JP2020134253A - シンチレータプレートの製造方法、シンチレータプレート、放射線検出装置および放射線検出システム - Google Patents

シンチレータプレートの製造方法、シンチレータプレート、放射線検出装置および放射線検出システム Download PDF

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Abstract

【課題】シンチレータの基板に対する密着力を維持するのに有利な技術を提供する。【解決手段】樹脂層の上にシンチレータ層が配されるシンチレータプレートの製造方法であって、基板の上に樹脂層を形成するための樹脂材料層を形成する第1工程と、樹脂材料層の上に蒸着法を用いてシンチレータ層を形成する第2工程と、を含み、第2工程において、シンチレータ層を構成するシンチレータの形成と共に、樹脂材料層の硬化反応が進行し樹脂層が形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、シンチレータプレートの製造方法、シンチレータプレート、放射線検出装置および放射線検出システムに関する。
放射線を光に変換するシンチレータと、シンチレータによって変換された光を検出する光電変換素子と、を組み合わせた放射線検出装置が広く用いられている。基板の上に柱状結晶を備えるシンチレータを形成する際に、基板とシンチレータとの間の密着力を高めるために、基板の上に樹脂層を形成し、樹脂層の上にシンチレータを形成する場合がある。樹脂層の上に形成されるシンチレータは、結晶成長の初期において密に詰まった状態で形成される場合がある。樹脂層との界面に位置する密に詰まったシンチレータの結晶内で、放射線検出装置を使用中の温度サイクルなどによって応力が発生すると、シンチレータの一部が樹脂層から剥がれてしまう可能性がある。特許文献1には、基板上に複数の凸部を形成し、凸部の上にシンチレータを形成することが示されている。
特開2014−134430号公報
特許文献1の構成では、シンチレータが凸部の上に分離して配されるため、放射線検出装置を使用中の温度サイクルなどによる応力の発生が抑制され、シンチレータが下地層から剥がれることが抑制されうる。しかしながら、基材上に凸部となる材料を塗布乾燥によって形成し、フォトリソグラフィを用いて凸部を形成するため、製造プロセスが煩雑となり、製造コストが増加してしまう。
本発明は、シンチレータの基板に対する密着力を維持するのに有利な技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係るシンチレータプレートの製造方法は、樹脂層の上にシンチレータ層が配されるシンチレータプレートの製造方法であって、基板の上に樹脂層を形成するための樹脂材料層を形成する第1工程と、樹脂材料層の上に蒸着法を用いてシンチレータ層を形成する第2工程と、を含み、第2工程において、シンチレータ層を構成するシンチレータの形成と共に、樹脂材料層の硬化反応が進行し樹脂層が形成されることを特徴とする。
上記手段によって、シンチレータの基板に対する密着力を維持するのに有利な技術を提供する。
本発明に係るシンチレータプレートを用いた放射線検出装置の構成例を示す図。 図1の放射線検出装置の製造方法を示す断面図。 図1の放射線検出装置の構成例を示す断面図。 図3の断面図の変形例を示す図。 図1の放射線検出装置のシンチレータ層および樹脂層の形状を示す図。 図1の放射線検出装置と比較例の樹脂層の形成条件を示す図。 図1の放射線検出装置と比較例の評価結果を示す図。 本発明に係る放射線検出装置を用いた放射線撮像システムの構成例を説明する図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
また、本発明における放射線には、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども含みうる。
図1(a)〜7を参照して、本発明の一部の実施形態における放射線検出装置について説明する。図1(a)は、本発明の実施形態における放射線検出装置100の放射線を照射するための入射面の平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A’間における断面図である。放射線検出装置100は、光を検出するためのセンサパネル110と、入射した放射線をセンサパネルで検出可能な光に変換するための波長変換部120と、を含む。また、放射線検出装置100は、パッド131と接続部132とを含む。
センサパネル110は、基板111と、波長変換部120で放射線から変換された光を検出するための光電変換部112と、樹脂層113と、を含む。波長変換部120は、放射線を光電変換部112で検出可能な光に変換するシンチレータ層121と、反射層123と、シンチレータ層121と反射層123とを結合するための結合層122と、を含む。
基板111は、例えば、ガラス基板や絶縁性の耐熱樹脂基板であってもよい。ガラス基板や耐熱樹脂基板である基板111の上にシリコンなどの半導体膜が形成され、この半導体膜に光電変換部112が形成されていてもよい。また、基板111は、シリコンなどの半導体基板であってもよい。この場合、基板111に直接、光電変換部112が形成されていてもよい。
光電変換部112には、波長変換部120のシンチレータ層121を構成するシンチレータで放射線から変換された光を検出するための複数の光電変換素子と、複数の光電変換素子から信号を読み出すためのスイッチ素子と、が配される。例えば、光電変換部112には、複数の光電変換素子が行列状に配される。光電変換素子は、シンチレータ層121で変換された光を電荷に変換し、スイッチ素子を介して光電変換素子で生成された電荷に応じた電気信号が読み出される。光電変換部112のそれぞれの光電変換素子から出力された電気信号に基づいて、放射線画像が生成される。
樹脂層113は、光電変換部112を覆うように配される。樹脂層113には、蒸着法を用いてシンチレータ層121を形成する際の温度に対して耐熱性を有する熱硬化性樹脂が使用されうる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂やエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などの各種の樹脂が主成分として用いられる。樹脂層113の厚さは、厚すぎる場合、光学的透明性や鮮鋭度に影響を及ぼす。また、樹脂層113の厚さが薄すぎる場合、シンチレータ層121の形成中に、それぞれのシンチレータの柱状結晶が1つ以上の柱状結晶によって構成される複数のシンチレータ群に分割される際に、柱状結晶との結合を維持できなくなってしまう可能性がある。このため、樹脂層113の膜厚は、1μm以上かつ10μm以下であってもよい。シンチレータ層121の形成中におけるシンチレータ群の分割および樹脂層113の形成の詳細については後述する。
シンチレータ層121を構成するシンチレータには、例えば、タリウム(Tl)が微量添加されたヨウ化セシウム(CsI:Tl)に代表される柱状結晶を備えるシンチレータが用いられうる。シンチレータ層121を構成するシンチレータは、蒸着法を用いて樹脂層113の上に直接形成される。
本実施形態において、基板111が光電変換部112を備える放射線検出装置100について説明するが、例えば、基板111が光電変換部112を備えていなくてもよい。この場合、基板111、樹脂層113、シンチレータ層121は、シンチレータプレートを構成しているといえる。この場合、基板111には、シンチレータで放射線から変換された光を透過する材料が用いられうる。例えば、ガラスやプラスチックなどが、基板111に用いられてもよい。また、基板111のシンチレータ層121とは反対の側に、光電変換素子を含むセンサパネルが配された場合、基板111、樹脂層113およびシンチレータ層121を含むシンチレータプレートは、センサパネルと共に放射線検出装置を構成しうる。
結合層122は、シンチレータ層121と反射層123とを結合する。結合層122は、シンチレータ層121を構成するシンチレータによって変換された光が通過できるように、当該光の波長について高い透過率を有する材料が用いられうる。
反射層123は、シンチレータ層121に対して光電変換部112とは反対の側に配される。反射層123は、シンチレータ層121で変換された光のうち、光電変換部112とは反対の側に進行した光を光電変換部112に向けて反射する。この反射層123による光の反射によって、光電変換部112の感度を向上させることができる。また、反射層123は、シンチレータ層121で変換された光以外の光(外部光)が光電変換部112に入射することを防止する機能も備えている。さらに、反射層123はシンチレータ層121を構成するシンチレータの防湿層や、電磁シールド層としても機能しうるものである。この反射層123は、例えば、金属箔または金属薄膜で構成されうる。この反射層123の材料としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅やそれらの合金など、金属材料を挙げることができる。これらの中で、放射線透過性の高い材料であるアルミニウムが、反射層123に用いられてもよい。
パッド131は、基板111の端部領域に配されている。接続部132は、パッド131上に配されている。接続部132は、センサパネル110と、放射線検出装置100が組み込まれる放射線撮像装置に配された実装基板(不図示)と、を接続するためのフレキシブルケーブルなどでありうる。
次いで、本実施形態における樹脂層113およびシンチレータ層121のより詳細な構成および製造方法について説明する。
まず、図2(a)に示されるように、基板111の上に樹脂層113を形成するための樹脂材料層213を形成する。ここで、樹脂材料層213とは、樹脂層113が形成される前段階の樹脂層よりも硬化反応(架橋反応)が進んでいない(完全に硬化していない)段階の層のことを指す。樹脂材料層213を適切な温度で硬化させることによって、硬化物である樹脂層113が得られる。樹脂材料層213は、溶剤に溶かした液状の樹脂を塗布した後に、シンチレータ層121の形成に耐えうる程度に硬化させることによって形成されてもよい。また、例えば、熱接着が可能なシート状の樹脂を基板111に接着することによって、樹脂材料層213が形成されてもよい。ここで、樹脂層113に用いられる材料として、樹脂材料層213から樹脂層113を形成する硬化温度(架橋温度)がシンチレータ層121を構成するシンチレータの形成を開始する温度よりも高い温度の材料が用いられる。また、樹脂層113に用いられる材料として、樹脂材料層213から樹脂層113を形成する硬化温度(架橋温度)がシンチレータ層121を構成するシンチレータを蒸着する際の最高温度よりも低い材料が用いられる。
樹脂材料層213を形成した後、図2(b)に示されるように、蒸着チャンバ201に樹脂材料層213が形成された基板111を搬入し、樹脂材料層213の上に蒸着法を用いてシンチレータ層121を構成するシンチレータを形成する。シンチレータの蒸着初期の温度は、低すぎる場合、発光量が著しく低下してしまう。しかしながら、後述する樹脂層113の形状を得るために、シンチレータの蒸着は、樹脂材料層213から樹脂層113を形成する硬化温度(架橋温度)よりも低い温度で開始される。例えば、シンチレータの形成を開始する際の温度が、100℃以上かつ150℃以下であってもよい。例えば、図2(a)に示される樹脂材料層213を形成する工程において、基板111の上に樹脂層113を形成するための樹脂材料を配し、所定の温度(第1温度)以下の温度で樹脂材料を硬化させることによって、樹脂材料層213を形成する。次いで、シンチレータの形成が、樹脂材料層213が形成された際の温度以下の温度で開始されてもよい。ここで、上述の「温度」とは、樹脂材料層213(または、樹脂層113)の温度でありうる。例えば、基板111の温度を測定することによって、樹脂材料層213(または、樹脂層113)の温度を取得してもよい。
シンチレータの形成を比較的低温で開始した後、蒸着中に温度を上昇させる。蒸着中の最高温度は、発光量の観点からより高い温度が求められるが、樹脂層113の耐熱性に応じて、適当な温度が設定されうる。つまり、シンチレータの形成を樹脂材料層213が形成された際の温度以下の温度で開始した後、樹脂材料層213が形成された際の温度よりも高く、かつ、樹脂層113の耐熱性に応じた温度(第2温度)以下の温度で、シンチレータが形成される。蒸着中の最高温度は、例えば、180℃以上かつ220℃以下など、200℃程度であってもよい。この最高温度は、上述のように、樹脂材料層213から樹脂層113を形成する硬化温度(架橋温度)よりも高い温度が選択される。これによって、シンチレータ層121を構成するシンチレータの形成と共に、樹脂材料層213の硬化反応が進行し樹脂層113が形成される。
以上のような構成、製造方法によって、蒸着チャンバ内や蒸着物質による熱、蒸着後の冷却熱によって伸縮したシンチレータ層121のシンチレータは、それぞれシンチレータの1つ以上の柱状結晶によって構成される複数のシンチレータ群に分割される。換言すると、図2(c)に示されるように、シンチレータ層121は、それぞれシンチレータの1つ以上の柱状結晶によって構成される複数のシンチレータ群221と、複数のシンチレータ群221のうち互いに隣り合うシンチレータ群の間に配される間隙222と、を含むようになる。つまり、間隙222は、このシンチレータ層121を形成する工程によって生成される。このとき、形成された樹脂層113も、シンチレータ群221の分割と呼応するように移動する。これによって、樹脂層113は、複数のシンチレータ群221と接する部分(第1部分)と、間隙222の下に配され複数のシンチレータ群221と接していない部分(第2部分)とを含むようになる。また、樹脂層113のシンチレータ群221と接していない間隙222の下に配された部分は、シンチレータ群221に接する部分に樹脂材料が引っ張られることによって膜厚が低下する。結果的に、樹脂層113のシンチレータ群221と接する部分の膜厚が、シンチレータ群221と接していない部分の膜厚よりも厚くなり、形成された樹脂層113は、凹凸形状となる。
本実施形態において、シンチレータ層121を構成するシンチレータを形成する際に、シンチレータ層121の下地層を樹脂材料層213から樹脂層113に硬化させる。これによって、シンチレータ層121を構成するシンチレータは、シンチレータ群221ごとに間隙222をあけて、樹脂層113に密着して配される。これによって、放射線検出装置100を形成した後に、温度サイクルなどがかかった場合であっても、シンチレータの樹脂層113との界面付近での応力の発生が抑制される。結果として、シンチレータが樹脂層113から剥がれることによるアーチファクトの発生が抑制される。また、このような効果が、シンチレータ層121の形成中の温度を調整することによって、プロセスステップを増加させることなく実現できる。
シンチレータ層121のシンチレータ群221の分割サイズは、均一である必要はない。また、図3に示されるように、基板111のシンチレータ層121が配された面に対する正射影において、複数のシンチレータ群221のそれぞれの大きさが、光電変換部112に配される複数の光電変換素子312が配されるピッチよりも小さくてもよい。また、シンチレータ層121が複数のシンチレータ群221に分割される数においても規定されない。
図4(a)〜4(e)は、シンチレータ層121が複数のシンチレータ群221分割される状態の例を示している。図4(a)〜4(e)では、1つの光電変換素子312の上に配される複数のシンチレータ群221を示している。
シンチレータ層を構成するシンチレータの柱状結晶が集まるシンチレータ群221は、図4(a)に示されるように、シンチレータの樹脂層113との界面から界面と反対側の上面まで完全に分割されていなくてもよい。つまり、互いに隣り合うシンチレータ群221の間に配される間隙222は、シンチレータ層121のうち少なくとも樹脂層113の側の一部に配されていてもよい。したがって、それぞれのシンチレータ群221は、シンチレータ層121と樹脂層113との界面で、それぞれの群が規定され、シンチレータ層121の上面の側においてつながっていてもよい。シンチレータ層121のうち少なくとも樹脂層113の側の一部が、それぞれのシンチレータ群221に分割されることによって、温度サイクルなどによる応力の発生が抑制され、シンチレータが樹脂層113から剥がれてしまうことを抑制できる。
また、シンチレータ群221は、図4(b)に示されるように、シンチレータの樹脂層113との界面から界面と反対側の上面まで完全に、それぞれがセパレートされていてもよい。また、図4(c)、4(d)に示されるように、分割されたシンチレータ群221の柱状結晶が、蒸着終了面である上面の側で、近接するように配されていてもよい。
樹脂層113のうち間隙222の下に配されるシンチレータ群221に接しない部分は、図4(a)〜4(d)に示されるように、その一部が柱状結晶に相対するように薄く形成されていればよい。また、樹脂層113は、図4(e)に示されるように、それぞれシンチレータ群221と接する部分同士が、互いに離れて存在していてもよい。図4(a)〜4(e)に示されるシンチレータ群221と樹脂層113との組み合わせは、どうのように組み合わせさられていてもよい。
以下、実施例および比較例について説明する。
実施例
まず、図2(a)に示されるように、表面に光電変換部112が形成された基板111を覆うように、樹脂材料層213を形成した。樹脂材料層213は、ニッカン工業株式会社製SAFSシート10μmを基板111の表面にラミネートすることによって仮圧着し、その後、160℃で1時間アニールすることによって硬化させ形成した。仮圧着する際のラミネート温度は100℃とした。
次いで、図2(b)、2(c)に示されるように、蒸着法を用いてシンチレータ層121を形成した。具体的には、ヨウ化タリウムとヨウ化セシウムを共蒸着し、柱状結晶のシンチレータによって構成されるシンチレータ層121を形成した。また、このとき同時に、樹脂材料層213の硬化反応が進行することによって、樹脂層113が形成された。蒸着の開始時の温度は、樹脂材料層213を形成する際の最高温度である160℃以下の140℃とした。また、蒸着中の最高温度(蒸着終了時の温度)は、樹脂材料層213を形成する際の最高温度である160℃よりも高い210℃であった。
上述の条件で形成したシンチレータ層121の蒸着初期側の柱状結晶の走査型電子顕微鏡(SEM)像が図5(a)に、樹脂層113のシンチレータ層121との接触表面のSEM像が図5(b)に、それぞれ示される。図5(a)に示されるように、シンチレータ層121には、それぞれシンチレータ群221と、互いに隣接するシンチレータ群221の間の間隙222と、が形成されていることが分かった。また、図5(b)に示されるように、樹脂層113には、それぞれのシンチレータ群221に対応するように、凹凸形状が形成されていることが分かった。
シンチレータ層121を形成した後、蒸着装置から基板111を取り出し、シンチレータ層121を覆うように反射層123を貼り付けることによって、図1(b)に示されるような放射線検出装置100を形成した。反射層123は、予めPETの反射層保護層(不図示)に反射層123としてアルミニウム膜が形成されたフィルム状シートの反射層形成面に、熱溶融樹脂を含む結合層122を転写接着させた3層のフィルム状シートを準備した。この3層のフィルムシートを、シンチレータ層121を覆い且つ3層フィルムシートの外周が基板111にかかるように配し、ヒートローラーによって加熱押圧し結合層122の溶着によって固定した。
第1比較例
まず、表面に光電変換部112が形成された基板111を覆うように、シンチレータ層121を形成する前に樹脂層113を形成した。樹脂層113は、ポリイミドの樹脂層材料を塗布し、樹脂層材料を200℃で2時間硬化させることによって形成した。
次いで、実施例と同様の条件でシンチレータ層121の形成および反射層123の形成を行った。シンチレータ層121の形成の前後で、樹脂層113の硬化状態(架橋状態)に変化はなかった。
第2比較例
樹脂層113を形成せずに、表面に光電変換部112が形成された基板111を覆うように、シンチレータ層121を形成した。シンチレータ層121を形成した後の工程は、上述の実施例および第1実施例と同様である。
それぞれ形成したシンチレータ層121に対して密着性を確認するためのピール試験を実施した。また、上述のように形成したそれぞれの放射線検出装置100に対して、ヒートサイクル(H/C)試験および光学伝達関数(MTF)の測定を行った。それぞれの評価を行った条件は、以下の通りである。
ピール試験
樹脂層113の上に形成されたシンチレータ層121の上面(樹脂層113との界面とは反対側の面)に、カッターナイフを用いて切込みを入れた。切込みを入れた際、樹脂層113からのシンチレータ層121を構成するシンチレータの剥離面積を比較した。
H/C試験
上述のように作製された放射線検出装置100を組み込んだ放射線撮像装置を恒温槽に投入し、50℃4時間、−30℃4時間を1つのサイクルとして、これを5回繰り返した。ヒートサイクルを繰り返した後、恒温槽を常温にて放射線撮像装置を取り出し、放射線画像を撮影し、試験前後でのアーチファクトの有無を観察した。
MTFの測定
上述のように作製された放射線検出装置100を組み込んだ放射線撮像装置の放射線入射面側にMTFチャートを配置し、放射線(X線)を照射してMTFを測定した。測定ポイントは蒸着する際に、基板111を回転させた回転中心から100mm、150mm、200mmの位置とした。
実施例の樹脂材料層213の形成条件および第1比較例の樹脂層113の形成条件を図6に示す。また、上述のそれぞれの評価の結果を図7に示す。実施例は、第1比較例と比較して、密着力、MTFともに高くなることが分かった。これは、樹脂層113の形成とシンチレータ層121の形成を同時に行うことによって、シンチレータ層121を構成するシンチレータの樹脂層113との界面付近での応力の発生が抑制されたためと考えられる。また、樹脂層113が配されていない第2比較例は、実施例と比較してシンチレータ層121の密着力が低下することが確認された。
上述した本発明の実施形態に係る放射線検出装置100が組み込まれた放射線撮像装置800は、放射線検査装置などに代表される放射線検出システムSYSに適用することが可能である。この放射線検出システムSYSは、放射線検出装置100を含む放射線撮像装置800と、イメージプロセッサなどを含む信号処理装置830と、ディスプレイなどを含む表示装置840と、放射線を発生させるための放射線発生装置810とを含み構成されうる。図8は、放射線検出装置100が組み込まれた放射線撮像装置800を含む放射線検出システムSYSの概略構成の一例を示す図である。
図8において、放射線発生装置810で発生した放射線(例えば、X線)は、患者などの被検者820の例えば胸部を透過し、放射線撮像装置800に入射する。入射した放射線には被検者820の体内部の情報が含まれている。放射線撮像装置800に組み込まれた放射線検出装置100では、入射した放射線に応じた電気的情報(電気信号)が得られる。その後、この情報はデジタル変換され、放射線検出装置100からの信号を処理する信号処理装置830(信号処理部)によって画像処理され、コントロールルーム(制御室)の表示装置840により検査結果として表示されうる。また、この情報は、電話、LAN、インターネットなどのネットワーク(伝送処理手段)によって遠隔地へ転送されうる。これによって、この情報をドクタールームなどの別の場所におけるディスプレイに検査結果として表示し、遠隔地の医師が診断することが可能である。また、この情報および検査結果を、例えば、光ディスクなどに保存することもできるし、フィルムプロセッサによってフィルムなどの記録媒体に記録することもできる。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
113:樹脂層、121:シンチレータ層、213:樹脂材料層

Claims (14)

  1. 樹脂層の上にシンチレータ層が配されるシンチレータプレートの製造方法であって、
    基板の上に前記樹脂層を形成するための樹脂材料層を形成する第1工程と、
    前記樹脂材料層の上に蒸着法を用いて前記シンチレータ層を形成する第2工程と、
    を含み、
    前記第2工程において、前記シンチレータ層を構成するシンチレータの形成と共に、前記樹脂材料層の硬化反応が進行し前記樹脂層が形成されることを特徴とするシンチレータプレートの製造方法。
  2. 前記第1工程において、基板の上に前記樹脂層を形成するための樹脂材料を配し、第1温度以下の温度で前記樹脂材料を硬化させることによって、前記樹脂材料層が形成され、
    前記第2工程において、前記シンチレータの形成を前記第1温度以下の温度で開始した後、前記第1温度よりも高く、かつ、第2温度以下の温度で前記シンチレータが形成されることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータプレートの製造方法。
  3. 前記第2工程において、前記シンチレータの形成を開始する際の温度が、100℃以上かつ150℃以下であることを特徴とする請求項2に記載のシンチレータプレートの製造方法。
  4. 前記第2温度が、180℃以上かつ220℃以下であることを特徴とする請求項2または3に記載のシンチレータプレートの製造方法。
  5. 前記シンチレータ層は、それぞれ前記シンチレータの1つ以上の柱状結晶によって構成される複数のシンチレータ群と、前記複数のシンチレータ群のうち互いに隣り合うシンチレータ群の間に配される間隙と、を含み、
    前記樹脂層は、前記複数のシンチレータ群と接する第1部分と、前記間隙の下に配され前記複数のシンチレータ群と接していない第2部分とを含み、
    前記第1部分の膜厚が、前記第2部分の膜厚よりも厚いことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のシンチレータプレートの製造方法。
  6. 前記間隙が、前記第2工程によって生成されることを特徴とする請求項5に記載のシンチレータプレートの製造方法。
  7. 前記間隙が、前記シンチレータ層のうち少なくとも前記樹脂層の側の一部に配されることを特徴とする請求項5または6に記載のシンチレータプレートの製造方法。
  8. 前記樹脂層が、熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のシンチレータプレートの製造方法。
  9. 前記樹脂層の膜厚が、1μm以上かつ10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のシンチレータプレートの製造方法。
  10. 基板と、基板の上に配された樹脂層と、前記樹脂層の上に配されたシンチレータ層と、を含むシンチレータプレートであって、
    前記シンチレータ層は、それぞれ1つ以上のシンチレータの柱状結晶によって構成される複数のシンチレータ群と、前記複数のシンチレータ群のうち互いに隣り合うシンチレータ群の間に配される間隙と、を含み、
    前記樹脂層は、前記複数のシンチレータ群と接する第1部分と、前記間隙の下に配され前記複数のシンチレータ群と接していない第2部分とを含み、
    前記第1部分の膜厚が、前記第2部分の膜厚よりも厚いことを特徴とするシンチレータプレート。
  11. 請求項10に記載のシンチレータプレートと、
    前記シンチレータ層で放射線から変換された光を検出するための複数の光電変換素子と、
    を含むことを特徴とする放射線検出装置。
  12. 前記複数の光電変換素子が、前記基板に配されていることを特徴とする請求項11に記載の放射線検出装置。
  13. 前記基板の前記シンチレータ層が配された面に対する正射影において、前記複数のシンチレータ群のそれぞれの大きさが、前記複数の光電変換素子が配されるピッチよりも小さいことを特徴とする請求項11または12に記載の放射線検出装置。
  14. 請求項11乃至13の何れか1項に記載の放射線検出装置と、
    前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理部と、
    を備えることを特徴とする放射線検出システム。
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