JP2006078093A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】 除霜ヒータ60のヒータ線61をスパイラル部61bと直線部61aで構成すると、直線部61aが軸方向に動きやすく、ヒータ線61がガラス管63に接触してガラス管63が破損する恐れがある。
【解決手段】 冷凍サイクルの蒸発器と、蒸発器に付着した霜を除霜するための除霜用ヒータ60と、冷凍サイクルに封入された冷媒とを備えた冷蔵庫において、除霜用ヒータ60は、ガラス管63と、該ガラス管63内部に設けた直線部61aとスパイラル部61bを有するヒータ線61と、ガラス管63の端部を封止するゴムキャップ66からなり、ゴムキャップ66にガラス管63の内側に嵌合させる栓部66aを設け、栓部66aにヒータ線61を保持する保持部材64を設ける。この構成によって、直線部61aが径方向に動き易い部分が短くなり、熱伝導率を高くするためにスパイラル部61bとガラス管63の隙間を小さくした場合でも、ヒータ線61がガラス管63に接触しにくいようになる。
【選択図】 図11

Description

本発明は、除霜ヒータを有した冷蔵庫に関する。
除霜ヒータを有した冷蔵庫の従来技術例としては、特開2003−42637号公報が挙げられる。除霜用ヒータを構成するガラス管を外側ガラス管と内側ガラス管の二重管として、内側ガラス管の内側にヒータ線を備え、外側ガラス管及び内側ガラス管の両端部を封止部材で密閉することにより、可燃性冷媒が漏洩したときに外側ガラス管内に可燃性冷媒が入り込むのを防止し、可燃性冷媒が高温のヒータ線に接触しないようにして、発火の危険性を抑制している。
特開2003−42637号公報
特許文献1に記載の発明は、可燃性冷媒がヒータ線に触れることは抑制しているが、ヒータ線を可燃性冷媒の発火温度以下まで下げることについては、考慮していない。ヒータ線とガラス管の間には比較的熱伝導度が小さい空気が存在しているため、ヒータ線とガラス管の隙間を小さくすることで熱伝導性を向上させ、その結果除霜ヒータの出力を保ったままヒータ線の温度を低くすることができる。しかし、ヒータ線とガラス管を近接させた場合、除霜ヒータの動作中にヒータ線がガラス管ガラス管に接触し、ガラス管が局所的に加熱されて破損や変形をする恐れがある。
本発明は上記課題にあたり、ヒータ線とガラス管を近接させた場合でも、ヒータ線とガラス管が接触することを防ぐことを目的とする。
本発明は、冷凍サイクルの蒸発器と、前記蒸発器に付着した霜を除霜するための除霜用ヒータとを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータは、ガラス管と、該ガラス管内部に設けられたヒータ線と、前記ガラス管の端に取付けられるゴムキャップと、前記ヒータ線を保持する保持部材とを有し、前記ゴムキャップは、前記ヒータ線の外側の前記ガラス管を内側から係合する栓部を有し、前記保持部材は、前記栓部の中に備えられたことを特徴とする冷蔵庫である。
上述したように本発明では、ヒータ線の直線部の中ほどを固定してヒータ線の直線部を径方向に動きにくくすることで、ヒータ線のスパイラル部とガラス管の隙間を小さくしても、ヒータ線とガラス管を接触しにくくし、ガラス管の変形や破損を防ぐことができる。
以下本発明の実施の形態について、図1から図14を用いて説明する。
本発明による実施例1について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施例1における冷蔵庫の要部の縦断面図である。
図1に示すように、30は冷蔵庫本体であり、該冷蔵庫本体30は、冷蔵室32と野菜室33を有する冷蔵温度室31、及び、急速冷凍室35や製氷室(図示せず)と冷凍室36を有する冷凍温度室34とをその内部に区画形成している。43は冷蔵温度室31や冷凍温度室34を所定の温度に冷却する蒸発器である。39は蒸発器43の冷気を冷蔵温度室用ダンパ(図示せず)や冷凍温度室用ダンパ(図示せず)より吐出して、冷蔵温度室31や冷凍温度室34を所定の温度に冷却保持する送風機である。60は蒸発器43に付着した霜を融解するのに十分な除霜能力を有した除霜手段の除霜ヒータであり、除霜ヒータ60により融解された除霜水は、排水蒸発皿47に落下し、冷蔵庫機械室内に設置された圧縮機48の高温熱により蒸発される構成としてある。なお、圧縮機48や蒸発器43にて構成する冷凍サイクルの内部には、可燃性冷媒が封入されている。40は蒸発器43の温度を検知する温度検知手段であり、41及び42は冷蔵温度室31及び冷凍温度室34の温度を検知する温度検知手段である。
次に、除霜ヒータ60の構成について図2により説明する。図2は本発明の実施の形態1における蒸発器43の下側の除霜ヒータ60周辺の断面図である。
除霜ヒータ60は、前述の蒸発器43の該当下部で、且つ、冷気戻り口44の冷気流通を塞がない位置に設置されている。除霜ヒータはガラス管63とヒータ線61とを有している。71は除霜水が除霜中の高温のガラス管63に掛かって割れないように設置された屋根部材であり、72はガラス管63が万一の場合に破損して、ガラス管63内に設置されたヒータ線61が露出しても、外部に電流を漏洩させないように設置された除霜ヒータ60の受け部材である。45は除霜水を排水口46に導入する樋部材である。
除霜ヒータ60は、冷蔵庫運転中に蒸発器43に付着した霜を融解するのに十分な除霜能力を有した金属抵抗体からなるヒータ線61を有している。ヒータ線61は、除霜用加熱源の主体となるスパイラル部61bを有しており、その外表面を後述する隙間を有してガラス管63で覆い、除霜水や冷気が除霜用ヒータ61に掛からない構成にしてある。
除霜用ヒータ61の除霜能力は、冷蔵庫の着霜量が変化しても少しの残霜もなく除霜できるような値に発熱量を選定している。換言すれば、冷蔵庫内に収納する貯蔵食品の量や該貯蔵食品の水分量により、該冷蔵庫の扉開閉回数により、或いは、冷蔵庫の設置された周囲の温度湿度条件の変化により冷蔵庫の蒸発器43への着霜量が大きく変化しても、除霜用ヒータ61のジュール熱による発熱によって、少しの残霜もなく除霜できるようなヒータ容量に選定してある。また、また、ヒータ容量を大きくすることで除霜時間を短くすることによって、冷却運転の休止時間を短くして貯蔵室の温度上昇を抑えている。また、扉開閉によるとっさの温度上昇にも、素早く冷却運転を復帰して冷却を行うようにしてある。
なお、図2に示す、外形寸法K1のスパイラル部61bを覆うガラス管63の径は、冷気戻り口44の冷気流通を塞がない大きさに設定してある。つまり、蒸発器43の厚さ寸法近くで、かつ、該厚さ寸法D1以下に設定してある。換言すれば、蒸発器43の厚さD1寸法は、その製造方法により異なるが、通常は、30mmから60mmに設定されるので、冷気戻り口44の冷気流通を考慮すると、除霜ヒータ60の外径K1は25mm以下が望ましい。
次に、除霜ヒータ60の幅方向の配置について、図3により説明する。なお、図1および図2と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。図3は図2のA−A線における要部の断面図である。図3において、除霜ヒータ60は、略円筒形のガラス管63と、該ガラス管63内部に設けた直線部61aとスパイラル部61bとを有する金属抵抗体からなるヒータ線61と、ガラス管63の両端を封止し、ヒータ線61のスパイラル部61bとガラス管63の中心軸がほぼ一致するようにヒータ線61を保持するゴムキャップ66とを備えている。除霜ヒータ60は蒸発器43下部に設置されて、蒸発器43自身および蒸発器周囲に付着した霜を、短時間で少しの残霜もなく除霜できるようなヒータ容量に設定されている。また、ゴムキャップ66はシリコンゴム等の電気的絶縁性能を有し、高温度下でも長期使用可能な耐熱性のある弾性体材料により形成されている。45aはゴムキャップ66を支持することにより、除霜ヒータ60を、蒸発器43の該当下部の所定位置に保持するように構成された支持部材である。
図4に本実施例の除霜ヒータ60の端部付近の拡大図を示す。ヒータ線61を長くすれば、ヒータ線61の単位長さあたりの発熱量を低減させることができる。除霜ヒータ60の軸方向の長さは、冷却器を内置する冷却室49の横幅により、従来の除霜ヒータでもほぼ限界近くまで長くなっているので、本実施例では、ヒータ線61のスパイラル部61bのスパイラル径を大きくしたので、ヒータ線61を長くすることができ、ヒータ線61全体の発熱量を変えないで単位長さあたりの発熱量を小さくしている。また、ヒータ線61の長さを長くしたので、単位長さあたりの電気抵抗値を小さくする、すなわちヒータ線径を大きくしてヒータの表面積を大きくしている。
仮に、従来の除霜ヒータに比べてスパイラル径を2倍にした場合のヒータ線の表面積あたりの発熱量を計算する。スパイラル径を2倍にしたため、ヒータ線の長さは2倍になり、単位長さあたりの発熱量は1/2倍になる。また、長さを2倍にしたため、単位長さあたりの電気抵抗値は1/2倍になり、ヒータ線の材料を変更しない場合にはヒータ線の断面積は2倍になる。そして、ヒータ線の断面の周囲長さは約1.4倍になる。つまり、ヒータ線の表面積は2.8倍になり、単位表面積あたりの発熱量は、0.35倍になり、大幅な発熱量の減少をすることができる。すなわち、スパイラル径をx倍にすると、ヒータ線61の表面積あたりの発熱量は、x−3/2になる。
したがって、スパイラル部61bのスパイラル径は大きければ大きいほどヒータ線61の温度は下がるが、スパイラル径の拡大に伴ってヒータ線61を内包するガラス管63径も大きくしなければならない。ガラス管63径を大きくした場合には、冷却器を内置する冷却室49の通気抵抗が増加して冷却効率が低下するので、ガラス管63径は適切に設定しなければならない。特許文献1に記載の発明のように二重のガラス管を採用したものにおいては、冷却室49の通気抵抗の増加を抑える範囲で外側のガラス管径を増大させており、本実施例では、その外側のガラス管にヒータ線61が入るように、スパイラル部61bのスパイラル径を調整している。具体的なスパイラル径については、後述する。
図5は本発明にかかる制御装置のブロック図であり、図6は本発明にかかる除霜ヒータ60の特性図である。
本発明にかかる冷蔵庫について、以下にその動作を説明する。図1に示す圧縮機48の運転により冷凍サイクルの蒸発器43が冷却されると、蒸発器43に設置された温度検知手段40の情報により、制御手段102が判断し、駆動手段117を通じて送風機39が運転され、同時にダンパ開閉手段110を通じて冷蔵温度室用ダンパや冷凍温度室用ダンパを制御して、冷蔵温度室31及び冷凍温度室34の温度を所定の設定温度となるように冷却保持する。圧縮機48の運転開始後に所定の時間が経過すると、圧縮機48の回転数や運転時間及び送風機39の回転数や運転時間を回転数感知手段104や運転時間カウント手段105が制御手段102に情報を送り、制御手段102がこの情報や蒸発器43に設置された温度検知手段40の情報及び冷蔵温度室31や冷凍温度室34の温度を検知する温度検知手段41や42の情報を判断して、除霜の開始を判断する。
除霜を行うときには、圧縮機48及び送風機39を停止させ、冷蔵温度室用ダンパ及び冷凍室用ダンパを閉じ、通電手段121を通じて除霜ヒータ60の除霜用ヒータ61に通電する。通電された除霜用ヒータ61は、蒸発器43への着霜量が変化してもジュール熱による発熱量によって少しの残霜もなく除霜できるような能力を設定してあるので、蒸発器43の着霜及び蒸発器43周辺部材の着霜を完全に除霜する。この除霜中の温度特性を、図4に示す温度特性図で説明する。
図6の縦軸は蒸発器43やヒータ線61の表面温度を示し、横軸は除霜開始からの時間を示している。曲線Eが蒸発器43の表面温度を示し、曲線Fがヒータ線61の表面温度を示している。
除霜ヒータ60に通電されると、ヒータ線61のスパイラル部61bはジュール熱により発熱し、表面温度は曲線Faのように上昇し、温度T3まで上昇する。この温度T3は、可燃性冷媒の発火温度より低く設定してある。温度T3になると、ヒータ線61は、自己が発するジュール熱とヒータ線が低温の周囲に放熱する熱量が平衡状態となり、温度がほぼ一定になる。ヒータ線61の温度が上昇するにつれて、温度により暖められた周囲空気の対流熱及びスパイラル部61bよりの赤外線透過熱により蒸発器43の表面温度は曲線Eaのように上昇して、蒸発器43に付着した霜や蒸発器43周辺の霜が融け始める。霜の融解の潜熱が大きいために、霜が融け始めてしばらくの間は蒸発器43の表面温度は曲線Ebに示すようにある一定の温度T1を保持する。上記の状態がある時間経過し、除霜ヒータ60に通電されてからの時間がG1になる頃には、蒸発器43やその周辺に付着した霜が完全に融け終わる。
霜が融け終わっても除霜ヒータ60には通電されているので、ヒータ線61の温度は、曲線Fbに示すように、T3の温度を保持している。このT3の温度による周囲空気の対流熱および赤外線透過熱により、蒸発器43の表面温度は曲線Ecのように急激に上昇する。この曲線Ecの温度上昇が所定の温度Δt2になると、該Δt2自身やΔt2上昇後の蒸発器43の表面温度T2および前述の温度T1を、図3に示す温度検知手段40が検知し、該情報を制御手段102に入力する。同時に、除霜時間G1やG2を運転時間カウント手段105が検知して、その情報を制御手段102に入力する。これらの情報より除霜完了が判断されると、制御手段102は、通電手段121を通じて除霜用ヒータ61を有する除霜ヒータ60への通電を止める。
また、除霜中あるいは除霜完了後に、ヒータ線61の温度T3やT4を温度検知手段108が検知し、この情報を制御手段102に入力し、制御手段102は積算手段116や可燃性冷媒の発火温度等およびその利用のための安全率等が入力されている記憶手段113の情報を加味して、万が一、図4に示すT4温度が、可燃性冷媒の発火温度、あるいは、事前にプログラムされた発火温度未満の所定温度になると、通電手段121を通じて除霜ヒータ60への通電を止める。換言すれば、除霜ヒータ60のなかで、その構成上最高温度となるスパイラル部61bの温度T4が、可燃性冷媒の発火温度未満であり、しかも、蒸発器43表面やその周辺に少しの残霜もなく除霜完了した時間G2を、制御手段102が判断して、除霜時間を制御する構成にしてある。
なお、制御手段102は、ヒータ線61の温度T4を、可燃性冷媒の発火温度未満に保持するように、温度検知手段108や除霜時間G2を制御しているが、同時に、通電手段121を通じて除霜ヒータ60への印加電圧を制御することが望ましい。
また、図6にしめすΔg3は、除霜用ヒータ61への通電を止めてから、圧縮機48を駆動して冷却運転を再開するまでの時間であり、該Δg3時間は霜を溶かした除霜水が蒸発器周辺より落下して完全に排水され終わったことを確認する時間であることは、当業者の良く知るところである。
なお、図6に示すΔg1は蒸発器43の表面温度上昇による影響でヒータ線61のスパイラル部61bの温度が上昇するまでのタイムラグであり、このタイムラグΔg1およびスパイラル部61bの温度上昇時間Δg2は、スパイラル部61bを含む除霜用ヒータ61自身の熱容量により左右されることは自明である。また、Δt4は前述のΔg2時間の前後に現れるスパイラル部61bの温度T3とT4の温度差であるが、該Δt4は、スパイラル部61b自身の熱容量により変化することも自明である。
このことから、本発明の実施例1は、蒸発器43或いはその周辺に付着した霜を少しの残霜もなく除霜できる構成とし、万が一冷凍サイクルの可燃性冷媒が庫内に漏洩した場合に除霜が行われても、スパイラル部61bを含む除霜ヒータ60は、可燃性冷媒の発火温度未満の温度にしかならないので発火の危険性が低下する。
つぎに、本発明の除霜ヒータ60の特性を説明する。
図7は、除霜ヒータ60の数種類の線径のヒータ線61及び大きな径のガラス管63を用い、実際の冷蔵庫と同一の使用環境でヒータ線の表面温度を測ったものである。除霜ヒータの幅及び発熱容量は一定としているので、ヒータ線61径が大きくなるにつれて、ヒータ線61の電気抵抗値を等しくするためにヒータ線61が長くなり、スパイラル部61bの外径も大きくなる。
図7(a)は、除霜中のスパイラル部61bの表面温度とスパイラル部61bの外径の関係を示すものであり、図4に示すスパイラル部61bの外径K1を横軸に表示し、スパイラル部61bの表面温度を縦軸にて表示している。図7(b)は、除霜中の前記スパイラル部の表面温度と該スパイラル部の線径K3との関係を示すものであり、図7に示すスパイラル部61bの線径を横軸に表示し、スパイラル部61bの表面温度を縦軸にて表示している。
図7によると、スパイラル径を10mm以上、ヒータ線径を0.42mm以上にすることによりヒータ線61の表面の温度は可燃性HC冷媒の温度を下回ることが分かった。これは、ヒータ線61を長く太くすることでヒータ線61の表面を拡大することにより、放熱性がよくなり、また、表面積あたりの発熱量が減少したためである。
安全のことを考えると、ヒータ線61の温度は、可燃性冷媒の発火温度から100℃以上低いほうがよい。スパイラル径を大きくすれば大きくするほどヒータ線61の表面温度は低下するが、ヒータ線61を内包するガラス管63の径が大きくなり、冷却室49の通気抵抗が大きくなる。ヒータ線61のスパイラル径を12〜25mmとすれば、冷却室49の通気抵抗を大幅に増大させることなくヒータ線61のスパイラル径を大きくして、ヒータ線61の表面温度を低く抑えて、可燃性冷媒に発火する恐れを無くすることができる。また、スパイラル径拡大に伴い、ヒータ線長が大きくなり、電気抵抗値を低くするためにヒータ線径を大きくすることができ、0.42mm以上(かつ2.0mm以下)とすることが望ましい。
上記のように構成された冷蔵庫について、以下にその動作を説明する。除霜中は、リード線68を通じて電気がヒータ線61に通電され、ヒータ線61はジュール熱により発熱する。このとき、除霜ヒータ60はスパイラル部61bの外径を10mm以上としているので、スパイラル部61bの表面温度を、可燃性冷媒の発火温度未満に保持しながら除霜する。また、除霜ヒータ60は、蒸発器43自身、或いはその周辺に付着した霜を、少しの残霜もなく除霜できる発熱容量を有しているので、蒸発器43自身、或いはその周辺に付着した霜を完全に溶かすことが出来る。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例1と同じものは、同じ符号をつけて説明を省略する。
ヒータ線61の長さは、スパイラル部61bの隣り合うヒータ線61の間隔であるピッチを小さくすることによっても長くすることができ、これによって実施例1と同様にヒータ線61を太くして表面積を大きくすることができる。しかし、ピッチを小さくしすぎると、隣り合うヒータ線61からの放熱や赤外線の放射の影響を受け、温度が上昇してしまう。図8は、スパイラル径12mm、ヒータ線径0.42mmとしたときのピッチとヒータ線61表面温度の関係を表している。このとき、除霜ヒータ60はスパイラル部のピッチは大きくすれば大きくするほど、隣接するヒータ線61からの影響が小さくなって表面温度が低くなり、ピッチを1.1mm以上とした場合には、スパイラル部の表面温度を可燃性冷媒の発火温度未満に保持しながら除霜行うようにすることができる。そして、除霜ヒータ60は、蒸発器43自身、或いはその周辺に付着した霜を、少しの残霜もなく除霜できる発熱容量を有しているので、蒸発器43自身、或いはその周辺に付着した霜を完全に溶かすことが出来る。
本発明の実施例2は、ヒータ線61のスパイラル部61bのピッチを1.1mm以上(かつ3.0mm以下)とすることで、蒸発器43自身、或いはその周辺に付着した霜を少しの残霜もなく除霜できる構成となり、しかも、万が一冷凍サイクルの可燃性冷媒が庫内に漏洩した場合に除霜が行われても、スパイラル部61bの表面温度が、可燃性冷媒の発火温度未満の温度にしかならないので発火の危険性が低下する。
つぎに、本発明の実施の形態3における要部の特性図により説明する。図9は、除霜中のスパイラル部61bの表面温度とスパイラル部61bとガラス管63との隙間寸法K2との関係を示すものであり、図4に示す隙間寸法K2を横軸に表示し、スパイラル部61bの表面温度を縦軸にて表示している。スパイラル部61bとガラス管61の間は、熱伝導が小さい空気の層が存在しているため、この空気の層を小さくすれば、熱伝導が大きくなる。スパイラル径10mm、ヒータ線径0.42mm、ピッチを1.1mmとした場合には、隙間寸法を0.95以下としたときに、ヒータ線表面温度は可燃性冷媒の発火点を下回っている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下にその動作を説明する。除霜中は、リード線68を通じて電気がヒータ線61に通電され、ヒータ線61はジュール熱により発熱する。このとき、除霜ヒータ60はスパイラル部外径面と前記ガラス管内径面との隙間を0.95mm以下としているので、スパイラル部の表面温度を、前述した可燃性冷媒の発火温度未満に保持しながら除霜する。また、該除霜ヒータ60は、前述した蒸発器43自身、或いはその周辺に付着した霜を、少しの残霜もなく除霜できる発熱容量を有しているので、該蒸発器43自身、或いはその周辺に付着した霜を完全に溶かすことが出来る。
また、このとき、除霜ヒータ60はスパイラル部の線径を0.42mm以上としているので、該スパイラル部の表面温度を、前述した可燃性冷媒の発火温度未満に保持しながら除霜する。そして、該除霜ヒータ60は、前述した蒸発器43自身、或いはその周辺に付着した霜を、少しの残霜もなく除霜できる発熱容量を有しているので、該蒸発器43自身、或いはその周辺に付着した霜を完全に溶かすことが出来る。なお、前記スパイラル部の線径は大きくすればするほど、それ自身が発生するジュール熱を、その表面積から放熱しやすいが、線径を大きくすれば、ヒータ線の電気抵抗は低下する。従って、除霜ヒータ60自身の除霜能力を低下させないために該線の長さを長くするので、前述の図5に示したスパイラル部の長さL60を所定長さにするために、前記スパイラル部61bの外形を大きくするものである。従って、スパイラル部61bの外形を12mmから25mmとした場合は、前記線径は0.42mmから2.0mmとするのが望ましい。
このことから、本発明の実施例3は、蒸発器43自身、或いはその周辺に付着した霜を少しの残霜もなく除霜できる構成となり、しかも、万が一冷凍サイクルの可燃性冷媒が庫内に漏洩した場合に除霜が行われても、スパイラル部61bの表面温度が、可燃性冷媒の発火温度未満の温度にしかならないので発火の危険性が低下する。
すなわち、スパイラル径を12〜20mmとすることで、ヒータ線61を長くして、ヒータ線61全体の発熱量を確保したまま表面積あたりの発熱量を減少させて、ヒータ線温度を低く抑えることができる。
また、ヒータ線61全体の電気抵抗は変えずに長さを長くしたので、単位長さあたりの電気抵抗を小さくすることができる。ヒータ線61の材料を変更しないとして、ヒータ線61径を長さの2の平方根倍にすることができ、本実施例では0.42mm以上が望ましい。
また、スパイラル部61bのヒータ線61の間隔であるピッチも、過度の発熱を抑えるために、1.1mm以上がのぞましい。
このときのヒータ線61とガラス管63の間隔は0.95mm以下が望ましい。
本発明による実施例4について、図面を参照しながら説明する。なお、実施例1〜3と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図7は本発明の実施例4における除霜ヒータ60の要部の断面図である。図7に示すように、61は除霜ヒータ60の構成要素であるヒータ線であり、直線部61aと除霜用発熱源の主体となるスパイラル部61bを有している。
63はスパイラル部61bと間隙を有して設けられたガラス管である。ガラス管63は略円筒形状を成し、その両端開口部は弾性体の栓部材65を有する絶縁端子部材であるゴムキャップ66により覆われている。64はガラス管63両端開口部内に挿入された弾性体の栓部材65内に設置された保持部材であり、該保持部材64はスパイラル部61bを、ガラス管63内の所定位置に保持できるように構成されている。68はヒータ線61に電流を供給するリード線であり、リード線68とヒータ線61は、接続部材67により接続されている。リード線68は、ヒータ線61とは異なり電気抵抗が低い材料で作られているため、その発熱量は小さい。
なお、図10に示す除霜ヒータ60全体の長さL8は、蒸発器43が収納される庫内壁を形成する内箱の大きさ寸法より小さくするため、ガラス管長さL7やスパイラル部長さL15は、従来例で示した冷蔵庫の該当長さと同じ長さであることが望ましい。
また、除霜用ヒータ60の直線部であるヒータ線部61aの長さL61、L62は、除霜用ヒータ60の通電中のジュール熱による温度上昇を、弾性体の栓部材65の変形温度未満に抑えられるように設定されている。
図10の除霜ヒータ60では、ガラス管63の端部をゴムキャップ66が覆っている。ゴムキャップ66がヒータ線61を保持する保持部64付近は、ヒータ線61は直線部61aとなっている。これは、ガラス管63端部のゴムキャップ66で覆われている部分はガラス管63が放熱しにくいため、ヒータ線61は軸方向長さあたりの発熱量が小さくなる直線部61aとしている。また、ガラス管63のゴムキャップ66で覆われていない部分も直線部61aとしている。これは、ゴムキャップ66を高温にするとゴムキャップ66が融けるので、ゴムキャップ66からスパイラル部61bまでの距離をおくためである。
しかし、ヒータ線61の直線部61aは、ガラス管63の径方向に動きやすい。スパイラル部61bとガラス管63の隙間を小さくすると、ヒータ線61の長さを取り易くなる。また、この隙間にある空気層はガラス等に比べて熱伝導が小さいため、この隙間を小さくすると、ヒータ線61からガラス管63の外に熱が伝わりやすくなり、除霜時間の短時間化やヒータ線温度の低温化をすることができる。しかし、ヒータ線61が動いてガラス管63に接触すると、ガラス管63が局所的に熱せられて破損する恐れがある。
ここで、本実施例の除霜ヒータ60の寸法関係について図11により説明する。図11は前述した図10の保持部材周辺の要部の断面図である。
図10のL15は除霜用ヒータ60のスパイラル部61bの長さ寸法であり、L15寸法部は、互いに隣接するヒータ線61からの影響を受けてその表面温度は非常に高温となる。図11のL14寸法はスパイラル部61bから保持部材64までの寸法であり、L14寸法は、実施例1で示した図4のK4寸法より短く設定してある。換言すれば、動きやすい直線部であるヒータ線61の直線部61aの寸法L14を小さく設定しており、スパイラル部61bとガラス管63との隙間K2を安定的に小さくするように構成されている。そのために、ゴムキャップ66は、ガラス管63の内側に嵌り込む構成とし、ゴムキャップ66の保持部64の内側にヒータ線61を保持する保持部材を内包する栓部66aを設ける。
図11において、栓部66aはその外周に、ガラス管63の内径に圧着挿入される嵌合部を有しており、圧着挿入された嵌合部内で、スパイラル部61bをガラス管63の中心に位置させる。つまり、ガラス管内に圧着挿入された栓部65の大きさを図11に示すL17寸法とし、さらにその内部に圧着挿入された保持部材64の位置をL16寸法とすると、L16寸法はL17寸法よりわずかに小さく為るように設定されている。保持部材64は、そのほぼ中央に、スパイラル部61bを有する除霜ヒータ61をガラス管63内の所定の位置に保持する支持部64bを有し、且つ、そのほぼ外周に、栓部66aの変形防止機能を有するように、外周に沿って軸方向に折り曲げられた外周部64aを有している。つまり、保持部材64はスパイラル部61bの外径とガラス管63の内径との隙間寸法を、所定の寸法K2に安定的に保持できるように、ガラス管63内に圧着挿入された栓部66a内に圧着挿入される構成にしてある。
また、スパイラル部61bと保持部材64との距離L14を従来より小さく設定することにより、動きやすい直線部であるヒータ線61の直線部61aの寸法L14を小さくして、スパイラル部61bとガラス管63との隙間K2を安定的に小さくするように構成されている。換言すれば、動きやすい直線であるヒータ線61の直線部61aの長さを、従来は図3に示すK4寸法相当の長さが必要であったが、ガラス管63内に圧着挿入した栓部65内に保持部材64を設置することにより、L16寸法分だけ短くしたものである。
これによって、スパイラル部61bの位置を安定させて、スパイラル部61bとガラス管63の隙間を小さくすることができ、ヒータ線61の放熱性を向上させてヒータ線61の低温化に貢献することができる。
本発明の実施例5について、図12により説明する。なお、実施例1〜4と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
本発明の実施例5の特徴とするところは、スパイラル部61bの保持部材79と栓部75との間に、剛性を有する固定管74を圧挿して、熱変形安定性を向上させたところである。つまり、図12に示すように、栓部75はその外周に、ガラス管63の内径に圧着挿入される嵌合部75bを有しており、圧着挿入された栓部75内に、剛性を有する固定管74を圧挿している。固定管74の長さ寸法は、固定管の外径面74aと栓部75の内径面75aを圧着して、栓部75内に固定管74を保持するのに十分な寸法が取れるように、L51+L52+L53寸法を設定してある。図12の固定管74は、ゴムキャップ76の栓部75よりも中央側にL51寸法突出し、また、ガラス管63の端部よりもL53寸法外側まであるが、栓部75の嵌合長さL52寸法の大きさ次第で、あるいは、栓部内に固定管75を保持するに十分な場合は、固定管74を短くして栓部より突出させない、または、ガラス管63の端部よりも外側に突出していなくても、その効果は同じである。
79は固定管74内に圧着挿入された保持部材であり、保持部材79は、スパイラル部61bをガラス管63の中心に位置させるように設置されている。つまり、保持部材79はスパイラル部61bの外径とガラス管63の内径との隙間寸法を、所定の寸法K2に安定的に保持できるように、固定管74内に圧着挿入されている。
また、保持部材79の圧着挿入位置であるL56寸法は正の値とし、且つ、L52寸法より小さく設定して保持部材79が栓部75の内側になるようにし、保持部材79の固定管74内への保持を確実にしてある。従って、動きやすい直線部であるヒータ線の直線部61aの保持部材79からスパイラル部61bまでの寸法L57を、従来より小さくできる。
つまり、動きやすい直線部であるヒータ線は、従来は図12に示すL58寸法相当の長さが必要であったが、保持部材79を従来ヒータ線61を保持していた位置よりも除霜ヒータ60の中央に近い位置にしたので、直線部61aが径方向に動きやすい状態である部分の長さをL56寸法分だけ短いL57寸法にできるものである。
このことから、本発明の実施例5は、外周をガラス管63で押さえられ、内周を固定管74外周で押さえられた栓部75内(固定管内)に保持部材79を設けたので、熱変形安定性が良好になる。
また、シリコンゴム等で形成する栓部75の外周面75bをガラス管63で押さえられ、内周を固定管外周面74aで押さえられるので、栓部75自身の高温に対する熱変形が少なくなる効果も生じる。つまり、図12に示すL54寸法を、従来例で示した図3のK4寸法より小さくできる。従って、動きやすい直線部であるヒータ線の直線部61aの寸法L57をより小さくできるので、スパイラル部61bの外径と前記ガラス管63の内径との隙間寸法をより小さくできる。
次に本発明の実施例6について図13により説明する。なお、実施例1〜5と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
本発明の実施例6の特徴とするところは、スパイラル部61bを有する除霜用ヒータ線に電流を供給するリード線68と、ヒータ線61との接続部材を、スパイラル部の保持部材と兼用としたものである。
つまり、図13に示すように、栓部85はその外周に、ガラス管63の内径に圧着挿入される嵌合部85bを有しており、圧着挿入された嵌合部85b内に、スパイラル部61bをガラス管63の中心に位置させる保持部材84を有している。保持部材84は、そのほぼ中央に、スパイラル部61bを有する除霜ヒータ61をガラス管63内の所定の位置に保持する支持部84bを有し、且つ、そのほぼ外周に、栓部85の変形防止機能を有する外周部84aを有している。
87は除霜用ヒータ線に電流を供給するリード線68と、前記ヒータ線61との接続部材であり、接続部材87は、保持部材84と一体に形成されている。
接続部材87と保持部材84との一体形成は、板金加工や鋳物成型あるいはブローチ成形等があるが、板金加工の一例を図14により説明する。
図14は保持部材兼接続部材の加工工程説明図である。図14の(a)に示すように、保持部材84の原料部84eと、接続部材87の原料部87aとを一枚の金属材料で、所定形状に打ち抜き加工した後、折線部84c部より所定の角度に折り曲げ加工する。次に、図14の(b)に示すように、ヒータ線かしめ部87bと、リード線かしめ部87cを曲げ加工する。最後に、図14の(c)に示すように、原料部84eを絞り加工して、部品として完成させる。
このことから、本発明の実施例7は、リード線68とヒータ線61との接続部材を、スパイラル部61bの保持部材と兼用としたので、接続部材と保持部材とを単独で作製する必要が無く、製造コスト上有利な構成を持つ冷蔵庫を提供できる。
本発明の一実施例に係る冷蔵庫の縦断面図である。 本発明の一実施例に係る冷蔵庫の要部の縦断面図である。 本発明の一実施例に係る冷蔵庫の要部の縦断面図である。 本発明の一実施例に係る除霜ヒータの要部の断面図である。 本発明の一実施例に係る制御装置のブロック図である。 本発明の一実施例に係る除霜ヒータの特性図である。 本発明の一実施例に係る除霜ヒータの特性図である。 本発明の一実施例に係る除霜ヒータの特性図である。 本発明の一実施例に係る除霜ヒータの特性図である。 本発明の他の実施例に係る冷蔵庫の要部の縦断面図である。 本発明の他の実施例に係る除霜ヒータの要部の断面図である。 本発明の他の実施例に係る除霜ヒータの要部の断面図である。 本発明の他の実施例に係る除霜ヒータの要部の断面図である。 本発明の他の実施例に係る保持部材の加工工程説明図である。
符号の説明
43…蒸発器
48…圧縮機
60…除霜ヒータ
61…ヒータ線
61a…ヒータ線部
61b…スパイラル部
63…ガラス管
64…保持部材
65…栓部材
66…ゴムキャップ
68…リード線

Claims (3)

  1. 冷凍サイクルの蒸発器と、
    前記蒸発器に付着した霜を除霜するための除霜用ヒータとを備えた冷蔵庫において、
    前記除霜ヒータは、
    ガラス管と、
    該ガラス管内部に設けられたヒータ線と、
    前記ガラス管の端に取付けられるゴムキャップと、
    前記ヒータ線を保持する保持部材とを有し、
    前記ゴムキャップは、前記ヒータ線の外側の前記ガラス管を内側から係合する栓部を有し、
    前記保持部材は、前記栓部の中に備えられたことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 請求項1において、
    前記保持部材は、前記ヒータ線と、前記ヒータ線に電力を供給するためのリード線とを接続して保持することを特徴とする冷蔵庫。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記栓部の内側に係合し、前記保持部材を内包する固定管を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
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