JP2006052981A - 放射線検出装置、その製造方法、及び放射線検出システム - Google Patents

放射線検出装置、その製造方法、及び放射線検出システム Download PDF

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和美 長野
Tomoyuki Tamura
知之 田村
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岡田  聡
Masato Inoue
正人 井上
Shinichi Takeda
慎市 竹田
Yoshihiro Ogawa
善広 小川
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【課題】放射線検出装置においてセンサーパネルの静電破壊による欠陥の発生をなくして、画像欠陥の無くい高品位な放射線検出装置を提供する。
【解決手段】放射線検出装置は、2次元状に配置される光電変換素子部102およびその外周部に配置される電極取り出し部104を有するセンサーパネル100と、光電変換素子部102上に形成される感光性樹脂保護層から成る蛍光体下地層1、蛍光体層2、蛍光体層2上に設けけられた感光性樹脂保護層から成る蛍光体保護層3を有する。パッシベーション膜1を成す感光性樹脂保護層によって電極取り出し部104を保護して蛍光体層2を形成することによりセンサーパネル100の静電破壊の発生を防止する。また、蛍光体保護層3を感光性樹脂保護層で形成し、電極取り出し部104上の感光性樹脂保護層を加熱現像によって除去することにより、蛍光体保護層3の形成時の静電破壊の発生を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療診断機器、非破壊検査機器等に用いられるシンチレータパネル、放射線検出装置、その製造方法、及び放射線検出システムに関し、特に、X線撮影等に用いられるシンチレータパネル、放射線検出装置および放射線検出システムに関する。なお、本明細書においては、放射線の範疇に、X線、γ線などの電磁波も含むものとして説明する。
従来、X線蛍光体層が内部に備えられた蛍光スクリーンと両面塗布剤とを有するX線フィルムシステムが一般的にX線写真撮影に使用されてきた。しかし、最近、X線蛍光体層と2次元光検出器とを有するデジタル放射線検出装置の画像特性が良好であること、また、データがデジタルデータであるためネットワーク化したコンピュータシステムに取り込むことによってデータの共有化が図られる利点があることから、デジタル放射線検出装置について盛んに研究開発が行われ、種々の特許出願も行われている。
これらデジタル放射線検出装置の中でも、高感度で高鮮鋭な装置として、特許文献1、2等に開示されているように、複数のフォトセンサー及びTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等の電気素子が2次元に配置されている光電変換素子部からなる光検出器上に放射線を光電変換素子で検出可能な光に変換するための蛍光体層を支持基板に形成したシンチレータパネルを貼り合わせてなる放射線検出装置(「貼り合わせタイプ」又は「間接タイプ」等とも言う)が知られている。
また、特許文献3等に開示されているように、複数のフォトセンサー及びTFT等の電気素子が2次元に配置されている光電変換素子部からなる光検出器上に放射線を光電変換素子で検出可能な光に変換するための蛍光体層を直接形成してなる放射線検出装置(「直接蒸着タイプ」又は「直接タイプ」等とも言う)が知られている。
図9は、従来例の直接蒸着タイプの放射線検出装置を示す断面図である。図9中、101はガラス基板、102はアモルファスシリコンを用いたフォトセンサーとTFTからなる光電変換素子部、103は配線部、104は電極取り出し部(電極パッド部又はボンディングパッド部等とも言う)、105は窒化シリコン等よりなるセンサー保護層(パネル保護層)を示し、これら101〜105によってセンサーパネル100が構成される。センサーパネル100上には、光電変換素子部102に対応するように蛍光体下地層となるパッシベーション膜(又は保護層等とも言う)201を介して蛍光体層202が形成され、その上部が蛍光体保護層203に覆われている。この蛍光体保護層203は、蛍光体層202と共にその周囲のパッシベーション膜201及び電極取り出し部104上に亘って形成された後に、電極取り出し部104上に形成された部分が引き剥がされる。このため、電極取り出し部104上の蛍光体保護層203がセンサーパネル100から切断された後に、その端部に被覆樹脂からなる樹脂枠204が形成される。
特開2000−9845号公報 特開平9−145845号公報 特開平5−180945号公報
これら従来例においては、電極取り出し部104は、検出用集積回路ICが実装されたフレキシブル回路基板の端子部(不図示)と、異方導電性接着剤でパネルと熱圧着によって貼り合わされる。このため、電極取り出し部104上は、パッシベーション膜201や蛍光体保護層203によって覆われることはない。
従って、従来例においては、電極取り出し部104が剥き出しの状態のままで、蛍光体層202および蛍光体保護層203の形成またはシンチレータパネルの貼り合わせを行っていた。このため、センサーパネル100をハンドリング中に、剥き出しの電極取り出し部104からセンサーパネル100の配線部103が静電気によって破壊されるいわゆる静電破壊による欠陥が発生する恐れがあった。
また、蛍光体保護層203が形成されたあとで電極取り出し部10上に形成された蛍光体保護層203を剥離して電極取り出し部104を開口する際に、剥離帯電による静電破壊が発生する恐れがあった。また、シンチレータパネルをセンサーパネル100に貼り合わせる際に電極取り出し部104が剥き出しの状態では静電破壊が発生する恐れがあった。
また、蛍光体層202の形成時またはシンチレータパネルの貼り合わせ時の静電破壊を防止する目的で、電極取り出し部104に帯電防止樹脂テープで被覆するような場合、該被覆テープをセンサーパネル100から引き剥がすときには、どのような高性能の樹脂であっても静電気の発生をゼロにすることは不可能であって同様にして静電破壊による欠陥が発生する恐れがあった。
本発明の目的は、センサーパネルの静電破壊による欠陥をなくし、かつ、端部処理の工程を簡略化することによって、画像欠陥の少ない高品位で耐久性の高い放射線検出装置およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る放射線検出装置は、基板上に2次元状に配置された複数の光電変換素子からなる受光部と、少なくとも前記受光部上に設けられた保護層と、前記保護層の周囲の前記基板上に配置された電極取り出し部と、を有するセンサーパネルと、該センサーパネルの少なくとも前記受光部上に配置された、放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換する波長変換体と、を有する放射線検出装置であって、前記センサーパネルは、少なくとも前記電極取り出し部上に設けられた感光性樹脂を除去して形成された開口部を有することを特徴とする。
本発明に係る放射線検出装置において、前記センサーパネルと前記波長変換体との間に樹脂層を有してもよい。また、前記樹脂層は、感光性樹脂からなってもよい。
本発明に係る放射線検出装置において、前記波長変換体は、前記樹脂層上に配された柱状結晶構造を有する蛍光体層と、該蛍光体層の表面および側面を被覆し前記樹脂層と接して配された蛍光体保護層と、を有してもよい。前記蛍光体保護層は、感光性樹脂からなってもよい。前記開口部は、前記電極取り出し部上に配された感光性樹脂からなる前記樹脂層及び前記蛍光体保護層を除去して設けられてもよい。
本発明に係る放射線検出装置において、前記波長変換体は、柱状結晶構造を有する蛍光体層と、該蛍光体層を支持する支持部材と、前記蛍光体層の表面及び側面を被覆し前記支持部材と接して配された蛍光体保護層と、を有してもよい。
また、前記樹脂層は、前記センサーパネルの表面全面に形成された感光性樹脂から、前記電極取り出し部上に配された領域の該感光性樹脂を除去して形成されてもよい。
また、前記感光性樹脂は、ポリ尿素からなってもよい。
本発明に係る放射線検出システムは、上記いずれか1項に記載の放射線検出装置と、前記放射線を発生させる放射線源と、前記放射線検出装置からの信号を画像として処理する信号処理手段と、前記信号処理手段からの信号を保存する保存手段と、前記信号処理手段からの信号を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る放射線検出装置の製造方法は、基板上に2次元状に配置された複数の光電変換素子からなる受光部と、少なくとも前記受光部上に設けられた保護層と、前記保護層の周囲の前記基板上に配置された電極取り出し部と、を有するセンサーパネルと、該センサーパネルの少なくとも前記受光部上に配置された放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換する蛍光体層を含む波長変換体と、を有する放射線検出装置の製造方法において、少なくとも前記電極取り出し部上に配された領域は感光性樹脂からなる層により、前記保護層及び前記電極取り出し部を被覆する被覆工程と、前記層上に波長変換体を配置する配置工程と、前記配置工程の後、前記電極取り出し部上の前記感光性樹脂を除去して前記電極取り出し部上を露出する開口部と前記保護層上に配された樹脂層を形成する形成工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る放射線検出装置の製造方法において、前記被覆工程は、前記感光性樹脂への露光の有無により前記電極取り出し部上に配された領域の前記層を除去可能な層とする工程を更に有し、前記形成工程は、前記除去可能な層を除去することにより前記開口部及び前記樹脂層を形成してもよい。
また、前記被覆工程は、前記保護層及び前記電極取り出し部を感光性樹脂からなる層により被覆し、前記電極取り出し部上に配された領域の前記層への露光の有無により前記領域の前記層を除去可能な層とする工程であってもよい。
また、前記形成工程は、前記層上に蛍光体層を形成する工程と、前記蛍光体層の表面及び側面を被覆し前記層に接する蛍光体保護層を形成する工程と、を有してもよい。
本発明に係る放射線検出装置の製造方法において、少なくとも前記電極取り出し部上に配された領域の前記蛍光体保護層は感光性樹脂からなり、前記形成工程は、前記領域の前記蛍光体保護層への露光の有無により前記領域の蛍光体保護層を除去可能な蛍光体保護層とする工程を更に有し、前記電極取り出し部上の前記感光性樹脂を除去する工程は、前記除去可能な層と前記除去可能な蛍光体保護層とを同時に除去することを特徴とする。
また、前記感光性樹脂は、露光しないことにより除去可能となるネガタイプの感光性樹脂であってもよい。
また、前記感光性樹脂は、ポリ尿素からなる有機膜であってもよい。
また、前記除去工程は、前記除去可能な層及びまたは前記除去可能な蛍光体保護層を加熱現像により除去してもよい。
本発明によれば、蛍光体層形成時において感光性樹脂から成る樹脂層をパネル全面に設けることにより、蛍光体層形成時にセンサーパネルの静電破壊による欠陥を防止することが可能となり、画像欠陥の少ない高品位で耐久性の高い放射線検出装置を得ることができる。また、電極取り出し部に帯電防止樹脂テープで被覆して引き剥がす工程が必要でなくなるため、端部処理の工程を簡略化することもできる。
また、蛍光体保護層を感光性樹脂で形成した場合には、蛍光体下地層を成す感光性樹脂保護層と同時に除去することにより、蛍光体保護層形成時にセンサーパネルの静電破壊による欠陥の発生を防止することができ、より一層高品位で耐久性の高い放射線検出装置を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の直接蒸着タイプの放射線検出装置の要部を示す断面図である。図2は、本実施形態の放射検出装置のセンサーパネル全体を含む断面図である。図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(c)は、本発明の放射線検出装置の製造方法を示す断面図である。
図1及び図2に示す放射線検出装置において、101は基板、102は基板101上に2次元状に形成され且つアモルファスシリコンを用いたフォトセンサーとTFTからなる画素に対応する光電変換素子部、103はガラス基板101上に形成され且つ光電変換素子部102に接続される配線部、104は配線部103に接続される電極取り出し部(電極パッド部)、105は光電変換素子部102及び配線部103を覆い且つ窒化シリコン等よりなるセンサー保護層をそれぞれ示し、これら各要素101〜105によってセンサーパネル(「2次元光検出器」又は「光電変換パネル」等とも呼ぶ)100が構成される。センサー保護層105上には、さらに感光性樹脂からなるパッシベーション膜(樹脂層)1を介して柱状結晶構造を有するCsI:Tlからなる蛍光体層2が設けられ、蛍光体層2を被覆しパッシベーション膜1と接するように蛍光体保護層3が設けられている。本実施形態において、感光性樹脂からなる蛍光体保護層3が設けられている。
また、放射線検出装置においては、センサーパネルをセンサーパネル100の電極取り出し部104には、検出用集積回路ICが実装されたフレキシブル回路基板の端子部(図示しない)が異方導電性接着剤(接続部)を介して貼り合わされる。
基板101は、光電変換素子部102、配線部103からなる受光部が形成されるものであり、材料として、ガラス、耐熱性プラスチック等を好適に用いることができる。
光電変換素子部102は、蛍光体層2によって放射線から変換された光を電荷に変換する、例えば、アモルファスシリコンなどの材料を用いたMIS型センサー、PIN型センサー、TFT型センサー等のフォトセンサーと、フォトセンサーに対応して設けられたスイッチング素子、例えばアモルファスシリコンからなる薄膜トランジスタ(TFT)等からなる。
配線部103は、信号配線の一部や光電変換素子に電圧(Vs)を印加するバイアス配線、又は駆動配線を示す。光電変換素子部102で光電変換された信号はTFTによって読み出され、信号配線を介して信号処理回路に出力される。また行方向に配列されたTFTのゲートは行ごとに駆動配線に接続され、TFT駆動回路により行毎にTFTが選択される。信号処理回路及びTFT駆動回路は基板101外に設けられ、光電変換素子部102とは電極取り出し部104を介して接続される。センサー保護層105は、受光部を被覆して保護するためのものであり、SiN,SiOなどの無機膜が好ましい。
パッシベーション膜1は、センサーパネル100の剛性を保持する機能及びセンサーパネルの表面を平坦化する機能を有する。本実施形態におけるパッシベーション膜1は、蛍光体層2が形成される前にセンサーパネル100の全面を樹脂により被覆して設けられ、蛍光体層2が形成された後にセンサーパネル100の電極取り出し部104が設けられる開口部(露出部)(後述する図4(c)中の開口部13、図6(b)中の開口部9参照)となる領域の樹脂を除去して形成される。パッシベーション膜1の材料としては、感光性樹脂を用いることが好ましい。感光性樹脂を用いることにより、電極取り出し部104が設けられる開口部となる領域と、それ以外の領域とでの光照射の有無により樹脂の状態を制御することが容易となり、開口部となる領域の樹脂の除去が容易に行うことができる。また、本実施形態におけるパッシベーション膜1は、蛍光体層2の形成前に少なくとも電極取り出し部104を覆う領域が感光性樹脂で形成され、それ以外の領域が非感光性樹脂で形成されていてもよい。感光性樹脂としては、光照射によって未露光部の除膜が不可能になる所謂ポジタイプの樹脂、または、同様にして光照射によって未露光部の除膜が可能になる所謂ネガタイプの樹脂を用いることができる。上記ネガタイプの感光性樹脂としては、例えばポリ尿素からなる有機膜が好適に用いられる。
蛍光体層2は、放射線を光電変換素子部102が感知可能な波長の光に変換するものであり、柱状結晶構造を有する蛍光体が好ましい。柱状結晶構造を有する蛍光体は、発生した光が柱状結晶内を伝搬するので光散乱が少なく、解像度を向上させることができる。ただし、蛍光体層2として柱状結晶構造を有する蛍光体以外の材料を用いてもよい。柱状結晶構造を有する蛍光体層2の材料としては、ハロゲン化アルカリを主成分とする材料が用いられる。たとえば、CsI:Tl、CsI:Na、CsBr:Tlが用いられる。その作製方法は、たとえばCsI:Tlでは、CsIとTlIを同時に蒸着することで形成できる。
蛍光体保護層3は、蛍光体層2に対して、外気からの水分の侵入を防止する防湿保護機能及び衝撃により構造破壊を防止する衝撃保護機能を有するものである。蛍光体保護層3の厚さは20〜200μmが好ましい。20μm以下では、蛍光体層2表面の凹凸、及びスプラッシュ欠陥を完全に被覆することができず、防湿保護機能が低下する恐れがある。一方、200μmを超えると蛍光体層2で発生した光もしくは反射層で反射された光の蛍光体保護層3内での散乱が増加し、取得される画像の解像度及びMTF(Modulation Transfer Fanction)が低下する恐れがある。本実施形態において、蛍光体保護層3としては、上記パッシベーション膜1と同様の感光性樹脂が好適に用いられる。上記のように蛍光体保護層3とし感光性樹脂を用いることにより、電極取り出し部104上のパッシベーション膜1と蛍光体保護層3を同時に除去して開口部(後述する図4(c)中の開口部13、図6(b)中の開口部9参照)を形成することが可能となり、電極取り出し部104の露出が蛍光体層2及び蛍光体保護層3の形成後に容易に行うことができる。また、本実施形態における蛍光体保護層3としては、感光性樹脂以外の層、例えばポリパラキシリレン製の有機膜やホットメルト樹脂を用いたものでもよい。
なお、蛍光体保護層3として用いられるホットメルト樹脂は、水や溶剤を含まない、室温で固体であり、100%不揮発性の熱可塑性材料からなる接着性樹脂と定義される(Thomas.p.Flanagan,Adhesive Age,9,No3,28(1996))。ホットメルト樹脂は、樹脂温度が上昇すると溶融し、樹脂温度が低下すると固化されるものである。ホットメルト樹脂は、加熱溶融状態で、他の有機材料、および無機材料に接着性をもち、常温で固体状態となり接着性を持たないものである。また、ホットメルト樹脂は極性溶媒、溶剤、および水を含んでいないので、蛍光体層2(例えば、ハロゲン化アルカリからなる柱状結晶構造を有する蛍光体層)に接触しても蛍光体層2を溶解しないため、蛍光体保護層3として使用され得る。ホットメルト樹脂は、熱可塑性樹脂を溶剤に溶かし溶媒塗布法によって形成された溶剤揮発硬化型の接着性樹脂とは異なる。またエポキシ等に代表される化学反応によって形成される化学反応型の接着性樹脂とも異なる。
ホットメルト樹脂材料は、主成分であるベースポリマー(ベース材料)の種類によって分類され、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等を用いることができる。蛍光体保護層10として、防湿性が高く、また蛍光体から発生する可視光線を透過する光透過性が高いことが重要である。蛍光体保護層10として必要とされる防湿性を満たすホットメルト樹脂としてポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。特に吸湿率が低いポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。また光透過性の高い樹脂として、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。したがって蛍光体保護層10としてポリオレフィン系樹脂をベースにしたホットメルト樹脂がより好ましい。ポリオレフィン樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体および、アイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有することが好ましい。エチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂としてヒロダイン7544(ヒロダイン工業製)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂としてO−4121(倉敷紡績製)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂としてW−4110(倉敷紡績製)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂としてH−2500(倉敷紡績製)、エチレン−アクリル酸共重合体を主成分とするホットメルト樹脂としてP−2200(倉敷紡績製)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂としてZ−2(倉敷紡績製)等を用いることができる。
また、蛍光体保護層3を被覆して反射層(不図示)及び反射層保護層(不図示)を適宜設けても良い。
反射層は、蛍光体層2で変換して発せられた光のうち、光電変換素子部102と反対側に進行した光を反射して光電変換素子部102に導くことにより、光利用効率を向上させる機能を有するものである。また、反射層は、光電変換素子部102に蛍光体層2で発生された光以外の外部光線を遮断し、光電変換素子部102にノイズが入ることを防止する機能を更に有する。反射層としては、金属箔または金属薄膜を用いることが好ましく、反射層の厚さは1〜100μmが好ましい。1μmより薄いと反射層の形成時にピンホール欠陥が発生しやすく、また遮光性に劣る。一方、100μmを超えると、放射線の吸収量が大きく被撮影者が被爆する線量の増加につながる恐れがあり、また、蛍光体層2とセンサーパネル100の表面との段差を隙間無く覆うことが困難となる恐れがある。反射層の材料としては、アルミニウム、金、銅、アルミ合金、などの特に限定されない金属材料を用いることができるが、反射特性の高い材料としては、アルミニウム、金が好ましい。
反射層保護層は、反射層の衝撃による破壊、及び水分による腐食を防止する機能を有し、樹脂フィルムを用いることが好ましい。反射層保護層の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、などのフィルム材料を用いることが好ましい。反射層保護層の厚さは10〜100μmが好ましい。
次に、図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(c)を参照して、図1および図2に示す放射線検出装置の製造方法を説明する。
まず、図3(a)に示すように、センサーパネル100上の画素領域および電極パッド領域を含む全面にパッシベーション膜1となる感光性樹脂を形成する。パッシベーション膜1を構成する感光性樹脂は、センサーパネル100の剛性を保持するとともに電極取り出し部104を電気的に保護する機能を有するものである。
本実施形態で使用できる感光性樹脂は、光照射によって未露光部の除膜が不可能になる所謂ポジタイプの樹脂、または、同様にして光照射によって未露光部の除膜が可能になる所謂ネガタイプの樹脂を用いることができるが、特に熱等によるドライ工程で現像を行うことが可能な材料が好適である。例えば、ポリ尿素を例示できる。ドライ工程で現像を行うことが可能な材料を用いることにより、潮解性を有する、例えばCsI:Tlなどの柱状結晶構造を有する蛍光体層を形成した後に電極取り出し部104を露出する際に、蛍光体層への悪影響を少なくすることが可能となる。
パッシベーション膜1の形成方法としては、所謂スピンコーティングのような塗布方式、または、蒸着のようなドライ方式が用いられる。
蛍光体層2及び蛍光体保護層3を形成する工程またはシンチレータパネルを貼り合わせる工程において、この感光性樹脂からなるパッシベーション膜1が電極取り出し部104上に設けられていることによって、センサーパネル100のハンドリング中や、蛍光体層2の形成中にセンサーパネル100を静電気から保護し、静電気破壊を防止することができる。
次いで、パッシベーション膜1として用いる感光性樹脂がネガタイプのものであれば、図3(b)に示すように、電極取り出し部104をマスク(遮光マスク)12で遮光した状態で、パネル全面を露光する(図中の符号11参照)。これにより、図3(c)に示すように、パッシベーション膜1となる感光性樹脂に、露光部(第1のパッシベーション膜部を成す第1の部分)1aと未露光部(第2のパッシベーション膜部を成す第2の部分)1bとが形成される。この場合、パネル面に光が照射されるネガタイプの露光においては、センサーパネル100の感度がない領域の波長を選択できる材料を用いることによって、センサーパネル100に影響なく露光することが必要となる。上記工程に好適な樹脂として、ポリ尿素を例示できる。
次いで、図3(d)に示すように、センサーパネル100上の蛍光体下地層となるパッシベーション膜1上に柱状結晶構造を有するCsI:Tlからなる蛍光体層2を蒸着して形成し、さらに蛍光体保護層3を形成する。本実施形態の蛍光体保護層3として用いられる感光性樹脂も、上記パッシベーション膜1で用いたものと同様の材料及び形成方法が使用され得る。
次いで、図4(a)に示すように、再度、電極取り出し部104をマスク12で遮光した後、上記と同様に、パネル全面を露光する(図中の符号11参照)。これにより、図4(b)に示すように、感光性樹脂からなる蛍光体保護層3に、露光部(第1の蛍光体保護層部を成す第1の部分)3aと未露光部(第2の蛍光体保護層部を成す第2の部分)3bとが形成される。
次いで、パネル全体を加熱現像することにより、図4(c)に示すように、電極取り出し部104上の光が遮光されたパッシベーション膜1の未露光部1b及び蛍光体保護層3の未露光部3bを除膜して開口部(露出部)13を形成し、これによりその下部に位置する電極取り出し部104を露出させることができる。
従って、本実施形態によれば、パッシベーション膜1と蛍光体保護層(パネル保護層)3の除去を同時に行えるので、蛍光体保護層3を除くときに物理的にパネルを保護する必要もない。これにより、電極取り出し部104が剥き出しの状態のままで、蛍光体層202および蛍光体保護層203が形成されることがなくなり、パネルハンドリング中や、蛍光体層2の形成中にセンサーパネル100を静電気から保護し、静電気破壊を防止することができる。
即ち、感光性樹脂からなるパッシベーション膜1によって電極取り出し部104を保護した状態で、蛍光体層2を形成することによりセンサーパネル100の静電破壊の発生を防止することができ、さらにまた蛍光体保護層3を感光性樹脂で形成し、電極取り出し部104上のパッシベーション膜1(第2のパッシベーション膜部1b)を加熱現像によって除去することにより、蛍光体保護層3の形成時の静電破壊の発生を防止することができる。
また、電極取り出し部104に帯電防止樹脂テープで被覆して引き剥がす工程が必要でなくなるため、端部処理の工程を簡略化することもできる。
また、蛍光体層2を形成した後に、ドープ材料を活性化するために160度以上240度以下望ましくは200℃で4hr以上時間かけてアニールする必要がある。従って、蛍光体層2のアニール工程と感光性樹脂保護層の除去工程を同時に行うことができるので、工程時間の短縮を図ることもできる。
なお、上記実施形態では、パッシベーション膜1または蛍光体保護層3として用いる感光性樹脂がネガタイプの場合を説明しているが、これがポジタイプの場合は、電極取り出し部104上に位置する部分(第2の部分)以外の領域(第1の部分)をマスク12で遮光してパネル全面を露光し、その電極取り出し部104上の露光部(第2の部分)を加熱現像により除膜すればよい。
また、本実施形態では、パッシベーション膜1及び蛍光体保護層3のいずれも感光性樹脂で構成した場合を説明しているが、本発明はこれに限定されず、少なくともパッシベーション膜1の電極取り出し部104上の部分に感光性樹脂を形成する構成であれば、適用可能である。
例えば、図5に示すように、センサーパネル100上のパッシベーション膜7として非感光性樹脂を用いてもよい。この場合は、電極取り出し部104上の部分(第2の部分)のみに感光性樹脂からなる樹脂層8を形成し、その他は上記と同様の工程を用いて放射線検出装置を得ることにより、上記と同様の効果を得ることができる。
また、図6(a)に示すように、蛍光体保護層10として非感光性樹脂保護層を用いてもよい。この場合は、蛍光体層2の形成後に、図6(b)に示すように、加熱現像して、感光性樹脂からなるパッシベーション膜1の未露光部(第2の部分)1bを除膜して開口部(露出部)9を形成し、その後に、図6(c)に示すように、蛍光体層2上に非感光性樹脂からなる蛍光体保護層10を形成する。これによって、上記と同様に、蛍光体層2形成時の静電気破壊を防止する効果を得ることができる。
また、本実施形態では、センサーパネル100として、ガラス基板上にアモルファスシリコンを用いたフォトセンサーとTFTからなる光電変換素子部102を形成した場合について説明したが、CCDやCMOSセンサ等を2次元状に配置した撮像素子を形成した半導体単結晶基板上に蛍光体下地層1及び蛍光体層2を配置することで、放射線検出装置を構成することができる。
また、本実施形態では、直接蒸着タイプの放射線検出装置について説明したが、貼り合わせタイプの放射線検出装置においても適用可能であることは言うまでもない。
次に、本実施形態に係る放射線検出装置の実施例を説明する。
まず、図3(a)に示すように、基板101上の非晶質シリコンから成る半導体薄膜上にフォトセンサーとTFTからなる光電変換素子部(光検出素子(画素))102及び配線部103を形成し、その上にSiNXからなるセンサー保護層105と電極取り出し部104とを形成して、センサーパネル100を形成し、そのセンサーパネル100上の表面全面に感光性樹脂からなるパッシベーション膜1を形成した。この感光性樹脂として、ジフェニルメタンジイソシアナートとジアミノジフェニルメタンのふたつのモノマーを用いて蒸着重合法により厚さ4μmのポリ尿素からなる有機膜を形成した。
次に、図3(b)に示すように、感光性樹脂からなるパッシベーション膜1が形成されたセンサーパネル100の電極取り出し部104をマスク12で遮光し、露光装置(キヤノン製、製品名:PLA−501FA、500W、光源:Xe−Hgランプ)を用い、露光波長260−330nmで第1の露光を行い、図3(c)に示すように、感光性樹脂からなるパッシベーション膜1に、露光部(第1の部分)1aと、未露光部(第2の部分)1bとを得た。
次に、図3(d)に示すように、パッシベーション膜1の露光部1aの画素領域に対応する位置にヨウ化セシウム(CsI)を蒸着して、蛍光体層2を得た。
次に、蛍光体層2を形成したセンサーパネル100の全面に、上記パッシベーション膜1と同様の条件で、感光性樹脂からなる蛍光体保護層3を形成し、図4(a)に示すように、上記第1の露光と同様の条件で、電極取り出し部104上をマスク12で遮光して第2の露光を行い、図4(b)に示すように、感光性樹脂からなる蛍光体保護層3に、露光部(第1の部分)3aと、未露光部(第2の部分)3bとを形成した。
次いで、得られたパネルを圧力0.01Pa、温度220度の条件で10分間保持して、加熱現像することにより、図4(c)に示すように、パッシベーション膜1の未露光部1b及び蛍光体保護層3の未露光部3bを同時に除去して開口部(露出部)13を形成し、その開口部13に位置する電極取り出し部104を露出させ、かつ、蛍光体保護層3および蛍光層2の形成されたパネルを得た。得られたパネルの電極取り出し部104に、異方導電性接着剤を介してフレキシブル回路基板の端子部(図示しない)を熱圧着して、放射線検出装置を得た。
上記で得られた放射線検出装置に対して、X線を照射して画像欠陥を観察したところ、静電破壊が原因と思われる欠陥は検出されなかった。
まず、図5に示すように、実施例1と同様にして得られたセンサーパネル100上に、パッシベーション膜7(第1の部分)として、非感光性樹脂であるポリイミド樹脂をスリットコートし、温度250度、4時間の条件で硬化させてパッシベーション膜7を形成した。また、得られたパネルの電極取り出し部104上に、実施例1のパッシベーション膜1と同様の条件で、感光性樹脂からなる樹脂層8(第2の部分)として、ポリ尿素膜を形成し、その他は実施例1と同様の工程により、樹脂層8の露光、蛍光体層及び蛍光体保護層の形成、蛍光体保護層の露光、及び加熱現像を行い、蛍光体保護層の未露光部と共に樹脂層8を除去して、放射線検出装置を得た。
上記で得られた放射線検出装置に対して、X線を照射して画像欠陥を観察したところ、静電破壊が原因と思われる欠陥は検出されなかった。
まず、図6(a)に示すように、実施例1と同様の条件で、パッシベーション1として、感光性樹脂であるポリ尿素膜をセンサーパネル100の全面に形成し、さらに蛍光体層2を形成した。
次いで、図6(b)に示すように、得られたパネルを加熱現像して、感光性樹脂からなるパッシベーション膜1の未露光部(第2の部分)1bを除去して開口部(露出部)9を形成し、その開口部9内に、露出させた電極取り出し部104を得た。
次いで、図6(c)に示すように、得られたパネルの蛍光体層2上に、ホットメルト樹脂からなる蛍光体保護層と、厚さ20μmのAlからなる反射層と、厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂フィルムからなる反射層保護層とを重ね合わせて、非感光性樹脂からなる蛍光体保護部材10を形成した。
これにより、電極取り出し部104を露出し、かつ、蛍光体保護部材10および蛍光層2が形成されたセンサーパネル100を得た。得られたパネルセンサーパネル100上の電極取り出し部104に、異方導電性接着剤を介してフレキシブル回路基板の端子部(図示しない)を熱圧着して、放射線検出装置を得た。
なお、本実施例では蛍光体保護部材10を形成する前に電極取り出し部104の露出を行ったが、蛍光体保護部材10の形成後に電極取り出し部104の露出を行ってもよい。蛍光体保護部材10の形成後に電極取り出し部104の露出を行うことにより、蛍光体保護部材10の形成時に発生しうる静電破壊による画素の欠陥を防止することが可能となる。
上記で得られた放射線検出装置に対して、X線を照射して画像欠陥を観察したところ、静電破壊が原因と思われる欠陥は検出されなかった。
上記実施例1〜3は、直接蒸着タイプ(直接タイプ)の放射線検出装置に適用したものであるが、本実施例は、貼り合わせタイプ(間接タイプ)の放射線検出装置に適用したものである。
まず、図7に示すように、実施例1と同様の条件で、基板101上の非晶質シリコンから成る半導体薄膜上にフォトセンサーとTFTからなる光電変換素子部(光検出素子(画素))102及び配線部103を形成し、その上にSiNXからなる保護膜(第1の保護層)105と電極取り出し部104とを形成してセンサーパネル100を形成し、パッシベーション膜1として感光性樹脂であるポリ尿素膜をセンサーパネル100の全面に形成した。
次いで、図7に示すように、蛍光体支持基板201として厚さ1mmのアモルファスカーボン基板上に、反射層保護層202、反射層203、蛍光体下地層20Xを順次積層した。反射層保護層202及び蛍光体下地層20Xとしては厚さ4μmのポリイミド樹脂を、また反射層203には厚さ3000ÅのAlを形成した。
次に蛍光体下地層20X上にCsI:Tlを蒸着して蛍光体層204を得た。さらに、蛍光体保護層206としてポリパラキシリレン製有機膜を熱CVDによって15μm形成してシンチレータパネルを得た。
次に、センサーパネル100の画素領域上にシンチレータパネルをアクリル系粘着剤からなる接着層302を介して貼り合わせてパネルを得た。
次いで、得られたパネルを加熱現像して、パッシベーション膜1の未露光部(第2の部分)1bを除去して開口部(露出部)9を形成し、その開口部9内に、露出させた電極取り出し部104を得た。さらに、蛍光体支持基板201上に、上記で説明したホットメルト樹脂/厚さ40μmのAl/厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂フィルムとを重ね合わせて防湿保護層205を形成した(図中の符号301は、シンチレータパネル周囲に形成される封止樹脂を示す)。次いで、得られたパネルのセンサーパネル100上の電極取り出し部104に、異方導電性接着剤を介してフレキシブル回路基板の端子部(図示しない)を熱圧着して、放射線検出装置を得た。
上記で得られた放射線検出装置に対して、X線を照射して画像欠陥を観察したところ、静電破壊が原因と思われる欠陥は検出されなかった
(応用例)
図8は、本発明による放射線検出装置を用いたX線診断システム(放射線検出システム)の応用例を示したものである。
図8において、X線チューブ6050で発生したX線6060は患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、図3に示したような放射線検出装置(イメージセンサ)6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応してシンチレーター(蛍光体層)は発光し、これをセンサーパネルの光電変換素子が光電変換して、電気的情報を得る。この情報はデジタルに変換され信号処理手段となるイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室の表示手段となるディスプレイ6080で観察できる。
また、この情報は電話回線6090等の伝送処理手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなど表示手段となるディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の記録手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また記録手段となるフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
以上説明したように、本発明は、医療用のX線センサ等に応用することが可能であるが、無破壊検査等のそれ以外の用途に応用した場合にも有効である。
本発明の実施形態(実施例1〜3)に係る放射線検出装置の要部構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る放射線検出装置の全体構成を示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態に係る放射線検出装置の製造方法を説明する断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る放射線検出装置の製造方法を説明する断面図である。 本発明の実施形態において、パッシベーション膜を非感光性樹脂で形成した場合の放射線検出装置及びその製造方法を説明する断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態において、蛍光体保護層を非感光性樹脂で形成した場合の放射線検出装置及びその製造方法を説明する断面図である。 本発明の実施例4に係る放射線検出装置の全体構成を示す断面図である。 本発明の応用例に係る放射線撮影システムの構成を示す概念図である。 従来例の放射線検出装置を示す断面図である。
符号の説明
1 パッシベーション膜(樹脂層)
1a 露光部(第1の部分、第1のパッシベーション膜部)
1b 未露光部(第2の部分、第2のパッシベーション膜部)
2 蛍光体層
3 蛍光体保護層(感光性樹脂保護層)
3a 露光部(第1の部分、第1のパッシベーション膜部)
3b 未露光部(第2の部分、第2のパッシベーション膜部)
7 蛍光体下地層(第1の部分、非感光性樹脂保護層)
8 樹脂層(第2の部分)
9 開口部(露出部)
10 蛍光体保護部材(第1の部分)
11 光
12 遮光マスク
13 開口部(露出部)
100 センサーパネル
101 基板
102 配線部
103 光電変換素子部
104 電極取り出し部(電極パッド部)
105 センサー保護層
201 蛍光体基板
202 反射層保護層
203 反射層
20X 蛍光体下地層
204 蛍光体
205 防湿保護層
206 蛍光体防湿保護層
301 封止樹脂
302 接着層

Claims (18)

  1. 基板上に2次元状に配置された複数の光電変換素子からなる受光部と、少なくとも前記受光部上に設けられた保護層と、前記保護層の周囲の前記基板上に配置された電極取り出し部と、を有するセンサーパネルと、
    該センサーパネルの少なくとも前記受光部上に配置された、放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換する波長変換体と、を有する放射線検出装置であって、
    前記センサーパネルは、少なくとも前記電極取り出し部上に設けられた感光性樹脂を除去して形成された開口部を有することを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記センサーパネルと前記波長変換体との間に樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記樹脂層は、感光性樹脂からなることを特徴とする請求項2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記波長変換体は、前記樹脂層上に配された柱状結晶構造を有する蛍光体層と、該蛍光体層の表面および側面を被覆し前記樹脂層と接して配された蛍光体保護層と、を有することを特徴とする請求項2または3に記載の放射線検出装置。
  5. 前記蛍光体保護層は、感光性樹脂からなることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出装置。
  6. 前記開口部は、前記電極取り出し部上に配された感光性樹脂からなる前記樹脂層及び前記蛍光体保護層を除去して設けられたことを特徴とする請求項5に記載の放射線検出装置。
  7. 前記波長変換体は、柱状結晶構造を有する蛍光体層と、該蛍光体層を支持する支持部材と、前記蛍光体層の表面及び側面を被覆し前記支持部材と接して配された蛍光体保護層と、を有することを特徴とする請求項2または3に記載の放射線検出装置。
  8. 前記樹脂層は、前記センサーパネルの表面全面に形成された感光性樹脂から、前記電極取り出し部上に配された領域の該感光性樹脂を除去して形成されたことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  9. 前記感光性樹脂は、ポリ尿素からなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
    前記放射線を発生させる放射線源と、
    前記放射線検出装置からの信号を画像として処理する信号処理手段と、
    前記信号処理手段からの信号を保存する保存手段と、
    前記信号処理手段からの信号を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする放射線検出システム。
  11. 基板上に2次元状に配置された複数の光電変換素子からなる受光部と、少なくとも前記受光部上に設けられた保護層と、前記保護層の周囲の前記基板上に配置された電極取り出し部と、を有するセンサーパネルと、該センサーパネルの少なくとも前記受光部上に配置された放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換する蛍光体層を含む波長変換体と、を有する放射線検出装置の製造方法において、
    少なくとも前記電極取り出し部上に配された領域は感光性樹脂からなる層により、前記保護層及び前記電極取り出し部を被覆する被覆工程と、
    前記層上に波長変換体を配置する配置工程と、
    前記配置工程の後、前記電極取り出し部上の前記感光性樹脂を除去して前記電極取り出し部上を露出する開口部と前記保護層上に配された樹脂層を形成する形成工程と、
    を有することを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  12. 前記被覆工程は、前記感光性樹脂への露光の有無により前記電極取り出し部上に配された領域の前記層を除去可能な層とする工程を更に有し、
    前記形成工程は、前記除去可能な層を除去することにより前記開口部及び前記樹脂層を形成することを特徴とする請求項11に記載の放射線検出装置の製造方法。
  13. 前記被覆工程は、前記保護層及び前記電極取り出し部を感光性樹脂からなる層により被覆し、前記電極取り出し部上に配された領域の前記層への露光の有無により前記領域の前記層を除去可能な層とする工程であることを特徴とする請求項11または12に記載の放射線検出装置の製造方法。
  14. 前記形成工程は、前記層上に蛍光体層を形成する工程と、前記蛍光体層の表面及び側面を被覆し前記層に接する蛍光体保護層を形成する工程と、を有する請求項11乃至13のいずれか1項に記載の放射線検出装置の製造方法。
  15. 少なくとも前記電極取り出し部上に配された領域の前記蛍光体保護層は感光性樹脂からなり、
    前記形成工程は、前記領域の前記蛍光体保護層への露光の有無により前記領域の蛍光体保護層を除去可能な蛍光体保護層とする工程を更に有し、
    前記電極取り出し部上の前記感光性樹脂を除去する工程は、前記除去可能な層と前記除去可能な蛍光体保護層とを同時に除去することを特徴とする請求項14に記載の放射線検出装置の製造方法。
  16. 前記感光性樹脂は、露光しないことにより除去可能となるネガタイプの感光性樹脂であることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項記載の放射線検出装置の製造方法。
  17. 前記感光性樹脂は、ポリ尿素からなる有機膜であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項記載の放射線検出装置の製造方法。
  18. 前記除去工程は、前記除去可能な層及びまたは前記除去可能な蛍光体保護層を加熱現像により除去することを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項記載の放射線検出装置の製造方法。
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