JP2006332271A - 電子デバイスと配線基板との接合方法及び液体吐出ヘッド製造方法 - Google Patents

電子デバイスと配線基板との接合方法及び液体吐出ヘッド製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】MEMSデバイスやICデバイスなどの配線基板と電子デバイスとの接合に好適な配線基板と電子デバイスとの接合方法及び液体吐出ヘッド製造方法を提供する。
【解決手段】導電性接合部材を介して電子デバイスと配線基板との接合部を接触させ、圧力Paで加圧しながら導電性接合部材の溶融温度Tc以上の温度T1で導電性接合部材を溶融させ、配線基板の反りや成型時の精度を規正し、導電性接合部材の溶融温度Tc未満、配線基板の樹脂材料のガラス転移点温度Tg以上の温度T2で導電性接合部材を硬化させ、配線基板の変形による応力が緩和される。更に、配線基板の樹脂材料のガラス転移点温度Tg未満の温度T3で配線基板と電子デバイスの熱膨張係数の差による残留応力が緩和される。
【選択図】 図10

Description

本発明は、電子デバイスと配線基板との接合方法及び液体吐出ヘッド製造方法に係り、特にプリント配線基板などの配線基板と電子デバイスとの接合技術に関する。
近年、インクジェットヘッドなどのMEMS(Micro Electro Mechanical systems)デバイスにおいては高密度化が進み、更に多数の素子を2次元配置することも行われるようになってきた。また、ICデバイスの実装技術においても、高密度実装やデバイスの多ピン化の要求からシリコンチップを直に配線基板に実装するフリップチップ実装が実用化され、このフリップチップ実装においても端子数を増やすために電極の高密度化や電極の2次元配置が行われている。このような多素子のMEMSデバイスやICデバイスを配線基板に実装するには、多数の電極や配線が高密度に形成され2次元配置された配線基板が必要となる。一般に、配線基板とMEMSデバイスやICデバイスなどの電子デバイスの接合には、半田バンプ、半田ボールなどを配線基板(電子デバイス)の電極上に配置し、加熱により半田バンプや半田ボールを溶融して配線基板の電極と電子デバイスの電極とを接合する半田工法や、導電性粒子が熱硬化樹脂中に分散した異方性導電フイルムやペーストを配線基板の電極と電子デバイスの電極の間にはさみ、加圧及び加熱を行いそれぞれの電極を接合するACF/ACP工法、導電性バンプを配線基板(電子デバイス)の電極上に形成した後に熱硬化型樹脂をそれぞれの電極の間にはさみ、加圧及び加熱を行いそれぞれの電極を接合するNCP工法などがあり、これらの工法は何れも配線基板と電子デバイスとの接合部分において高い平面性が要求される。例えばNCP工法では、導電性バンプの高さばらつきには1μm以下の精度が必要といわれており、形成された導電性バンプの高さをそろえるためにバンプレベリング工程が必要とされる。
一方、配線基板の材料(基材)には一般に樹脂が用いられる。樹脂はその成形工程で加熱による硬化反応を利用することや加工工程における加熱によって反りが生じてしまう。また、樹脂材料はセラミックや金属に比べて高い寸法精度を得ることが難しい。MEMSデバイスが搭載される配線基板には、一般的なガラスエポキシプリント配線基板(PWB)だけでなく、複雑な形状を一体成形した樹脂上に配線を施した配線基板が用いられ、このような配線基板を用いることで用途が広がっている。このような複雑な形状を持つ配線基板では反りが起こりやすくPWBよりも平面性(平面の精度)が悪くなる可能性がある。今後、電子デバイスは更に多素子化、大規模化(大面積化)が進むことが予想され、同等の平面の精度の配線基板であっても大面積化、多電極化することにより安定した接合が困難になることが予想される。
特許文献1に記載された配線基板への電子部品の実装方法及びその装置では、導電性接着剤をICチップのバンプに転写し熱硬化型樹脂シートを配線基板とバンプとの間に介在させながら加熱及び加圧して回路基板の反りを矯正し熱硬化樹脂シートを硬化させてICチップと回路基板とを接合するように構成されている。
特開2001−7159号公報
しかしながら、特許文献1に記載された回路基板への電子部品の実装方法及びその装置では、ICチップと回路基板との電気的接合が完了すると、接合時温度から常温まで冷却されるのでこの温度差によるICチップや回路基板に変形が生じ、ICチップと回路基板との接合部が破壊されてしまう恐れがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、MEMSデバイスやICデバイスなどの配線基板と電子デバイスとの接合に好適な電子デバイスと配線基板との接合方法及び液体吐出ヘッド製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る電子デバイスと配線基板の接合方法は、電子デバイスと配線基板との電気的接合部を導電性接合部材を介して接触させた状態で前記電子デバイス及び前記配線基板を所定の圧力Paで加圧するとともに、前記導電性接合部材の接合温度Tcとの関係がTc≦T1を満たす温度T1を前記電子デバイス及び前記配線基板に与える電気的接合工程と、前記電気的接合工程の後に、前記所定の圧力Paで前記電子デバイス及び前記配線基板の加圧を維持するとともに、前記接合温度Tcと前記配線基板に含まれる樹脂材料のガラス転移点温度Tgとの関係がTg≦T2<Tcを満たす温度T2を前記電子デバイス及び前記配線基板に与える第1の応力緩和工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、電気接合工程によって、導電性接合部材を溶融或いは硬化させるとともに樹脂材料を含んだ配線基板の反りや成型精度のばらつきが規正され、電気的接合工程後の第1の応力緩和工程によって、配線基板の規正(変形)によって生じた応力が緩和される。したがって、反りの大きな配線基板や接合部の高さばらつきが大きな配線基板でも電気部品と接合することができる。また、電気的接合の後に一旦常温まで冷却されることなく応力の緩和が行われるので接合温度と常温との温度差により接合部が破壊してしまうことがなく、信頼性の高い電気的接合が可能になるとともに、プロセス時間の短縮化が見込まれる。
なお、ここでいう導電性接合部材には、接合温度Tcで溶融するはんだや該接合温度Tc以上に加熱することで硬化反応を起こす熱硬化樹脂ベースの接合部材(ACP、NPC、導電性接着剤など)がある。即ち、導電性接合部材の接合温度Tcには、はんだの溶融温度や導電性接着剤の硬化温度を含んでいる。
電子デバイスには、電子回路が集積されてパッケージされたIC(CPU,メモリなどを含む)や、電気的要素と機械的要素が組み合わされてパッケージされたMEMSデバイスなどがある。
また、配線基板は、ガラスエポキシやポリイミドなどの樹脂材料を基材(絶縁層)として、この基材に金、プラチナ、銅などの金属薄膜がパターンニングされた配線パターン(配線層)や、ICなどの電子デバイスやコネクタなどの部品が搭載されるバッドやスルーホールが設けられている。配線基板には、複数の絶縁層と配線層とを交互に積層させた多層基板や、1つの絶縁層の一方の面に配線層が形成される片面基板や1つの絶縁層の両面に配線層が形成される両面基板などがある。更に、金属材料やセラミック材料などが適用される放熱層を備える態様もある。配線基板の表面(裏面)に配線層が形成される態様では、配線層が表面に露出しないようにレジスト層などの保護層が設けられる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電子デバイスと配線基板の接合方法の一態様に係り、前記第1の応力緩和工程の後に、前記樹脂材料のガラス転移点温度Tgとの関係がT3<Tgを満たす温度T3を前記電子デバイス及び前記配線基板に与える冷却工程を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、第1の応力緩和工程後の冷却工程において、配線基板に含まれる樹脂材料のガラス転移点温度Tgから該ガラス転移点温度未満の温度T3が電子デバイス及び配線基板に与えられるので、導電性接合部材の接合温度から常温まで冷却される方法に比べて、冷却工程における温度差が小さくなるので電子デバイスと配線基板の熱膨張係数の差による残留応力が緩和される。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の電子デバイスと配線基板の接合方法の一態様に係り、前記冷却工程では、前記所定の圧力Paによる前記電子デバイス及び前記配線基板の加圧を停止することを特徴とする。
配線基板と電子デバイスとを押圧してこれらを加圧する押圧部材に温度可変部材(ヒータ)を備え、配線基板及び電子デバイスに押圧部材が接触することで配線基板及び電子デバイスに温度可変部材の熱を与えて温度制御を行う態様では、配線部材及び電子デバイスが押圧部材と非接触となることで、配線基板及び電子デバイスが冷却され、加圧が停止される。
請求項4に記載の発明は、請求項2記載の電子デバイスと配線基板の接合方法の一態様に係り、前記冷却工程では、前記所定の圧力Paによる前記電子デバイス及び前記配線基板の加圧を維持し、前記冷却工程の後に、前記所定の圧力Paによる前記電子デバイス及び前記配線基板の加圧を停止することを特徴とする。
配線基板と電子デバイスとを押圧してこれらを加圧する押圧部材とは別に温度可変部材を備える態様では、冷却工程中に所定の圧力Paにより配線基板と電子デバイスとの加圧を維持し、冷却工程後に所定の圧力Paによる配線基板と電子デバイスとの加圧を停止してもよい。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の電子デバイスと配線基板との接合方法の一態様に係り、前記電子デバイスおよび前記配線基板のうち少なくとも何れか一方に前記配線基板に含まれる樹脂部材のガラス転移点温度と異なるガラス転移点温度Tg2を有する樹脂部材を備え、前記電気的接合工程の後に、前記接合温度Tcと前記ガラス転移点温度Tg2との関係がTg2≦T2’<Tcを満たす温度T2’を前記電子デバイスおよび前記配線基板に与える第2の応力緩和工程と、を含むことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、配線基板のガラス転移点温度と異なるガラス転移点温度Tg2を持つ樹脂部材が配線基板及び電子デバイスのうち少なくとも何れか一方に含まれる場合には、Tg2≦T2’ <Tcを満たす温度T2’を与えることで、ガラス転移点温度Tg2を有する樹脂部材の反りや成型時の精度の規正によって生じた応力が緩和される。
即ち、ガラス転移点温度が異なる複数の樹脂部材が配線基板及び電子デバイスのうち何れか一方に含まれる場合には、それぞれのガラス転移点温度に対応する温度に制御するとよい。なお、Tg1>Tg2の場合には第1の応力緩和工程の後に第2の応力緩和工程が行われ、Tg1<Tg2の場合には第2の応力緩和工程の後に第1の応力緩和工程が行われる。
また、上記目的を達成するために本発明に係る液体吐出ヘッド製造方法は、液体を収容する圧力室と前記圧力室内の液体に吐出力を与え駆動信号が印加される電極を有するアクチュエータとを備えた流路構造体を形成する流路構造体形成工程と、前記アクチュエータの駆動信号を伝送する配線を含む配線構造体を形成する配線構造体形成工程と、所定の圧力Paで前記流路構造体及び前記配線構造体を加圧するとともに、前記アクチュエータが有する前記電極と前記配線構造体が有する前記配線とを電気的に接合させる導電性接合部材の接合温度Tcとの関係がTc≦T1を満たす温度T1を前記流路構造体及び前記配線構造体に与える電気的接合工程と、前記電気的接合工程の後に、前記所定の圧力Paで前記流路構造体及び前記配線構造体の加圧を維持するとともに、前記接合温度Tcと前記配線構造体のガラス転移点温度Tgとの関係がTg≦T2<Tcを満たす温度T2を前記流路構造体及び前記配線構造体に与える第1の応力緩和工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、圧力室及びアクチュエータを含む流路構造体とアクチュエータへの配線を含む配線構造体とを電気的に接合する際に、電気的接合工程によって該導電性接合部材を溶融(或いは硬化)させるとともに、配線構造体を変形させて配線構造体の反りや成型時の寸法精度を規正した後に、第1の応力緩和工程によって配線構造体の反りや成型時の寸法精度を規正(変形)によって生じた応力が緩和される。特に、本発明は記録媒体の幅方向に対応する長さを有するライン型ヘッドの製造において高い効果を得ることができる。
流路構造体及び配線構造体の少なくとも何れか一方に配線構造体に含まれる樹脂材料と異なるガラス転移点温度を持つ樹脂材料を備える態様では、該樹脂材料のガラス転移点温度に対応する温度を流路構造体及び配線構造体に与え、該樹脂材料を含む構造体の反りや成型精度を規正するように構成してもよい。
液体吐出ヘッドには、記録媒体の全幅(記録媒体の画像形成可能幅)に対応した長さの吐出孔列を有するライン型ヘッドや、記録媒体の全幅に満たない長さの吐出孔列を有する短尺ヘッドを記録媒体の幅の方向へ走査させるシリアル型ヘッドがある。
ライン型の液体吐出ヘッドには、記録媒体の全幅に対応する長さに満たない短尺の吐出孔列を有する短尺ヘッドを千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、記録媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の液体吐出ヘッド製造方法の一態様に係り、前記第1の応力緩和工程の後に、前記配線構造体のガラス転移点温度Tgとの関係がT3<Tgを見たす温度T3を前記流路構造体及び前記配線構造体に与える冷却工程を含むことを特徴とする。
冷却工程では流路構造体及び配線構造体の加圧を維持してもよいし、流路構造体及び配線構造体の加圧を停止してもよい。
請求項8に記載の発明は、請求項7記載の液体吐出ヘッド製造方法の一態様に係り、前記冷却工程の後に、少なくとも前記アクチュエータに与える駆動信号を生成するICを含むデバイスを前記配線構造体に搭載するデバイス搭載工程を含むことを特徴とする。
配線構造体とデバイスとを電気的に接合する導電性接合部材は、流路構造体と配線構造体とを電気的に接合する導電性接合部材の接合温度に比べて低い接合温度を有することが好ましい。
また、デバイス搭載工程では、アクチュエータに駆動信号を与えるICの他に、引出配線用のコネクタや、センサ類、メモリなどのデバイスなどを搭載してもよい。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8記載の液体吐出ヘッド製造方法の一態様に係り、前記冷却工程の後に、前記圧力室に収容されている液体を吐出させるノズルを形成するノズル形成工程を含むことを特徴とする。
ノズル形成工程では、予めノズルとなる開口部(穴)が設けられたノズルプレートを流路構造体に接合してもよいし、流路構造体と配線構造体との接合後、流路構造体の所定の位置にノズルとなる開口(穴)を加工してもよい。
本発明によれば、電子デバイスと樹脂材料を含む配線基板とを導電性接合部材を介して接合する際に、所定の圧力Paで電子デバイスと配線基板を加圧しながら導電性接合部材の接合温度Tc以上の温度T1を与え、導電性接合部材を溶融或いは硬化させるとともに配線基板を変形させて配線基板の反りや生成型時の寸法精度を規正し、その後、導電性接合部材の接合温度Tc未満であり、配線部材に含まれる樹脂材料のガラス転移点温度Tg以上の温度T2を与え、反りや生成型時の寸法精度の規正(変形)によって生じた配線基板の応力が緩和される。
また、上記電子デバイスと配線基板の接合方法は、液体吐出ヘッドの製造方法に適用可能である。即ち、圧力室や圧力室内の液体に吐出力を与えるアクチュエータを有する流路構造体(電子デバイスに対応)のアクチュエータに形成された個別電極と、該アクチュエータに与える駆動信号が伝送される配線を有し樹脂材料を含む配線構造体の配線と、を導電性接合部材によって電気的に接合する際に、所定の圧力Paで流路構造体と配線構造体を加圧しながら導電性接合部材の接合温度Tc以上の温度T1を与え、導電性接合部材を溶融させるとともに配線構造体を変形させて配線構造体の反りや生成型時の寸法精度を規正し、その後、導電性接合部材の接合温度Tc未満であり、配線部材に含まれる樹脂材料のガラス転移点温度Tg以上の温度T2を与え、導電性接合部材を硬化させるとともに反りや生成型時の寸法精度の規正(変形)によって生じた配線構造体の応力が緩和される。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録媒体たる記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインク供給タンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによって記録紙16がベルト33上に吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図6中符号88)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12の各ヘッド12K,12C,12M,12Yは、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録紙16の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。
ヘッド12K,12C,12M,12Yは、記録紙16の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド12K,12C,12M,12Yが記録紙16の搬送方向(以下、紙送り方向と記載)延在するように固定設置される。
吸着ベルト搬送部22により記録紙16を搬送しつつ各ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド12K,12C,12M,12Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。更に、記録紙16上でインク色材を凝集又は不溶化させて、記録紙16上でインク色材とインク色材とを分離させる2液系のインクジェット記録装置では、処理液を記録紙16に付着させる手段としてインクジェットヘッドを備えてもよい。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った記録画像から、ノズルの目詰まりその他吐出異常をチェックする手段として機能する。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
加熱・加圧部44によって記録紙16を押圧すると、多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) は印字ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a),(b) 中の4−4線に沿う断面図である。記録紙16上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3(a),(b) に示したように、インク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録紙16の送り方向と略直交する方向に記録紙16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a) の構成に代えて、図3(c) に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドブロック50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインク供給タンク(図4中不図示、図5中符号60として記載)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは図4の共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の天面を構成し共通電極と兼用される振動板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
図4には図示しないが、本例に示す印字ヘッド50は、複数のキャビティプレートを積層させた積層構造を有している。なお、印字ヘッド50の積層構造の詳細は後述する。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図3(b) に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
〔インク供給系の構成〕
図5はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インク供給タンク60は印字ヘッド50にインクを供給する基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図5のインク供給タンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図5に示したように、インク供給タンク60と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。図5には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ64で覆う。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。
印字中又は待機中において、特定のノズルの使用頻度が低くなり、ノズル近傍のインク粘度が上昇した場合、その劣化インクを排出すべくキャップ64に向かって予備吐出が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクの印字ヘッド50への装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時、アクチュエータ58の静電容量のばらつきによる誤差抽出時にも粘度上昇(固化)した劣化インクや気泡が混入した劣化インクの吸い出しが行われる。
印字ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ58が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(アクチュエータ58の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かってアクチュエータ58を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面の清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル板表面の汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル51や圧力室52に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、以下に述べる吸引動作を行う。
即ち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、アクチュエータ58を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、印字ヘッド50のノズル面に、圧力室52内のインクをポンプ等で吸い込む吸引手段を当接させて、気泡が混入したインク又は増粘インクを吸引する動作が行われる。
但し、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。
〔制御系の説明〕
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。
画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
画像メモリ74には、システムコントローラ72のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、画像メモリ74は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ74は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色のヘッド12K,12C,12M,12Yのアクチュエータ58を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部24に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行う。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース70を介して外部から入力され、画像メモリ74に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データが画像メモリ74に記憶される。
画像メモリ74に蓄えられた画像データは、システムコントローラ72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてインク色ごとのドットデータに変換される。即ち、プリント制御部80は、入力されたRGB画像データをKCMYの4色のドットデータに変換する処理を行う。プリント制御部80で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ82に蓄えられる。
ヘッドドライバ84は、画像バッファメモリ82に記憶されたドットデータに基づき、印字ヘッド50の駆動制御信号を生成する。ヘッドドライバ84で生成された駆動制御信号が印字ヘッド50に加えられることによって、印字ヘッド50からインクが吐出される。記録紙16の搬送速度に同期して印字ヘッド50からのインク吐出を制御することにより、記録紙16上に画像が形成される。
プログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部96はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部90は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
〔印字ヘッドの積層構造の説明〕
次に、印字ヘッド50の積層構造の詳細について説明する。
図7は、印字ヘッド50の立体構造を示す断面図(図4に対応する図)である。図7に示すように、印字ヘッド50は、図4に示すノズル51、圧力室52、アクチュエータ58等を有する構造体100と、アクチュエータ58に与える駆動信号が伝送される配線102が形成される配線構造体104と、から構成されている。
即ち、構造体100のノズル51が形成される面の反対側の面には配線構造体104が接合されている。また、本例に示す配線構造体104には、構造体100の上部に備えられたアクチュエータ58の動きを規制しないように、空洞部105が設けられ、更に、配線構造体104の空洞部105と反対側の面にアクチュエータ58に与える駆動信号を供給するドライバIC106が搭載されている。
構造体100は、ノズル(ノズル細管部)51が形成されるノズルプレート110と、ノズル細管部51と圧力室52とを連通させる吐出側流路51A(吐出側流路51Aの一部)が形成される吐出側流路プレート112と、共通液室55が形成される共通流路プレート114と、供給口54が形成される供給口プレート116と、圧力室52が形成される圧力室プレート118と、を順に積層させた構造を有している。
なお、本明細書中「ノズル」という用語は、図7に示すノズル細管部(吐出側の絞りとして機能する管路)を示すこともあり、ノズルプレート110に形成された開口部(ノズル開口)を示すこともある。また、吐出側流路51Aからノズル開口までを含めてノズルという用語で表されることがある。
更に、圧力室プレート118には、圧力室52の天面となり共通電極120と兼用される振動板56が積層され、振動板56の圧力室52と反対側にはアクチュエータ58が積層され、アクチュエータ58の共通電極120(振動板56)と反対側には個別電極57が積層されている。なお、図7には振動板56と共通電極120とを別々に図示したが、本例では振動板56に金属材料(例えば、SUS)などの導電性材料が用いられ、共通電極120は振動板56と兼用される。振動板56にセラミックなどの絶縁材料が用いられる場合には、図7に示すように振動板56の圧力室52と反対側(アクチュエータ58側)には共通電極120が形成される。
構造体100を構成する各プレートには、SUSなどの金属材料、ポリイミドなどの樹脂材料、シリコンやセラミックなどが適宜用いられる。これらの各プレートは同一材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。
一方、配線構造体104に形成される配線102は、配線構造体104を垂直方向(各キャビティプレートの厚み方向)に貫通するように形成される垂直配線122と、配線構造体104の構造体100と反対側の上部水平面124に形成される水平配線126と、から成り、上部水平面124には、ドライバIC106が搭載されている。なお、水平配線126は、上部水平面124の反対側の下部水平面128に形成されてもよい。
下部水平面128には、上記垂直配線122及び水平配線126(下部水平面128に設けられる水平配線126)の少なくとも何れか一方と導通するはんだバンプ130(導電性接合部材)が形成される。このはんだバンプ130はアクチュエータ58の個別電極57と接触し、加熱処理及び加圧処理によってはんだバンプ130が溶融することで電気的に接合される。もちろん、はんだバンプ130に代わり電極(パッド)やバンプを備え、異方性導電フイルム、異方性導電ペースト(導電性接着剤)などの導電性接合部材を介して該電極とアクチュエータ58の個別電極57とを電気的に接合してもよい。
なお、配線構造体104が振動板56に当接(接触)する当接部134において、構造体100(振動板56)と配線構造体104とを接着剤などの接合部材を用いて接合すると、これらの接合能力を上げることができ、より好ましい。
本例に示す配線構造体104の基材にはガラスエポキシやポリイミドなどの樹脂材料が好適に用いられる。もちろん、樹脂材料以外の絶縁性材料を用いてもよい。
〔流路構造体と構造体との接合方法の説明〕
次に、図8乃至図10を用いて、図7に示す構造体100と配線構造体104との電気的接合について詳説する。図8(a)に示す符号200は、図7の配線構造体104に対応する配線基板であり、配線基板200の上面側202には電極204が形成されており、更に、図8(a)には図示しない配線(図7の垂直配線122や水平配線126に相当する配線)が形成されている。
また、図8(a)に示す符号210は、図7の構造体100に対応するMEMSデバイスやICデバイスなどの電子デバイスであり、図8(a)の電子デバイス210の下面側212には、配線基板200に設けられた電極204と電気的に接合される電極214が設けられ、電極214には、はんだボール(はんだバンプ)220が形成されている。このはんだボール220が所定の温度で溶融され、配線基板200に設けられた電極204と電子デバイス210に設けられた電極214とを電気的に接合する導電性接合部材として機能する。なお、図8(a)に示すはんだボール220に代わり、又はこれと併用して、図8(b)の符号230で図示する、異方性導電フイルムや異方性導電ペーストなどの導電性接合部材を用いてもよい。
図8(b)に示す態様では、配線基板200と電子デバイス210との間に異方性フイルム230を挟みこんで加熱及び加圧処理を施すことで、電子デバイス210の電極214に形成されたバンプ216が異方性導電フイルム230を介して配線基板200の電極204に電気的に接合される。即ち、図8(a)では、図7に示す配線構造体104をプリント配線基板やフレキシブル基板等の配線基板200に置き換え、図8(b)では、図7に示す構造体100をMEMSデバイスやICデバイス等の電子デバイス210に置き換えている。
図9は、配線基板200と電子デバイス210とを接合する際に施される加熱処理及び加圧処理の概念を示す概念図である。図9に示すように、配線基板200の上面202に設けられる電極(図8に符号204で図示)に対して接合される電子デバイス210の下面212に設けられる電極(図8に符号214で図示)が接触するように位置合わせが行われ、押圧部材240によって配線基板200および電子デバイス210を所定の圧力で押圧することで、押圧部材240に設けられたヒータ(温度可変部材)242によって加熱処理が施される。熱源244は、ヒータ242のオンオフを制御するとともに、ヒータ242から配線基板200、電子デバイス210に与える熱量を制御する。
次に、図10を用いて、本発明に係る配線基板200と電子デバイス210との接合における温度制御及び圧力制御について詳細に説明する。図10は、図9を用いて説明した配線基板200と電子デバイス210との接合における、温度プロファイル及び圧力プロファイルである。
図10に示す符号300は、本発明に係る配線基板200と電子デバイス210の接合における温度プロファイル(実線で図示)を示し、符号302は、圧力プロファイル(破線で図示)を示す。
図10に示すように、本発明に係る配線基板200と電子デバイス210との接合における温度制御では、タイミングt1で加熱を開始し、所定の時間経過したタイミングt2における処理温度Tは導電性接合部材の接合温度(例えば、図8のはんだバンプ220の溶融温度や、導電性接着剤の硬化温度)以上の温度となり、該導電性接合部材を介して電子デバイス210は配線基板200に接合される(電気的接合工程)。なお、上述した電気的接合工程における処理温度T1は、導電性接合部材の接合温度Tc以上であり、図10に示す処理温度Tの最大温度Tm以下の範囲の温度(即ち、Tm≧T1≧Tcの関係を見たす温度)であればよい。
T1≧Tcの状態を所定の期間維持した後に、処理温度Tを下げると、タイミングt3で処理温度T2が導電性接合部材の接合温度Tc未満(T2<Tc)の温度となり、この状態となった後に処理温度Tが一定の期間中、T2(Tg≦T2<Tc、Tgは配線基板200のガラス転移点温度)となるように処理温度Tが制御される。タイミングt4以降は、処理温度T3(T3<Tg)となるように処理温度Tは常温までなりゆきで下げられる。
一方、圧力制御は、タイミングt1で加圧を開始し、所定の時間経過したタイミングt12で所定の圧力Paとなる。その後、タイミングt14までの期間中、圧力Paが維持される。なお、図10には、Tg≦T2<Tcとなるように処理温度Tが制御される期間が終了するタイミングt4よりも早いタイミングt14で圧力Paの維持を終了しているが、圧力Paの維持終了タイミングt14は、タイミングt4と略同一タイミングでもよい。
即ち、図8に示すはんだバンプ220や異方性導電フィルム230などの導電性接合部材を熱硬化させで、配線基板200の電極204(図8に図示)と電子デバイス210の電極214(図8に図示)とを電気的に接合する電気的接合工程(タイミングt12からタイミングt3までの期間)では、処理温度TはT1≧Tcとなるように制御されるとともに、圧力Pは所定の圧力Paに維持されるように制御される。この電気的接合工程では、配線基板200に圧力Paをかけて、配線基板200を変形させることで配線基板200の反りを低減させるとともに配線基板200の成型時のばらつきによる精度が規正される。なお、電子デバイス210の封止材料(モールド材料)のガラス転移点温度Tg’が電気的接合工程の処理温度T1以下であれば、電子デバイス210のモールド部分も成型時のばらつきによる精度が規正される。
また、電気的接合工程において溶融した導電性接合部材を熱硬化させた後に、タイミングt3からタイミングt14までの期間では、処理温度TがT2(Tg≦T2<Tc)となるように制御されるとともに、圧力Pが所定の圧力Paに維持されるように制御される。特に、タイミングt13からタイミングt14までの期間では、処理温度Tが一定(T2)であり、圧力Pが一定(Pa)となる。このタイミングt3からタイミングt14までの期間(タイミングt13からタイミングt14までの期間)では、上述した電気接合工程で変形させた配線基板200(または、電子デバイスのモールド部分)の応力が緩和される(応力緩和工程)。
一般に、樹脂材料はガラス転移点温度未満の状態ではガラス状であり、ガラス転移点温度以上の状態はゴム状となる。即ち、タイミングt3からタイミングt14の期間では、配線基板200の電極204と電子デバイス210の電極214は導電性接合部材の硬化によって電気的な接合が確保されるとともに、処理温度Tは配線基板200のガラス転移点温度Tg以上であり、配線基板200はガラス転移点温度Tg未満の状態に比べて剛性が低くなるので、配線基板200の反りや成型のばらつきによる精度を規正する際の変形による応力が緩和される。
一方、図11に示す従来技術に係る温度制御の温度プロファイル310(実線で図示)及び、圧力制御の圧力プロファイル312(破線で図示)では、タイミングt1で加熱が開始されると、同時に所定の圧力Paで加圧され、また、タイミングt3(或いは図10に示すタイミングt22)では、加熱が停止と同時に加圧も停止されるので、配線基板200には反りや形成精度の誤差を規正する際の変形による応力や、TcやTmから常温までの温度変化に対応する残留応力が生じてしまう。
なお、図12に示すように、図8に示す電子デバイス210がチップコア及び配線などをガラス転移点温度がTg2(例えば、Tg2<Tg)の樹脂材料で封止(モールド)する態様では、処理温度T2で配線基板200に応力緩和処理を施す応力緩和工程の後に、処理温度TをT2’(Tg2≦T2’<Tg)に維持するように制御して、電子デバイス210の封止材に応力緩和処理を施すように構成してもよい(第2の応力緩和工程)。第2の応力緩和工程を有する温度制御における温度プロファイルを符号320に示す。温度プロファイル320では、タイミングt3からタイミングt14の応力緩和工程(第2の応力緩和工程)の期間の所定のタイミングt23からタイミングt4の期間、Tg2≦T2’<Tg2となる処理温度T2’を維持するように、処理温度Tが制御される。
図10(図12)には、電気的接合工程及び応力緩和工程における圧力PをPa(一定)とする態様を示したが、電気的接合工程における圧力と応力緩和工程における圧力を異なる値にする態様も可能である。
図13(a)には、図7に示す印字ヘッド50において、図8(a),(b)の配線基板200に相当する配線構造体104に反りが生じた状態を示し、図13(b)には、図8(a),(b)の電子デバイスに相当する構造体100と配線構造体104との熱膨張係数の差によって配線構造体104が収縮した状態を示す。
特に、ページワイドの長尺ヘッドでは、配線構造体104の長手方向に反りが生じやすく、図13(a)に示すように、印字ヘッド50の端部近傍において、本来、当接部134において接触する構造体100と配線構造体104が接触しない状態となることがあり、このような状態で構造体100と配線構造体104とを接合すると、印字ヘッド50全体として接合強度が均一にならず、接合信頼性が低下してしまうことになる。
また、構造体100に比べて配線構造体104の線膨張係数が大きい場合には、図13(b)に示すように、構造体100の収縮に比べて配線構造体104の収縮が大きくなる。図13(b)に破線で示す符号104’は、本発明に係る配線基板200と電子デバイス210との接合方法により構造体100と配線構造体104とを接合させた場合の(残留応力が緩和された)配線構造体を示している。
ここで、導電性接合部材の接合温度Tcの一例を挙げると、ACFやACPの硬化温度は150〜200℃、NPCの硬化温度は180〜240℃、はんだの溶融温度180〜300℃である。特に、鉛フリーはんだではTc(溶融温度)が300℃に近いものがある。
また、接合時間(Tcを超え、導電性接合部材ごとに決められた温度を維持する時間)は、ACFやACPでは5〜15秒、NPCでは5秒以内、はんだでは30以内である。
電子デバイス210(構造体100)及び配線基板200(配線構造体104)を加圧する圧力Paの一例を挙げると、ACFやACPでは1バンプあたり0.2〜1.0N、NPCでは1バンプあたり0.2〜1.0N、はんだ接合の場合には、接合のための圧力は不要であるが、多数の接続点を有する場合には、安定した接合を得るために、配線基板200の材質などに応じた加圧を行うことが好ましい。一方、ガラス移転点温度Tgは、配線基板200の基材にエポキシ樹脂ベースの材料(半導体パッケージ用の材料)を用いる場合には100〜160℃である。
このようにして、配線基板200と電子デバイス210とを接合させる際に、所定の圧力Paで配線基板200及び電子デバイス210を加圧しながら導電性接合部材の接合温度Tc以上の温度T1で導電性接合部材を溶融させ、圧力Paによる加圧を継続しながら導電性接合部材の溶融温度Tcと配線基板200のガラス転移点温度Tgとの関係がTg≦T2<Tcを満たす温度T2で変形した配線基板200の応力が緩和され、更に、T3<Tgを満たす温度T3で配線基板200と電子デバイス210との熱膨張係数の差による残留応力が緩和される。したがって、反りの大きな配線基板や電極の高さばらつきが大きな配線基板に対しても、多点で且つ大面積での安定した電気的接合が可能になる。また、配線基板及び電子デバイスの接合後の構造体としての反りの低減や残留応力の緩和が見込まれ、該構造体は高信頼性を有し、高精度に形成(接合)される。特に、プリント配線基板よりも完成時に高い寸法精度が要求されるMEMSデバイス用の配線基板と電子デバイスとの接合方法として高い硬化を得ることができる。更に、本発明は、導電性接合部材の接合温度Tcが高いはんだ接合では高い効果を得ることが期待できる。
〔印字ヘッドの製造方法の説明〕
次に、図14乃至図16を用いて、本発明に係る印字ヘッド50の製造方法について説明する。図14(a)〜(d)は、図7に示す構造体100の製造工程を示す。
図14(a)には、共通電極形成工程を示す。図14(a)に示すように、振動板56のアクチュエータ58が配接される面(アクチュエータ配接面)にめっきやスパッタリングなどの電気形成法を用いて共通電極120が形成される。共通電極120には金、プラチナ、銅などの金属材料が用いられ、振動板56にはポリイミドなどの樹脂材料が用いられる。なお、振動板56にSUSなどの金属材料(導電性材料)を用いる場合には、加圧板56と共通電極120とを兼用することができる。
図14(b)には、圧電体膜形成工程を示す。図14(a)に示す共通電極形成工程によって共通電極120が形成されると、共通電極120の加圧板と反対側の面に圧電体膜58Aが形成される。本例では、圧電体膜58AにはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛、Pb(Zi,Ti)O)が適用される。もちろん、圧電体膜58AにPVDF(ポリフッ化ビニリデン、Polyvinylidene fluoride )などを適用してもよい。
即ち、図14(b)に示す圧電体膜形成工程では、共通電極120上に圧電体膜58Aが形成される。圧電体膜58Aの形成方法には、圧電体薄膜58Aを共通電極120に接着してもよいし、スパッタリングやAD法(エアロゾルデポジション法)によって共通電極120上に圧電体膜58Aを成膜してもよい。なお、圧電体膜58Aは共通電極120全体に成膜してもよいし(電気分割型)、例えば、図7に示す圧力室52の上部など必要な部分にのみ成膜してもよい(メカ分割型)。共通電極120全体に圧電体膜58Aを成膜する電気分割型では、次に説明する個別電極形成工程において駆動部分(アクチュエータとして機能させる部分)にのみ個別電極57を形成すればよい。
図14(c)には、個別電極生成工程を示す。図14(b)に示す圧電体膜形成工程によって圧電体膜58Aが形成されると、圧電体膜58Aの共通電極120と反対側の面に共通電極57が形成される。個別電極57には金やプラチナ、銅などの金属材料が用いられる。個別電極57の形成には、めっきやスパッタリングなどの電気形成法が好適に用いられる。このようにして、圧電体膜58Aの上に個別電極57が形成されると、共通電極120と個別電極57との間に圧電体膜がはさまれた構造を有するアクチュエータ58が形成される。
図14(a)〜(c)に示す各工程を経て、振動板56上にアクチュエータ58が形成されると、図14(d)に示す加圧板接合工程では、吐出側流路プレート112と、共通液室プレート114と、供給口プレート116と、圧力室プレート118と、を積層した積層構造体400に、アクチュエータ58が形成された振動板56が接合され、流路構造体402が形成される。なお、本例では、複数のキャビティプレートを積層させて積層構造体400を形成する態様を示したが、積層構造体400を樹脂の一体成型により製造することも可能である。
図15(a)〜(d)には、図7に示す配線構造体104の製造工程を示す。図15(a)に示す基板形成工程では、樹脂成型によって所定の形状を有する配線基板(配線構造体104の基材)410が形成される。配線基板410は、所定の位置に図7に示す垂直配線122が形成される穴(貫通穴)412が設けられている。また、配線基板410には構造体100のアクチュエータ58が配接される部分に空洞部105に対応する凹部414が形成されている。
配線基板410に用いられる材料には、シリカを充填したエポキシ樹脂(ICパッケージに用いられる樹脂)が好適に用いられる。また、穴412は、成型時に穴も含めて一体に成型してもよいし、配線基板410の形成後にドリルやレーザを用いた穴加工によって穴412を形成してもよい。
図15(b)に示す垂直配線形成工程では、図15(a)に示す配線基板形成工程によって配線基板410に形成された穴412の内部に垂直配線122となる導電部が形成される。垂直配線122は、穴412の内壁に金属材料のめっき処理を施してもよいし(穴412にスルーホールを形成してもよいし)、穴412を導電材料(例えば、金属粒子を樹脂に分散させた導電ペーストなど)を充填してもよい。また、はんだなどの低融点金属を溶融させて充填してもよい。
図15(c)には、水平配線形成工程を示す。図15(b)に示す垂直配線形成工程によって配線基板410に垂直配線122が形成されると、図15(c)に示す水平配線形成工程によって水平配線126が形成される。水平配線形成工程では、上部水平面124(又は下部水平面128)に所定の回路パターンにパターンニングされた水平配線126が形成される。また、配線基板410(配線構造体104)から外部に配線を引き出すためのコネクタ用の電極や、図7に示すドライバICなどのICを搭載するための電極が形成される。水平配線126の形成方法には、金やプラチナ、銅などの金属薄膜を水平配線126が形成される面に貼り付けた後に、エッチングによって所定の配線パターンを形成してもよいし、めっきによって配線パターンを形成してもよい。
図15(d)には、接合部形成工程を示す。図15(d)に示す接合部形成工程では、流路構造体402に形成されるアクチュエータ58の個別電極57と電気的に接合される導電性接合部材130が凹部414に形成される。導電性接合部材130には、はんだボールやはんだバンプが好適に用いられ、スクリーン印刷技法を用いてはんだボールやはんだバンプなどの導電性接合部材130を所定の位置に配置してもよいし、ACPやACFなどの異方性導電部材を導電性接合部材130として所定の位置に貼り付けてもよい。
図16(a),(b)には、図14(a)〜(d)に示す構造体形成工程によって形成された流路構造体402と、図15(a)〜(d)に示す配線構造体形成工程によって形成された配線構造体104と、を接合する接合工程を示す。図16(a),(b)には、本発明に係る配線基板(配線構造体に対応)と電子デバイス(流路構造体)の接合方法が適用される。
即ち、図16(a)に示す位置合わせ工程によって、流路構造体402と配線構造体104との位置合わせが行われ、処理温度T1がT1≧Tcとなるように加熱して電気的接合部材130を溶融(或いは硬化)させるとともに、流路構造体402と配線構造体104とを所定の圧力Paで加圧して、配線構造体104の反りや配線構造体104の製造ばらつきによる成型精度の誤差が規正される(電気的接合工程)。
導電性接合部材130に、はんだボール(はんだバンプ)が用いられる場合には、Tc=260℃で30秒間(図10のタイミングt12〜タイミングt3に対応する期間)加熱処理が施される。
その後、所定の圧力Paによる加圧処理が継続され、処理温度T2がTg≦T2<Tcとなるように制御される。この状態では、導電性接合部材130が硬化し、配線構造体104を変形させた際に生じた応力が緩和される(応力緩和工程)。応力緩和工程は、配線基板410(配線構造体104の基材)にエポキシ樹脂(半導体パッケージ用のエポキシ樹脂)が用いられる場合、Tg=150℃のとき、T=170℃で60秒間(図10のタイミングt3〜タイミングt14の期間に対応する期間)保持される。
応力緩和工程の後には、処理温度Tを常温まで下げて流路構造体402に配線構造体104が接合された、図16(b)に示す構造体440が冷却される(冷却工程)。なお、図10に示す圧力プロファイル302では、冷却工程では圧力Paによる加圧を停止しているが、冷却工程でも圧力Paで加圧する状態を保持してもよい。冷却工程で加圧状態が保持される態様では、冷却工程の後に加圧が停止される。
図17(a)に示すIC搭載工程では、ドライバIC106等のICを配線構造体104の上部水平面124(または、下部水平面128)にドライバIC106等のICが搭載される。IC搭載工程では、上部水平面124等に設けられて電極上にICが搭載され、はんだや異方性導電部材を介して該電極とICの取出電極(リード線やバンプ)が電気的に接合される。なお、図17(a)にはドライバIC106を1つだけ示したが、もちろん、複数のICが搭載されていてもよいし、メモリや他の機能を有するICが搭載されてもよい。更に、IC以外のコネクタなどの部品が搭載されてもよい。
IC搭載工程に用いられる配線構造体とIC等の電気的接合に用いられる導電性接合部材は、IC接合工程において図16(a)に示す導電性接合部材130が溶融(或いは硬化)しないように、導電性接合部材130に比べて溶融温度(硬化温度)が低い部材を用いることが好ましい。
図17(b)には、ノズルプレート接合工程を示す。IC搭載工程によって配線構造体104(構造体440)にICが搭載されると、図17(a)に示す構造体440にノズルプレート110が接合される。
図17(b)には、ノズルとなる開口部(穴)が設けられたノズルプレート110を構造体440の所定の位置に接合する態様を示したが、ノズルプレート接合後にノズルとなる開口(穴)を形成してもよい。
本例では、配線構造体104の基材となる配線基板410のガラス転移点温度に処理温度を維持する態様を示したが、例えば、構造体100に配線基板410のガラス転移点温度と異なるガラス転移点温度を有する樹脂材料を用いる場合や、流路構造体104に配線基板410のガラス転移点温度と異なるガラス転移点温度を持つ樹脂材料を用いる場合(即ち、ガラス転移点温度の異なる複数の樹脂材料を用いる場合)には、各樹脂材料に対して応力緩和処理を施すように温度制御を行う態様が好ましい。
上記の如く構成された印字ヘッド50は、電気的接合工程において処理温度T1(≧Tc)で熱処理を施して導電性接合部材130(はんだバンプ、異方性導電ペースト等)を溶融(或いは硬化)させるとともに、圧力Paで加圧処理が行われ、配線構造体104の反り規正処理及び成型時のばらつきによる精度の規正処理が施される。その後、応力緩和工程では、圧力Paを維持しながら処理温度T2(Tg≦T2<Tc)で電気的接部材130を硬化させて構造体100に備えられたアクチュエータ58の個別電極57と配線構造体104に設けられた配線(垂直配線)との電気的接合を完了させるとともに、所定の期間処理温度T2を維持して配線構造体104の変形による応力を緩和する応力緩和処理が施される。更に、冷却工程では、圧力Paによる加圧処理が停止され、処理温度をT3(T3<Tg、例えば、常温)として、構造体100と配線構造体104の熱膨張係数の差による残留応力が緩和される。このような工程を経ることで、配線構造体104の反りや成型時のばらつきの精度が規正され、反りや成型時のばらつきの精度の規正のための変形により生じた応力が緩和され、熱膨張係数の差による残留応力が緩和されることで、高い接合信頼性や高い寸法精度を得ることができる。
〔他の実施形態〕
上述した実施形態では、図7に示すように圧力室52と共通液室55とを振動板56に対して同じ側に配置する態様を示したが、図18に示すように、圧力室52の振動板56と反対側に共通液室55を配置し、振動板56に設けられた供給口54を介して圧力室52と共通液室55とを直接連通させてもよい。図18に示す態様では、振動板56の圧力室と反対側(即ち、共通液室55の内部)にアクチュエータ58が設けられ、振動板56のアクチュエータ58が配接されるアクチュエータ配接面56Aにアクチュエータ58の個別電極57から引き出された電極59が形成される。
この電極59からから立ち上がるように、且つ、共通液室55内の少なくとも一部を貫通するようにアクチュエータ58へ与える駆動信号が伝送される垂直配線部材490が形成される。この垂直配線部材490は、共通液室55内のインクと接触する部分には絶縁処理膜98が形成され、電極59とはんだや異方性導電性ペーストなど導電性接合部材によって電気的に接合される。なお、垂直配線部材490以外にもアクチュエータ59や振動板56なども、共通液室55内のインクと接触する部分には絶縁膜498が形成される。 また、垂直配線部材490の電極59と反対側の端部には電極490Aが形成され、電極490Aは該電極490Aと電気的に接合される接合部(不図示)を持つフレキシブル基板492と接合される。このフレキシブル基板492は図7の配線構造体104に相当する。
フレキシブル基板492は、ポリイミドなどの樹脂材料を基材(絶縁層)として、該基材の表面に金やプラチナなどの材料を用いた配線(配線層)が形成されている。この配線はアクチュエータ58に与える駆動信号を伝送する。なお、フレキシブル基板492は、複数の絶縁層と3層以上の導電層を交互に積層させた多層構造を有していてもよい。
図18に示す態様では、振動板56を底面、フレキシブル基板492を天面として、これらによって囲まれた領域が共通液室55となっており、共通液室55内に立ち並ぶように垂直配線部材490が配接され、垂直配線部材490は共通液室55の天面となるフレキシブル基板492を支えるように構成されている。なお、フレキシブル基板492の共通液室55内のインクと接触する部分には、絶縁膜98が形成されている。
図18に示す態様では、ノズルプレート494と、流路プレート496(流路プレート496は複数のキャビティプレートを有していてもよい)と、振動板56と、アクチュエータ58(絶縁層498を含む)と、電極59と、を含む流路構造体500が図7の構造体100に対応し、垂直配線部材490(絶縁膜498を含む)と、フレキシブル基板492(絶縁膜498を含む)と、を含む配線構造体502が図7の配線構造体104に対応している。
図18に示す印字ヘッド50’は、図14〜図16を用いて説明した印字ヘッド50の製造方法と略同一の方法を用いて製造される。先ず、振動板56にアクチュエータ58(共通電極120)と個別電極57とを形成し(アクチュエータ形成工程)、振動板56のアクチュエータ58と反対側に流路プレート496が接合され(流路プレート接合工程)、流路構造体500からノズルプレート494が除かれた構造体が形成される(流路構造体形成工程)。この構造体の所定の部分には絶縁膜498が形成される。
また、フレキシブル基板492の垂直配線部材490を接合させる垂直配線部材接合面に導電性接合部材を介して垂直配線部材490を接合させた後に、所定の部分に絶縁膜498を形成し、図18に示す配線構造体502が形成される。
このようにして形成された流路構造体500からノズルプレート494が除かれた構造体の電極59に導電性接合部材が形成され(塗布され)、配線構造体502の垂直配線部材490との位置合わせが行われた後に、図10(図12)に示す温度プロファイル及び圧力プロファイルに基づいて接合処理(電気的接合工程)、応力緩和処理(応力緩和工程)、冷却処理(冷却工程)が施される。その後、図17(a)に示すIC搭載工程によってフレキシブル基板492にドライバIC(図18には不図示)が搭載され(IC搭載工程)、ノズルプレート494が接合される(ノズルプレート接合工程)。
図18に示すように、共通液室55を圧力室52の振動板56と反対側に配置することで、吐出側流路51Aの長さを長くすることなく(吐出側流路51Aの流路抵抗を増加させることなく)共通液室55の所定のサイズを確保することができるので、特に、インクジェット記録装置に用いられる一般的なインクに比べて粘度が高い(例えば、15cP〜20cP程度の粘度を有する)高粘度インクを用いる場合にも、20〜40kHz程度の高い吐出周波数でインクを吐出させることが可能になる。
上記実施形態では、記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するページワイドのフルライン型ヘッドを用いたインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、短尺の記録ヘッドを往復移動させながら画像記録を行うシャトルヘッドを用いるインクジェット記録装置についても本発明を適用可能である。
上記実施形態では印字ヘッドに備えられるノズルからインクを吐出させて、記録紙16上に画像を形成するインクジェット記録装置を示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、レジストなどインク以外の液体で画像(立体形状)を形成する画像形成装置や、ノズル(吐出孔)から薬液、水などを吐出されるディスペンサ等の液体吐出装置などにも広く適用可能である。
本発明に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3(a),(b) 中4−4線に沿う断面図 図1に示したインクジェット記録装置の供給系の構成を示す要部ブロック図 図1に示したインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 図4に示した印字ヘッドの詳細を示す断面図 本発明に係る配線基板と電子デバイスとの接合方法を説明する概念図 図8に示す接合方法における加熱処理及び加圧処理を説明する概念図 図8に示す接合方法における温度プロファイル及び圧力プロファイルを説明する図 従来技術に係る温度プロファイル及び圧力プロファイルを説明する図 図10に示す温度プロファイルの他の態様を説明する 配線基板と電子デバイスとの接合方法における反りと応力を説明する概念図 本発明に係る印字ヘッドの製造方法における流路構造体製造方法を説明する概念図 本発明に係る印字ヘッドの製造方法における配線構造体製造方法を説明する概念図 本発明に係る印字ヘッドの製造方法における流路構造体と配線構造体との接合方法を説明する概念図 本発明に係る印字ヘッドの製造方法におけるIC搭載方法とノズルプレート接合を説明する概念図 図7に示す印字ヘッドの他の態様を示す図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50,50’…印字ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、56…振動板、57…個別電極、58…アクチュエータ、100,500…構造体、104,104’,502…配線構造体、106…ドライバIC、130,220…はんだバンプ(導電性接合部材)、200,410…配線基板、210…電子デバイス、230…異方性導電フィルム、240…押圧部材、242…ヒータ、300…温度プロファイル、302…圧力プロファイル、402…流路構造体

Claims (9)

  1. 電子デバイスと配線基板との電気的接合部を導電性接合部材を介して接触させた状態で前記電子デバイス及び前記配線基板を所定の圧力Paで加圧するとともに、前記導電性接合部材の接合温度Tcとの関係がTc≦T1を満たす温度T1を前記電子デバイス及び前記配線基板に与える電気的接合工程と、
    前記電気的接合工程の後に、前記所定の圧力Paで前記電子デバイス及び前記配線基板の加圧を維持するとともに、前記接合温度Tcと前記配線基板に含まれる樹脂材料のガラス転移点温度Tgとの関係がTg≦T2<Tcを満たす温度T2を前記電子デバイス及び前記配線基板に与える第1の応力緩和工程と、
    を含むことを特徴とする電子デバイスと配線基板との接合方法。
  2. 前記第1の応力緩和工程の後に、前記樹脂材料のガラス転移点温度Tgとの関係がT3<Tgを満たす温度T3を前記電子デバイス及び前記配線基板に与える冷却工程を含むことを特徴とする請求項1記載の電子デバイスと配線基板との接合方法。
  3. 前記冷却工程では、前記所定の圧力Paによる前記電子デバイス及び前記配線基板の加圧を停止することを特徴とする請求項2記載の電子デバイスと配線基板との接合方法。
  4. 前記冷却工程では、前記所定の圧力Paによる前記電子デバイス及び前記配線基板の加圧を維持し、前記冷却工程の後に、前記所定の圧力Paによる前記電子デバイス及び前記配線基板の加圧を停止することを特徴とする請求項2記載の電子デバイスと配線基板との接合方法。
  5. 前記電子デバイスおよび前記配線基板のうち少なくとも何れか一方に前記配線基板に含まれる樹脂材料のガラス転移点温度と異なるガラス転移点温度Tg2を有する樹脂部材を備え、
    前記電気的接合工程の後に、前記接合温度Tcと前記ガラス転移点温度Tg2との関係がTg2≦T2’ <Tcを満たす温度T2’を前記電子デバイスおよび前記配線基板に与える第2の応力緩和工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の電子デバイスと配線基板との接合方法。
  6. 液体を収容する圧力室と前記圧力室内の液体に吐出力を与え駆動信号が印加される電極を有するアクチュエータとを備えた流路構造体を形成する流路構造体形成工程と、
    前記アクチュエータの駆動信号を伝送する配線を含む配線構造体を形成する配線構造体形成工程と、
    所定の圧力Paで前記流路構造体及び前記配線構造体を加圧するとともに、前記アクチュエータが有する前記電極と前記配線構造体が有する前記配線とを電気的に接合させる導電性接合部材の接合温度Tcとの関係がTc≦T1を満たす温度T1を前記流路構造体及び前記配線構造体に与える電気的接合工程と、
    前記電気的接合工程の後に、前記所定の圧力Paで前記流路構造体及び前記配線構造体の加圧を維持するとともに、前記接合温度Tcと前記配線構造体のガラス転移点温度Tgとの関係がTg≦T2<Tcを満たす温度T2を前記流路構造体及び前記配線構造体に与える第1の応力緩和工程と、
    を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド製造方法。
  7. 前記第1の応力緩和工程の後に、前記配線構造体のガラス転移点温度Tgとの関係がT3<Tgを満たす温度T3を前記流路構造体及び前記配線構造体に与える冷却工程を含むことを特徴とする請求項6記載の液体吐出ヘッド製造方法。
  8. 前記冷却工程の後に、少なくとも前記アクチュエータに与える駆動信号を生成するICを含むデバイスを前記配線構造体に搭載するデバイス搭載工程を含むことを特徴とする請求項7記載の液体吐出ヘッド製造方法。
  9. 前記冷却工程の後に、前記圧力室に収容されている液体を吐出させるノズルを形成するノズル形成工程を含むことを特徴とする請求項7又は8記載の液体吐出ヘッド製造方法。
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