JP2006076194A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧電素子の接合面に良好な接着剤塗布を行うことと、振動板の間の接着剤層を均一化することを目的とする。
【解決手段】 テクスチャが形成された圧電素子58の接合面58Aに接着剤で振動板34を接合してアクチュエータ50を形成する。このとき、接着剤はテクスチャ(微細な凹凸)に入り込むので、接合面58Aに塗布した接着剤が流動することがなく、接着剤は均一に塗布される。これにより、圧電素子58と振動板34の間には均一な接着剤の層が形成されるので、良好に接合されたアクチュエータ50を得ることができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、記録媒体へインクを吐出するインクジェット記録ヘッド、並びにインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
インクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドを主走査方向に往復させ、また、記録紙を副走査方向に搬送させて、複数のノズルから選択的にインク滴を吐出することで記録紙に文字や画像を記録する。インクジェット記録ヘッドは、圧電素子を振動板に接合したアクチュエータで圧力室を加圧することで、圧力室に連通するノズルからインク滴を吐出する方法が知られている。
従来は、圧電素子材料を焼成して成形した圧電素子をラップ加工等によって薄くし、その後スパッタ等の成膜方法を用いることにより電極形成を行っていた。しかし、圧電素子をラップ加工等によって薄くする方法は、ラップ加工で削る分、余分な圧電材料が必要であり材料コストが高くなる。また、スパッタ等の方法で電極を形成することも、コストアップの要因となっている。
そこで、本出願人は、ラップ加工の必要がないグリーンシート法で圧電素子を製造する方法を提案している(特許文献1参照)。これにより、低コストでアクチュエータを製造することが可能となった。
このグリーンシート法では、圧電素子の表面は平坦加工が施されていないため、圧電素子材料、電極材料及びゴミ等が突起部となって存在する。この突起部が存在する圧電素子の表面に接着剤を塗布すると、突起部によって接着剤がはじかれて凝集してしまい均一に塗布できなかったり、あるいは、圧電素子を振動板に接合する際に突起部が振動板に噛み込まれるため、圧電素子と振動板の密着が阻害されることによって、接着剤層を均一に形成されない問題があった。また、滑らかな圧電素子の表面では、塗布された接着剤が流動してしまい、これによっても、接着剤層が均一に形成されない。従って、圧電素子と振動板の間の接着剤層には、部分的な空洞が発生し、振動板から圧電素子が剥離してしまうなどの問題が生じている。
特願2004−007662号公報
本発明は上記問題を考慮し、圧電素子の接合面に良好な接着剤塗布を行うことと、振動板の間の接着剤層を均一化することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、インクが充填される圧力室の一部を形成する振動板と、前記振動板に接着剤で接合される圧電素子と、で構成されたアクチュエータを有するインクジェット記録ヘッドであって、 前記振動板へ接合される圧電素子の接合面にはテクスチャが形成されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、テクスチャが形成された圧電素子の接合面に接着剤で振動板を接合してアクチュエータを形成する。このとき、接着剤はテクスチャ(微細な凹凸)に入り込むので、接合面に塗布した接着剤が流動することがなく、接着剤は均一に塗布される。これにより、圧電素子と振動板の間には均一な接着剤の層が形成されるので、良好に接合されたアクチュエータを得ることができる。
請求項2に記載の本発明は、前記テクスチャは、研磨加工によって形成されることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、研磨加工で圧電素子の接合面にテクスチャを形成することで、テクスチャを形成する工程が複雑にならず、また、テクスチャを形成するために必要な時間(加工時間)が短くて済む。
請求項3に記載の本発明は、前記研磨加工は、前記圧電素子の接合面の所定サイズの突起部を除去するまで行うことを特徴とする特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、平坦加工が施されていない圧電素子の接合面には、圧電素子材料、電極材料及びゴミ等による所定サイズの突起部が存在する。そこで、この所定サイズの突起部を研磨加工によって除去する。これにより、圧電素子の接合面に塗布した接着剤が、所定サイズの突起部によってはじかれることがないので、接合面には接着剤が均一に塗布される。また、圧電素子を振動板に接合する際に、所定サイズの突起部が振動板に噛み込むことが防止できるので、圧電素子と振動板を密着させることができる。
請求項4に記載の本発明は、前記テクスチャの深さは、前記圧電素子に形成された電極膜の厚さよりも小さいことを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、テクスチャの深さは、圧電素子に形成された電極膜の厚さより小さくする。これにより、テクスチャを形成することで、圧電素子に電極膜が形成されている場合、この電極膜が剥離したり破損することがない。
請求項5に記載の本発明は、前記研磨加工は、粒径が5μm以下の研磨剤を用いることを特徴とする特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、粒径5μm以下の研磨剤を用いて研磨加工を行う。すなわち、微細な研磨剤で圧電素子の接合面にテクスチャを形成する。これにより、圧電素子に電極が形成されている場合、この電極がテクスチャを形成することによって破損したり剥離することがない。
請求項6に記載の本発明は、前記研磨加工は、弾性材料で構成された研磨工具で研磨されることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、弾性材料で構成された研磨工具で研磨することで、圧電素子の接合面にうねりが生じている場合でも、うねりに沿ってテクスチャが形成される。すなわち、圧電素子の接合面には、均一な深さの微細な凹凸が形成される。これにより、圧電素子の接合面にうねりが生じている場合でも、圧電素子と振動板の間には均一な接着剤の層が形成される。
請求項7に記載の本発明は、前記研磨加工は、前記圧電素子と前記振動板を接合する前工程で行われることを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、圧電素子と振動板を接合する前工程で、圧電素子の接合面にテクスチャを形成する。すなわち、圧電素子の接合面にテクスチャを形成してから接着剤を塗布するので、接着剤が流動することがなく、圧電素子と振動板の間には均一な接着剤の層が形成される。
請求項8に記載の本発明は、前記圧電素子は、圧電素子材料をシート化した後に焼成し、テクスチャが形成されたことを特徴としている。
請求項8に記載の発明によれば、シート化された圧電素子材料を焼成してテクスチャを形成することで、厚く焼いた圧電素子をラップ加工等によって薄くする方法と比較して、ラップ加工等で削る余分な圧電素子材料がなく、材料コストが低い。
請求項9に記載の本発明は、インクが充填される圧力室の一部を形成する振動板と、前記振動板に接着剤で接合される圧電素子と、で構成されたアクチュエータを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、前記圧電素子の接合面にテクスチャを形成する第1の工程と、前記圧電素子の接合面又は前記振動板に接着剤を塗布する第2の工程と、前記振動板と前記圧電素子の接合面を接合する第3の工程と、を有することを特徴としている。
請求項9に記載の発明によれば、圧電素子の接合面にテクスチャを形成することで、圧電素子の所定サイズの突起物を除去することができる。これにより、振動板と圧電素子の接合面を接着剤で接合する際に、接着剤がはじかれることがない。また、テクスチャに接着剤が入り込むので、圧電素子の接合面で接着剤が流動することも防止できる。従って、圧電素子と振動板の間には均一な接着剤の層を形成することができ、圧電素子と振動板が剥離しにくい圧電アクチュエータを製造することができる。
本発明は上記構成としたので、圧電素子の接合面に良好な接着剤塗布を行うことができると共に、振動板の間の接着剤層を均一化できる。
以下、本発明に係るインクジェット記録ヘッドの第1実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド12を備えたインクジェット記録装置10が示されている。
インクジェット記録装置10には、キャリッジ14が設けられており、キャリッジ14には、ノズル36(図2参照)を有するインクジェット記録ヘッド12が、ノズル36が用紙Pと対向するようにして搭載されている。キャリッジ14は、走査位置信号に基づき主走査機構18によって主走査方向(矢印Xで示す)に移動される。これにより、インクジェット記録ヘッド12は、副走査機構20によって副走査方向(矢印Yで示す)へ搬送される用紙Pへ、画像情報に応じてインク滴を吐出することにより、用紙Pの全面に画像の記録を行う。
(インクジェット記録ヘッドの概略説明)
図2に示すように、インクジェット記録ヘッド12は、ノズルプレート22、連通孔プレート24、26、供給路プレート28、30、圧力発生室プレート32、および振動板34の合計7枚のプレートを位置合わせして積層し、接着剤等の接合手段によって接合することにより形成されている。
ノズルプレート22には、インクを吐出するノズル36が設けられており、連通孔プレート24、26には、連通孔38、40がそれぞれ形成されている。また、供給路プレート28、30には供給孔42、44が形成されている。これらのノズル36、連通孔38、40、供給孔42、44は連通孔プレート24、26、供給路プレート28、30が積層された状態で連通し、圧力発生室プレート32に形成された圧力発生室48に繋がっている。
一方、連通孔プレート24、26には、それぞれインクプール51、52が形成され、図示しないインク供給孔から供給されたインクが貯留されている。また、供給路プレート28には、このインクプール52と連結するように供給孔54が形成されている。さらに、供給路プレート30には供給溝56が形成されて、連通孔プレート24、26、供給路プレート28、30が積層された状態で、インクプール51、52と圧力発生室48とを連通させている。
圧力発生室プレート32上には振動板34が積層され、振動板34の上には圧電素子58が取り付けられている。圧電素子58は、圧力発生室48に相当する領域に接着されており、ハンダ62を介して配線基板60と接続されている。なお、圧力発生室48に対応する振動板34と圧電素子58とを、アクチュエータ50とする。
この構成により、駆動電圧波形が圧電素子58に印加されると、圧電素子58と共に振動板34が点線で示すようにたわみ変形して圧力発生室48のインクを加圧し、ノズル36からインク滴を吐出させる構成となっている。
(インクジェット記録ヘッドの製造方法)
次に、このインクジェット記録ヘッド12の製造方法について説明する。
図3(A)に示すように、ノズルプレート22の一方の面(裏面)に連通孔プレート24を接合する。そして、この連通孔プレート24に、連通孔プレート26、供給路プレート28、供給路プレート30、圧力発生室プレート32を接合する。次に、ノズルプレート22の他方の面(表面)に、スピンコート法を用いて撥水膜(図示省略)を成膜すると共に、図3(B)に示すように、エキシマレーザBでノズル36を穿設する。そして、図3(C)に示すように、圧力発生室プレート32の開口を覆うようにして振動板34を接合する。
次に、図3(D)に示すように、圧電素子58が形成された中間保持部材82を、圧電素子58の接合面58Aを下側に向けて、振動板34に接着する。このようにして、圧電素子58と振動板34からなるアクチュエータ50が形成される。なお、アクチュエータ50の作成方法については後述する。
中間保持部材82と圧電素子58は、所定の温度で加熱したとき、発泡して接着力が大幅に低下する性質を有する熱発泡性接着フィルムを用いて接着されている。また、圧電素子58の両面には電極膜76(図5(A)参照)が予め形成されており、共通電極として兼用する振動板34と導電性接着剤で接着することで、圧電素子58と振動板34とは電気的に接続される。
そして、図3(E)に示すように、中間保持部材82を加熱して熱発泡性接着フィルムの接着力を低減させて中間保持部材82を剥離し、図3(F)に示すように、各圧電素子58毎にハンダ62を介して配線基板60を接合する。
最後に、図示しないインク供給装置等を取付けることにより、本実施形態のインクジェット記録ヘッド12が完成する。
ここで、アクチュエータ50の製造方法について説明する。まず、アクチュエータ50を構成する圧電素子58の作成方法について説明する。
図4(A)に示すように、粉末、バインダ、溶剤を混合して、スラリー66とする。次に、図4(B)に示すように、PETフィルム68上にローラコーター70を用いてスラリー66を塗布してシート状とする。そして、ヒーター72でシート状のスラリー66を加熱する。これにより、スラリー66の溶剤が蒸発して、PETフィルム68上にグリーンシート74が形成される。そして、PETフィルム68からグリーンシート74を剥離する。
次に、グリーンシート74の両面に電極膜76を形成する。そして、この電極膜76が形成されたグリーンシート74を、図5(A)に示すように、直径D(最大長)が約12mm、厚さtが約40μmの円形状に打ち抜き、焼成して圧電プレート78を作成する。このように、円形状に打ち抜いて焼成することで、反りが小さく安定した形状の圧電プレート78が作成できる。
なお、図5(A)では、電極膜76は判り易くするために、厚く描いている。また、図5(A)以外では、電極膜76は図示を省略している。
次に、図5(B)に示すように、圧電プレート78を、一辺Hが約7.0mmの正方形状に切り出して(この切り出したものを圧電プレート78Aとする)、中間保持部材82に接着する。このとき、圧電プレート78Aを中間保持部材82を接着する部材として、所定の温度で加熱すると発泡して接着力が大幅に低下する性質を有する熱発泡性接着フィルム84が用いられる。
本実施形態の場合は、図5(C)に示すように、4列×2行、合計8枚の圧電プレート78Aを中間保持部材82に並べて接着している。このように、薄くて小さな圧電プレート78Aを4列×2行と並べて構成することで、圧電プレート78Aを長尺化している。また、圧電プレート78Aの焼成後の厚みを調整しないで使用できるので、従来のように、圧電プレートをラップ加工等で削って薄くする必要がなく、低コストで製造できる。
また、厚く焼いた圧電プレートをラップ加工等によって薄くする工法と比べ、ラップ加工等で削る余分な圧電材料がなく、材料コストが低い。更に、削って廃棄する圧電材料がないので、環境問題にも対応している。
次に、図6(A)に示すように、サンドブラスト加工で、各圧電プレート78Aを、圧力発生室48(図2参照)に対応させて分断し、複数の圧電素子58とする。なお、本実施形態では、サンドブラスト加工等の機械的加工で圧電プレート78Aを分断したが、エッチング加工等の化学的加工で圧電プレート78Aを複数の圧電素子58に分割しても良い。
このようにして形成した圧電素子58の表面(後に振動板34と接合する接合面、以後、「接合面」とする)に、図7に示すように、研磨液を吐出しながら研磨工具で研磨加工を施す。これにより、図8(B)に示すように、接合面58Aには微細な凹凸(テクスチャ)が形成される。接合面58Aには、電極膜76が形成されているので、実際には、この電極膜76にテクスチャが形成される。
本実施形態では、研磨液は、砥粒の粒径が5μm以下の微細なものが用いられる。つまり、電極膜76の厚み以下の深さのテクスチャを接合面58Aに形成するためである。これにより、接合面58Aに研磨加工を施しても、電極膜76が破損したり剥離することがない。なお、電極膜76の厚みは、焼成後の状態で2μmとした。ここで、比較のため、粒径が10μmの砥粒を用いて研磨加工を施した。このとき、電極膜76の厚さに対して砥粒の切削力が過剰となり、テクスチャの深さが2μmを超え、電極膜76が頻繁に破損した。
また、研磨工具は、弾性体樹脂、ゴム、布などから形成された弾性を有する工具を用いる。これにより、接合面58Aに沿ってテクスチャが形成される。すなわち、圧電素子58にうねりが生じている場合でも、研磨工具86はうねりに沿って接合面58Aを研磨加工するので、接合面58Aには均一な深さでテクスチャが形成される。
図8には、圧電素子58の接合面58Aの粗さのプロファイルが示されている。研磨加工を施す前の圧電素子58の接合面58Aは、平坦化加工を経ていない。このため、図8(A)に示すように、突起状の圧電素子材料、電極材料及びゴミ等が突起物88となって存在する。この状態で、圧電素子58の接合面58Aに振動板34を接合すると、突起物88が振動板34に噛み込まれ、圧電素子58と振動板34を密着させることができない。また、ゴミ等の上に塗布された接着剤は、はじかれたり、ゴミ等と一緒に接合面58Aからはがれてしまう。すなわち、接合面58Aには、均一に接着剤の層を形成することができない。
一方、突起物88以外の部分は、図8(A)の拡大図のように滑らかな状態となっている。この滑らかな状態のところに接着剤を塗布すると、接着剤が流動してしまう。これによっても、接合面58Aに、均一な接着剤の層を形成することができない。
そこで、接合面58Aに研磨加工を施すことで、図8(B)に示すように、突起物88を除去すると共に、滑らかな状態の面にテクスチャを形成する。
そして、図8(C)に示すように、接合面58Aに接着剤を塗布して均一な接着層を形成し、図6(B)及び図8(D)に示すように、振動板34に接合する。接着剤は、フィラーや導電粒子等の微粒子を一切含有しない熱硬化性のエポキシ接着剤を用いる。この接着剤を、接合面58Aに2〜5μmの厚さで塗布し、振動板34に接合して加圧加熱して、圧電素子58と振動板34を接着固定する。
そして、先にも述べたが、図3(E)及び図6(C)に示すように、中間保持部材82を剥離する。以上のようにして、アクチュエータ50を製造する。
なお、本実施形態では、電極膜76が形成された圧電素子58の接合面58Aに研磨加工でテクスチャを形成したが、圧電素子58の接合面58Aにテクスチャを形成してから、スパッタ法等で電極膜を形成してもよい。
次に、本発明の実施形態の作用について説明する。
圧電素子58の接合面58Aに研磨加工でテクスチャを形成する。そして、この接合面58Aに接着剤を塗布して振動板34に接合し、アクチュエータ50を形成する。このとき、接着剤は、研磨加工によって接合面58Aに形成されたテクスチャに入り込むので、接着剤が流動することがなく、接合面58Aに均一に塗布される。
また、接合面58Aに研磨加工を施す際に、接合面58Aの圧電素子材料や電極材料、ゴミ等の突起物88を除去する。これにより、接着剤の凝集や流動が防止できるので、圧電素子58と振動板34の間に均一な接着剤層が形成され、良好に接合されたアクチュエータ50を得ることができる。さらに、圧電素子58を振動板34に接合する際に、突起物88が振動板34に噛み込むことが防止できるので、圧電素子58と振動板34を密着させることができる。
また、研磨加工によって圧電素子58の接合面58Aにテクスチャを形成するので、製造工程が複雑にならない。また、加工時間が短くて済む。
なお、本実施形態では、研磨加工によってテクスチャを形成した圧電素子58の接合面58Aに接着剤を塗布して圧電素子58と振動板34を接着する構成としたが、振動板34に接着剤を塗布して、テクスチャを形成した圧電素子58の接合面58Aに接合してもよい。このとき、振動板34に塗布した接着剤が、圧電素子58の接合面58Aに形成されたテクスチャに入り込むので、振動板34に圧電素子58を接合して加圧加熱しても、接着剤が流動することがない。従って、圧電素子58と振動板34の間に、隙間なく接着剤の層が形成されるので、圧電素子58と振動板34が良好に接合される。
また、本実施形態では、インクジェット記録ヘッド12をキャリッジ14で走査しながら用紙Pに記録を行うタイプのインクジェット記録装置10を用いて説明したが、本発明のインクジェット記録ヘッドは、このインクジェット記録装置10に限定されて使用されるものではない。例えば、用紙Pの幅方向(主走査方向)に渡ってノズルが配置されたインクジェット記録ヘッドを固定して、用紙Pのみを搬送しながら用紙Pに記録を行う、いわゆるFWA(Full Width Array)方式のインクジェット記録装置に、本発明のインクジェット記録ヘッドを搭載してもよい。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程を(A)から(F)へと順番に模式的に示した図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電プレートの製造工程、中間保持部材に接合する工程を(A)から(B)へと順番に模式的に示した図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電プレートの製造工程、中間保持部材に接合する工程を(A)から(C)へと順番に模式的に示した図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程を(A)から(C)へと順番に模式的に示した図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電プレートにテクスチャを形成する工程を模式的に示した図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの圧電プレートの表面の粗さのプロファイルを示す図である。
符号の説明
12 インクジェット記録ヘッド
14 キャリッジ
34 振動板
36 ノズル
48 圧力発生室
50 アクチュエータ
58 圧電素子
76 電極膜
88 突起物

Claims (9)

  1. インクが充填される圧力室の一部を形成する振動板と、前記振動板に接着剤で接合される圧電素子と、で構成されたアクチュエータを有するインクジェット記録ヘッドであって、
    前記振動板へ接合される前記圧電素子の接合面にはテクスチャが形成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記テクスチャは、研磨加工によって形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記研磨加工は、前記圧電素子の接合面の所定サイズの突起部を除去するまで行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記テクスチャの深さは、前記圧電素子に形成された電極膜の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記研磨加工は、粒径が5μm以下の研磨剤を用いることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記研磨加工は、弾性材料で構成された研磨工具で研磨されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記研磨加工は、前記圧電素子と前記振動板を接合する前工程で行われることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 前記圧電素子は、圧電素子材料をシート化した後に焼成し、テクスチャが形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. インクが充填される圧力室の一部を形成する振動板と、前記振動板に接着剤で接合される圧電素子と、で構成されたアクチュエータを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
    前記圧電素子の接合面にテクスチャを形成する第1の工程と、
    前記圧電素子の接合面又は前記振動板に接着剤を塗布する第2の工程と、
    前記振動板と前記圧電素子の接合面を接合する第3の工程と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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JP2015142979A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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