JP2006076747A - エンジン発電機付きクレーンの制御方法およびエンジン発電機付きクレーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 吊荷を把持する吊具と、吊具を吊り下げる吊ロープと、吊ロープを巻き上げ、繰り出して吊具を昇降させるモータと、モータ駆動用電力を供給する発電機と、発電機を駆動するエンジンと、を有するエンジン発電機付きクレーンの制御方法であって、吊荷を巻き上げる時のモータ出力を、巻上時の最大出力である巻上最大出力Pmaxにまで増加させる際に、エンジンにかかる発電負荷が、エンジンがストールを起こす負荷であるストール負荷よりも小さくなるように、所定時間taかけてモータ出力を巻上最大出力Pmaxまで増加させることを特徴とする。
【選択図】 図6
Description
このように、巻き上げ速度を変更する制御を行うと、実際に吊荷を巻き上げているモータの消費電力も巻き上げ速度の変化に伴い変化する。例えば、巻き上げ速度を急に早くすると、モータの消費電力も急に増加する。
外部から電力が供給されるコンテナクレーン等においては、上述のように消費電力が急に増加しても、電力を安定して供給することができ特に問題が発生しなかった。
発電機を駆動するエンジンがストールするとモータへの電力供給が停止するため、荷役作業が中断して作業効率が低下するという問題があった。
本発明のエンジン発電機付きクレーンの制御方法は、吊荷を把持する吊具と、該吊具を吊り下げる吊ロープと、該吊ロープを巻き上げ、繰り出しすることにより前記吊具を昇降させるモータと、前記モータの駆動用電力を供給する発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、を有するエンジン発電機付きクレーンの制御方法であって、前記吊荷を巻き上げる時の前記モータの出力を、巻上時の最大出力である巻上最大出力にまで増加させる際に、前記エンジンにかかる発電負荷が、エンジンがストールを起こす負荷であるストール負荷よりも小さくなるように、所定時間かけて前記モータの出力を前記巻上最大出力まで増加させることを特徴とする。
また、モータの最大出力に応じた最大出力を有するエンジンを用いることができる。そのため、必要以上に大きな最大出力を有するエンジンを用いる必要がなくなる。
本発明によれば、吊荷の巻上加速度をより大きくすることができ、巻上速度が所定巻上速度に到達するのに要する時間をより短縮することができ、所定巻上速度で運転する時間を長くすることができる。
本発明によれば、巻上最大出力に基づいて吊荷の巻上時にエンジンにかかる最大負荷を算出することができる。また、エンジンの特性から、エンジンが算出された最大負荷によりエンジンストールしないように制御するのに要する時間、つまり所定時間を算出することができる。その結果、さまざまな条件においてもエンジンストールの発生を防止することができる。
本発明によれば、所定時間をその都度算出する場合と比較して、モータの出力をより素早く制御することができる。そのため、制御の遅れによるエンジンストール等の不具合発生を防止することができる。
本発明によれば、検出した吊荷の重量に基づいて、吊荷の巻上最大速度を算出することができる。また、算出された巻上最大速度に基づいて、モータの巻上最大出力の出力時間を算出することができる。
本発明によれば、巻上最大出力をストール負荷よりも小さく設定しているため、エンジンのストールの発生を防止することができる。
本発明によれば、巻上最大出力をストール負荷よりも小さく設定しているため、エンジンのストールの発生を防止することができる。
また、所定時間かけてモータ出力を巻上最大出力まで増加させるとともに、エンジン出力を制御することにより、エンジン負荷をストール負荷よりも小さくすることができる。その結果、エンジンストールの発生を防止することができ、荷役の効率を向上させることができるという効果を奏する。
以下、本発明の第1の実施の形態について図1から図7を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係るクレーンであるトランスファクレーン(エンジン発電機付きクレーン)1の全体構成を示す斜視図である。トランスファクレーン1は備えられたタイヤRTにより走行可能なクレーンであって、コンテナ(吊荷)Cを目標地点に置かれたコンテナへ段積みするクレーンである。
トランスファクレーン1は、図1に示すように、クレーン走行機体2のガーダ3に沿って水平方向に移動するトロリー4を有し、コンテナCを把持するスプレッダと呼ばれる吊具5がトロリー4から垂れ下がる複数本の吊ロープ6によって吊り下げられている。吊具5は、トロリー4上に搭載された巻上装置7による吊ロープ6の巻き上げ、繰り出し動作によって昇降可能とされている。また、吊具5は、トロリー4の横行移動に追従してクレーン走行機体2のガーダ3に沿って平行移動可能とされている。
モータ制御部13には、モータ14のトルク電流Iを計測する電流計15が備えられている。モータ14は上述の巻上装置に備えられ、モータ14は発電機18により発電された電力が、変圧器20およびインバータ19を介して供給されるように配置されている。発電機18はエンジン制御部16に制御されるエンジン17により駆動されるように配置されている。
定トルク領域は、回転速度が0から定格回転速度R0までの領域である。この領域では、回転速度にかかわらず定格トルクが出力される。定出力領域は、定格回転速度R0から最大回転速度Rmaxまでの領域である。この領域では、回転速度に反比例して出力トルクが低下する。
すなわち、モータ14は回転速度を上げていくと、定格回転速度R0までは定格トルクを出力することができ、定格回転速度R0を超えると出力できるトルクが低下し手行く特性を有している。
まずトランスファクレーン1は、図1に示すように、吊具5を段積みされたコンテナCの上に移動させ、吊具5によりコンテナCを把持する。その後、図2に示すように、マスターコントローラ11の巻上操作指令に基づいてコンテナCの巻上動作を行う。
コンテナCの巻上動作が開始されると、図5に示すように、コンテナは巻上速度Vが定格巻上速度V0に到達するまで一定の加速度で巻き上げられる。ここでは、定格巻上速度V0に到達するまでの時間をt1としている。この間モータは、図3に示す定トルク領域で使用されている。また、モータ出力は、図6に示すように、0からP0まで線形的に増加している。
なお、定格巻上速度V0はモータの定格回転速度R0から求めることができ、この速度V0がトランスファクレーン1の最大吊荷重量のコンテナを巻き上げるときの速度である。
また、モータ14を最大モータ出力Pmaxまで使用することができるので、モータパワーを有効に用いることができる。
折れ点Aにおけるモータ出力Paが小さくなると、エンジン17の負荷が小さくなる。そのため、加速時間taを増やすことなく、折れ点Aにおけるモータ出力の増加量Pdを増やすことができる。図7は、折れ点Aにおけるモータ出力Paと、加速時間taと、モータ出力の増加量Pdとの関係を示すグラフである。加速時間taは、モータ出力Paが増加するとともに増加する傾向を示している。モータ出力の増加量Pdは、モータ出力Paが増加するとともに減少する傾向を示している。
次に、本発明の第2の実施形態について図8から図10を参照して説明する。
本実施の形態のトランスファクレーンの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、コンテナの巻上制御方法が異なっている。よって、本実施の形態においては、図8から図10を用いてコンテナの巻上制御方法周辺のみを説明し、トランスファクレーンの構成等の説明を省略する。
本実施形態においては、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は、コンテナCの巻上速度Vについて説明する巻上速度Vと時間tとの関係を示したグラフである。図9は、コンテナCの巻上時におけるモータ14の出力Pについて説明するモータ出力Pと時間tとの関係を示した図である。
コンテナCの巻上速度Vが定格巻上速度V0に到達するまでの制御は、第1の実施形態と同様であるので、図8および図9を示して、その説明を省略する。
巻上モータ出力P1が、エンジン17がストールを起こさずに対応する電力を供給できる出力であるため、加速時間ta1の長さは0となる。
次に、本発明の第3の実施形態について図11を参照して説明する。
本実施の形態のトランスファクレーンの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、コンテナの巻上制御方法が異なっている。よって、本実施の形態においては、図11を用いてコンテナの巻上制御方法周辺のみを説明し、トランスファクレーンの構成等の説明を省略する。
本実施形態においては、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
負荷検出部53は、エンジン17の回転数を検出するとともに、検出信号を制御部52に出力するように配置されている。
マスターコントローラ11からコンテナCの巻上操作指令が出力されると、昇降制御装置52は、モータ14を最大モータ出力Pmaxで駆動するようモータ制御部13に信号を出力する。
モータ14が最大モータ出力Pmaxを出力しようとすると、エンジン17にかかる負荷が大きくなりエンジン17の回転数が低下し始める。エンジン17の回転数低下は、負荷検出部53に検出され、負荷信号は昇降制御装置52に取り込まれる。
例えば、上記の実施の形態においては、この発明をトランスファクレーンに適用して説明したが、この発明はトランスファクレーンに限られることなく、エンジン付き発電機を搭載し、この発電機により供給される電力を用いて吊荷を巻き上げる各種の移動式クレーンに適用できるものである。
5 吊具
6 吊ロープ
13 モータ制御部
14 モータ
17 エンジン
18 発電機
C コンテナ(吊荷)
Pmax 最大モータ出力(巻上最大出力)
ta 加速時間(所定時間)
Claims (8)
- 吊荷を把持する吊具と、該吊具を吊り下げる吊ロープと、該吊ロープを巻き上げ、繰り出しすることにより前記吊具を昇降させるモータと、前記モータの駆動用電力を供給する発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、を有するエンジン発電機付きクレーンの制御方法であって、
前記吊荷を巻き上げる時の前記モータの出力を、巻上時の最大出力である巻上最大出力にまで増加させる際に、
前記エンジンにかかる発電負荷が、エンジンがストールを起こす負荷であるストール負荷よりも小さくなるように、所定時間かけて前記モータの出力を前記巻上最大出力まで増加させることを特徴とするエンジン発電機付きクレーンの制御方法。 - 前記巻上最大出力が、前記モータの出力可能な最大モータ出力であることを特徴とする請求項1記載のエンジン発電機付きクレーンの制御方法。
- 前記所定時間が、前記巻上最大出力と前記エンジンの特性とに基づいて算出されることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン発電機付きクレーンの制御方法。
- 前記所定時間が予め設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンジン発電機付きクレーンの制御方法。
- 前記モータの出力を巻上最大出力にまで増加させる前に、前記吊荷の重量を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエンジン発電機付きクレーンの制御方法。
- 吊荷を把持する吊具と、該吊具を吊り下げる吊ロープと、該吊ロープを巻き上げ、繰り出しすることにより前記吊具を昇降させるモータと、前記モータの駆動用電力を供給する発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、を有するエンジン発電機付きクレーンの制御方法であって、
前記吊荷を巻き上げる時の前記モータの出力を、巻上時の最大出力である巻上最大出力にまで増加させる際に、
前記エンジンにかかる発電負荷が、エンジンがストールを起こす負荷であるストール負荷よりも小さくなるように、前記巻上最大出力を設定することを特徴とするエンジン発電機付きクレーンの制御方法。 - 吊荷を保持する吊具と、該吊具を吊り下げる吊ロープと、該吊ロープを巻き上げ、繰り出しすることにより前記吊具を昇降させるモータと、該モータを駆動する電力を供給する発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、を有するエンジン発電機付きクレーンであって、
前記モータの出力を制御するモータ制御部と、前記エンジンの出力を制御するエンジン制御部と、を備え、
前記エンジンにかかるエンジン負荷が、エンジンがストールを起こす負荷であるストール負荷よりも小さくなるように、所定時間をかけて、前記モータ制御部が前記モータの出力を巻上時の最大出力である巻上最大出力まで増加させることを特徴とするエンジン発電機付きクレーン。 - 吊荷を保持する吊具と、該吊具を吊り下げる吊ロープと、該吊ロープを巻き上げ、繰り出しすることにより前記吊具を昇降させるモータと、該モータを駆動する電力を供給する発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、を有するエンジン発電機付きクレーンであって、
前記モータの出力を巻上時の最大出力である巻上最大出力とするときに必要となる前記エンジンの発電負荷が、エンジンがストールを起こすストール負荷よりも小さくなるように前記巻上最大出力を設定することを特徴とするエンジン発電機付きクレーン。
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