Pa・s)≦n2(t2)<n1(t1)≦1×104(Pa・s)であることを特徴とするシンチレータパネル。
  17. 請求項15記載のシンチレータパネルにおいて、1×103(Pa・s)≦n1(t1)≦1×104(Pa・s)かつ1×102(Pa・s)≦n2(t2)≦6.0×103(Pa・s)であることを特徴とするシンチレータパネル。
  18. 支持部材と、該支持部材上に形成された放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有するシンチレータパネルにおいて、
    前記複数の蛍光体保護層は、前記蛍光体層を被覆し前記支持部材と密着する第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、前記蛍光体層と接しない第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t2)、前記処理温度t2における前記第2のホットメルト樹脂粘性率をn2(t2)とすると、n1(t2)>n2(t2)であることを特徴とするシンチレータパネル。
  19. 支持部材と、該支持部材上に形成された放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有するシンチレータパネルにおいて、
    前記複数の蛍光体保護層は、前記蛍光体層を被覆し前記支持部材と密着する第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、前記蛍光体層と接しない第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記第1のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy1、前記第2のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy2とすると、Ty1>Ty2であることを特徴とするシンチレータパネル。
  20. 請求項19記載のシンチレータパネルにおいて、70(℃)≦Ty2<Ty1≦150(℃)であることを特徴とするシンチレータパネル。
  21. 請求項15から20のいずれか1項に記載のシンチレータパネルにおいて、前記支持部材は、支持基板と、該支持基板上に備えられ、前記蛍光体層で変換された光を反射する反射層と、該反射層上に備えられた蛍光体下地層と、を有することを特徴とするシンチレータパネル。
  22. 請求項21に記載のシンチレータパネルにおいて、前記蛍光体保護部材は前記支持部材と接する領域において加圧処理により圧着された領域を有することを特徴とするシンチレータパネル。
  23. 請求項22記載のシンチレータパネルにおいて、前記加圧処理により圧着された領域は、前記反射層の形成領域外に配置されていることを特徴とするシンチレータパネル。
  24. 請求項22記載のシンチレータパネルにおいて、前記加圧処理により圧着された領域は、前記第1の蛍光体保護層の形成領域外に配置されていることを特徴とするシンチレータパネル。
  25. 請求項23又は24に記載のシンチレータパネルにおいて、前記圧着された領域が加熱圧着処理によって圧着されたことを特徴とするシンチレータパネル。
  26. 請求項15から25のいずれか1項に記載のシンチレータパネルにおいて、前記第1及び第2のホットメルト樹脂がポリオレフィン系、ポリエステル系又はポリアミド系樹脂を主成分とすることを特徴とするシンチレータパネル。
  27. 請求項15から25のいずれか1項に記載のシンチレータパネルにおいて、前記第1及び第2のホットメルト樹脂がポリオレフィン系を主成分とすることを特徴とするシンチレータパネル。
  28. 請求項15から27のいずれか1項に記載のシンチレータパネルにおいて、前記蛍光体層は柱状結晶構造を有することを特徴とするシンチレータパネル。
  29. 請求項15から28のいずれか1項に記載のシンチレータパネルと、
    前記シンチレータパネルで変換された光を光電変換する複数の光電変換素子を有するセンサーパネルと、を有することを特徴とする放射線検出装置。
  30. 基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
    前記センサーパネル上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、
    該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置の製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記蛍光体層が形成された前記センサーパネルを用意し、前記第1のホットメルト樹脂を、前記蛍光体層を被覆し前記センサーパネルと密着するように設けて前記第1の蛍光体保護層を形成する第1工程と、
    前記第2のホットメルト樹脂を、前記第1の蛍光体保護層を被覆するように設けて前記第2の蛍光体保護層を形成する第2工程とを有し、
    前記第1のホットメルト樹脂の処理温度t1における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t1)、前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第2のホットメルト樹脂の粘性率をn2(t2)、とすると、n1(t1)>n2(t2)であることを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  31. 基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
    前記センサーパネル上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、
    該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置の製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記蛍光体層が形成された前記センサーパネルを用意し、前記第1のホットメルト樹脂を、前記蛍光体層を被覆し前記センサーパネルと密着するように設けて前記第1の蛍光体保護層を形成する第1工程と、
    前記第2のホットメルト樹脂を、前記第1の蛍光体保護層を被覆するように設けて前記第2の蛍光体保護層を形成する第2工程とを有し、
    前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t2)、前記温度t2における前記第2のホットメルト樹脂粘性率をn2(t2)とすると、n1(t2)>n2(t2)であることを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  32. 基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
    前記センサーパネル上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、
    該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置の製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記蛍光体層が形成された前記センサーパネルを用意し、前記第1のホットメルト樹脂を、前記蛍光体層を被覆し前記センサーパネルと密着するように設けて前記第1の蛍光体保護層を形成する第1工程と、
    前記第2のホットメルト樹脂を、前記第1の蛍光体保護層を被覆するように設けて前記第2の蛍光体保護層を形成する第2工程とを有し、
    前記第1のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy1、前記第2のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy2とすると、Ty1>Ty2であることを特徴とする放射線検出装置の製造方法
  33. 請求項30から32のいずれか1項に記載の放射線検出装置の製造方法において、前記第1又は/及び第2のホットメルト樹脂は溶融した状態で直接被覆されることを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  34. 請求項30から32のいずれか1項に記載の放射線検出装置の製造方法において、前記第1工程は、前記第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層がその上に形成された部材を用意し、前記第1の蛍光体保護層が前記蛍光体層と接するように前記部材を前記蛍光体層及び前記センサーパネルに密着させた後に、前記部材を剥離する工程を含むことを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  35. 請求項30から32のいずれか1項に記載の放射線検出装置の製造方法において、前記第2工程は、前記第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層がその上に形成された部材を用意し、前記第2の蛍光体保護層が前記第1の蛍光体保護層と接するように前記部材を前記第1の蛍光体保護層に密着させる工程を含むことを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  36. 基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
    該センサーパネル上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、
    該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置の製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記第2のホットメルト樹脂からなる前記第2の蛍光体保護層上に前記第1のホットメルト樹脂からなる前記第1の蛍光体保護層を有する蛍光体保護部材を形成する工程と、
    前記蛍光体層が形成された前記センサーパネルを用意し、前記第1の蛍光体保護層が前記蛍光体層と接するように前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層及び前記センサーパネルに密着させる工程とを有し、
    前記第1のホットメルト樹脂の処理温度t1における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t1)、前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第2のホットメルト樹脂の粘性率をn2(t2)、とすると、n1(t1)>n2(t2)であることを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  37. 基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
    該センサーパネル上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、
    該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置の製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記第2のホットメルト樹脂からなる前記第2の蛍光体保護層上に前記第1のホットメルト樹脂からなる前記第1の蛍光体保護層を有する蛍光体保護部材を形成する工程と、
    前記蛍光体層が形成された前記センサーパネルを用意し、前記第1の蛍光体保護層が前記蛍光体層と接するように前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層及び前記センサーパネルに密着させる工程とを有し、
    前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t2)、前記温度t2における前記第2のホットメルト樹脂粘性率をn2(t2)とすると、n1(t2)>n2(t2)であることを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  38. 基板と、前記基板上に配置された、光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる受光部と、前記受光部上に配置された保護層と、を有するセンサーパネルと、
    該センサーパネル上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、
    該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置の製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記第2のホットメルト樹脂からなる前記第2の蛍光体保護層上に前記第1のホットメルト樹脂からなる前記第1の蛍光体保護層を有する蛍光体保護部材を形成する工程と、
    前記蛍光体層が形成された前記センサーパネルを用意し、前記第1の蛍光体保護層が前記蛍光体層と接するように前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層及び前記センサーパネルに密着させる工程とを有し、
    前記第1のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy1、前記第2のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy2とすると、Ty1>Ty2であることを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  39. 請求項36から38のいずれか1項に記載の放射線検出装置の製造方法において、前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層が形成された領域の周囲の領域において加熱加圧処理により圧着する工程と、を更に有することを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  40. 請求項36から38のいずれか1項に記載の放射線検出装置の製造方法において、前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層及び第1の蛍光体保護層が形成された領域の周囲の領域において加熱加圧処理により圧着する工程と、を更に有することを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  41. 支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記蛍光体層が形成された前記支持部材を用意し、前記第1のホットメルト樹脂を、前記蛍光体層を被覆し前記支持部材と密着するよう設けて前記第1の蛍光体保護層を形成する第1工程と、
    前記第2のホットメルト樹脂を、前記第1の蛍光体保護層を被覆するよう設けて前記第2の蛍光体保護層を形成する第2工程とを有し、
    前記第1のホットメルト樹脂の処理温度t1における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t1)、前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第2のホットメルト樹脂の粘性率をn2(t2)、とすると、n1(t1)>n2(t2)であることを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  42. 支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記蛍光体層が形成された前記支持部材を用意し、前記第1のホットメルト樹脂を、前記蛍光体層を被覆し前記支持部材と密着するよう設けて前記第1の蛍光体保護層を形成する第1工程と、
    前記第2のホットメルト樹脂を、前記第1の蛍光体保護層を被覆するよう設けて前記第2の蛍光体保護層を形成する第2工程とを有し、
    前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t2)、前記温度t2における前記第2のホットメルト樹脂粘性率をn2(t2)とすると、n1(t2)>n2(t2)であることを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  43. 支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記蛍光体層が形成された前記支持部材を用意し、前記第1のホットメルト樹脂を、前記蛍光体層を被覆し前記支持部材と密着するよう設けて前記第1の蛍光体保護層を形成する第1工程と、
    前記第2のホットメルト樹脂を、前記第1の蛍光体保護層を被覆するよう設けて前記第2の蛍光体保護層を形成する第2工程とを有し、
    前記第1のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy1、前記第2のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy2とすると、Ty1>Ty2であることを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  44. 請求項41から43のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法において、前記第1又は/及び第2のホットメルト樹脂は溶融した状態で直接被覆されることを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  45. 請求項41から43のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法において、前記第1工程は、前記第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層がその上に形成された部材を用意し、前記第1の蛍光体保護層が前記蛍光体層と接するように前記部材を前記蛍光体層及び支持部材に密着させた後に、前記部材を剥離する工程を含むことを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  46. 請求項41から43のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法において、前記第2工程は、前記第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層がその上に形成された部材を用意し、前記第2の蛍光体保護層が前記第1の蛍光体保護層と接するように前記部材を前記第1の蛍光体保護層に密着させる工程を含むことを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  47. 支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記第2のホットメルト樹脂からなる前記第2の蛍光体保護層上に前記第1のホットメルト樹脂からなる前記第1の蛍光体保護層を有する蛍光体保護部材を形成する工程と、
    前記蛍光体層が形成された前記支持部材を用意し、前記第1の蛍光体保護層が前記蛍光体層と接するように前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層及び前記支持部材に密着させる工程とを有し、
    前記第1のホットメルト樹脂の処理温度t1における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t1)、前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第2のホットメルト樹脂の粘性率をn2(t2)、とすると、n1(t1)>n2(t2)であることを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  48. 支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記第2のホットメルト樹脂からなる前記第2の蛍光体保護層上に前記第1のホットメルト樹脂からなる前記第1の蛍光体保護層を有する蛍光体保護部材を形成する工程と、
    前記蛍光体層が形成された前記支持部材を用意し、前記第1の蛍光体保護層が前記蛍光体層と接するように前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層及び前記支持部材に密着させる工程とを有し、
    前記第2のホットメルト樹脂の処理温度t2における前記第1のホットメルト樹脂の粘性率をn1(t2)、前記温度t2における前記第2のホットメルト樹脂粘性率をn2(t2)とすると、n1(t2)>n2(t2)であることを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  49. 支持部材と、該支持部材上に形成され、放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有するシンチレータパネルの製造方法において、前記複数の蛍光体保護層は、第1のホットメルト樹脂からなる第1の蛍光体保護層と、第2のホットメルト樹脂からなる第2の蛍光体保護層とを含み、
    前記製造方法は、
    前記第2のホットメルト樹脂からなる前記第2の蛍光体保護層上に前記第1のホットメルト樹脂からなる前記第1の蛍光体保護層を有する蛍光体保護部材を形成する工程と、
    前記蛍光体層が形成された前記支持部材を用意し、前記第1の蛍光体保護層が前記蛍光体層と接するように前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層及び前記支持部材に密着させる工程とを有し、
    前記第1のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy1、前記第2のホットメルト樹脂の溶融開始温度をTy2とすると、Ty1>Ty2であることを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  50. 請求項47から49のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法において、前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層が形成された領域の周囲の領域において加熱加圧処理により圧着する工程と、を更に有することを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  51. 請求項47から49のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法において、前記蛍光体保護部材を前記蛍光体層及び第1の蛍光体保護層が形成された領域の周囲の領域において加熱加圧処理により圧着する工程と、を更に有することを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  52. 請求項47から49のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたシンチレータパネルと、前記シンチレータパネルで変換された光を光電変換する複数の光電変換素子を有するセンサーパネルと、を貼り合わせる工程を有することを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  53. 請求項1から14、29のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
    前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理手段と、
    前記信号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、
    前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段と、
    前記信号処理手段からの信号を伝送するための伝送処理手段と、
    前記放射線を発生させるための放射線源とを具備することを特徴とする放射線検出システム。
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